JPH0418018B2 - - Google Patents
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- JPH0418018B2 JPH0418018B2 JP62225589A JP22558987A JPH0418018B2 JP H0418018 B2 JPH0418018 B2 JP H0418018B2 JP 62225589 A JP62225589 A JP 62225589A JP 22558987 A JP22558987 A JP 22558987A JP H0418018 B2 JPH0418018 B2 JP H0418018B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- cans
- resistance
- aluminum alloy
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- Prior art date
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は主として飲料缶、食缶などの缶胴材に
用いられるキヤン用アルミニウム合金板に関す
る。 (従来の技術) 飲料缶、食缶などの缶胴材には、深絞り性等の
優れた3004,3104並びにそれらに類似した化学成
分を有するアルミニウム合金が多用されている。 従来より、このアルミニウム合金を用いた缶胴
材は、第1図に示す製造工程フローにしたがつて
製造されている。すなわち、所望の化学成分とな
るように調整した原材料を溶解、鋳造し、鋳塊又
は鋳片を丸鋸等で面削した後、均熱処理を施し、
熱間圧延、次いで中間焼鈍を伴う冷間圧延を加
え、スリツターで所定幅にして梱包される。な
お、中間焼鈍にはバツチ炉を用いる場合と連続炉
を用いる場合の2種類がある。また中間焼鈍前の
冷間圧延は場合により省略することがあり、した
がつて、熱間圧延材に焼鈍を施して冷間圧延する
こともある。 このような工程フローで製造された缶胴用材料
は、次いで、第2図に示すように、カツプ成形、
しごき加工などの缶成形加工をし、トリミング
後、脱脂、清浄、化成処理などを経て印刷が施さ
れる。そして、加熱乾燥機、内面塗装され、これ
を加熱乾燥した後、ネツカーフランジヤー又はネ
ツキング、フランジ加工に付し、ピンホール検査
後、製品とされる。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、上述の成形加工した缶胴は、脱脂、
洗浄、内面塗装、乾燥した後、缶表面に第3図に
示す如く黒スジ模様(以下、黒スジと称す)が浮
かび上がつてくることがあり、商品価値を損うと
いう問題があつた。この黒スジは、缶成形加工の
うちカツプ形成加工或いはしごき加工時に工具と
素材との間の潤滑状況が悪くなつて焼き付けが発
生することに起因するものであるが、従来より
種々の対策が試みられているが、効果的な方策は
見い出されていない。 本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、缶成
形加工後に黒スジが発生するのを効果的に抑制し
得る耐黒スジ性の優れたキヤン用アルミニウム合
金板を提供することを目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者は、黒スジ
が缶成形加工時の潤滑状況の悪化に伴う焼き付き
発生に起因することから、その発生機構の解明に
努めたところ、焼き付きが発生すると加工応力が
増加し、そのため変形抵抗の異なるマトリツクス
と金属間化合物との間に空〓が形成され、この空
〓が缶の洗浄並びに印刷後も残存し、黒スジの欠
陥として認められることが判明した。 そこで、本発明者は、缶成形加工時に空〓を形
成しにくい材質の素材を製造し、併わせて変形抵
抗の低減を図るならば、耐黒スジ性が向上できる
との知見のもとに種々実験研究を重ねた結果、キ
ヤン用アルミニウム合金板を特定の化学成分のも
のにし、且つ金属間化合物のサイズ及び分析状態
並びに表面状況を規制することにより、缶成形加
工時の潤滑条件が従来のようにかなり劣悪な場合
であつても黒スジの発生を抑制できることを見い
出したものである。 すなわち、本発明は、Mn:0.8〜1.5%、Mg:
0.8〜1.5%、Zn:0.05〜1.00%、Cu:0.05〜0.50
%、Fe:0.30〜0.80%及びSi:0.10〜0.60%を含
み、必要に応じて更にTi:0.05%以下を含み、残
部がAl及び不純物からなるアルミニウム合金板
であつて、該合金中の金属間化合物は最大サイズ
が20μm以下であり、15〜20μmのものが20個/
mm2以下で分布し、且つその面積率が1.5〜4.0%で
あり、しかも、水との接触角が60°以下で表面粗
度Raが0.10〜0.40μmの該合金板表面に50〜500
mg/m2の油性皮膜を塗油してなることを特徴とす
る耐黒スジ性に優れたキヤン用アルミニウム合金
板を要旨とするものである。 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。 本発明は、前述の如く缶成形加工時における変
形抵抗の低減化並びにマトリツクスと金属間化合
物との間の空〓の低減化を図ることにより、耐黒
スジ性を向上せしめたものである。 まず、後者の空〓低減化のための手段として
は、アルミニウム合金板の化合成分を規制すると
共に、金属間化合物の最大サイズ、面積率及び分
布について規制することにより、金属間化合物の
微細化並びに均一分布化せしめ、マトリツクスと
金属間化合物との変形抵抗に差のない素材とし、
黒スジの発生を減少させるものである。 化学成分の規制に関しては、従来よりアルミニ
ウム缶胴材として使用されている3004及び3104を
ベースとするが、更に次の理由により化学成分を
規制するものである。 Mn: Mnは強度向上のために必要な元素であると共
に、Feとの組合せで生じる金属間化合物FeMn
(Al6)の適正配分により、しごき加工性を向上
できる元素である。しかし、Mnが0.8%未満では
その効果が少なく、また1.5%を超えると強大な
金属間化合物が形成されて加工性阻害が生じるの
で、好ましくない。したがつて、Mn量は0.8〜
1.5%の範囲とする。 Mg: Mgは強度向上に必要な元素であるが、0.8%未
満ではその効果が少なく、1.5%を超えると熱間
圧延時に割れ易くなるので、Mg量は0.8〜1.5%
の範囲とする。 Zn: Znは晶出物を適正に分散させ、成形性を向上
させるのに効果がある元素である。しかし、0.05
%未満ではその効果がなく、また1.00%を超える
と耐食性に問題が生じる。したがつて、Zn量は
0.05〜1.00%の範囲とする。 Cu: Cuは強度向上に必要な元素であるが、0.05%未
満ではその効果が少なく、また0.05%を超えると
耐食性に問題が生じるので、Cu量は0.05〜0.50%
の範囲とする。 Fe: FeはMnとの組合せで生じる金属間化合物
FeMn(Al)の適正配分により、しごき加工性向
上に寄与する元素である。しかし、Feが0.30%未
満ではその効果が少なく、また0.80%を超えると
強大な金属間化合物の形成により加工性阻害が生
じる。したがつて、Fe量は0.30〜0.80%の範囲と
する。 Si: Siは金属間化合物FeMn(Al6)に相変態を起こ
させ、Al−Fe−Siの金属間化合物となり、硬度
を上げ、更にしごき加工性を向上させる作用があ
る。しかし、Siが0.10%未満ではその効果がな
く、また0.60%を超えると造塊時や熱間圧延時の
割れ発生の原因となる。したがつて、Si量は0.10
〜0.60%の範囲とする。 なお、Tiは、鋳塊の結晶粒を微細化するため
に、必要に応じて微量添加してもよい。あまり多
く添加すると、金属間化合物のサイズ、個数が増
加することもあるので、0.05%以下、好ましくは
0.03%以下とする。 一般に缶胴材としては、成形加工時、就中しご
き加工時において、あるサイズ及び分布を有する
金属間化合物の存在が不可欠である。しかし、あ
る一定サイズ以上の金属間化合物が多数存在し、
且つ変形抵抗が大きい場合には、その境界におい
て変形加工時に空〓が生成され易くなり、黒スジ
発生の要因となる。そのため、ある一定以上のサ
イズを有する金属間化合物については単位面積当
たりでの存在量を規制する必要であり、本発明に
おいては、金属間化合物の許容最大サイズを20μ
m以下とし、15〜20μmサイズの金属間化合物が
20個/mm2以下で分布し、その面積率が1.5〜4.0%
となるように素材を製造するものである。これら
の条件外では金属間化合物の微細化及び均一分布
化が達成されない。 なお、金属間化合物の分布、サイズの化学成
分、液相線−固相線間の冷却条件などの鋳造条件
及び均質化処理条件によつて決定されるので、こ
れらを単独に或いは組み合わせることによつて上
記要件を満足する素材を製造することが可能であ
る。 次に、前者の変形抵抗を低減するための手段と
しては、潤滑性の向上策と素材変形抵抗の低減策
とに大別される。 潤滑性の向上によつて変形抵抗を低減するに
は、潤滑油を塗油する前の素材と水との接触角を
60°以下に規制すると共に鉱物油若しくは合成油
の塗油による油性皮膜量を50〜500mg/m2にする
必要がある。一般にカツプ成形加工、しごき成形
加工等の缶成形加工時には、鉱物油又は合成油を
エマルジヨン化した潤滑油を使用して素材成形能
を高めているが、塗油前の素材と水との接触角を
60°以下にするのは、そのエマルジヨン化した潤
滑油が素材に付着し易くなるようにするために必
要な条件である。接触角の調整は、水溶性圧延油
を使用すること及びアルミニウム合金板表面を脱
脂することなどにより行うことができる。一方、
鉱物油又は合成油とは、エステル等を主成分と
し、それに若干の潤滑性向上のために添加剤を加
えたものであり、基本的には缶成形に使用するエ
マルジヨンタイプの潤滑油の原液と類似するもの
であるが、かゝる油を予め素材に適量塗油するこ
とにより、たとえ成形用の潤滑油濃度が低くと
も、素材の潤滑性が改善され、加工変形抵抗を低
下させることができる。そのためには鉱物油又は
合成油の皮膜量が50〜500mg/m2範囲となるよう
に塗油する。50mg/m2未満では上記の効果が得ら
れず、500mg/m2を超える量を塗油しても効果が
飽和し、却つて不経済となる。50〜30mg/m2が望
ましい。 また素材変形抵抗を低減するには、素材の表面
粗度Raを0.10〜0.40μmの範囲に規制する必要が
あり、この範囲外ではシワ押え圧力が過大又は過
少となり、缶成形加工に支障を来たすことにな
る。 なお、上記要件を備えた本発明のキヤン用アル
ミニウム合金板は、従来と同様にして缶成形以降
の加工、処理を施すことができることは云うまで
もない。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す化学成分(wt%)を有するアル
ミニウム合金を缶胴材料として、第1図に示した
通常の製造フローにより素材を製造すると共に、
同表に示す如く金属間化合物の最大サイズ及び面
積率、素材のと水と接触角及び表面粗度、並びに
鉱物油皮膜量を調整した。なお、15〜20μmの金
属間化合物の分布は、供試材Dが30個/mm2であ
り、他の供試材はいずれも20個/mm2以下であつ
た。 次いで、これらの缶胴材料を以下の条件でカツ
プ成形加工及びしごき加工し、脱脂した後、耐黒
スジ性を調べた。耐黒スジ性の評価は、脱脂まま
の缶20個について黒スジの発生割合及び程度を調
べ、軽度のものが5%以下で発生した場合(◎
印)、軽度及び中度のものが10%以下で発生した
場合(○印)、軽度及び中度のものが25%以下又
は重度のものが5%以下で発生した場合(□印)、
軽度及び中度のものが50%以下又は重度のものが
15%以下で発生した場合(△印)、軽度及び中度
のものが50%以上又は重度のものが15%以上で発
生した場合(×印)の5ランクに分類して評価
し、◎印のものが最も耐黒スジ性に優れ、次いで
○印のものが耐黒スジ性に優れており、□印、△
印、×印の順で耐黒スジ性が悪化しているものと
判断した。 カツプ成形加工条件 潤滑油:Quaker 800CS 10% ブランク径:128mmφ 素材板厚:0.33mm 絞り比(ブランク径/パンチ径):1.75 シワ押え圧力:4Kg/cm2 しごき加工条件 潤滑油:Quaker 800DI 8% しごき加工率{(素材厚−壁厚/素材厚)×100}:6
1% 脱脂条件 使用液:リドリン419 1.5% 浴温条件:80℃×3min
用いられるキヤン用アルミニウム合金板に関す
る。 (従来の技術) 飲料缶、食缶などの缶胴材には、深絞り性等の
優れた3004,3104並びにそれらに類似した化学成
分を有するアルミニウム合金が多用されている。 従来より、このアルミニウム合金を用いた缶胴
材は、第1図に示す製造工程フローにしたがつて
製造されている。すなわち、所望の化学成分とな
るように調整した原材料を溶解、鋳造し、鋳塊又
は鋳片を丸鋸等で面削した後、均熱処理を施し、
熱間圧延、次いで中間焼鈍を伴う冷間圧延を加
え、スリツターで所定幅にして梱包される。な
お、中間焼鈍にはバツチ炉を用いる場合と連続炉
を用いる場合の2種類がある。また中間焼鈍前の
冷間圧延は場合により省略することがあり、した
がつて、熱間圧延材に焼鈍を施して冷間圧延する
こともある。 このような工程フローで製造された缶胴用材料
は、次いで、第2図に示すように、カツプ成形、
しごき加工などの缶成形加工をし、トリミング
後、脱脂、清浄、化成処理などを経て印刷が施さ
れる。そして、加熱乾燥機、内面塗装され、これ
を加熱乾燥した後、ネツカーフランジヤー又はネ
ツキング、フランジ加工に付し、ピンホール検査
後、製品とされる。 (発明が解決しようとする問題点) ところで、上述の成形加工した缶胴は、脱脂、
洗浄、内面塗装、乾燥した後、缶表面に第3図に
示す如く黒スジ模様(以下、黒スジと称す)が浮
かび上がつてくることがあり、商品価値を損うと
いう問題があつた。この黒スジは、缶成形加工の
うちカツプ形成加工或いはしごき加工時に工具と
素材との間の潤滑状況が悪くなつて焼き付けが発
生することに起因するものであるが、従来より
種々の対策が試みられているが、効果的な方策は
見い出されていない。 本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、缶成
形加工後に黒スジが発生するのを効果的に抑制し
得る耐黒スジ性の優れたキヤン用アルミニウム合
金板を提供することを目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者は、黒スジ
が缶成形加工時の潤滑状況の悪化に伴う焼き付き
発生に起因することから、その発生機構の解明に
努めたところ、焼き付きが発生すると加工応力が
増加し、そのため変形抵抗の異なるマトリツクス
と金属間化合物との間に空〓が形成され、この空
〓が缶の洗浄並びに印刷後も残存し、黒スジの欠
陥として認められることが判明した。 そこで、本発明者は、缶成形加工時に空〓を形
成しにくい材質の素材を製造し、併わせて変形抵
抗の低減を図るならば、耐黒スジ性が向上できる
との知見のもとに種々実験研究を重ねた結果、キ
ヤン用アルミニウム合金板を特定の化学成分のも
のにし、且つ金属間化合物のサイズ及び分析状態
並びに表面状況を規制することにより、缶成形加
工時の潤滑条件が従来のようにかなり劣悪な場合
であつても黒スジの発生を抑制できることを見い
出したものである。 すなわち、本発明は、Mn:0.8〜1.5%、Mg:
0.8〜1.5%、Zn:0.05〜1.00%、Cu:0.05〜0.50
%、Fe:0.30〜0.80%及びSi:0.10〜0.60%を含
み、必要に応じて更にTi:0.05%以下を含み、残
部がAl及び不純物からなるアルミニウム合金板
であつて、該合金中の金属間化合物は最大サイズ
が20μm以下であり、15〜20μmのものが20個/
mm2以下で分布し、且つその面積率が1.5〜4.0%で
あり、しかも、水との接触角が60°以下で表面粗
度Raが0.10〜0.40μmの該合金板表面に50〜500
mg/m2の油性皮膜を塗油してなることを特徴とす
る耐黒スジ性に優れたキヤン用アルミニウム合金
板を要旨とするものである。 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。 本発明は、前述の如く缶成形加工時における変
形抵抗の低減化並びにマトリツクスと金属間化合
物との間の空〓の低減化を図ることにより、耐黒
スジ性を向上せしめたものである。 まず、後者の空〓低減化のための手段として
は、アルミニウム合金板の化合成分を規制すると
共に、金属間化合物の最大サイズ、面積率及び分
布について規制することにより、金属間化合物の
微細化並びに均一分布化せしめ、マトリツクスと
金属間化合物との変形抵抗に差のない素材とし、
黒スジの発生を減少させるものである。 化学成分の規制に関しては、従来よりアルミニ
ウム缶胴材として使用されている3004及び3104を
ベースとするが、更に次の理由により化学成分を
規制するものである。 Mn: Mnは強度向上のために必要な元素であると共
に、Feとの組合せで生じる金属間化合物FeMn
(Al6)の適正配分により、しごき加工性を向上
できる元素である。しかし、Mnが0.8%未満では
その効果が少なく、また1.5%を超えると強大な
金属間化合物が形成されて加工性阻害が生じるの
で、好ましくない。したがつて、Mn量は0.8〜
1.5%の範囲とする。 Mg: Mgは強度向上に必要な元素であるが、0.8%未
満ではその効果が少なく、1.5%を超えると熱間
圧延時に割れ易くなるので、Mg量は0.8〜1.5%
の範囲とする。 Zn: Znは晶出物を適正に分散させ、成形性を向上
させるのに効果がある元素である。しかし、0.05
%未満ではその効果がなく、また1.00%を超える
と耐食性に問題が生じる。したがつて、Zn量は
0.05〜1.00%の範囲とする。 Cu: Cuは強度向上に必要な元素であるが、0.05%未
満ではその効果が少なく、また0.05%を超えると
耐食性に問題が生じるので、Cu量は0.05〜0.50%
の範囲とする。 Fe: FeはMnとの組合せで生じる金属間化合物
FeMn(Al)の適正配分により、しごき加工性向
上に寄与する元素である。しかし、Feが0.30%未
満ではその効果が少なく、また0.80%を超えると
強大な金属間化合物の形成により加工性阻害が生
じる。したがつて、Fe量は0.30〜0.80%の範囲と
する。 Si: Siは金属間化合物FeMn(Al6)に相変態を起こ
させ、Al−Fe−Siの金属間化合物となり、硬度
を上げ、更にしごき加工性を向上させる作用があ
る。しかし、Siが0.10%未満ではその効果がな
く、また0.60%を超えると造塊時や熱間圧延時の
割れ発生の原因となる。したがつて、Si量は0.10
〜0.60%の範囲とする。 なお、Tiは、鋳塊の結晶粒を微細化するため
に、必要に応じて微量添加してもよい。あまり多
く添加すると、金属間化合物のサイズ、個数が増
加することもあるので、0.05%以下、好ましくは
0.03%以下とする。 一般に缶胴材としては、成形加工時、就中しご
き加工時において、あるサイズ及び分布を有する
金属間化合物の存在が不可欠である。しかし、あ
る一定サイズ以上の金属間化合物が多数存在し、
且つ変形抵抗が大きい場合には、その境界におい
て変形加工時に空〓が生成され易くなり、黒スジ
発生の要因となる。そのため、ある一定以上のサ
イズを有する金属間化合物については単位面積当
たりでの存在量を規制する必要であり、本発明に
おいては、金属間化合物の許容最大サイズを20μ
m以下とし、15〜20μmサイズの金属間化合物が
20個/mm2以下で分布し、その面積率が1.5〜4.0%
となるように素材を製造するものである。これら
の条件外では金属間化合物の微細化及び均一分布
化が達成されない。 なお、金属間化合物の分布、サイズの化学成
分、液相線−固相線間の冷却条件などの鋳造条件
及び均質化処理条件によつて決定されるので、こ
れらを単独に或いは組み合わせることによつて上
記要件を満足する素材を製造することが可能であ
る。 次に、前者の変形抵抗を低減するための手段と
しては、潤滑性の向上策と素材変形抵抗の低減策
とに大別される。 潤滑性の向上によつて変形抵抗を低減するに
は、潤滑油を塗油する前の素材と水との接触角を
60°以下に規制すると共に鉱物油若しくは合成油
の塗油による油性皮膜量を50〜500mg/m2にする
必要がある。一般にカツプ成形加工、しごき成形
加工等の缶成形加工時には、鉱物油又は合成油を
エマルジヨン化した潤滑油を使用して素材成形能
を高めているが、塗油前の素材と水との接触角を
60°以下にするのは、そのエマルジヨン化した潤
滑油が素材に付着し易くなるようにするために必
要な条件である。接触角の調整は、水溶性圧延油
を使用すること及びアルミニウム合金板表面を脱
脂することなどにより行うことができる。一方、
鉱物油又は合成油とは、エステル等を主成分と
し、それに若干の潤滑性向上のために添加剤を加
えたものであり、基本的には缶成形に使用するエ
マルジヨンタイプの潤滑油の原液と類似するもの
であるが、かゝる油を予め素材に適量塗油するこ
とにより、たとえ成形用の潤滑油濃度が低くと
も、素材の潤滑性が改善され、加工変形抵抗を低
下させることができる。そのためには鉱物油又は
合成油の皮膜量が50〜500mg/m2範囲となるよう
に塗油する。50mg/m2未満では上記の効果が得ら
れず、500mg/m2を超える量を塗油しても効果が
飽和し、却つて不経済となる。50〜30mg/m2が望
ましい。 また素材変形抵抗を低減するには、素材の表面
粗度Raを0.10〜0.40μmの範囲に規制する必要が
あり、この範囲外ではシワ押え圧力が過大又は過
少となり、缶成形加工に支障を来たすことにな
る。 なお、上記要件を備えた本発明のキヤン用アル
ミニウム合金板は、従来と同様にして缶成形以降
の加工、処理を施すことができることは云うまで
もない。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す化学成分(wt%)を有するアル
ミニウム合金を缶胴材料として、第1図に示した
通常の製造フローにより素材を製造すると共に、
同表に示す如く金属間化合物の最大サイズ及び面
積率、素材のと水と接触角及び表面粗度、並びに
鉱物油皮膜量を調整した。なお、15〜20μmの金
属間化合物の分布は、供試材Dが30個/mm2であ
り、他の供試材はいずれも20個/mm2以下であつ
た。 次いで、これらの缶胴材料を以下の条件でカツ
プ成形加工及びしごき加工し、脱脂した後、耐黒
スジ性を調べた。耐黒スジ性の評価は、脱脂まま
の缶20個について黒スジの発生割合及び程度を調
べ、軽度のものが5%以下で発生した場合(◎
印)、軽度及び中度のものが10%以下で発生した
場合(○印)、軽度及び中度のものが25%以下又
は重度のものが5%以下で発生した場合(□印)、
軽度及び中度のものが50%以下又は重度のものが
15%以下で発生した場合(△印)、軽度及び中度
のものが50%以上又は重度のものが15%以上で発
生した場合(×印)の5ランクに分類して評価
し、◎印のものが最も耐黒スジ性に優れ、次いで
○印のものが耐黒スジ性に優れており、□印、△
印、×印の順で耐黒スジ性が悪化しているものと
判断した。 カツプ成形加工条件 潤滑油:Quaker 800CS 10% ブランク径:128mmφ 素材板厚:0.33mm 絞り比(ブランク径/パンチ径):1.75 シワ押え圧力:4Kg/cm2 しごき加工条件 潤滑油:Quaker 800DI 8% しごき加工率{(素材厚−壁厚/素材厚)×100}:6
1% 脱脂条件 使用液:リドリン419 1.5% 浴温条件:80℃×3min
【表】
【表】
(注) 本発明との関連で、○印は本発明
範囲内
×印は本発明範
囲外
耐黒スジ性の評価結果は、本発明範囲との関連
で第2表に示すように、本発明例である供試材
C,E,H及びJはいずれも黒スジ発生が軽微で
あつて耐黒スジ性が優れているのに対し、他の供
試材は黒スジが量及び程度共に大きく発生し、特
に化学成分の要件と金属間化合物間の空〓に関す
る要件を満たしていないと(供試材D)、耐黒ス
ジ性は劣悪となり、しかしこの2つの要件を満た
しても他のいずれかの要件を満たしていないと、
やはり耐黒スジ性が劣つている。 なお、以上の実験データを分析した結果を第4
図〜第7図に示す、第4図は金属間化合物のサイ
ズ毎の分布について供試材A,D,Jを調べた結
果を示したもので、これらの点に限り本発明範囲
内にある供試材A,Jはいずれも良好な分布状態
であるのに対し、供試材Dは大きなサイズの金属
間化合物が広面積で分布していることがわかる。
第5図は各供試材について素材と水との接触角と
カツプ成形潤滑油付着量の関係をまとめたもの
で、接触角が60°を超えるとカツプ成形潤滑油の
付着量が著減するが、60°以下の要件を満たす40°
乃至それ以下の接触角の供試材はいずれも良好な
付着性を示している。また第6図は表面粗度とシ
ワ押え圧力(破断)の関係を示したもので、表面
粗度Raが0.10〜0.40μmの範囲内であるとシワ押
え圧力を充分確保できることがわかる。第7図は
同様に塗油量、接触角及び表面粗度とシワ押え圧
力との関係を示したもので、塗油しないとシワ押
え圧力が小さいが、塗油しても接触角及び表面粗
度が本発明範囲外であるとシワ押え圧力は一応得
られる。これらのすべてが本発明範囲内であれば
シワ押え圧力が充分確保されることがわかる。い
ずれにしてもシワ押え圧力(破断)が大きい値を
確保できることにより、缶成形性が良く、耐黒ス
ジ性の向上に寄与できる。 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、キヤン
用アルミニウム合金板につき化学成分、金属間化
合物のサイズ及び分布状況、素材表面状況並びに
塗油量を規定したので、カツプ成形時の潤滑条件
が劣悪な場合においても黒スジ発生を効果的に抑
制でき、耐黒スジ性を著しく向上することができ
る。
範囲内
×印は本発明範
囲外
耐黒スジ性の評価結果は、本発明範囲との関連
で第2表に示すように、本発明例である供試材
C,E,H及びJはいずれも黒スジ発生が軽微で
あつて耐黒スジ性が優れているのに対し、他の供
試材は黒スジが量及び程度共に大きく発生し、特
に化学成分の要件と金属間化合物間の空〓に関す
る要件を満たしていないと(供試材D)、耐黒ス
ジ性は劣悪となり、しかしこの2つの要件を満た
しても他のいずれかの要件を満たしていないと、
やはり耐黒スジ性が劣つている。 なお、以上の実験データを分析した結果を第4
図〜第7図に示す、第4図は金属間化合物のサイ
ズ毎の分布について供試材A,D,Jを調べた結
果を示したもので、これらの点に限り本発明範囲
内にある供試材A,Jはいずれも良好な分布状態
であるのに対し、供試材Dは大きなサイズの金属
間化合物が広面積で分布していることがわかる。
第5図は各供試材について素材と水との接触角と
カツプ成形潤滑油付着量の関係をまとめたもの
で、接触角が60°を超えるとカツプ成形潤滑油の
付着量が著減するが、60°以下の要件を満たす40°
乃至それ以下の接触角の供試材はいずれも良好な
付着性を示している。また第6図は表面粗度とシ
ワ押え圧力(破断)の関係を示したもので、表面
粗度Raが0.10〜0.40μmの範囲内であるとシワ押
え圧力を充分確保できることがわかる。第7図は
同様に塗油量、接触角及び表面粗度とシワ押え圧
力との関係を示したもので、塗油しないとシワ押
え圧力が小さいが、塗油しても接触角及び表面粗
度が本発明範囲外であるとシワ押え圧力は一応得
られる。これらのすべてが本発明範囲内であれば
シワ押え圧力が充分確保されることがわかる。い
ずれにしてもシワ押え圧力(破断)が大きい値を
確保できることにより、缶成形性が良く、耐黒ス
ジ性の向上に寄与できる。 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、キヤン
用アルミニウム合金板につき化学成分、金属間化
合物のサイズ及び分布状況、素材表面状況並びに
塗油量を規定したので、カツプ成形時の潤滑条件
が劣悪な場合においても黒スジ発生を効果的に抑
制でき、耐黒スジ性を著しく向上することができ
る。
第1図は缶胴材の製造工程フローを示す図、第
2図は缶胴材を成形加工等の加工、処理をする工
程フローを示す図、第3図a,b及びcは缶胴に
発生した黒スジの状態を示す図、第4図は金属間
化合物のサイズ毎の分布状況を示す図、第5図は
素材と水との接触角とカツプ成形潤滑油付着量の
関係を示す図、第6図は素材の表面粗度とシワ押
え圧力(破断)との関係を示す図、第7図は塗油
量、素材と水との接触角及び表面粗度とシワ押え
圧力(破断)との関係を示す図である。
2図は缶胴材を成形加工等の加工、処理をする工
程フローを示す図、第3図a,b及びcは缶胴に
発生した黒スジの状態を示す図、第4図は金属間
化合物のサイズ毎の分布状況を示す図、第5図は
素材と水との接触角とカツプ成形潤滑油付着量の
関係を示す図、第6図は素材の表面粗度とシワ押
え圧力(破断)との関係を示す図、第7図は塗油
量、素材と水との接触角及び表面粗度とシワ押え
圧力(破断)との関係を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で(以下、同じ)、Mn:0.8〜1.5%、
Mg:0.8〜1.5%、Zn:0.05〜1.00%、Cu:0.05〜
0.50%、Fe:0.30〜0.80%及びSi:0.10〜0.60%を
含み、残部がAl及び不純物からなるアルミニウ
ム合金板であつて、該合金中の金属間化合物は最
大サイズが20μm以下であり、15〜20μmのもの
が20個/mm2以下で分布し、且つその面積率が1.5
〜4.0%であり、しかも、水との接触角が60°以下
で表面粗度Raが0.10〜0.40μmの該合金板表面に
50〜500mg/m2の油性皮膜を塗油してなることを
特徴とする耐黒スジ性に優れたキヤン用アルミニ
ウム合金板。 2 Mn:0.8〜1.5%、Mg:0.8〜1.5%、Zn:
0.05〜1.00%、Cu:0.05〜0.50%、Fe:0.30〜0.80
%及びSi:0.10〜0.60%を含み、更にTi:0.05%
以下を含み、残部がAl及び不純物からなるアル
ミニウム合金板であつて、該合金中の金属間化合
物は最大サイズが20μm以下であり、15〜20μm
のものが20個/mm2以下で分布し、且つその面積率
が1.5〜4.0%であり、しかも、水との接触角が60°
以下で表面粗度Raが0.10〜0.40μmの該合金板表
面に50〜500mg/m2の油性皮膜を塗油してなるこ
とを特徴とする耐黒スジ性に優れたキヤン用アル
ミニウム合金板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22558987A JPS6468439A (en) | 1987-09-09 | 1987-09-09 | Aluminum alloy plate for can having excellent black stripe resistance |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22558987A JPS6468439A (en) | 1987-09-09 | 1987-09-09 | Aluminum alloy plate for can having excellent black stripe resistance |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6468439A JPS6468439A (en) | 1989-03-14 |
| JPH0418018B2 true JPH0418018B2 (ja) | 1992-03-26 |
Family
ID=16831683
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22558987A Granted JPS6468439A (en) | 1987-09-09 | 1987-09-09 | Aluminum alloy plate for can having excellent black stripe resistance |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6468439A (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2706310B2 (ja) * | 1989-04-25 | 1998-01-28 | 古河電気工業株式会社 | 自動車パネル用アルミニウム合金板とその製造方法 |
| JPH02310036A (ja) * | 1989-05-26 | 1990-12-25 | Kobe Steel Ltd | Al―Mg系合金連続塗装板とその処理方法 |
| US5192378A (en) * | 1990-11-13 | 1993-03-09 | Aluminum Company Of America | Aluminum alloy sheet for food and beverage containers |
| US7704451B2 (en) | 2005-04-20 | 2010-04-27 | Kobe Steel, Ltd. | Aluminum alloy sheet, method for producing the same, and aluminum alloy container |
| JP2007162056A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Mitsubishi Alum Co Ltd | ボトル型飲料缶用アルミニウム合金板 |
| JP5080126B2 (ja) * | 2007-05-02 | 2012-11-21 | 住友軽金属工業株式会社 | 缶ボディ用アルミニウム合金板 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5273170A (en) * | 1975-12-16 | 1977-06-18 | Sumitomo Light Metal Ind | Aluminium material sheet for di processing |
| JPS59157249A (ja) * | 1983-02-25 | 1984-09-06 | Kobe Steel Ltd | 成形加工用アルミニウム合金板条及びその製造方法 |
-
1987
- 1987-09-09 JP JP22558987A patent/JPS6468439A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6468439A (en) | 1989-03-14 |
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