JPH04229607A - 軟磁性薄膜およびその製造方法 - Google Patents

軟磁性薄膜およびその製造方法

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JPH04229607A
JPH04229607A JP12251591A JP12251591A JPH04229607A JP H04229607 A JPH04229607 A JP H04229607A JP 12251591 A JP12251591 A JP 12251591A JP 12251591 A JP12251591 A JP 12251591A JP H04229607 A JPH04229607 A JP H04229607A
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JP
Japan
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thin film
soft magnetic
magnetic thin
plating bath
ions
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JP12251591A
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Osamu Shinoura
治 篠浦
Fujimi Kimura
富士巳 木村
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、電気めっき法により形
成される軟磁性薄膜およびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】薄膜磁気ヘッドや薄膜トランスの軟磁性
薄膜には、低保磁力、高飽和磁束密度、低磁歪等の優れ
た軟磁気特性が要求される。 【0003】これらの軟磁性薄膜は、スパッタ法等の気
相成膜法や電気めっき法等の液相成膜法により形成され
るのが一般的であるが、電気めっき法には、大面積の成
膜が容易で、しかも均一性の高い膜が得られ、また、工
数が少ないという利点がある。 【0004】電気めっき法により形成される軟磁性薄膜
としては、パーマロイ(Ni−Fe合金)、Co−Ni
−Fe合金、Co−Fe合金等が挙げられる。 【0005】しかし、パーマロイ薄膜は飽和磁束密度B
s が10kG未満であり、高保磁力媒体用の薄膜ヘッ
ドに適用するにはBs が不十分である。 【0006】電気めっきによりCo−Ni−Fe合金薄
膜を形成することは、特公昭63−53277号公報に
記載されている。しかし、Co−Ni−Fe合金のよう
な三元系の合金の電気めっきでは、めっき浴の管理が極
めて煩雑であり、工業的に量産するためには問題が多い
。具体的には、電気めっき法では、例えばpH、温度、
錯体構造の厳密な管理が必要であり、二元系合金のめっ
きに際しては1種の金属イオンに関してだけこれらの条
件を制御すればよいが、三元系合金の場合、2種の金属
イオンについて制御しなければならない。 【0007】また、Co−Ni−Fe合金薄膜は、上記
公報に記載されているようにBs (4πMs)が16
kG以下であり、高保磁力媒体用の薄膜磁気ヘッドに適
用するには不十分である。 【0008】電気めっきにより形成されたCo−Fe合
金薄膜およびCo−Fe−M(ただしMは III−V
A族元素)合金薄膜は、IEEE TRANSACTI
ONS ON MAGNETICS. VOL.26,
 NO.1, JANUARY 1990の第328〜
332ページに記載されており、第331ページのFi
g.8から明らかなように、Co−Fe合金薄膜では保
磁力Hc が4 Oe を超え、Co−Fe−M合金薄
膜では1 Oe を超えている。また、薄膜磁気ヘッド
の軟磁性薄膜では磁気記録媒体側とコイル側とで膜厚が
異なるが、同図では膜厚によるHc 変化が大きく、1
μm 程度の膜厚が必要な部分では問題がある。また、
磁極全体でのHc の面内分布が不均一となってウィグ
ルやポップコーンノイズ等を生じ、動特性的に好ましく
ない。 【0009】さらに、Co−Fe−Mは三元系合金であ
るため上記したようにめっき浴の管理が困難であり、量
産に適さない。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、低保磁力、高飽和磁束密度
および低磁歪を有する軟磁性薄膜を、めっき浴の煩雑な
管理なしに電気めっき法により実現することを目的とす
る。 【0011】 【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)の本発明により達成される。(1)C
oを主成分とし、Feの含有量が2〜15重量%であり
、Sの含有量が500〜2000ppm であって、電
気めっき法により形成されたことを特徴とする軟磁性薄
膜。 【0012】(2)M(ただし、Mは、Cr、Cu、C
u、Sn、Y、Ru、Au、Pd、AgおよびPtから
選択される1種以上の元素を表わす)を含有する上記(
1)に記載の軟磁性薄膜。 【0013】(3)自然電極電位が−0.2V以上であ
る上記(2)に記載の軟磁性薄膜。 【0014】(4)保磁力Hc が3 Oe 以下であ
り、飽和磁束密度Bs が15kG以上であり、飽和磁
歪定数λs が1×10−6以下である上記(1)ない
し(3)のいずれかに記載の軟磁性薄膜。 【0015】(5)スルフィン酸基もしくはその塩、ス
ルホン酸基もしくはその塩、スルホンイミド基またはス
ルホンアミド基を有する化合物、チオ尿素系化合物およ
びメルカプトジカルボン酸から選択される1種以上の化
合物と、Co(II)イオンおよびFe(II)イオン
とを含有するめっき浴を用いて軟磁性薄膜を形成するこ
とを特徴とする軟磁性薄膜の製造方法。 【0016】(6)前記めっき浴に不飽和アルコールが
含有される上記(5)に記載の軟磁性薄膜の製造方法。 【0017】(7)前記めっき浴にナフタレン−トリス
ルホン酸もしくはその塩とプロパギルアルコールとが含
有される上記(6)に記載の軟磁性薄膜の製造方法。 【0018】(8)Co(II)イオンの濃度が0.0
5〜4モル/lであり、Fe(II)イオンの濃度が0
.001〜0.4モル/lであるめっき浴を用いる上記
(5)ないし(7)のいずれかに記載の軟磁性薄膜の製
造方法。 【0019】(9)0.5〜10A/dm2 の電流密
度にて軟磁性薄膜を形成する上記(5)ないし(8)の
いずれかに記載の軟磁性薄膜の製造方法。 【0020】(10)上記(1)ないし(4)のいずれ
かの記載の軟磁性薄膜が製造される上記(5)ないし(
9)のいずれかに記載の軟磁性薄膜の製造方法。 【0021】 【作用】本発明の軟磁性薄膜は電気めっき法により形成
され、Coを主成分とし、FeおよびSを含有するもの
である。 【0022】このような組成により、本発明の軟磁性薄
膜は、3 Oe 以下、特に1 Oe 以下の保磁力H
c 、15kG以上の飽和磁束密度Bs および1×1
0−6以下の飽和磁歪定数λs が容易に得られ、例え
ば薄膜磁気ヘッドや薄膜トランス用の軟磁性薄膜として
極めて有用である。 【0023】しかも、本発明の軟磁性薄膜形成に際して
用いるめっき浴中において、Sはイオンとして存在しな
いため、二元系合金の場合と同様、めっき浴の管理が容
易である。 【0024】また、本発明の軟磁性合金に、Cr、Cu
、Sn、Y、Ru、Au、Pd、AgおよびPtから選
択される1種以上の元素を含有させることにより、耐食
性を著しく向上させることができる。 【0025】 【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明の軟磁性薄膜は電気めっき法により
形成され、Coを主成分とし、FeおよびSを含有する
。 【0026】Feの含有量は、2〜15重量%、好まし
くは3〜9重量%とする。Feの含有量が前記範囲を外
れると、飽和磁歪定数λs が大きくなり、高い透磁率
が得られなくなる。 【0027】Sの含有量は、500〜2000ppm 
、好ましくは1000〜1500ppm とする。Sの
含有量が前記範囲未満であると、低い保磁力Hc が得
られなくなり、前記範囲を超えると、耐食性が低下する
。なお、Sの含有量は、炭素、イオウ分析装置(CS計
)により測定することが好ましい。 【0028】FeおよびSを除いた残部が実質的にCo
であるが、本発明の軟磁性薄膜には、さらにM(ただし
、Mは、Cr、Cu、Sn、Y、Ru、Au、Pd、A
gおよびPtから選択される1種以上の元素を表わす)
が含有されることが好ましい。Mを含有することにより
、軟磁性薄膜の耐食性が向上し、−0.2V以上の自然
電極電位が得られる。なお、本明細書における自然電極
電位とは、常温の1N−HCl中におけるAg/AgC
l電極との電位差であり、この値が小さいほど貴であっ
て耐食性が良好である。 【0029】また、特にPdを添加すれば、Feリッチ
の高Bs 膜とした場合でも、磁歪を零付近にすること
が可能である。 【0030】Mの含有量は、軟磁性薄膜の5重量%以下
、特に3重量%以下とすることが好ましい。Mの含有量
が前記範囲を超えると、飽和磁束密度Bs が低下する
傾向にある。なお、耐食性を有意に向上させるためには
、Mを0.5重量%以上含有させればよい。 【0031】なお、本発明の軟磁性薄膜中には、これら
の他、通常、炭素Cが200〜1500ppm程度含ま
れる。 【0032】本発明の軟磁性薄膜は、通常、アモルファ
スに近い超微粒子からなる主相中に面心立方(fcc)
構造または六方最密充填(hcp)構造の微粒、あるい
はこれらの構造が混在した微粒が分散している組織構造
を有し、微粒の粒径は50〜100A 程度である。こ
れらは、透過型電子顕微鏡やX線回折等により確認する
ことができる。また、軟磁性薄膜中において、Sは特に
粒界に存在すると考えられる。 【0033】このような組織構造は、Sの含有量を前記
範囲とすることにより実現できる。そして、本発明によ
り得られる低いHc は、上記組織構造に拠ると考えら
れる。一般に、基板の表面状態に依存して軟磁性薄膜内
部には応力が発生し、この応力によりHc が高くなっ
てしまうが、前記範囲のSを含有する軟磁性薄膜は基板
の表面状態の影響を受けにくく、安定して低Hc が得
られる。 【0034】本発明の軟磁性薄膜は、低いHc 、高い
Bs および低いλs を有する。具体的には、Hc 
として3 Oe 以下、特に1 Oe 以下、さらには
0.5 Oe 以下が得られ、Bs として15kG以
上、特に16kG以上が得られ、λs として1×10
−6以下、特に0.5×10−6以下が得られる。 【0035】本発明の軟磁性薄膜は、下記のような電気
めっき法により形成されることが好ましい。 【0036】本発明において好ましく用いられるめっき
浴は、Co(II)イオンとFe(II)イオンとを含
有し、さらにSを含む化合物を含有するものである。 【0037】本発明で用いるSを含む化合物としては、
スルフィン酸基もしくはその塩、スルホン酸基もしくは
その塩、スルホンイミド基またはスルホンアミド基を有
する化合物、チオ尿素系化合物およびメルカプトジカル
ボン酸から選択される1種以上の化合物が好ましい。 【0038】スルフィン酸基もしくはその塩、スルホン
酸基もしくはその塩、スルホンイミド基またはスルホン
アミド基を有する化合物としては、置換または非置換の
ベンゼン核やナフタレン核にこれらの基が結合している
化合物が好ましく、これらの基を2個以上、特に3個以
上有する化合物が好ましい。具体的には、ナフタレン−
ジスルホン酸ナトリウム、ナフタレン−トリスルホン酸
ナトリウム、サッカリン等が好ましい。チオ尿素系化合
物としては、チオ尿素等が好ましい。メルカプトジカル
ボン酸としては、チオりんご酸等が好ましい。 【0039】これらSを含む化合物のうち、特に好まし
いものはナフタレン−トリスルホン酸もしくはその塩で
あり、塩としてはナトリウム塩やカリウム塩等のいずれ
であってもよいが、最も好ましいものは、ナフタレン−
1,3,6−トリスルホン酸トリナトリウムである。 【0040】Sを含む化合物は、めっき浴中に1種だけ
含有されてもよく、2種以上含有されてもよい。 【0041】Sを含む化合物のめっき液中における濃度
は、化合物中のS数によっても異なるが、通常、10〜
60g/l 、特に30〜60g/l であることが好
ましい。 Sを含む化合物の濃度が前記範囲未満であると、めっき
膜中へ取り込まれるS量が不足する傾向にあり、前記範
囲を超えるとめっき浴が不安定になりやすく、また、膜
中のS量が多くなり耐食性が低下する。 【0042】Co(II)イオン源やFe(II)イオ
ン源となる化合物は、通常の電気めっき浴に用いられる
各種Co化合物やFe化合物であってよく、特に制限は
ない。例えば、Co(II)イオン源としては、硫酸コ
バルト、スルファミン酸コバルト、塩化コバルト等の1
種以上を用いることができ、Fe(II)イオン源とし
ては、硫酸第一鉄、スルファミン酸第一鉄、塩化第一鉄
等の1種以上を用いることができる。 【0043】めっき浴中におけるCo(II)イオンの
濃度は、0.05モル/l以上、特に〜0.1モル/l
以上であることが好ましく、4モル/l以下、特に1.
0モル/l以下であることが好ましい。Co(II)イ
オンの濃度が前記範囲未満であると析出速度の低下や異
常析出が起こりやすく、前記範囲を超えるとめっき浴の
粘度が上昇し作業性も悪くなる。 【0044】また、めっき浴中におけるFe(II)イ
オンの濃度は、0.001モル/l以上、特に0.00
15モル/l以上であることが好ましく、0.4モル/
l以下、特に0.1モル/l以下であることが好ましい
。 Fe(II)イオンの濃度が前記範囲未満であると膜中
に取り込まれるFeが少なくなり、前記範囲を超えると
膜中のFeが多くなり、いずれも磁歪値が大きくなって
良好な特性が得られなくなり、また、Hc も高くなり
すぎる。 【0045】軟磁性薄膜中に前記した元素Mを含有させ
る場合、M源としては、硝酸や塩酸等の塩等が挙げられ
、これらから適宜選択すればよい。 【0046】また、Mイオンのめっき浴中の濃度は、通
常、主金属イオンであるCo(II)およびFe(II
)の合計に対して0.01〜3%程度であることが好ま
しい。すなわち、Co(II)イオンが0.1モル/l
、Fe(II)イオンが0.005モル/lであるめっ
き浴では、Mイオンは1×10−5〜3×10−3モル
/l程度である。Mイオンの濃度が前記範囲未満である
と、Mが十分に膜中に取り込まれず、特性改善に寄与し
ない傾向にある。前記範囲を超えると、膜中のM量が多
くなりすぎて低Bs や高Hc となりやすい。 【0047】なお、Mの種類により、浴中濃度と膜中濃
度との関係は大きく異なることが多いので、浴中への具
体的な添加量は実験的に定めればよい。 【0048】めっき浴には、不飽和アルコールが含有さ
れることが好ましい。不飽和アルコールの添加によりさ
らに微結晶化が進み、低Hc が得られる。 【0049】不飽和アルコールは、2重結合を有するも
のであっても3重結合を有するものであってもよいが、
効果が高いことから3重結合を有するものがより好まし
い。 【0050】不飽和アルコールのうち、特に好ましいも
のは、炭素原子数3〜5で分子内に三重結合を有する1
価または2価のアルコール、例えば、プロパギルアルコ
ール、ブチンジオールであり、これらのうちプロパギル
アルコールが特に好ましい。特に、前述したナフタレン
−トリスルホン酸もしくはその塩とプロパギルアルコー
ルとの併用は、極めて好ましい相乗的効果を与える。ナ
フタレン−トリスルホン酸もしくはその塩とプロパギル
アルコールとでは、吸着し易い陰極表面電位が異なるた
めに、単一添加剤では得られない微結晶が得られ、その
結果、低Hc となるものと推定される。 【0051】めっき浴中における不飽和アルコールの含
有量は、0.001〜0.05ml/l であることが
好ましい。含有量が前記範囲未満であると効果が不十分
であり、前記範囲を超えると無めっきや内部応力の増大
が生じる傾向にある。 【0052】めっき浴中には、これらの他、ほう酸等の
pH緩衝剤、硫酸アンモニウムや塩化アンモニウム等の
導電助剤、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤等、
通常の電気めっき浴に含有される成分が含有されること
が好ましい。これらは必要に応じて適宜選択されればよ
く、また、これらの含有量も通常の範囲であってよい。 【0053】電気めっきの際の電流密度は各種条件に応
じて適宜設定すればよいが、0.5〜10A/dm2 
、特に0.5〜3A/dm2とすることが好ましい。電
流密度が前記範囲未満であると膜形成速度が不十分であ
り、工業的に量産することが困難である。電流密度が前
記範囲を超えるとHc が大きくなり、良好な軟磁気特
性が得られにくくなる。なお、この場合のHc の増大
は、膜の内部応力が増加することに起因すると考えられ
る。 【0054】めっき浴の温度は、15〜80℃、特に2
5〜50℃であることが好ましい。めっき浴温度が前記
範囲未満であると導電率が低くなってめっき電圧が高く
なったり異常析出が起こりやすく、前記範囲を超えると
めっき浴が不安定となりやすい。 【0055】めっき浴のpHは1.2〜4.5、特に1
.8〜3.0であることが好ましい。めっき浴のpHが
前記範囲未満であると析出効率が悪くなり、前記範囲を
超えるとFe(II)イオンが沈殿しやすくなる。 【0056】なお、磁界中でめっきを行なってもよい。 磁界強度は20〜1500 Oe 程度とすることが好
ましい。磁界中で軟磁性薄膜を形成することにより、目
的とする方向に磁化容易軸のある一軸異方性が得られる
。 【0057】また、めっきの際に直交磁界を印加するこ
とにより、軟磁性薄膜の磁気異方性を改善することが可
能である。直交磁界の印加は、磁化容易軸としたい方向
とそれに垂直な方向とに交互に磁界を印加する方法が好
ましい。この場合、磁化容易軸としたい方向に印加する
磁界強度をより高くするか、両方向の磁界強度を同じと
して、磁化容易軸としたい方向の磁界印加時間をより長
くする。あるいは磁化容易軸としたい方向により高い強
度の磁界をより長く印加してもよい。直交磁界の周波数
は、例えば0.01〜60Hz程度、特に0.1〜1H
z程度とすることが好ましい。 【0058】また、めっき後に回転磁界中熱処理を行な
うことによっても軟磁性薄膜の磁気異方性を改善するこ
とが可能である。回転磁界中熱処理の際の条件は、回転
数1〜200rpm 程度、温度200〜300℃程度
、処理時間10分間〜1時間程度とすることが好ましく
、また、処理は、10−4Pa程度以下のほぼ真空や、
N2 やAr等の不活性ガス雰囲気中で行なうことが好
ましい。 【0059】本発明の軟磁性薄膜は、通常、極めて微小
な磁界強度にて使用されるが、微小な磁界強度では磁化
困難軸の方向においてより高い透磁率が得られるので、
通常は磁化困難軸方向に磁界が印加されるように使用さ
れる。上記したような直交磁界中めっきや、めっき後の
回転磁界中熱処理を行なえば、磁化困難軸方向のHk 
が小さくなり、より高い透磁率が得られる。 【0060】本発明の軟磁性薄膜は、低Hc 、高Br
 、低λs が要求される様々な用途に好適であるが、
特に、薄膜磁気ヘッドの磁極材や薄膜トランスのコア材
に好適である。 【0061】薄膜磁気ヘッドでは、セラミック製の基板
や、セラミック、ガラス、金属等からなる下地層上に軟
磁性薄膜が形成される。 【0062】軟磁性薄膜を形成する際には、被形成面に
導電性を付与するために、各種導電性金属の下地膜を例
えばスパッタ法等により設けておく。この際に用いる導
電性金属に特に制限はないが、より低いHc を得るた
めには、パーマロイを用いることが好ましい。なお、下
地膜の厚さは、通常、50〜1000A 程度とすれば
よい。 【0063】本発明の軟磁性薄膜の厚さは、目的に応じ
て適宜決定すればよく、特に制限はないが、低いHc 
を得るためには、通常、0.5〜10μm程度とするこ
とが好ましく、また、薄膜磁気ヘッドに適用する場合は
0.5〜4.5μm 程度、薄膜トランスに適用する場
合は3〜7μm 程度とすることが好ましい。 【0064】 【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。[実施例1]10×20×0
.1mmのガラス基板表面に、スパッタ法により厚さ5
00A のパーマロイ(Ni81Fe19)下地膜を形
成した。 【0065】この下地膜表面を、純水により10分間超
音波水洗した後、常温の0.2N−HClにより10秒
間酸洗し、さらに純水で1分間水洗した。 【0066】この基板上に、電気めっき法により下記表
2に示される軟磁性薄膜サンプルを作製した。各サンプ
ルの作製には、下記のめっき浴を用いた。 【0067】(めっき浴組成) 硫酸第一鉄 0.008mol/l 硫酸コバルト 0.15mol/l  ほう酸 20g/l  塩化アンモニウム 30g/l  ラウリル硫酸ナトリウム 0.05g/l  プロパギルアルコール 0.02ml/l ナフタレン−トリスルホン酸ナトリウム表1参照 【0068】 【表1】 【0069】めっき浴温度は40℃、めっき浴のpHは
2.2、電流密度は2A/dm2 、めっき時間は5分
間とし、600 Oe の直流磁界を印加しながら電気
めっきを行なった。 【0070】軟磁性薄膜サンプルの厚さは、1μm と
した。これらのサンプルの組成を表2に示す。なお、表
2にはFeおよびSの含有量を示したが、残部はCoで
ある。組成の測定は、プラズマ発光分析(ICP)およ
び炭素、イオウ分析装置(CS計)により行なった。 【0071】各サンプルに対し、下記の測定を行なった
。結果を表2に示す。 【0072】(保磁力Hc ) B−Hトレーサにより60Hzにて測定した。 【0073】(飽和磁束密度Bs ) 振動試料型磁力計(VSM)により測定した。 【0074】(飽和磁歪定数λs ) サンプルを膜面内に回転する磁界中に配置して、サンプ
ルの反りを同期整流方式によってレーザーを用いて検出
、測定した。 【0075】(自然電極電位) 照合電極にAg/AgCl電極を用い、常温の1N−H
Cl中で測定した。 【0076】 【表2】 【0077】[実施例2] 下記めっき浴を用いて、下記表4に示される軟磁性薄膜
サンプルを作製した。めっき浴組成以外の条件は、実施
例1と同様とした。 【0078】(めっき浴組成) スルファミン酸第一鉄 表3参照 スルファミン酸コバルト 表3参照 ほう酸 25g/l  スルファミン酸アンモニウム 45g/l  界面活性剤D−2(上村工業株式会社)2ml/l  プロパギルアルコール 0.02ml/l ナフタレン−トリスルホン酸ナトリウム60g/l  【0079】 【表3】 【0080】得られたサンプルについて、実施例1と同
様な測定を行なった。結果を表4に示す。 【0081】 【表4】 【0082】[実施例3] めっき浴中に硝酸イットリウムまたは塩化第一錫を添加
し、その他は実施例2と同様にして、下記表6に示され
る軟磁性薄膜サンプルを作製した。めっき浴中における
硝酸イットリウムおよび塩化第一錫の含有量を、下記表
5に示す。 【0083】 【表5】 【0084】これらのサンプルについて、実施例1と同
様な測定を行なった。結果を表6に示す。 【0085】 【表6】 【0086】上記実施例3において、YまたはSnに替
え、あるいはこれらに加え、Cr、Cu、Ru、Au、
Pd、AgおよびPtの1種以上を添加した場合でも、
表6に示されるサンプルと同等の耐食性向上が認められ
た。 【0087】また、上記各実施例に準じて、2μm 厚
の軟磁性薄膜サンプル、3μm 厚の軟磁性薄膜サンプ
ルおよび4μm の軟磁性薄膜サンプルを作製し、これ
らについてそれぞれHc の測定を行なったところ、1
μm 厚の軟磁性膜に対し、Hc の変化は20%以下
であった。 【0088】また、S源として、ナフタレン−ジスルホ
ン酸ナトリウム、サッカリン、チオ尿素、チオりんご酸
を用いて軟磁性薄膜を形成したところ、上記した各サン
プルと同様にSを含有する膜が得られ、同様な効果が認
められたが、ナフタレン−トリスルホン酸ナトリウムと
プロパギルアルコールとを併用したときの効果が最も優
れていた。 【0089】なお、上記各実施例において用いたナフタ
レン−トリスルホン酸ナトリウムは、ナフタレン−1,
3,6−トリスルホン酸トリナトリウムである。 【0090】以上の実施例の結果から、本発明の効果が
明らかである。すなわち、本発明によれば、低Hc 、
高Br および低λs の軟磁性薄膜が実現し、また、
所定の元素を添加することにより高い耐食性が得られる
。 【0091】 【発明の効果】本発明によれば、低Hc 、高Br お
よび低λs の軟磁性薄膜が実現し、また、このような
軟磁性薄膜の耐食性を向上させることができる。しかも
、製造に用いるめっき浴は煩雑な管理が不必要であるた
め、高い生産性が得られる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  Coを主成分とし、Feの含有量が2
    〜15重量%であり、Sの含有量が500〜2000p
    pm であって、電気めっき法により形成されたことを
    特徴とする軟磁性薄膜。
  2. 【請求項2】  M(ただし、Mは、Cr、Cu、Sn
    、Y、Ru、Au、Pd、AgおよびPtから選択され
    る1種以上の元素を表わす)を含有する請求項1に記載
    の軟磁性薄膜。
  3. 【請求項3】  自然電極電位が−0.2V以上である
    請求項2に記載の軟磁性薄膜。
  4. 【請求項4】  保磁力Hc が3 Oe 以下であり
    、飽和磁束密度Bs が15kG以上であり、飽和磁歪
    定数λs が1×10−6以下である請求項1ないし3
    のいずれかに記載の軟磁性薄膜。
  5. 【請求項5】  スルフィン酸基もしくはその塩、スル
    ホン酸基もしくはその塩、スルホンイミド基またはスル
    ホンアミド基を有する化合物、チオ尿素系化合物および
    メルカプトジカルボン酸から選択される1種以上の化合
    物と、Co(II)イオンおよびFe(II)イオンと
    を含有するめっき浴を用いて軟磁性薄膜を形成すること
    を特徴とする軟磁性薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】  前記めっき浴に不飽和アルコールが含
    有される請求項5に記載の軟磁性薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】  前記めっき浴にナフタレン−トリスル
    ホン酸もしくはその塩とプロパギルアルコールとが含有
    される請求項6に記載の軟磁性薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】  Co(II)イオンの濃度が0.05
    〜4モル/lであり、Fe(II)イオンの濃度が0.
    001〜0.4モル/lであるめっき浴を用いる請求項
    5ないし7のいずれかに記載の軟磁性薄膜の製造方法。
  9. 【請求項9】  0.5〜10A/dm2 の電流密度
    にて軟磁性薄膜を形成する請求項5ないし8のいずれか
    に記載の軟磁性薄膜の製造方法。
  10. 【請求項10】  請求項1ないし4のいずれかの記載
    の軟磁性薄膜が製造される請求項5ないし9のいずれか
    に記載の軟磁性薄膜の製造方法。
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