JPH037754B2 - - Google Patents

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JPH037754B2
JPH037754B2 JP14143784A JP14143784A JPH037754B2 JP H037754 B2 JPH037754 B2 JP H037754B2 JP 14143784 A JP14143784 A JP 14143784A JP 14143784 A JP14143784 A JP 14143784A JP H037754 B2 JPH037754 B2 JP H037754B2
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  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水溶液中の加水分解反応を用いて、基
体の表面に光学的厚さの制御された二酸化チタン
薄膜の形成する方法に関する。光学的厚さとは屈
折率nと寸法上の厚さdの積で、従つて光学的厚
さ(以下ndと記す)の制御は厚さそのものの制
御に外ならないが、薄膜の示す光学的物質(反射
率、干渉色等)はndに支配される故にndの制御
が問題となる。二酸化チタン薄膜はその高屈折率
に基づいて、ガラス、陶磁器(ラスター釉)等の
表面の彩色、或はマイカ粉(白雲母)の表面をコ
ーテイングして真珠顔料を製する等の装飾用途に
用いられているが、本発明はこれらに加えて多層
膜を応用した干渉フイルター、サングラス等の光
学用途にも利用し得るものである。
〔従来の技術〕
二酸化チタン被膜の形成には従来次の様な方法
が知られている。第一は昭和58年公開特許公報第
12564号を例とするイオンスパツタリングによる
真空蒸着法で、均一な二酸化チタン膜が得られ光
学的厚さの制御も透明なベルジヤーを通して生成
する膜の色相と光沢を観察して行なうことができ
るが、特別の装置を必要とし又装置によつて基体
の大きさが限定され基体の形状にも制限がある。
例えばガラス容器の内面の様に著しい凹面に均一
に膜を形成することはできない。更に真空装置を
用いるため、大きい物体を基体とする量産には不
向きである。
二酸化チタン薄膜を物体表面に形成させる第2
の方法はチタン化合物、例えばブチルチタネー
ト、アセチルアセトチタネート等の溶液を基体表
面に塗布するもので、より一般的に行なわれてい
る。即ちチタン化合物の比較的希薄な溶液を物体
の表面に塗布し、同時或は被膜形成後に熱分解し
て二酸化チタンの被膜を得る方法で、被膜の呈す
る反射光から直接又は間接にその厚さを推定し得
る。即ち溶液の塗布と熱分解が同時に行なわれる
方法(例えば昭和54年特許公報第32007号)にお
いては、形成される被膜の呈する干渉色が直接二
酸化チタン薄膜の光学的厚さを示す。チタン化合
物の被膜を形成してから熱分解して二酸化チタン
膜とする方法においては、熱分解前後の干渉色に
一定の関係があるから、被膜形成時の干渉色から
間接に熱分解後のndを知ることができる。併し
これ等の方法では表面全体に亘つて均一な厚さの
二酸化チタン膜を形成させることは困難で、特に
曲面や凹凸面のある表面では不可能である。
更に特殊な方法として四塩チタンの蒸気を水蒸
気と共に物体表面に吹きつけて気相加水分解を行
なう例があるが、その反応の制御は困難で、nd
の均一な二酸化チタン膜は得られない。
最後にチタン塩水溶液中にマイカ粉を分散させ
た状態で加水分解を行ない真珠顔料を製する方法
が古くから知られていて(USP3087827)、数例
の改良法が開示されているが何れも本発明の光学
的厚さを制御した均質な二酸化チタン被膜を与え
るものでなく、非常に微細な沈澱粒子からなる被
膜によつて光沢を発現させるものである。例えば
昭和49年特許公報第3824号にはガラスその他の基
体に二酸化チタン被膜を形成する方法が記載され
ているが、この様な方法で得られる光沢膜が本発
明の均質な二酸化チタン膜とは異質のものである
ことは、以下の説明より明らかである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は昭和42年特許公報第6809号において、
二酸化チタンの薄膜と無水硅酸の薄膜を積層して
得た3層膜により、金属様の強光沢と鮮明な干渉
色を発現させる方法を開示したが、上記の様な理
由から各層のndの制御に困難があつたため実用
に至らなかつた。その後無水硅酸層については溶
液反応によつて均一な厚さの被膜を得る方法を発
見し、昭和49年特許公報第46480号に開示したが、
二酸化チタン層については水溶液反応によつて均
一な被膜を沈着させる方法は容易に見つからなか
つた。即ち一般にガラス、陶磁器等をチタン塩の
水溶液中に浸して種々の条件下でチタン塩の加水
分解を行なつても、表面に形成される被膜は多く
の場合不透明で光沢を示さない。光沢膜が得られ
る場合であつてもその再現性は極めて悪く、全て
得られる被膜は完全透明の均質なものではなく、
光沢、色彩ともに前記蒸着法又は塗布による方法
で得られたものより劣る。
この様に本質的には濁つた被膜しか形成できな
い原因は、加水分解によつて多数の核が発生し、
これが夫々生長して沈澱を形成するのに対し、ガ
ラス等異物質の表面では本来沈澱と同じ物質が生
長できる状態が存在せず、従つてこれ等の核が優
先的に生長して先ず微小な沈澱を生じ、これが二
次的にガラス等の表面に凝集、沈着するものと解
される。前記昭和49年特許公報第3824号には「ガ
ラス板を雲母鱗片の懸垂液中に挿入」して「懸濁
液中に遊離含水二酸化チタン核が長く存在するの
を防ぐ」旨の記述があるが、この様な消極的方法
では本発明の目的は達し得ない。本発明者はガラ
ス等の表面を前記沈澱の核と同等の性質に変える
目的で種々の前処理方法を試み、遂に水溶液反応
によつて二酸化チタン層を均一な被膜として沈着
させる薄膜形成法を発見し、従来の二酸化チタン
薄膜応用品には見られぬ新規な装飾効果を再現性
ある実用的方法で発現させることに成功したもの
である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の要点は不溶性無機物質又は有機重合体
物質からなる物体の水酸基に富む表面を、水溶性
チタンエステルの酸性希薄溶液中で加熱すること
により前記チタンエステルの加水分解生成物を前
記表面に析出せしめて表面をコーテイングする前
処理工程と、チタン濃度が30ミリモル/以下の
4価チタン塩の強酸性水容液に前記前処理した表
面を接触させた状態で前記4価チタン塩の熱加水
分解を進行させて、前記表面に二酸化チタンを析
出せしめる成膜工程を含むことを特徴とする二酸
化チタン薄膜の形成方法にある。
前記前処理工程に用いる水溶性チタンエステル
は、低級1価アルコール又はポリオール類と四塩
化チタンの反応によつて得られる物質の総称であ
つて、チタン酸ゲルとポリオールの反応生成物を
含む。低級1価アルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等に四塩化チ
タンを溶解して得られるジクロロチタンエステ
ル、又はポリオール類としてはグリセロール、エ
リスリトール、ソルビトール等のポリオール、ア
ルキレングリコール及びポリアルキレングリコー
ル、単糖類又は二糖類に属する化合物の何れかを
四塩化チタンの濃厚水溶液と縮合反応させて得ら
れる生成物がある。上記1価アルコールのジクロ
ロエステルは、四塩化チタンの濃厚水溶液を過剰
量の1価アルコールと加熱する縮合反応によつて
も得ることができる。又グリセロール、エチレン
グリコール等液状ポリオールの場合は、4価チタ
ン塩冷水溶液の中和によつて沈澱するチタン酸ゲ
ルを過剰量の液状ポリオールに分散させて、加熱
溶解する方法でもよい。
糖類についてはグルコース、蔗糖等容易に入手
できる単糖類又は二糖類の何れも、四塩化チタン
の濃厚水溶液に加えて常温下で溶解させると、徐
徐に塩化水素を放出してやや粘稠な生成物を得
る。この場合は加熱すると塩酸により糖が脱水し
て黒変するから、常温で反応させる。
ポリオール類の場合に四塩化チタンに対する割
合は、チタン1モルにつき少くとも水酸基0.1モ
ルのポリオール又は糖を用いるが、未反応のポリ
オールが残るまで過剰に加えても目的に差支えは
ない。ポリオールを加えないて加熱すると透明な
乾涸物が得られ、水を加えると透明に再溶解する
が、本発明の目的とする効果は得られない。チタ
ン1モル当り水酸基0.1モルの様な少量のポリオ
ールでも、樹脂状の縮合物が得られその希薄溶液
は本発明の前処理工程に有効であるが、水溶液の
貯蔵安定性の点で水酸基0.5ないし4モルの範囲
が好ましい。
以上のようにして得られた生成物はいづれも水
によく溶け、酸性溶液は常温で安定であるが、加
熱すると徐徐に濁り、濃度の高い場合はゲルを沈
澱する。好ましくは塩酸を加えて保存し、チタン
濃度10-5から10-2モル/に希釈して使用する。
前処理は上記の希釈液に目的の物体を浸して加
熱し、前記チタンエステルの加水分解生成物でコ
ーテイングを行つた後、好ましくは前記物体の熱
変形温度以下で焼付を行なつてから成膜工程に移
る。
成膜工程は四塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チ
タン、酒石酸チタンナトリウム、チタニル蓚酸ア
ンモニウム又はカリウム等の4価チタン塩の強酸
性水溶液を用いて行なうが、この様な成膜液は30
ミリモル/以下のチタンを含み、硫酸、塩酸又
は硝酸或はこれ等の混合物を含むことにより強酸
性であることが必要である。
第1図は硫酸を用いてチタン及び酸の濃度を種
種に変えて、前記の様に前処理したガラス板を用
いて調べた結果で、〇印は光沢膜が生成するまで
液が透明状態を保つた場合、●は光沢膜は生成し
たが液が濁つた場合、×は光沢膜を生成すること
なく液が濁り、或はゲルを沈澱した場合○×は加水
分解反応が著しく又は制御された場合を示す。使
用したガラス板はグリセロールのチタンエステル
で処理してから焼付けたものであるが、前処理液
の差異には関係ない。図に示した関係は強酸の種
類及び酒石酸、キレート剤(例えばエチレンジア
ミン四醋酸)或は塩酸エチレンジアミン等の添加
物、或はアルミニウム、マグネシウム等の陽イオ
ンの存在によつて多少変るが、基本的な傾向は共
通である。即ち酸濃度が低過ぎる場合にはゲルを
沈澱する傾向があつて成膜が起らない。又チタン
濃度30ミリモル以下の範囲では、酸濃度が2規定
を超えると加水分解が、著しく又は全く抑制され
る。与えられたチタン濃度に対して適当な酸濃度
の範囲が夫々あることが判るが、その範囲は酸の
種類及び添加物の存在によつて変り、一概に定義
できない。30ミリモル/を超えるチタン濃度で
は適当な酸濃度の範囲が狭くなり反応の制御に不
利である。
上記の添加物は沈澱の生成を抑制する効果があ
り、反応の制御に利用できるが、その存在が不可
欠のものではなく、又チタン濃度の高い場合には
余り効果がない。又上記の陽イオン類は沈澱の生
成を促進する場合があるが、少量の存在は二酸化
チタンの選択的折出を妨げるものではない。
反応温度は組成により常温でも徐々に成膜する
が50℃以下では成膜が著しく遅く実用的でない。
オートクレーブ等を用いて100℃以上の温度で反
応すれば、膜の生長は著しく促進される。併し常
圧反応の場合は膜の生長を直接目で追跡できる利
点がある。前記の様にndが増すにつれ表面から
の反射光が徐々に変化するから、目的とするnd
に相当する反射光の性質、即わち反射光スペクト
ルに到達した所で反応を止めれば、所望のndの
二酸化チタン膜が得られる。反射光スペクトルと
ndの対応は分光光度計を用いれば光学理論によ
り正確に行うことができるが、色相と反射光の強
度から肉眼でも実用的に充分な精度で判断でき
る。即ち例えば光沢が充分に発達してハーフミラ
ー状となり、若干青味の残る時の膜のndは約
100nm、やや黒味を帯びた銀鏡状で光沢が最高度
に発達した時のndが約140nm、鮮明な黄色の反
射光を示す時が200nm前後等である。更に精密に
制御したい場合は前処理した多数のガラス板を一
定の時間間隔をおいて1枚ずつ順次成膜液に加え
て行つて、時間スケールと膜の光沢・色相を対比
させて光沢最大の点を140nmとして対比用のスケ
ールを作ることにより、少くともほぼ10nm単位
でndを制御することが可能である。
加熱方法は熱水浴による間接加熱、成膜液の容
器を熱源に接触させる直接加熱及び目的物体を容
器として中に成膜液を入れるか、或は目的物体内
部に熱源を入れて物体を成膜液に浸す物体加熱の
3通りが可能である。前者の物体加熱の場合、例
えば前処理したガラス容器の成膜液を入れて下か
ら直火で加熱すると、側壁面に均一な銀白色の光
沢膜が形成された時点で容器の底部はピンクから
青、或は緑の反射光を示す厚い干渉色被膜とな
り、反応温度が局部的に高い所では膜の成長が著
しく早いことを示し、オートクレーブの有用性を
示唆している。
間接加熱の場合は均一な温度条件が得られるか
ら、表面全体に均一な厚さの膜が得られる利点が
ある。反応系に微量の不純物が存在する場合に
は、徐々に成膜液が濁つて来るが、通常nd約
300nmまでは成膜に著しい影響はない。多層膜の
二酸化チタン層のndは100〜175nmの間が最も効
果的であることが光学計算から導かれるので、1
回の反応で充分ある。前記の様にオートクレーブ
を用いれば1回の反応で更に厚い膜が得られるこ
とはほゞ確実と思われるが、常圧反応でも高純度
の希釈水を用いるか、或は成膜液を透明で新鮮な
ものに入れ替えて反応を続行すれば、更に厚い膜
が得られる。途中で表面の一部に合成樹脂等でマ
スキングして、意識的にndの異つた部分を作り、
模様に応用することも可能である。
〔作用〕
前記水溶性チタンエステルを用いた前処理は、
物体の表面にチタンに富む層を均一に形成させる
もので、前記表面の水酸基と前記チタンエステル
が反応して結合し、その上に引続いて加水分解生
成物の極めて薄い層が形成されるものと考えられ
る。即ち水酸化ナトリウム等で表面を浄化したガ
ラス、陶磁器、シリカ等を酸性の前記前処理溶液
に浸すと、表面は水酸基で覆われた状態となり、 加熱により上記の様にしてチタンに富む表面に
変り、その結果一般にチタン塩の熱加水分解で生
ずる核の表面と同様の生長可能な表面状態が得ら
れるものと考えられる。
この様な表面の性質は400℃以上で焼付を行な
つても変ることなく、そのまゝ或は焼付後に強酸
性の4価チタン塩水溶液と接触した状態で前記チ
タン塩水溶液が加水分解を起す温度に加熱される
と、沈澱が生長すべき核は物体の表面自体が生長
核として既に存在するから、不純物が全くなけれ
ば加水分解速度と前記表面における膜の生長によ
る前記チタン塩の消費速度の釣合が保たれる限り
前記表面でのみ選択的に加水分解が進行し、恰も
結晶の表面の様に純粋な膜のエピタキシヤルな生
長が行なわれるものと推察される。前処理工程に
おいて焼付を行なつた場合、生成する光沢膜はこ
れを更に焼成しても変化しない点から考えて、又
加水分解反応が中和によるものでなく熱加水分解
であることからも、生長する膜は含水チタン酸で
はなく二酸化チタンそのものであると解釈され
る。
更に上記水酸基に富む表面は、一旦表面に硅酸
被膜等の水酸基に富む層を形成させることによ
り、元々水酸基の富豊でない表面を変換させるこ
とによつて作ることができる。有機重合体物質の
場合、セロフアンの様に水酸基を多く含むものゝ
みでなく、合成樹脂であつても公知の変成方法に
よつて表面に水酸基を導入すれば、本発明の方法
が応用可能であることは当然予想される。
更に又、充分緻密な硅酸被膜又は硅酸塩被膜で
表面を完全に被覆すれば、金属を用いても本発明
の実施は可能である。
〔発明の効果〕
以上の様に本発明の方法によれば、光学的厚さ
を自由に制御して均一な二酸化チタン膜を、表面
の凹凸に関係なく容易に且つ再現性よく形成する
ことができ、更にその表面上の光学的厚さの分布
を意識的に操作してデザインすることも可能で、
被膜を形成する表面の形状、大きさに本質的に制
限はない。更にこれを多層膜にすれば光沢と色彩
を与える装飾目的に限らず、干渉フイルター、サ
ングラス等にも応用が可能である。
〔実施例〕
以下実施例により具体的に説明するが、前処理
に利用し得る水溶性チタンエステルの種類、目的
物体及び応用範囲の多様性、成膜液組成の広大な
可能性から本発明の範囲全てを網羅するには莫大
な紙数を要するので、主要な実施例のみに限定し
て記述するが、本発明の特許請求の範囲は以下の
実施例に限定されるものでないことを銘記された
い。
実施例 1 (1) 四塩化チタン水溶液の調製 四塩化チタン(試薬1級)35gを容量200mlの
三角フラスコに手早く秤取し、換気装置中で純水
(脱イオン水を以下純水と略称する)20gを徐々
に滴下する。一旦黄白色の塊となるが、全量の純
水を加え終つた時点では濃黄色のやゝ粘稠な溶液
となる。
重量分析によるチタン濃度は3.5モル/であ
つた。
(2) グリセロールチタンエステルの調整 上記四塩化チタン水溶液3gを容量50mlのビー
カーに取り、グリセロール3.6gを加えて溶解さ
せ、換気装置中でのホツトプレートを用いて加熱
すると、沸騰して水蒸気と塩化水素を放出する。
沸騰が終つたら撹拌しながら更に揮発分を除き、
水飴状になつたら放冷して固化させる。純水1ml
を加えて再加熱して溶解し、更に純水で希釈して
全体を300mlとする。
(3) ガラス板の前処理 窓用の板ガラスを約5cm×7cmの大きさに切
り、300mlのビーカーに入れてガラス板が完全に
浸るまで1規定の水酸化ナトリウムを満たす。多
数をまとめて処理するときは、面同志が密着しな
い様に適当なスペーサーを用い、煮沸浴中で約20
分加熱してから清水中でスポンジを用い表面をよ
く拭つてから、指を表面に触れない様にして約1
cm×5cmの短冊に切分けて純水中に保存する。以
下実施例9まで全てこのガラス板を使用する。
試験管に純水10mlをとり、前記グリセロールと
四塩化チタンの反応生成物の溶液をスポイドで1
滴(約0.05ml)と10%に希釈した塩酸4滴(約
0.2ml)を加え撹拌してから、前記のガラス板を
入れる。煮沸浴中で約30分間加熱してから液を捨
て、清水で洗い、次いで純水で洗つて風乾してか
ら金網に載せ、電熱器で約15分間焼付けてから徐
冷する。
(4) 二酸化チタン膜の生成 100mlのメスフラスコに50%硫酸3mlと、前記
四塩化チタン水溶液1滴(約0.05ml)を入れて純
水で100mlとし、チタン濃度1.75ミリモル/の
溶液を用意する。試験管に上記前処理をしたガラ
ス板を入れ、全体が浸るまでこの液を入れる。
300mlのビーカーに熱水を入れてホツトプレート
に載せ、液が80℃以上になつたら試験管をビーカ
ー内に入れて間接加熱する。溶温を80℃以上に保
つて約15分するとガラス板表面に青白い反射光が
現れる。更に加熱を続けると光沢は次第に増し、
約30分で銀白色のハーフミラー状となる。ガラス
板を取出して水洗し、表面を拭つても光沢膜は強
固に表面に結合していて剥離しない。更に金網に
載せ15分間電熱器の直火で加熱したが、光沢及び
透明度に変化は認められなかつた。
実施例 2 実施例1の(2)においてグリセロールの代りにエ
チレングリコール1.2gを用いてチタンエステルの
溶液100mlを作つた。実施例1と同様にしてこの
溶液を用いてガラス板を前処理し、次いで二酸化
チタン膜の生成(以下成膜処理と記す)を試み、
実施例1と同様の結果を得た。
更にエチレングリコールの代りに当量のプロピ
レングリコール、ブタンジオール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコールを夫々用いて
同様に試みたが、何れも大差ない結果を得た。
実施例 3 実施例1の(2)においてグリセロールの代りに白
砂糖0.2gを用い、常温で徐々に溶解させてから純
水100mlに溶解した液について実施例同様の前処
理及び成膜処理を行ない、ガラス面に光沢膜が形
成されるのを確認した。
実施例 4 実施例1の(2)においてグリセロールの代りにソ
ルビトール1.2gを用いて加熱溶解せしめてから、
水分及び縮合で放出される塩化水素を除去して得
た樹脂状物を、純水100mlに溶解した後、この溶
液を用いて実施例1と同様に前処理及び成膜処理
をして、同様の結果が得られることを確認した。
実施例 5 実施例1の(2)においてグリセロールの量を0.6g
及び0.1gに減らした場合について同様に固形の生
成物を得た。後者の生成物を純水100mlに溶解し、
塩酸40mlを加えてガラスびんに貯えた。この溶液
2mlを純水300mlで希釈した液を用いて前処理及
び成膜処理を実施例1と同様に行ない、同様の結
果を得た。
実施例 6 実施例5に従つて前処理したガラス板を多数用
意し、純水、四塩化チタン及び硫酸からなる3成
分系の成分比率を変えて成膜処理の比較試験を実
施例1同様の方法で行ない、第1図に示す結果を
得た。図の説明は発明の詳細な説明で述べたとお
りである。
実施例 7 実施例1の(4)において四塩化チタンの代りに硫
酸チタンを用い、チタン濃度2.5ミリモル/、
塩酸濃度0.3規定の溶液として、実施例1同様に
成膜処理をして、同様の効果を確認した。
実施例 8 (1) チタン酸ゲルの調製 実施例1の(1)で用意した四塩化チタン水溶液
1gを冷純水50mlで希釈し、冷却した5%水酸化
ナトリウム溶液12mlを徐々に加えて生ずるゲル状
沈澱を別し、純水で洗つてからビーカーに移
す。
(2) 酒石酸チタンナトリウム溶液の調製 酒石酸2.3g、水酸化ナトリウム12gを上記別
した沈澱に加えて撹拌する。更に熱水浴にビーカ
ーを入れて全体が溶解したら過し、液全量が
30mlになるまで紙を通して純水を加える。
(3) チタニル蓚酸アンモニウム溶液の調製 上記(1)で得た沈澱に0.4gの蓚酸アンモニウムを
加えて加熱溶解し、過して30mlに希釈する。
(4) 成膜処理 上記(2)及び(3)で得た溶液夫々0.5mlに50%硫酸
0.5ml及び純水20mlを加え、チタン濃度約2.8ミリ
モル/の溶液とし、実施例1と同様に処理して
夫々光沢膜の得られることを確認した。
実施例 9 5本の試験管に実施例5に従つて前処理したガ
ラス板を夫々入れ、実施例8の(4)同様組成の酒石
酸チタンナトリウムの硫酸酸性溶液を加えて、
300mlのビーカーを用いた熱水溶中で浴を煮沸状
態に保ちながら加熱し、時々浴に熱水を補充して
成膜処理を行なう。約20分後青味を帯びた光沢膜
が形成された所で1本の試験管を取出し、放冷す
る。更に約10分後青味が消失したら次の1本を、
更に黒味を帯びた銀鏡状光沢に達したら第3番
目、光沢膜が黄味を帯びた時点で4番目を夫々取
出し、放冷し、液が濁つて来ても続行して黄金色
に変つた時点で最後の1本を取出す。各ガラス板
は放冷後水洗してから、約400℃で5分間焼付け
る。光学的厚さが夫々約100nm、約120nm、約
140nm、約170ないし180nm及び約200nmの二酸
化チタン膜を得る。液の純度により黄金色の二酸
化チタン膜は若干濁りが認められることもある。
実施例 10 窓用の型板ガラスを実施例1に従つて浄化処理
し、次いで実施例5に従つて前処理する。実施例
9に従つてこれを成膜処理し、液に濁りが認めら
れたら新鮮なものと入替えて約2時間処理を続行
すると、黄、ピンク、紫、青を経て青緑の膜とな
る。水洗、乾燥すると水中にあるときより鮮明度
が若干低下するが、透明な青緑色の反射光とピン
ク色の透過光を呈する型板ガラスが得られる。こ
の様に表面の凹凸に影響されることなく、鍍金の
場合と同様の水溶液からの析出反応で任意のnd
の均一な二酸化チタン膜が得られるのが、本発明
の大きな特徴である。
実施例 11 実施例1に従つて多数のガラス板を浄化処理
し、清水及び純水でビーカー内に収容したまま洗
つてから、実施例5の組成の前処理液を満たして
30分間、蒸器の中で熱水浴状態で煮沸処理する。
清水及び純水で洗つてから再びビーカーに入れ、
実施例9の組成の成膜液を満たして黄金色の光沢
膜になるまで、実施例9同様にして液の透明度を
保ちながら成膜処理する。放冷後、水洗してから
再びビーカーに入れ、1規定水配化ナトリウムを
満たして再び熱水浴で30分加熱すると、黄金色の
膜が剥離して金箔状に液中に分離される。
ガラス板を取除き、箔を沈降させてから傾瀉洗
滌し、金箔泥状の生成物を得る。アクリルエマル
ジヨンを加えて静かに混合し、紙に塗ると金色の
塗膜を得る。
実施例 12 500mlのビーカーにワイングラスを入れ、1規
定の水酸化ナトリウムを加えてグラスを完全に浸
漬し、煮沸水浴で30分表面の浄化を行なう。次い
で清水中でスポンジを用い、指で表面に触れない
様にして表面を拭つてから、水洗したビーカーに
戻して純水ですすぎ洗する。
実施例5の組成の前処理液を満たして30分煮沸
浴処理をしてから放冷、水洗し、風乾する。次い
で金網に載せて約400℃の炉内で15分焼付を行な
い、徐冷してからビーカーに戻し、実施例9の組
成の成膜液を加えてビーカーをホツトプレートに
載せて加熱する。液が沸騰し始めたらビーカーの
上部は時計皿で覆い、時計皿の中に冷水を入れ
る。約40分でグラスの全面に銀白色の二酸化チタ
ン膜が形成される。水洗してから水分を拭き取る
と、従来全く存在しなかつた涼やかな外観のワイ
ングラスが得られ、ワインを入れてから飲み干す
と、水分が蒸発するにつれてエキス分が濃縮され
て出来る薄膜によつて干渉色が現れる。
実施例 13 実施例12において二酸化チタンの成膜後、液の
みを除いて以下の組成の溶液と入替える。
3号硅酸ソーダ(富士化学製) 1.0g 塩化アンモニウム 1.5g 純水 500ml 約2時間沸点温度近くに保つてから、液を捨て
て水洗し、 次いで純水ですすぎ、再び前記同様実施例5の
組成の前処理液を満たして30分煮沸処理、焼付を
行い、次いで実施例9の組成の成膜液で再び二酸
化チタン膜を積層形成させる。最初銀白色の光沢
膜は実施例9の場合に較べると遥かに光沢を保つ
たまま黄色、銅色、ピンク、紫と反射光の色相が
変り、青緑になると急に鮮明となる。この状態で
反応を止め、取り出して水洗、焼付を行なうと、
単層膜の場合には見られない鮮明な青緑色に輝く
と共に、ハイライト以外の部分はピンク色に透き
とおつたグラスが得られる。
この外二酸化チタン層のndと中間層のndの組
合せを適当に選べば、黄金色に光つて紫色に透け
て見えるもの、緑色に光つてマゼンダ色に透けて
見えるもの等種々の余色の組合せが得られる。更
に以上の工程をもう1回反復して5層膜とすれ
ば、光沢は更に強く、色彩は更に鮮明なものが得
られる。
実施例 14 実施例13においてガラス器の代りに白磁の器を
基体として用いると、透過光が白色の下地に反射
されて地色となり、例えば金色のハイライトを示
す紫色の磁器が得られ、ラスター釉より遥かに鮮
明である。
実施例 15 セロフアン紙を洗剤で洗い、次いで重曹水を含
ませた布でよく拭つてから純水ですすぎ、実施例
1の組成の前処理液に浸して約30分加熱処理し、
水洗してそのまま実施例1同様に成膜処理する
と、セロハン紙に光沢膜が形成された。
実施例 16 那智黒石を100℃に加熱した7倍希釈の3号硅
酸ソーダ(富士化学製)液に浸して引上げ、表面
に硅酸ソーダの被膜を形成させる。石自体の温度
も100℃にしておくと、引上げると直ちに乾燥塗
膜が得られるから、次いで塩化アンモニウムの10
%溶液中に入れて30分煮沸して固定する。この様
に表面処理した石に実施例13同様にして青緑色の
3層膜を形成すると、青緑色の金属光沢を呈する
珠が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例6においてチタン濃度を0.4か
ら35ミリモル/、硫酸濃度を0.05から4規定の
間で種々に変えた組合せで成膜を行なつた結果を
示す濃度関係図である。図中〇は液が透明で光沢
膜生成、●は液は濁つたが光沢膜形成、×は液が
濁るか沈澱を生じ光沢膜の形成なし、○×は加水分
解反応が著しく又は全く抑制された場合を夫々示
す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 不溶性無機物質又は有機重合体物質からなる
    物体の水酸基に富む表面を、水溶性チタンエステ
    ルの酸性希薄溶液中で加熱することにより前記チ
    タンエステルの加水分解生成物を前記表面に析出
    せしめて表面をコーテイングする前処理工程と、
    チタン濃度が30ミリモル/以下の4価チタン塩
    の強酸性水容液に前記前処理した表面を接触させ
    た状態で前記4価チタン塩の熱加水分解を進行さ
    せて、前記表面に二酸化チタンを析出せしめる成
    膜工程を含むことを特徴とする二酸化チタン薄膜
    の形成方法。
JP14143784A 1984-07-10 1984-07-10 光学的厚さを制御した二酸化チタン薄膜の形成方法 Granted JPS6121918A (ja)

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