JPH0413957B2 - - Google Patents

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JPH0413957B2
JPH0413957B2 JP61171190A JP17119086A JPH0413957B2 JP H0413957 B2 JPH0413957 B2 JP H0413957B2 JP 61171190 A JP61171190 A JP 61171190A JP 17119086 A JP17119086 A JP 17119086A JP H0413957 B2 JPH0413957 B2 JP H0413957B2
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Shigeru Tanaka
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Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は鉄鋼圧延機、水道ポンプあるいはトン
ネル排気用ブロア等に利用される高速大容量の交
流可変速電動機に適用するに好適な交流電動機駆
動装置に関する。
(従来の技術) 電動機には大きく分けて直流電動機と交流電動
機とがある。前者はトルクリツプルが小さく、制
御性能に優れ、取扱いが容易であるという利点が
あり、広い分野で利用されてきた。しかし、ブラ
シや整流子の保守に手間がかかり、高速化や大容
量化に限度があるため、最近では交流可変速電動
機に置き換えられる傾向にある。
交流電動機の代表的なものは、誘導電動機と同
期電動機である。この他にリラクタンスモータや
ヒステリシスモータ等があるが、適用分野はかな
り限られている。
同期電動機の逆起電力を利用してサイリスタイ
ンバータを自然転流させるものは無整流子電動機
として一般に知られている。この無整流子電動機
は自然転流であるため、大容量化が容易で制御性
能も直流機に近似しており、種々の分野に適用さ
れてきている。しかし、界磁極を必要とするた
め、電動機本体が大きくなり、また自然転流の限
界からの制約により過負荷耐量が小さい等の欠点
を有する。
誘導電動機、特にかご形誘導電動機はその構造
が簡単で、堅牢で取扱い易い利点を有する。反
面、自励インバータが必要となり、このため変換
器からの制約がある。
最近、トランジスタやゲートターンオフサイリ
スタ等の自己消弧素子の大容量化が図られてお
り、自励インバータに用いられるようになつてき
た。特に、パルス幅変調制御(PWM)インバー
タは電動機に正弦波電流を供給できるため、トル
クリツプルが小さく、低騒音の交流可変速電動機
を実現している。
一方、その制御法においても、V/f一定制
御、すべり周波数制御あるいはベクトル制御等の
技術が確立されており、直流機なみの特性が得ら
れることが知られている。
また、交流電源の電圧を利用して自然転流させ
る代表例として、サイクロコンバータがある。こ
のサイクロコンバータは正弦波電流を電動機に供
給することができ、自然転流であるため大容量化
が容易である等の利点を有する。特に、近年にお
いては、特公昭59−14988号公報等にも開示され
ているような受電端の入力力率を常に1に制御す
る無効電力補償形サイクロコンバータが注目を集
めている。
上に述べた各種の交流電動機の駆動技術は各々
の長所を活かした形で種々の分野で利用されてい
る。
しかしながら、大容量で高速の電動機を駆動す
る装置を考えた場合、上述したような技術では、
容易にこれを達成することはできない。
すなわち、サイクロコンバータは自然転流であ
るため、大容量化が容易であるが、その反面出力
周波数が低く、高速化に適しないという問題があ
る。一方、自励インバータはトランジスタやゲー
トターンオフサイリスタ等の自己消弧素子を必要
とし、装置が高価になるため、大容量化が難しい
等の問題がある。
また、無整流子電動機は、自然転流であるため
大容量化が可能で高速化も比較的容易であるが、
電動機自体が複雑で大形になり、しかも矩形波電
流が電機子巻線に供給されるためトルクリツプル
が大きい等の問題がある。さらに始動時の転流や
過負荷耐量等を考えた場合の問題点も無視できな
い。
一方、電動機の大容量化に伴い、電源側に発生
する無効電力や高調波の影響も無視することがで
きなくなる。無効電力の変動は電源系統電圧にも
変動をきたし、同一系統に接続された他の電気機
器に種々の悪影響を及ぼす。また高調波電流はテ
レビやラジオあるいは通信線に誘導障害をひき起
こし、特に変換器によつて発生する第3、第5、
第7次の高調波は除去しにくく、非常に困難な対
策を施す必要がある。
これに対して、先に述べた無効電力補償形サイ
クロコンバータは、受電端の入力力率を常に1に
保持できる電力変換器として、上述の無効電力の
問題を解決する有力な手段であるが、出力周波数
に依存する高調波電流が入力側に現われるため、
その対策を十分に考える必要がある。ところが、
その対策は現在のところ非常に困難とされてい
る。
さらに、最近では、特開昭59−61475号公報等
にも開示されるような交直電力変換器とアクテイ
ブフイルタの機能を併せ持つ電力変換装置も発表
されており、自励インバータと組合せて構成され
る交流電動機駆動装置が注目されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら上記方式は、入力電流が電源電圧
と同相の正弦波に制御されるため、高調波が少な
く、入力力率を常に1に保持できる等の利点を有
する反面、変換器をトランジスタやゲートターン
オフサイリスタ等の自己消弧素子で構成しなけれ
ばならず、大容量化が難しく、経済性に難点があ
る。
本発明は上記従来装置の問題点を解消し、商用
の電源周波数に対して、誘導電動機、同期電動機
やリラクタンスモータ等の交流電動機に0〜数百
Hzの正弦波電流を供給し、しかも電源の入力力率
を常に1に保ち電源への高調波のもれ出しが少な
い、高速大容量の交流可変速運転を可能とした交
流電動機駆動装置の提供を目的とする。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明は、交流電源に入力側が接続され、交流
を直流に変換する第1の電力変換手段と、この第
1の電力変換手段の出力側に直流リアクトルを介
して接続され直流を交流に変換する第2の電力変
換手段と、この第2の電力変換手段の出力側に接
続された高周波進相コンデンサを含む高周波無効
電力源と、この高周波無効電力源に入力側が接続
され、交流電動機に交流電力を供給する循環電流
式サイクロコンバータとを備えたことを特徴とし
ている。
(作用) この発明においては、第1および第2の電力変
換手段は交流電源(50Hz又は60Hz)と高周波無効
電力源(例えば、500Hz)との間で電力変換を行
なうもので、高周波無効電力源である進相コンデ
ンサの電圧波高値がほぼ一定になるように交流電
源から供給される有効電力を制御している。この
とき、第1の電力変換手段の入力側の無効電力が
常に一定になるように直流側の電圧と電流を調整
し、遅れ無効電力を打ち消す進み無効電力をとる
低周波(50Hz又は60Hz)進相コンデンサを受電端
に接続することにより入力力率を1に保持するこ
とができる。
また、循環電流式サイクロコンバータは高周波
無効電力源と交流電動機との間で電力変換を行な
うもので、高周波無効電力源の周波数500Hzに対
して交流電動機の電機子巻線には、0〜500Hz程
度の周波数の正弦波電流を供給することができ
る。
このとき、高周波進相コンデンサは第2の電力
変換手段およびサイクロコンバータに対して進み
無効電力源となるもので、その周波数(例えば
500Hz)は第2の電力変換手段およびサイクロコ
ンバータの遅れ無効電力と、進相コンデンサの進
み無効電力とが等しくなるように決定される。言
い換えると、外部の発振器(周波数500Hz)によ
り第2の電力変換手段およびサイクロコンバータ
の位相制御基準信号を与えることにより、発振器
の周波数および位相に高周波進相コンデンサ電圧
の周波数および位相が一致するようにサイクロコ
ンバータの循環電流の値が自動的に調整される。
このようにして確立した高周波進相コンデンサ
電圧により第2の電力変換手段およびサイクロコ
ンバータは自然転流動作だけで電力変換を行なう
ことができる。当然のことながら、第1の電力変
換手段は電源電圧(50Hz又は60Hz)によつて自然
転流動作を行なつている。
(実施例) 以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
第1図は本発明の一実施例に係る交流電動機駆
動装置のブロツク図である。同図に示すように、
3相交流電源SUPからの交流電力は第1の電力
変換器SSPで直流に変換され、直流リアクトルLd
を介して第2の電力変換器SSNに入力され、こ
こで可変周波数の交流に変換され、高周波進相コ
ンデンサCAP、循環電流式サイクロコンバータ
CCを介して交流電動機Mに供給される。
サイクロコンバータCCは他励コンバータSS1
SS3と直流リアクトルL1〜L3で構成され各コンバ
ータの入力側は絶縁トランスTRによつて絶縁さ
れている。
また、制御回路として電流検出用変流器CTd
CTu,CTv,CTw、電圧検出用変成器PTs
PTcap、整流回路D、外部発振器OSC、速度制御
回路SPC、電圧制御回路AVR、電流制御回路
ACR1,ACR2、位相制御回路PHP,PHN,
PHCおよび電動機Mの回転数を検出するための
パルス発生器PGが設けられている。
電流検出用変成器CTdは第1の電力変換器SSP
の出力電流Idを検出しており、これを電流制御回
路ACR1に与えている。一方、電流検出用変流器
CTu,CTv,CTwはサイクロコンバータCCの各
相の出力電流Iu,Iv,Iwを検出しており、これを
電流制御回路ACR2に与えている。電圧検出用変
成器RTsは3相交流電源SUPの各相電圧eR,eS
eTを検出して、これを位相制御回路PHPに送出
している。一方、電圧検出用変成器PTCAPは第2
の電力変換器SSNの各相の出力電圧Va,Vb,Vc
を検出し、これを整流回路Dを介して電圧波高値
Vcapとして電圧制御回路AVRに与えている。ま
た、外部発振回路OSCは3相の基準電圧ea,eb
ecを発生し、これを位相制御回路PHN,PHCに
送出している。
なお、速度制御回路SPCはパルス発生器PGか
らの回転検出信号ωrを受け、電流基準信号Iu *
Iv *,Iw *を発生して電流制御回路ACR2に送出す
る。電流制御回路ACR2は電流検出信号Iu,Iv
Iwを電流基準信号Iu *,Iv *,Iw *と突き合せ、制御
電圧V〓1,V〓2,V〓3を発生して位相制御回路PHC
に与えている。位相制御回路PHCは制御電圧
V〓1,V〓2,V〓3を電圧基準ea,eb,ecと突き合せ、
サイクロコンバータCCの他励コンバータSS1
SS2,SS3の位相信号α1,α2,α3を発生する。
また、電圧制御回路AVRはパルス発生器PGか
らの回転検出信号ωrと整流回路Dからの電圧波
高値Vcapを受け、電流基準Ip *を発生し、電流制
御回路ACR1に送出する。電流制御回路ACR1
電流検出信号Idと電流基準Ip *を突き合せ、制御
電圧V〓P,V〓Nを発生して、それぞれ位相制御回
路PHP,PHNに与えている。
位相制御回路PHPは制御電圧V〓Pを電圧検出信
号eR,eS,eTと突き合せ、第1の電力変換器SSP
の位相信号αPを発生する。一方、位相制御回路
PHNは制御電圧V〓Nを電圧基準ea,eb,ecと突き
合せ、第2の電力変換器SSNの位相信号αNを発
生する。
さて、かかる構成において、第1、第2の電力
変換器SSP,SSNは直流リアトクルLdを介して
一方向の電流Idが流れるように接続されており、
交流電源SUPと高周波無効電力源である進相コ
ンデンサCAPとの電力変換を行なつている。す
なわち、一種の周波数変換器を構成しており、高
周波進相コンデンサCAPに印加される電圧の波
高値がほぼ一定になるように直流電流Idの値を制
御している。
また循環電流式サイクロコンバータCCは高周
波無効電力源である進相コンデンサCAPと交流
電動機Mとの間で電力変換を行なうもので電動機
Mに可変電圧可変周波数の交流電力を供給する。
なお、ここでは、Δ結線されたサイクロコンバー
タを例示している。
サイクロコンバータCCおよび第2の電力変換
器SSNの位相制御には、外部発振器OSCからの
3相基準電圧ea,eb,ecの信号を用いており、進
相コンデンサCAPの電圧Va,Vb,Vcの周波数と
位相は基準電圧ea,eb,ecの周波数と位相に一致
する。
次に、第1図の構成の作用について詳細に説明
する。
まず、進相コンデンサCAPの電圧Va,Vb,Vc
を確立させるための起動動作を説明する。
第1の電力変換器SSPの入力端子は交流電源
SUPに接続されておりその位相制御には、電源
電圧VR,VS,VTに同期した単位正弦波eR,eS
eTが用いられる。従つて、その点弧位相角αPを調
整することにより、(1)式で表わされる出力電圧
VPを発生させることができる。
VP=KV・Vsn・cosαP ……(1) 但し、KVは変換定数、Vsnは電源電圧波高値で
ある。
第2図は第1の電力変換器SSPが正の電圧VP
を発生しているときの第2の電力変換器SSNお
よび進相コンデンサCAP(Cab,Cbc,Cca)の等価
回路図である。
いま、仮に、サイリスタS2とS4に点弧パルスが
入つた場合、充電電流Idは電源VP +→直流リアク
トルLd→サイリスタS4→コンデンサCab→サイリ
スタS2→電源VP -の経路と、電源VP +→直流リア
クトルLd→サイリスタS4→コンデンサCca→コン
デンサCbc→サイリスタS2→電源VP -の経路に流
れる。その結果、コンデンサCabには直流電圧VP
が印加されコンデンサCbc,Ccaには−VP/2の電
圧が印加される。次に、サイリスタS3に点弧パル
スを与えるとコンデンサCbcの電圧によつてサイ
リスタS2に逆バイアス電圧が印加されサイリスタ
S2はオフする。すなわち、起動時には進相コンデ
ンサCAPは転流コンデンサとしての役割を果す。
サイリスタS3とS4が導通すると、コンデンサCca
には−VPの電圧が印加され、コンデンサCab
Cbcには+VP/2の電圧が印加される。
第3図A,B,Cは第2の電力変換器SSNの
サイリスタS1〜S6の点弧モード図Aとこの時の進
相コンデンサCAPに印加される電圧波形図B,
Cである。各サイリスタS1〜S6の点弧パルスは外
部発振器OSCからの3相基準電圧ea,eb,ecに同
期して与えられ、その結果第2図のa、b端子間
の電圧Va-bは図示のように変化する。電圧Va-b
はリアクトルLdを介して充電されるため、破線
の如く徐々に立上る。その時間を2δとした場合、
Va-bの基本波成分はδだけ遅れる。Vaは相電圧
の基本波成分を表わすもので、線間電圧Va-b
対して(π/6)ラジアンだけ位相が遅れる。
この相電圧VaとサイリスタS1〜S6の点弧モー
ドを比較するとわかるように、起動時の位相制御
角αNは αN=π−δ(ラジアン) ……(2) となつている。δはあまり大きくないので近似的
にはαN=180゜で運転されていることになる。この
ときの第2の電力変換器SSNの出力電圧VNは VN=Kc・Vcap・cosαN ……(3) となる。但し、Kcは変換定数、Vcapはコンデン
サ相電圧の電圧波高値である。
ここで、αN≒180゜とした場合、VN≒−Kc
Vcapとなり、第1の電力電力変換器SSPの出力電
圧VPとつり合う(VP=−VN) しかし、このままでは、進相コンデンサCAP
には直流電圧VP以上の電圧は充電されない。そ
こで、第2の電力変換器SSNの点弧位相角αN
90゜の方向に少しずらしてやる。すると(3)式で示
される第2の電力変換器SSNの出力電圧VNの反
転値−VNが減少しVP>−VNとなる。その結果、
直流電流Idが増大しコンデンサVcapを増加させ
て、再びVP=−VNとなつて落ちつく。このとき
Idは零となつている。さらに、コンデンサ電圧
Vcapを増大させたいときは、αNをさらに90゜の方
向にずらし、出力電圧の反転値−VNを減少させ
ることにより、これを達成することができる。
αN=90゜では、−VN=0Vとなり、理論的には直流
電圧VPがごく小さな値であつたとしてもコンデ
ンサ電圧Vcapを大きな値に充電することは可能で
ある。しかし、実際には回路損失があるため、そ
の分の電力供給が必要となる。
このようにして、進相コンデンサCAPの電圧
Vcapを任意の値に充電することができる。
次に、上述のように確立された進相コンデンサ
CAPの電圧Va,Vb,Vcが外部発振器OSCからの
位相制御基準電圧ea,eb,ecの周波数と位相に一
致することを説明する。
第1図の循環電流式サイクロコンバータCCの
位相制御回路PHCにも上記基準電圧ea,eb,ec
与えられることは前にも述べた通りである。
起動時、サイクロコンバータCCから電動機M
に供給する電流Iu,Iv,Iwは零として説明する。
従つて、他励コンバータSS1〜SS3の出力電圧V1
〜V3は V1≒V2≒V3≒0 ……(4) となつている。従つて、このときの点弧位相角α1
〜α3はいずれも90゜付近で制御されている。
第4図A,Bは外部発振器Oscからの位相制御
基準信号ea,eb,ecの波形図Aと他励コンバータ
SS1の点弧パルス信号のモード図Bを表す。同図
に示すように、α1=90゜で制御されている。他の
コンバータSS2,SS3も同様にα2≒α3≒90゜となつ
ている。さて、第4図Aに示す、位相制御基準信
号ea,eb,ecは ea=En・sin(ωc・t) ……(5) eb=En・sin(ωc・t−2π/3) ……(6) ec=En・sin(ωc・t+2π/3) ……(7) のように表すことができる。但し、Enは単位電
圧波高値、ωcは高周波角周波数(=2πfc)であ
る。
進相コンデンサCAPの相電圧Va,Vb,Vcが上
記の基準電圧の周波数と位相に一致している場
合、他励コンバータSS1〜SS3の出力電圧V1〜V3
は、 V1=Kc′・Vcap・cosα1 ……(8) V2=Kc′・Vcap・cosα2 ……(9) V3=Kc′・Vcap・cosα3 ……(10) のように表すことができる。但し、Kc′は変換定
数である。
従つて、V1+V2+V3=0となりサイクロコン
バータCCの循環電流I0の増減はない。
この状態から、仮に、コンデンサ電圧の周波数
が低くなり、第4図の破線のようにVa′,Vb′,
Vc′となつた場合を考える。
コンバータSS1の点弧位相角α1≒90゜はα1′≒78゜
のように変化し、V1>0となる。同様に、コン
バータSS2,SS3の出力電圧もV2>0、V3>0と
なつて、V1+V2+V3>0となる。その結果、サ
イクロコンバータCCの循環電流I0を増大させる。
この循環電流I0は進相コンデンサCAP側から見た
サイクロコンバータCCの入力側の遅れ無効電力
となる。
第5図はサイクロコンバータCCの入力側の1
相分の等価回路図を示すもので、サイクロコンバ
ータCCおよび第2の電力変換器SSNは遅れ電流
をとる可変インダクタンスLccに置き換えられて
いる。この回路の共振周波数fcapは fcap=1/(2π√cccap) ……(11) となる。
循環電流I0が増大することは、等価インダクタ
ンスLccが減少することに相当するため、周波数
fcapは増大し、Va′,Vb′,Vc′の周波数fcapは基準
電圧ea,eb,ecの周波数fcに近づく。
同様に、fcap>fcとなつた場合には、循環電流I0
が減少し可変インダクタンスLccが大きくなつて
やはりfcap=fcとなつて落ち着く。
進相コンデンサCAPの電圧の位相が基準電圧
の位相より遅れた場合には、fcap<fcとなつたと
きと同様に循環電流I0が増加し、進相コンデンサ
CAPの電圧位相を進める。逆に、進相コンデン
サCAPの電圧位相が基準電圧より進んだ場合に
は、fcap>fcとなつたときと同様に循環電流I0が減
少し、進相コンデンサCAPの電圧位相を遅らせ
る。このようにして進相コンデンサCAPの電圧
Va,Vb,Vcは基準電圧ea,eb,ecと同一周波数、
同位相となるようにサイクロコンバータCCの循
環電流I0の大きさが自動的に調整される。このこ
とは、サイクロコンバータCCから、電動機Mに
電流Iu,Iv,Iwを供給している場合でも成り立つ
ている。進相コンデンサCAPの電圧Va,Vb,Vc
は(12)、(13)、(14)式のように表わされる。
Va=Vcap・sin(ωc・t)(8) ……(12) Vb=Vcap・sin(ωc・t−2π/3) ……(13) Vc=Vcap・sin(ωc・t+2π/3) ……(14) 但し、Vcapは電圧波高値である。
次に、第1図にもどつて定常運転時の各部の制
御動作を説明する。
第6図は第1および第2の電力変換器SSP,
SSNの制御回路を詳しく表わしたもので、第1
図の制御回路と対応させると次のようになる。
まず、電圧制御回路AVRは電圧基準発生器
FNC、比較器C1、電圧制御補償回路Gc(S)から
構成される。
また、電流制御回路ACR1は絶対値回路ABS、
比較器C2、電流制御補償回路Gd(s)、シユミツ
ト回路SH、比例増幅器K〓、反転回路INV、加算
器A1,A2で構成される。
第7図は第6図の電圧基準発生器FNCの特性
図を表わすもので、交流電動機Mの回転速度ωr
によつて電圧指令値Vcap *を変化させている。こ
の、電圧指令値Vcap *は比較器C1に入力される。
進相コンデンサCAPの電圧を変成器PTcapで検
出し、この3相電圧を整流器Dによつて整流す
る。これによつて、進相コンデンサCAPの電圧
波高値Vcapが検出され比較器C1に入力される。
比較器C1では電圧指令値Vcap *と電圧検出値
Vcapを比較し、偏差εc(=Vcap *−Vcap)を電圧制
御補償回路Gc(S)に入力する。電圧制御補償回
路Gc(s)は通常積分要素あるいは比例要素等か
ら成つているが、ここでは説明を簡単にするため
にGc(s)=Kcとして比例増幅だけの場合を例示
する。
制御補償回路Gc(s)の出力IP *は絶対値回路
ABSを介して直流電流指令値Id *となる。すなわ
ちId *=|Ip *|で与えられる。
また、変流器CTdによつて直流電流Idが検出さ
れ、比較器C2によつて電流指令値Id *と比較され
る。この偏差εd(=Id *−Id)は電流制御補償回路
Gd(s)に入力され比例増幅あるいは積分増幅さ
れる。ここでは、Gd(s)=Kdの比例増幅として
説明する。電流制御補償回路Gd(s)の出力信号
は加算器A1,A2を介して位相制御回路PHPおよ
びPHNに入力される。
一方、電圧制御補償回路Gc(s)の出力信号IP *
はシユミツト回路SHを介して“+1”又は“−
1”のデジタル信号に変換される。すなわち、 IP *>0の場合 SHの出力は“+1” IP *<0の場合 SHの出力は“−1” となる。このシユミツト回路SHの出力信号は比
例増幅によつて、定数K〓倍され位相制御入力電
圧V〓を与える。この位相制御入力電圧V〓は1つ
は加算器A1を介して第1の電力変換器SSPの位
相制御回路PHPに制御電圧V〓Pとして入力され、
もう1つは、反転回路INVによつて反転した後、
加算器A2を介して第2の電力変換器SSNの位相
制御回路PHNに制御電圧V〓Nとして入力される。
すなわち、V〓P,V〓Nは(15)、(16)式のように
表わされる。
V〓P=V〓+εd・Kd ……(15) V〓N=−V〓+εd・Kd ……(16) 第1および第2の電力変換器の出力電圧VP
よびVNは位相制御入力電圧V〓P,V〓Nに比例した
値となる。
いま、仮にId *=Idとした場合、偏差εdは零とな
り、V〓P=V〓、V〓N=−V〓となる。従つて、第1、
第2の電力変換器SSP,SSNの出力電圧は VP=−VN∝V〓 ……(17) となつてつり合う。
Id *>Idとなつた場合、偏差εdは正の値となり
VP>−VNとなつて直流電流Idを増加させ、最終
的にId≒Id *となつて落ち着く。
逆に、Id *<Idとなつた場合、偏差εdは負の値と
なり、VP<−VNとなつて直流電流Idを減少させ
る。故にやはりId≒Id *となるように制御される。
このようにして、直流電流Idはその指令値Id *
に常に一致するように制御される。
また、進相コンデンサCAPの電圧波高値Vcap
は、次のようにして制御される。
Vcap *>Vcapとなつた場合、偏差εcは正の値と
なり、電圧制御補償回路Gc(s)の出力信号IP *
正の値となつて増加する。従つて、シユミツト回
路SHの出力は“+1”となり、V〓は正の値で与
えられる。また、直流電流指令値Id *は増加し、
実際の直流電流Idを増加させる。
その結果、有効電力Pd=VP・Id *>0が進相コ
ンデンサCAPに供給されエネルギー Pd・t=(1/2)・Ccap・Vcap ……(18) が、この進相コンデンサCAPに蓄積される。こ
れにより、コンデンサCPに印加される電圧の波
高値Vcapが増大しVcap≒Vcap *となるように制御
される。
逆にVcap *<Vcapとなつた場合偏差εcは負の値
となりGc(s)の出力信号IP *を負の値にする。こ
のため、シユミツト回路SHの出力は“−1”と
なり、V〓は負の値となる。故に、直流電圧VP
−VNは負の値となり、有効電力Pdが三相交流電
源SUPに回生される。従つて、進相コンデンサ
CAPの電圧波高値Vcapは減少し、Vcap≒Vcap *
なつて落ち着く。
このようにして第1および第2の電力変換器
SSP,SSNによつて進相コンデンサCAPに印加
される電圧の波高値Vcapはその指令値Vcap *に一
致するように制御される。
この電圧指令値Vcap *を第7図の特性図に示す
ように、交流電動機Mの回転速度ωrに応じて変
化させた場合には、これに従つて電圧波高値Vcap
が制御されることは言うまでもない。
Vcapをωrに応じて変化させる効果については後
に説明を加える。
次に、サイクロコンバータCCの制御動作を説
明する。
第8図は第1図のサイクロコンバータCCの制
御回路の一例を示すブロツク構成図である。同構
成を第1図の制御回路と対応させると次のように
なる。
まず、速度制御回路SPCは比較器C3、速度制
御補償回路Gw(s)、励磁電流設定器EX、演算回
路CAL1〜CAL3、3相正弦波パターン発生器
PTG、乗算器ML1〜ML3から構成される。
また、電流制御回路ACR2は、比較C4〜C6、電
流制御補償回路Gu(s),Gv(s),Gw(s)、加算
器A3〜A5からなる。
さらに、位相制御回路PHCは位相制御回路
PHC1〜PHC3で構成される。
次に、第1図および第8図を参照しながら交流
電動機(ここでは誘導電動機とする)Mに供給す
る電流Iu,Iv,Iwの制御および速度制御動作につ
いて説明する。
誘導電動機の2次電流I〓と励磁電流Ieをベクト
ル的に直交させ、各々を独立に制御できるように
したものはベクトル制御誘導機として知られてい
る。ここでは、その手法を用いて速度制御するも
のを例にとつている。
まず、電動機の回転子に直結されたパルス発生
器PGから回転速度ωrに比例したパルス列を取り
出す。
比較器C3は、回転速度ωrとその指令値ωr *を比
較し、これらの偏差εw(=ωr *−ωr)を速度制御
補償回路Gw(s)に入力する。速度制御補償回路
Gw(s)は比例要素あるいは積分要素等からなり
出力としてトクル電流指令I〓*を与える。
また、回転速度検出値ωrは励磁電流設定器EX
に入力され、励磁電流指令Ie *を与える。
このようにして得られたトルク電流指令I〓*
よび励磁電流指令Ie *は演算回路CAL1〜CAL2
入力され次の演算を行なう。
すなわち、演算回路CAL1では ωsl *=Rr */Lr *・I〓*/Ie * ……(19) の演算によつてすべり角周波数ωsl *を求める。但
し、Rr *は2次抵抗、Lr *は2次インダクタンス
をそれぞれ表すものである。
また、演算回路CAL2では θr *=tan-1(I〓*/Ie *) ……(20) なる演算によつて、励磁りIe *に対する1次電流
指令値IL *の位相角θr *を求める。
さらに演算回路CAL3では ILn=√e *+〓* ……(21) の演算によつて、1次電流指令値IL *の波高値ILn
を求める。
第9図は誘導電動機の電流ベクトル図を表わす
もので、励磁電流Ie *と2次電流(トルク電流)I〓
とは直交関係にあり、電動機の発生トルクTe
次式で表わせる。
Te=Ke・I〓*・Ie ……(22) 通常、励磁電流指令Ie *は一定に与えられ、電
動機の発生トルクTeは2次電流指令(トルク電
流指令)I〓*を変えることによつて制御される。
ただし、回転速度を定格以上で運転させるとき
には、弱め界磁制御が行なわれ励磁電流設定器
EXによつて、励磁電流指令Ie *を回転速度ωrに応
じて変化させることがある。
このようにして求められたすべり角周波数ωrl
、位相角θr *と回転角周波数(回転速度検出値)
ωrを正弦波パターン発生器PTGに入力し、次の
3相単位正弦波φu,φv,φwを求める。
φu=sin{(ωr+ωsl *)・t+θr *} ……(23) φv=sin{(ωr+ωsl *)・t+θr *−2π/3}
……(24) φw=sin{(ωr+ωSl *)・t+θr *+2π/3}
……(25) この単位正弦波φu,φv,φwは誘導電動機Mに
供給される1次電流ILの周波数と位相を決定する
ものである。
乗算器ML1〜ML3によつて、これらの3相単
位正弦波φu,φv,φwと波高値指令ILnを掛け合わ
せ誘導電動機Mに供給される3相電流(1次電
流)の指令値Iu *,Iv *,Iw *を求める。
Iu *=ILn・sin{(ωr+ωsl *)・t+θr *}……(26
) Iv *=ILn・sin{(ωr+ωsl *)・t+θr * −2π/3} ……(27) Iw *=ILn・sin{(ωr+ωsl *)・t+θr * +2π/3} ……(28) 誘導電動機のベクトル制御は、励磁電流Ieと2
次電流I〓を独立に制御できることに特長がある。
従つて、電動機の励磁電流Ieを一定に保ちなが
ら、2次電流I〓の大きさを変えることにより発生
トルクを制御することができ、直流機と同等の速
度制御応答を達成することが可能となる。
次に、上記のように与えられた1次電流指令値
Iu *,Iv *,Iw *に従つて、実電流Iu,Iv,Iwを制御
する動作について説明する。
まず、第1図の変流器CTu,CTv,CTwによつ
て交流電動機Mに供給される電流Iu,Iv,Iwを検
出する。
なお、他励コンバータSS1〜SS3の各出力電流
をI1〜I3とした場合、交流電動機Mへの供給電流
Iu,Iv,Iwとは、(29)、(30)、(31)式の関係が成
立する。
Iu=I1−I3 ……(29) Iv=I2−I1 ……(30) Iw=I3−I2 ……(31) この電動機1次電流検出値Iu,Iv,Iwを各々比
較器C4〜C6に入力し、各指令値Iu *,Iv *,Iw *
各々比較する。
次に、U相電流を例にとつて、この制御動作を
説明する。
比較器C4によつて実電流Iuと指令値Iu *を比較
し、この偏差εu(=Iu *−Iu)を電流制御補償回路
Gu(s)に入力する。電流制御補償回路Gu(s)
では積分あるいは比例増幅し、その出力を加算器
A3を介して位相制御回路PHC1に入力する。ま
た、電流制御補償回路Gu(s)の出力の反転値を
加算器A5を介して位相制御回路PHC3に入力す
る。
各コンバータSS1〜SS3の出力電圧V1〜V3は位
相制御回路PHC1〜PHC3の入力電圧V〓1〜V〓3
比例する。
従つて、Iu *>Iuとなつた場合、偏差εuは正の値
となり制御補償回路Gu(s)を介して、位相制御
回路PHC1の入力電圧V〓1を増加させ、コンバー
タSS1の出力電圧V1を第1図の矢印の方向に増大
させる。また、同時に位相制御回路PHC3の入力
電圧V〓3を減少させ、コンバータSS3の出力電圧
V3を第1図の矢印と反対方向に発生させる。そ
の結果、コンバータSS1の出力電流I1が増大し、
コンバータSS3の出力電流I3が減少する。
従つて、(29)式で示される電動機のU相電流
Iuが増大し、Iu≒Iu *となるように制御される。
逆に、Iu *<Iuとなつた場合、偏差εvは負の値と
なり、出力電圧V1が減つてV3が増加する。従つ
て、Iu(=I1−I3)は減少し、やはりIu≒Iu *となる
ように制御される。指令値Iu *を正弦波状に変化
させれば、それに従つて、実電流もIu≒Iu *とな
り、正弦波電流が誘導電動機Mに供給されること
になる。
V相及びW相の電流Iv,Iwも同様に制御され
る。
従つて、交流電動機Mの回転速度ωrは次のよ
うにして制御される。
ωr *>ωrとなつた場合、偏差εwは、正の値とな
り、制御補償回路Gw(s)を介して、トルク電流
(2次電流)指令I〓*を増加させる。
その結果、第9図に示される誘導電動機の1次
電流指令IL *(Iu *,Iv *,Iw *)の波高値ILnと位相
角θr *を増加させ、実電流Iu,Iv,Iwもこれに従つ
て追従制御される。
従つて、誘導電動機Mの実際の2次電流I〓が増
大し、発生トルクTeをふやし、加速する。これ
により、ωrが増加し、ωr≒ωr *になるように制御
される。
逆に、ωr *<ωrとなつた場合、偏差εwは負の値
となり、トルク電流指令I〓*を減少させ、1次電
流指令IL *(Iu *,Iv *,Iw *)の波高値ILnと位相角
θr *を減少させる。従つて、発生トルクTeは減少
し、回転速度ωrが減つて、やはりωr≒ωr *となる
ように制御される。
さて、以上のようにして交流電動機Mの回転速
度ωrがその指令値ωr *に一致するように制御され
るが、この回転速度ωrの値に応じて進相コンデ
ンサCAPの電圧波高値Vcapを第7図のように変
化させることが望ましい。
交流電動機Mの端子電圧Vu,Vv,Vwの波高値
VLnは回転速度ωrに比例して増加する。従つて、
最大回転速度ωr(MAX)のときの電圧波高値VLn(MAX)
を発生できるように、進相コンデンサCAPの電
圧波高値Vcap(MAX)を用意しなければならない。し
かし、回転速度ωrが低くなつてくると電圧波高
値VLnも小さくなり、進相コンデンサCAPの電圧
波高値Vcapも小さな値でよくなる。
低速回転時に電圧波高値Vcap(MAX)のままで運転
することはもちろん可能であるが、この電圧Vcap
が高い分だけサイクロコンバータCCや第2の電
力変換器SSNがとる遅れ無効電力あるいは進相
コンデンサCPAがとる進み無効電力は大きな値
となり損失が大きく効率の悪い運転をよぎなくさ
せられることとなつてしまう。
そこで、第7図に示したように交流電動機Mの
回転速度ωr、あるいは指令値ωr *に応じて進相コ
ンデンサCAPの電圧波高値指令Vcap *を変化させ
ている。
すなわち、ωr=0のとき、進相コンデンサ
CAPの電圧波高値指令Vcap *を必要最小限値
Vcap(MAX) *に設定し、その後定格回転速度ωrp
で、ωrに比例してVcap *を上げていく。一方、ωr
>ωrpで運転したい場合には、交流電動機Mを弱
め界磁制御し、進相コンデンサCAPの電圧波高
値VcapはVcap(MAX) *で一定に保つている。
このように、進相コンデンサCAPの電圧波高
値Vcapを交流電動機Mの回転速度ωrに応じて変化
させることにより、低速回転時の損失を低減させ
ることができ、効率の良い運転を行なうことが可
能となる。
なお、進相コンデンサCAPの電圧波高値Vcap
を下げると、第2の電力変換器SSNの出力電圧
VNの絶対値|VN|が減少する。このため、第6
図の制御回路の動作は、次のように変化する。
IP *>0の場合VP>−VN>0となり直流電流Id
が増大し、Id>Id *となる。このため、偏差εd=Id
−Idは負の値となり、(15)、(16)式で示される
V〓Pを減少させ、−V〓Nを増加させる。その結果、
VP≒−VN>0となつて落ち着く。このとき、V〓P
<−V〓Nとなつている。
逆に、IP *<0の場合、V〓<0となり、VNは正
の値、VPは負の値となる。しかし、VNの絶対値
が小さいため、VN<−VPとなつて直流電流Id
減少させる。従つて、Id<Id *となつて偏差εdを正
の値に増加させ、−V〓Pを減少させ、V〓Nを増加さ
る。最終的にはId≒Id *となるようにVN≒−VP
0となつて落ち着く。このとき、V〓N>−V〓P
なつている。
すなわち、低速回転時にはVcapを下げた分だ
け、第1の電力変換器SSPの出力電圧VPの絶対
値を小さくして運転することになる。
第10図は本発明の他の実施例の構成を示すブ
ロツク図である。同図構成の第1図構成と異なる
点は、第1の交直電力変換器SSPの入力側に低周
波進相コンデンサCAPSを設けると共に無効電力
演算回路VARと無効電力制御回路AQRを設けた
ことである。同図に示すように、無効電力演算回
路VARには電源電流検出用変流器CTsから電源
電流Isの検出値が、電圧検出用変成器PTsから交
流電源SUPの各相電圧eR,eS,eTがそれぞれ入力
され、演算された無効電力Qsは無効電力制御回
路AQRに入力される。無効電力制御回路AQRは
無効電流指令値IQ *を発生し、これを電流制御回
路ACR1に送出する。
第10図の第1、第2の電力変換器SSP,
SSNの制御回路は第11図のブロツク図に詳細
に示す通りである。第10図の各部を第11図に
対照させると次のようになる。
無効電力制御回路AQRは無効電力設定器
VRQ、比較器C7、無効電力制御補償回路HQ(s)
から構成される。一方、電流制御回路ACR1は2
乗演算回路SQ1,SQ2、平方根演算回路SQR、割
算器DIV、比較器C2、電流制御補償回路Gd(s)、
反転回路INV、加算器A1,A2,A6で構成されて
いる。
次に、第11図を参照しながら、第1及び第2
の電力変換器SSP,SSNの動作を説明する。
まず、第10図の変成器PTcapで、進相コンデ
ンサCAPの3相電圧を検出し、整流回路Dを介
して、その波高値Vcapを検出する。比較器C1は電
圧検出値Vcapと電圧指令値Vcap *を比較し偏差εc
(=Vcap *−Vcap)を電圧制御補償回路Gc(s)に
入力する。一般に、電圧制御補償回路Gc(s)は
積分要素あるいは比例要素等から構成されるが、
本実施例では定数をGc(s)=Kcとした比例増幅
器だけとする。この電圧制御補償回路Gc(s)の
出力IP *は有効電流指令値となる。
一方、交流電源SUPからの3相入力電流Isを変
流器CTsによつて検出し、また、変成器PTsによ
つて3相電源電圧Vsを検出する。この3相の電
圧、電流検出値を無効電力演算回路VARに入力
し受電端の無効電力Qsを求める。具体的には、
3相電源電圧Vsを90゜ずつ位相をずらし、各相毎
に入力電流Isと掛け合わせ、3相分を加えて無効
電力検出値Qsとする。
この無効電力検出値Qsを比較器C7に入力し無
効電力設定器VRQからの指令値Qs *と比較する。
この偏差εQ(=Qs *−Qs)は無効電力制御補償回
路HQ(s)に入力され積分あるいは比例増幅され
る。なお、無効電力制御補償回路HQ(s)の出力
IQ *は無効電流指令値となる。
次に、有効電流指令値IP *及び無効電流指令値
IQ *に基づき2乗演算回路SQ1,SQ2、加算器A7
びに平方根演算回路SQRにより、(32)式の演算
を行ない、直流電流指令値Id *を求める。
Id *=√d *2Q *2 ……(32) また、この直流電流指令値Id *および有効電流
指令値IP *を割算器DIVに入力し(33)式の演算
に基づいて、位相制御入力電圧V〓を求める。
V〓=cosα=IP */Id * ……(33) この位相制御入力電圧V〓は、加算器A1を介し
て第1の電力変換器SSPの位相制御回路PHPに
入力され、またV〓の反転値は加算器A2を介して
第2の電力変換器SSNの位相制御回路PHNに入
力される。なお、位相制御回路PHPの位相制御
基準eR,eS,eTに電源電圧VR,VS,VTに同期し
た単位正弦波を用い、位相制御回路PHNの位相
制御基準ea,eb,ecに外部発振器Oscの出力電圧を
用いることは第1図の構成の場合と同様である。
この直流電流指令値Id *は比較器C2によつて、
直流電流検出値Idと比較され、この偏差εd(=Id *
−Id)が電流制御補償回路Gd(s)に入力される。
従つて、直流電流Idはその指令値Id *に一致する
ように制御される。
第12図は受電端の1相分の電圧、電流ベクト
ル図を示すもので、Vsは電源電圧、ISSPは第1の
交直電力変換器SSPの入力電流、IPはISSPの有効
分、IQはISSPの無効分、ICAPSは低周波波進相コン
デンサCAPSに流れる進み電流、αPはSSPの点弧
位相角を表わす。
ISSPの大きさは直流電流Idの値に比例し変換定
数をKIとした場合、次式のようになる。
ISSP=KI・Id ……(34) また、ISSPの有効分IPおよび無効分IQは次式のよ
うに表わせる。
IP=ISSP・cosαP ……(35) IQ=ISSP・sinαP ……(36) 一方、第11図の制御回路では直流電流指令値
Id *および点弧位相角α(=αP)は(32)、(33)式
のように与えられる。Id=Id *に制御されている
とすると、(34)〜(36)式は次のようになる。
ISSP=KI・Id *=KIP *2Q *2 ……(37) IP=ISSP・(IP */Id *)=KI・IP * ……(38) IQ=ISSP・(IQ */Id *)=KI・IQ * ……(39) すなわち、第1の交直電力変換器SSPの入力電
流ISSPの有効分IPは第1図の有効電流指令値IP *
比例した値となり、また無効分IQは第11図の無
効電流指令値IQ *に比例した値となる。
高周波進相コンデンサCAPの電圧波高値Vcap
の制御には有効電力が関係するから、上述の有効
分IPの値を調整すればよいことは云うまでもな
い。
一方、受電端の無効電力Qsは次のようにして
制御される。
第1の電力変換器SSPの受電端には、低周波進
相コンデンサCAPSが接続されており、一定の進
み電流ICAPSをとつている。第1の電力変換器SSP
の入力電流ISSPの無効分IQが上述のICAPSより小さ
な値になつた場合、無効電力検出値Qsは負の値
となり、指令値Qs *を零に設定した場合、偏差εQ
(=Qs *−Qs)は正の値となる。
その結果、無効電力制御補償回路HQ(s)を介
して、無効電流指令値IQ *を増加させ、直流電流
指令値Id *をふやし、V〓=cosαPを減少させる。こ
のため、実際のISSPの無効分IQが増加し、IQ≒ICAPS
となつて落ち着く。このとき、有効電流IPの値は
変化しない。
逆に、IQ>ICAPSとなつた場合、Qsは正の値とな
り、偏差εQを負の値にしIQ=KI・IQ *を減少させ、
やはりIQ≒ICAPSとなるように制御される。
従つて、交流電源SUPから供給される電流Is
常に有効電流IPだけとなり、入力力率=1の運転
が可能となる。
なお、受電端の無効電力制御は、先に述べたよ
うに、交流電動機Mの回転速度ωrに応じて高周
波進相コンデンサCAPの電圧波高値Vcapを変え
た場合でも、同様に行なうことができる。
次に、本発明の交流電動機駆動装置の過負荷運
転について説明する。
第1図および第10図の各実施例では、高周波
進相コンデンサCAPの容量によつて装置の定格
出力が決定される。すなわち、交流電動機Mに供
給される電流が増大すれば、それに比例してサイ
クロコンバータCCの入力側(高周波進相コンデ
ンサ側)の遅れ無効電力が増大し、やがて循環電
流I0は零になつてしまう。するとfcap=fcとはなら
なくなり、制御不能におちいる。
この制御不能を防止するには、次の方法が有効
である。
すなわち、交流電動機Mに供給される電流Iu
Iv,Iwの波高値ILnの大きさに応じて、外部発振
Oscから与える位相基準信号ea,eb,ecの周波数fc
を変えてやる。具体的には、ILnに比例してfcを増
加させる。すると、高周波進相コンデンサCAP
に印加される電圧Va,Vb,Vcの周波数fcap=fc
高くなり、コンデンサの容量が増加する。同時
に、電流も増加し、その分サイクロコンバータ
CCの循環電流I0が増加する。従つて、荷負荷運
転時でもI0が零になることはなくなり、制御不能
になることを防止することができる。
なお、軽負荷時には、fc∝ILnとすることによ
り、進相コンデンサCAPの容量が低減され循環
電流I0が小さくなる。すなわち、むやみに循環電
流が大きくなるのを防止でき、損失が低減され、
効率の良い運転が可能となる。
以上述べたように、本実施例によれば、以下に
列挙するような数多の効果を得ることができるも
のである。
(1) 電源周波数50Hzに対して電動機に供給される
電流の周波数は0〜500Hz程度になる。すなわ
ち、循環電流式サイクロコンバータの制御パル
ス数(制御相数)を大きく選ぶことにより、そ
の出力周波数fpを入力周波数fcap以上にするこ
とも可能である。
つまり、進相コンデンサに印加される電圧の
周波数を500Hz程度にすることにより、電動機
に供給される電流の周波数fpは0〜500Hz程度
で運転することができる。
従つて、2極の交流電動機では回転数は
30000rpmにもなり、超高速運転が可能となる。
このため、従来はギア等を用いて増速しなけれ
ばならなかつたブロア用モータ等では増速ギア
は不要となり、運転効率の向上とともに装置の
小形軽量化が可能となる。
また、回転速度を3000rpm程度とした場合、
電動機の極数を20極程度することができ、低速
時のトルク脈動が低減されるばかりでなく、速
度制御の精度を従来よりも1桁も向上させるこ
とが可能となる。
(2) 交流電動機に供給される電流は正弦波に制御
され、トルク脈動のきわめて小さい装置が得ら
れる。同時に電磁騒音がなくなり、電源系統や
他の電気機器への悪影響を低減することができ
る。
(3) 電力変換器はいずれも自然転流による他励コ
ンバータで、大電力トランジスタやゲートター
ンオフサイリスタ等の自己消弧素子を必要とせ
ず、信頼性が高く、過負荷運転にも強く、大容
量化がきわめて容易なシステムを実現すること
ができる。
(4) 受電端の無効電力制御により、入力力率を常
に1に保持することが可能となり、電源系統の
設備容量を低減させることができ、しかも無効
電力変動に伴う電源電圧の変動をなくすことが
できる。
(5) また、第1の電力変換器を多重化することに
より、入力電流を正弦波に近ずけることがで
き、高調波電流を簡単に低減させることが可能
である。
(6) 電動機の回転速度に応じて進相コンデンサの
電圧波高値を変えることにより、特に低速回転
時の運転効率を向上させることができる。
(7) また、電動機に供給される電流の大きさに応
じて進相コンデンサに印加される電圧の周波数
を変えることにより、過負荷運転時でも制御不
能になることがなくなり、軽負荷運転時の効率
を上げることができる。
〔発明の効果〕
かくして、本発明によれば、交流電動機に0〜
数百Hzの正弦波電流を供給し、しかも、電源の入
力力率を常に1に保ち得ると共に電源への高調波
の漏れ出しを抑制した高速大容量の交流可変速運
転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成を示すブロツ
ク図、第2図は同実施例の主要部の等価回路図、
第3図は同実施例の第2の電力変換器のサイリス
タの点弧モード図並びに進相コンデンサの印加電
圧波形図、第4図は同実施例のサイクロコンバー
タの位相制御基準信号の波形図並びに点弧パルス
信号のモード図、第5図は上記サイクロコンバー
タの入力側の1相分の等価回路図、第6図は同実
施例の第1および第2の電力変換器の制御回路の
詳細を示すブロツク図、第7図は第6図の電圧基
準発生器の特性図、第8図は第1図のサイクロコ
ンバータの制御回路の一例を示すブロツク図、第
9図は誘導電動機の電流ベクトル図、第10図は
本発明の他の実施例の構成を示すブロツク図、第
11図は第10図の第1、第2の電力変換器の制
御回路の詳細を示すブロツク図、第12図は受電
端の1相分の電圧、電流ベクトル図である。 SUP……交流電源、SSP……第1の交直電力
変換器、SSN……第2の交直電力変換器、CAP
……進相コンデンサ、CC……循環電流式サイク
ロコンバータ、M……交流電動機、SPC……速度
制御回路、AVR……電圧制御回路、ACR1
ACR2……電流制御回路、PHP,PHN,PHC…
…位相制御回路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 交流電源に入力側が接続され交流を直流に変
    換する第1の電力変換手段と、この第1の電力変
    換手段の出力側に直流リアクトルを介して接続さ
    れ直流を交流に変換する第2の電力変換手段と、
    この第2の電力変換手段の出力側に接続された高
    周波進相コンデンサを含む高周波無効電力源と、
    この高周波無効電力源に入力側が接続され、交流
    電動機に交流電力を供給する循環電流式サイクロ
    コンバータとを備えたことを特徴とする交流電動
    機駆動装置。 2 前記高周波無効電力が前記交流電動機の回転
    速度に応じて電圧波高値を制御する手段を含むこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の交流
    電動機駆動装置。 3 前記第1の電力変換器が、その直流側の電圧
    と電流を前記交流電動機に供給される電力の大き
    さに応じて調整し、前記第1の電力変換器の入力
    側の無効電力をほぼ一定に制御する手段を含むこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2
    項記載の交流電動機駆動装置。 4 前記高周波無効電力手段が前記交流電動機に
    供給される電流に応じて高周波進相コンデンサに
    供給される電圧の周波数を制御する手段を含むこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項ま
    たは第3項記載の交流電動機駆動装置。
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