JPH0422418B2 - - Google Patents
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- JPH0422418B2 JPH0422418B2 JP17804488A JP17804488A JPH0422418B2 JP H0422418 B2 JPH0422418 B2 JP H0422418B2 JP 17804488 A JP17804488 A JP 17804488A JP 17804488 A JP17804488 A JP 17804488A JP H0422418 B2 JPH0422418 B2 JP H0422418B2
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- polyoxymethylene
- film
- stretching
- trioxane
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
〈産業上の利用分野〉
本発明は、主鎖の主要部が実質的にオキシメチ
レン基−(CH2−O−)の繰返し単位から構成される
ポリオキシメチレン重合体の二軸延伸フイルムで
あつて、特にその表面平滑性に優れた二軸延伸ポ
リオキシメチレンフイルムに関する。 〈従来の技術〉 ポリオキシメチレンが極めて著しい結晶化傾向
を有することは公知である。ポリオキシメチレン
フイルムを得るには、例えば溶融加圧又は溶融押
出したのち急冷することにより形成されるが、こ
れらの方法で得られたフイルムは不透明あるいは
半透明である上に機械的特性も劣る。これは結晶
化したポリオキシメチレンが高度に発達した球晶
構造を形成するためと言われている。そのため
に、これを二軸延伸することによつてかかる特性
の向上を図る試みがなされている。 本発明者らは、先に出願した特開昭61−252135
同61−286115および同62−013318(それぞれ特願
昭60−92246、同60−127132および同60−151349
号)において、二軸延伸することによつて高度に
二軸配向結晶化されたポリオキシメチレンフイル
ムが高い引張弾性率と優れた寸法安定性を有する
こと、更にその工業的製造技術についても開示
し、この優れた特性を有するフイルムの二軸延伸
化を可能なものとした。 〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながらこの二軸延伸されたポリオキシメ
チレンフイルムは、強度、寸法安定性、透明性等
は格段に優れたものであつたが、その表面の平滑
性は通常の他のフイルム、例えばポリエステルフ
イルム等に比較して充分なレベルにあるとはいえ
なかつた。表面の平滑性はそれが用いられる用途
によつては極めて重要な因子となる。例えば磁気
テープの改良は近年急速なテンポで進んでおり、
特にベースフイルムの表面に対する要求は厳しい
ものになつている。磁気録画において高性能化を
達成するためには、電磁変換特性を高めなければ
ならないが、そのためにはベースフイルムの表面
をより平滑にする必要がある。かかる用途に対応
するためには、ベースフイルム表面の中心線平均
粗さを少なくとも0.1μ以下にすることが要求され
る。 本発明はかかる優れた特性を有する二軸延伸ポ
リオキシメチレンフイルムにおいて、その表面平
滑性にも優れたより実用的なフイルム及び同フイ
ルムを製造する方法を提供するものである。 〈課題を解決するための手段〉 ポリオキシメチレンの溶融物を冷却すると、そ
の著しい結晶化傾向のために、球晶の速やかな成
長が認められる。この時の球晶の成長速度、大き
さ及びその分布は、冷却温度、冷却速度、圧力、
分子量、添加剤の種類及び量等により異なつてく
る。 本発明者等はこのポリオキシメチレンに特徴的
な球晶成長性に着目し、球晶成長性の異なるポリ
オキシメチレンを調製し二軸延伸して得られたフ
イルムの表面状態を詳しく測定した。その結果、
球晶成長性が二軸延伸フイルムの表面平滑性に極
めて密接に関係しており、表面平滑性の違いが、
球晶成長性の差となつて現われることを発見し
た。さらにこの球晶成長性の差は二軸延伸された
フイルムを再溶融し、再結晶化させた時、より顕
著に且つ明確に発現することも見出した。すなわ
ち、表面平滑性の異なる2種の二軸延伸ポリオキ
シメチレンフイルムをその融点以上で再溶融し、
その後再結晶化させると表面平滑性に優れたフイ
ルムの球晶の方が表面平滑性に劣るフイルムの球
晶に比べて極めて小さな径から構成されているこ
とを見出し、本発明に到達した。 本発明は、主鎖の主要部が実質的にオキシメチ
レン基−(CH2−O−)の繰り返し単位から構成され
るポリオキシメチレン重合体からなる二軸延伸フ
イルムであつて、該フイルムを該フイルムの融点
以上で再溶融し、140℃にてフイルム状に等温再
結晶化した後直交偏光子による偏光顕微鏡で測定
された該表面の結晶組織中のポリオキシメチレン
の球晶の個数が、該表面0.1mm2当り50個以上であ
る二軸延伸ポリオキシメチレンフイルムに関す
る。 本発明でいう球晶とは、結晶性高分子の固体組
織で最も典型的かつ比較的容易に観察されるもの
である。球晶は球状の結晶高次組織であつて中心
にある結晶核から結晶が特定の配列をとつて成長
した結果生じたものであり、直交偏光子による偏
光顕微鏡で容易に観察することができる。多数の
球晶が成長すると球晶間に衝突が起こり、球晶の
外形は境界のはつきりした多面体となる。さらに
多数の核が発生する場合は、個々の球晶に境界が
不明瞭になり、光学的顕微鏡の分解能では明確な
観察が難しくなつてくる。しかしこの場合でも
個々の球晶には球晶の大きな特徴の一つである
「マルテイーズ、クロス」と呼ばれる暗部の十字
線が観察されるため、この十字線によつて個々の
球晶を同定することができる。 本発明においていうより表面滑性に優れるフイ
ルムについては上記の同定法ではその個数を正確
に測定することが難しくなつてくる。この場合
は、先ず該表面の小さな面積例えば0.01mm2当りの
上記十字線の個数を測定し、この十字線の個数を
球晶数とし、次いでこの値を10倍することによつ
て本発明の0.1mm2当りの球晶の個数とすることに
より比較的確度が高い値がえられる。第1図及び
第2図に上記の方法によつて球晶測定の際に用い
たサンプルの典型的な顕微鏡写真を例示した。第
1図が本発明に係る二軸延伸ポリオキシメチレン
フイルムの1例、第2図が通常の二軸延伸ポリオ
キシメチレンフイルムの場合である。 本発明のフイルムの再溶融・再結晶化させる場
合には、再結晶化後の形状が均一な厚みの平坦な
フイルム状になる様に再結晶化させる必要があ
る。本発明の二軸延伸フイルムは加熱溶融すると
配向の緩和による収縮が起るためにその形状が変
化し、平坦なフイルム状になり難い。そこで該フ
イルムをあらかじめ2枚のガラス板の間に挟み、
フイルムの収縮によつてその間隔が変化しない様
に2枚のガラス板を固定して再溶融・再結晶化を
行うとよい。又、この時使用するガラス板によつ
て再結晶化の条件が変化しない様にするには、ガ
ラス板は薄い方が好ましい。好ましくはその厚さ
1mm以下のものがよい。又再結晶化後のフイルム
の厚みは球晶状態の観察が容易に行える様に薄い
方が好ましく、具体的には5〜30μが好ましい。 この時の再溶融温度はフイルムの融点以上であ
れば良いが、好ましくは200℃、溶融時間は30秒
〜2分である。また再結晶化に際しては、球晶成
長条件を一定に保つために一定条件で行う必要が
ある。本発明では140℃で等温再結晶化を行なう。
この場合、再溶融後、この溶融物を結晶化が進行
しないうちに速やかに140℃の一定温度条件の下
に移し、この条件下で再結晶を行なう。 上記方法によつて測定された球晶の数が多い程
そのフイルムの表面平滑性はより優れたものにな
る。表面平滑性は一般にその表面粗度を測定する
ことによつて定量化される。表面粗度はその表現
の種々の方法があるが、本発明では中心線平均粗
さRa(μ)で表現する。このRaは、JISB−0601
(1976)にもとづき一定の長さ(l)の試験片を
切り取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦
倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)
で表わしたとき、次式で与えられる値をマイクロ
メートル(μm)単位で表わしたものを言う。 Ra=1/l∫l p|f(x)|dx 例えば磁気テープ用ベースフイルムでは、少な
くともRaが0.1μ以下、最近では更に小さい値が
要求されてきている。かかる要求に対し本発明の
フイルムは充分対応することが可能であり、製造
時のロールの面精度等にもよるがRaおいて、
0.001〜0.1μという優れた表面平滑性を有するフ
イルムとなり得る。 かかる用途のように、より優れた表面平滑性が
要求される場合には、本発明に係るフイルムのよ
り好ましい球晶の個数は0.1mm2当り100個以上であ
る。 本発明のフイルムにおいて、ポリオキシメチレ
ンの球晶成長性のコントロールが極めて重要であ
る。ポリオキシメチレンの球晶成長性は、前述の
如く色々な要因によつて異なつてくるが、これを
容易に、かつ顕著にコントロールする方法とし
て、一般によく知られた結晶核発生剤(以下、核
剤と略称する)を少量添加する方法がある。 例えばポリオキシメチレンに0.0001〜0.5重量
%のタルクを添加して分散させる方法(英国特許
第1133490号)、またポリオキシメチレン溶融物中
に全く、またはわずかしか溶解しない特定の有機
溶剤例えばヒドロキシル基含有イミダゾール、ま
たはピラジン誘導体を添加する方法(英国特許第
1193708号)がある。 また、ポリオキシメチレンの結晶構造を、ポリ
オキシメチレン溶融物の冷却時に、ポリオキシメ
チレンの結晶融点より高い温度で化学的に安定な
核剤によつて変性し得ることも公知である(米国
特許第3367926号)。 さらにポリオキシメチレンが別のポリオキシメ
チレンの核剤として作用することも知られている
(特公昭55−19942号公報)。この場合ホルムアル
デヒドまたはトリオキサンを重合して得られる通
常の線状ホモまたは共重合ポリオキシメチレンは
同一のまたは別の線状ポリオキシメチレンに対し
ては核剤作用を有しない。核剤作用を有するのは
分枝状または網状ポリオキシメチレン(以下、分
枝状ポリオキシメチレンと省略する)であり、こ
れら分枝状ポリオキシメチレンについては特公昭
44−6277号公報、同44−6278号公報、同45−
25114号公報、同45−26507号公報、同56−42623
号公報、及び特開昭59−93717号公報等にその技
術が詳しく開示されている。 以上の如くポリオキシメチレンの球晶成長性を
コントロールする方法はよく知られており、これ
によつてポリオキシメチレンがより小さな径の球
晶から構成されることもよく知られている。しか
しながら、かかる材料を二軸延伸してなるフイル
ムにおいて、この球晶成長性の差が表面平滑性の
差として顕著に発現してくることは全く知られて
居らず、本発明者らによつて始めて見い出された
ものである。即ち二軸延伸されたフイルムにおい
て始めてその優れた作用が明らかになつたのであ
る。 本発明に係るポリオキシメチレンフイルムは二
軸延伸フイルムであつて、かつ再溶融、再結晶化
後のポリオキシメチレンの球晶成長状態で特定さ
れるものである。従つて、かかるフイルムを製造
するに当つて、ポリオキシメチレンの球晶成長性
をコントロールする方法について上記の例示した
手法等に特に限定するものではないが、そのため
には、二軸延伸に際し、ポリオキシメチレン自体
の延伸性能を低下させたり、あるいは延伸後のフ
イルムの機械的、熱的性質を低下させる等の影響
を極力抑えることが重要である。例えば添加剤の
種類によつてはその分散性が悪いと凝集し、これ
が延伸性の低下を引き起こしたり、フイルム中に
異物として残りフイルム品位の低下につながるこ
ともある。 従つて核剤には無機系核剤と有機系核剤が知ら
れているが、本発明では有機系核剤が好ましく、
さらにポリオキシメチレン溶融物に親和性があ
り、比較的溶解し易いものが好ましい。 有機系核剤として例えば 2,3−ジヒドロキシ−キノキザリン、2,6
−ジヒドロキシ−m−ベンゾビスイミダゾール、
2,2′−ジヒドロキシ−6,6′ビスベンズイミダ
ゾール、2−ヒドロキシナフトイミダゾール、
2,3−ジヒドロキシ−ベンゾーキノキザリン等
のヒドロキシル基含有イミダゾール類、またはピ
ラジン誘導体等が知られている。従つてこれら核
剤を用いる場合はポリオキシメチレン溶融物への
親和性及び溶解性を考慮して、その添加量あるい
は混合方法等に注意を払う必要がある。 更に上記核剤以外に本発明において、特に有効
に作用する核剤は既に例示した分枝状ポリオキシ
メチレンである。 分枝状ポリオキシメチレンはその主要部は実質
的にオキシメチレン基−(CH2−O−)の繰返し単位
で構成されており、通常の他のポリオキシメチレ
ン、例えば線状ホモまたは共重合ポリオキシメチ
レンと任意の割合で、しかも均一に混合すること
が出来る。更に核剤としても極めて有効に作用す
る。従つてポリオキシメチレンに対して有効な他
の無機あるいは有機核剤に比べ、異物として作用
することあるいは凝集して分散性が悪くなること
も少ない。本発明において、その効果を発現せし
めるための分枝状ポリオキシメチレンの添加量は
線状ポリオキシメチレン100重量部に対して少な
くとも0.01重量部以上であり、少量でも極めて有
効に作用する。 一方、分枝状ポリオキシメチレンを添加混合す
ることによつて、本発明者らは更にもう1つの大
きな効果を見い出すに至つた。即ち通常の線状ポ
リオキシメチレンにこの分枝状ポリオキシメチレ
ンを混合して延伸を行うと延伸の安定性が大きく
向上することを見い出した。 即ち優れた機械的、熱的特性を有するフイルム
を得るためには、二軸延伸の延伸倍率をより高く
設定することが望まれる。しかしながら通常の線
状ポリオキシメチレンでは特に延伸倍率が高い領
域では、延伸時にフイルムが破断する度合が大き
く、その安定性に問題があつた。延伸の安定性を
向上させるためには、先ず延伸温度、延伸速度等
の延伸条件を適切な範囲内に正確且つ均一にコン
トロールすることが重要である。これによつてか
なりのレベルまで安定化を図ることが出来るよう
になつたが、より高い延伸倍率のフイルム、ある
いは実用上の収率等を考慮した場合、まだ充分と
言えるレベルにはなくより安定化を図るべき方策
が望まれていた。 分枝状ポリマーを添加混合するとその核剤作用
により5〜10μ、場合によつては更に小さい径か
らなる球晶が形成される。この様な小さな球晶か
らなるポリオキシメチレンは各球晶の径が小さい
ために球晶同士の結合点の数が増加する。即ち各
球晶間の結合力が増大するために延伸応力に対す
る抵抗力が増大する。また各球晶が小さいために
この延伸応力の局部集中が回避され応力の分散が
図られる。しかも前述の如く通常の他のポリオキ
シメチレンと任意の割合でしかも均一に混合する
ことが出来るために各球晶共その主要部が実質的
に−(CH2−O−)の繰返し単位から構成される均質
な結晶から構成される。分枝状ポリオキシメチレ
ンのこの様な作用効果が通常の線状ポリオキシメ
チレンのみの場合に比べ更にその延伸性能を大き
く向上せしめたものと推定される。この延伸安定
性向上効果についても、かかる材料を二軸延伸す
ることによつて始めて見い出されたものである。 更に、線状ポリオキシメチレンがホルムアルデ
ヒド又はトリオキサン、テトラオキサンのホモ重
合体からなる場合、これに分枝状ポリマーを添加
すると上記の如くその延伸性能は向上するが、こ
れに更に線状の共重合体、即ちトリオキサンとト
リオキサンと共重合しうる少なくとも1つの単官
能的に反応する化合物、例えばエチレンオキサイ
ド、とからなる共重合体を添加するとその延伸安
定性能は更に一層向上することも本発明者らは見
い出している。この時の線状ポリオキシメチレン
共重合体の添加量は線状ポリオキシメチレンホモ
重合体100重量部に対し、0.1重量部以上である。
これ以下ではその添加効果は小さい。又上限につ
いては、ホモ重合体と共重合体とは任意の割合で
混合することが出来るため特に限定はしないが、
ホモ重合体の有する優れた機械的・熱的性質を損
なわないためには50重量部以下、好ましくは30重
量部以下である。 本発明で使用される分枝状ポリオキシメチレン
について更に詳細に説明する。分枝状ポリオキシ
メチレンは前述の公知の方法によつて得ることが
出来る。 例えば特公昭55−19942号にはその製法につい
て以下の記述がある。 (1) トリオキサンと、トリオキサンと共重合しう
る少くとも1つの多官能的に反応する化合物及
び場合によりトリオキサンと共重合しうる少く
とも1つの単官能的に反応する化合物とを共重
合せしめることにより、或は (2) 側位又は連鎖位に官能性基を有する線状ポリ
オキシメチレンについて後から分枝化反応又は
網状化反応を行うことにより、或は (3) トリオキサンと、トリオキサンと共重合しう
る少なくとも1つの単官能的に反応する化合物
及び分枝を有する又は網状化したポリエーテル
とを共重せしめるか、あるいは線状のポリオキ
シメチレンを分枝を有する又は網状化したポリ
エーテルと反応せしめることにより 製造することが出来る。 本発明に使用される分枝状ポリオキシメチレン
は、優れた結晶核発生作用、即ち核剤作用を有す
ることが特徴である。この効果は、既に述べた様
に二軸延伸後のフイルムを再溶融・再結晶化した
時に前述の方法で測定される球晶の個数として現
われ、この個数が多い程、そのフイルムの表面平
滑性はより優れたものになる。即ち、本発明に使
用される分枝状ポリオキシメチレンとしてより好
ましいこととなる。 かかる分枝状ポリオキシメチレンとして、本発
明では、トリオキサンとトリオキサンと共重合し
うる少なくとも1つの多官能的に反応する化合
物、又はトリオキサンとトリオキサンと共重合し
うる少なくとも1つの多官能的に反応する化合物
とトリオキサンと共重合しうる少なくとも1つの
単官能的に反応する化合物とからなる共重合体を
挙げることが出来る。多官能的化合物は一般に
0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%、単
官能的化合物は一般に0.1〜10重量%、好ましく
は1〜5重量%使用される。 多官能的化合物としては、メチルグリシジルホ
ルマール、エチルグリシジルホルマール、プロピ
ルグリシジルホルマール、ブチルグリシジルホル
マール等のアルキルグリシジルホルマール、ジエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、トリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル等のポリ
グリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル等のアルカンジオールジ
グリシジルエーテル、ビス(1,2,5−ペンタ
ントリオール)−トリホルマール、ビス(1,2,
6−ヘキサントリオール)−トリホルマール等の
ビス(アルカントリオール)−トリホルマール等
の二官能性化合物が好ましい化合物として挙げら
れる。また単官能的化合物としては、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、グリコールホルマ
ール、ジグリコールホルマール、エピクロルヒド
リン、4−クロルメチルジオキソラン等の環状エ
ーテルが好ましく、特にエチレンオキシドが好ま
しい化合物として挙げられる。 本発明の線状ポリオキシメチレンは公知の方法
によつて得られる。ホルムアルデヒド又はトリオ
キサン、テトラオキサンのホモ重合体、あるいは
トリオキサンとトリオキサンと共重合しうる少な
くとも1つの単官能的に反応する化合物、例えば
エチレンオキサイド、とからなる共重合体であ
る。この場合、単官能的化合物の量は一般に0.1
〜20重量%であり、好ましくは1〜5重量%であ
る。 本発明において、二軸延伸してその効果を発現
せしめるためには、使用される分枝状ポリオキシ
メチレンの量は線状ポリオキシメチレン100重量
部に対して少なくとも0.01重量部以上である。 0.01重量部未満では二軸延伸フイルムとしたと
きの本発明の効果は小さい。よりその効果を発現
せしめるためには好ましくは0.1重量部以上、更
に好ましくは0.5重量部以上である。一般に添加
量の増大とともに、その効果は大きくなり、フイ
ルムの表面平滑性もより優れてくるが、分枝状ポ
リオキシメチレンの分子量、あるいは1分子中の
分枝点の数(分枝密度)等によつてもその効果は
異なり、使用する分枝状ポリオキシメチレンによ
つては少量の添加でも極めて有効に作用する。例
えば、メルトインデツクスの小さい分枝状ポリオ
キシメチレンの方が大きいものより少量で有効に
作用する。 一方本発明では、加えることの出来る分枝状ポ
リオキシメチレンの上限については、特に限定は
ない。使用される分枝状ポリオキシメチレンの本
発明の作用効果に応じて、又この分枝状ポリオキ
シメチレンが有する他の機械的、熱的諸性質に応
じて、添加量が決定される。例えば、表面平滑性
が特に重要視される場合、この添加量を大幅に増
すこと、例えば50重量部以上とすることも出来
る。また線状ポリオキシメチレンがホモ重合体で
あつて、ホモ重合体の有する優れた機械的、熱的
諸物性を出来るだけ保持したい場合、分枝状ポリ
オキシメチレンの添加量はかかる諸物性の低下を
引き起こさない程度に抑えることが望ましい。こ
の場合の添加量の上限は使用される分枝状ポリオ
キシメチレンの作用効果の度合にもよるが、本発
明の二軸延伸フイルムにおいては一般に30重量部
以下、好ましくは15重量部以下である。 本発明の二軸延伸ポリオキシメチレンフイルム
は分枝状ポリオキシメチレン等の核剤作用を有す
る成分に加えて他の熱可塑性樹脂あるいはエラス
トマー等をその第三成分として加えることも出来
る。例えば具体的には以下のものが挙げられる。 (1) α−オレフインのホモ及び共重合体、例えば
ポリエチレン、エチレン/プロピレン−共重合
体、エチレン/アクリル酸エステル−共重合
体、エチレン/メタアクリル酸エステル−共重
合体、エチレン/アクリル酸−共重合体 (2) 1,3−ジエンのホモ及び共重合体、例えば
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエ
ン/スチレン−共重合体、ブタジエン/アクリ
ルニトリル共重合体 (3) ビニルエステルのホモ及び共重合体、例えば
ポリ(ビニルアセテート)ポリ(ビニルプロピ
オネート5、ポリ(ビニルブチラート) (4) アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エス
テルのホモ及び共重合体、例えばポリ(エチル
アクリレート)、ポリ(ブチルアクリレート)、
ポリ(ブチルメタアクリレート)ポリ(ヘキシ
ルメタアクリレート)、ポリ(2−エチルヘキ
シルメタアクリレート)、ポリ(オクチルメタ
アクリレート) (5) ポリエーテル酸、例えばポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール、エチレンオキシド/プロ
ピレンオキシド−共重合体 (6) ポリエステル類、例えばセバシン酸/エチレ
ングリコール−ポリエステル、セバシン酸/ブ
タンジオール−ポリエステル (7) ポリエーテル/ポリアミド共重合体、例えば
ポリテトラメチレングリコール/6−ナイロン
共重合体などである。 この場合、これら第三成分の添加量は全混合物
に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下
である。又、これら第三成分以外にも、必要に応
じて熱安定剤、酸化防止剤等の添加剤をも加える
ことが出来る。 本発明の二軸延伸フイルムにおいて、その製造
方法については特に限定はしない。延伸倍率は通
常縦方向、横方向とも各々3倍以上、好ましくは
5倍以上である。具体的な製造方法としては、例
えば本出願人が先に出願し、特願昭60−127132号
(特開昭61−286115号)、同60−151349号(同62−
013318号)に開示した方法が好ましい方法として
挙げられる。 即ち、本発明の組成からなるポリオキシメチレ
ンの混合物を溶融し、シートあるいはフイルム状
に成形固化する(以下これを原反と称する)。 次いで原反シートを1方向に延伸(前段延伸)
した後、該シートあるいはフイルムの温度を差動
熱量計によつて測定された原反の結晶融解曲線の
ピーク温度より30℃低い温度から該ピーク温度よ
り5℃高い温度の温度範囲に保持しつつ、次いで
前段延伸の方向に対して直角方向に後段延伸を行
う方法である。即ち、前段延伸されたシートある
いはフイルムの温度を上記温度範囲内に保ち、続
いて後段延伸を行う方法である。 シート又はフイルムの温度が上記温度の下限よ
り低い場合、前段延伸による配向結晶化が急激に
進行し、続く後段延伸において延伸応力の急激な
増大が起る。この下限温度はポリオキシメチレン
の結晶成長温度と密接な関係にあると推定され、
フイルム温度がこの温度に近づくに伴い、結晶化
速度が増大し、この下限温度より下ると、その速
度が極めて大きくなり、プロセスの制御上、その
抑制が実質的に不可能になる。従つて、より安定
にプロセスを制御し、且つ安定な後段延伸を達成
させるためには、この保持温度の下限が、差動熱
量計によつて測定された原反の結晶融解曲線のピ
ーク温度より20℃低い温度であることが好まし
い。 又、温度が上記保持温度の上限より高い場合、
結晶分子の溶融が支配的となり、前段延伸時の配
向効果が低減し、場合によつてはフイルムが溶断
する恐れが生じる。そして、好ましくは、該上限
温度は上記結晶融解曲線のピーク温度である。 又、通常の延伸工程では、前段延伸と後段延伸
は連続的に行なわれるものであり、生産効率上、
あるいは装置内にも、この保持温度を延伸温度近
傍にセツトしておく方がより有利であり、プロセ
ス制御もより容易に且つ安定に遂行出来、より好
ましいと言える。 上記保持温度における保持時間は、結晶化を進
行させないために、出来るだけ短かい方が好まし
い。具体的には、保持温度にも依存するが、0.1
〜800secである。 また、この時の前段延伸及び後段延伸における
延伸温度は同じく差動熱量計によつて測定された
原反の結晶融解曲線のピーク温度より25℃低い温
度以上、該ピーク温度より5℃高い温度以下の温
度範囲が好ましい。より好ましくは該ピーク温度
より15℃低い温度以上、該ピーク温度以下であ
る。 尚、前段と後段での延伸温度は必ずしも同一温
度である必要はなく、延伸性等の延伸状態に応じ
て、上記延伸温度範囲内において適当に定められ
る。 より好ましくは、前段延伸に先だち、原反を圧
下率rが式 1.2≦1/1−r≦5 r=1−t/t0 ここにt0:圧延前の原反の厚さ t:圧延後の原反の厚さ になるまで縦方向に圧延した後、横方向に5倍以
上の上記前段延伸を行い、次いで縦方向に5(1
−r)倍以上の上記後段延伸を行う方法が挙げら
れる。 圧延時のフイルム又はシートの温度は、室温以
上、差動熱量計によつて測定された原反の結晶融
解曲線のピーク温度より30℃低い温度以下の温度
範囲が好ましい。より好ましくは室温以上、該ピ
ーク温度より50℃低い温度以下の温度範囲であ
る。圧延の効率からいえば圧延時のフイルム又は
シートの温度は高い方が好ましいが、上記結晶融
解曲線のピーク温度より30℃低い温度以上の高温
になると続く延伸工程で延伸性が低下する傾向が
ある。 また、圧延に先立ち、原反を予熱しておいても
よい。更に、1回の圧延で所望の圧延倍率まで圧
延せずに、これを何回に分けて繰返し圧延を施す
ことも出来る。 次に本発明に基づいたポリオキシメチレンフイ
ルムの製造方法の1例を第4図により具体的に説
明する。 押出機1を出たポリオキシメチレンは冷却ロー
ル2により冷却され原反を形成する。次にこの原
反は圧延機3に導かれ圧延される。次いで圧延さ
れた原反は横延伸機4に導かれる。横延伸は通常
テンターによつて行われる。4′で延伸温度まで
予熱された後、4″で横延伸される。4は上述
した前段延伸から後段延伸へ至る温度保持ゾーン
で、このゾーン内に設けられたピンチロール5及
び6は横延伸後のフイルムを固定するためのもの
であり、又この間においてフイルムのエツジ部の
スリツト等を施すことも出来る。また、エツジ部
のスリツトは次の縦延伸を行つた後に行うことも
出来る。縦延伸を肉厚の厚いエツジ部とともに行
うと、ネツクインによるフイルムの幅方向の収縮
を抑えることが出来るため本プロセスでは有効で
ある。 次いでロール7により後段の延伸温度に予熱さ
れた後、延伸ロール8,9により縦延伸される。
延伸ロール8,9の回転速度はそれぞれV1,V2
に設定され、この速度比V2/V1により縦延伸倍
率が決定される。 同図では、縦延伸はロール8,9による1段で
の延伸であるが、必要に応じて、ロール数を増や
すことにより、複数段での延伸を行うことが出来
る。 同一縦延伸倍率で比較すると、複数段で延伸す
ることにより、縦延伸速度を下げることが出来る
と共に、延伸応力を各段に分散することが出来
る。 縦延伸されたフイルムは冷却ロール10,11
で冷却された後、12により捲き取られる。尚同
図には示されていないが延伸されたフイルムは必
要に応じて熱処理が施され、熱安定性等の改良が
行なわれる。 更に必要に応じて上記延伸後に再度縦方向及
び/または横方向に延伸することによつて、機械
的・熱的諸性質の向上を図ることも出来る。この
場合、縦方向と横方向を各々単独に行う逐次二軸
延伸法あるいは両方向を同時に行う同時二軸延伸
法のいずれの方法も適用出来る。逐次法の場合、
1方向の延伸を行うと、その方向の機械的性質等
はより向上するが、反面これと直角方向は配向の
緩和によりその性質が低下する傾向がある。この
現象を避け、各方向の性質を共に向上させるため
に、本発明のフイルムにおいては同時二軸延伸法
がより好ましい方法として挙げられる。 〈実施例〉 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
するが本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。 実施例 1 トリオキサン97.5重量%、エチレンオキサイド
2.0重量%、及び1,4−ブタンジオールグリシ
ジルエーテル0.5重量%よりなる分枝状ポリオキ
シメチレンコポリマーを調製した。 線状ポリオキシメチレンホモポリマー(旭化成
工業(株)製テナツク3010グレード)100重量部に
対し上記分枝状ポリオキシメチレンを1.5重量部
添加混合した。次いでスクリユー型押出機で200
℃にて均質化した後、ペレツト状に成形した。 次に、この混合均質化されたポリオキシメチレ
ンを200℃の温度でスリツトダイから押出し、130
℃に加熱されたキヤステイングロール上で急冷
し、厚さ800μ、巾150mmのシート(原反)に成形
した。 次いで以下の方法により二軸延伸化を行い二軸
延伸フイルムを得た。先ず原反を100℃に予熱し
た後、ロール温度が100℃に設定されたロール圧
延機により縦方向に2.5倍圧延伸長した。次いで
テンター横延伸機さらにロール縦延伸機に導き、
横方向さらに縦方向に延伸した。この時の延伸温
度は横延伸、縦延伸ともに170〜173℃であつた。
横延伸は延伸速度200%/minで、幅方向に8倍
の延伸を行つた。横延伸から縦延伸工程に至る間
は温度を下げることなく各々の延伸温度と同じ温
度に保持され連続的に縦延伸を行つた。縦延伸は
回転速度が1m/minの低速ロールと3.5/minの
高速ロールの間で縦方向に3.5倍の延伸を行つた。
得られた二軸延伸フイルムは原反に対して縦方向
に9倍、横方向に6倍の延伸倍率であり、厚みは
15μであつた。得られたフイルムの表面粗度は中
心線平均粗さRaで0.042μであつた。 次いでこのフイルムを厚さ0.5mm2枚のガラス
板の間に挟んで固定し200℃で30秒間、加熱溶融
した後、140℃の一定温度に保たれたシリコンオ
イルバス中に速やかに移しこの温度条件下で再結
晶化を行なつた。この再結晶化した表面の球晶を
直交偏光子による偏光顕微鏡で観察した結果、該
表面は大きさ15〜30μの小さな球晶で形成されて
おり表面0.1mm2当りの球晶の個数は150〜300個で
あつた。この時の顕微鏡写真を第1図に示した。 尚表面粗度は東京精密(株)製554−A型により触
針径1μR触針圧0.7mN(0.07g)カツトオフ0.25mm、
測定長さ1.25mm、走査速度0.03mm/secにて測定さ
れたものである。 実施例 2 トリオキサン97.9重量%、エチレンオキサイド
2.0重量%、及び1,4−ブタンジオールジグリ
シジルエーテル0.1重量%からなる分枝状ポリオ
キシメチレンを調製した。 実施例1で用いた線状ポリオキシメチレン100
重量%に対し上記分枝状ポリオキシメチレンの添
加量が第1表に記載の割合になる様に各々添加混
合した。 次いで、各々について実施例1と同じく均質化
した後、厚さ800μ、巾150mmの原反を得た。さら
に同様な方法で二軸延伸を行い、それぞれの組成
からなる二軸延伸フイルムを得た。この時の延伸
温度は分枝状ポリオキシメチレンの添加量により
各々若干異なり、165〜175℃の範囲内で各組成に
最適な温度が選ばれた。 又得られた二軸延伸フイルムは各々原反に対し
て縦方向に9倍、横方向に6倍の延伸倍率であ
り、厚みは15μであつた。 各々のフイルムについてその表面粗度を測定し
た結果中心線平均粗さRaで第1表の通りであつ
た。 更に、得られた各フイルムについて実施例1と
同じく200℃で30秒間加熱溶融した後、140℃の温
度条件下で再結晶化を行なつた。この再結晶化さ
れた表面の球晶を直交偏光子による偏光顕微鏡で
観察し、該表面0.1mm2当りの球晶の個数を算出し
た。各フイルムについてこの結果を同じく第1表
に記載した。 又比較のために、分枝状ポリオキシメチレンを
含まない本実施例で用いた線状ポリオキシメチレ
ンのみからなる二軸延伸フイルムについても同様
な測定を行いその結果を同じく第1表に併記し
た。またこのフイルムの再溶融、再結晶化後の表
面の顕微鏡写真を第2図に示した。第1図と比較
すると球晶の大きさに大きな差があることが分
る。 更に第3図は第1表の結果について、表面0.1
mm2当りの球晶の個数と中心線平均粗さとの関係を
示したものである。この図より球晶の個数が増加
すると表面平滑性が優れてくることが判る。 以上の結果は本発明のフイルムがその表面平滑
性において極めて優れていることを示すものであ
る。
レン基−(CH2−O−)の繰返し単位から構成される
ポリオキシメチレン重合体の二軸延伸フイルムで
あつて、特にその表面平滑性に優れた二軸延伸ポ
リオキシメチレンフイルムに関する。 〈従来の技術〉 ポリオキシメチレンが極めて著しい結晶化傾向
を有することは公知である。ポリオキシメチレン
フイルムを得るには、例えば溶融加圧又は溶融押
出したのち急冷することにより形成されるが、こ
れらの方法で得られたフイルムは不透明あるいは
半透明である上に機械的特性も劣る。これは結晶
化したポリオキシメチレンが高度に発達した球晶
構造を形成するためと言われている。そのため
に、これを二軸延伸することによつてかかる特性
の向上を図る試みがなされている。 本発明者らは、先に出願した特開昭61−252135
同61−286115および同62−013318(それぞれ特願
昭60−92246、同60−127132および同60−151349
号)において、二軸延伸することによつて高度に
二軸配向結晶化されたポリオキシメチレンフイル
ムが高い引張弾性率と優れた寸法安定性を有する
こと、更にその工業的製造技術についても開示
し、この優れた特性を有するフイルムの二軸延伸
化を可能なものとした。 〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながらこの二軸延伸されたポリオキシメ
チレンフイルムは、強度、寸法安定性、透明性等
は格段に優れたものであつたが、その表面の平滑
性は通常の他のフイルム、例えばポリエステルフ
イルム等に比較して充分なレベルにあるとはいえ
なかつた。表面の平滑性はそれが用いられる用途
によつては極めて重要な因子となる。例えば磁気
テープの改良は近年急速なテンポで進んでおり、
特にベースフイルムの表面に対する要求は厳しい
ものになつている。磁気録画において高性能化を
達成するためには、電磁変換特性を高めなければ
ならないが、そのためにはベースフイルムの表面
をより平滑にする必要がある。かかる用途に対応
するためには、ベースフイルム表面の中心線平均
粗さを少なくとも0.1μ以下にすることが要求され
る。 本発明はかかる優れた特性を有する二軸延伸ポ
リオキシメチレンフイルムにおいて、その表面平
滑性にも優れたより実用的なフイルム及び同フイ
ルムを製造する方法を提供するものである。 〈課題を解決するための手段〉 ポリオキシメチレンの溶融物を冷却すると、そ
の著しい結晶化傾向のために、球晶の速やかな成
長が認められる。この時の球晶の成長速度、大き
さ及びその分布は、冷却温度、冷却速度、圧力、
分子量、添加剤の種類及び量等により異なつてく
る。 本発明者等はこのポリオキシメチレンに特徴的
な球晶成長性に着目し、球晶成長性の異なるポリ
オキシメチレンを調製し二軸延伸して得られたフ
イルムの表面状態を詳しく測定した。その結果、
球晶成長性が二軸延伸フイルムの表面平滑性に極
めて密接に関係しており、表面平滑性の違いが、
球晶成長性の差となつて現われることを発見し
た。さらにこの球晶成長性の差は二軸延伸された
フイルムを再溶融し、再結晶化させた時、より顕
著に且つ明確に発現することも見出した。すなわ
ち、表面平滑性の異なる2種の二軸延伸ポリオキ
シメチレンフイルムをその融点以上で再溶融し、
その後再結晶化させると表面平滑性に優れたフイ
ルムの球晶の方が表面平滑性に劣るフイルムの球
晶に比べて極めて小さな径から構成されているこ
とを見出し、本発明に到達した。 本発明は、主鎖の主要部が実質的にオキシメチ
レン基−(CH2−O−)の繰り返し単位から構成され
るポリオキシメチレン重合体からなる二軸延伸フ
イルムであつて、該フイルムを該フイルムの融点
以上で再溶融し、140℃にてフイルム状に等温再
結晶化した後直交偏光子による偏光顕微鏡で測定
された該表面の結晶組織中のポリオキシメチレン
の球晶の個数が、該表面0.1mm2当り50個以上であ
る二軸延伸ポリオキシメチレンフイルムに関す
る。 本発明でいう球晶とは、結晶性高分子の固体組
織で最も典型的かつ比較的容易に観察されるもの
である。球晶は球状の結晶高次組織であつて中心
にある結晶核から結晶が特定の配列をとつて成長
した結果生じたものであり、直交偏光子による偏
光顕微鏡で容易に観察することができる。多数の
球晶が成長すると球晶間に衝突が起こり、球晶の
外形は境界のはつきりした多面体となる。さらに
多数の核が発生する場合は、個々の球晶に境界が
不明瞭になり、光学的顕微鏡の分解能では明確な
観察が難しくなつてくる。しかしこの場合でも
個々の球晶には球晶の大きな特徴の一つである
「マルテイーズ、クロス」と呼ばれる暗部の十字
線が観察されるため、この十字線によつて個々の
球晶を同定することができる。 本発明においていうより表面滑性に優れるフイ
ルムについては上記の同定法ではその個数を正確
に測定することが難しくなつてくる。この場合
は、先ず該表面の小さな面積例えば0.01mm2当りの
上記十字線の個数を測定し、この十字線の個数を
球晶数とし、次いでこの値を10倍することによつ
て本発明の0.1mm2当りの球晶の個数とすることに
より比較的確度が高い値がえられる。第1図及び
第2図に上記の方法によつて球晶測定の際に用い
たサンプルの典型的な顕微鏡写真を例示した。第
1図が本発明に係る二軸延伸ポリオキシメチレン
フイルムの1例、第2図が通常の二軸延伸ポリオ
キシメチレンフイルムの場合である。 本発明のフイルムの再溶融・再結晶化させる場
合には、再結晶化後の形状が均一な厚みの平坦な
フイルム状になる様に再結晶化させる必要があ
る。本発明の二軸延伸フイルムは加熱溶融すると
配向の緩和による収縮が起るためにその形状が変
化し、平坦なフイルム状になり難い。そこで該フ
イルムをあらかじめ2枚のガラス板の間に挟み、
フイルムの収縮によつてその間隔が変化しない様
に2枚のガラス板を固定して再溶融・再結晶化を
行うとよい。又、この時使用するガラス板によつ
て再結晶化の条件が変化しない様にするには、ガ
ラス板は薄い方が好ましい。好ましくはその厚さ
1mm以下のものがよい。又再結晶化後のフイルム
の厚みは球晶状態の観察が容易に行える様に薄い
方が好ましく、具体的には5〜30μが好ましい。 この時の再溶融温度はフイルムの融点以上であ
れば良いが、好ましくは200℃、溶融時間は30秒
〜2分である。また再結晶化に際しては、球晶成
長条件を一定に保つために一定条件で行う必要が
ある。本発明では140℃で等温再結晶化を行なう。
この場合、再溶融後、この溶融物を結晶化が進行
しないうちに速やかに140℃の一定温度条件の下
に移し、この条件下で再結晶を行なう。 上記方法によつて測定された球晶の数が多い程
そのフイルムの表面平滑性はより優れたものにな
る。表面平滑性は一般にその表面粗度を測定する
ことによつて定量化される。表面粗度はその表現
の種々の方法があるが、本発明では中心線平均粗
さRa(μ)で表現する。このRaは、JISB−0601
(1976)にもとづき一定の長さ(l)の試験片を
切り取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦
倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)
で表わしたとき、次式で与えられる値をマイクロ
メートル(μm)単位で表わしたものを言う。 Ra=1/l∫l p|f(x)|dx 例えば磁気テープ用ベースフイルムでは、少な
くともRaが0.1μ以下、最近では更に小さい値が
要求されてきている。かかる要求に対し本発明の
フイルムは充分対応することが可能であり、製造
時のロールの面精度等にもよるがRaおいて、
0.001〜0.1μという優れた表面平滑性を有するフ
イルムとなり得る。 かかる用途のように、より優れた表面平滑性が
要求される場合には、本発明に係るフイルムのよ
り好ましい球晶の個数は0.1mm2当り100個以上であ
る。 本発明のフイルムにおいて、ポリオキシメチレ
ンの球晶成長性のコントロールが極めて重要であ
る。ポリオキシメチレンの球晶成長性は、前述の
如く色々な要因によつて異なつてくるが、これを
容易に、かつ顕著にコントロールする方法とし
て、一般によく知られた結晶核発生剤(以下、核
剤と略称する)を少量添加する方法がある。 例えばポリオキシメチレンに0.0001〜0.5重量
%のタルクを添加して分散させる方法(英国特許
第1133490号)、またポリオキシメチレン溶融物中
に全く、またはわずかしか溶解しない特定の有機
溶剤例えばヒドロキシル基含有イミダゾール、ま
たはピラジン誘導体を添加する方法(英国特許第
1193708号)がある。 また、ポリオキシメチレンの結晶構造を、ポリ
オキシメチレン溶融物の冷却時に、ポリオキシメ
チレンの結晶融点より高い温度で化学的に安定な
核剤によつて変性し得ることも公知である(米国
特許第3367926号)。 さらにポリオキシメチレンが別のポリオキシメ
チレンの核剤として作用することも知られている
(特公昭55−19942号公報)。この場合ホルムアル
デヒドまたはトリオキサンを重合して得られる通
常の線状ホモまたは共重合ポリオキシメチレンは
同一のまたは別の線状ポリオキシメチレンに対し
ては核剤作用を有しない。核剤作用を有するのは
分枝状または網状ポリオキシメチレン(以下、分
枝状ポリオキシメチレンと省略する)であり、こ
れら分枝状ポリオキシメチレンについては特公昭
44−6277号公報、同44−6278号公報、同45−
25114号公報、同45−26507号公報、同56−42623
号公報、及び特開昭59−93717号公報等にその技
術が詳しく開示されている。 以上の如くポリオキシメチレンの球晶成長性を
コントロールする方法はよく知られており、これ
によつてポリオキシメチレンがより小さな径の球
晶から構成されることもよく知られている。しか
しながら、かかる材料を二軸延伸してなるフイル
ムにおいて、この球晶成長性の差が表面平滑性の
差として顕著に発現してくることは全く知られて
居らず、本発明者らによつて始めて見い出された
ものである。即ち二軸延伸されたフイルムにおい
て始めてその優れた作用が明らかになつたのであ
る。 本発明に係るポリオキシメチレンフイルムは二
軸延伸フイルムであつて、かつ再溶融、再結晶化
後のポリオキシメチレンの球晶成長状態で特定さ
れるものである。従つて、かかるフイルムを製造
するに当つて、ポリオキシメチレンの球晶成長性
をコントロールする方法について上記の例示した
手法等に特に限定するものではないが、そのため
には、二軸延伸に際し、ポリオキシメチレン自体
の延伸性能を低下させたり、あるいは延伸後のフ
イルムの機械的、熱的性質を低下させる等の影響
を極力抑えることが重要である。例えば添加剤の
種類によつてはその分散性が悪いと凝集し、これ
が延伸性の低下を引き起こしたり、フイルム中に
異物として残りフイルム品位の低下につながるこ
ともある。 従つて核剤には無機系核剤と有機系核剤が知ら
れているが、本発明では有機系核剤が好ましく、
さらにポリオキシメチレン溶融物に親和性があ
り、比較的溶解し易いものが好ましい。 有機系核剤として例えば 2,3−ジヒドロキシ−キノキザリン、2,6
−ジヒドロキシ−m−ベンゾビスイミダゾール、
2,2′−ジヒドロキシ−6,6′ビスベンズイミダ
ゾール、2−ヒドロキシナフトイミダゾール、
2,3−ジヒドロキシ−ベンゾーキノキザリン等
のヒドロキシル基含有イミダゾール類、またはピ
ラジン誘導体等が知られている。従つてこれら核
剤を用いる場合はポリオキシメチレン溶融物への
親和性及び溶解性を考慮して、その添加量あるい
は混合方法等に注意を払う必要がある。 更に上記核剤以外に本発明において、特に有効
に作用する核剤は既に例示した分枝状ポリオキシ
メチレンである。 分枝状ポリオキシメチレンはその主要部は実質
的にオキシメチレン基−(CH2−O−)の繰返し単位
で構成されており、通常の他のポリオキシメチレ
ン、例えば線状ホモまたは共重合ポリオキシメチ
レンと任意の割合で、しかも均一に混合すること
が出来る。更に核剤としても極めて有効に作用す
る。従つてポリオキシメチレンに対して有効な他
の無機あるいは有機核剤に比べ、異物として作用
することあるいは凝集して分散性が悪くなること
も少ない。本発明において、その効果を発現せし
めるための分枝状ポリオキシメチレンの添加量は
線状ポリオキシメチレン100重量部に対して少な
くとも0.01重量部以上であり、少量でも極めて有
効に作用する。 一方、分枝状ポリオキシメチレンを添加混合す
ることによつて、本発明者らは更にもう1つの大
きな効果を見い出すに至つた。即ち通常の線状ポ
リオキシメチレンにこの分枝状ポリオキシメチレ
ンを混合して延伸を行うと延伸の安定性が大きく
向上することを見い出した。 即ち優れた機械的、熱的特性を有するフイルム
を得るためには、二軸延伸の延伸倍率をより高く
設定することが望まれる。しかしながら通常の線
状ポリオキシメチレンでは特に延伸倍率が高い領
域では、延伸時にフイルムが破断する度合が大き
く、その安定性に問題があつた。延伸の安定性を
向上させるためには、先ず延伸温度、延伸速度等
の延伸条件を適切な範囲内に正確且つ均一にコン
トロールすることが重要である。これによつてか
なりのレベルまで安定化を図ることが出来るよう
になつたが、より高い延伸倍率のフイルム、ある
いは実用上の収率等を考慮した場合、まだ充分と
言えるレベルにはなくより安定化を図るべき方策
が望まれていた。 分枝状ポリマーを添加混合するとその核剤作用
により5〜10μ、場合によつては更に小さい径か
らなる球晶が形成される。この様な小さな球晶か
らなるポリオキシメチレンは各球晶の径が小さい
ために球晶同士の結合点の数が増加する。即ち各
球晶間の結合力が増大するために延伸応力に対す
る抵抗力が増大する。また各球晶が小さいために
この延伸応力の局部集中が回避され応力の分散が
図られる。しかも前述の如く通常の他のポリオキ
シメチレンと任意の割合でしかも均一に混合する
ことが出来るために各球晶共その主要部が実質的
に−(CH2−O−)の繰返し単位から構成される均質
な結晶から構成される。分枝状ポリオキシメチレ
ンのこの様な作用効果が通常の線状ポリオキシメ
チレンのみの場合に比べ更にその延伸性能を大き
く向上せしめたものと推定される。この延伸安定
性向上効果についても、かかる材料を二軸延伸す
ることによつて始めて見い出されたものである。 更に、線状ポリオキシメチレンがホルムアルデ
ヒド又はトリオキサン、テトラオキサンのホモ重
合体からなる場合、これに分枝状ポリマーを添加
すると上記の如くその延伸性能は向上するが、こ
れに更に線状の共重合体、即ちトリオキサンとト
リオキサンと共重合しうる少なくとも1つの単官
能的に反応する化合物、例えばエチレンオキサイ
ド、とからなる共重合体を添加するとその延伸安
定性能は更に一層向上することも本発明者らは見
い出している。この時の線状ポリオキシメチレン
共重合体の添加量は線状ポリオキシメチレンホモ
重合体100重量部に対し、0.1重量部以上である。
これ以下ではその添加効果は小さい。又上限につ
いては、ホモ重合体と共重合体とは任意の割合で
混合することが出来るため特に限定はしないが、
ホモ重合体の有する優れた機械的・熱的性質を損
なわないためには50重量部以下、好ましくは30重
量部以下である。 本発明で使用される分枝状ポリオキシメチレン
について更に詳細に説明する。分枝状ポリオキシ
メチレンは前述の公知の方法によつて得ることが
出来る。 例えば特公昭55−19942号にはその製法につい
て以下の記述がある。 (1) トリオキサンと、トリオキサンと共重合しう
る少くとも1つの多官能的に反応する化合物及
び場合によりトリオキサンと共重合しうる少く
とも1つの単官能的に反応する化合物とを共重
合せしめることにより、或は (2) 側位又は連鎖位に官能性基を有する線状ポリ
オキシメチレンについて後から分枝化反応又は
網状化反応を行うことにより、或は (3) トリオキサンと、トリオキサンと共重合しう
る少なくとも1つの単官能的に反応する化合物
及び分枝を有する又は網状化したポリエーテル
とを共重せしめるか、あるいは線状のポリオキ
シメチレンを分枝を有する又は網状化したポリ
エーテルと反応せしめることにより 製造することが出来る。 本発明に使用される分枝状ポリオキシメチレン
は、優れた結晶核発生作用、即ち核剤作用を有す
ることが特徴である。この効果は、既に述べた様
に二軸延伸後のフイルムを再溶融・再結晶化した
時に前述の方法で測定される球晶の個数として現
われ、この個数が多い程、そのフイルムの表面平
滑性はより優れたものになる。即ち、本発明に使
用される分枝状ポリオキシメチレンとしてより好
ましいこととなる。 かかる分枝状ポリオキシメチレンとして、本発
明では、トリオキサンとトリオキサンと共重合し
うる少なくとも1つの多官能的に反応する化合
物、又はトリオキサンとトリオキサンと共重合し
うる少なくとも1つの多官能的に反応する化合物
とトリオキサンと共重合しうる少なくとも1つの
単官能的に反応する化合物とからなる共重合体を
挙げることが出来る。多官能的化合物は一般に
0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%、単
官能的化合物は一般に0.1〜10重量%、好ましく
は1〜5重量%使用される。 多官能的化合物としては、メチルグリシジルホ
ルマール、エチルグリシジルホルマール、プロピ
ルグリシジルホルマール、ブチルグリシジルホル
マール等のアルキルグリシジルホルマール、ジエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、トリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル等のポリ
グリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル等のアルカンジオールジ
グリシジルエーテル、ビス(1,2,5−ペンタ
ントリオール)−トリホルマール、ビス(1,2,
6−ヘキサントリオール)−トリホルマール等の
ビス(アルカントリオール)−トリホルマール等
の二官能性化合物が好ましい化合物として挙げら
れる。また単官能的化合物としては、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、グリコールホルマ
ール、ジグリコールホルマール、エピクロルヒド
リン、4−クロルメチルジオキソラン等の環状エ
ーテルが好ましく、特にエチレンオキシドが好ま
しい化合物として挙げられる。 本発明の線状ポリオキシメチレンは公知の方法
によつて得られる。ホルムアルデヒド又はトリオ
キサン、テトラオキサンのホモ重合体、あるいは
トリオキサンとトリオキサンと共重合しうる少な
くとも1つの単官能的に反応する化合物、例えば
エチレンオキサイド、とからなる共重合体であ
る。この場合、単官能的化合物の量は一般に0.1
〜20重量%であり、好ましくは1〜5重量%であ
る。 本発明において、二軸延伸してその効果を発現
せしめるためには、使用される分枝状ポリオキシ
メチレンの量は線状ポリオキシメチレン100重量
部に対して少なくとも0.01重量部以上である。 0.01重量部未満では二軸延伸フイルムとしたと
きの本発明の効果は小さい。よりその効果を発現
せしめるためには好ましくは0.1重量部以上、更
に好ましくは0.5重量部以上である。一般に添加
量の増大とともに、その効果は大きくなり、フイ
ルムの表面平滑性もより優れてくるが、分枝状ポ
リオキシメチレンの分子量、あるいは1分子中の
分枝点の数(分枝密度)等によつてもその効果は
異なり、使用する分枝状ポリオキシメチレンによ
つては少量の添加でも極めて有効に作用する。例
えば、メルトインデツクスの小さい分枝状ポリオ
キシメチレンの方が大きいものより少量で有効に
作用する。 一方本発明では、加えることの出来る分枝状ポ
リオキシメチレンの上限については、特に限定は
ない。使用される分枝状ポリオキシメチレンの本
発明の作用効果に応じて、又この分枝状ポリオキ
シメチレンが有する他の機械的、熱的諸性質に応
じて、添加量が決定される。例えば、表面平滑性
が特に重要視される場合、この添加量を大幅に増
すこと、例えば50重量部以上とすることも出来
る。また線状ポリオキシメチレンがホモ重合体で
あつて、ホモ重合体の有する優れた機械的、熱的
諸物性を出来るだけ保持したい場合、分枝状ポリ
オキシメチレンの添加量はかかる諸物性の低下を
引き起こさない程度に抑えることが望ましい。こ
の場合の添加量の上限は使用される分枝状ポリオ
キシメチレンの作用効果の度合にもよるが、本発
明の二軸延伸フイルムにおいては一般に30重量部
以下、好ましくは15重量部以下である。 本発明の二軸延伸ポリオキシメチレンフイルム
は分枝状ポリオキシメチレン等の核剤作用を有す
る成分に加えて他の熱可塑性樹脂あるいはエラス
トマー等をその第三成分として加えることも出来
る。例えば具体的には以下のものが挙げられる。 (1) α−オレフインのホモ及び共重合体、例えば
ポリエチレン、エチレン/プロピレン−共重合
体、エチレン/アクリル酸エステル−共重合
体、エチレン/メタアクリル酸エステル−共重
合体、エチレン/アクリル酸−共重合体 (2) 1,3−ジエンのホモ及び共重合体、例えば
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエ
ン/スチレン−共重合体、ブタジエン/アクリ
ルニトリル共重合体 (3) ビニルエステルのホモ及び共重合体、例えば
ポリ(ビニルアセテート)ポリ(ビニルプロピ
オネート5、ポリ(ビニルブチラート) (4) アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エス
テルのホモ及び共重合体、例えばポリ(エチル
アクリレート)、ポリ(ブチルアクリレート)、
ポリ(ブチルメタアクリレート)ポリ(ヘキシ
ルメタアクリレート)、ポリ(2−エチルヘキ
シルメタアクリレート)、ポリ(オクチルメタ
アクリレート) (5) ポリエーテル酸、例えばポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール、エチレンオキシド/プロ
ピレンオキシド−共重合体 (6) ポリエステル類、例えばセバシン酸/エチレ
ングリコール−ポリエステル、セバシン酸/ブ
タンジオール−ポリエステル (7) ポリエーテル/ポリアミド共重合体、例えば
ポリテトラメチレングリコール/6−ナイロン
共重合体などである。 この場合、これら第三成分の添加量は全混合物
に対して10重量%以下、好ましくは5重量%以下
である。又、これら第三成分以外にも、必要に応
じて熱安定剤、酸化防止剤等の添加剤をも加える
ことが出来る。 本発明の二軸延伸フイルムにおいて、その製造
方法については特に限定はしない。延伸倍率は通
常縦方向、横方向とも各々3倍以上、好ましくは
5倍以上である。具体的な製造方法としては、例
えば本出願人が先に出願し、特願昭60−127132号
(特開昭61−286115号)、同60−151349号(同62−
013318号)に開示した方法が好ましい方法として
挙げられる。 即ち、本発明の組成からなるポリオキシメチレ
ンの混合物を溶融し、シートあるいはフイルム状
に成形固化する(以下これを原反と称する)。 次いで原反シートを1方向に延伸(前段延伸)
した後、該シートあるいはフイルムの温度を差動
熱量計によつて測定された原反の結晶融解曲線の
ピーク温度より30℃低い温度から該ピーク温度よ
り5℃高い温度の温度範囲に保持しつつ、次いで
前段延伸の方向に対して直角方向に後段延伸を行
う方法である。即ち、前段延伸されたシートある
いはフイルムの温度を上記温度範囲内に保ち、続
いて後段延伸を行う方法である。 シート又はフイルムの温度が上記温度の下限よ
り低い場合、前段延伸による配向結晶化が急激に
進行し、続く後段延伸において延伸応力の急激な
増大が起る。この下限温度はポリオキシメチレン
の結晶成長温度と密接な関係にあると推定され、
フイルム温度がこの温度に近づくに伴い、結晶化
速度が増大し、この下限温度より下ると、その速
度が極めて大きくなり、プロセスの制御上、その
抑制が実質的に不可能になる。従つて、より安定
にプロセスを制御し、且つ安定な後段延伸を達成
させるためには、この保持温度の下限が、差動熱
量計によつて測定された原反の結晶融解曲線のピ
ーク温度より20℃低い温度であることが好まし
い。 又、温度が上記保持温度の上限より高い場合、
結晶分子の溶融が支配的となり、前段延伸時の配
向効果が低減し、場合によつてはフイルムが溶断
する恐れが生じる。そして、好ましくは、該上限
温度は上記結晶融解曲線のピーク温度である。 又、通常の延伸工程では、前段延伸と後段延伸
は連続的に行なわれるものであり、生産効率上、
あるいは装置内にも、この保持温度を延伸温度近
傍にセツトしておく方がより有利であり、プロセ
ス制御もより容易に且つ安定に遂行出来、より好
ましいと言える。 上記保持温度における保持時間は、結晶化を進
行させないために、出来るだけ短かい方が好まし
い。具体的には、保持温度にも依存するが、0.1
〜800secである。 また、この時の前段延伸及び後段延伸における
延伸温度は同じく差動熱量計によつて測定された
原反の結晶融解曲線のピーク温度より25℃低い温
度以上、該ピーク温度より5℃高い温度以下の温
度範囲が好ましい。より好ましくは該ピーク温度
より15℃低い温度以上、該ピーク温度以下であ
る。 尚、前段と後段での延伸温度は必ずしも同一温
度である必要はなく、延伸性等の延伸状態に応じ
て、上記延伸温度範囲内において適当に定められ
る。 より好ましくは、前段延伸に先だち、原反を圧
下率rが式 1.2≦1/1−r≦5 r=1−t/t0 ここにt0:圧延前の原反の厚さ t:圧延後の原反の厚さ になるまで縦方向に圧延した後、横方向に5倍以
上の上記前段延伸を行い、次いで縦方向に5(1
−r)倍以上の上記後段延伸を行う方法が挙げら
れる。 圧延時のフイルム又はシートの温度は、室温以
上、差動熱量計によつて測定された原反の結晶融
解曲線のピーク温度より30℃低い温度以下の温度
範囲が好ましい。より好ましくは室温以上、該ピ
ーク温度より50℃低い温度以下の温度範囲であ
る。圧延の効率からいえば圧延時のフイルム又は
シートの温度は高い方が好ましいが、上記結晶融
解曲線のピーク温度より30℃低い温度以上の高温
になると続く延伸工程で延伸性が低下する傾向が
ある。 また、圧延に先立ち、原反を予熱しておいても
よい。更に、1回の圧延で所望の圧延倍率まで圧
延せずに、これを何回に分けて繰返し圧延を施す
ことも出来る。 次に本発明に基づいたポリオキシメチレンフイ
ルムの製造方法の1例を第4図により具体的に説
明する。 押出機1を出たポリオキシメチレンは冷却ロー
ル2により冷却され原反を形成する。次にこの原
反は圧延機3に導かれ圧延される。次いで圧延さ
れた原反は横延伸機4に導かれる。横延伸は通常
テンターによつて行われる。4′で延伸温度まで
予熱された後、4″で横延伸される。4は上述
した前段延伸から後段延伸へ至る温度保持ゾーン
で、このゾーン内に設けられたピンチロール5及
び6は横延伸後のフイルムを固定するためのもの
であり、又この間においてフイルムのエツジ部の
スリツト等を施すことも出来る。また、エツジ部
のスリツトは次の縦延伸を行つた後に行うことも
出来る。縦延伸を肉厚の厚いエツジ部とともに行
うと、ネツクインによるフイルムの幅方向の収縮
を抑えることが出来るため本プロセスでは有効で
ある。 次いでロール7により後段の延伸温度に予熱さ
れた後、延伸ロール8,9により縦延伸される。
延伸ロール8,9の回転速度はそれぞれV1,V2
に設定され、この速度比V2/V1により縦延伸倍
率が決定される。 同図では、縦延伸はロール8,9による1段で
の延伸であるが、必要に応じて、ロール数を増や
すことにより、複数段での延伸を行うことが出来
る。 同一縦延伸倍率で比較すると、複数段で延伸す
ることにより、縦延伸速度を下げることが出来る
と共に、延伸応力を各段に分散することが出来
る。 縦延伸されたフイルムは冷却ロール10,11
で冷却された後、12により捲き取られる。尚同
図には示されていないが延伸されたフイルムは必
要に応じて熱処理が施され、熱安定性等の改良が
行なわれる。 更に必要に応じて上記延伸後に再度縦方向及
び/または横方向に延伸することによつて、機械
的・熱的諸性質の向上を図ることも出来る。この
場合、縦方向と横方向を各々単独に行う逐次二軸
延伸法あるいは両方向を同時に行う同時二軸延伸
法のいずれの方法も適用出来る。逐次法の場合、
1方向の延伸を行うと、その方向の機械的性質等
はより向上するが、反面これと直角方向は配向の
緩和によりその性質が低下する傾向がある。この
現象を避け、各方向の性質を共に向上させるため
に、本発明のフイルムにおいては同時二軸延伸法
がより好ましい方法として挙げられる。 〈実施例〉 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
するが本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。 実施例 1 トリオキサン97.5重量%、エチレンオキサイド
2.0重量%、及び1,4−ブタンジオールグリシ
ジルエーテル0.5重量%よりなる分枝状ポリオキ
シメチレンコポリマーを調製した。 線状ポリオキシメチレンホモポリマー(旭化成
工業(株)製テナツク3010グレード)100重量部に
対し上記分枝状ポリオキシメチレンを1.5重量部
添加混合した。次いでスクリユー型押出機で200
℃にて均質化した後、ペレツト状に成形した。 次に、この混合均質化されたポリオキシメチレ
ンを200℃の温度でスリツトダイから押出し、130
℃に加熱されたキヤステイングロール上で急冷
し、厚さ800μ、巾150mmのシート(原反)に成形
した。 次いで以下の方法により二軸延伸化を行い二軸
延伸フイルムを得た。先ず原反を100℃に予熱し
た後、ロール温度が100℃に設定されたロール圧
延機により縦方向に2.5倍圧延伸長した。次いで
テンター横延伸機さらにロール縦延伸機に導き、
横方向さらに縦方向に延伸した。この時の延伸温
度は横延伸、縦延伸ともに170〜173℃であつた。
横延伸は延伸速度200%/minで、幅方向に8倍
の延伸を行つた。横延伸から縦延伸工程に至る間
は温度を下げることなく各々の延伸温度と同じ温
度に保持され連続的に縦延伸を行つた。縦延伸は
回転速度が1m/minの低速ロールと3.5/minの
高速ロールの間で縦方向に3.5倍の延伸を行つた。
得られた二軸延伸フイルムは原反に対して縦方向
に9倍、横方向に6倍の延伸倍率であり、厚みは
15μであつた。得られたフイルムの表面粗度は中
心線平均粗さRaで0.042μであつた。 次いでこのフイルムを厚さ0.5mm2枚のガラス
板の間に挟んで固定し200℃で30秒間、加熱溶融
した後、140℃の一定温度に保たれたシリコンオ
イルバス中に速やかに移しこの温度条件下で再結
晶化を行なつた。この再結晶化した表面の球晶を
直交偏光子による偏光顕微鏡で観察した結果、該
表面は大きさ15〜30μの小さな球晶で形成されて
おり表面0.1mm2当りの球晶の個数は150〜300個で
あつた。この時の顕微鏡写真を第1図に示した。 尚表面粗度は東京精密(株)製554−A型により触
針径1μR触針圧0.7mN(0.07g)カツトオフ0.25mm、
測定長さ1.25mm、走査速度0.03mm/secにて測定さ
れたものである。 実施例 2 トリオキサン97.9重量%、エチレンオキサイド
2.0重量%、及び1,4−ブタンジオールジグリ
シジルエーテル0.1重量%からなる分枝状ポリオ
キシメチレンを調製した。 実施例1で用いた線状ポリオキシメチレン100
重量%に対し上記分枝状ポリオキシメチレンの添
加量が第1表に記載の割合になる様に各々添加混
合した。 次いで、各々について実施例1と同じく均質化
した後、厚さ800μ、巾150mmの原反を得た。さら
に同様な方法で二軸延伸を行い、それぞれの組成
からなる二軸延伸フイルムを得た。この時の延伸
温度は分枝状ポリオキシメチレンの添加量により
各々若干異なり、165〜175℃の範囲内で各組成に
最適な温度が選ばれた。 又得られた二軸延伸フイルムは各々原反に対し
て縦方向に9倍、横方向に6倍の延伸倍率であ
り、厚みは15μであつた。 各々のフイルムについてその表面粗度を測定し
た結果中心線平均粗さRaで第1表の通りであつ
た。 更に、得られた各フイルムについて実施例1と
同じく200℃で30秒間加熱溶融した後、140℃の温
度条件下で再結晶化を行なつた。この再結晶化さ
れた表面の球晶を直交偏光子による偏光顕微鏡で
観察し、該表面0.1mm2当りの球晶の個数を算出し
た。各フイルムについてこの結果を同じく第1表
に記載した。 又比較のために、分枝状ポリオキシメチレンを
含まない本実施例で用いた線状ポリオキシメチレ
ンのみからなる二軸延伸フイルムについても同様
な測定を行いその結果を同じく第1表に併記し
た。またこのフイルムの再溶融、再結晶化後の表
面の顕微鏡写真を第2図に示した。第1図と比較
すると球晶の大きさに大きな差があることが分
る。 更に第3図は第1表の結果について、表面0.1
mm2当りの球晶の個数と中心線平均粗さとの関係を
示したものである。この図より球晶の個数が増加
すると表面平滑性が優れてくることが判る。 以上の結果は本発明のフイルムがその表面平滑
性において極めて優れていることを示すものであ
る。
【表】
実施例 3
実施例1と同じ線状ポリオキシメチレンホモポ
リマーに、優れた核剤作用を有することが知られ
ている市販のポリオキシメチレン(ポリプラスチ
ツクス(株)製ジユラコンU−10グレード)を1,
3,5,10,30重量%それぞれ添加混合し、実施
例1と同じく均質混合されたペレツト状ポリオキ
シメチレンを得た。実施例1と同様にシート状に
加工した後二軸延伸を行い二軸延伸ポリオキシメ
チレンフイルムを得た。それぞれのフイルムにつ
いて中心線粗さRa、及び再溶融、再結晶化後の
表面0.1mm2当りの球晶の個数の測定結果を第2表
に示した。 実施例 4 実施例3で用いた核剤作用を有する市販のポリ
オキシメチレンのみを用いて二軸延伸フイルムを
実施例1と同様な方法で得た。このフイルムの表
面粗度Raは0.012μであり、再溶融、再結晶化後
の表面0.1mm2当りの球晶の個数は500個以上と極め
て小さな球晶から形成されていた。
リマーに、優れた核剤作用を有することが知られ
ている市販のポリオキシメチレン(ポリプラスチ
ツクス(株)製ジユラコンU−10グレード)を1,
3,5,10,30重量%それぞれ添加混合し、実施
例1と同じく均質混合されたペレツト状ポリオキ
シメチレンを得た。実施例1と同様にシート状に
加工した後二軸延伸を行い二軸延伸ポリオキシメ
チレンフイルムを得た。それぞれのフイルムにつ
いて中心線粗さRa、及び再溶融、再結晶化後の
表面0.1mm2当りの球晶の個数の測定結果を第2表
に示した。 実施例 4 実施例3で用いた核剤作用を有する市販のポリ
オキシメチレンのみを用いて二軸延伸フイルムを
実施例1と同様な方法で得た。このフイルムの表
面粗度Raは0.012μであり、再溶融、再結晶化後
の表面0.1mm2当りの球晶の個数は500個以上と極め
て小さな球晶から形成されていた。
【表】
実施例 5
実施例2において、分枝状ポリオキシメチレン
の量がそれぞれ0,0.01,5,20重量部なる厚さ
800μのシート(原反)を各々ロール圧延機によ
り縦方向の2.5倍圧延伸長した後、テンター横延
伸機、次いでロール縦延伸機に導き二軸延伸を行
つた。この時の延伸倍率は横方向に10倍、縦方向
に4.5倍に設定された。得られた二軸延伸フイル
ムは原反に対して縦方向に11倍、横方向に9倍の
延伸倍率であつた。この延伸は巻取速度が5m/
minで各々30分間実施された。 第3表に各々の組成に対して、延伸安定性の評
価結果及び得られた二軸延伸フイルムの縦方向の
引張弾性率の測定結果を記した。延伸安定性の評
価は30分間の連続運転で破断することなく延伸出
来たものを〇印、15分以上〜30分以下のものを△
印、15分以下のものを×印とした。この結果は本
発明のフイルムが延伸性能及び延伸安定性に優れ
るとともに、ホモ重合体の有する優れた機械的性
質をもほとんど損なうことなく、場合によつては
更に優れた特性を有していることを示すものであ
る。
の量がそれぞれ0,0.01,5,20重量部なる厚さ
800μのシート(原反)を各々ロール圧延機によ
り縦方向の2.5倍圧延伸長した後、テンター横延
伸機、次いでロール縦延伸機に導き二軸延伸を行
つた。この時の延伸倍率は横方向に10倍、縦方向
に4.5倍に設定された。得られた二軸延伸フイル
ムは原反に対して縦方向に11倍、横方向に9倍の
延伸倍率であつた。この延伸は巻取速度が5m/
minで各々30分間実施された。 第3表に各々の組成に対して、延伸安定性の評
価結果及び得られた二軸延伸フイルムの縦方向の
引張弾性率の測定結果を記した。延伸安定性の評
価は30分間の連続運転で破断することなく延伸出
来たものを〇印、15分以上〜30分以下のものを△
印、15分以下のものを×印とした。この結果は本
発明のフイルムが延伸性能及び延伸安定性に優れ
るとともに、ホモ重合体の有する優れた機械的性
質をもほとんど損なうことなく、場合によつては
更に優れた特性を有していることを示すものであ
る。
【表】
実施例 6
実施例1で用いた線状ポリオキシメチレンホモ
重合体100重量部に対して実施例2で用いた分枝
状ポリオキシメチレンを0.5重量部を添加混合し
たもの、及びこれにさらに線状ポリオキシメチレ
ン共重合体(旭化成工業(株)製テナツクC−3510
グレード)3重量部を添加混合したもの両者につ
いて、実施例5と同様に二軸延伸を行いこの時の
延伸安定性を両者について比較した。その結果、
共重合体成分を含まないものは安定性にバラツキ
はあつたが、20〜60分間での破断が多く見られた
のに対し、共重合体成分を含むものは1時間以上
全く破断することなく延伸を行うことが出来た。 尚、得られたフイルムの縦方向の縦方向の引張
弾性率はいずれも770Kg/mm2で両者には差はなか
つた。 以上の結果は、線状ポリオキシメチレンホモ重
合体と分枝状ポリオキシメチレンからなる混合物
に、少量の線状ポリオキシメチレン共重合体を混
合することによつて、ホモ重合体の有する優れた
機械的性質を損なうことなく更に一層延伸性能及
び延伸安定性が向上することを示すものである。 〈発明の効果〉 本発明の二軸延伸ポリオキシメチレンフイルム
はポリオキシメチレンの有する優れた機械的、熱
的性質を損なうことなく、その表面平滑性が大幅
に改良されたフイルムであり、又このフイルムを
製造するに当つても、その延伸安定性を大きく向
上せしめることが出来る。又本発明のフイルムは
かかる特性を利用する用途、例えば磁気テープ、
フロツピーデイスク等の磁気記録媒体用ベースフ
イルムあるいは熱転写用リボンカセツトフイルム
等の感熱転写シートのベースフイルム等種々の応
用分野に適用することが出来、その工業的意義は
極めて大きい。
重合体100重量部に対して実施例2で用いた分枝
状ポリオキシメチレンを0.5重量部を添加混合し
たもの、及びこれにさらに線状ポリオキシメチレ
ン共重合体(旭化成工業(株)製テナツクC−3510
グレード)3重量部を添加混合したもの両者につ
いて、実施例5と同様に二軸延伸を行いこの時の
延伸安定性を両者について比較した。その結果、
共重合体成分を含まないものは安定性にバラツキ
はあつたが、20〜60分間での破断が多く見られた
のに対し、共重合体成分を含むものは1時間以上
全く破断することなく延伸を行うことが出来た。 尚、得られたフイルムの縦方向の縦方向の引張
弾性率はいずれも770Kg/mm2で両者には差はなか
つた。 以上の結果は、線状ポリオキシメチレンホモ重
合体と分枝状ポリオキシメチレンからなる混合物
に、少量の線状ポリオキシメチレン共重合体を混
合することによつて、ホモ重合体の有する優れた
機械的性質を損なうことなく更に一層延伸性能及
び延伸安定性が向上することを示すものである。 〈発明の効果〉 本発明の二軸延伸ポリオキシメチレンフイルム
はポリオキシメチレンの有する優れた機械的、熱
的性質を損なうことなく、その表面平滑性が大幅
に改良されたフイルムであり、又このフイルムを
製造するに当つても、その延伸安定性を大きく向
上せしめることが出来る。又本発明のフイルムは
かかる特性を利用する用途、例えば磁気テープ、
フロツピーデイスク等の磁気記録媒体用ベースフ
イルムあるいは熱転写用リボンカセツトフイルム
等の感熱転写シートのベースフイルム等種々の応
用分野に適用することが出来、その工業的意義は
極めて大きい。
第1図は本発明のフイルムの再溶融、再結晶化
後の表面の結晶の構造の顕微鏡写真であり、第2
図は比較のためのフイルムの再溶融、再結晶後の
表面の結晶の構造の顕微鏡写真である。第3図は
球晶数と表面粗度の関係を表わしたグラフであ
る。第4図は本発明の実施に際して使用しうる装
置の模式図である。
後の表面の結晶の構造の顕微鏡写真であり、第2
図は比較のためのフイルムの再溶融、再結晶後の
表面の結晶の構造の顕微鏡写真である。第3図は
球晶数と表面粗度の関係を表わしたグラフであ
る。第4図は本発明の実施に際して使用しうる装
置の模式図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 主鎖の主要部が実質的にオキシメチレン基−(
CH2−O−)の繰り返し単位から構成されるポリオ
キシメチレン重合体からなる二軸延伸フイルムで
あつて、該フイルムを該フイルムの融点以上で再
溶融し、140℃にてフイルム状に等温再結晶化し
た後、直交偏光子による偏光顕微鏡で測定したと
き該フイルム表面の結晶組織中のポリオキシメチ
レンの球晶の個数が該フイルム表面0.1mm2当たり
50個以上である、二軸延伸ポリオキシメチレンフ
イルム。 2 実質的にオキシメチレン基−(CH2−O−)の繰
り返し単位から構成されるポリオキシメチレン重
合体が線状ポリオキシメチレン重合体と分枝状ポ
リオキシメチレン重合体とを含む混合物からな
り、かつ該分枝状ポリオキシメチレンの量が、該
線状ポリオキシメチレン重合体100重量部に対し
て少なくとも0.01重量部以上であることを特徴と
する請求項第1項記載の二軸延伸ポリオキシメチ
レンフイルム。 3 線状ポリオキシメチレン重合体が、ホモ重合
体と共重合体との混合物であつて、該共重合体の
量がホモ重合体100重量部に対して0.1重量部以上
であることを特徴とする請求項第2項記載の二軸
延伸ポリオキシメチレンフイルム。 4 分枝状ポリオキシメチレンが、トリオキサン
とトリオキサンと共重合しうる少なくとも1つの
多官能的に反応する化合物、又はトリオキサンと
トリオキサンと共重合しうる少なくとも1つの多
官能的に反応する化合物とトリオキサンと共重合
しうる少なくとも1つの単官能的に反応する化合
物とからなる共重合体である請求項第2項記載の
二軸延伸ポリオキシメチレンフイルム。 5 分枝状ポリオキシメチレンが、トリオキサン
と環状エーテル及び二官能性化合物からなる共重
合体である請求項第2項記載の二軸延伸ポリオキ
シメチレンフイルム。 6 二軸延伸ポリオキシメチレンフイルムが磁気
記録媒体用ベースフイルムである請求項第1項又
は第2項記載の二軸延伸ポリオキシメチレンフイ
ルム。 7 主鎖の主要部が実質的にオキシメチレン基−(
CH2−O−)の繰り返し単位から構成されるポリオ
キシメチレン重合体からなる原反シートあるいは
原反フイルムを1方向に延伸(前段延伸)した
後、該シートあるいはフイルムの温度を差動熱量
計によつて測定された原反の結晶融解曲線のピー
ク温度より30℃低い温度から該ピーク温度より5
℃高い温度の温度範囲に保持しつつ次いで前段延
伸の方向に対して直角方向に後段延伸を行うこと
を特徴とした、二軸延伸後の同フイルムを融点以
上で再溶融し、140℃にてフイルム状に等温再結
晶化した後、直交偏光子による偏光顕微鏡で測定
したとき、該フイルム表面の結晶組織中のポリオ
キシメチレンの球晶の個数が該フイルム表面0.1
mm2当たり50個以上である二軸延伸ポリオキシメチ
レンフイルムの製造方法。 8 原反を圧下率rが式 1.2≦1/1−r≦5 r=1−t/t0 ここにt0:圧延前の原反の厚さ t:圧延後の原反の厚さ になるまで縦方向に圧延した後、横方向に5倍以
上の前段延伸を行い、次いで縦方向に5(1−r)
倍以上の後段延伸を行うことを特徴とする請求項
第7項記載の二軸延伸ポリオキシメチレンフイル
ムの製造方法。 9 前段及び後段延伸するに際して、差動熱量計
によつて測定された原反の結晶融解曲線のピーク
温度より25℃低い温度から該ピーク温度より5℃
高い温度の温度範囲で行うことよりなる請求項第
7項記載の二軸延伸ポリオキシメチレンフイルム
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63178044A JPH01286820A (ja) | 1987-07-21 | 1988-07-19 | 2軸延伸ポリオキシメチレンフィルム |
Applications Claiming Priority (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62-179923 | 1987-07-21 | ||
| JP17992387 | 1987-07-21 | ||
| JP63-12586 | 1988-01-25 | ||
| JP63178044A JPH01286820A (ja) | 1987-07-21 | 1988-07-19 | 2軸延伸ポリオキシメチレンフィルム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01286820A JPH01286820A (ja) | 1989-11-17 |
| JPH0422418B2 true JPH0422418B2 (ja) | 1992-04-17 |
Family
ID=26498360
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63178044A Granted JPH01286820A (ja) | 1987-07-21 | 1988-07-19 | 2軸延伸ポリオキシメチレンフィルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01286820A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5208333B2 (ja) * | 2000-06-23 | 2013-06-12 | ポリプラスチックス株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物 |
| US8283435B2 (en) | 2003-02-21 | 2012-10-09 | Metabolix, Inc. | PHA adhesive compositions |
| JP4724111B2 (ja) | 2003-02-21 | 2011-07-13 | メタボリックス インコーポレイティッド | Phaブレンド |
| AU2004312517B2 (en) | 2003-12-30 | 2010-07-08 | Metabolix, Inc. | Nucleating agents |
| JP5239158B2 (ja) * | 2006-12-27 | 2013-07-17 | 三菱瓦斯化学株式会社 | オキシメチレン共重合体延伸材料 |
-
1988
- 1988-07-19 JP JP63178044A patent/JPH01286820A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01286820A (ja) | 1989-11-17 |
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