JPH04285561A - 医療用材料の滅菌方法および医療用器具の製造方法 - Google Patents

医療用材料の滅菌方法および医療用器具の製造方法

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JPH04285561A
JPH04285561A JP3127014A JP12701491A JPH04285561A JP H04285561 A JPH04285561 A JP H04285561A JP 3127014 A JP3127014 A JP 3127014A JP 12701491 A JP12701491 A JP 12701491A JP H04285561 A JPH04285561 A JP H04285561A
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fibrin
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protein
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Yoshihito Takano
高野 良仁
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用材料の滅菌方法
および医療用器具の製造方法に関する。さらに詳しくは
、本発明は、生理活性を有する水不溶性の蛋白質を主成
分とする医療用材料を滅菌する方法、および基材の表面
に生理活性を有する水不溶性の蛋白質を主成分とする医
療用材料が付与され、かつ滅菌された医療用器具の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、基材の表面に生理活性を有す
る蛋白質を付与してなる医療用器具が種々開示されてい
る。
【0003】例えば、特開昭62−258666号には
、多孔質基材にイソシアネートで架橋されたゼラチンを
付与してなる人工血管が開示されている。また、特開昭
54−63588号には、アルブミン、ゼラチン等の蛋
白質を、グルタルアルデヒドを用いてダクロンへ共重合
させた人工血管が開示されている。
【0004】これらの技術においては、イソシアネート
あるいはグルタルアルデヒドの架橋作用によって、蛋白
質中に含有された菌はほとんど死滅するが、蛋白質を付
与していない部位は滅菌されないので、さらにオートク
レーブ、エチレンオキサイドガス、あるいはγ線滅菌等
を施す。
【0005】しかしながら、これらの滅菌操作によって
、蛋白質は変性し、その生理活性はほとんど失われてし
まうことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、生
理活性を有する蛋白質を主成分とする医療用材料を、当
該医療用材料中の蛋白質を変質させることなく滅菌する
ことを可能とする医療用材料の滅菌方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するも
のは、生理活性を有する水不溶性の蛋白質を主成分とす
る医療用材料の滅菌方法であって、当該医療用材料に保
護溶液を含浸させ、含浸状態を維持したままγ線を照射
することを特徴とする医療用材料の滅菌方法である。
【0008】前記保護溶液は、蒸留水、生理食塩水およ
び多糖類水溶液からなる群より選ばれたものであること
が好ましい。
【0009】前記蛋白質は、フィブリンまたはその部分
加水分解物であることが好ましい。また、本発明は、基
材の表面に、生理活性を有する水不溶性の蛋白質を主成
分とする医療用材料を付与する工程と、前記医療用材料
に保護溶液を含浸させ、当該医療用材料の含浸状態を維
持したまま、基材および医療用材料にγ線を照射する工
程とを有することを特徴とする医療用器具の製造方法を
示すものである。
【0010】
【作用】本発明においては、生理活性を有する水不溶性
の蛋白質を主成分とする医療用材料の滅菌するにあたり
、当該医療用材料に保護溶液を含浸させ、含浸状態を維
持したままγ線を照射するので、医療用材料中の蛋白質
を変質させることなく確実に滅菌することができる。 具体的には、医療用材料を蒸留水、生理食塩水および多
糖類水溶液からなる群より選ばれた保護溶液に含浸させ
、含浸状態を維持したままγ線照射を施すことが好まし
い。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】なお、本発明において「生理活性を有する
蛋白質」とは、蛋白質自体が生理活性を有する場合はも
ちろんのこと、蛋白質自体が担体となって生理活性物質
(薬剤)を担持している場合をも包含するものである。
【0013】本発明で採用される蛋白質は、生体内にお
いて何らかの生理活性を発現し、かつ水不溶性を呈する
ものあでれば特に限定されないが、具体的には、細胞誘
導性を有するゼラチン、あるいは抗血栓性(線溶活性亢
進作用)を有するフィブリンあるいはその部分加水分解
物を好適な例としてあげることができる。これらの蛋白
質のうち、特に優れた線溶活性亢進作用を有する点から
、フィブリンの部分加水分解物が好ましい。
【0014】本発明における医療用材料は、前記の蛋白
質を主成分として含有するものであるが、生理活性を有
する他の薬剤が担持あるいは配合されていてもよい。こ
れらの薬剤は特に限定されるものではないが、ヘパリン
、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等の血液凝固阻止
活性を有する酸性ムコ多糖、あるいはウロキナーゼ、エ
ラスターゼ等の線溶活性を有する酵素などをあげること
ができる。なお、蛋白質に酵素を担持あるいは配合させ
る場合には、蛋白質自体を分解させない酵素を選択する
ことが必要である。また、蛋白質に前記のような薬剤を
担持させる場合には、蛋白質自体が生理活性を有してい
なくともよく、この場合には薬剤の担持能力があってし
かも水不溶性の蛋白質であれば特に限定されない。
【0015】フィブリンとしては、精製フィブリノーゲ
ン、プラズマ、クリオプレシピテイトの中から選ばれた
少なくとも1種の材料に、トロンビン溶液を接触させて
得られたものを使用することができる。またフィブリン
の加水分解物としては、前記と同様の手法で得られたフ
ィブリンにプラスミン溶液等の加水分解酵素を作用させ
、部分加水分解を施し、C末端にアミノ酸リジン残基を
露呈させた部分加水分解物(ペプチド)を使用すること
ができる。
【0016】しかしながら、本発明における蛋白質は、
上記のように水溶性の蛋白質前駆体(フィブリノーゲン
)と作用物質(トロンビン)とを反応させて形成したも
のに限らず、あらかじめ固形状に形成されたものを用い
てもよい。
【0017】しかして、本発明においては、前述のよう
な医療用材料に保護溶液を含浸させ、含浸状態を維持し
たままγ線を照射し、滅菌を施すものである。
【0018】この滅菌操作は、具体的には、医療用材料
を、蒸留水、生理食塩水および多糖類水溶液からなる群
より選ばれた保護溶液に含浸させ、含浸状態を維持した
ままγ線照射を行うことにより実施される。
【0019】なお、ここでいう多糖類とは、γ線照射に
よって活性化することなく化学的に安定であって、しか
も水溶性の多糖であれば特に限定されるものではなく、
具体的にはソルビトール、マンニトール、キシリトール
、トレハロース等から選択される。これら多糖水溶液の
濃度としては、2〜20(W/V)%、より好ましくは
5〜10(W/V)%であることが望まれる。
【0020】また、医療用材料に含浸させる保護溶液は
、予め溶存する酸素を窒素、ヘリウム、アルゴン等の不
活性ガスにバブリング等の手法により置換しておいた溶
液であることが好ましい。このように酸素を不活性ガス
に置換することにより、γ線照射時にラジカルが発生し
ないので、医療用材料中の蛋白質の変性が防止されるも
のである。
【0021】前記のような保護溶液を医療用材料に含浸
させ、含浸状態を維持したまま滅菌を行うには、例えば
次のような手法をとることができる。
【0022】■蛋白質を主成分とする医療用材料を保護
溶液に浸漬して、保護溶液を医療用材料に含浸させ、次
いで医療用材料を保護溶液から取り出して、所望により
過剰の水分を除去し、これを水蒸気バリヤー性かつ菌不
透過性を有する容器内に密封し、この状態にてγ線を照
射することにより行う。医療用材料に接触される保護溶
液の温度としては、医療用材料中の蛋白質への影響を考
慮した上で、0〜65℃程度であることが望まれる。
【0023】■蛋白質を主成分とする医療用材料を、水
蒸気バリヤー性かつ菌不透過性を有する材質で形成され
た容器内に収容された保護溶液に浸漬して、保護溶液を
医療用材料に含浸させ、次いで浸漬状態を維持したまま
容器を水蒸気バリヤー性かつ菌不透過性を有する封止部
材にて密封し、このままγ線を照射することにより行う
。医療用材料に接触される保護溶液の温度としては、医
療用材料中の蛋白質への影響を考慮した上で、0〜65
℃程度であることが望まれる。また、医療用材料を浸漬
する保護溶液の容量としては、医療用材料の1〜100
倍(容量)程度であることが望まれる。
【0024】医療用材料に照射するγ線の強度としては
、蛋白質の種類によっても異なるが、通常、3.8Mr
ad未満、より好ましくは3.5Mrad以下であるこ
とが望まれる。
【0025】なお、所望によっては、滅菌操作を施す前
に、医療用材料を蒸留水などで洗浄することにより、未
反応の蛋白質前駆体、あるいは酵素などの薬剤を除去し
てもよいものである。
【0026】次に、本発明の医療用器具の製造方法につ
いて説明する。
【0027】本発明の医療用器具の製造方法は、基材の
表面に、生理活性を有する水不溶性の蛋白質を主成分と
する医療用材料を付与する工程と、前記医療用材料に保
護溶液を含浸させ、当該医療用材料の含浸状態を維持し
たまま、基材および医療用材料にγ線を照射する工程と
を有することを特徴とするものである。
【0028】本発明における基材の材質は、医療用器具
の用途に応じて様々なものを使用することができる。例
えば医療用器具が人工血管である場合には、ナイロン、
ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウ
レタン、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン等の
機械的性能の優れた合成高分子材料、あるいは天然血管
、尿管等の生体由来組織を用いてもよい。また、医療用
器具の用途、種類に応じ、基材としてポリ塩化ビニル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル−ポリウレタン共
重合体、ポリ塩化ビニル−(エチレン−酢酸ビニル共重
合体)共重合体、シリコーンゴム、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート、高密度ポリエチレン、アクリル樹脂等
も用いることができる。
【0029】このような基材としては、生体適合性(易
細胞侵入性)および蛋白質の付着性の点から、多孔質の
ものが望ましい。また、基材表面への医療用材料の付着
性を良好にするために、基材表面を酸、プラズマ、オゾ
ン等の処理によって親水化したものを用いることが好ま
しい。
【0030】生理活性を有する水不溶性の蛋白質として
は前述と同様のものが使用できる。基材の表面に、医療
用材料を付与する方法としては、通常公知の方法に従う
ことができ、例えば、塗布、浸漬乾燥などがあげられる
が、基材表面で蛋白質前駆体と作用物質を反応させるこ
とにより、基材表面に膜を形成させることも可能である
。例えば基材表面に前述のごときフィブリンを付与する
方法としては、基材をフィブリノーゲン溶液に浸漬して
引き上げ、次いで基材をトロンビン溶液に浸漬し、フィ
ブリノーゲンとトロンビンを接触、反応させて基材表面
にフィブリンゲルを形成させる方法が好適である。しか
しながら、この方法に限定されるものではなく、例えば
、別途フィブリンゲルを形成しておき、これを基材に塗
布してもよい。
【0031】また、基材の表面にフィブリンの部分加水
分解物を付与する方法としては、基材の表面にフィブリ
ンゲルを付与した後に、プラスミン溶液等の加水分解酵
素をフィブリンゲルに接触させ、所定時間部分加水分解
を行った後、トリプシンインヒビターあるいは抗線溶剤
を添加して酵素反応を停止させることにより実施される
。プラスミン溶液とフィブリンの接触時間としては、プ
ラスミン溶液中のプラスミン濃度によって異なるが、通
常、5〜15分程度であることが望まれる。
【0032】このようにして基材表面に医療用材料が付
与された後は、所望により蒸留水などで洗浄することに
より、未反応の蛋白質前駆体、あるいは酵素などの薬剤
を除去してもよいものである。
【0033】続いて、基材の表面に医療用材料が付与さ
れた医療用器具にγ線を照射して滅菌操作を施す。この
滅菌操作は前述の医療用材料の滅菌操作と同様の操作に
従えばよい。
【0034】本発明における医療用器具の具体例として
は、人工血管や人工心臓、人工腎臓、人工肺等の人工臓
器等の各種人工器官が代表としてあげられるが、これに
限定されるものではなく、例えば、これらの器具の本体
またはこれらの器具の一部であるガス交換膜、透析膜等
、さらには、血液体外循環回路を構成する各種チューブ
、チューブを接続するコネクタ、静・動脈挿入カテーテ
ル、バブルトラップ、血液バッグ、チャンバー、遠心ポ
ンプ、血管内留置カテーテル、シリンジ、採血管、血液
バッグおよびそれらの付属品等の輸血または採血用器具
をも包含することができる。
【0035】以下、実施例を示して本発明をさらに具体
的に説明する。
【0036】
【実施例】
(実施例1)ヒトフィブリノーゲン製剤(Kabi  
Vitrum社製,グレードL)を蒸留水に溶解し、フ
ィブロネクチン、およびプラスミノーゲンを除去するた
めに、ゼラチン−セルロファインカラム(生化学工業社
製)およびリジン−セファロース4Bカラム(ファルマ
シア社製)に供し、フィブロネククチンおよびプラスミ
ノーゲンを除去した。カラムから溶出されたフィブリノ
ーゲンはエタノール沈殿させた後、150mM塩化ナト
リウムを含む10mM  Hepes緩衝液(pH7.
4)に溶解し、0.8μmのフィルターで濾過した。フ
ィブリノーゲン溶液の濃度は、凝固時間測定時間法(D
ata−Fi、Dade社製を使用)にて測定し、30
mg/mlに調整した。
【0037】このフィブリノーゲン溶液を150mM 
 NaClを含む10mMHepes緩衝液  (pH
7.4)で5mg/mlに再調整し、24穴ポリスチレ
ンシャーレの6穴に200μlづつ分注した。
【0038】次に、カルシウムイオンを含む50uni
t/mlトロンビン溶液(持田製薬)を30μlづつ加
え、フィブリンゲルを作成した。37℃で一夜静置した
後、6穴のうち3穴は0.05unit/mlのプラス
ミン(ベーリンガー・マンハイム山之内社製)0.5m
lで37℃、15分間処理した後、1000unit/
mlトラジロール(バイエル社製)を10μl加え反応
を停止させた。その後、フィブリンゲルを蒸留水で2〜
3回洗浄したのち、10%ソルビトール水溶液1mlを
分注し、室温下で一夜静置し、フィブリンゲル内を10
%ソルビトール水溶液で置換した。なお、ソルビトール
水溶液は計3回交換した。次に、ソルビトール水溶液を
すて、軽く水きりしたのち、乾燥させることなく2Mr
adのγ線を照射し、サンプル1を作成した。また、対
照として、γ線を照射しないものについても同様にして
フィブリンゲル(サンプル2)を作成した。
【0039】サンプル1および2のプラスミノーゲン活
性化因子の活性化効果を以下のようにして比較した。す
なわち、サンプル1および2に、50mM  Tris
−HCl緩衝液(pH.8.8)にて調整した0.08
mg/ml  Glu−Plasminogen(Bi
opol社製)200μl、1.74mM  H−D−
Valyl−L−leucyl−L−lysine−P
−nitroanilidedihydrochlor
ide(発色基質)(第一化学薬品社製  商品名S−
2251)200μl、80unit/mlプラスミノ
ーゲン活性化因子(Biopool社製)400μlを
加え、37℃で約20分間インキュベートした後、2%
クエン酸溶液を1ml加えて反応を停止し、405nm
にて吸光度を測定した。また、プラスミンで処理しない
フィブリン(サンプル3:2.5Mradのγ線照射、
サンプル4:γ線未照射)についても同様にして、吸光
度を測定した。その結果を図1に示す。図より明らかな
ように、本発明に係る滅菌方法によれば、フィブリン部
分加水分解物の有するプラスミノーゲン活性化因子の活
性化効果をほとんど変化させることなく、γ線滅菌が可
能であることが確認された。
【0040】(比較例1)実施例と同様の方法で調整し
た5mg/mlのフィブリノーゲン溶液400μlを3
5mmのガラスシャーレ24個に分注した後、50un
it/mlのトロンビン(持田製薬社製)を60μlづ
つ加え、フィブリンゲルを作成した。37℃で一夜静置
した後、このうちの12枚について0.05unit/
mlのプラスミン(ベーリンガー・マンハイム山之内社
製)0.5mlで37℃、30分間処理し、1000u
nit/mlトラジロール(バイエル社製)20μlを
加え、反応を停止させた。
【0041】次に、プラスミン処理したフィブリン3枚
分づつを、エチレンオキサイドガス滅菌(乾式50℃、
3時間)、γ線滅菌、オートクレーブ滅菌(121℃、
20分間)し、サンプル5、6および7を作成した。さ
らに滅菌処理を行わなかったものをサンプル8とした。
【0042】これらのサンプル5〜8のプラスミノーゲ
ン活性化因子の活性化効果を実施例1と同様にして測定
した。その結果を図2に示す。図より明らかなように、
オートクレーブ滅菌、エチレンオキサイド滅菌によって
プラスミノーゲン活性化効果は大幅に変化し、フィブリ
ン加水分解物の変性が確認された。また、保護溶液の含
浸を行わず、単にγ線を照射した例においても、フィブ
リン加水分解物の変性が確認された。
【0043】(比較例2)実施例と同様の方法で調整し
た5mg/mlのフィブリノーゲン溶液400μlを1
2穴ポリスチレンシャーレに分注した後、50unit
/mlのトロンビン溶液(持田製薬社製)を60μlづ
つ加え、フィブリンゲルを作成した。37℃で一夜静置
した後、0.05unit/mlのプラスミン(ベーリ
ンガー・マンハイム山之内社製)0.5mlを計9穴に
分注し、37℃、15、30、60分間と3穴づつ経時
的に処理した。反応停止は、1000unit/mlト
ラジロール(バイエル社製)20μlを加えることによ
り行った。
【0044】その後、プラスミン処理フィブリンおよび
未処理のフィブリン(0分処理)に、それぞれ0.1%
のグルタルアルデヒド1mlを加え(各2穴づつ)、4
℃で一夜処理した。その後、蒸留水で十分洗浄して、フ
ィブリンゲルを作成した。同様にしてグルタルアルデヒ
ド処理を行わなかったものを対照とした。
【0045】それらのフィブリンゲルのプラスミノーゲ
ン活性化因子の活性化効果を実施例1と同様にして測定
した。その結果を図3に示す。図より明らかなように、
グルタルアルデヒド処理により、プラスミノーゲン活性
化効果は大幅に変化し、未処理フィブリンおよびフィブ
リン加水分解物の変性が確認された。
【0046】(実施例2)実施例1と同様にして得られ
たフィブリノーゲン溶液13mlに、内径4mmφのポ
リエステル製管状体を浸漬し、次いでカルシウムイオン
を含む50unit/mlのトロンビン溶液(持田製薬
社製)に浸漬し、人工血管表面にフィブリンゲルをコー
トした。さらに人工血管の内腔に3.8mmφのステン
レス棒を挿入し、人工血管内腔面にフィブリンゲルを圧
着させた。また、さらにこのフィブリンコート人工血管
を一昼夜静置したのち、0.05unit/mlプラス
ミン液(ベーリンガー・マンハイム山之内社製)に37
℃、15分間浸漬し、50unit/mlトラジロール
溶液(バイエル社製)に浸漬して反応を停止させ、プラ
スミン処理フィブリンコート人工血管1を作成した。
【0047】人工血管1を蒸留水中で軽く洗浄し、5m
m長で15本切り取った。このうち3本を10%ソルビ
トール水溶液3mlに室温下で数時間浸漬し、フィブリ
ンゲル内に10%ソルビトール水溶液を含浸させた。つ
いで、これらを10%ソルビトール水溶液から取り出し
て、濾紙上で水きりをしたのち、乾燥させることなく容
量15mlのポリスチレン管(ファルコン社製)に封入
した。ポリスチレン管の開口部を密封し、この状態にて
2.5Mradのγ線を照射し、サンプル9を得た。
【0048】(実施例3)人工血管1を切り取ったうち
の3本を、ポリスチレン管内に充填された10%ソルビ
トール水溶液15mlに室温下で数時間浸漬し、そのま
まポリスチレン管を密封し、この状態にて2.5Mra
dのγ線を照射し、サンプル10を得た。 (実施例4)浸漬する溶液を蒸留水3mlにかえる以外
は実施例2と同様にしてサンプル11を得た。
【0049】(実施例5)浸漬する溶液を蒸留水15m
lにかえる以外は実施例3と同様にしてサンプル12を
得た。
【0050】[実験例]サンプル9〜12を用い、γ線
照射を行わないものを対照として、実施例1と同様して
プラスミン処理フィブリンのプラスミノーゲン活性化因
子の活性化効果を比較した。その結果を図4に示す。図
より明らかなように、本発明の製造方法にて得られたサ
ンプル9〜12のいずれもが、γ線未照射のものとほと
んどかわらないプラスミノーゲン活性化因子の活性化効
果を示した。
【0051】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明に係る医
療用材料の滅菌方法は、生理活性を有する水不溶性の蛋
白質を主成分とする医療用材料の滅菌方法であって、当
該医療用材料に保護溶液を含浸させ、含浸状態を維持し
たままγ線を照射することを特徴とするものであるから
、生理活性を有する蛋白質を変質させることなく滅菌す
ることを可能とする効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る滅菌方法によって得られたフィブ
リンあるいはその部分加水分解物のプラスミノーゲン活
性化因子の活性化効果を、滅菌していないフィブリンあ
るいはその部分加水分解物と比較した結果を示すグラフ
である。
【図2】フィブリン部分加水分解物を、保護溶液を含浸
させないでエチレンオキサイド滅菌、γ線滅菌、オート
クレーブ滅菌したときの、変性の程度を示すグラフであ
る。
【図3】フィブリン部分加水部分物をグルタルアルデヒ
ド処理したときの、変性の程度を示すグラフである。
【図4】本発明に係る製造方法によって得られた人工血
管の内面に付与されたフィブリン部分加水分解物のプラ
スミノーゲン活性化因子の活性化効果を、滅菌されてい
ない人工血管の内面に付与されたフィブリン部分加水分
解物と比較した結果を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)生理活性を有する水不溶性の蛋白質を主成分とす
    る医療用材料の滅菌方法であって、当該医療用材料に保
    護溶液を含浸させ、含浸状態を維持したままγ線を照射
    することを特徴とする医療用材料の滅菌方法。
  2. (2)前記保護溶液は、蒸留水、生理食塩水および多糖
    類水溶液からなる群より選ばれたものである請求項1記
    載の医療用材料の滅菌方法。
  3. (3)前記蛋白質は、フィブリンまたはその部分加水分
    解物である請求項1または2に記載の医療用材料の滅菌
    方法。
  4. (4)基材の表面に、生理活性を有する水不溶性の蛋白
    質を主成分とする医療用材料を付与する工程と、前記医
    療用材料に保護溶液を含浸させ、当該医療用材料の含浸
    状態を維持したまま、基材および医療用材料にγ線を照
    射する工程とを有することを特徴とする医療用器具の製
    造方法。
  5. (5)前記医療用器具は、人工血管である請求項4に記
    載の医療用器具の製造方法。
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Cited By (7)

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