JPH04282390A - リン酸ジエステルの製造法 - Google Patents
リン酸ジエステルの製造法Info
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- JPH04282390A JPH04282390A JP4497791A JP4497791A JPH04282390A JP H04282390 A JPH04282390 A JP H04282390A JP 4497791 A JP4497791 A JP 4497791A JP 4497791 A JP4497791 A JP 4497791A JP H04282390 A JPH04282390 A JP H04282390A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン酸ジエステルの製
造法、更に詳細にはリン酸モノエステルのモノ四級アン
モニウム塩とエポキシ化合物を反応させて、選択性良く
有利にリン酸ジエステルを製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】リン酸
エステルは、洗浄剤、繊維処理剤、乳化剤、防錆剤、液
状イオン交換体、医薬品、更には機能性材料であるベシ
クル、累積膜等の形成剤として幅広い分野で利用されて
いる。かかるリン酸エステルの機能を保ちつつ、リン酸
エステルに更に新たな機能を持った構造を導入し、リン
酸エステルの用途を拡大しようとする研究が盛んに行わ
れている。例えば重合性基やヘテロ原子(例えばハロゲ
ン原子や窒素原子を有する炭化水素基)を導入し、それ
ぞれリン酸エステル構造を有する単量体やリン脂質に代
表される同一分子内に四級アンモニウム塩を有するリン
酸ジエステルを製造する研究が行われている。 【0003】かかるリン酸ジエステルを製造する方法と
しては以下のようなものが挙げられる。 (1)リン酸エステルにチオニルクロライド等の塩素化
剤を用いてホスホロクロリデート化するか、ホスホロク
ロリデート構造を有するリン酸エステルを調製し、対応
する有機ヒドロキシ化合物と反応させる方法(例えば、
特公昭55−30768号公報)。 (2)リン酸エステルが有しているリン酸酸性基とエポ
キシ化合物との反応を利用する方法。 (3)リン酸モノエステルのリン酸酸性基の一つをアル
カリ金属塩にすることにより、リン酸モノエステル1モ
ルに対しエポキシ化合物1モルのみを反応させる方法(
例えば、特開昭62−48689号公報)。 【0004】しかしながら、(1)の方法によると必然
的に塩酸ガスが発生し、人体及び環境に悪影響を与える
ため、工業的な製造法としては不向きである。(2)の
方法は、重合性基や窒素原子を有したエポキシ化合物と
リン酸エステルとから容易に目的化合物を得ることが可
能であり、工業的方法としてすぐれている。しかし、そ
の反面、目的化合物である特定の機能を有した炭化水素
基をリン酸モノエステルに選択的に一分子だけ導入した
リン酸ジエステルばかりでなく、更にもう一分子導入さ
れたリン酸トリエステルが生成してしまい、本来リン酸
エステルが有している両親媒性の性質を喪失し、目的と
するリン酸ジエステルを収率よく、純粋な形で単離する
ことが困難であるという欠点を有している。また、(3
)の方法は、前記(2)の欠点を克服し、所望のリン酸
ジエステルを効率よく得ることができる。しかし、かか
る方法では、反応溶媒として水または水を含有する有機
溶媒を用いる必要があり、エポキシ化合物の加水分解反
応が併発する。その結果リン酸モノエステルを100%
反応させるためには、リン酸モノエステルに対し過剰量
のエポキシ化合物が必要となる。しかもエポキシ化合物
の加水分解生成物であるジオール化合物は、回収再使用
が困難であることに加えて両親媒性を有することが多い
。それ故、目的化合物とジオール化合物を有機溶剤によ
る抽出や再結晶等の方法で分離することが困難であるこ
とが多く、工業的な製造法としては問題があった。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる実状において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、リン酸モノエステル
陽型対イオンをモノ四級アンモニウム塩とし、かつ特定
溶媒中にて、リン酸モノエステル1モルに対しエポキシ
化合物を約1モル反応させれば、リン酸ジエステルを高
収率かつ高純度で得ることができることを見出し、本発
明を完成するに至った。 【0006】本発明の製造法は次の反応式によって示さ
れる。 【化4】 〔式中、R1 は、水素原子がハロゲン原子で置換され
ていてもよい炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖のア
ルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数1〜15
の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で置換されたフェニ
ル基を、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基であり、
R3 、R4 、R5 及びR6 は同一または異なっ
ていてもよい炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖のア
ルキル基、または炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキル基で置換されたフェニル基で、R3 、R4
、R5 及びR6 の少なくともひとつは、炭素数4
以上のアルキル基、または炭素数1〜15の直鎖もしく
は分岐鎖のアルキル基で置換されていてもよいフェニル
基であり、R7 、R8 、R9 及びR10は水素原
子または有機基を示し、R7 とR9 は一緒になって
環を形成していてもよく、nは0〜30の数であること
を示す〕 【0007】即ち、本発明は、有機リン酸モノエステル
のモノ四級アンモニウム塩(1)とエポキシ化合物(2
)を、エポキシ化合物(2)に対して不活性な有機溶媒
中で反応させてリン酸ジエステル(3)を得る方法であ
る。 【0008】本発明において用いられる一般式(1)で
表されるリン酸モノエステル塩のうち、直鎖または分岐
鎖のモノアルキルリン酸塩としては、モノメチルリン酸
塩、モノエチルリン酸塩、モノブチルリン酸塩、モノペ
ンチルリン酸塩、モノヘキシルリン酸塩、モノオクチル
リン酸塩、モノデシルリン酸塩、モノドデシルリン酸塩
、モノテトラデシルリン酸塩、モノヘキサデシルリン酸
塩、モノオクタデシルリン酸塩、モノエイコシルリン酸
塩、モノドコシルリン酸塩、モノテトラコシルリン酸塩
、モノヘキサコシルリン酸塩、モノオクタコシルリン酸
塩、モノトリアコンチルリン酸塩、モノドトリアコンチ
ルリン酸塩、モノテトラトリアコンチルリン酸塩、モノ
ヘキサトリアコンチルリン酸塩、2−エチルヘキシルリ
ン酸塩、2−ブチルオクチルリン酸塩、2−ヘキシルデ
シルリン酸塩、2−オクチルドデシルリン酸塩、2−デ
シルテトラデシルリン酸塩、2−ドデシルヘキサデシル
リン酸塩、2−テトラデシルオクタデシルリン酸塩、2
−ヘキサデシルエイコシルリン酸塩、モノメチル分岐イ
ソステアリルリン酸塩等が挙げられる。直鎖または分岐
鎖のモノアルケニルリン酸塩としては、モノエチリルリ
ン酸塩、モノブチリルリン酸塩、モノオクテニルリン酸
塩、モノデセニルリン酸塩、モノドデセニルリン酸塩、
モノテトラデセニルリン酸塩、モノヘキサデセニルリン
酸塩、モノオクタデセニルリン酸塩、モノエイコセニル
リン酸塩、モノドコセニルリン酸塩、モノテトラコセニ
ルリン酸塩、モノヘキサコセニルリン酸塩、モノオクタ
コセニルリン酸塩、モノトリアコンテニルリン酸塩、モ
ノドトリアコンテニルリン酸塩、モノテトラトリアコン
テニルリン酸塩、モノヘキサトリアコンテニルリン酸塩
等が挙げられる。モノアルキルフェニルリン酸塩として
は、モノオクチルフェニルリン酸塩、モノノニルフェニ
ルリン酸塩等が挙げられる。モノポリオキシアルキレン
アルキルエーテルリン酸塩またはモノポリオキシアルキ
レンアルケニルエーテルリン酸塩としては、モノトリオ
キシエチレンドデシルエーテルリン酸塩、モノオクタオ
キシプロピレンドデシルエーテルリン酸塩、モノオクタ
オキシエチレンポリトリオキシプロピレンドデシルエー
テルリン酸塩、モノテトラオキシエチレンオクタデセニ
ルエーテルリン酸塩等が挙げられる。モノポリオキシア
ルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩としては、
モノペンタオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン
酸塩、モノジオキシプロピレンオクチルフェニルエーテ
ルリン酸塩等が挙げられる。モノ2−ヒドロキシアルキ
ルリン酸塩としては、モノ2−ヒドロキシドデシルリン
酸塩、モノ2−ヒドロキシヘキサデシルリン酸塩等が挙
げられる。モノ2−ヒドロキシ−3−アルキルオキシプ
ロピルリン酸塩またはモノ2−ヒドロキシ−3−アルケ
ニルオキシプロピルリン酸塩としては、モノ2−ヒドロ
キシ−3−ドデシルオキシプロピルリン酸塩、モノ2−
ヒドロキシ−3−モノメチル分岐イソステアリルオキシ
プロピルリン酸塩、モノ2−ヒドロキシ−3−オクタデ
セニルオキシプロピルリン酸塩等が挙げられる。 モノ含ハロゲン原子アルキルリン酸塩としては、モノト
リデカフルオロオクチルリン酸塩、モノヘプタデカフル
オロデシルリン酸塩、モノヘンエイコサフルオロドデシ
ルリン酸塩、モノペンタコサフルオロテトラデシルリン
酸塩等が挙げられる。 【0009】また、一般式(1)中の四級アンモニウム
カチオンのうち、直鎖または分岐鎖のアルキル基を有す
るものとしては、テトラブチル、トリブチルメチル、ブ
チルトリプロピル、テトラペンチル、テトラヘキシル、
ヘキシルトリメチル、テトラヘプチル、テトラオクチル
、オクチルトリメチル、ジデシルジメチル、デシルトリ
メチル、ジドデシルジメチル、ドデシルトリメチル、テ
トラデシルトリメチル、ヘキサデシルエチルジメチル、
ヘキサデシルトリメチル、テトラオクタデシル、オクタ
デシルトリメチル等のアンモニウムカチオンが挙げられ
、好ましくはテトラブチル、テトラペンチル、テトラヘ
キシル等のアンモニウムカチオンが挙げられる。アルキ
ル基で置換されていてもよいフェニル基を含む四級アン
モニウムカチオンとしては、ベンジルフェニルジメチル
、ベンジルオクタデシルジメチル、ベンジルヘキサデシ
ルジメチル、ベンジルテトラデシルジメチル、ベンジル
ドデシルジメチル、ベンジルトリブチル、ベンジルトリ
エチル、ベンジルトリメチル、フェニルトリエチル、フ
ェニルトリメチル等のアンモニウムカチオンが挙げられ
る。 【0010】本発明において用いられる一般式(2)で
表されるエポキシ化合物としては、グリシジルアクリレ
ート、グリシルジメタクリレート、アリルグリシジルエ
ーテル、アルキルグリシジルエーテル、グリシジルトリ
アルキルアンモニウムハライド、ビスフェノールAのジ
グリシジルエーテル等のグリシジル基を含んだ化合物や
エピクロルヒドリン、グリシドール、α−オレフィンの
エポキサイド等の分子の末端にエポキシ基を有する化合
物、ビス−(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキ
シルメチル)アジペート等の分子内にエポキシ基を有す
る化合物等が挙げられる。なお、本発明における原料化
合物は、これらの例示に限定されるものではない。 【0011】本発明において用いられる一般式(1)で
表されるリン酸モノエステルの四級アンモニウム塩は、
いずれの方法で得られたものでもよいが、本発明に使用
されるリン酸モノエステル塩(1)は高純度であるのが
好ましい。即ち、リン酸ジエステル塩が含まれると、目
的化合物(3)の純度を低下させると共に、高純度の目
的化合物を得るための精製が困難になる。また、オルト
リン酸塩が含まれると、目的の反応の収率を低下させ、
更に目的化合物の純度を低下させると共に、高純度の目
的化合物を得るための精製が困難になる。従って、リン
酸モノエステル塩(1)としては、90重量%以上の純
度のものを使用することが好ましい。リン酸モノエステ
ルをモノ四級アンモニウム塩にすることなく、リン酸酸
性基のまま反応を行うと、目的化合物ばかりでなく、更
にもう1モルのエポキシ化合物が反応したリン酸トリエ
ステルが副生し、目的化合物の収率を低下させ好ましく
ない。また、例えばモノアルカリ金属塩にすると反応を
水を含む溶媒中で行う必要があり、エポキシ化合物(2
)の加水分解反応が起こるため、エポキシ化合物がリン
酸モノエステルに対して過剰量必要であり、しかもエポ
キシ化合物が加水分解されたジオール化合物が副生し、
高純度の目的化合物を得ることが困難になる。従って、
本発明を実施するに際しては、リン酸モノエステルのモ
ノ四級アンモニウム塩(1)のかたちで使用することが
必要である。 【0012】本発明において反応に用いる溶媒としては
、水を含まない不活性な溶媒が好ましく、例えば、ノル
マルヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等を挙げることがで
き、特にノルマルヘキサン及びイソプロパノールが好ま
しい。また、これらの有機溶媒中には微量の水を含有し
ていてもよいがその場合の水の含有量は有機溶媒に対し
て5重量%以下である。反応温度は、好ましくは30〜
100 ℃であり、より好ましくは50〜90℃である
。本発明の製造法において、エポキシ化合物(2)は、
リン酸モノエステル塩(1)に対して等モル量反応させ
ればよいが、2倍モルまでの範囲であれば過剰に用いて
もよい。 【0013】 【実施例】以下、実施例、参考例及び比較例を挙げて本
発明を説明する。 【0014】参考例1 モノアルキルリン酸のテトラ
アルキルアンモニウム塩(原料化合物)の製造:反応器
にモノ2−デシルテトラデシルリン酸 100g(0.
230mol)、臭化テトラn−ブチルアンモニウム7
4.8g(0.232mol)及び水 100gを投入
し、室温で30分攪拌した。次いで、反応溶液にノルマ
ルヘキサン1.00kgを加えて振盪した後、静置、分
層して上層(ノルマルヘキサン層)を採取した。採取し
た溶液からノルマルヘキサンを留去し、真空乾燥してモ
ノ2−デシルテトラデシルリン酸のモノテトラn−ブチ
ルアンモニウム塩 148g(0.218mol 、収
率94.8%)を得た。尚、かかる製造法は例示であり
、上の方法に限定されるものではない。 【0015】実施例1 2−デシルテトラデシル
2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸のテトラn
−ブチルアンモニウム塩の製造: 参考例1で得たモノ2−デシルテトラデシルリン酸のモ
ノテトラn−ブチルアンモニウム塩98.7g(0.2
16mol)を反応器に投入し、ノルマルヘキサン1.
00kgを加えて40℃に昇温した後、エピクロルヒド
リン20.3g(0.219mol)を滴下した。滴下
後、溶媒還流温度まで昇温し7時間加熱攪拌した。反応
は、電位差滴定で残存するリン酸モノエステルの量を求
めることによって追跡した。反応終了後、溶液からノル
マルヘキサンを留去し、更に真空乾燥することによって
目的物である2−デシルテトラデシル 2−ヒドロキ
シ−3−クロロプロピルリン酸のテトラn−ブチルアン
モニウム塩 159g(0.207mol 、収率95
.0%)を得た。尚、IR、 1H−NMR、13C−
NMR及び元素分析値より目的化合物であることを確認
した。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) Cl(%) 測定値
87.25 12.01
1.81 4.08 4.34
計算値 87.19
11.93 1.82 4.
03 4.61 【0016】比較例1 反応器にモノ2−デシルテトラデシルリン酸モノナトリ
ウム塩98.7g(0.216mol)を投入し、ノル
マルヘキサン1.00kgを加えて40℃に昇温した後
、エピクロルヒドリンを滴下した。滴下後、溶媒還流温
度まで昇温して加熱攪拌したが、エピクロルヒドリンを
最終的に 200g(2.16モル、対リン酸モノエス
テル10倍モル量)まで加えても反応は全く進行せず、
目的化合物である2−デシルテトラデシル2−ヒドロキ
シ−3−クロロプロピルリン酸ナトリウム塩は得られな
かった。 【0017】比較例2 反応器にモノ2−デシルテトラデシルリン酸 100g
(0.230mol)、1規定水酸化ナトリウム水溶液
230ml、水 520g及びイソプロパノール 2
50gを加え攪拌混合後、40℃に昇温してエピクロル
ヒドリン99.9g(1.08mol)を滴下した。滴
下後、溶媒還流温度まで昇温して6時間加熱攪拌した。 反応終了後、未反応エピクロルヒドリン及びエピクロル
ヒドリンのエポキシ開環物であるクロロプロパンジオー
ルを除去するために、溶媒を留去した後、2000gの
アセトンを加え、−5℃で24時間冷却して結晶を析出
させた後、濾過した。得られた沈澱を乾燥して2−デシ
ルテトラデシル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピ
ルリン酸ナトリウム塩50.5g(0.092mol
、収率40.0%)を得た。 【0018】実施例2 ドデシル 2−ヒドロキシ
−3−メタクリロイロキシプロピルリン酸のテトラn−
ヘキシルアンモニウム塩の製造:反応器にモノドデシル
リン酸のモノテトラn−ヘキシルアンモニウム塩 22
9g(0.369mol)を投入し、ノルマルヘキサン
1.00kgを加えて40℃に昇温した後、グリシジル
メタクリレート52.6g(0.370mol)を滴下
した。滴下後、60℃に昇温し7時間加熱攪拌した。反
応終了後、溶液からノルマルヘキサンを留去し、更に真
空乾燥することによって目的物であるドデシル 2−
ヒドロキシ−3−メタクリロイロキシプロピルリン酸の
テトラn−ヘキシルアンモニウム塩 268g(0.3
52mol、収率95.4%)を得た。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) 測定値 67.76
11.50 1.81
4.08 計算値 67.
77 11.64 1.84
4.06 【0019】比較例3 反応器にモノドデシルリン酸 100g(0.375m
ol)、1規定水酸化ナトリウム水溶液 376ml及
び水 620mlを投入し、40℃に昇温して30分間
攪拌した。次いで、温度を維持したままグリシジルメタ
クリレート 214g(1.51mol、対リン酸モノ
エステル4倍モル量)を滴下した。滴下後、60℃に昇
温し7時間加熱攪拌した。反応終了後、溶媒を留去した
後、アセトン2000gを投入し、−5℃で24時間冷
却して析出した結晶を濾別し、更に真空乾燥してドデシ
ル 2−ヒドロキシ−3−メタクリロイロキシプロピ
ルリン酸ナトリウム塩84.2g(0.196mol
、収率52.1%)を得た。 【0020】実施例3 2−エチルヘキシル 2−
ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸のドデシルトリ
メチルアンモニウム塩の製造:反応器に2−エチルヘキ
シルリン酸のモノドデシルトリメチルアンモニウム塩2
04 g(0.466mol)を投入し、ノルマルヘキ
サン1.00kgを加えて40℃に昇温してから、エピ
クロルヒドリン43.2g(0.467ml)を滴下し
た。滴下後、70℃に昇温し7時間加熱攪拌した。反応
終了後、溶液からノルマルヘキサンを留去し、更に真空
乾燥することによって目的物である2−エチルヘキシル
2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸のドデ
シルトリメチルアンモニウム塩 216g(0.408
mol 、収率87.6%)を得た。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) Cl(%) 測定値
58.63 11.05
2.68 5.85 6.79
計算値 58.90
10.84 2.64 5.
84 6.69 【0021】実施例4
トリオキシエチレンドデシルエーテル 2−ヒドロキ
シ−3−クロロプロピルリン酸のテトラn−ブチルアン
モニウム塩の製造:反応器にモノトリオキシエチレンド
デシルエーテルリン酸のモノテトラn−ブチルアンモニ
ウム塩 159g(0.249mol)を投入し、クロ
ロホルム1.00kgを加えて40℃に昇温した後、エ
ピクロルヒドリン23.1g(0.250mol)を滴
下した。滴下後、70℃に昇温し7時間加熱攪拌した。 反応終了後、溶液からノルマルヘキサンを留去し、更に
真空乾燥することによって目的物であるトリオキシエチ
レンドデシルエーテル 2−ヒドロキシ−3−クロロ
プロピルリン酸のテトラn−ブチルアンモニウム塩 1
77g(0.242mol 、収率97.2%)を得た
。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) Cl(%) 測定値
60.67 10.87
1.91 4.23 4.84
計算値 60.49
10.64 2.12 4.
50 5.02 【0022】実施例5
ノニルフェニル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピ
ルリン酸のテトラn−ブチルアンモニウム塩の製造:反
応器にモノノニルフェニルリン酸のモノテトラn−ブチ
ルアンモニウム塩176 g(0.325mol)を投
入し、テトラヒドロフラン1.00kgを加えて40℃
に昇温した後、エピクロルヒドリン30.2g(0.3
26mol)を滴下した。滴下後、70℃に昇温し10
時間加熱攪拌した。反応終了後、反応溶液からノルマル
ヘキサンを留去し、更に真空乾燥することによって目的
物であるノニルフェニル 2−ヒドロキシ−3−クロ
ロプロピルリン酸のテトラn−ブチルアンモニウム塩
199g(0.314mol、収率96.7%)を得た
。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) Cl(%) 測定値
64.61 10.11
2.05 4.61 5.40
計算値 64.38
10.33 2.21 4.
88 5.59 【0023】実施例6
オクタデセニル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピ
ルリン酸のテトラn−ヘキシルアンモニウム塩の製造:
反応器にモノオクタデセニルリン酸のモノテトラn−ヘ
キシルアンモニウム塩123g(0.175mol)を
投入し、ノルマルヘキサン1.00kgを加えて40℃
に昇温した後、エピクロルヒドリン16.4g(0.1
77mol)を滴下した。滴下後、70℃に昇温し6時
間加熱攪拌した。 反応終了後、反応溶液からノルマルヘキサンを留去し、
更に真空乾燥することによって目的物であるオクタデセ
ニル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸の
テトラn−ヘキシルアンモニウム塩 132g(0.1
66mol 、収率94.9%)を得た。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) Cl(%) 測定値
68.21 10.82
1.92 3.93 4.41
計算値 68.02
11.80 1.76 3.
90 4.46 【0024】実施例7
モノペンタデカフルオロデシル 2−ヒドロキシ−3
−クロロプロピルリン酸のドデシルトリメチルアンモニ
ウム塩の製造:反応器にモノペンタデカフルオロデシル
リン酸のモノドデシルトリメチルアンモニウム塩 10
0g(0.130mol)を投入し、ノルマルヘキサン
1.00kgを加えて40℃に昇温した後、エピクロル
ヒドリン12.1g(0.131mol)を滴下した。 滴下後、70℃に昇温し6時間加熱攪拌した。反応終了
後、反応溶液からノルマルヘキサンを留去し、更に真空
乾燥することによって目的物であるモノペンタデカフル
オロデシル2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸
のドデシルトリメチルアンモニウム塩 111g(0.
128mol 、収率98.5%)を得た。 元素分析 C(%)
H(%) F(%) N(%) P(
%) Cl(%) 測定値
38.99 5.15 37.46
1.59 3.66 4.21
計算値 38.92
5.13 37.38 1.62 3
.58 4.10 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、特定の機能を有した炭
化水素基をリン酸モノエステルの両親媒性の性質を失わ
せず、しかもエポキシ化合物の加水分解反応の発生を低
減して、リン酸モノエステルに選択的に1分子だけ導入
でき、リン酸ジエステルの利用用途を幅広く拡大するこ
とができる。そして斯かるリン酸ジエステルを工業的に
極めて有利に製造することができる。
造法、更に詳細にはリン酸モノエステルのモノ四級アン
モニウム塩とエポキシ化合物を反応させて、選択性良く
有利にリン酸ジエステルを製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】リン酸
エステルは、洗浄剤、繊維処理剤、乳化剤、防錆剤、液
状イオン交換体、医薬品、更には機能性材料であるベシ
クル、累積膜等の形成剤として幅広い分野で利用されて
いる。かかるリン酸エステルの機能を保ちつつ、リン酸
エステルに更に新たな機能を持った構造を導入し、リン
酸エステルの用途を拡大しようとする研究が盛んに行わ
れている。例えば重合性基やヘテロ原子(例えばハロゲ
ン原子や窒素原子を有する炭化水素基)を導入し、それ
ぞれリン酸エステル構造を有する単量体やリン脂質に代
表される同一分子内に四級アンモニウム塩を有するリン
酸ジエステルを製造する研究が行われている。 【0003】かかるリン酸ジエステルを製造する方法と
しては以下のようなものが挙げられる。 (1)リン酸エステルにチオニルクロライド等の塩素化
剤を用いてホスホロクロリデート化するか、ホスホロク
ロリデート構造を有するリン酸エステルを調製し、対応
する有機ヒドロキシ化合物と反応させる方法(例えば、
特公昭55−30768号公報)。 (2)リン酸エステルが有しているリン酸酸性基とエポ
キシ化合物との反応を利用する方法。 (3)リン酸モノエステルのリン酸酸性基の一つをアル
カリ金属塩にすることにより、リン酸モノエステル1モ
ルに対しエポキシ化合物1モルのみを反応させる方法(
例えば、特開昭62−48689号公報)。 【0004】しかしながら、(1)の方法によると必然
的に塩酸ガスが発生し、人体及び環境に悪影響を与える
ため、工業的な製造法としては不向きである。(2)の
方法は、重合性基や窒素原子を有したエポキシ化合物と
リン酸エステルとから容易に目的化合物を得ることが可
能であり、工業的方法としてすぐれている。しかし、そ
の反面、目的化合物である特定の機能を有した炭化水素
基をリン酸モノエステルに選択的に一分子だけ導入した
リン酸ジエステルばかりでなく、更にもう一分子導入さ
れたリン酸トリエステルが生成してしまい、本来リン酸
エステルが有している両親媒性の性質を喪失し、目的と
するリン酸ジエステルを収率よく、純粋な形で単離する
ことが困難であるという欠点を有している。また、(3
)の方法は、前記(2)の欠点を克服し、所望のリン酸
ジエステルを効率よく得ることができる。しかし、かか
る方法では、反応溶媒として水または水を含有する有機
溶媒を用いる必要があり、エポキシ化合物の加水分解反
応が併発する。その結果リン酸モノエステルを100%
反応させるためには、リン酸モノエステルに対し過剰量
のエポキシ化合物が必要となる。しかもエポキシ化合物
の加水分解生成物であるジオール化合物は、回収再使用
が困難であることに加えて両親媒性を有することが多い
。それ故、目的化合物とジオール化合物を有機溶剤によ
る抽出や再結晶等の方法で分離することが困難であるこ
とが多く、工業的な製造法としては問題があった。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる実状において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、リン酸モノエステル
陽型対イオンをモノ四級アンモニウム塩とし、かつ特定
溶媒中にて、リン酸モノエステル1モルに対しエポキシ
化合物を約1モル反応させれば、リン酸ジエステルを高
収率かつ高純度で得ることができることを見出し、本発
明を完成するに至った。 【0006】本発明の製造法は次の反応式によって示さ
れる。 【化4】 〔式中、R1 は、水素原子がハロゲン原子で置換され
ていてもよい炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖のア
ルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数1〜15
の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で置換されたフェニ
ル基を、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基であり、
R3 、R4 、R5 及びR6 は同一または異なっ
ていてもよい炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖のア
ルキル基、または炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖
のアルキル基で置換されたフェニル基で、R3 、R4
、R5 及びR6 の少なくともひとつは、炭素数4
以上のアルキル基、または炭素数1〜15の直鎖もしく
は分岐鎖のアルキル基で置換されていてもよいフェニル
基であり、R7 、R8 、R9 及びR10は水素原
子または有機基を示し、R7 とR9 は一緒になって
環を形成していてもよく、nは0〜30の数であること
を示す〕 【0007】即ち、本発明は、有機リン酸モノエステル
のモノ四級アンモニウム塩(1)とエポキシ化合物(2
)を、エポキシ化合物(2)に対して不活性な有機溶媒
中で反応させてリン酸ジエステル(3)を得る方法であ
る。 【0008】本発明において用いられる一般式(1)で
表されるリン酸モノエステル塩のうち、直鎖または分岐
鎖のモノアルキルリン酸塩としては、モノメチルリン酸
塩、モノエチルリン酸塩、モノブチルリン酸塩、モノペ
ンチルリン酸塩、モノヘキシルリン酸塩、モノオクチル
リン酸塩、モノデシルリン酸塩、モノドデシルリン酸塩
、モノテトラデシルリン酸塩、モノヘキサデシルリン酸
塩、モノオクタデシルリン酸塩、モノエイコシルリン酸
塩、モノドコシルリン酸塩、モノテトラコシルリン酸塩
、モノヘキサコシルリン酸塩、モノオクタコシルリン酸
塩、モノトリアコンチルリン酸塩、モノドトリアコンチ
ルリン酸塩、モノテトラトリアコンチルリン酸塩、モノ
ヘキサトリアコンチルリン酸塩、2−エチルヘキシルリ
ン酸塩、2−ブチルオクチルリン酸塩、2−ヘキシルデ
シルリン酸塩、2−オクチルドデシルリン酸塩、2−デ
シルテトラデシルリン酸塩、2−ドデシルヘキサデシル
リン酸塩、2−テトラデシルオクタデシルリン酸塩、2
−ヘキサデシルエイコシルリン酸塩、モノメチル分岐イ
ソステアリルリン酸塩等が挙げられる。直鎖または分岐
鎖のモノアルケニルリン酸塩としては、モノエチリルリ
ン酸塩、モノブチリルリン酸塩、モノオクテニルリン酸
塩、モノデセニルリン酸塩、モノドデセニルリン酸塩、
モノテトラデセニルリン酸塩、モノヘキサデセニルリン
酸塩、モノオクタデセニルリン酸塩、モノエイコセニル
リン酸塩、モノドコセニルリン酸塩、モノテトラコセニ
ルリン酸塩、モノヘキサコセニルリン酸塩、モノオクタ
コセニルリン酸塩、モノトリアコンテニルリン酸塩、モ
ノドトリアコンテニルリン酸塩、モノテトラトリアコン
テニルリン酸塩、モノヘキサトリアコンテニルリン酸塩
等が挙げられる。モノアルキルフェニルリン酸塩として
は、モノオクチルフェニルリン酸塩、モノノニルフェニ
ルリン酸塩等が挙げられる。モノポリオキシアルキレン
アルキルエーテルリン酸塩またはモノポリオキシアルキ
レンアルケニルエーテルリン酸塩としては、モノトリオ
キシエチレンドデシルエーテルリン酸塩、モノオクタオ
キシプロピレンドデシルエーテルリン酸塩、モノオクタ
オキシエチレンポリトリオキシプロピレンドデシルエー
テルリン酸塩、モノテトラオキシエチレンオクタデセニ
ルエーテルリン酸塩等が挙げられる。モノポリオキシア
ルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩としては、
モノペンタオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン
酸塩、モノジオキシプロピレンオクチルフェニルエーテ
ルリン酸塩等が挙げられる。モノ2−ヒドロキシアルキ
ルリン酸塩としては、モノ2−ヒドロキシドデシルリン
酸塩、モノ2−ヒドロキシヘキサデシルリン酸塩等が挙
げられる。モノ2−ヒドロキシ−3−アルキルオキシプ
ロピルリン酸塩またはモノ2−ヒドロキシ−3−アルケ
ニルオキシプロピルリン酸塩としては、モノ2−ヒドロ
キシ−3−ドデシルオキシプロピルリン酸塩、モノ2−
ヒドロキシ−3−モノメチル分岐イソステアリルオキシ
プロピルリン酸塩、モノ2−ヒドロキシ−3−オクタデ
セニルオキシプロピルリン酸塩等が挙げられる。 モノ含ハロゲン原子アルキルリン酸塩としては、モノト
リデカフルオロオクチルリン酸塩、モノヘプタデカフル
オロデシルリン酸塩、モノヘンエイコサフルオロドデシ
ルリン酸塩、モノペンタコサフルオロテトラデシルリン
酸塩等が挙げられる。 【0009】また、一般式(1)中の四級アンモニウム
カチオンのうち、直鎖または分岐鎖のアルキル基を有す
るものとしては、テトラブチル、トリブチルメチル、ブ
チルトリプロピル、テトラペンチル、テトラヘキシル、
ヘキシルトリメチル、テトラヘプチル、テトラオクチル
、オクチルトリメチル、ジデシルジメチル、デシルトリ
メチル、ジドデシルジメチル、ドデシルトリメチル、テ
トラデシルトリメチル、ヘキサデシルエチルジメチル、
ヘキサデシルトリメチル、テトラオクタデシル、オクタ
デシルトリメチル等のアンモニウムカチオンが挙げられ
、好ましくはテトラブチル、テトラペンチル、テトラヘ
キシル等のアンモニウムカチオンが挙げられる。アルキ
ル基で置換されていてもよいフェニル基を含む四級アン
モニウムカチオンとしては、ベンジルフェニルジメチル
、ベンジルオクタデシルジメチル、ベンジルヘキサデシ
ルジメチル、ベンジルテトラデシルジメチル、ベンジル
ドデシルジメチル、ベンジルトリブチル、ベンジルトリ
エチル、ベンジルトリメチル、フェニルトリエチル、フ
ェニルトリメチル等のアンモニウムカチオンが挙げられ
る。 【0010】本発明において用いられる一般式(2)で
表されるエポキシ化合物としては、グリシジルアクリレ
ート、グリシルジメタクリレート、アリルグリシジルエ
ーテル、アルキルグリシジルエーテル、グリシジルトリ
アルキルアンモニウムハライド、ビスフェノールAのジ
グリシジルエーテル等のグリシジル基を含んだ化合物や
エピクロルヒドリン、グリシドール、α−オレフィンの
エポキサイド等の分子の末端にエポキシ基を有する化合
物、ビス−(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキ
シルメチル)アジペート等の分子内にエポキシ基を有す
る化合物等が挙げられる。なお、本発明における原料化
合物は、これらの例示に限定されるものではない。 【0011】本発明において用いられる一般式(1)で
表されるリン酸モノエステルの四級アンモニウム塩は、
いずれの方法で得られたものでもよいが、本発明に使用
されるリン酸モノエステル塩(1)は高純度であるのが
好ましい。即ち、リン酸ジエステル塩が含まれると、目
的化合物(3)の純度を低下させると共に、高純度の目
的化合物を得るための精製が困難になる。また、オルト
リン酸塩が含まれると、目的の反応の収率を低下させ、
更に目的化合物の純度を低下させると共に、高純度の目
的化合物を得るための精製が困難になる。従って、リン
酸モノエステル塩(1)としては、90重量%以上の純
度のものを使用することが好ましい。リン酸モノエステ
ルをモノ四級アンモニウム塩にすることなく、リン酸酸
性基のまま反応を行うと、目的化合物ばかりでなく、更
にもう1モルのエポキシ化合物が反応したリン酸トリエ
ステルが副生し、目的化合物の収率を低下させ好ましく
ない。また、例えばモノアルカリ金属塩にすると反応を
水を含む溶媒中で行う必要があり、エポキシ化合物(2
)の加水分解反応が起こるため、エポキシ化合物がリン
酸モノエステルに対して過剰量必要であり、しかもエポ
キシ化合物が加水分解されたジオール化合物が副生し、
高純度の目的化合物を得ることが困難になる。従って、
本発明を実施するに際しては、リン酸モノエステルのモ
ノ四級アンモニウム塩(1)のかたちで使用することが
必要である。 【0012】本発明において反応に用いる溶媒としては
、水を含まない不活性な溶媒が好ましく、例えば、ノル
マルヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等を挙げることがで
き、特にノルマルヘキサン及びイソプロパノールが好ま
しい。また、これらの有機溶媒中には微量の水を含有し
ていてもよいがその場合の水の含有量は有機溶媒に対し
て5重量%以下である。反応温度は、好ましくは30〜
100 ℃であり、より好ましくは50〜90℃である
。本発明の製造法において、エポキシ化合物(2)は、
リン酸モノエステル塩(1)に対して等モル量反応させ
ればよいが、2倍モルまでの範囲であれば過剰に用いて
もよい。 【0013】 【実施例】以下、実施例、参考例及び比較例を挙げて本
発明を説明する。 【0014】参考例1 モノアルキルリン酸のテトラ
アルキルアンモニウム塩(原料化合物)の製造:反応器
にモノ2−デシルテトラデシルリン酸 100g(0.
230mol)、臭化テトラn−ブチルアンモニウム7
4.8g(0.232mol)及び水 100gを投入
し、室温で30分攪拌した。次いで、反応溶液にノルマ
ルヘキサン1.00kgを加えて振盪した後、静置、分
層して上層(ノルマルヘキサン層)を採取した。採取し
た溶液からノルマルヘキサンを留去し、真空乾燥してモ
ノ2−デシルテトラデシルリン酸のモノテトラn−ブチ
ルアンモニウム塩 148g(0.218mol 、収
率94.8%)を得た。尚、かかる製造法は例示であり
、上の方法に限定されるものではない。 【0015】実施例1 2−デシルテトラデシル
2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸のテトラn
−ブチルアンモニウム塩の製造: 参考例1で得たモノ2−デシルテトラデシルリン酸のモ
ノテトラn−ブチルアンモニウム塩98.7g(0.2
16mol)を反応器に投入し、ノルマルヘキサン1.
00kgを加えて40℃に昇温した後、エピクロルヒド
リン20.3g(0.219mol)を滴下した。滴下
後、溶媒還流温度まで昇温し7時間加熱攪拌した。反応
は、電位差滴定で残存するリン酸モノエステルの量を求
めることによって追跡した。反応終了後、溶液からノル
マルヘキサンを留去し、更に真空乾燥することによって
目的物である2−デシルテトラデシル 2−ヒドロキ
シ−3−クロロプロピルリン酸のテトラn−ブチルアン
モニウム塩 159g(0.207mol 、収率95
.0%)を得た。尚、IR、 1H−NMR、13C−
NMR及び元素分析値より目的化合物であることを確認
した。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) Cl(%) 測定値
87.25 12.01
1.81 4.08 4.34
計算値 87.19
11.93 1.82 4.
03 4.61 【0016】比較例1 反応器にモノ2−デシルテトラデシルリン酸モノナトリ
ウム塩98.7g(0.216mol)を投入し、ノル
マルヘキサン1.00kgを加えて40℃に昇温した後
、エピクロルヒドリンを滴下した。滴下後、溶媒還流温
度まで昇温して加熱攪拌したが、エピクロルヒドリンを
最終的に 200g(2.16モル、対リン酸モノエス
テル10倍モル量)まで加えても反応は全く進行せず、
目的化合物である2−デシルテトラデシル2−ヒドロキ
シ−3−クロロプロピルリン酸ナトリウム塩は得られな
かった。 【0017】比較例2 反応器にモノ2−デシルテトラデシルリン酸 100g
(0.230mol)、1規定水酸化ナトリウム水溶液
230ml、水 520g及びイソプロパノール 2
50gを加え攪拌混合後、40℃に昇温してエピクロル
ヒドリン99.9g(1.08mol)を滴下した。滴
下後、溶媒還流温度まで昇温して6時間加熱攪拌した。 反応終了後、未反応エピクロルヒドリン及びエピクロル
ヒドリンのエポキシ開環物であるクロロプロパンジオー
ルを除去するために、溶媒を留去した後、2000gの
アセトンを加え、−5℃で24時間冷却して結晶を析出
させた後、濾過した。得られた沈澱を乾燥して2−デシ
ルテトラデシル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピ
ルリン酸ナトリウム塩50.5g(0.092mol
、収率40.0%)を得た。 【0018】実施例2 ドデシル 2−ヒドロキシ
−3−メタクリロイロキシプロピルリン酸のテトラn−
ヘキシルアンモニウム塩の製造:反応器にモノドデシル
リン酸のモノテトラn−ヘキシルアンモニウム塩 22
9g(0.369mol)を投入し、ノルマルヘキサン
1.00kgを加えて40℃に昇温した後、グリシジル
メタクリレート52.6g(0.370mol)を滴下
した。滴下後、60℃に昇温し7時間加熱攪拌した。反
応終了後、溶液からノルマルヘキサンを留去し、更に真
空乾燥することによって目的物であるドデシル 2−
ヒドロキシ−3−メタクリロイロキシプロピルリン酸の
テトラn−ヘキシルアンモニウム塩 268g(0.3
52mol、収率95.4%)を得た。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) 測定値 67.76
11.50 1.81
4.08 計算値 67.
77 11.64 1.84
4.06 【0019】比較例3 反応器にモノドデシルリン酸 100g(0.375m
ol)、1規定水酸化ナトリウム水溶液 376ml及
び水 620mlを投入し、40℃に昇温して30分間
攪拌した。次いで、温度を維持したままグリシジルメタ
クリレート 214g(1.51mol、対リン酸モノ
エステル4倍モル量)を滴下した。滴下後、60℃に昇
温し7時間加熱攪拌した。反応終了後、溶媒を留去した
後、アセトン2000gを投入し、−5℃で24時間冷
却して析出した結晶を濾別し、更に真空乾燥してドデシ
ル 2−ヒドロキシ−3−メタクリロイロキシプロピ
ルリン酸ナトリウム塩84.2g(0.196mol
、収率52.1%)を得た。 【0020】実施例3 2−エチルヘキシル 2−
ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸のドデシルトリ
メチルアンモニウム塩の製造:反応器に2−エチルヘキ
シルリン酸のモノドデシルトリメチルアンモニウム塩2
04 g(0.466mol)を投入し、ノルマルヘキ
サン1.00kgを加えて40℃に昇温してから、エピ
クロルヒドリン43.2g(0.467ml)を滴下し
た。滴下後、70℃に昇温し7時間加熱攪拌した。反応
終了後、溶液からノルマルヘキサンを留去し、更に真空
乾燥することによって目的物である2−エチルヘキシル
2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸のドデ
シルトリメチルアンモニウム塩 216g(0.408
mol 、収率87.6%)を得た。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) Cl(%) 測定値
58.63 11.05
2.68 5.85 6.79
計算値 58.90
10.84 2.64 5.
84 6.69 【0021】実施例4
トリオキシエチレンドデシルエーテル 2−ヒドロキ
シ−3−クロロプロピルリン酸のテトラn−ブチルアン
モニウム塩の製造:反応器にモノトリオキシエチレンド
デシルエーテルリン酸のモノテトラn−ブチルアンモニ
ウム塩 159g(0.249mol)を投入し、クロ
ロホルム1.00kgを加えて40℃に昇温した後、エ
ピクロルヒドリン23.1g(0.250mol)を滴
下した。滴下後、70℃に昇温し7時間加熱攪拌した。 反応終了後、溶液からノルマルヘキサンを留去し、更に
真空乾燥することによって目的物であるトリオキシエチ
レンドデシルエーテル 2−ヒドロキシ−3−クロロ
プロピルリン酸のテトラn−ブチルアンモニウム塩 1
77g(0.242mol 、収率97.2%)を得た
。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) Cl(%) 測定値
60.67 10.87
1.91 4.23 4.84
計算値 60.49
10.64 2.12 4.
50 5.02 【0022】実施例5
ノニルフェニル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピ
ルリン酸のテトラn−ブチルアンモニウム塩の製造:反
応器にモノノニルフェニルリン酸のモノテトラn−ブチ
ルアンモニウム塩176 g(0.325mol)を投
入し、テトラヒドロフラン1.00kgを加えて40℃
に昇温した後、エピクロルヒドリン30.2g(0.3
26mol)を滴下した。滴下後、70℃に昇温し10
時間加熱攪拌した。反応終了後、反応溶液からノルマル
ヘキサンを留去し、更に真空乾燥することによって目的
物であるノニルフェニル 2−ヒドロキシ−3−クロ
ロプロピルリン酸のテトラn−ブチルアンモニウム塩
199g(0.314mol、収率96.7%)を得た
。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) Cl(%) 測定値
64.61 10.11
2.05 4.61 5.40
計算値 64.38
10.33 2.21 4.
88 5.59 【0023】実施例6
オクタデセニル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピ
ルリン酸のテトラn−ヘキシルアンモニウム塩の製造:
反応器にモノオクタデセニルリン酸のモノテトラn−ヘ
キシルアンモニウム塩123g(0.175mol)を
投入し、ノルマルヘキサン1.00kgを加えて40℃
に昇温した後、エピクロルヒドリン16.4g(0.1
77mol)を滴下した。滴下後、70℃に昇温し6時
間加熱攪拌した。 反応終了後、反応溶液からノルマルヘキサンを留去し、
更に真空乾燥することによって目的物であるオクタデセ
ニル 2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸の
テトラn−ヘキシルアンモニウム塩 132g(0.1
66mol 、収率94.9%)を得た。 元素分析 C(%)
H(%) N(%) P(%
) Cl(%) 測定値
68.21 10.82
1.92 3.93 4.41
計算値 68.02
11.80 1.76 3.
90 4.46 【0024】実施例7
モノペンタデカフルオロデシル 2−ヒドロキシ−3
−クロロプロピルリン酸のドデシルトリメチルアンモニ
ウム塩の製造:反応器にモノペンタデカフルオロデシル
リン酸のモノドデシルトリメチルアンモニウム塩 10
0g(0.130mol)を投入し、ノルマルヘキサン
1.00kgを加えて40℃に昇温した後、エピクロル
ヒドリン12.1g(0.131mol)を滴下した。 滴下後、70℃に昇温し6時間加熱攪拌した。反応終了
後、反応溶液からノルマルヘキサンを留去し、更に真空
乾燥することによって目的物であるモノペンタデカフル
オロデシル2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルリン酸
のドデシルトリメチルアンモニウム塩 111g(0.
128mol 、収率98.5%)を得た。 元素分析 C(%)
H(%) F(%) N(%) P(
%) Cl(%) 測定値
38.99 5.15 37.46
1.59 3.66 4.21
計算値 38.92
5.13 37.38 1.62 3
.58 4.10 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、特定の機能を有した炭
化水素基をリン酸モノエステルの両親媒性の性質を失わ
せず、しかもエポキシ化合物の加水分解反応の発生を低
減して、リン酸モノエステルに選択的に1分子だけ導入
でき、リン酸ジエステルの利用用途を幅広く拡大するこ
とができる。そして斯かるリン酸ジエステルを工業的に
極めて有利に製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は、水素原子がハロゲン原子で置換され
ていてもよい炭素数1〜36の直鎖もしくは分岐鎖のア
ルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数1〜15
の直鎖または分岐鎖のアルキル基で置換されたフェニル
基を、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基であり、R
3 、R4 、R5 及びR6 は同一または異なって
いてもよい炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアル
キル基、または炭素数1〜15の直鎖もしくは分岐鎖の
アルキル基で置換されたフェニル基で、R3 、R4
、R5 及びR6 の少なくともひとつは、炭素数4以
上のアルキル基、または炭素数1〜15の直鎖もしくは
分岐鎖のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基
であり、nは0〜30の数であることを示す〕で表され
る有機リン酸モノエステルの四級アンモニウム塩と次の
一般式(2) 【化2】 〔式中、R7 、R8 、R9 及びR10は水素原子
または有機基を示し、R7 とR9 は一緒になって環
を形成していてもよい〕 で表されるエポキシ化合物を、エポキシ化合物(2)に
対して不活性な有機溶媒中で反応させることを特徴とす
る次の一般式(3) 【化3】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R
6 、R7 、R8、R9 、R10及びnは前記の意
味を有する〕で表される有機リン酸ジエステルの製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4497791A JPH04282390A (ja) | 1991-03-11 | 1991-03-11 | リン酸ジエステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4497791A JPH04282390A (ja) | 1991-03-11 | 1991-03-11 | リン酸ジエステルの製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04282390A true JPH04282390A (ja) | 1992-10-07 |
Family
ID=12706530
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4497791A Pending JPH04282390A (ja) | 1991-03-11 | 1991-03-11 | リン酸ジエステルの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH04282390A (ja) |
-
1991
- 1991-03-11 JP JP4497791A patent/JPH04282390A/ja active Pending
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