JPH042574B2 - - Google Patents

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JPH042574B2
JPH042574B2 JP58063254A JP6325483A JPH042574B2 JP H042574 B2 JPH042574 B2 JP H042574B2 JP 58063254 A JP58063254 A JP 58063254A JP 6325483 A JP6325483 A JP 6325483A JP H042574 B2 JPH042574 B2 JP H042574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な抗ウイルス活性物質に関し、さ
らに詳しくは、オトギリソウ科オトギリソウ
(Hypericum erectum)植物に由来する、抗ウイ
ルススペクトルが広く、殺ウイルス的作用とウイ
ルス増殖抑制作用の両作用を兼備し且つ細胞毒性
の低い抗ウイルス活性物質に関する。 従来より抗ウイルス剤(化学療法剤)として各
種のものが報告されているが、これら従来の抗ウ
イルス剤はウイルス特異性が大きく特定のウイル
ス感染症に対してしか効果がなく、また、ウイル
スの宿主細胞内増殖のどこかの過程を阻害すると
いう作用機序をもつのが基本である。ところが発
病時にはウイルスの増殖は極大に達していること
が多く、従来のウイルス増殖阻害作用を基本とす
る抗ウイルス剤だけでは治療効果があまり期待で
きないというのが実情である。 本発明者は抗ウイルススペクトルが広く且つウ
イルス増殖抑制作用のみならず殺ウイルス作用を
も兼ね備えた抗ウイルス剤を求めて鋭意研究を行
なつている過程で、偶然にも、止血、収斂及び含
嗽用の生薬として民間で使用されているオトギリ
ソウ科オトギリソウ(Hypericum erectum)の
抽出成分中に極めて強力な抗ウイルス活性を有す
る物質が存在することを見い出し、本発明を完成
するに至つた。 すなわち、本発明により提供される抗ウイルス
活性物質は、オトギリソウ科オトギリソウ植物中
に存在する水溶性成分であり、以下に示す理化学
的性質を有する物質である。 (1) 分子量は1000以下である。 ここで、「分子量」は米国スペクトラム・メ
デイカル・インダストリーズ社製のスペクトラ
ポアー・メンブレン・チーブイングの内、分子
量1000をカツト・オフする透析チユーブを用い
て透析外液中に活性物質が得られる事により推
定したものである。 (2) 溶剤に対する溶解性 水、メタノールに易溶で且つエタノール、n
−ブタノール、酢酸エチル、2−ブタノン、
1,4−ジオキサン、クロロホルム、石油エー
テル及びエーテルに難溶乃至不溶である。 (3) ペーパークロマトグラム(東洋紙No.526使
用)上のRf値 (イ) 展開溶媒としてピリジン/n−ブタノー
ル/蒸留水(1:1:1)を使用した場合の
Rf値は0.75〜0.78(22〜25℃にて)であるが、 (ロ) 展開溶媒としてn−ブタノール/酢酸/水
(4:1:5)、n−ブタノール/アンモニ
ア/水(6:1:2)、n−ブタノール/エ
タノール/水/アンモニア(40:10:49:
1)、を使用した場合いずれも原点にとどま
る。 (4) カラムクロマトグラム セルロース系の支持体(例えばセルロフアイ
ンGLL−90m)を充填したカラム(例えば直径
2.6cm×長さ72cm)で蒸留水を移動相として流
速1ml/分で溶出させると、流出液の約180ml
〜約270mlの範囲のフラクシヨンに本活性物質
が得られる。 (5) イオン交換樹脂に対する吸着特性 上記活性物質は強酸性の陽イオン交換樹脂
(例えばアンバーライトIR120)にも強塩基性
の陰イオン交換樹脂(例えばアンバーライト
IRA400)にも実質的に吸着されない。従つて、
本活性物質はほぼ中性の物質であると考えられ
る。 (6) 酸、塩基に対する安定性 本発明物質の水溶液を塩酸でPH3又は5、あ
るいは水酸化ナトリウムでPH9に調整して100
℃で60分間の処理を施した後にも抗ウイルス活
性は保持されている。 (7) 酸素に対する安定性 本発明物質の水溶液をβ−Glucosidase
(sigma NOG−8625)で25℃にて30分間、3
時間並びに12時間の処理を行つても抗ウイルス
活性は維持されている。この時の緩衝液は酢酸
受緩衝液PH5を用いた。 上記の抗ウイルス活性物質は、オトギリソウ科
オトギリソウ(Hypericum erectum Thun−
berg)からの抽出・精製により製造することが
できる。 オトギリソウは岐阜や富山地方に多く野生する
多年草であり、本発明においてはオトリソウの全
草を開花期に収穫したものをそのままで又は乾燥
した後に抽出する。 抽出・精製操作の詳細は後記実施例に記載する
が、その概略を説明すれば次のとおりである。 抽出はまず50〜100%エタノールで行なう。こ
のエタノール抽出は約0〜約100℃の温度で、オ
トギリソウ1Kg(乾物重)当り5〜10のエタノ
ール中に3〜5日間浸漬することにより行なうこ
とができる。その間適当に撹拌を行なつてもよ
い。抽出を2〜3回くり返した後、このエタノー
ル抽出液を次いで減圧下に乾固し、固体残留物を
クロロホルム/メタノール/水不均一混合溶媒
(水1容に対しクロロホルム2.5〜3容、メタノー
ル1〜1.5の混合物)中で約4〜約30℃にて充分
に混合撹拌した後、メタノール/水層を分離し蒸
発乾固する。得られる残留固形分を更にn−ブタ
ノール(水飽和)と水との間で約4〜約30℃にて
充分に混合撹拌して分配し、n−ブタノール(水
飽和)層を分離し蒸発乾固する。 かくして抗ウイルス活性を有する粗抽出物質が
得られ、このものは必要に応じて、さらに精製す
ることができる。精製はそれ自体公知のカラムク
ロマトグラフイー法により行なうことができる。
例えば、上記粗抽出物質を1〜5重量%重ソウ水
溶液に溶解し(濃度は1〜3重量%程度が適当で
ある)、得られる溶液を1〜2倍容量の酢酸エチ
ルで少なくとも1回洗浄した後、該重ソウ溶液を
強酸性イオン交換樹脂、例えばアンバーライト
IR120、ダウエツクス50など、及び強塩基性イオ
ン交換樹脂例えばアンバーライトIRA400、アン
バーライトIRA410、ダウエソクス−1などのカ
ラムに少なくとも1回ずつ、好ましくは1〜2回
ずつかけ、抗ウイルス活性画分を回収する。 このようにして回収された画分は必要に応じ
て、分子量1000のカツト・オフ能力をもつ透析膜
による透析及びセルロース系ゲル過剤、例えば
チツソ(株)製セルロフアインGCL−90−m、同
GCL−25m、同GC−15m等によるカラムクロマ
トグラフイーを適宜組合わせて使用することによ
りさらに精製することができる。 かくして、前述した理化学的性質をもつ抗ウイ
ルス活性物質が得られる。 本発明により提供される抗ウイルス活性物質は
以下に述べる如き生物活性を有しており(なお、
具体的な活性データは後記参考例に示す)、化学
療法剤として各種のウイルス感染症の予防・治療
に使用することができる。 (1) 本発明の活性物質は抗ウイルススペクトルが
極めて広い。例えば本活性物質は単純疱疹ウイ
ルス、インフルエンザウイルス、水疱性口内炎
ウイルス、狂犬病ウイルス等のウイルスに対し
て強力な抗ウイルス活性を示す。殊に、従来狂
犬病ウイルスの増殖を抑制できる物質は未だ見
い出されていないが、本発明の活性物質は狂犬
病ウイルスの増殖をも効果的に抑制する能力を
有している点で極めてユニークである。 ウイルス疾患は一般に発症の時点でかなり細
胞に変質をきたしていると考えられるので、作
用スペクトルの広い化学療法剤を病因ウイルス
の同定を待たずに早期に投与できることはウイ
ルス疾患の治療予防上極めて望ましいことであ
り、本発明の活性物質はこれに応えることがで
きる画期的な薬剤である。 (2) 本発明の活性物質は殺ウイルス的作用とウイ
ルス増殖抑制的作用の両作用を兼ね備えてい
る。従来の抗ウイルス剤の中にはこれら両作用
を兼ね備えているものは知られておらず、本発
明の活性物質はこの点従来の抗ウイルス剤とは
全く異なる新規な抗ウイルス剤である。 従来の抗ウイルス剤はウイルスの宿主細胞内
増殖のどこかの過程を阻害するという作用機序
をもつのが基本である。ところが、発病時には
ウイルスの増殖は極大に達していることが多
く、従つて、従来の抗ウイルス剤は発病後に投
与してもあまり治療効果が期待できないという
のが実情である。これに対し、本発明の活性物
質はウイルス増殖抑制的作用のみならず、強力
な殺ウイルス的作用をも有しているので、発病
後に投与しても細胞外での感染性ウイルス粒子
を不活化し病変拡大を未然にくいとめるとがで
きる。 (3) 既知の抗ウイルス剤よりも細胞毒性が少な
い。 ウイルスの増殖過程は宿主細胞の代謝系に依
存しているため、ウイルスの増殖抑制は正常な
宿主細胞の障害と結びつき、従来のウイルス増
殖抑制タイプの抗ウイルス剤は副作用の問題は
避けられなかつた。ところが、本発明の活性物
質は正常な細胞に対する毒作用が極めて少ない
という特徴を有している。 (4) 本発明の活性物質はさらに免疫賦活化作用も
有している。 以下に実施例及び参考例により本発明をさらに
説明する。 実施例 1 乾燥したHypericum erectum1Kgをミキサーで
粉砕して80%エタノール10に3日間浸漬して室
温で成分を抽出する。ロータリーエバポレーター
で溶媒を除去したところにクロロホルム/メタノ
ール/蒸留水=1000:500:375を添加して分配を
行いメタノール−蒸留水層をとり、これを減圧乾
固させたのち、n−ブタノール500mlと蒸留水500
mlを加えて分液しn−ブタノール層を凍結乾燥し
て25〜30gの粗抽出物を得る。 上記粗抽出物5gを2.5%重ソウ水500mlにとか
し、これに等量の酢酸エチルを加えて分液して重
ソウ水部をとる。これを強酸性イオン交換樹脂、
Amberlite IR120(ローム・アンド・ハース社製)
800mlを通過させ通過液を更に強塩基性イオン交
換樹脂、Amberlite IRA400(ローム・アンド・
ハース社製)300mlのカラムにかける。通過液を
ロータリーエバポレーターで濃縮後、透析チユー
ブ、Spectrapor memb−rane tubing(M.W.
cutoff:1000、Spectrum Medical Industries
INC.製)に入れて蒸留水に対し数日間透析を行
い、その外液を凍結乾燥して次工程へ進む。 凍結乾燥物の約30mgを0.5mlの蒸留水にとかし
てセルロフアインGCL−90m(チツソ(株)製)を充
填したカラム(直径2.6cm×長さ72cm)にのせ、
蒸留水を移動相として流速1ml/分の速さで溶出
させると流出液の約180mlから約270mlのフラクシ
ヨンに目的物質が流出する。これを凍結乾燥して
活性抽出物約5mgを得る。 この活性抽出物は前記(1)〜(7)に示す理学的性質
を示し、さらに第1図及び第2図に示す赤外吸収
スペクトル及び可視−紫外吸収スペクトルを示
す。 また、上記活性抽出物は塩化第二鉄による呈色
が陽性であり、金属ナトリウムによる窒素の検出
反応は陰性であつた。 参考例 上記実施例1で得られた物質の抗ウイルス活
性、宿主細胞に対する毒性および免疫賦活化能に
ついて行つた実験を下記に参考例として示す。
尚、下記においてウイルスの濃度の単位としては
TCID50(50%細胞培養感染価)を用い、又、試供
ウイルスとしては次に示すものを用いた。 (1) Herpes simplex virus(単純疱疹ウイルス) :1型(HF株) :1型(miyama株) 上記の2株共Vero細胞を宿主に増殖させた。 (2) Influenza virus(インフルエンザウイルス) :A/Aichi/2/68株 :A/RI/5-(H2N2)株 :A/PR/8/34株 :B/Gifu/2/73株 発育鶏卵で増殖させたPR/8株以外は
MDCK細胞を宿主として増殖させた。 (3) Vesicular stomatitis virus(水疱性口内炎ウ
イルス):Indiana株X細胞を宿主として増殖さ
せた。 (4) Rabies virus(狂犬病ウイルス) :PV株 :CV株 PV株はBHK21細胞を宿主として増殖させ、
CV株は狂犬病発症マウスの脳乳剤をウイルス
液とした。 (5) B型肝炎ウイルスのS抗原(HBs)HBs陽
性の血清から分離精製した。 全実験を通じて細胞の増殖にはMEM培地(日
水製)に10%の割で牛胎児血清を加えたもの、細
胞の維持とウイルスの希釈は同血清を2%に加え
たものを用いた。 1 ウイルス不活化試験 一般の消毒剤検定法に順じて行つた。 107TCID50/mlのウイルス1mlと下記表1又
は2に示す濃度で実施例1の抽出物をとかした
溶液1mlと混和し、直ちに(0分)にその混液
から0.2mlを取り出して手早く10倍段階希釈を
行う。24穴プラスチツクシヤーレに予め準備し
た宿主細胞の単層培養に各希釈液を0.5ml/穴
でチヤレンジ(challenge)後、型の如く3日
間保持して細胞変性効果(CPE)の出現を検
べる。同様に30分と60分についても不活化され
たウイルス量を測定する。 混液の保持は室温あるいは37℃で行い、不活
化の温度依存性についても検討した。 結 果 単純疱疹ウイルス(HF株)の不活化状態を
下記表1に示す。
【表】 又、インフルエンザウイルスの不活化状態を下
記表2に示す。
【表】 A/Aichi株とB/Gifu株の両者共に同様な
不活化結果であつた。又どのウイルスの場合も
室温でも37℃でも不活化状態に差はなかつた。 尚、単純疱疹ウイルスmiyama株、インフル
エンザウイルスPR/8株更に狂犬病ウイルス
CV株の夫々に実施例1で示した該物質と混和
して不活化されたウイルスは生体内(マウス、
ICR、4〜5週令各群5匹)に投与されてもそ
の毒力を回復しなかつた。この生存状態を下記
表3に示す。
【表】 考 察 本試験では不活化剤とウイルスの混液が宿主
細胞の維持液中に加えられるので不活化剤が細
胞内でのウイルス増殖に影響を与えぬ濃度とす
るため大量のウイルスを用い、他方物質は10倍
希釈されるとウイルスの細胞内増殖抑制がみら
れぬ濃度で試験した。したがつてここで得られ
たものは細胞外でのウイルス不活化の結果であ
ると云える。又不活化状態は物質濃度により強
弱が生じる事も判明した。 然し温度依存性はみられない。 尚、本発明の抽出物で一担不活化されたウイ
ルスは生体内に投与されても病原性を現わさぬ
事が確認され、この点でも大きな意義を有する
と考えられる。 2 赤血球凝集阻止試験 精製したHBs抗原(10μg/ml)の50μと
本発明物質(500μg/ml)の50μを混和して
室温に30分間静置する。この混液から25μを
とつて96穴U字型マイクロプレート上で2倍階
段希釈を行い、そこへ1%HBs抗体感作ヒツ
ジ赤血球の25μを加えて撹拌後室温で60分間
反応させてから型の如く判定する。 結 果 本発明物質はHBs−感作ヒツジ赤血球の凝
集を5〜6穴阻止した。これは抗原量に換算す
ると90%以上の阻止率である。尚、本物質単独
では勿論赤血球を凝集しない。 考 察 赤血球凝集反応の阻止現象として(1)立体阻
害、(2)非特異的阻害、(3)ウイルス抗原の変性に
基づく阻害等が考えられている。したがつて本
発明物質の阻止現象が上記(1)〜(3)のどの機序に
よるものかを検べる必要がある。そこでまず(1)
について考察すると、本発明物質が分子量1000
以下と考えられるので立体阻害を起す事は否定
出来る。(2)については、ウイルス抗原の関与し
ない抗抗体測定法に基づいてその反応系での凝
集阻止の有無を検べたところ、その抗抗体測定
法に於ては本物質は作用しなかつた。したがつ
て本発明物質の赤血球凝集阻止反応はウイルス
抗原の関与する反応系に特異的に作用すると思
われる。 3 ウイルスの増殖抑制 (1) 単純疱疹ウイルス、インフルエンザウイル
ス、水疱性口内炎ウイルスについては、12穴
プラスチツクシヤーレに3日間で単層とした
夫々の宿主細胞(Vero、MDCK、X)に、
培養液を除去して、102TCID50のウイルスを
チヤレンジし、60分間吸着後に維持液を1
ml/穴で注ぐ。この維持液添加時を0分とし
てその後任意の時間に物質を加えてウイルス
をチヤレンジしたのち72時間目の維持液中の
感染性ウイルスの定量を行う。収量測定は96
穴マイクロプレートを用いてCPEで判定す
る。 (2) 狂犬病ウイルスの場合はBHK21(1×106
ml)の0.2mlとPV株(104TCID50)0.1mlを混
じたところに無血清培地に溶した実施例1で
得られた物質(500〜125μg/ml)0.1mlを加
えてこれらの混合物をラプテツク(ラプテツ
ク社製)に植え込み37℃の5%炭酸ガス含有
インキユベーターに保つ。植え込んでから48
時間後に直接法で型の如く螢光抗体染色を施
してウイルス抗原出現の有無を検べ、他方72
時間迄培養を維持した時のウイルスの定量も
行う。 これらのウイルス増殖の抑制状態を下記表
4に示す。尚この結果はウイルスチヤレンジ
後0分で物質を添加したものである。 結 果
【表】 単純疱疹ウイルスの場合、ウイルスチヤレン
ジ後2、4、8、12の各時間に1回のみ当該物
質を加えた結果は0分と同様である。 単純疱疹ウイルスに対する抗ウイルス剤とし
て知られる市販のAdenine Arabinoside(Ara
−a)(Warner−Lambert/Parke Davis,
Clinical Research Department製)を対照に
HF株の増殖抑制試験を同様に行うと、Ara−
a 50μg/mlの添加で100%の抑制がみられ
る。 考 察 ウイルスの増殖は細胞への吸着という現象に
はじまりその後いくつかの過程を経て完了す
る。本発明物質が、それらのどの段階に作用す
るかまだ不明であるが、最小阻止濃度は比較的
少量であろうと推測される。又、ワクチンの効
果があまり期待出来ないインフルエンザの如き
呼吸器疾患、あるいは単純疱疹の様な持続感染
性ウイルスに、更にかつてその増殖を抑制する
物質の報告がない狂犬病ウイルス等に有効と見
なされる点で本発明物質は非常にユニークであ
る。 4 細胞の増殖に対する影響 12穴プラスチツクシヤーレに3日間で単層に
なる様に細胞をまく。この植え込み時に物質を
添加して24時間、48時間、72時間後の細胞増殖
状態を6− 3H−サイミジンの酸不溶性画分へ
の取り込みを常法に従つて検べる。アイソトー
プは1マイクロキユーリー/穴で添加し、いづ
れの場合も24時間細胞へ取り込ませた。 この実験対照としてAra−aを用いて実施例
1で得られた物質と比較した結果を第3図〜第
6図に示す。 考 察 抗ウイルス剤として報告されている物質は毒
性の問題があるため使用上の困難を有してい
る。現在臨床上抗ウイルス剤としてはAra−a
を用いているが、これと本発明物質とを比較し
た場合、参考例3で述べた如く本発明物質は
Ara−aの約半量で同一量の単純疱疹ウイルス
の増殖を抑制する。その上本実験の第5図並び
に第6図にみられる如く細胞毒性についても
Ara−aより少ない結果を得た。 以上の如く有効量が少なく更に毒性に関して
も現在使用されている抗ウイルス剤よりも少な
い物質の報告はまだなされていないため、本発
明物質の有効性は大きいと考えられる。 5 生体における抗ウイルス作用 実験動物としてマウス(ICR、雄、6.5〜7
週令、平均30g日本クレアより導入)を用い、
ウイルスは単純疱疹ウイルスのMiyama株(脳
親和性株)を用いた。 1群10匹に分けてまず全群にMriyama株の
10LD50を腹腔より投与する。その後下記に示
す実験スケジユールに従つて本発明物質を投与
し、対照として用いた蒸留水投与群との比較を
行つた。効果の有無は生死をもつて判定した。
結果を下表5に示す。 結 果
【表】
【表】 考 察 脳に親和性を有する単純疱疹ウイルスをマウ
スに投与すると通常5〜7日目に死亡する。と
ころが本発明物質を静脈から100μgを3回投
与することによつて約半数の救命効果を得た。
投与の経路は皮下注より静注の方が好ましく思
える。又、投与量の増加により更に効果が上昇
する可能性が残されているが、同時に副作用の
問題も詳細に検討すべきであろう。但し100μ
gでは外観な変化は認められなかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた活性抽出物の赤外
吸収スペクトルであり、第2図は実施例1で得ら
れた活性抽出物の可視−紫外吸収スペクトルであ
り、第3図はAra−aのVero細胞増殖に対する
影響を示すグラフであり、第4図はAra−aのX
細胞増殖に対する影響を示すグラフであり、第5
図は本発明の物質のVero細胞増殖に対する影響
を示すグラフであり、第6図は本発明の物質のX
細胞増殖に対する影響を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) オトギリソウ科オトギリソウ植物中に存
    在し、 (b) 分子量が1000以下であり、 (c) 水、メタノールに易溶で且つエタナール、n
    −ブタノール、酢酸エチル、2−ブタノン、
    1,4−ジオキサン、クロロホルム、石油エー
    テル及びエーテルに難溶乃至不溶であり、 (d) ペーパークロマトグラム〔東洋紙No.526;
    展開溶媒=ピリジン/n−ブタノール/蒸留水
    (1:1:1)〕上のRf値が0.75〜0.78(22〜25
    ℃)であり、且つ (e) ほぼ中性 の抗ウイルス活性物質。
JP58063254A 1983-04-11 1983-04-11 抗ウイルス活性物質 Granted JPS59190921A (ja)

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