JPH0427840B2 - - Google Patents

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JPH0427840B2
JPH0427840B2 JP58501036A JP50103683A JPH0427840B2 JP H0427840 B2 JPH0427840 B2 JP H0427840B2 JP 58501036 A JP58501036 A JP 58501036A JP 50103683 A JP50103683 A JP 50103683A JP H0427840 B2 JPH0427840 B2 JP H0427840B2
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hla
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Peru Aatsuru Peteruson
Raasu Rasuku
Ooke Rerunmaaku
Deibitsudo Oaabaaku
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    • C07K—PEPTIDES
    • C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/70503—Immunoglobulin superfamily
    • C07K14/70539—MHC-molecules, e.g. HLA-molecules
    • C—CHEMISTRY; METALLURGY
    • C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813—Hybridisation assays
    • C12Q1/6827—Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism
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    • C—CHEMISTRY; METALLURGY
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    • C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6881—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for tissue or cell typing, e.g. human leukocyte antigen [HLA] probes
    • C—CHEMISTRY; METALLURGY
    • C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
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Description

請求の範囲 1 第群抗原のβ鎖をコードするMHC遺伝子
座の塩基配列と交雑する核酸プローブが制限酵素
切断位置地図の作成に用いられ、第1の個体に由
来しプローブと交雑するDNA断片のサイズ分布
が第2の個体よりの対応する断片の分布または対
応する特定のタイプの多形性の断片分布と比較さ
れ、その比較はいずれもa)上記の他の個体が上
記の第1の個体に移植または輸血の目的で組織を
供与する場合の遺伝的適当性、b)上記の第1の
個体が1個またはそれ以上のMHC対立遺伝子に
関係する特定の疾患にかかる相対的危険度、c)
上記第1の個体の父親または母親認知、または、
d)法医学に用いる上で上記の第1および第2の
個体が1個またはそれ以上のMHC対立遺伝子の
同一の多形性を示すか否かを調べるために行われ
ることを特徴とする、器官移植、輸血、法医学に
おける利用、父親または母親の認知またはある個
人がある種のMHC対立遺伝子に関係する疾病に
かかる相対的危険度を予察する目的で組織タイプ
分けにおけるヒトのMHCの多形性を決定するた
めの方法。 2 プローブがa)第群遺伝子産物(抗原)の
β鎖をコードするmRNAと相補的なcDNA、b)
実際の第群β鎖遺伝子および/またはそれらの
両翼を守る塩基配列を表わすゲノムDNA、およ
びc)それらの断片から選ばれることを特徴とす
る、請求の範囲第1項記載の方法。 3 プローブが第群抗原のβ鎖をコードする
mRNAのいずれの部分とも相補的であることを
特徴とする、請求の範囲第2項記載の方法。 4 ヒトのDNAが1種類またはそれ以上の制限
エンドヌクレアーゼで処理され、生成するDNA
断片が分子サイズにより分離され(好適にはゲル
電気泳動により)、DNAを結合するシート(好適
にはニトロセルロースシート)に移され、しかる
後フイルターがプローブに接触せしめられ、プロ
ーブとサイズの異なるDNA断片の相補性の塩基
配列との結合が同定されることを特徴とする、請
求の範囲第1項または第2項記載の方法。 5 断片の分布が断片の出現について検査され、
その存在または不存在がある個体が1個またはそ
れ以上のMHC対立遺伝子に関係する疾患に罹病
する相対的危険度の指標となることを特徴とす
る、請求の範囲第4項記載の方法。 6 制限酵素がEco RIであり、断片の分布が2
個の対になつた断片9kbおよび2.2kbの出現につ
いて検査され、血清学的に定義されるHLA−
DR4またはDR3/4を発現する個体中にそれが不
存在の場合にはその個体がインシユリン依存性糖
尿病に罹患する相対的危険度の増大を示すことを
特徴とする、請求の範囲第3項または第4項記載
の方法。 7 制限酵素がBam HIであり、断片の分布が
3.7kb断片の出現について検査され、血清学的に
定義されるHLA−DR4またはDR3/4を発現する
個体中にそれが不存在の場合にはその個体がイン
シユリン依存性糖尿病に罹患する相対的危険度の
増大を示すことを特徴とする、請求の範囲第3項
または第4項記載の方法。 8 制限酵素がPstであり、断片の分布が18kb
断片の出現について検査され、それが血清学的に
定義されるHLA−DR4またはDR3/4を発現する
個体中に存在することはその個体がインシユリン
依存性糖尿病に罹患する相対的危険度の増大を示
すことを特徴とする、請求の範囲第3項または第
4項記載の方法。 9 選ばれた個体群(好適には家族)中の各個体
からのDNAの地図が作成され、その地図が患者
および健康者の地図中の特定の断片の存在または
不存在の相互関係を測定するためにその個体群中
における特定の疾患の出現と関係づけられること
を特徴とする、請求の範囲第1項または第2項記
載の方法。 10 使用される核酸プローブが100〜1500個の
塩基を有することを特徴とする、請求の範囲第1
〜9項記載の方法。 明細書 本発明は、ヒトのMHCによる組織のタイプ分
けの決定あるいは遺伝子地図作成の方法および手
段、換言すればヒトのMHCの多形性の決定の方
法および手段に関する。 「MHC」(Major Histocompatibility
Complex)すなわち「主要組織適合性複合体」
という用語は、「HLA−Complex」(Human
Leukocytes System A)すなわちヒト白血球系
Aとも呼ばれる。MHCおよびHLA−Complex
は共に一般的に受容されている用語である〔例え
ばC.W.Parker氏編「Clin.Immunol.」第1巻第63
〜80頁、(W.B.サウンダース社1980年刊)参照〕。 MHCはヒトの第6染色体上に存在する1区域
で、異家移植拒絶反応その他の免疫的および体液
的応答を含む多くの免疫学的現象に関与する生産
物をコードする遺伝子を含んでいる。現在知られ
ているHLA遺伝子は、2種類の主要なカテゴリ
ーに分けられる。すなわちHLA−A、Bおよび
C組織抗原は、大多数の有核細胞について発現さ
れる糖蛋白質(抗原)の生成を支配する少なくと
も3か所の異なる遺伝子座の存在を反映する。こ
れらの抗原は「第群抗原」と呼ばれる。他のセ
ツトの遺伝子例えばHLA−DまたはDR(D−関
連)およびDC遺伝子(以下総括的に「HLA−D
遺伝子」と呼ばれる)は、いわゆる「第群抗
原」の形状を支配する。これらの抗原は限定され
た組織分布を有する。すなわち第群抗原はそれ
らが主として免疫系の細胞上に現われるであろう
点において第群群抗原と異なる。数種類の補体
成分もまたMHCにおいてコードされる。これら
の成分は「第群分子」と呼ばれる第3のグルー
プの物質類を構成する。 ヒトの第6染色体の短腕上にあるMHCの模式
的構成を下記に示す。 セントロメア(Ce)は左方にある。A、B、
Cおよびその他の未確認の遺伝子座はすべて第
群抗原の重い鎖をコードするのに対し、D遺伝子
座はDR、DCおよびその他の第群抗原のαおよ
びβ鎖をコードする。 HLA抗原の構造および組織分布 MHCのA、BおよびC遺伝子座においてコー
ドされる第群抗原は、ほとんどすべての有核細
胞上に現われる。しかし量的な発現度はタイプの
異なる細胞の間で著しく異なる。 第群抗原の構造は詳細にわたつて解明されて
いる。すべての第群抗原は1本の重い鎖と1本
の軽い鎖よりなる。MHCにおいてコードされる
重い鎖は、グリコシル化されたポリペプチドであ
り、それは原形質膜にまたがり、そのCOOH未
端の一部を膜の細胞質側に提示する。第群抗原
の軽い鎖は、どの対立遺伝子産物と結合していよ
うとも差異はない、β2−ミクログリブリンとも呼
ばれる軽い鎖は、ヒトの第15染色体によりコード
され、従つてその遺伝子はMHCには属しない。 第群抗原の蛋白質構造、生合成およびゲノム
構造は第群抗原に関するほど詳細には知られて
いない。しかし第群抗原はα鎖およびβ鎖とよ
ばれる2本の不同で非共有結合的に結合され、膜
にまたがるグリコポリペプチドよりなる。これら
のポリペブチドをコードする遺伝子がMHCのD
区域の一部であることは非常に可能性が大きい。
ともあれ、DRおよびDC遺伝子座のα鎖とβ鎖が
共にMHCにおいてコードされることは決定的に
確立された。 第群抗原は、第群抗原よりも限定された組
織分布を示す。第群抗原に富む細胞は抗原を造
成する樹状細胞、マクロフアージ、抗体を産生す
るB−淋巴球および活性化T細胞である。さらに
第群抗原は数種類のタイプの上皮細胞の表面に
出現する。 HLA遺伝子座の多形性 HLA抗原は、補体成分を支配する遺伝子は第
群および第群抗原をコードする遺伝子よりも
多形性の程度は低いが、それでも大部分の遺伝子
座において広範囲に遺伝的多形性を示す。HLA
抗原の多形性は、多数のHLA半数体タイプの出
現により細胞集団レベルにも反映されている。そ
れぞれのHLA半数体タイプは、遺伝子の一定の
セツトを表わし、そのすべてはメンデルの法則に
従つて遺伝する。HLA半数体タイプの多様なこ
とは、実質的にすべてのMHC遺伝子座は多数の
対立遺伝子を表現するという事実からの帰結であ
る。対立遺伝子は類似ではあるが互いに異なり、
しかし異なるHLA半数体タイプにおいて同じ位
置を占める。正常な個体は1箇所の遺伝子座にお
いて2個の対立遺伝子を発現するのみである。し
かし細胞集団全体ではそのような遺伝子座におい
て多数の対立遺伝子を発現し得る。現在のところ
約25の対立遺伝子がHLA−A遺伝子座において
同定され、B遺伝子座において約同数、C遺伝子
座において約10、そしてD遺伝子座において合計
約15が同定された。〔W.F.Bodmer氏編「Brit.
Med.Bull.」第34巻第3頁(1978年)参照〕。組
換えDNA法はは、DR遺伝子座のただ1種類のα
鎖のみが同定されたのに対してDR遺伝子座に由
来するβ鎖は遺伝的に多形性であることを示し
た。対照的にDC遺伝子座のα鎖およびβ鎖は共
に遺伝的に多形性であるらしい。 新たな対立遺伝子が数多く発見されるので、対
立遺伝子の確定的な数は示され得ない。さらにま
た新たな対立遺伝子を定義するために用いられる
特別な血清学的試薬の特異性を検討する面倒をい
とわぬ国際的協力が確立されるにつれて最近発見
された対立遺伝子が以前に発見されたものと同一
であると判明することもあり得る。しかしなが
ら、細胞集団中における数多くの対立遺伝子およ
びそれらの頻度分布からすれば、同一の遺伝子の
セツトを共有する遺伝的に関係のない2個体すな
わち同一のHLA半数体タイプを表わす個体を見
出すことは異例である。 1対の対立遺伝子は、ポリペプチド鎖として発
現されるに必要なすべての遺伝情報を包含するデ
オキシリボ核酸(DNA)の断片(セグメント)
よりなる。すなわちヌクレオチド配列の異なる対
立遺伝子は、異なるポリペプチド鎖を生成せしめ
得る。しかしながら、もしヌクレオチド配列の差
異が翻訳のレベルにおいて「サイレント」(無言
である場合には、同一のポリペプチド鎖が異なる
対立遺伝子から由来することもあり得る。さらに
また対立遺伝子の間のヌクレオチド配列の差異
は、それがイントロン内またはエクソンの翻訳さ
れない部分内に生ずる場合にはポリペプチド鎖配
列に影響しないであろう。従つて、DNAのレベ
ルにおいて認められた対立遺伝子が対立遺伝子と
して出現せず、蛋白質のレベルにおいて同一の遺
伝子の産物として出現することもあり得る。ポリ
ペプチド鎖多形性のこの限界にもかかわらず、
MHCの種々の遺伝子座における多数の対立遺伝
子が、対立遺伝子に由来する蛋白質の血清学的分
析により発見された。 現況における組織タイプ分けの示唆 MHC遺伝子座によりコードされる産物を固定
する組織タイプ分けは、生物医学の多くの分野に
おいて多大の重要性を有する。本来MHCにおい
てコードされる蛋白質は移植された組織の拒絶を
起す過程に深くかかわつていることが示された。
「移植抗原」という名称はこの知識に根源を有す
る。供与者と被供与者とがMHCについて適合す
ることが、移植片の生存を予察する上に価値のあ
ることが速やかに理解された。対立遺伝子を適合
させるためには、DNAでなく蛋白質を検査する
限りにおいては間接的方法が用いられる。この操
作は組織のタイプ分けと呼ばれる。 移植抗原に対する興味は、若干のMHC対立遺
伝子とある種の疾患との間に相関が存在すること
が認められたときにさらに増大した。すなわちイ
ンシユリン依存性糖尿病は、対立遺伝子Pw3およ
び/またはDw4を有する個体に広まつているの
に対し、対立遺伝子Dw2を有する個体はこの疾
患に対して耐性であるらしい(第1表参照)。従
つて組織タイプ分けは、個体のレベルにおいてあ
る種の疾患にかかる相対的危険度を予察するため
に用いられ得る。このことは、例えば各個人にあ
る種の職業的危険物を避けるように助言する上で
重要性を有する。組織タイプ分けは、法医学にお
いてもその全面的価値はまだ理解されていない
が、特に父親認知の訴訟において価値が大きい。
最終的に若干の自然的流産と父親および母親のあ
る特定のHLA半数体タイプとの間に相関が存在
することが観察されている。 組織タイプ分けの価値ある場合の3例を下記に
詳しく記述する。すなわち 1 例えば移値された骨髄、腎臓およびその他の
器官の生存可能性は、供与者と被供与者の
HLAタイプに依存する。 2 輸血における血液要素の生存可能性は、供与
者と被供与者のHLAタイプに影響される。 3 ある種の疾患にかかり発病する可能性は
HLAタイプに関係がある。 移 植 例えば腎臓移植を受ける患者の蛋白質レベルに
おけるHLAタイプ分けは、移植片の生存可能度
が供与器官と被供与者のHLAタイプの適合性に
依存することを明らかにした。HLAが同一であ
る兄弟姉妹の間の腎蔵移植は、HLAが同一でな
い兄弟姉妹の間の移植よりも移植臓器の生存率が
高いことがわかつた。最近の結果は、HLA−D
についての適合が受容された移植片における高率
の成功をもたらすことを示唆する。事実、腎臓供
与者と被供与者が同一のHLA−DRタイプを有す
る場合には、移植腎臓の90%の生存が得られるこ
とが見出された。HLA−Dにおける些少な差異
でさえも、移植腎臓の拒絶をもたらす免疫応答を
引き起すに足ると考えられる。免疫応答は複合的
であり、第群抗原依存性の機作においては警報
を発しまた細胞分解性の淋巴球および移植された
組織に対する抗体の発達を促進するいわゆるT補
助細胞の活性化を包含することを指摘すべきであ
る。 輸 血 ある種の血液細胞欠乏症における輸血もまた蛋
白質レベルにおけるHLAタイプの適合により影
響される。ある種の血小板異常症において、輸血
による置換療法はしばしば血小板の表面において
発現されるHLA抗原に対抗する細胞毒性の抗体
の形成をもたらす。この反応は供与者および被供
与者の血液のHLA−DRの適合により防止され得
る。 罹病感受性 発病がある特定のHLA抗原に関係している可
能性をテストするために多くの疾患が研究され
た。罹病している個体群中におけるある抗原の頻
度が健康な対照個体群中における同一のHLA抗
原の頻度と比較された。ある特定のHLA抗原と
疾患との連係の程度を、「相対的危険度」(RR)
として表わす。相対的危険度は、ある特定の抗原
を有する個体群において、対照個体群の何倍の頻
度で疾患が発生するかを示す。ある特定のHLA
抗原に関係することが明らかになつた多くの疾患
を下記の表に総括する。この主題について数篇の
総説が利用可能である
〔「ImmunologicalReview」第70巻第1〜218頁
(1983年)参照〕。 本件特許出願中に提示された結果によれば、こ
れら若干の疾患の進行および発症はMHCをコー
ドするHLA抗原の1個またはそれ以上の遺伝子
の構造および発現に関係すると考量され得る。 組織タイプ分けのための現状の方法 組織のタイプ分け、すなわち細胞表面において
発現されるある特定のHLA対立遺伝子の決定は、
従来間接的方法により達成されていた。それは1
個の対立遺伝子に由来する蛋白質が(DNAでは
なく)検査されるからである。これは面倒な操作
であり、それぞれの移植抗原に対抗して特異な反
応をする抗血清を用意せねばならない。若干の
HLA遺伝子座において発現される対立遺伝子の
決定には、同型接合のタイプ分け細胞が用いられ
る。両者の方法ともしばしば質が不良でまた直ち
には得られない試薬を要することが容易に理解さ
れる。
【表】
【表】 現状においては、A、B、C、DRおよびDC遺
伝子座の対立遺伝子は、対立遺伝子に由来する蛋
白質とそれに特異的に対抗する抗体とを反応させ
ることにより同定される。その方法は「淋巴球ミ
クロ細胞毒性テスト」と呼ばれる。すなわちある
特定の遺伝子座の1個の対立遺伝子蛋白質のみを
認識する注意深く選ばれた抗血清が微量力価検定
用プレートのくぼみ孔に入れられる。組織タイプ
分けすべき個体の細胞を各孔に加える。保温期間
の後に補体を加える。細胞と反応した抗体は補体
を固定し、細胞は分解される。どの抗血清が細胞
分解を誘発したかを点検して組織タイプ分けがな
される。しかしながら、まだ発見されない対立遺
伝子に由来するポリペプチドは勿論のことながら
検出を免がれる。 HLA−D遺伝子座の対立遺伝子はまた「混合淋
巴球反応」と呼ばれる操作により同定されつつあ
る。その方法においては、同型接合のタイプ分け
細胞がタイプ分けすべき細胞と混合され、共に培
養される。第群抗原がタイプ分けすべき細胞と
同型接合細胞との間で異なる場合には増殖が起る
であろう。この方法および前に言及した方法の詳
細は、C.W.Parker氏編「Chin.Immunol.」第1
巻第67〜89頁(W.B.サウンダース社1980年刊)
にすぐれた記述がある。 現在用いられている組織タイプ分けの方法の短
所は下記の通りである。すなわち 1 方法は間接的である。 2 疑問の余地のないタイプ分けの結果をもたら
す血清学的試薬は容易に手に入らず、また標準
化が困難である。 3 抗血清およびタイプ分け細胞は、長期間貯蔵
すれば有効性が低下する。 4 多くの試薬は、1個の対立遺伝子のみを同定
するほど充分な選択性を有しない。 5 未だ同定されていない対立遺伝子は検出され
ないままに終る。すなわちもし異型接合の個体
がそれに対抗する試薬のないHLA抗原を発現
するならば、その遺伝子座における同型接合と
異型接合とを判別することは不可能であろう。 6 現在の方法は退屈でまた面倒である。 従つて、本発明の目的は従来の方法よりも明確
な判別をもたらし、また限界にとらわれないヒト
のMHCの多形性の判定のための簡単化された方
法を提供することである。 さらにまた本発明の目的は、MHC特異性のヌ
クレオチド配列を決定し、また高度の特異性およ
び再現性を有し、しかも低コストで多量に生産さ
れ得る探査体(プローブ)を提供することであ
る。 本発明 本発明は、組織のタイプ分けのためのヒトの
MHC対立遺伝子、好適にはHLA−D組織タイプ
の多形性を判定するための新規な方法を提供す
る。その方法は、MHCにおける塩基配列と交雑
し得るプローブが異なる個体からのDNAの制限
酵素切断位置地図作成に用いられること、および
最初の個体に由来しまたプローブと交雑する
DNA断片のサイズの分布が第2の個体からの対
応する断片の分布または多形性の特定の多形性を
反映する対応する分布と比較されることを特徴と
する。比較が行われたのは、a)上記の第1の個
体に移植または輸血の目的で組織を供与する上記
の第2の個体の遺伝的適合を判定するため、b)
第1の個体がMHC中の1個またはそれ以上の対
立遺伝子と関係のある疾患にかかる相対的危険を
測定するため、c)第1の個体の生物学的父親認
知または母親認知のため、またはd)第1および
第2の個体が1個またはそれ以上のMHC対立遺
伝子について同一の多形性を示すか否かの判定す
なわち法医学における利用のためである。特定的
には、その比較は特異的に交雑する断片の存否を
しらべるものである。 好適な範囲においては、本発明の方法はHLA
−D組織タイプをコードするかまたは関係のある
遺伝子の構造を分析することに基礎を置き、また
プローブはHLA−D(第群)抗原をコードする
mRNAと相補的なcDNA、第群抗原をコード
するかまたはコードしない配列を含む実際の遺伝
子(または遺伝子複合体)を表わすゲノムDNA、
およびそれらの断片から選ばれることを特徴とす
る。この範囲において、1個体からのDNA断片
の分布が、たとえば上記のa)およびb)に言及
したところにより比較される。 これに対応して、本発明により考適なプローブ
はそれがHLA−D(第群)抗原をコードする
mRNAと相補性のcDNA、第群および第群
抗原をコードするかまたはコードしない配列を含
む実際の遺伝子(または遺伝子複合体)を表わす
ゲノムDNA、およびそれらの断片から選ばれる
ことを特徴とする。その他の本発明の範囲は、請
求の範囲第1項〜第19項中に特徴づけられる。 MHCの単離 MHC多形性に関して検査されるべきDNAの
単離は、すでによく確立された方法〔N.Blinお
よびD.W.Stafford両氏「Nucleic Acid
Research」第3巻第2303〜2308頁(1976年)〕に
より達成される。好適には、DNAは血液細胞や
その他の有核細胞から単離される。 制限エンドヌクレアーゼによるDNAの断片化 DNAの制限酵素切断位置地図の作成はそれ自
体既知であり、1)ヒトDNAの制限酵素による
分解、2)得られた断片のサイズによる分画化、
および3)特定のDNA断片を核酸プローブと交
雑させて検出するという諸段階よりなる。単離さ
れたDNAは、1種類またはそれ以上のDNA特異
性制限エンドヌクレアーゼを用いて断片化され
る。2種類またはそれ以上の制限エンドヌクレア
ーゼを同一のDNA標品の別々の一定量に対して
用いることができる。また2種またはそれ以上の
制限エンドヌクレアーゼをDNAの同一の一定量
の分解のために順次または同時に用いることがで
きる。それぞれの酵素は、完全な分解を達成する
ために各々特別な条件を必要とする。従つて分解
のための特定の条件は用いられる酵素により異な
る。しかしながら制限エンドヌクレアーゼの使用
の一般的原理については数篇の総説に総括されて
いる〔R.J.Roberts氏「Nucl.Acid Res.」総説第
117頁(1982年)参照〕。DNAの制限エンドヌク
レアーゼによる分解は常にPH4〜9の範囲に調整
された緩衝水溶液中において行われ、すべてでは
ないがほとんどの場合分解の温度は15゜〜65℃の
範囲である。 多種類の制限エンドヌクレアーゼは商業的に入
手できる。本発明の操作に適する制限エンドヌク
レアーゼには、2つのグループが認められる。す
なわち1)塩基4個の特定のDNA配列を認識す
る制限エンドヌクレアーゼ、および2)塩基6個
の特定のDNA配列を認識する制限エンドヌクレ
アーゼである。 制限エンドヌクレアーゼのそれぞれのグループ
は各々異なる塩基配列を認識する数種類の酵素よ
りなる。第1グループの制限エンドヌクレアーゼ
は平均的に第2グループの酵素よりも多くの
DNA断片を生成する。しかしながらそれぞれの
酵素による特定の塩基配列の認識は、ある酵素に
より生成されるDNA断片の数は別の酵素による
断片の数と異なることを意味する。ある個体の
MHC区域内にまたがる特定の対立遺伝子を確立
するために使用に適する制限エンドヌクレアーゼ
は、Eco R、Pvu 、BamH、Bgl 、
Pst 等である。将来新規な制限エンドヌクレ
アーゼが発見されるであろうから、適当な酵素の
リストは拡大するにちがいない。 DNA断片の分離 制限エンドヌクレアーゼによる分解は、分子量
従つてサイズの異なるDNA断片を生成する。酵
素により生成されるDNA断片の分子量は、DNA
断片中の塩基、燐酸基および炭水化物部分のそれ
ぞれの数と実質上完全に相関する。制限エンドヌ
クレアーゼにより生成されるDNA断片のサイズ
分画化は、上記の各成分の数を有利に用いる分画
操作よりなる。制限エンドヌクレアーゼ分解によ
り生成されるDNA断片を分離するための目下好
適とされる方法は、アガロースまたはポリアクリ
ルアミドのいずれかを支持体とする電気泳動であ
る。しかしながらゲルクロマトグラフイー、親和
性分離法等の操作によつてもDNA断片の分画化
を達成し得る。 交雑の後可視化された制限断片の電気泳動的挙
動により、それら断片の分子量、従つてそれらが
含有する塩基の数の決定が可能となる。良好に決
定されたDNA断片の標準試料を、検査されるべ
き試料と平行に泳動せしめれば、制限断片の分子
量決定の正確度が高まるのは当然である。 プローブ プローブは制限エンドヌクレアーゼ分解により
ヒトのMHCに由来するDNA断片と交雑すべき
ものである。プローブの塩基配列またはその配列
の一部分は、MHCの塩基配列と相補的でなくて
はならない。そのような配列は、必ずしもポリペ
プチド鎖をコードしないが、もしコードする場合
にはプローブは一層良好に決定される。しかしな
がらプローブの主要な必要条件は、それがMHC
の塩基配列、好適には多形性D遺伝子座の1個の
対立遺伝子の一部分と全面的または部分的に相補
性を有することである。プローブはRNA型また
はDNA型の核酸よりなる。DNAはRNAよりも
安定であるから、DNAプローブはRNAプローブ
よりも好適である。 多形性MHC遺伝子座のすべてのまたは若干の
対立遺伝子と交雑するプローブの一つの型は、当
初にはmRNA分子と相補的なcDNAより調製さ
れる。mRNAは、第群および第群抗原の構
成分ポリペプチド鎖のようにMHC遺伝子座の1
個の対立遺伝子に由来するポリペプチド鎖の充分
な量を発現する細胞から集積されるのが常であ
る。所望のmRNAの集積は既述〔S.Kvist氏その
他「Cell」第29巻第61〜69頁(1982年)〕の通り
に実施される。 単離されたmRNA画分は、多くのタイプの
mRNA分子よりなる。すべてのmRNA分子種は
2重鎖のcDNAを生成する逆転写のためのテンプ
レートとして用いられる。2重鎖のcDNA分子は
線状化されたプラスミドに別々に連結され、そし
てそれは後に大腸菌の株を形質転換させるために
用いられる。形質転換された大腸菌はクローニン
グされ、MHCの多形性対立遺伝子に対応する
cDNA挿入部を含むプラスミドの複製を支持する
ものが選出される。その操作はよく知られてお
り、米国特許第4237224号明細書中に概説されて
いる。上記の手法はしばしば対応する蛋白質の一
部のみに対応するcDNAを生成する。 プローブの調製には、例えば短い塩基配列を含
むプローブのための合成的経路のような他の経路
もある。一度調製された上は、cDNAクローンま
たはそのクローンの一部分に対応する合成的
DNA断片は、そのようなコードするDNAの部分
により側面を守られたゲノムDNAの単離に使用
され得る。すなわちコードする配列とコードしな
い配列の両者を含む適切な染色体DNAを精製す
ることが可能であり、そしてそれは米国特許第
4237224号明細書により多量に生産され、全面的
または部分的にプローブとして使用され得る。 HLA−A、−Bおよび−C遺伝子座の対立遺伝
子においてコードされるポリペプチド鎖は、著し
い配列の類似性を示す。対応する類似性は今や塩
基配列レベルにおいても存在することが見出され
た。それゆえ数箇所の遺伝子座例えばHLA−A、
−B、および−C遺伝子座の対立遺伝子と交雑す
るプローズも調製され得る。そのようなプローズ
は、HLA−A、−Bおよび−Cの対立遺伝子に由
来するDNA断片を検出すると共に、プローズと
充分な塩基配列の類似性を共有する他の遺伝子座
の対立遺伝子に由来する断片を検出するのにも用
いられ得る。第群抗原の遺伝子座の対立遺伝子
に関しては、α鎖およびβ鎖の対立遺伝子を認識
するプローブが第群抗原の多形性を確立するた
めに用いられねばならない。そのようなプローブ
が得られ、それらは第群抗原の遺伝子座の対立
遺伝子と交雑しない。 ある特定の対立遺伝子に特有の配列に由来する
プローブは、その特定の対立遺伝子に由来する
DNA断片のみを検出するために使用され得る。
第群および第群抗原遺伝子について得られる
配列情報は、対立遺伝子特異性のプローブは短く
なければならないことを示している。従つてその
ようなプローブの大多数は標準的手法を用いる自
動化されたヌクレオチド合成により甚だ容易易に
調製される〔Caruthers氏その他「Genetic
Engineering」第3巻第1〜17頁(ニユーヨー
ク、プレナム・プレス社1982年刊行)参照〕。1
ケ所の遺伝子座の1個または数個の対立遺伝子に
特有のプローブを用いれば、所与のDNA試料中
にどの対立遺伝子が存在するかの決定が簡単化さ
れる。しかしながら多くの場合に同様な情報は、
もし適当な制限エンドヌクレアーゼが分解のため
に選ばれれば、特異性の少ないプローブによつて
も得られるであろう。 上記に概括したように、対立遺伝子に特異的な
プローブは短いものでなければならない。しかし
ながらわずか数個の塩基よりなるプローブは、
MHCによつてつながれていないDNA配列とも
交雑し得る。従つて100〜1500個の塩基よりなる
プローブが最も特異的な結果をもたらす。事実こ
の範囲のサイズの2種類のプローブで第群抗原
に対応するものは、15種類以上の抗血清を用いて
実施せねばならない血清学的分析よりも多くの情
報を含む交雑のパターンをもたらす。さらに配置
地図作成技法により発見された対立遺伝子の産物
の若干に対抗する抗血清は入手できない。 使用されるべきプローブは好適には、それ自体
既知の方法により分析的に指示可能な化合物また
は基により標識される。そのような化合物の例
は、酵素的に活性な物質、酵素の基質、補助因
子、補酵素、ならびに螢光性、発光性または放射
性の化合物である。それ自体において指示可能性
ではないが分析的に指示可能性の化合物と反応す
る特性を有する物質の例は、標識付IgGに結合す
る特性を有する蛋白質A(およびその逆も真であ
る)、標識付アビジンに結合する特性を有するビ
オチン(およびその逆も真である)、チオールを
含み分析的に指示可能性の化合物に結合しまたそ
れと反応する特性を有する活性化されたチオール
化合物(およびその逆も真である)、および標識
付抗体に結合する特性を有する不完全抗原および
抗原(およびその逆も真である)である。 交 雑 交雑とは、1重鎖DNA断片の塩基と1重鎖
DNAプローブの相補的塩基との間の水素結合の
形成と定義される。交雑の結果は、交雑する
DNA断片およびDNAプローブよりなる2重鎖
DNAの形成である。ここに定義される交雑が
DNA断片とプローブの間の完全な相補性を必要
とはしないが相補性がプローブをDNA断片に選
択的に結合せしめるに足ることを必要とすること
は明白である。 プローブを制限エンドヌクレアーゼ断片と交雑
するためには、多くの場合1)1種類またはそれ
以上のプローブ、2)ホルムアミド、および3)
0.1〜1.5モル濃度の塩化ナトリウムを含有する水
溶液が用いられる。 さらにその溶液はフイコール、ポリビニルピロ
リドン、牛血清アルブミンおよび/または変性さ
れた非相同のDNAを含有することがある。変性
された非相同のDNAは、どのタイプの変性DNA
にも結合する紙上の結合部位がプローブと非特異
的に粘着するのを避けるために用いられる。予備
交雑が用いられる場合には、プローブに接触させ
るべきシートはプローブとの交雑に先立つて非相
同の変性されたDNAで処理される。交雑溶液は
PH5〜9に調整され、交雑は18〜65℃で3〜48時
間実施される。プローブと交雑するDNA断片の
サイズは、下記のような各種要因に依存する。す
なわち 1 DNA断片の生成に用いられる制限エンドヌ
クレアーゼ。所与のDNA試料および所与のプ
ローブについて、交雑するDNA断片のパター
ンは用いられる制限エンドヌクレアーゼの特異
性により異なる。これは当然のことに特定の配
列に対する酵素の特異性による。種類の異なる
制限酵素は、しばしば単一の対立遺伝子からサ
イズの異なる断片を生成する。 2 分析されるべき試料中のMHCの特定の対立
遺伝子。所与のプローブおよび所与の酵素を用
いて、多形性MHC遺伝子座の異なる対立遺伝
子はプローブと交雑するサイズの異なる断片を
表わす。別途の場合には、若干の対立遺伝子は
プローブとのヌクレオチド配列の同一性により
強い交雑を示すのに対して他の若干の対立遺伝
子はプローブと交雑するには不充分な程度の配
列の類似しか有しないこともある。 3 使用されるプローブ。所与のDNA試料およ
び所与の1種類またはそれ以上の制限エンドヌ
クレアーゼについて、プローブと交雑する断片
は、同一のcDNAまたはゲノムの断片に由来す
るがヌクレオチド配列の異なる2種類のプロー
ブが同一の制限断片中に存在する配列と交雑し
ないことがある通り、用いられるプローブに依
存する。 本発明の有用性は、3つの重要な応用分野より
の5つの実施例を示すことにより、下記において
論議されるであろう。これらの実施例は、何等本
発明の限定をなすものではなく、平均的専門家は
ここに示されないその他の応用分野を容易に理解
するであろう。 実施例 すべての実施例は下記よりなる共通の技術を用
いる。すなわち 1 ゲノムDNAの抽出および単離 2 単離されたDNAの制限酵素による分解 3 制限断片のサイズによる分離 4 分離されたすべてのDNA断片を、MHC遺
伝子座のコピーまたはゲノムDNAに由来する
少なくとも1種類の標識付プローブと交雑させ
ること 5 プローブと交雑したDNA断片の同定 6 記録された交雑パター量を他の1個体または
それ以上の個体のパターンと比較すること ここに記述される実施例に適切な実験的操作手
順は下記に概説される。 血液細胞 血液(20ml)は、予め血清学的方法により
HLA−DR抗原に組織タイプ分けされた個体から
採取された。 ゲノムDNAの調製 典型的な調製物において、白血球が血液20mlか
ら遠心分離された。細胞は0.01モル濃度のNaCl
および0.001モルのEDTAを含有する0.05モルの
トリス−HCl緩衝液(PH7.5)40ml中に懸濁され
た。ドデシル硫酸ナトリウム(水0.5ml中に0.1
g)およびプロテイナーゼK(メルク社製)(水
0.4ml中4mg)が加えられた。試料は37℃におい
て振盪しつつ16時間保温され、しかる後1ミリモ
ルのEDTAを含有する20ミリモルのトリス−HCl
緩衝液(PH7.5)で飽和されたフエノール(40ml)
を用いて抽出された。遠心分離による相の分離後
に上相は水飽和フエノール/クロロホルム/イソ
アミルアルコール(容量比25:24:1)混合液40
mlを用いて抽出された。生成した上相は最後に水
飽和クロロホルム/イソアミルアルコール(容量
比24:1)20mlを用いて抽出された。上相は
EDTA1ミリモルを含有する10ミリモルのトリス
−HCl緩衝液(PH7.5)2ずつに対して3回4
℃において合計24時間透析された。1/10量の3モ
ル酢酸ナトリウム緩衝液(PH6.0)および2.5倍量
の冷エタノールが透析物に加えられた。DNAは
250mlのガラス管中で−20℃において12時間沈澱
せしめられ、しかる後4℃において6000×gで30
分間の遠心分離により沈降せしめられた。 DNA沈澱物はEDTA1ミリモルを含有する10
ミリモルのトリス−HCl緩衝液(PH7.5)に溶解
された。臭化エチジウム(最終濃度800μg/ml)
およびCsCl(最終密度1397)が加えられた。溶液
(全量30ml)はソーバル社製Ti865型ローター中
において毎分41000回転で20℃において40時間遠
心分離された。染色体DNAはしかる後紫外線下
で回収されEDTA1ミリモルを含有する10ミリモ
ルのトリス−HCL緩衝液(PH7.5)2ずつを4
回とりかえて透析された。しかる後試料は上記の
通りにエタノールおよび酢酸ナトリウムを用いて
沈澱せしめられた。沈澱物は氷冷水中70%(v/
v)のエタノールで洗浄され、次に真空中で軽度
に乾燥され、最後にEDTA1ミリモルを含有する
10ミリモルのトリス−HCl緩衝液(PH7.5)300μl
に注意深く懸濁された。 制限酵素分解 DNAの試料(10μgずつ)は別々にBam H
、Pvu、Eco RおよびBglのような制限
酵素(ニユー・イングランド・バイオラブス社製
品)10単位を用い2時間37℃において分解され
た。分解は65℃に2分間熱することにより止めら
れた。 電気泳動 分解された試料からのDNA断片は、0.045モル
濃度のトリス−酢酸塩緩衝液中0.7%(w/v)
アガロースゲル(PH8.3)、50V12時間の電気泳動
により分離された。電気泳動は室温でアイスバー
グM100A型装置により実施された。DNA断片
は、しかる後Southern氏の記述による方法〔「J.
Mol.Biol.」第98巻第508頁(1975年)〕によりニ
トロセルロースフイルター(シユライヘル・アン
ド・シユル社製BA85号)上へ移された。しかる
後フイルターは真空中80℃で2時間乾燥された。 ヒトの第群移植抗原に対応するプローブの単離 HLA−DRおよびHLA−DCのそれぞれのβ鎖
に対応するcDNAクローンの翻訳済みおよび3′−
未翻訳プローブは別別にアガロースゲル電気泳動
により単離された。HLA−DRおよびHLA−DC
のそれぞれのα鎖の翻訳済み部分に対応するプロ
ーブは、同じ方法により精製された。第1図は各
種の異なるプローブおよびそれらが由来する元の
cDNAクローンを模式図的に示す。 プローブの放射能標識 使用されるプローブは、いわゆるニツク翻訳法
〔Rigby氏その他「J.Mol.Biol.」第113巻第237〜
251頁(1977年)〕によりα〔32P〕ATPで放射能
標識された。プローブの比放射能は約3×
107cpm/μgDNAであつた。使用の直前に、容量
1ml中のプローブは0.2モル濃度のNaOH0.5mlを
加え、10分間室温において変性され、しかる後
1.5モル濃度の燐酸ナトリウム液(PH7.5)0.625ml
を加えて中和され、氷上に置かれた。 ニトロセルロースフイルター上における交雑 ニトロセルロースフイルターは、ホルムアミド
(50%容量)、硫酸デキストラン(1g/ml)、0.9
モル濃度NaCl、0.045モル濃度燐酸ナトリウム緩
衝剤(PH7.5)、0.002モル濃度EDTA、牛血清ア
ルブミン(1mg/ml)、フイコール(1mg/ml)、
ポリビニルピロリドン(1mg/ml)、0.05モル濃
度ヘペス、ドデシル硫酸ナトリウム(1mg/ml)
および一重鎖の超音波処理した鮭精子DNA
(80μg/ml)を含有する液中で42℃3時間予備交
雑された。しかる後、予備交雑液は牛血清アルブ
ミン、フイコールおよびポリビニルピロリドンの
量が1/5に減らされた以外は予備交雑液と同じ組
成で、10ml中に変性された放射能標識付プローブ
(約5×106cpm)を含有する交雑液と交換され
た。さらにまたヘペス濃度も予備交雑液中の半分
に減らされた。プローブの交雑は42℃において24
時間実施された。 しかる後フイルターは下記の通りの操作手順に
より洗浄された。すなわち 1 NaCl0.36モル、燐酸ナトリウム0.018モル
(PH7.5)、EDTA0.001モル、ドデシル硫酸ナト
リウム1mg/mlを含有する溶液で室温において
2回 2 NaCl0.036モル、燐酸ナトリウム0.0018モル
(PH7.5)、EDTA0.0001モル、ドデシル硫酸ナ
トリウム1mg/mlを含有する溶液で15分間55℃
において2回 3 最終的にNaCl0.036モル、燐酸ナトリウム
0.0018モル(PH7.5)、EDTA0.001モルを含有す
る溶液で室温において1回 オートラジオグラフイー ニトロセルロースフイルターは乾燥され、X線
カセツト中にコダツク社製XAR−5号フイルム
およびデユポン社製クロネツクスライトニング−
プラススクリーンと共に−70℃で3日間置かれ
た。しかる後フイルムはアグフア/ゲバルト社製
自動現像装置により現像された。 実施例 1 血清学的組織タイプ分け法は、比較対照となる
細胞の入手可能性に依存する。そのような細胞
は、通常1ケ所またはそれ以上の多形性MHC遺
伝子座において同型接合である。本発明の方法が
従来の方法に優ることを明示するために、同型接
合のタイプ分け細胞のDNAを上述の操作に付し
た。用いられた細胞は、DR遺伝子座において同
型接合であり、それぞれ1、2、3、4、5、
6、7および8の特異性を有する第群抗原を表
わした。DC遺伝子座の第群抗原に関する血清
学的タイプ分けデータは得られていなかつた。 多くの場合第群抗原のタイプ分けに用いられ
る抗血清が第群抗原の鎖の両方または一方に対
抗する抗体を含む否かは明らかでない。しかし
DRおよびDCのα鎖およびβ鎖のcDNA挿入体が
単離されたので、それらはすべて交雑におけるプ
ローブとして用いられた。 DRのα鎖のcDNAは、制限エンドヌクレアー
ゼEco RまたはPstが分解に用いられた場合
には、DNAかどのタイプ分け細胞から単離され
たかにかかわらず、同一サイズの単一なバンドと
交雑した。しかし分解が酵素Bglを用いて行わ
れた場合にはDRタイプ1、3および6を検査し
たときにDRのα鎖のプローブと交雑する特徴の
ある断片が得られた。その他すべてのDRタイプ
については、単一の交雑する断片はサイズにおい
て同一であつた(第2図のP列〜X列参照)。 酵素Bam HまたはPvuのいずれかにより
分解された同一のDNA標品を用いてDCα鎖プロ
ーブとの交雑が実施された。第2図は異なるDR
特異性を表わす8種類の細胞タイプがすべて独得
な交雑パターンを生ずることを示す。血清学的分
析は現在のところ4種類のDC抗原を表わしたみ
であるから、ここに示した分析は改善された分解
能を提供すると結論され得る。さらに新規なDC
∝鎖対立遺伝子の発見は明白である。 DR同型接合細胞よりのDNAが制限エンドヌク
レアーゼPvuで分解され、サイズ分離の後
DNA断片はDRおよびDCのβ鎖プローブとそれ
ぞれ交雑せしめられた。第3図は、その結果を示
す。交雑パターンが、用いられたプローブおよび
細胞について独得であつたことは明白である。従
つて本発明は、DRおよびDCのβ鎖対立遺伝子を
同定する手段を提供し、本発明の方法はさらに多
くのβ鎖対立遺伝子を解像明示する。 第3図のデータは、DRおよびDCのβ鎖対立遺
伝子が用いられたcDNAプローブと交雑する多種
類の断片を生ずることを示す。プローブ中の交雑
する隣接の配列部分は、イントロン配列により2
回またはそれ以上中断されている対立遺伝子のゲ
ノム的配列に対応するから、このことは期待され
た結果である。このようなイントロンは、制限酵
素切断部位を含むが用いられたプローブとは交雑
しない。しかしプローブと交雑する単一の試料中
の多種類のDNA断片についての観察は、プロー
ブが1個以上の遺伝子のDNA断片と反応するこ
とを示す。第3図のデータはDRおよびDCのβ鎖
配列が用いられた条件下でごく僅かながら交差的
に交雑することを明らかに示すけれども、そのデ
ータは解明を要する。この目的のために、第3図
の実験は反復され、cDNAの翻訳済み区域および
3′未翻訳区域にそれぞれ対応するDRおよびDCの
β鎖プローブを用いた比較分析が用いられた(第
1図参照)。DNA試料は、電気泳動および交雑に
先立ちBam Hで分解された。第4図は2種類
のDRβ鎖プローブを用いて得られた結果を示す。
この制限酵素を用いた場合にも未翻訳のプローブ
が、翻訳済みプローブが生じさせたようなそれぞ
れのDRタイプに対する独得の交雑パターンを生
じさせないことは明白である。しかし制限酵素
Pvuを用いてDNA試料が分解された場合には
プローブ中の3′未翻訳のDRβ鎖により生ずる配置
図は、DR特異性の異なるそれぞれの細胞タイプ
について独得である(第5図)。しかしこのプロ
ーブと交雑する制限断片の数は、DRβ鎖翻訳済
みプローブと交雑する断片数より少ない(第5図
参照)。 第6図は、酵素Bam Hで分解され、DCの
β鎖の翻訳済区域および3′未翻訳区域のそれぞれ
に対応するプローブと交雑した同型接合のタイプ
分け細胞からのDNAの制限パターンを示す。翻
訳済区域のプローブが各々の細胞タイプについて
独得の制限酵素切断配置図を呈するのに対して
3′未翻訳区域のプローブは大部分の場合単一の断
片とのみ交雑し、8種類の細胞タイプ中の5種類
については対立遺伝子を判別し得なかつた(第6
図のJ列〜N列参照)。額面通りに受け取れば、
これらのデータはヒトの半数体ゲノムが単一の
DCβ鎖遺伝子を含むことを示唆する。 第2〜6図に示されたデータは、各種のプロー
ブおよび制限酵素を用いることにより、組織タイ
プ分けは本発明の方法に従つて実施され得ること
を明示している。本方法はDC遺伝子座に関する
データが例示するように、新規な第群抗原
(HLA−D)対立遺伝子の検出を可能ならしめる
のみでなく、またα鎖およびβ鎖の対立遺伝子を
別別に分析する手段を提供し、それは従来かつて
血清学的手法によつては達成し得なかつたもので
ある。 実施例 2 本発明の方法の解像分離能を検討するために、
DNAが血清学的タイプ分けでそれぞれDR/7/
7(1個体)、DR2/7(2個体)およびDR2/2
(1個)を発現するとタイプ分けされた4個体か
ら単離された。被検者4個体はすべて遺伝的なつ
ながりはなかつた。それぞれからの試料は別々に
酵素PvuおよびBam Hで分解され、DRお
よびDCのβ鎖のcDNAクローンの翻訳済プロー
ブを用いて制限酵素切断位置地図が確立された。
結果は第7図に総括されている。予期の通りに、
DRβ鎖のプローブは用いられた酵素の種類にか
かわりなく2種類の同型接合の試料について特別
なパターンをもたらした。しかしながら、同型接
合の2個体の合併した制限酵素切断位置地図は異
型接合の個体について記録された位置地図と同一
であつた。同様にDCβ鎖プローブは、DR同型接
合の個体について独得の位置地図を提供した。し
かしながら、異型接合の2個体についての位置地
図は類似ではなく、そのうちの1個体についての
み同型接合の個体の合併した位置地図と対応して
いる。DRおよびDC遺伝子座は、第6染色体上に
互に近接して位置する。 この密接な連鎖関係により、所与のDR対立遺
伝子はしばしば所与のDC対立遺伝子と共に存在
すると予期される。しかしながら第7図に示され
たデータは、この密接な連鎖関係にもかかわら
ず、本発明の方法がDRおよびDC遺伝子座をそれ
ぞれ独立に分析し得ることを明示している。 実施例 3 HLA−DR表現型を評定するための血清学的分
析も「混合淋巴球培養法」も共に多大の熟練を要
する。またそのような分析の再現性は容認し得な
いほど近い。本発明の方法の再現性を検討するた
めに、DNAが2組の単一接合体性(一卵性)双
生児から単離された。それぞれの試料は別々に扱
われ、酵素分解の後に制限切断位置地図作成に向
けられた。第8図は、得られた制限切断位置地図
がそれぞれの組の双生児について同一であつたこ
とを示す。すなわち制限酵素分解も、用いられた
プローブもそれぞれの組の双生児に人工的な差異
を生ぜしめることはなかつた。本発明の方法は明
らかに再現性が高い。 実施例 4 32P標識付のDCβ鎖cDNAプローブ(以前より
pDR−β−1と呼ばれる)〔Wiman氏その他
「Proc.Natl.Acad.Sci.USA」第79巻第1703〜1707
頁(1982年)参照〕が合計92個体から単離された
DNAの制限エンドヌクレアーゼ分解の研究に用
いられた。ラムダ・フアージのDNA断片が分子
サイズの指示体として用いられた。 ヒトのDNAは制限酵素Eco Rで分解され、
生成した断片はゲル電気泳動により分離され、サ
ウザーン氏法による交雑に付された。 Eco R分解は、少なくとも8種類の異なる
断片を生成した。すなわちkb(キロベース)単位
によるおよそのサイズが、20、13、11、9、6、
4、3.5および2.2であつた。 6kbの断片は92個体全部に存在した。11kbの断
片は、完全にすべてではないがほとんどすべてに
存在した。その他の断片は可変的に出現した。
9kbおよび2.2kbの断片は対になつて出現した。
すなわち両方共に出現かまたは不存在かのいずれ
かであつた。 92の個体はプローブと交雑するDNA断片につ
いて17種類の異なる切断位置図を示したが総個体
数の20%を包括する地図はなかつた。器官移植ま
たは輸血の供与者は、そのような処置を要する側
の個体と同じ地図を示すグループ中から探し求め
られる。 この研究において92個体中の45個体は健康な対
照であり、31個体はインシユリン依存性糖尿病
(IDDM)患者であり、16個体は非インシユリン
依存性糖尿病(NIDDM)患者と診断された。
9kb/2.2kbの同胞断片の分離を下記に示す。
【表】 パーセント
IDDM患者の分析は二重の分析により確認され
た。 この観察の意義は、IDDM患者には2.2/9kb同
胞断片の欠落が一般の個体群よりも高い頻度で生
ずることである。可能な説明はIDDM患者では
HLA−DCβ鎖をコードする対立遺伝子中にEoc
Rによる切断部位が欠けているということであ
る。用いられたプローブはDCβ鎖でありDRβ鎖
ではないことに注目する必要がある。1または2
個所の制限酵素切断部位の欠落が、遺伝子により
コードされる生成分子に影響を及ぼすことがあり
得る。 IDDM患者に2.2/9kb同胞断片の頻度が低いと
いう観察はまた、IDDM患者の100%近くがHLA
−DR3、HLA−DR4あるいはHLA−DR3/4を発
現するという観点からすれば劇的である。これら
の対立遺伝子は健康な個体群中の60%以下にしか
存在しない。 他の研究において発明者はDNAがそれぞれ予
めBam HおよびPst により分解された場
合にプローブと交雑する制限断片を検査した。比
較のためにEco Rにより分解されたDNAも検
査した。個体群は関係のない54個体で健康人25、
そしてIDDM患者29であつた。対象は交雑する断
片の個体群中における頻度を想定するためにすべ
て無作為に選んだ。どの個体も予めHLA−DRに
ついてタイプ分けされていなかつた。 健康な個体に比べてIDDM患者は交雑する2.2
および9.0kbのEco R断片の予期された通りに
低い頻度を示した(p<0.01、上記参照)。また
DCβ鎖プローブと交雑する3.2kbおよび3.7kbの2
個のBam H断片はIDDM患者のDNA試料中
では健康人に比べて低い頻度であつた(Pc<
0.001、第2表参照)。5.8kbのBam H断片
(Pc<0.05)およびPstによる4.9kbおよび6.0kb
の断片(Pc<0.05)はIDDM患者において増大し
た頻度を示した。 2群の間の制限酵素切断位置地図の差異は、
IDDM患者においてHLA−DR3および/または
DR4対立遺伝子が優勢であることにより説明さ
れ得る。しかし用いられたプローブはDCβ鎖の
cDNAであり、HLA−DRおよび−DC遺伝子座
の間の正確な連鎖関係はまだ知られていないの
で、データについて疑問の余地のない説明はまだ
与えられない。それにもかかわらず、IDDM患者
のDNAにおいてBam Hによる3.7kb断片の頻
度が低下していることはIDDMとHLA−DR2と
の間に確立された負の連結に依存するとは考えら
れない(第1表参照)。それはHLA−DR2同型接
合のタイプ分け細胞のDNAはこのBam H断
片を表わさないからである(第6図のB列参照)。
3.7kb断片の正確な起原を確定するためにはさら
に多くの分析を要する(下記参照)。しかし3.7kb
のBam H断片はIDDM患者のDNAを検査し
たときにはまれにしか観察されないのに対して、
同じ断片は健康人がHLA−DR4を発現している
場合にもDNA中に一層高い頻度(30〜40%)で
現われることは多少とも充足を与える。 無作為に選ばれたIDDM患者と健康人との
DNAは、Pstによる18kbの断片の頻度につい
て差異はない。IDDM患者と健康人とのDNA中
におけるこの断片の頻度の差は、同一のHLA−
DR表現型を表わす個体の間で比較が行われた場
合に妥当であるらしく思われる。 実施例 5 HLA−DRについて同一であるかまたは無作為
に選ばれた健康人および糖尿病患者からのDNA
が制限エンドヌクレアーゼにより分解されたとき
に生成するサイズの異なる断片とHLA−DCβ鎖
のcDNAプローブとが交雑するか否かがテストさ
れた。血清学的にHLA−DR4およびまたは3/4と
タイプ分けされた個体のうちで、インシユリン依
存性糖尿病(IDDM)患者はPstによる18kbの
DNA断片の増大した頻度を示した。Bam H
による3.7kbのDNA断片は、健康人では頻度が高
いが(30〜40%)、IDDM患者のDNA中にはまれ
にしか検出されなかつた(0〜2%)。 スエーデンのリンケピング大学小児科において
年令18才以下で診断され、HLA−DR3/−(5
人)、DR4/−(8人)、またはDR3/4(9人)を
発現しているIDDM患者22人からDNAが単離さ
れた。HLA−DR3 3/3または3/−(5人)、
HLA−DR4/4または4/−(7人)、あるいは
HLA−DR3/4(13人)を発現しているIDDM患
者25人とHLA−DR3(4人)、HLA−DR4(9人)
あるいはHLA−DR3/4(13人)を発現している
健康対照人からの追加のDNA試料が凍結保存し
予めDRタイプ分けされた淋巴球から単離され
た。
【表】
【表】 無作為に選んだIDDM患者(29人)および対照
健康人(25人)から単離された酵素分解された
DNAの交雑パターンも比較された。全部の患者
は年令30才以前に診断され、インシユリン処置を
受けていた。これらの患者および対照健康人はす
べてコーカサス人種であつた。DNA試料は別々
に3種類の制限エンドヌクレアーゼで分解され
た。DCβ鎖cDNAのプローブは、テストされた異
なる個体におけるBam Hによる断片5〜9
個、Eco Rによる断片4〜7個およびPstに
よる断片4〜8個と交雑した(第2表)。Bam
Hによる配列片10kb、8.0kb、7.0kbおよび
5.0kbならびにEco Rによる配列片11kbおよび
6.5kbは検査された全個体に存在したが、その他
の配列片の存否は一定でなかつた。 第9図はそれぞれBam H(第1〜第3列)、
Eco R(第4〜第6列)およびPst(第7〜
第9列)により分解された3人の無関係なHLA
−DR3/4の対照健康人で検出された制限酵素断
片を示す。Bam Hによる3.7kbおよび12kbの
配列片、Eco Rによる20kbならびにPstによ
る18kbおよび5.1kbの配列片は個体により存否一
定でなかつた。 Bam Hによる3.7kbおよびPstによる18kb
の配列片の頻度はHLA−DRに関して同一と血清
学的にタイプ分けされたIDDM患者と健康人との
間で異なつていた(第4表)。Pstによる18kb
の配列片は、HLA−DR4およびDR3/4を発現す
るIDDM患者において増大した頻度で存在した。
HLA−DR対立遺伝子を発現する患者は、p値が
観察されたPst断片の数について補正された場
合でさえも対照と差異があつた(Pc<0.01)。
Bam Hによる3.7kbの配列片の頻度は、対照
に比べてIDDM患者において明らかに低下した
(Pc<0.01)。3.7kbの配列片を有するHLA−DR3
および/またはDR4陽性の8個体のうち6個体
はPstによる18kbの断片を欠いていた。これら
の結果は、HLA−D区域のβ鎖遺伝子のヌクレ
オチド配列片が存在し、そしてそれがIDDMに結
びつくことを明示する。
【表】
【表】
【図面の簡単な説明】
第1図二硫化物(ジスルフイツド)を含むαお
よびβ鎖よりなる第群抗原分子の模式図(中
段)。第群抗原のα鎖およびβ鎖cDNAプロー
ブならびにそれらを単離するために用いられた制
限酵素切断位置は図の上段および下段に示されて
いる。それらのおよその長さは、100bp(塩基対)
ごとの目盛をつけた線により推定される。β鎖
cDNAクローンの翻訳済(TR)および3′未翻訳
(UT)プローブが用いられたのに対して、α鎖
プローブは両者とも翻訳済部分に対応する。 第2図DCα鎖cDNAプローブ(第1図参照)
とDR特異性(1〜8)について同型接合である
と血清学的にタイプ分けされた個体のDNAとの
交雑(A列〜P列)。DNAは別々にBam H
(A列〜H列)およびPvu(I列〜P列)によ
り分解された。同じDNAはまたBglにより分
解され、DRα鎖cDNAプローブと交雑せしめら
れた(Q列〜X列)。DR1同型接合DNはA列、
I列およびQ列に出現し、DR8同型接合DNAは
P列、H列およびX列に現われている。 第3図DR(A列)およびDC(B列)β鎖翻訳済
プローブとDR特異性(1〜8)について同型接
合であると血清学的にタイプ分けされた個体の
DNAとの交雑(上記の各列)。図には断片のサイ
ズ(kb)によるバンドの位置を標示してある。 第4図DR特異性(1〜8)について同型接合
であると血清学的にタイプ分けされた個体の
DNAとDRβ鎖cDNAの翻訳済プローブ(A列〜
H列)および3′未翻訳プローブ(I列〜P列)と
の交雑(A列およびI列はDR1DNAを示し、H
列およびP列はDR8DNAを表示する)。DNAは
Bam Hにより分離された。 第5図第4図と同一の実験。ただしDNAは
Bam HではなくPvuにより分解された。 第6図第4図に記述したのと同様のDCβ鎖
cDNAの翻訳済みプローブ(A列〜H列)および
3′未翻訳プローブ4I列〜P列)の交雑。DNA
はBamHにより分解された。 第7図DR(第1〜第8列)およびDC(第9〜第
16列)β鎖cDNAの翻訳済みプローブと、DRβ
鎖遺伝子座において表現型的に同型接合である2
個体のDNAとの交雑(DR7/7は第1、第5、第
9および第13列ならびにDR/2/2は第4、第
8、第12および第16列)およびDR特異性(2/
7)を発現すると血清学的にタイプ分けされた2
個体のDNAとの交雑(第2、第6、第10および
第14列は異型接合の1個体の制限パターンを示
し、これに対して他の1個体のパターンは第3、
第7、、第11および第15列に示される)。DNAの
一定量は別々にPvu(第1〜第4列および第9
〜第2列)ならびにBam H(第5〜第8列お
よび第13〜第16列)により分解された。 第8図DC(第1、第2、第5、第6、第9、第
10、第13および第14列)およびDR(第3、第4、
第7、第8、第11、第12、第15および第16列)β
鎖cDNAの翻訳済みプローブと2組(それぞれ
AAおよびBB)の1卵性双生児のDNAとの交
雑。第1〜第8列はAA双生児のDNAを示し、
第9〜第16列はBB双生児のDNAを示す。第1〜
第4列および第9〜第12列のDNAはPvuによ
り分解されたのに対して第5〜第8列および第13
〜第16列のDNAはBam Hにより分解された。 第9図DCβ鎖cDNAの翻訳済プローブと健康で
遺伝的に無関係な3個体のDNAとの交雑。各個
体のDNA調製物は、別々にBam H(第1〜
第3列)、Eco R(第4〜第6列)およびPst
(第7〜第9列)により分解された。
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