JPH04160463A - ニューラルネットワークによる最適化方法 - Google Patents
ニューラルネットワークによる最適化方法Info
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- JPH04160463A JPH04160463A JP2284236A JP28423690A JPH04160463A JP H04160463 A JPH04160463 A JP H04160463A JP 2284236 A JP2284236 A JP 2284236A JP 28423690 A JP28423690 A JP 28423690A JP H04160463 A JPH04160463 A JP H04160463A
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- optimization method
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
本発明は、従来のニューラルネットワークを用隨
いた計算手段では解決困難な数列計画問題などの最適解
の求解手法に関する。
の求解手法に関する。
従来、ニューラルネットワークを用いた数理計画問題の
求解方法として、バイオロジカル・サイバネティックス
、゛′ニューラル′″・コンピユーチージョン・オン・
デシジョンズ・イン・オプテイマイゼーション・プロブ
レムス、52 (1985年)第141頁から第152
頁(BiologicalCybernetics、
”Neural”(、amputation ofDe
cisions in Optimization P
roblems、 52゜(19216) PP141
−152.以下、引例1という)で述べられているよう
に、極小解探索の求解法があった。 また、最適解探索の手法としては、サイエンス。 オプティマイゼーション・パイ・シミュレーテッド・ア
ニーリング、220.4598 (1983年)第67
1頁から第680頁(SCIENCE。 Optimization by sii+ulate
d annealing、 220゜459g (1
983) PP671−680.以下、引例2という)
に述べられているような模擬徐冷法がある。模擬7字
徐冷法で使用される冷却スケジュールは、アイ・イー
・イー・イー、ストカスティック・リラキシエーション
、ギブス・デストリビュージョン、アンド・ザ・ベイジ
アン・レストレージョン・オン・イメージズ、ピー・ニ
ー・エム・アイ6(1984年)第721頁から第74
1頁(IEEE。 5tochastic Re1axation、
Gibbs Distributions。 and the Bayesian Re5torat
ion of Images。 PAMI6 (1984) PP721−741、以下
、引例3という)やフィジカル・レビュー・ニー、オプ
ティマル・シミュレーテッド−アニーリング・メソッド
・ベースド・オン・ストカスティック−ダイナミック・
プログラミング、5.39 (1989年)第2635
頁から第2642頁(PHYSICAL REVIEw
A、 0ptilnal simulated−a
nnealing method basedon
stochastic−dynamic prog
ramming、5.39(1989) PP2635
−2642、以下、引例4という)で提案されている。 シミュレーションで用いるスピングラス系について、及
び平均場近似法についてはケンブリッジ・ユニバーシテ
ィ・プレス、モデリング・プレイン・ファンクション(
1989年)(Cambridge Universi
ty Press、 ModelingBrain F
unction (1989)、以下、引例5という)
で述べられている。スピングラス系における模擬徐冷法
での最適解の推定は、フィジカル・レビュー・レターズ
、クーリング−レート・デイペンデンス・フォー・ザ・
スピン−グラス・グランド−ステート・エネルギー:イ
ンプリケーション・フォー・オプティマイゼーション・
パイ・シミュレーテッド・アニーリング、11.56
(1986年)第1148頁から第1151頁(PHY
SICAL REVXEVLETTER3,Cooli
ng−Rate Dependence for th
eSpin−Glass Ground−3tate
Energy:Implicationfor Opt
imization by Simulated An
nealing、 11゜56 (1986) PP1
148−1151.以下、引例6という)で提案されて
いる。応用分野の一例として取り上げる証券ポートフォ
リオ問題の工学的な定式化は。 ユーレ・ユニバーシティ、ポートフォリオセレクション
(1959年) (Yale University
。 Portfolio 5election (1959
)、以下、引例7という)にて定義されている。
求解方法として、バイオロジカル・サイバネティックス
、゛′ニューラル′″・コンピユーチージョン・オン・
デシジョンズ・イン・オプテイマイゼーション・プロブ
レムス、52 (1985年)第141頁から第152
頁(BiologicalCybernetics、
”Neural”(、amputation ofDe
cisions in Optimization P
roblems、 52゜(19216) PP141
−152.以下、引例1という)で述べられているよう
に、極小解探索の求解法があった。 また、最適解探索の手法としては、サイエンス。 オプティマイゼーション・パイ・シミュレーテッド・ア
ニーリング、220.4598 (1983年)第67
1頁から第680頁(SCIENCE。 Optimization by sii+ulate
d annealing、 220゜459g (1
983) PP671−680.以下、引例2という)
に述べられているような模擬徐冷法がある。模擬7字
徐冷法で使用される冷却スケジュールは、アイ・イー
・イー・イー、ストカスティック・リラキシエーション
、ギブス・デストリビュージョン、アンド・ザ・ベイジ
アン・レストレージョン・オン・イメージズ、ピー・ニ
ー・エム・アイ6(1984年)第721頁から第74
1頁(IEEE。 5tochastic Re1axation、
Gibbs Distributions。 and the Bayesian Re5torat
ion of Images。 PAMI6 (1984) PP721−741、以下
、引例3という)やフィジカル・レビュー・ニー、オプ
ティマル・シミュレーテッド−アニーリング・メソッド
・ベースド・オン・ストカスティック−ダイナミック・
プログラミング、5.39 (1989年)第2635
頁から第2642頁(PHYSICAL REVIEw
A、 0ptilnal simulated−a
nnealing method basedon
stochastic−dynamic prog
ramming、5.39(1989) PP2635
−2642、以下、引例4という)で提案されている。 シミュレーションで用いるスピングラス系について、及
び平均場近似法についてはケンブリッジ・ユニバーシテ
ィ・プレス、モデリング・プレイン・ファンクション(
1989年)(Cambridge Universi
ty Press、 ModelingBrain F
unction (1989)、以下、引例5という)
で述べられている。スピングラス系における模擬徐冷法
での最適解の推定は、フィジカル・レビュー・レターズ
、クーリング−レート・デイペンデンス・フォー・ザ・
スピン−グラス・グランド−ステート・エネルギー:イ
ンプリケーション・フォー・オプティマイゼーション・
パイ・シミュレーテッド・アニーリング、11.56
(1986年)第1148頁から第1151頁(PHY
SICAL REVXEVLETTER3,Cooli
ng−Rate Dependence for th
eSpin−Glass Ground−3tate
Energy:Implicationfor Opt
imization by Simulated An
nealing、 11゜56 (1986) PP1
148−1151.以下、引例6という)で提案されて
いる。応用分野の一例として取り上げる証券ポートフォ
リオ問題の工学的な定式化は。 ユーレ・ユニバーシティ、ポートフォリオセレクション
(1959年) (Yale University
。 Portfolio 5election (1959
)、以下、引例7という)にて定義されている。
引例1の従来技術は、初期分布に依存した極小解にトラ
ップされると、そこから脱出する手段を持たなかった。 一方、極小解からの脱出を可能とする引例2の模擬徐冷
法を用いた最適解探索は。 計算時間が非常に長くかかるという欠点を有して、
いた、また1両手法ともに、制約条件を必ず満足すると
いう保証がなかった。 本発明の目的は、極小解から脱出して最適解にできるだ
け近い解を高速に算出すること、且つまた得られる解を
制約条件を満足する許容解だけに限定すること、さらに
パラメータ調整が容易であり、ネットワークの規模や初
期分布の与え方にかかわらず安定した解が得られ、解を
広い範囲に渡ある。
ップされると、そこから脱出する手段を持たなかった。 一方、極小解からの脱出を可能とする引例2の模擬徐冷
法を用いた最適解探索は。 計算時間が非常に長くかかるという欠点を有して、
いた、また1両手法ともに、制約条件を必ず満足すると
いう保証がなかった。 本発明の目的は、極小解から脱出して最適解にできるだ
け近い解を高速に算出すること、且つまた得られる解を
制約条件を満足する許容解だけに限定すること、さらに
パラメータ調整が容易であり、ネットワークの規模や初
期分布の与え方にかかわらず安定した解が得られ、解を
広い範囲に渡ある。
上記目的を達成するために、第1図(B)に示したニュ
ーラルネットワークによる最適化装置のフローチャート
において、まず与えられた問題105をネットワーク生
成器106に入力して、結合荷重生成器108でニュー
ラルネットワークの結合荷重を生成し、しきい値生成器
109でニューラルネットワークのしきい値を生成し、
出力関数生成器110で神経細胞の内部状態から出力を
決定する出力関数を生成する。生成された結合荷重、し
きい値及び出力関数にもとづき、ネットワーク群107
において、模擬徐冷平均場近似法を用いるニューラルネ
ットワーク111と模擬徐冷法を用いるニューラルネッ
トワーク112とを逐次的に組み合わせて実行すること
により、最適解にできるだけ近い分布を高速に計算して
、最終的な解113とする情報処理を行なう。
ーラルネットワークによる最適化装置のフローチャート
において、まず与えられた問題105をネットワーク生
成器106に入力して、結合荷重生成器108でニュー
ラルネットワークの結合荷重を生成し、しきい値生成器
109でニューラルネットワークのしきい値を生成し、
出力関数生成器110で神経細胞の内部状態から出力を
決定する出力関数を生成する。生成された結合荷重、し
きい値及び出力関数にもとづき、ネットワーク群107
において、模擬徐冷平均場近似法を用いるニューラルネ
ットワーク111と模擬徐冷法を用いるニューラルネッ
トワーク112とを逐次的に組み合わせて実行すること
により、最適解にできるだけ近い分布を高速に計算して
、最終的な解113とする情報処理を行なう。
【作用1
ネットワーク生成器106において、−例として2次計
画問題が与えられた場合には、2吹項を結合荷重生成器
で結合荷重に変換し、1次項をしきい値生成器でしきい
値に変換し、制約条件を出力関数生成器で出力関数に変
換する。 ニューラルネットワーク群107は、第2図に示す相互
結合型ニューラルネットワークで構成され、神経細胞2
01同志を結合するシナプス202はそれぞれが固有の
結合荷重を持つ。各神経細胞201は、第3図に示すよ
うに、しきい値と出力関数304を有して、重み付き総
入力303の値に応じて出力信号305を決定する。 そして、各神経細胞の協調的及び競合的な動作により最
適化問題を求解する。 模擬徐冷平均場近似法を用いたニューラルネットワーク
111は、決定論的な動作原理によって近似解へ高速に
収束する。模擬徐冷法を用いたニューラルネットワーク
112では、確率性の導入により揺らぎを与えて極小解
から最適解への移行を可能にしている。 【実施例】 以下、本発明を実施例により説明する。 第1図(A)に示すようなニューラルネットワークによ
る最適化装置において、問題をキーボード103により
入力し、外部メモリ104にデータを貯蔵してコンピュ
ータ102により演算を実行し、デイスプレィ101を
通して演算結果の解を表示する。コンピュータ102で
行う最適化計算のフローチャートを第1図(B)に示す
。第1図(B)のニューラルネットワーク群107とし
ては、相互結合型ニューラルネットワークを使用する。 相互結合型ニューラルネットワークが局所的な極小値を
抜は出し大域的な最小解に到達するためには、エネルギ
ー障壁を乗り越え得るトンネル現象のような操作が必要
である。この課題を克服するために、引例2では、ネッ
トワークの状態遷移に確率性を導入し、さらに物理学と
のアナロジ−から焼き鈍しを組み合わせた手法が考案さ
れた。 この手法は模擬徐冷法(以下、SA法と略す)と呼ばれ
ている。実施例1では最初に、SA法にいくつかの工夫
を施したうえで、その性能を調査した。以下、第4図の
PAD図に従って、SA法に関するアルゴリズムを説明
する。ただし、時刻tでのi番目のニューロンX+(t
)はしきい値a1を持ち、i番目のニューロンとj番目
のニューロンとの結合荷重をW I Jとする。 [SA法のアルゴリズム] ブロック401:結合荷重W I J及びしきい値a、
を設定する。 ブロック402:各ニューロン(XI (0))の初期
状態を設定する。 ブロック403:最大反復回数I +*aXを設定しt
=1とする。 ブロック404 : t:ii;I□。でなければ演算
を終了する。 ブロック405:状態変更量として正規乱数δ1を発生
させる。 ブロック406:ニューロンへの入力がδ東だけ変化し
たときの出力状態 (x+″)を計算する。 ブロック407:δE=p((xt’ ))−c((x
t(t)))を計算する。 ブロック408:温度T (t)を設定する。 ブロック409:q=exp(−δE/T(t))を計
算する。 ブロック410ニー様乱数η、を発生させる。 ブロック411〜413; q≦η工ならば (xt’ )→(xt(t + 1))q〉η、ならば (xt(t))→(xt(t + 1))とする。 ブロック414 : t+l→tとしてブロック404
へ処理を移す。 SA法では、第5図に示すようなネットワークのエネル
ギー501が増大する方向への状態遷移を、温度パラメ
ータT (t)に依存した確率qで許容する。この揺ら
ぎの効果503の導入1こよって、エネルギー障壁を乗
り越えることが可能になった。さらしこ、温度T (t
)を冷却して確率qを徐々に減少させていくことにより
、ネットワークの状態はエネルギー関数の極小値502
に捕られれずに、最小値504に収束することが可能に
なる。冷却スケジュールとしては、引例4でギーマンら
が提案した T(t)=T、/l o g(t+1) (1
)To:定数 が、代表的な徐冷法である。 式(1)では、温度は反復計算回数tだけにしか依存し
ていない。そこで、温度を時刻tのみならずエネルギー
にも依存する関数にして、エネルギーが極小値に陥った
状態のときに大きな揺らぎを与えるようにすれば、最小
値への収束を早めることが可能になる。そのために、最
小値に達するまでの経過時間をコスト関数として、これ
を最小化する温度T。2.を確率的ダイナミックプログ
ラミング手法により求める。引例4での導出結果は次式
である。 Topt”θ/ / (1/ E ((Xt))’ )
d x (2)ただし、″は状態に関する偏微分を
表し、θは近似的に定数とみなせる。これが最適冷却法
と呼ばれている徐冷法である。 ニューロンの出力信号は、第6図に示すような離散的に
2値のみを取り得る階段関数601ではなく、引例1で
述べられているような、微分利得特性に従うシグモイド
関数602 f (Xs) = t a n h (Xt/ Un)
(3)により変換してアナログ変数とした1式
(3)は、UI、を限りなくOに近づけていけば2値変
数と等価になる。 本実施例では、v’T(t)に比例する標準偏差を持つ
正規乱数を変更量といてニューロンの前の内部状態に付
加するというやり方で新しい状態を発生させ、反復計算
回数の増加に連れて変更量を減少させていった。また、
初期内部状態は、ニューロンの中間値を平均値とする正
規乱数とした。これらの工夫を施すことによって、早く
且つ安定した収束が達成できた。 以上で述べてきた確率的な揺らぎを導入したSA法の出
現により、ネットワークの状態がエネルギー関数の最小
解に到達することが理論的には可能になった。しかしな
がら、この方法にも欠点が存在する。それは、最小値へ
の収束までに膨大な数の繰り返し計算を必要とするため
、計算時間が非常に長くかかるということである。 そこで、SA法で使用されるボルツマン分布q=exp
(−E((Xt))/T(t)) (4)でのニュ
ーロン状態の平均値を近似計算し、さらに温度を限りな
く零に近付けて行くような手法を採用すれば、短時間で
最小値付近まで達することが可能になると考えられる。 ここで、平均値<xl〉は、統計力学とのアナロジ−か
ら平均場近似法を用いて計算する。この近似式において
、温度を零に近付けて行く手法を模擬徐冷平均場近似法
(以下、AMFA法と略す)と呼ぶことにする。以下に
、平均場近似法の導出過程を、引例5に従って簡単に示
す。 相互結合型のニューラルネットワークにおいてエネルギ
ー の最小化は、ボルツマン分布式(4)の最大化に置き換
えられる0式(5)に平均場近似(Xi)=tanh
<−a E ((<Xs>))/ a(Xl>・(1/
T(t))) (6)を適用すれば、
((X、))は、以下の非線形方程式を満足する。 ただし、ニューロンの取り得る状態はXI”(1゜1)
であり、ニューロン数をNとしてi=1.・・・。 Nである。式(7)でT (t)→Oであれば、((X
、>)はボルツマン分布を最大にする(Xt)と等価に
成る。以下、第7@のPAD図に従って、AMFA法に
関するアルゴリズムを説明する。 [AMFA法のアルゴリズム] ブロック701:結合荷重W iJ及びしきい値aiを
設定する。 ブロック702:各:、、 ニー 0 ン(Xs (0
)) (7)初期状態を設定する。 ブロック703:最大反復回数Imaよを設定しt=1
とする。 ブロック704 : t≦I waxでなければ演算を
終了する。 ブロック705 :ai度T (t)を設定する。 ブロック706: (7)式に従って(xi(t))
を計算する。 ブロック707:t+1→tとしてブロック704へ処
理を移す。 最初に(X、)の初期状態を設定し1反復法によって式
(7)を満足する(X、)を解く。このとき、本発明で
は基本的に反復回数の増加に連れて温度パラメータT
(t)を冷却させて行くが。 一定値に設定することも可能である。 AMFA法は高速に良い解を算出するが、しかし近似法
であるため最適解に到達する保証はない。 そこで、AMFA法で得られたネットワークのニューロ
ン状態を初期分布として、新たにSA法を適用すること
によフて解の質の向上が期待できる。 このように、AMFA法の解の質を向上させる目的で開
発した方法を、混合法と呼ぶことにする。 以下、第8図のPAD図に従って、混合法に関するアル
ゴリズムを説明する。 [混合法のアルゴリズム] ブロック801:結合荷重W I J及びしきい値al
を設定する。 ブロック802:各ニューロン(Xi (0))の初期
状態を設定する。 ブロック803〜807:最大反復回数を設定室して、
AMFA法を実行す る。 ブロック808〜819ニ ブロック803〜807の計 算で得られた(Xt)に対し て、最大反復回数を設定して SA法を実行する。 混合法では、アルゴリズムにおいてブロック803〜8
07とブロック808〜819の順番を入れ替える方法
、あるいはこの2つの方法を交互に何度か繰り返す方法
も可能である。 〈実施例1〉 引例5で述べられているスピングラスとは、非強磁性金
属(例えば銅)に少量の磁気原子(例えば鉄)が希薄に
混ざった合金である。この合金の各原子のスピンは、強
磁性的と反強磁性的の2種類の方向を取り得る。そのた
め、各スピンは複雑で非一様な湘互作用をしており、系
のエネルギー状態には多くの極小値が存在する。 スピンiが他のスピンjと大きさW i Jで相互作用
している系に外部から磁場a、が作用しているとき、こ
の系のエネルギー関数は式(5)となる。 すなわち、スピングラス系は結合荷重がランダムである
神経回路網と等価な系とみなすことが可能である。 以下では、スピングラス系を用いた数値シミュレーショ
ンを通して、SA法、AMFA法、及び混合法の評価を
行なう。 最初に、SA法を用いてスピングラス系を最小エネルギ
ー状態へ遷移させることを考える。徐冷の速さとして、
最初に引例3でギーマンらが提案した温度T (t )
”To/log (t + 1 )に従う冷却スケジ
ュールを取り上げる。 まず、このスケジュールの冷却の早さを変化させたとき
のエネルギー状態の差異を調査した実験結果について述
べる。ニューロン数Nを800個として数値実験を行な
った結果を第9図に示す。 ただし、縦軸はエネルギーをニューロン数で規格化した
値−E/N、横軸は温度T (t)としてとっている。 横軸において、引例3の冷却スケジュールに従えば1反
復計算回数tが増す程、温度T(1)は低減することに
なる。具体的な冷却スケジュールとして、折線901
: l/log(100t−98)、折線902 :
1/log (t+1)と折線903 : 1/log
(t/100+2)の3種類を比較した。なお、これ
らの冷却スケジュールにおいて、反復1回目の温度は全
て約1/log 2″:1.44となるように設定して
いる6第9図では、矩形印が反復計算回数が100回目
、三角印が1000回目、そして丸印が反復10000
0000回目示す。1000回まででは温度の冷却の早
い折線901が最も低いエネルギー状態に到達している
が、反復10000回では折線902と折、11901
が逆転した。このとき、折線902の温度は折線901
の100回目の温度とほぼ同程度になっている。もし、
反復回数をさらに1〜2桁増やせば、折線903と折線
902も逆転すると推測できる。つまり、反復回数が少
ないときには、冷却速度の速い方が低いエネルギー状態
に達するが、反復回数が多くなると、冷却のより遅い方
がエネルギー状態が低くなる。 したがって、一定の最大反復回数が設定されたとき、変
数tの乗算と加算の係数を調整するという方法により、
低いエネルギーレベルへの到達が可能である。 次に、3種類の冷却スケジュール、反復回数の逆数に比
例する方法(T (t):l/上)、、引例3のギーマ
ンらの方法(T (t) ”1/ I n (を十1)
)及び引例4の最適冷却法について数値実験により比較
検討を行なった6反復回数の逆数に比例する方法は、計
算速度を早くするために一般に用いられている冷却スケ
ジュールである。初期分布として25種類の異なる正規
乱数を与えて。 各徐冷方法に従い算出したエネルギー値の平均及び標準
偏差を第1表に示す。ただし、シミュレーション条件は
、ニューロン数を400個1反復回数を10000回と
した。 第 1 表 引例6でブレストらは、同様な問題に対して最適解の推
定を行ない、−E/N=0.759という平均値を得て
いる。第1表では、この推定された最適値に対する誤差
も併せて掲載している。 平均値について比較すると、最適冷却法が最も低いエネ
ルギー値に到達し、以下はギーマンらの方法、反復回数
の逆数に比例する方法の順でエネルギー値が低かった。 標準偏差に関しては、反復回数に比例する方法が若干大
きいものの、3手法ともほぼ同程度であった。 反復回数の逆数に比例する方法と引例3のギーマンらの
方法の2手法について、適当な初期分布を与えたときの
反復回数に対するエネルギーの変化を第10図に示す。 ただし、縦軸はエネルギーをニューロン数で規格化した
値−E/N、横軸は反復回数tである。反復40回程度
までは明らかに反復回数の逆数に比例する方法による折
線1002の方が低いエネルギー状態にあるが、反復1
00回以上になると逆転してギーマンらの方法による折
線1001の方が低くなる。すなわち、反復回数が少な
いときには冷却速度の速い反復回数の逆数に比例する方
法の方が低いエネルギー状態に達するが、反復回数が多
くなると冷却のより遅いギーマンらの方法の方がエネル
ギー状態が低くなる。したがって、計算時間が限定され
ている条件のもとでは反復回数の逆数に比例する方法も
有効になり得るが、しかし十分な回数の反復計算が可能
であればギーマンらの方法を使用した方が良い結果を得
ることができる。故に、以下のSA法の実行時には、冷
却スケジュールとしてギーマンらの方法を主に用いる。 :、、 ニー D ”/数を400個1101.800
個1102と1200個1103にしたときのネットワ
ークの収束状況を、縦軸をニューロン数で規格化した1
つ前の状態とのエネルギーの差の絶対値1ΔE/N l
、横軸を反復回数tとして第11図に示す。ただし、
冷却スケジュールは、ギーマンらの方法(T (t)
=1/log (t+1) )とした。第11図より、
いくらかばらついてはいるが、全体的に見るとエネルギ
ーの変化量が低減して収束する傾向は類似していること
が分かる。したがって、スピングラス系の収束の早さは
ニューロン数にあまり依存しないといえるが、いくらか
のばらつきは生じている。 繰返しを無限回行なったときに得られるであろう最適解
に対して、通常のSA法は漸近的な特性を有することが
引例6で指摘されている。冷却スケジュールとして、ギ
ーマンらの方法(T(t)= 1/log (t +
1) )による折線1201及び最適冷却法による折線
1203の2種類に対して、それぞれの漸近特性120
2・1204を第12図に示す。ただし、反復回数は1
00000回、ニューロン数は625個とした。縦軸は
エネルギーをニューロン数で規格化した値−E/Nとし
、横軸としては、第12図(、)では対数関数の逆数1
/log(t)、第12図(b)ではべき乗関数の逆数
1/10°1にとっている。このスケールの取り方から
、両者は質的に異なっていることが分かる。ただし、最
適冷却法を用いた第12図(b)は反復回数が非常に大
きくなったときに漸近特性の傾きが緩やかになる傾向を
生じた。この原因としては、初期分布の影響、反復計算
過程での一時的な変動などが考えられるが、はっきりと
したことは不明である。 引例6でブレストらは、±1問題(シグモイド関数を用
いない方法)に対してスーパーコンピューターを用いて
最適解を推定し、その結果−E/N=0.759+0.
004 (800ニユー0ン)が得られたと述べている
。第12図(a)と(b)は共に最適解として−E/N
=0.76程度を示しており、ブレストらの求解と同等
な結果が得られたと言える。したがって、漸近特性の横
軸として、本SA法においてギーマンらの徐冷法では対
数関数の逆数、最適冷却法ではべき乗関数の逆数を用い
て、最適解の推定が可能である。 以下では、今回発明したAMFA法を適用して、スピン
グラス系を最小エネルギー状態へ遷移させることを考え
る。SA法に平均場近似を適用した式(7)には、温度
パラメータT (t)が含まれている。このパラメータ
T (t)を定数として与えた場合と徐冷をした場合と
の比較を第13図に示す。ただし、縦軸はエネルギーを
ニューロン数で規格化した値−E/N、横軸は温度T
(t)であり、ニューロン数は625個とした。一定温
度として6種類の値1301〜1306を用いたが、ど
の値でも反復100回以内にほぼ収束し、それ以上繰り
返してもほとんど変化がなかった。その中で最も良かっ
たのはT=0.1 1304であった。徐冷の冷却スケ
ジュールとしては、SA法でのギーマンらの方法T (
t) =1/log (t+1)をそのまま適用した。 図では、反復回数400回13o7から10000回1
311までの変化を示している。400回目のエネルギ
ー値は、温度を定数T=0.01 1301としたとき
の反復100回目の結果と同程度であまり良くないが、
反復10000回目では温度を定数T二0.1に設定し
たときよりも良好な結果が得られている。 したがって、温度を零に向かって徐冷せず一定値に設定
した場合には、非常に高速にある程度良い解が得られる
ことが分かった。しかしながら、多少時間がかかっても
質の良い解を得ることを目的にするならば、徐冷を行な
って温度を零に近づけて行く手法が有効である。 温度の設定として、一定値T (t) =0.1(反復
100回)及びT (t) =2/log (を十1)
(反復回数5000回)の2手法について、数値実験に
よりいくつかの異なる初期分布を与えて比較検討を行な
った。初期分布として50種類の異なる正規乱数を与え
て、各徐冷方法に従い算出したエネルギー値の平均及び
標準偏差を第2表に示す。ただし、ニューロン数は40
0個とした。 第 2 表 平均値について比較すると、第13図と同様な結果であ
り、徐冷したT (t) =2/log (t+1)の
方が低いエネルギー値に到達した。推定される最適解の
エネルギー値との誤差に着目すると、T (t)=0.
1を用いたときの約半分になっている。標準偏差に関し
ては、一定値を用いた結果はエネルギー値のばらつきが
大きい。つまり初期分布の与え方にかなり依存している
ことが分かる。一方、徐冷をした場合には、初期分布に
影響されずに同程度のエネルギーレベルに収束している
。これらの結果は、徐冷の有効性を示唆している。 次に、冷却スケジュールT (t ) =T o /
log(t+1)の係数T0を変化させたときに到達す
るエネルギーレベルの違いを、縦軸をエネルギーをニュ
ーロン数で規格化した値−E/N、横軸を温度T (t
)として第14図に示す。ただし、反復回数を2000
回、ニューロン数を625個とした。最も良かったのは
、T0=2、すなわちT(2000)=2/log20
01≠0.2631404としたときである。それより
もToを小さく、すなわち温度を低くした場合1401
〜1403は結果は急激に悪化し、逆にToを大きくし
た場合1405〜1407はわずかづつ悪くなるが、そ
の変化は非常に緩やかであるという結、果が得られた。 したがって、Toは大体2以上に設定すれば良いので、
AMFA法においてこの徐冷法はT。に関するパラメー
タ設定が容易であるという利点を持つ。 ニューロン数を400個1501.800個1502と
1200個1503にしたときのネットワークの収束状
況を、縦軸ニューロン数で規格化した1つ前の状態との
エネルギーの差の絶対値1ΔE/N1.横軸を反復回数
tとして第15図に示す。ただし、冷却スケジュールは
T (t) =2/log(t+1)とした。ニューロ
ン数が異なってもエネルギー差が収束する速さはほぼ同
一であり、SA法での結果である第11図と比較すると
ばらつきは非常に小さい。この相違の原因は。 SA法には確率的な揺らぎが導入されているのに対して
、AMFA法では確率性を使用せず決定論的に収束させ
ているためであろう。したがって、本手法はネットワー
クの規模に依存せずに、安定した解が期待できる。 AMFA法もSA法と同様に漸近性を有していることが
分かった。その特性を縦軸をエネルギーをニューロン数
で規格化した値−E/Nとして第16図に示す、ただし
、冷却スケジュールはT(t)=2/log (tll
)とし、反復回数は100000回とした。横軸にはべ
き乗関数の逆数を使用しており、同様な傾向を示した第
12図(b)が1/l”・1の依存性を持っていたのに
対して、本手法では1 / tll−5の依存性を持つ
。また、計算の初期段階でかなり低いレベルのエネルギ
ー状態にまで到達しており、それ以降の反復回数の増加
に対してエネルギーの変化は非常に僅かづつであった。 第16図から最適解を推定すると、−E/N=、=0.
74程度になっている。この値はSA法で求めた一E/
N=0.76に及ぼすAMFA法が近似的であることの
限界を示しているものの、その誤差は約2.6%と非常
に小さい。故に、漸近特性の横軸としてべき乗関数の逆
数を用いて、最適解の近似的な推定が可能である。また
、実際の最適化計算においては、計算の高速性を考慮す
ればこの誤差はほとんど問題にならないと言える。 混合法を用いてスピングラス系の数値シミュレーション
を行なった。最初のAMFA法の段階では、冷却スケジ
ュールとしてT (t) =1/log(tll)(反
復5000回)を用いる。そして、次の段階のSA法で
の冷却スケジュールとしては、反復回数の逆数に比例す
る方法(T (t)=1/l、反復1000回)を使用
した。ギーマンらの方法(T (t)=1/in (t
ll))及び最適冷却法についても試みたが、AMFA
法で到達した状態から逆にエネルギーレベルが上がって
しまった。これは、冷却が遅いので大きな揺らぎを与え
過ぎることになり、系の状態をむしろ乱してしまったこ
とが一因として考えられる。ニューロン数を800個と
したときに、混合法(AMFA:T (t)=17を反
復40000回、SA:T(t)=1/T 反復10
00回)で計算した結果は、−E/N=0.7525
(誤差 0.86%)であった。なお、誤差は引例6で
推定されている最小エネルギー状態−E/N=0.75
9に対する値である。そして、引例6で実際にSA法に
よりかなりの時間をかけて計算されている最小値は、−
E/N=0.7512 (誤差 1.03%)までであ
り1本手法ではそれを越える値を算出したおSA法(T
(t) =1/log (tll) 、反復1000
0回)、AMFA法(T (t)=2/log(tll
)、反復5000回)と混合法(AMFA: T (t
)=1/log (tll)反復5000回、SA:
1/を反復1000回)において、いくつかの初期乱数
分布を与えて計算したときのエネルギーの分布を、縦軸
を出現頻度の割合、横軸をエネルギーをニューロン数で
規格化した値−E/Nとして第17図(a)(b)(c
)にそれぞれ示す。ただし、ニューロン数は400個と
し、初期分布としてSA法は25種類、AMFA法と混
合法は50種類の正規乱数を用いた。最もエネルギーレ
ベルが低かったのは混合法であり、AMFA法はそれよ
りも少し上がり、SA法は高い状態であった。なお、混
合法の最終的なエネルギー値の平均は−E/N=−0.
7302 (誤差=3.8%)であった。したがって、
混合法が最も低いエネルギーレベルに到達可能だと言え
る。 エネルギー値の標準偏差は、SA法は 0.0195.AMFA法は0.0064、混合法は0
.0041となっている。SA法は最もばらつきが大き
かった。AMFA法は、SA法のように確率性を使用し
ていないためエネルギー値のばらつきは小さかった。混
合法はSA法を使用してはいるものの、AMFA法でか
なり最適解の近くに接近しているため、ばらつく余地は
あまりないと思われる。つまり、AMFA法と混合法は
、初期分布の値にかかわらず、安定したエネルギー状態
が得られる。 SA法(T (t) =l/log (tll) )と
AMFA法(T (t) =2/log (tll)
)との反復初期段階での収束の違いを、縦軸をエネルギ
ーをニューロン数で規格化した値−E/N、横軸を反復
回数tとして第18図に示す。SA法による折線180
2と比較してAMFA法による折線1801は非常に収
束が速く、反復回数10回(計算時間: 0.2sec
) 1803程度で、SA法の反復10000回(計算
時間: 198sec)のエネルギーと同等のレベルに
達している。つまり、計算時間は約千倍の早さになって
おり、非常に高速である。 次に、収束したネットワークのニューロン状態の差異を
調べるために、以下の式で定義される規格化ハミング距
離を導入した。 規格化ハミング距離−H/Nをニューロン状態の分布状
況の目安として横軸にとり、縦軸の規格化エネルギー−
E、 / Nと対応とさせて第19図に示す。ただし、
各冷却スケジュール毎にそれぞれ最初に収束した分布を
基準として選び、規格化ハミング距離を計算した。第1
9図(a)はSA法(T (t) =1/log (t
+1) 、反復10000回)、(b)はAMFA法(
T(t)=2/log (t+1) 、反復5000回
)、そして(c)は混合法(AMFA:T (t)=1
/log (t + 1) 、反復5000回、SA:
1/を反復1000回)である。初期分布として、S
A法は25種類、AMFA法と混合法は50種類の正規
乱数を用いた。 第19図では、同程度のエネルギーに対して規格化ハミ
ング距離の異なる状態がいくつも存在し、スピングラス
系に存在するローカルミニマの複雑さを見ることができ
る。各冷却スケジュールでの規格化ハミング距離の標準
偏差を求めると、SA法は0.1169、AMFA法は
0.1584、混合法は0.1974であった。SA法
よりもAMFA法の方がばらつきの大きい理由は、SA
法では異なる初期分布を与えても最適解に向かって揺ら
ぎの効果で同じような状態に近付けていくのに対して、
AMFA法では初期分布により確定的に解の分布が決定
されるためであろう。そして混合法では、AMFA法に
よって大きくばらついた状態を初期値としてSA法を実
行するため、SA法を単独で実行した場合とは逆に、揺
らぎによってむしろ標準偏差が大きくなってしまう。し
たがって、連想記憶に適用する場合を考えると、多くの
ローカルミニマが同程度のエネルギーレベルに存在する
ので、あまり干渉を受けずに多くの情報を記憶できると
いう点で、SA法よりAMFA法、AMFAより混合法
が非常に有効である。 最後に、計算機の演算方法としてスカラー演算とベクト
ル演算とを用いたときの計算時間を、SA法(T (t
) =1/log (t+1) )とAMFA法(T
(t) =2/log (t+1) )の2手法に関し
てニューロン数を変化させて比較した。その結果を、縦
軸を計算時間、横軸をニューロン数Nとして第20図(
a)と(b)に示す。 ただし、反復回数は両手法共に5000回とする。 第20図(a)のスカラー演算による折線2001と第
20図(b)のスカラー演算による折線2003とを比
較して、両手法の演算時間はほぼ同じであることが分か
った。また、第20図(a)のベクトル演算による折線
2002と第20図(b)のベクトル演算による折線2
004とは、ともにスカラー演算よりも高速化されてい
る。特にAMFA法は、計算時間がSA法の約半分にな
っているので、よりベクトル化の有効性が高いと言える
。 したがって、AMFA法は、スカラー演算に対しては同
じ計算時間、またベクトル演算に対してはより高い加速
率で、SA法よりも低いエネルギー状態に到達するとい
う優位性が確認できた。 〈実施例2〉 相互結合型のニューラルネットワークを用いて数理計画
法の制約条件付き最適化問題を解くというこれまでに提
案された試みは、目的関数が2次形式で表現可能な2次
計画法であり、また変数が2値に限定された0−1問題
であることが多い。 そして線形な制約条件は、目的関数の中に加算する形式
で組み込んでいる。こうした解法にはいく ゛つかの欠
点が存在する。まず、この最適化の目標は目的関数の最
小化であるため、必ずしも制約条件が満足されるわけで
はない。また、解は離散値に制限されてしまう。 目的関数を2次形式で表現できる組合せ最適化問題の1
つとして、証券ポートフォリオ問題が挙げられる。ポー
トフォリオ問題とは、リスク最小で且つ収益最大となる
銘柄の組み合わせを選択する最適化問題である。この問
題に対して、1つ1つの銘柄を検証して行く方法では計
算量の爆発を生じる。そこで、ある銘柄を選ぶか選ばな
いかを相互結合している各ニューロンの発火と沈静とに
対応させ、そのネットワークを適切なエネルギー関数が
最小化するように動作させることにより、最適な銘柄組
み合わせの求解が可能となる6以下では、ニューロコン
ピユーテイングが応用可能な分野の1つとして証券ポー
トフォリオ問題を取り上げる。 具体的な定式化を引例7のマーコビッツに従って行なう
。まず株価Ps(t)が与えられていると仮定する。た
だし、銘柄i=1.・・・・・・、N、時刻t=1.・
・・・・・、Tである。このとき、変動率をrt(t)
=(p五(t+1)−pt(t))/pt(t)
(9)と定義する。この変動率ri (t)を用い
れば、その平均を用いて収益、また共分散を用いてリス
クが定義できる。 さらに、制約条件として選択する銘柄数をn銘柄に限定
する。 収益とリスク、そして選択する銘柄数を考慮すれば、目
的関数とするエネルギーは次式となる。 i=ま ただし、x*= (o、i) であり、A、B、Cは定
数である。式(13)において、Cn2は(xt)に依
存しないので、 とする0式(14)を、相互結合型ネットワークのエネ
ルギー関数 N 1=1 と対応付ければ、次式の関係が成立する。 公知の事実として、ネットワークの結合荷重の対角項す
なわち自己フィードバックが零(W目”O)のときには
、ニューロンの状態は中途半端な活性値を取らずに2値
に分かれやすくなり、また収束が早く且つ安定すること
が知られている。しかしながら、ポートフォリオ問題で
は、一般に結合荷重の対角項は零ではない。そこで、ニ
ューロンの取り得る状態が(0,1)のとき、X t
X t =X、(i=1.・・・、N)の性質を利用し
て、エネルギー関数式(15)を以下のように変形すれ
ば。 自己フィードバック項を零に変換できる。 i=1 j=1 ただし 50銘柄の株価データに対し、式(17)のエネルギー
関数に基づいてSA法(T (t)=1/log(t+
1))を反復500回で実行した結果を第3表に示す。 条件は、定数をA=1.C=5とし、選択銘柄数nを5
個とした。 第 3 表 一方、5銘柄の組合せをランダムに10000回選択し
たときの平均リスクは54.5 (標準偏差 17.0
)、平均収益は1.86(標準偏差0.67)であった
。したがって、第3表の結果はリスクが小さく収益の大
きな銘柄の組合せが選択されていることが分かる。 反復回数100000回で計算したときの漸近特性を第
21図に示す。縦軸としてエネルギーをニューロン数で
規格化した値−E/N、横軸としてl / t fi、
5を用いた。ポートフォリオ問題では、エネルギーの上
限値が漸近特性21o2を成していると見られる。この
漸近特性から最適解を推定すると、−E/N42.47
3であった。反復回数500回では、エネルギーは、−
E/N=2.472であり、はぼ最適解に達していると
いえる。 AMFA法において、ニューロンの内部状態が(−1,
1)型である場合を仮定する。(0,1)形式のニュー
ロンX、と(−1,1)形式の二ニーロン■、との関係
式 %式%(19) を、式(14)に代入すれば、 i=1 j=1 一Σ(Bat+2cn) Xt i=1 i=1 j=1 i=1 j=1 (B a ++2 c n)/ 2) Vt式(2o)
で、第3項目と第4項目は定数項なので省略可能である
。相互結合型ネットワークのエネルギー関数式(15)
と対応付けると、が成立する。 自己フィードバック項を零とするためには、X5Xr=
1 (i=1. ・=g N)という性質を利用してエ
ネルギー関数式(15)を以下のように変形すれば良い
。 i=ま ただし た。 50銘柄の株価データに対し、式(22)のエネルギー
関数に基づいてAMFA法(T(t)=10/l)を反
復100回で実行した結果を第4表に示す。計算条件は
SA法と同様に、A=1゜C=5.n=5とした。 第 4 表 冷却スケジュールとしてT (t ) = To/lo
g (t+1)を用いると、反復500回以内に状態が
安定せず収束しきれなかった。これはポートフォリオ問
題のネットワークが比較的に早く最小値付近に達すると
いう性質を持っているので、それに対してT (t )
=T e / log (t + 1 )の冷却速度
が遅すぎるということが1つの理由として考えられる。 そこで、代わりにT (t)=10/lを冷却スケジュ
ールとして採用したところ、反復100回以内でほぼ完
全に収束した。 5銘柄の組合せをランダムに10000回選択したとき
の平均リスク54.5 (標準偏差17.0)及び平均
収益1.86(標準偏差 0.67)と比較して、第4
表ではSA法を使用したときと同程度にリスクが小さく
収益の大きな銘柄の組合せが選択されている。また、S
A法と同じ番号の銘柄がいくつか選択されている。 銘柄数の制約を式(13)のようにエネルギー関数の中
で加算として組み込む方式では、必ずしもその制約条件
が満足されるとは限らない。数値シミュレーションを行
なったときに、パラメーター値の変化に依存して、制約
条件として指定した銘柄数よりも実際に選択された銘柄
数が多過ぎたりあるいは少な過ぎたりする解が、しばし
ば8現した。そこで、解を選択銘柄数の制約条件式(1
2)を必ず満足する許容解に限定するために、ニューロ
ンの出力信号を決定する出力関数をシグモイド変換の代
わりに次式で与えるようにした。 X1= n cos”θ、 j=1 j=ま ただし、θ1は変数とする。式(24)を出力関数とす
れば、制約条件式(12)は必ず満足される。以下では
、式(24)を出力関数とするニューラルネットワーク
の種別を制約組込型と呼ぶことにする。 これまでは、ニューロコンピユーテイングによる最適化
を0−1問題として解いて来た。しかしながら、証券ポ
ートフォリオ問題においては単にどの銘柄を選択するか
だけではなく、どの程度の配分比率にするかということ
を求める方がより実際的である。制約組込型SA法では
、ニューロンの状態変換式(24)の使用により、ニュ
ーロンの出力状態としてOと1との間の中間値が許可さ
れている。そこで、比率を求めるためにn=1に設定す
ることによって、配分比率としての求解が可能である。 50銘柄の株価データに対して、制約組込型SA法を用
いて冷却スケジュールT (t) =T0/lで反復5
00回としたときの配分比率の求解結果を、上位5銘柄
について第5表に示す。ただし、計算条件はSA法と同
様にA=1とし、結合荷重としきい値は式(16)でC
=0として設定した。また、結合荷重の対角項は零に設
定している。 第 5 表 SA法での結果である第3表と比較して、共通する銘柄
番号がいくつか選択されており、同等な解が得られてい
るといえる。 次に、・制約組込型SA法を用いてO−1問題の求解を
行なう。そのためlこは、ニューロンの出力状態が中途
半端な値を取らずに(0,1)に分かれるようにしなけ
ればならない。そこで、エネルギー関数式(17)にエ
ントロピー項を付加した。 N ただし、Dは定数である。 50銘柄の株価データに対し、式(25)のエネルギー
関数に基づいて制約組込型SA法を実行した結果を第6
表に示す。ただし、選択銘柄数を5銘柄、反復回数を5
00回とし、他の計算条件は配分比率での求解と同一に
設定した。ただし、式(25)に基づく計算では収束性
が悪かった。 そこで2反復計算の初期段階ではニューロンを一様に発
火させるために反復125回まではD=−5、そしてそ
れ以後はD=5と符号を反転する工夫を取り入れて、収
束性の改善を図った。 第 6 表 配分比率での求解結果であると第5表と比べると、共通
する銘柄が存在し、極端に異なった銘柄の組合せは選択
されていない。また、5銘柄の組合せをランダムに10
000回選択したときの平均リスク54.5 (標準偏
差 17.0)及び平均収益1.86(標準偏差 0.
67)と比較して、リスクが小さく収益の大きな銘柄の
組合せが選ばれたといえる。しかしながら、SA法とA
MFA法での求解結果である第3表及び第4表のリスク
及び収益と比べると、解の質が若干落ちていることがう
かがわれる。 検証する全銘柄数が50銘柄と比較的に小規模で収束が
早かったために、SA法とAMFA法との計算速度の差
異は顕在化しなかった。しかじながら、ネットワークを
大規模に拡張した場合には。 高速なAMFA法の有効性が発揮されると推測できる。 以上述べてきた結果から、選択銘柄数の制約が自動的に
満足される手法とAMFA法とを組合せれば、質の良い
解を高速に得る手法として最も適するであろうと推察で
きる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、最適化問題に対して従来のニューラル
ネットワーク手法よりも良質な解を高速に得ることがで
きる。また、得られる解を制約条件を満足する許容解に
限定することが可能になった。さらに、数理計画問題の
1例として取り上げた証券ポートフォリオ問題において
、配分比率での求解を可能とする。また本発明は、連想
記憶へ適用した場合に、干渉の少ない記憶が実現できる
。
画問題が与えられた場合には、2吹項を結合荷重生成器
で結合荷重に変換し、1次項をしきい値生成器でしきい
値に変換し、制約条件を出力関数生成器で出力関数に変
換する。 ニューラルネットワーク群107は、第2図に示す相互
結合型ニューラルネットワークで構成され、神経細胞2
01同志を結合するシナプス202はそれぞれが固有の
結合荷重を持つ。各神経細胞201は、第3図に示すよ
うに、しきい値と出力関数304を有して、重み付き総
入力303の値に応じて出力信号305を決定する。 そして、各神経細胞の協調的及び競合的な動作により最
適化問題を求解する。 模擬徐冷平均場近似法を用いたニューラルネットワーク
111は、決定論的な動作原理によって近似解へ高速に
収束する。模擬徐冷法を用いたニューラルネットワーク
112では、確率性の導入により揺らぎを与えて極小解
から最適解への移行を可能にしている。 【実施例】 以下、本発明を実施例により説明する。 第1図(A)に示すようなニューラルネットワークによ
る最適化装置において、問題をキーボード103により
入力し、外部メモリ104にデータを貯蔵してコンピュ
ータ102により演算を実行し、デイスプレィ101を
通して演算結果の解を表示する。コンピュータ102で
行う最適化計算のフローチャートを第1図(B)に示す
。第1図(B)のニューラルネットワーク群107とし
ては、相互結合型ニューラルネットワークを使用する。 相互結合型ニューラルネットワークが局所的な極小値を
抜は出し大域的な最小解に到達するためには、エネルギ
ー障壁を乗り越え得るトンネル現象のような操作が必要
である。この課題を克服するために、引例2では、ネッ
トワークの状態遷移に確率性を導入し、さらに物理学と
のアナロジ−から焼き鈍しを組み合わせた手法が考案さ
れた。 この手法は模擬徐冷法(以下、SA法と略す)と呼ばれ
ている。実施例1では最初に、SA法にいくつかの工夫
を施したうえで、その性能を調査した。以下、第4図の
PAD図に従って、SA法に関するアルゴリズムを説明
する。ただし、時刻tでのi番目のニューロンX+(t
)はしきい値a1を持ち、i番目のニューロンとj番目
のニューロンとの結合荷重をW I Jとする。 [SA法のアルゴリズム] ブロック401:結合荷重W I J及びしきい値a、
を設定する。 ブロック402:各ニューロン(XI (0))の初期
状態を設定する。 ブロック403:最大反復回数I +*aXを設定しt
=1とする。 ブロック404 : t:ii;I□。でなければ演算
を終了する。 ブロック405:状態変更量として正規乱数δ1を発生
させる。 ブロック406:ニューロンへの入力がδ東だけ変化し
たときの出力状態 (x+″)を計算する。 ブロック407:δE=p((xt’ ))−c((x
t(t)))を計算する。 ブロック408:温度T (t)を設定する。 ブロック409:q=exp(−δE/T(t))を計
算する。 ブロック410ニー様乱数η、を発生させる。 ブロック411〜413; q≦η工ならば (xt’ )→(xt(t + 1))q〉η、ならば (xt(t))→(xt(t + 1))とする。 ブロック414 : t+l→tとしてブロック404
へ処理を移す。 SA法では、第5図に示すようなネットワークのエネル
ギー501が増大する方向への状態遷移を、温度パラメ
ータT (t)に依存した確率qで許容する。この揺ら
ぎの効果503の導入1こよって、エネルギー障壁を乗
り越えることが可能になった。さらしこ、温度T (t
)を冷却して確率qを徐々に減少させていくことにより
、ネットワークの状態はエネルギー関数の極小値502
に捕られれずに、最小値504に収束することが可能に
なる。冷却スケジュールとしては、引例4でギーマンら
が提案した T(t)=T、/l o g(t+1) (1
)To:定数 が、代表的な徐冷法である。 式(1)では、温度は反復計算回数tだけにしか依存し
ていない。そこで、温度を時刻tのみならずエネルギー
にも依存する関数にして、エネルギーが極小値に陥った
状態のときに大きな揺らぎを与えるようにすれば、最小
値への収束を早めることが可能になる。そのために、最
小値に達するまでの経過時間をコスト関数として、これ
を最小化する温度T。2.を確率的ダイナミックプログ
ラミング手法により求める。引例4での導出結果は次式
である。 Topt”θ/ / (1/ E ((Xt))’ )
d x (2)ただし、″は状態に関する偏微分を
表し、θは近似的に定数とみなせる。これが最適冷却法
と呼ばれている徐冷法である。 ニューロンの出力信号は、第6図に示すような離散的に
2値のみを取り得る階段関数601ではなく、引例1で
述べられているような、微分利得特性に従うシグモイド
関数602 f (Xs) = t a n h (Xt/ Un)
(3)により変換してアナログ変数とした1式
(3)は、UI、を限りなくOに近づけていけば2値変
数と等価になる。 本実施例では、v’T(t)に比例する標準偏差を持つ
正規乱数を変更量といてニューロンの前の内部状態に付
加するというやり方で新しい状態を発生させ、反復計算
回数の増加に連れて変更量を減少させていった。また、
初期内部状態は、ニューロンの中間値を平均値とする正
規乱数とした。これらの工夫を施すことによって、早く
且つ安定した収束が達成できた。 以上で述べてきた確率的な揺らぎを導入したSA法の出
現により、ネットワークの状態がエネルギー関数の最小
解に到達することが理論的には可能になった。しかしな
がら、この方法にも欠点が存在する。それは、最小値へ
の収束までに膨大な数の繰り返し計算を必要とするため
、計算時間が非常に長くかかるということである。 そこで、SA法で使用されるボルツマン分布q=exp
(−E((Xt))/T(t)) (4)でのニュ
ーロン状態の平均値を近似計算し、さらに温度を限りな
く零に近付けて行くような手法を採用すれば、短時間で
最小値付近まで達することが可能になると考えられる。 ここで、平均値<xl〉は、統計力学とのアナロジ−か
ら平均場近似法を用いて計算する。この近似式において
、温度を零に近付けて行く手法を模擬徐冷平均場近似法
(以下、AMFA法と略す)と呼ぶことにする。以下に
、平均場近似法の導出過程を、引例5に従って簡単に示
す。 相互結合型のニューラルネットワークにおいてエネルギ
ー の最小化は、ボルツマン分布式(4)の最大化に置き換
えられる0式(5)に平均場近似(Xi)=tanh
<−a E ((<Xs>))/ a(Xl>・(1/
T(t))) (6)を適用すれば、
((X、))は、以下の非線形方程式を満足する。 ただし、ニューロンの取り得る状態はXI”(1゜1)
であり、ニューロン数をNとしてi=1.・・・。 Nである。式(7)でT (t)→Oであれば、((X
、>)はボルツマン分布を最大にする(Xt)と等価に
成る。以下、第7@のPAD図に従って、AMFA法に
関するアルゴリズムを説明する。 [AMFA法のアルゴリズム] ブロック701:結合荷重W iJ及びしきい値aiを
設定する。 ブロック702:各:、、 ニー 0 ン(Xs (0
)) (7)初期状態を設定する。 ブロック703:最大反復回数Imaよを設定しt=1
とする。 ブロック704 : t≦I waxでなければ演算を
終了する。 ブロック705 :ai度T (t)を設定する。 ブロック706: (7)式に従って(xi(t))
を計算する。 ブロック707:t+1→tとしてブロック704へ処
理を移す。 最初に(X、)の初期状態を設定し1反復法によって式
(7)を満足する(X、)を解く。このとき、本発明で
は基本的に反復回数の増加に連れて温度パラメータT
(t)を冷却させて行くが。 一定値に設定することも可能である。 AMFA法は高速に良い解を算出するが、しかし近似法
であるため最適解に到達する保証はない。 そこで、AMFA法で得られたネットワークのニューロ
ン状態を初期分布として、新たにSA法を適用すること
によフて解の質の向上が期待できる。 このように、AMFA法の解の質を向上させる目的で開
発した方法を、混合法と呼ぶことにする。 以下、第8図のPAD図に従って、混合法に関するアル
ゴリズムを説明する。 [混合法のアルゴリズム] ブロック801:結合荷重W I J及びしきい値al
を設定する。 ブロック802:各ニューロン(Xi (0))の初期
状態を設定する。 ブロック803〜807:最大反復回数を設定室して、
AMFA法を実行す る。 ブロック808〜819ニ ブロック803〜807の計 算で得られた(Xt)に対し て、最大反復回数を設定して SA法を実行する。 混合法では、アルゴリズムにおいてブロック803〜8
07とブロック808〜819の順番を入れ替える方法
、あるいはこの2つの方法を交互に何度か繰り返す方法
も可能である。 〈実施例1〉 引例5で述べられているスピングラスとは、非強磁性金
属(例えば銅)に少量の磁気原子(例えば鉄)が希薄に
混ざった合金である。この合金の各原子のスピンは、強
磁性的と反強磁性的の2種類の方向を取り得る。そのた
め、各スピンは複雑で非一様な湘互作用をしており、系
のエネルギー状態には多くの極小値が存在する。 スピンiが他のスピンjと大きさW i Jで相互作用
している系に外部から磁場a、が作用しているとき、こ
の系のエネルギー関数は式(5)となる。 すなわち、スピングラス系は結合荷重がランダムである
神経回路網と等価な系とみなすことが可能である。 以下では、スピングラス系を用いた数値シミュレーショ
ンを通して、SA法、AMFA法、及び混合法の評価を
行なう。 最初に、SA法を用いてスピングラス系を最小エネルギ
ー状態へ遷移させることを考える。徐冷の速さとして、
最初に引例3でギーマンらが提案した温度T (t )
”To/log (t + 1 )に従う冷却スケジ
ュールを取り上げる。 まず、このスケジュールの冷却の早さを変化させたとき
のエネルギー状態の差異を調査した実験結果について述
べる。ニューロン数Nを800個として数値実験を行な
った結果を第9図に示す。 ただし、縦軸はエネルギーをニューロン数で規格化した
値−E/N、横軸は温度T (t)としてとっている。 横軸において、引例3の冷却スケジュールに従えば1反
復計算回数tが増す程、温度T(1)は低減することに
なる。具体的な冷却スケジュールとして、折線901
: l/log(100t−98)、折線902 :
1/log (t+1)と折線903 : 1/log
(t/100+2)の3種類を比較した。なお、これ
らの冷却スケジュールにおいて、反復1回目の温度は全
て約1/log 2″:1.44となるように設定して
いる6第9図では、矩形印が反復計算回数が100回目
、三角印が1000回目、そして丸印が反復10000
0000回目示す。1000回まででは温度の冷却の早
い折線901が最も低いエネルギー状態に到達している
が、反復10000回では折線902と折、11901
が逆転した。このとき、折線902の温度は折線901
の100回目の温度とほぼ同程度になっている。もし、
反復回数をさらに1〜2桁増やせば、折線903と折線
902も逆転すると推測できる。つまり、反復回数が少
ないときには、冷却速度の速い方が低いエネルギー状態
に達するが、反復回数が多くなると、冷却のより遅い方
がエネルギー状態が低くなる。 したがって、一定の最大反復回数が設定されたとき、変
数tの乗算と加算の係数を調整するという方法により、
低いエネルギーレベルへの到達が可能である。 次に、3種類の冷却スケジュール、反復回数の逆数に比
例する方法(T (t):l/上)、、引例3のギーマ
ンらの方法(T (t) ”1/ I n (を十1)
)及び引例4の最適冷却法について数値実験により比較
検討を行なった6反復回数の逆数に比例する方法は、計
算速度を早くするために一般に用いられている冷却スケ
ジュールである。初期分布として25種類の異なる正規
乱数を与えて。 各徐冷方法に従い算出したエネルギー値の平均及び標準
偏差を第1表に示す。ただし、シミュレーション条件は
、ニューロン数を400個1反復回数を10000回と
した。 第 1 表 引例6でブレストらは、同様な問題に対して最適解の推
定を行ない、−E/N=0.759という平均値を得て
いる。第1表では、この推定された最適値に対する誤差
も併せて掲載している。 平均値について比較すると、最適冷却法が最も低いエネ
ルギー値に到達し、以下はギーマンらの方法、反復回数
の逆数に比例する方法の順でエネルギー値が低かった。 標準偏差に関しては、反復回数に比例する方法が若干大
きいものの、3手法ともほぼ同程度であった。 反復回数の逆数に比例する方法と引例3のギーマンらの
方法の2手法について、適当な初期分布を与えたときの
反復回数に対するエネルギーの変化を第10図に示す。 ただし、縦軸はエネルギーをニューロン数で規格化した
値−E/N、横軸は反復回数tである。反復40回程度
までは明らかに反復回数の逆数に比例する方法による折
線1002の方が低いエネルギー状態にあるが、反復1
00回以上になると逆転してギーマンらの方法による折
線1001の方が低くなる。すなわち、反復回数が少な
いときには冷却速度の速い反復回数の逆数に比例する方
法の方が低いエネルギー状態に達するが、反復回数が多
くなると冷却のより遅いギーマンらの方法の方がエネル
ギー状態が低くなる。したがって、計算時間が限定され
ている条件のもとでは反復回数の逆数に比例する方法も
有効になり得るが、しかし十分な回数の反復計算が可能
であればギーマンらの方法を使用した方が良い結果を得
ることができる。故に、以下のSA法の実行時には、冷
却スケジュールとしてギーマンらの方法を主に用いる。 :、、 ニー D ”/数を400個1101.800
個1102と1200個1103にしたときのネットワ
ークの収束状況を、縦軸をニューロン数で規格化した1
つ前の状態とのエネルギーの差の絶対値1ΔE/N l
、横軸を反復回数tとして第11図に示す。ただし、
冷却スケジュールは、ギーマンらの方法(T (t)
=1/log (t+1) )とした。第11図より、
いくらかばらついてはいるが、全体的に見るとエネルギ
ーの変化量が低減して収束する傾向は類似していること
が分かる。したがって、スピングラス系の収束の早さは
ニューロン数にあまり依存しないといえるが、いくらか
のばらつきは生じている。 繰返しを無限回行なったときに得られるであろう最適解
に対して、通常のSA法は漸近的な特性を有することが
引例6で指摘されている。冷却スケジュールとして、ギ
ーマンらの方法(T(t)= 1/log (t +
1) )による折線1201及び最適冷却法による折線
1203の2種類に対して、それぞれの漸近特性120
2・1204を第12図に示す。ただし、反復回数は1
00000回、ニューロン数は625個とした。縦軸は
エネルギーをニューロン数で規格化した値−E/Nとし
、横軸としては、第12図(、)では対数関数の逆数1
/log(t)、第12図(b)ではべき乗関数の逆数
1/10°1にとっている。このスケールの取り方から
、両者は質的に異なっていることが分かる。ただし、最
適冷却法を用いた第12図(b)は反復回数が非常に大
きくなったときに漸近特性の傾きが緩やかになる傾向を
生じた。この原因としては、初期分布の影響、反復計算
過程での一時的な変動などが考えられるが、はっきりと
したことは不明である。 引例6でブレストらは、±1問題(シグモイド関数を用
いない方法)に対してスーパーコンピューターを用いて
最適解を推定し、その結果−E/N=0.759+0.
004 (800ニユー0ン)が得られたと述べている
。第12図(a)と(b)は共に最適解として−E/N
=0.76程度を示しており、ブレストらの求解と同等
な結果が得られたと言える。したがって、漸近特性の横
軸として、本SA法においてギーマンらの徐冷法では対
数関数の逆数、最適冷却法ではべき乗関数の逆数を用い
て、最適解の推定が可能である。 以下では、今回発明したAMFA法を適用して、スピン
グラス系を最小エネルギー状態へ遷移させることを考え
る。SA法に平均場近似を適用した式(7)には、温度
パラメータT (t)が含まれている。このパラメータ
T (t)を定数として与えた場合と徐冷をした場合と
の比較を第13図に示す。ただし、縦軸はエネルギーを
ニューロン数で規格化した値−E/N、横軸は温度T
(t)であり、ニューロン数は625個とした。一定温
度として6種類の値1301〜1306を用いたが、ど
の値でも反復100回以内にほぼ収束し、それ以上繰り
返してもほとんど変化がなかった。その中で最も良かっ
たのはT=0.1 1304であった。徐冷の冷却スケ
ジュールとしては、SA法でのギーマンらの方法T (
t) =1/log (t+1)をそのまま適用した。 図では、反復回数400回13o7から10000回1
311までの変化を示している。400回目のエネルギ
ー値は、温度を定数T=0.01 1301としたとき
の反復100回目の結果と同程度であまり良くないが、
反復10000回目では温度を定数T二0.1に設定し
たときよりも良好な結果が得られている。 したがって、温度を零に向かって徐冷せず一定値に設定
した場合には、非常に高速にある程度良い解が得られる
ことが分かった。しかしながら、多少時間がかかっても
質の良い解を得ることを目的にするならば、徐冷を行な
って温度を零に近づけて行く手法が有効である。 温度の設定として、一定値T (t) =0.1(反復
100回)及びT (t) =2/log (を十1)
(反復回数5000回)の2手法について、数値実験に
よりいくつかの異なる初期分布を与えて比較検討を行な
った。初期分布として50種類の異なる正規乱数を与え
て、各徐冷方法に従い算出したエネルギー値の平均及び
標準偏差を第2表に示す。ただし、ニューロン数は40
0個とした。 第 2 表 平均値について比較すると、第13図と同様な結果であ
り、徐冷したT (t) =2/log (t+1)の
方が低いエネルギー値に到達した。推定される最適解の
エネルギー値との誤差に着目すると、T (t)=0.
1を用いたときの約半分になっている。標準偏差に関し
ては、一定値を用いた結果はエネルギー値のばらつきが
大きい。つまり初期分布の与え方にかなり依存している
ことが分かる。一方、徐冷をした場合には、初期分布に
影響されずに同程度のエネルギーレベルに収束している
。これらの結果は、徐冷の有効性を示唆している。 次に、冷却スケジュールT (t ) =T o /
log(t+1)の係数T0を変化させたときに到達す
るエネルギーレベルの違いを、縦軸をエネルギーをニュ
ーロン数で規格化した値−E/N、横軸を温度T (t
)として第14図に示す。ただし、反復回数を2000
回、ニューロン数を625個とした。最も良かったのは
、T0=2、すなわちT(2000)=2/log20
01≠0.2631404としたときである。それより
もToを小さく、すなわち温度を低くした場合1401
〜1403は結果は急激に悪化し、逆にToを大きくし
た場合1405〜1407はわずかづつ悪くなるが、そ
の変化は非常に緩やかであるという結、果が得られた。 したがって、Toは大体2以上に設定すれば良いので、
AMFA法においてこの徐冷法はT。に関するパラメー
タ設定が容易であるという利点を持つ。 ニューロン数を400個1501.800個1502と
1200個1503にしたときのネットワークの収束状
況を、縦軸ニューロン数で規格化した1つ前の状態との
エネルギーの差の絶対値1ΔE/N1.横軸を反復回数
tとして第15図に示す。ただし、冷却スケジュールは
T (t) =2/log(t+1)とした。ニューロ
ン数が異なってもエネルギー差が収束する速さはほぼ同
一であり、SA法での結果である第11図と比較すると
ばらつきは非常に小さい。この相違の原因は。 SA法には確率的な揺らぎが導入されているのに対して
、AMFA法では確率性を使用せず決定論的に収束させ
ているためであろう。したがって、本手法はネットワー
クの規模に依存せずに、安定した解が期待できる。 AMFA法もSA法と同様に漸近性を有していることが
分かった。その特性を縦軸をエネルギーをニューロン数
で規格化した値−E/Nとして第16図に示す、ただし
、冷却スケジュールはT(t)=2/log (tll
)とし、反復回数は100000回とした。横軸にはべ
き乗関数の逆数を使用しており、同様な傾向を示した第
12図(b)が1/l”・1の依存性を持っていたのに
対して、本手法では1 / tll−5の依存性を持つ
。また、計算の初期段階でかなり低いレベルのエネルギ
ー状態にまで到達しており、それ以降の反復回数の増加
に対してエネルギーの変化は非常に僅かづつであった。 第16図から最適解を推定すると、−E/N=、=0.
74程度になっている。この値はSA法で求めた一E/
N=0.76に及ぼすAMFA法が近似的であることの
限界を示しているものの、その誤差は約2.6%と非常
に小さい。故に、漸近特性の横軸としてべき乗関数の逆
数を用いて、最適解の近似的な推定が可能である。また
、実際の最適化計算においては、計算の高速性を考慮す
ればこの誤差はほとんど問題にならないと言える。 混合法を用いてスピングラス系の数値シミュレーション
を行なった。最初のAMFA法の段階では、冷却スケジ
ュールとしてT (t) =1/log(tll)(反
復5000回)を用いる。そして、次の段階のSA法で
の冷却スケジュールとしては、反復回数の逆数に比例す
る方法(T (t)=1/l、反復1000回)を使用
した。ギーマンらの方法(T (t)=1/in (t
ll))及び最適冷却法についても試みたが、AMFA
法で到達した状態から逆にエネルギーレベルが上がって
しまった。これは、冷却が遅いので大きな揺らぎを与え
過ぎることになり、系の状態をむしろ乱してしまったこ
とが一因として考えられる。ニューロン数を800個と
したときに、混合法(AMFA:T (t)=17を反
復40000回、SA:T(t)=1/T 反復10
00回)で計算した結果は、−E/N=0.7525
(誤差 0.86%)であった。なお、誤差は引例6で
推定されている最小エネルギー状態−E/N=0.75
9に対する値である。そして、引例6で実際にSA法に
よりかなりの時間をかけて計算されている最小値は、−
E/N=0.7512 (誤差 1.03%)までであ
り1本手法ではそれを越える値を算出したおSA法(T
(t) =1/log (tll) 、反復1000
0回)、AMFA法(T (t)=2/log(tll
)、反復5000回)と混合法(AMFA: T (t
)=1/log (tll)反復5000回、SA:
1/を反復1000回)において、いくつかの初期乱数
分布を与えて計算したときのエネルギーの分布を、縦軸
を出現頻度の割合、横軸をエネルギーをニューロン数で
規格化した値−E/Nとして第17図(a)(b)(c
)にそれぞれ示す。ただし、ニューロン数は400個と
し、初期分布としてSA法は25種類、AMFA法と混
合法は50種類の正規乱数を用いた。最もエネルギーレ
ベルが低かったのは混合法であり、AMFA法はそれよ
りも少し上がり、SA法は高い状態であった。なお、混
合法の最終的なエネルギー値の平均は−E/N=−0.
7302 (誤差=3.8%)であった。したがって、
混合法が最も低いエネルギーレベルに到達可能だと言え
る。 エネルギー値の標準偏差は、SA法は 0.0195.AMFA法は0.0064、混合法は0
.0041となっている。SA法は最もばらつきが大き
かった。AMFA法は、SA法のように確率性を使用し
ていないためエネルギー値のばらつきは小さかった。混
合法はSA法を使用してはいるものの、AMFA法でか
なり最適解の近くに接近しているため、ばらつく余地は
あまりないと思われる。つまり、AMFA法と混合法は
、初期分布の値にかかわらず、安定したエネルギー状態
が得られる。 SA法(T (t) =l/log (tll) )と
AMFA法(T (t) =2/log (tll)
)との反復初期段階での収束の違いを、縦軸をエネルギ
ーをニューロン数で規格化した値−E/N、横軸を反復
回数tとして第18図に示す。SA法による折線180
2と比較してAMFA法による折線1801は非常に収
束が速く、反復回数10回(計算時間: 0.2sec
) 1803程度で、SA法の反復10000回(計算
時間: 198sec)のエネルギーと同等のレベルに
達している。つまり、計算時間は約千倍の早さになって
おり、非常に高速である。 次に、収束したネットワークのニューロン状態の差異を
調べるために、以下の式で定義される規格化ハミング距
離を導入した。 規格化ハミング距離−H/Nをニューロン状態の分布状
況の目安として横軸にとり、縦軸の規格化エネルギー−
E、 / Nと対応とさせて第19図に示す。ただし、
各冷却スケジュール毎にそれぞれ最初に収束した分布を
基準として選び、規格化ハミング距離を計算した。第1
9図(a)はSA法(T (t) =1/log (t
+1) 、反復10000回)、(b)はAMFA法(
T(t)=2/log (t+1) 、反復5000回
)、そして(c)は混合法(AMFA:T (t)=1
/log (t + 1) 、反復5000回、SA:
1/を反復1000回)である。初期分布として、S
A法は25種類、AMFA法と混合法は50種類の正規
乱数を用いた。 第19図では、同程度のエネルギーに対して規格化ハミ
ング距離の異なる状態がいくつも存在し、スピングラス
系に存在するローカルミニマの複雑さを見ることができ
る。各冷却スケジュールでの規格化ハミング距離の標準
偏差を求めると、SA法は0.1169、AMFA法は
0.1584、混合法は0.1974であった。SA法
よりもAMFA法の方がばらつきの大きい理由は、SA
法では異なる初期分布を与えても最適解に向かって揺ら
ぎの効果で同じような状態に近付けていくのに対して、
AMFA法では初期分布により確定的に解の分布が決定
されるためであろう。そして混合法では、AMFA法に
よって大きくばらついた状態を初期値としてSA法を実
行するため、SA法を単独で実行した場合とは逆に、揺
らぎによってむしろ標準偏差が大きくなってしまう。し
たがって、連想記憶に適用する場合を考えると、多くの
ローカルミニマが同程度のエネルギーレベルに存在する
ので、あまり干渉を受けずに多くの情報を記憶できると
いう点で、SA法よりAMFA法、AMFAより混合法
が非常に有効である。 最後に、計算機の演算方法としてスカラー演算とベクト
ル演算とを用いたときの計算時間を、SA法(T (t
) =1/log (t+1) )とAMFA法(T
(t) =2/log (t+1) )の2手法に関し
てニューロン数を変化させて比較した。その結果を、縦
軸を計算時間、横軸をニューロン数Nとして第20図(
a)と(b)に示す。 ただし、反復回数は両手法共に5000回とする。 第20図(a)のスカラー演算による折線2001と第
20図(b)のスカラー演算による折線2003とを比
較して、両手法の演算時間はほぼ同じであることが分か
った。また、第20図(a)のベクトル演算による折線
2002と第20図(b)のベクトル演算による折線2
004とは、ともにスカラー演算よりも高速化されてい
る。特にAMFA法は、計算時間がSA法の約半分にな
っているので、よりベクトル化の有効性が高いと言える
。 したがって、AMFA法は、スカラー演算に対しては同
じ計算時間、またベクトル演算に対してはより高い加速
率で、SA法よりも低いエネルギー状態に到達するとい
う優位性が確認できた。 〈実施例2〉 相互結合型のニューラルネットワークを用いて数理計画
法の制約条件付き最適化問題を解くというこれまでに提
案された試みは、目的関数が2次形式で表現可能な2次
計画法であり、また変数が2値に限定された0−1問題
であることが多い。 そして線形な制約条件は、目的関数の中に加算する形式
で組み込んでいる。こうした解法にはいく ゛つかの欠
点が存在する。まず、この最適化の目標は目的関数の最
小化であるため、必ずしも制約条件が満足されるわけで
はない。また、解は離散値に制限されてしまう。 目的関数を2次形式で表現できる組合せ最適化問題の1
つとして、証券ポートフォリオ問題が挙げられる。ポー
トフォリオ問題とは、リスク最小で且つ収益最大となる
銘柄の組み合わせを選択する最適化問題である。この問
題に対して、1つ1つの銘柄を検証して行く方法では計
算量の爆発を生じる。そこで、ある銘柄を選ぶか選ばな
いかを相互結合している各ニューロンの発火と沈静とに
対応させ、そのネットワークを適切なエネルギー関数が
最小化するように動作させることにより、最適な銘柄組
み合わせの求解が可能となる6以下では、ニューロコン
ピユーテイングが応用可能な分野の1つとして証券ポー
トフォリオ問題を取り上げる。 具体的な定式化を引例7のマーコビッツに従って行なう
。まず株価Ps(t)が与えられていると仮定する。た
だし、銘柄i=1.・・・・・・、N、時刻t=1.・
・・・・・、Tである。このとき、変動率をrt(t)
=(p五(t+1)−pt(t))/pt(t)
(9)と定義する。この変動率ri (t)を用い
れば、その平均を用いて収益、また共分散を用いてリス
クが定義できる。 さらに、制約条件として選択する銘柄数をn銘柄に限定
する。 収益とリスク、そして選択する銘柄数を考慮すれば、目
的関数とするエネルギーは次式となる。 i=ま ただし、x*= (o、i) であり、A、B、Cは定
数である。式(13)において、Cn2は(xt)に依
存しないので、 とする0式(14)を、相互結合型ネットワークのエネ
ルギー関数 N 1=1 と対応付ければ、次式の関係が成立する。 公知の事実として、ネットワークの結合荷重の対角項す
なわち自己フィードバックが零(W目”O)のときには
、ニューロンの状態は中途半端な活性値を取らずに2値
に分かれやすくなり、また収束が早く且つ安定すること
が知られている。しかしながら、ポートフォリオ問題で
は、一般に結合荷重の対角項は零ではない。そこで、ニ
ューロンの取り得る状態が(0,1)のとき、X t
X t =X、(i=1.・・・、N)の性質を利用し
て、エネルギー関数式(15)を以下のように変形すれ
ば。 自己フィードバック項を零に変換できる。 i=1 j=1 ただし 50銘柄の株価データに対し、式(17)のエネルギー
関数に基づいてSA法(T (t)=1/log(t+
1))を反復500回で実行した結果を第3表に示す。 条件は、定数をA=1.C=5とし、選択銘柄数nを5
個とした。 第 3 表 一方、5銘柄の組合せをランダムに10000回選択し
たときの平均リスクは54.5 (標準偏差 17.0
)、平均収益は1.86(標準偏差0.67)であった
。したがって、第3表の結果はリスクが小さく収益の大
きな銘柄の組合せが選択されていることが分かる。 反復回数100000回で計算したときの漸近特性を第
21図に示す。縦軸としてエネルギーをニューロン数で
規格化した値−E/N、横軸としてl / t fi、
5を用いた。ポートフォリオ問題では、エネルギーの上
限値が漸近特性21o2を成していると見られる。この
漸近特性から最適解を推定すると、−E/N42.47
3であった。反復回数500回では、エネルギーは、−
E/N=2.472であり、はぼ最適解に達していると
いえる。 AMFA法において、ニューロンの内部状態が(−1,
1)型である場合を仮定する。(0,1)形式のニュー
ロンX、と(−1,1)形式の二ニーロン■、との関係
式 %式%(19) を、式(14)に代入すれば、 i=1 j=1 一Σ(Bat+2cn) Xt i=1 i=1 j=1 i=1 j=1 (B a ++2 c n)/ 2) Vt式(2o)
で、第3項目と第4項目は定数項なので省略可能である
。相互結合型ネットワークのエネルギー関数式(15)
と対応付けると、が成立する。 自己フィードバック項を零とするためには、X5Xr=
1 (i=1. ・=g N)という性質を利用してエ
ネルギー関数式(15)を以下のように変形すれば良い
。 i=ま ただし た。 50銘柄の株価データに対し、式(22)のエネルギー
関数に基づいてAMFA法(T(t)=10/l)を反
復100回で実行した結果を第4表に示す。計算条件は
SA法と同様に、A=1゜C=5.n=5とした。 第 4 表 冷却スケジュールとしてT (t ) = To/lo
g (t+1)を用いると、反復500回以内に状態が
安定せず収束しきれなかった。これはポートフォリオ問
題のネットワークが比較的に早く最小値付近に達すると
いう性質を持っているので、それに対してT (t )
=T e / log (t + 1 )の冷却速度
が遅すぎるということが1つの理由として考えられる。 そこで、代わりにT (t)=10/lを冷却スケジュ
ールとして採用したところ、反復100回以内でほぼ完
全に収束した。 5銘柄の組合せをランダムに10000回選択したとき
の平均リスク54.5 (標準偏差17.0)及び平均
収益1.86(標準偏差 0.67)と比較して、第4
表ではSA法を使用したときと同程度にリスクが小さく
収益の大きな銘柄の組合せが選択されている。また、S
A法と同じ番号の銘柄がいくつか選択されている。 銘柄数の制約を式(13)のようにエネルギー関数の中
で加算として組み込む方式では、必ずしもその制約条件
が満足されるとは限らない。数値シミュレーションを行
なったときに、パラメーター値の変化に依存して、制約
条件として指定した銘柄数よりも実際に選択された銘柄
数が多過ぎたりあるいは少な過ぎたりする解が、しばし
ば8現した。そこで、解を選択銘柄数の制約条件式(1
2)を必ず満足する許容解に限定するために、ニューロ
ンの出力信号を決定する出力関数をシグモイド変換の代
わりに次式で与えるようにした。 X1= n cos”θ、 j=1 j=ま ただし、θ1は変数とする。式(24)を出力関数とす
れば、制約条件式(12)は必ず満足される。以下では
、式(24)を出力関数とするニューラルネットワーク
の種別を制約組込型と呼ぶことにする。 これまでは、ニューロコンピユーテイングによる最適化
を0−1問題として解いて来た。しかしながら、証券ポ
ートフォリオ問題においては単にどの銘柄を選択するか
だけではなく、どの程度の配分比率にするかということ
を求める方がより実際的である。制約組込型SA法では
、ニューロンの状態変換式(24)の使用により、ニュ
ーロンの出力状態としてOと1との間の中間値が許可さ
れている。そこで、比率を求めるためにn=1に設定す
ることによって、配分比率としての求解が可能である。 50銘柄の株価データに対して、制約組込型SA法を用
いて冷却スケジュールT (t) =T0/lで反復5
00回としたときの配分比率の求解結果を、上位5銘柄
について第5表に示す。ただし、計算条件はSA法と同
様にA=1とし、結合荷重としきい値は式(16)でC
=0として設定した。また、結合荷重の対角項は零に設
定している。 第 5 表 SA法での結果である第3表と比較して、共通する銘柄
番号がいくつか選択されており、同等な解が得られてい
るといえる。 次に、・制約組込型SA法を用いてO−1問題の求解を
行なう。そのためlこは、ニューロンの出力状態が中途
半端な値を取らずに(0,1)に分かれるようにしなけ
ればならない。そこで、エネルギー関数式(17)にエ
ントロピー項を付加した。 N ただし、Dは定数である。 50銘柄の株価データに対し、式(25)のエネルギー
関数に基づいて制約組込型SA法を実行した結果を第6
表に示す。ただし、選択銘柄数を5銘柄、反復回数を5
00回とし、他の計算条件は配分比率での求解と同一に
設定した。ただし、式(25)に基づく計算では収束性
が悪かった。 そこで2反復計算の初期段階ではニューロンを一様に発
火させるために反復125回まではD=−5、そしてそ
れ以後はD=5と符号を反転する工夫を取り入れて、収
束性の改善を図った。 第 6 表 配分比率での求解結果であると第5表と比べると、共通
する銘柄が存在し、極端に異なった銘柄の組合せは選択
されていない。また、5銘柄の組合せをランダムに10
000回選択したときの平均リスク54.5 (標準偏
差 17.0)及び平均収益1.86(標準偏差 0.
67)と比較して、リスクが小さく収益の大きな銘柄の
組合せが選ばれたといえる。しかしながら、SA法とA
MFA法での求解結果である第3表及び第4表のリスク
及び収益と比べると、解の質が若干落ちていることがう
かがわれる。 検証する全銘柄数が50銘柄と比較的に小規模で収束が
早かったために、SA法とAMFA法との計算速度の差
異は顕在化しなかった。しかじながら、ネットワークを
大規模に拡張した場合には。 高速なAMFA法の有効性が発揮されると推測できる。 以上述べてきた結果から、選択銘柄数の制約が自動的に
満足される手法とAMFA法とを組合せれば、質の良い
解を高速に得る手法として最も適するであろうと推察で
きる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、最適化問題に対して従来のニューラル
ネットワーク手法よりも良質な解を高速に得ることがで
きる。また、得られる解を制約条件を満足する許容解に
限定することが可能になった。さらに、数理計画問題の
1例として取り上げた証券ポートフォリオ問題において
、配分比率での求解を可能とする。また本発明は、連想
記憶へ適用した場合に、干渉の少ない記憶が実現できる
。
第1図(A)は本発明のニューラルネットワークによる
最適化装置のシステム構成図、第1図(B)はコンピュ
ータ102でニューラルネットワークにより最適化計算
するフローチャート、第2図は相互結合型ニューラルネ
ットワークの構成図、第3図はニューロンの機能図、第
4図はアルゴリズムのPAD図、第5図はエネルギー分
布の概念図、第6図は出力関数の特性、第7図と第8図
はアルゴリズムのPAD図、第9図〜21図はシミュレ
ーションの結果を示す図である。
最適化装置のシステム構成図、第1図(B)はコンピュ
ータ102でニューラルネットワークにより最適化計算
するフローチャート、第2図は相互結合型ニューラルネ
ットワークの構成図、第3図はニューロンの機能図、第
4図はアルゴリズムのPAD図、第5図はエネルギー分
布の概念図、第6図は出力関数の特性、第7図と第8図
はアルゴリズムのPAD図、第9図〜21図はシミュレ
ーションの結果を示す図である。
Claims (14)
- 1.2値論理に従い、多入力1出力であるニューロンが
ある結合荷重を持つシナプスを介して相互に結合してい
る構造のニューラルネットワークのエネルギーを最小化
する問題をそれに等価な確率分布の最大化の間題に置き
換える処理と、該確率分布に対するニューロンの出力状
態の平均を数値計算することなく解析的に求める処理と
、さらに確率分布のばらつきの大きさに関係したパラメ
ータである温度を限りなく零に近付けたときに確率分布
の最大化を達成する模擬徐冷平均場近似法を適用する処
理と、ニューロンに揺らぎを与えながら温度を徐冷して
行き確率分布の最大化を達成する模擬徐冷法を適用する
処理と、該2種類の適用する処理を逐次的に組合せて高
速に質の良い解を得る処理とからなることを特徴とする
ニューラルネットワークによる最適化方法。 - 2.発火すべき神経細胞の数の条件を必ず満足し、同時
に神経細胞の中間的な内部状態を許容するような各神経
細胞の出力信号を計算することを特徴とするニューラル
ネットワークによる最適化方法。 - 3.特許請求の範囲第1項記載のニューラルネットワー
クによる最適化方法において、上記模擬徐冷法を適用す
る処理は、反復計算回数の変化に応じてネットワーク全
体の状態の指標であるエネルギーが漸近的に変化するこ
とを利用して最適解を推定する処理からなるニューラル
ネットワークによる最適化方法。 - 4.特許請求の範囲第1項記載のニューラルネットワー
クによる最適化方法において、上記模擬徐冷法を適用す
る処理は、温度パラメータの変数である反復回数に対し
て乗算操作と加算操作のどちらか一方あるいは両方を行
なうことにより、低いエネルギーレベルへの到達を可能
とするニューラルネットワークによる最適化方法。 - 5.特許請求の範囲第3項記載のニューラルネットワー
クによる最適化方法において、上記最適解を推定する処
理は、反復計算回数のべき乗の逆数に応じた漸近特性を
利用する手段と、反復計算回数の対数の逆数に応じた漸
近特性を利用する手段とを用いるニューラルネットワー
クによる最適化方法。 - 6.特許請求の範囲第1項記載のニューラルネットワー
クによる最適化方法において、上記模擬徐冷平均場近似
法を適用する処理は、エネルギーが反復計算回数のべき
乗の逆数に応じて漸近的に変化することを利用して近似
的な最適解を推定する処理からなるニューラルネットワ
ークによる最適化方法。 - 7.特許請求の範囲第1項記載のニューラルネットワー
クによる最適化方法において、上記模擬徐冷平均場近似
法を適用する処理は、温度パラメータを定数に設定する
処理と、反復回数の増加に応じて温度パラメータを徐々
に冷却していく処理とを含むニューラルネットワークに
よる最適化方法。 - 8.特許請求の範囲第1項記載のニューラルネットワー
クによる最適化方法において、上記模擬徐冷平均場近似
法を適用する処理は、ニューロンの初期内部状態として
正規乱数を設定する方法と、一様乱数を設定する方法と
を含むニューラルネットワークによる最適化方法。 - 9.特許請求の範囲第1項記載のニューラルネットワー
クによる最適化方法において、上記2種類の適用する処
理を逐次的に組合せて高速に質の良い解を得る処理は、
2番目のニューラルネットワークを用いて最適解探索を
開始するときに、前のニューラルネットワークの最終温
度を初期温度とする処理と、新たに高い温度に設定を変
更する処理とを含むニューラルネットワークによる最適
化方法。 - 10.特許請求の範囲第1項記載のニューラルネットワ
ークによる最適化方法において、上記2種類の適用する
処理を逐次的に組合せて高速に質の良い解を得る処理は
、2種類の処理の切替えを判定する処理を含むものであ
り、その判定条件は、反復1回前とのエネルギー差が充
分に小さくなる条件と、反復1回前とのニューロンの状
態の変化が充分に小さくなる条件と、あらかじめ設定し
た最大反復回数に達する条件とを含むニューラルネット
ワークによる最適化方法。 - 11.特許請求の範囲第2項記載のニューラルネットワ
ークによる最適化方法は、エントロピー項を目的関数に
付加することにより、連続変数であるニューロンの内部
状態を2値の離散値に収束させる処理を含むニューラル
ネットワークによる最適化方法。 - 12.特許請求の範囲第2項記載のニューラルネットワ
ークによる最適化方法は、特許請求の範囲第1項記載の
ニューラルネットワークによる最適化方法において、上
記2種類の適用する処理を逐次的に組合せて高速に質の
良い解を得る処理は従い計算する処理と、特許請求の範
囲第1項記載のニューラルネットワークによる最適化方
法において、上記模擬徐冷法に従い計算する処理と、特
許請求の範囲第1項記載のニューラルネットワークによ
る最適化方法において、上記模擬徐冷平均場近似法に従
い計算する処理とを含むニューラルネットワークによる
最適化方法。 - 13.特許請求の範囲第1項記載のニューラルネットワ
ークによる最適化方法において、上記模擬徐冷平均場近
似法は、結合荷重の対角項を零に置換することによって
収束性を安定させるための、ニューロンの結合荷重及び
しきい値の変換処理を含むニューラルネットワークによ
る最適化方法。 - 14.特許請求の範囲第11項記載の連続変数であるニ
ューロンの内部状態を2値の離散値に収束させる処理は
反復計算の初期段階では目的関数内でエントロピー項の
符号を反対に設定して全てのニューロンを一様に少し発
火させ、その後の反復計算ではエントロピー項の符号を
反転させることにより、初期分布に依存せずに完全な発
火状態と沈静状態のどちらかに早く収束させる処理を含
むニューラルネットワークによる最適化方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2284236A JPH04160463A (ja) | 1990-10-24 | 1990-10-24 | ニューラルネットワークによる最適化方法 |
| US07/782,097 US5303328A (en) | 1990-10-24 | 1991-10-24 | Neural network system for determining optimal solution |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2284236A JPH04160463A (ja) | 1990-10-24 | 1990-10-24 | ニューラルネットワークによる最適化方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04160463A true JPH04160463A (ja) | 1992-06-03 |
Family
ID=17675935
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2284236A Pending JPH04160463A (ja) | 1990-10-24 | 1990-10-24 | ニューラルネットワークによる最適化方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5303328A (ja) |
| JP (1) | JPH04160463A (ja) |
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