JPH04117646U - 体液濾過濃縮装置 - Google Patents

体液濾過濃縮装置

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JPH04117646U
JPH04117646U JP2841991U JP2841991U JPH04117646U JP H04117646 U JPH04117646 U JP H04117646U JP 2841991 U JP2841991 U JP 2841991U JP 2841991 U JP2841991 U JP 2841991U JP H04117646 U JPH04117646 U JP H04117646U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有害物質を含んだ腹水や胸水のような体液
を、多量に、連続的かつ短時間で濾過、濃縮を可能にす
るとともに、ポンプ1台で濾過濃縮を行うことができる
簡単な構造の体液濾過濃縮装置を提供する。 【構成】 体液を貯留する原体液貯留容器1と、中空糸
膜25を内蔵し体液中の有害物質を除去する濾過器2
と、中空糸膜45を内蔵し濾過器2から導出された濾過
体液を濃縮する濃縮器4と、濾過器2からの濾過体液を
上記濃縮器4に送り込むポンプ3と、ポンプ3と協働し
て濃縮器4の中空糸膜45に膜間圧力差を付加する絞り
弁のような膜間圧力差付加手段5と、上記濃縮器4から
の濃縮体液を貯留する濃縮体液貯留容器6とを備える。
また、濾過器2は、中空糸膜25の外側から内側へ体液
が流れるように構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、患者の腹水や胸水のような体液から有害物質を除去したのち濃縮 し、患者の体内へ戻すのに備える体液濾過濃縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、腹水濾過濃縮再静注治療、すなわち、肝ガン、肝硬変等に起因して患者 に貯留する腹水を、体外に取り出し、腹水中にふくまれる癌細胞、細菌、血球等 の大分子量有害物質を除去し、アルブミン等の蛋白成分を濃縮して、再び患者の 血管に静注する治療が、腹水の貯留に伴う圧迫感の解消、腹水中の有用成分の再 利用という利点から、難治性腹水の治療法として盛んに行われてきており、種々 の治療装置が提案され、利用されている。 その例として、患者から採取した腹水を、まず濾過したのち、濃縮して腹水回 収容器に貯留する装置(特公昭55−15221号参照)と、先に腹水を濃縮し たのち、これを濾過して腹水回収容器に貯留する装置(特公昭61−13823 号公報参照)とがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記いずれの装置でも、濾過工程では、腹水を中空糸膜の内側から 外側へ流して濾過しているので、大分子量の有害物質を多量に含んだ腹水を濾過 すると、中空糸膜の内面または中空糸膜の内側空間に有害物質が付着堆積、また は貯留して、詰まりが発生し、濾過が困難になり、所望量の腹水濾過ができなく なる。その結果、流量を低下させ、時間をかけて濾過する、途中で濾過を中止す る、または途中で濾過器を交換するなどの対策を余儀なくされている。
【0004】 また、前者の装置では、腹水が連続して中空糸型濾過器および中空糸型濃縮器 の中空糸膜の内側を流れるので、中空糸膜内での圧力損失(流路抵抗)が大きく なり、したがって、迅速な処理を行うためにポンプを2台使用しているので、装 置が高価で、操作も複雑になっていた。 他方、後者の装置では、濃縮と濾過とを別々に行う、つまり非連続的に行うの で、処理時間がかかる。
【0005】 この考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので、体液の濾過状況を中空糸の 構造とあわせて解析し、中空糸の外側から内側へ体液を流して濾過することによ り、中空糸の濾過面積を効率的に利用して、多量の有害物質を含んだ腹水や胸水 のような体液でも、多量に、連続的かつ短時間で濾過、濃縮を可能にするととも に、濾過器と濃縮器の間にポンプを設けることにより、濾過器と濃縮器に適性な 膜間圧力差を付加し、効率よく濾過濃縮を行うことができる簡単な構造の体液濾 過濃縮装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この考案に係る体液濾過濃縮装置は、図1に示すように、体液を貯留する原体 液貯留容器1と、体液中の有害物質を除去する中空糸型の濾過器2と、ポンプ3 と、上記濾過器2から導出された濾過体液を濃縮する濃縮器4と、上記濾過器2 からの濾過体液を上記濃縮器4に送り込むポンプ3と、膜間圧力差付加手段5と 、上記濃縮器4からの濃縮体液を貯留する濃縮体液貯留容器6とを、チューブT で連結接続しており、1台のポンプ3によって上記濾過器2から濾過体液を取り 出し、上記濃縮器4に送り込んでいる。
【0007】 また、濾過器ハウジング22の側壁に設けられた導入ポート21に原体液貯留 容器1が接続されるとともに、内蔵された中空糸膜25の内側空間26につなが る一方の導出ポート23にポンプ3が接続され、他方の導出ポート24は閉塞さ れており、これによって、中空糸膜25に膜間圧力差が付加され、原体液貯留容 器1からの体液が、中空糸膜25の外側から内側へ流れて濾過されるように構成 されている。
【0008】 濃縮器4は、内蔵された中空糸45の内側空間46につながる導入ポート41 に上記ポンプ3が接続され、濃縮体液の導出ポート42に絞り弁のような膜間圧 力差付加手段5が接続され、中空糸膜45の外側につながる排出ポート43は大 気開放されており、上記膜間圧力差付加手段5の調整により、上記ポンプ3と協 働して中空糸膜45の内側空間46に正圧力をかけ、これによって、排出ポート 43(大気圧)との間、つまり中空糸膜45の内外間に圧力差を付加して、濃縮 器4での濃縮を円滑に行わせている。
【0009】 この考案に用いる濾過器2の中空糸膜25は、体液中に含まれる有用物質、た とえばアルブミン、グロブリン等の蛋白質を通過させるが、癌細胞、細菌、血球 のような有害物質(一般に大分子量)を通過させない機能を有している。このよ うな中空糸膜25としては、孔径0.2μmのポリビニルアルコール(PVA) 系膜、ポリスルホン系膜等がある。
【0010】 この考案に用いる濃縮器4の中空糸膜45は、濾過された体液中に含まれる過 剰の水分を透過させるような機能を有している。このような中空糸膜45として は、分画分子量が約50000の再生セルロース膜、エチレン−ビニルアルコー ル系共重合体膜、ポリアクリロニトリル膜、セルロース膜等がある。
【0011】 この考案に用いるポンプ3は、体液を循環させる機能を有し、かつ生体に無害 なものであれば、すべて適用できるが、チューブTをしごくことにより、その内 部の液体を圧送する市販の血液ポンプは、このような機能を備えており、好適で ある。
【0012】 この考案に用いる膜間圧力差付加手段5は、濃縮器4の導出ポート42側に設 けた絞り弁のほか、排出ポート43側に設けた陰圧ポンプ、または通常病院のベ ッドサイドに取り付けられている吸引ラインを排出ポート43に接続したもので あってもよい。
【0013】
【作用】 上記構成において、ポンプ3を回転させると、患者から採取された原体液貯留 容器1内の体液は、ポンプ3により吸引され、濾過器ハウジング22の側壁に設 けられた導入ポート21から濾過器ハウジング22に入り、濾過器2内の中空糸 膜25の外側から内側へ通過することにより濾過されて内側空間26に入り、導 出ポート23から導出される。体液がこの中空糸膜25を通過する際、その孔径 よりも大きな大分子量の有害物質は通過できず、中空糸膜25の外表面または周 辺に付着堆積し、貯留される。この付着堆積物または貯留物が多くなると、濾過 器2の詰まりが発生し、特に大分量有害物質を多量に含む体液では、この傾向が 強くなる。
【0014】 中空糸膜25は、その形状からして、外表面の面積が内表面の面積よりもかな り大きい。たとえば、代表的な中空糸膜であるPVA中空糸膜(内径330μm 、外径580μm)の場合で、約1.7倍である。また、中空糸膜25の外側に おける濾過器ハウジング22内の容積は、中空糸膜25内の容積よりも大きい。 ここで、この考案は、中空糸膜25の外側から内側へ体液を流して、広い濾過面 積を有する中空糸膜25の外側に有害物質を付着堆積させながら濾過するので、 付着堆積による詰まりが少ない。また、上記容積が大きいことから、貯留物の濃 度もゆるやかに上昇するので、円滑な濾過が行われ、有害物質を多量に含んだ体 液であっても、詰まりが発生しにくく、短時間に大量の濾過が可能である。
【0015】 さらに、濾過器2による濾過と、濃縮器4による濃縮とが連続的になされるの で、濾過濃縮が一層迅速になされる。 しかも、中空糸膜25の狭くて長い内側空間26に体液を通して、中空糸膜2 5の内側から外側への流れで体液を濾過する場合と比較して、中空糸膜25を通 過するときの圧力損失が少ないので、1台のポンプ3で充分迅速な濾過濃縮が可 能である。
【0016】 濾過された体液は、ポンプ3により、濃縮器4の導入ポート41に送られ、中 空糸膜45の内側空間46を通過し、導出ポート42から導出され、膜間圧力差 付加手段5を経由して濃縮体液回収容器6に送られる。このとき、膜間圧力差付 加手段5によって、中空糸膜45の内側空間46に圧力が加えられることにより 、中空糸膜45に膜間圧力差が付加され、この内側空間46に入った体液中の水 分が、分離されて中空糸膜45の外側に導出され、排出ポート43より外部に排 出される。こうして、濃縮体液回収容器6には、アルブミン等の有用成分が豊富 となった濃縮体液が貯留される。
【0017】
【実施例】
つぎに、この考案の実施例を説明する。 実施例1 図2に示す装置を用いて腹水の濾過、濃縮を行った。濾過器2は、PVA中空 糸膜25(最大膜孔径0.2μm、公称濾過面積0.6m2 、中空糸内径330 μm、中空糸壁厚さ125μm)を使用し、濃縮器4は、再生セルロース中空糸 膜45(分画分子量50000、面積2m2 、中空糸膜内径150μm、中空糸 膜厚さ8μm)を使用し、ポリ塩化ビニル(PVC)チューブにより各機器間を 接続し、腹水の濾過、濃縮を行った。
【0018】 濾過工程に対しては、濾過器2の一方(下側)の導出ポート23とポンプ3と の間にチャンバ7を設け、差圧計9を用いて、上記チャンバ7の上部空間71と 、濾過器ハウジング22の側壁に設けたもう一つのポート27との間の圧力差、 つまり、中空糸膜25の膜間圧力差を測定した。
【0019】 また、濾過器2の他方(上側)の導出ポート24とチャンバ7とをチューブT で連結し、一方の導出ポート23側のチューブTが詰まったときに、切替えが可 能なように設定している。つまり、他方の導出ポート24側のチューブTは、通 常、ピンチ弁11などで閉止されており、一方の導出ポート23側のチューブT が詰まったときに、上記ピンチ弁11を取り外すことにより、他方の導出ポート 24とチャンバ7を連通させ、かつ一方の導出ポート23側のチューブTを、破 線で示すように、ピンチ弁11Aで閉止する。これにより、上記濾過器2からの 導出経路を切り替えて、濾過を継続することができる。
【0020】 さらに、ポンプ3と濃縮器4の間にはもう一つのチャンバ8を設けて、これに 圧力計10を接続し、絞り弁からなる膜間圧力差付加手段5で付加される圧力を 測定した。運転前には、生理食塩水で濾過器2、濃縮器4および接続チューブ内 を洗浄後、この生理食塩水を充填した。
【0021】 患者より採取して原体液貯留容器1に貯留された腹水2.5リットル(総蛋白 濃度4.9グラム/デシリットル)を、ポンプ3により流量50ミリリットル/ 分の速度で腹水の濾過濃縮を開始し、約50分で、600ミリリットルの濾過濃 縮腹水(総蛋白濃度9.5グラム/デシリットル)を濃縮体液回収容器6に回収 することができた。また、濾過器2の詰まりを示す差圧計9の指示は、開始直後 は0mmHgであり、その後ゆるやかに上昇したが、最大150mmHgであった。
【0022】 また、この実施例では、膜間圧力差付加手段5として絞り弁を用いており、チ ャンバ8に設けた圧力計10を見ながら絞り弁5を調整することにより、容易に 膜間圧力差を制御できる。 なお、濃縮体液回収容器6に回収された腹水は、点滴により、患者の血管に静 注した。
【0023】 比較例1 図3に示す装置を用いて腹水の濾過、濃縮を行った。この図3の装置は、濾過 工程のみについて、濾過器2の中空糸膜25の内側から外側へ腹水が通過するよ うにチューブの接続を変更し、膜間圧力差測定用のチャンバー7を原体液貯留容 器1と濾過器2の間に設けた以外は、図2の装置と同一である。つまり、原体液 貯留容器1に接続されたチャンバー7の出口を、濾過器2の中空糸膜25の内側 空間26につながる一方のポート28Aに接続し、他方のポート28Bを閉塞し 、中空糸膜25の外側につながるポート29をポンプ3に接続した。 濾過濃縮は、実施例1と同一の患者から同一時期に採取した2.5リットルの 腹水を使用して行った。その結果、約1.5リットルの腹水が濾過器2を通過し た時点で、差圧計9が150mmHgを振り切れたので、以降、ポンプ3の流量を徐 々に低下させて運転を継続し、約2時間後にようやく600ミリリットルの濃縮 腹水を濃縮体液回収容器6に回収することができた。
【0024】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案によれば、濾過器2の中空糸膜25の外側から 内側へ体液を流しているから、有害物質を多量に含んだ体液であっても、詰まり が少なく、短時間に大量の濾過濃縮を行うことができるとともに、中空糸膜25 内での圧力損失が少なくなるので、1台のポンプ3で体液の濾過濃縮が可能にな り、したがって、体液濾過濃縮装置の構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の構成を示す系統図である。
【図2】この考案の一実施例を示す系統図である。
【図3】比較例を示す系統図である。
【符号の説明】
1…原体液貯留容器、2…濾過器、3…ポンプ、4…濃
縮器、5…膜間圧力差付加手段、6…濃縮体液回収容
器、25,45…中空糸膜。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体液を貯留する原体液貯留容器1と、中
    空糸膜25を内蔵し体液中の有害物質を除去する濾過器
    2と、中空糸膜45を内蔵し上記濾過器2から導出され
    た濾過体液を濃縮する濃縮器4と、上記濾過器2からの
    濾過体液を上記濃縮器4に送り込むポンプ3と、上記ポ
    ンプ3と協働して濃縮器4の中空糸膜45に膜間圧力差
    を付加する膜間圧力差付加手段5と、上記濃縮器4から
    の濃縮体液を貯留する濃縮体液貯留容器6とを備え、上
    記濾過器2は、中空糸膜25の外側から内側へ体液が流
    れるように構成されていることを特徴とする体液濾過濃
    縮装置。
JP1991028419U 1991-03-29 1991-03-29 体液濾過濃縮装置 Expired - Lifetime JP2543466Y2 (ja)

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