JPH0428719B2 - - Google Patents
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- JPH0428719B2 JPH0428719B2 JP56172910A JP17291081A JPH0428719B2 JP H0428719 B2 JPH0428719 B2 JP H0428719B2 JP 56172910 A JP56172910 A JP 56172910A JP 17291081 A JP17291081 A JP 17291081A JP H0428719 B2 JPH0428719 B2 JP H0428719B2
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- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
Description
本発明は新規な蛋白複合体とその製造法に関す
る。更に詳しくは、本発明は、蛋白生合成阻害活
性蛋白をアビジンに結合せしめて得られる蛋白複
合体とその製造法に関するものである。 種々の細胞群の混合体の中から成る特定の細胞
群を選択的に破壊することは、種々の生化学的操
作、例えば、細胞レベルでの免疫応答機構の解
明、薬物の作用機作の解明、或いは臨床検査にお
いて必要とされる場合が多い。このような目的の
ために、従来、破壊すべき細胞群を認識する抗体
を補体とともに用いて、補体依存性細胞溶解反応
を起こさせる方法が用いられて来た。しかしなが
らこの方法では、例えば、ヒトIgG2,ヒトIgG4,
ラツトIgG3,マウスIgG3,モルモツトIgG1など
の如く、用いる抗体のクラス、サブクラスによつ
ては補体結合性がなく、細胞溶解反応を起こし得
ないし、又、補体結合性抗体であつても、用いる
補体の動物種によつては補体依存性の細胞溶解反
応をおこしにくい場合がある。更に、補体源とし
て用いる血清中には、補体以外の各種の血清成
分、例えば、アルプミン、免疫グロブリン、リン
ホカイン等が含まれているので、これらの成分が
目的とする細胞の選択的溶解反応を阻げる場合が
ある。 本発明者らは、これらの欠点を有しない、殺す
べき特定の細胞群を選択的に効率よく破壊する強
力な殺細胞法、に用い得る試剤を開発すべく鋭意
研究の結果、本発明に到達した。 即ち、本発明は、アビジンと蛋白生合成阻害活
性蛋白とをジスルフイド結合を含む共有結合によ
つて架橋することにより得られる蛋白複合体であ
る。 本発明において、アビジンとは卵白中に依存す
る分子量約68000の塩基性糖蛋白質であり、ビタ
ミンHとして知られるビオチンと極めて高い親和
性(親和性定数1015M-1)を有することが知られ
ている。アビジンは、4個のサブユニツトから成
ることが知られているが、本発明のアビジンとは
これらのサブユニツトも含む。 本発明において用いられる蛋白生合成阻害活性
蛋白としては、蛋白生合成阻害活性を有する蛋白
質であればいかなるものでもよいが、特に望まし
いのは、リシンのA鎖、ジフテリア毒素のフラグ
メントA、ツルレイシより抽出される蛋白生合成
阻害活性蛋白、アメリカヤマゴボウより抽出され
る蛋白生合成阻害活性蛋白である。 リシンとは、植物ヒマ(Ricinus communis)
の種子より公知の方法、例えばオルスンズとピー
ル〔S.Olsnes and A.Pihl,バイオケミストリー
(Biochemistry)12巻、3121〜3126頁,1973年〕
の方法によつて抽出精製することができる蛋白毒
素をいう。リシンは分子量32000のサブユニツト
Aと分子量34000のサブユニツトBから成つてお
り、一本のジスルフイド結合によつて結ばれてい
る〔第1図のイ〕。リシンを還元剤で処理すると
第1図のロに示した如く各々少なくとも1個のメ
ルカプト基(−SH)を有するサブユニツトA(A
鎖)とサブユニツトB(B鎖)とに分離する。切
断前のリシンは動物に対する非常な毒性を有して
いるが、A鎖はそのままでは弱い毒性を有するの
みであり、またB鎖は若干の毒性を有するのみで
ある。リシンは蛋白の生合成を、ペプチド鎖の伸
長に不可欠な成分を不活化することによつて阻害
し、細胞毒性を発揮すると考えられている。A鎖
は無細胞系での蛋白生合成阻害活性を有している
のに対し、B鎖はそのような活性を有しないが、
A鎖には見られない細胞のリセプターとの結合能
を有している。本発明においてはA鎖が用いられ
る。 本発明においてジフテリア毒素とはジフテリア
菌又はその変異株が産生する蛋白毒素をいう。例
えば、ジフテリア菌が産生するジフテリア毒素
は、分子量約62000〜63000の単一のポリペプチド
鎖からなり、これはインタクトトキシンと呼ばれ
ている。インタクトトキシンは第2図のイに模式
的に示した如く、その分子内にジスルフイド結合
(−S−S−結合)を2個有している。このイン
タクトトキシンを、例えば、トリプシンのような
蛋白分解酵素で温和な条件で処理すると、アミノ
基末端に近い側のジスルフイド結合の間の特定の
部位に分割がおこり、第2図のロに示すごときニ
ツクドトキシンとなる。このニツクドトキシンを
還元剤で処理すると、第2図のハに示した如く分
子量約24000のフラグメントAと約38000〜39000
のフラグメントBに分離する。 ジフテリア毒素に於いてこのフラグメントBに
相当する部分(B部分)は毒素が細胞と結合する
ための部分であり、フラグメントAに相当する部
分(A部分)はB部分の細胞との結合を介して細
胞内に入り蛋白合成を阻害し細胞を死に到らしめ
る部分である。かかるジフテリア毒素のフラグメ
ントAは本発明における蛋白合成阻害活性蛋白と
して用いることができる。ジフテリア変異株、例
えばC7(β30)やC7(β45)が産生する、例えば
CRM30やCRM45のごとき無毒変異蛋白(分子中
にジスルフイド結合を1個有している)や、これ
らを例えばチオール試薬等の還元剤の存在下でト
リプシンで温和に処理して得られるフラグメント
も、本発明におけるフラグメントAに含まれる。 本発明において、ツルレイシ(Momordica
charantia)より得られる蛋白生合成阻害活性を
有する蛋白(MOM)とは、植物ツルレイシの種
子より公知の方法、例えばバルビエリら(L.
Barbieri et al.,バイオケミカル、ジヤーナル
(Biohem.J.),第186巻、443〜452頁、1980年参
照)の方法によつて抽出精製することができる分
子量約23000の蛋白であり、ウサギ網状赤血球の
ライゼート(lysate)による蛋白合成に対して強
力な阻害活性をもつているが、細胞表面に結合性
を示すリシンのB鎖相当部分を元々持たないので
MOM単独では低い細胞毒性しか示さない。 本発明において、アメリカヤマゴボウ(phy−
tolacca americana)より得られる蛋白生合成阻
害活性を有する蛋白(PAP)とは、植物アメリ
カヤマゴボウの葉より公知の方法、例えばアービ
ン(J.D.Irvin,アーカイブス オブ バイオケ
ミストリー アンド バイオフイジクス
(Archives of Biochemistry and Biohysics),
第169巻,522〜528頁,1975年参照)の方法によ
つて抽出精製することができる、分子量約27000
の単一のポリペプチド鎖からなる蛋白であり、
MOMと同様にウサギ網状赤血球のライゼート
(lysate)による蛋白合成に対して強力な阻害活
性をもつているが、細胞表面に結合性を示すリシ
ンB鎖相当部分を元々持たないのでPAP単独で
は低い細胞毒性しか示さない。PAPは葉からだ
けでなく、アメリカヤマゴボウの種子、根等から
も抽出精製できる。 本発明に於いて用いられるビオチニル化抗体
は、抗体を公知の方法によりビオチンの活性エス
テル体と反応せしめることにより得ることができ
る。ビオチニル化に用いる抗体は、破壊すべき細
胞またはその膜抗原をサル、ウマ、ウシ、ヤギ、
ヒツジ、ウキギ等の動物に過免疫した血清から、
コーンのエタノール分画法、硫安分画法、イオン
交換クロマトグラフイー法等の公知の手段によつ
て調製され、さらに必要によつては各種細胞を用
いて吸収、吸着操作をほどこして得ることができ
る。また破壊すべき細胞またはその膜抗原で免疫
した動物から得たリンパ球を、例えば骨髄腫と細
胞融合させ、目的とする抗体産生性のクローンを
選別して融合細胞(ハイブリドーマ)を作製し、
これの培養液から、またはこれを動物に接種して
その血清または腹腔液からも抗体を得ることがで
きる。抗体(免疫グロプリン)には、IgG,IgA,
IgM,IgD,IgEの5種類があることが知られて
いるが、そのどれでも本発明に用いることができ
る。 本発明に於いて抗体はそのまゝでも、或いは抗
原と結合し得る部分(図3のFab)を含む限りに
おいては、そのフラグメント(例えば、Fab,
Fab部分と図3中の斜線で示されたいわゆるヒン
ジ部分とからなるFab′,Fab′の2量体F(ab′)2)
でもビオチニル化して用いることができる。本発
明でいうビオチニル化抗体には、かかる抗体のフ
ラグメントをビオチニル化したものも含まれる。 本発明のアビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白よ
り成る蛋白複合体は、両蛋白を共有結合により架
橋することによつて製造される。共有結合によつ
て架橋する方法としては、例えば、シクロヘキシ
ルカルボジイミドや1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の
カルボジイミド試薬(縮合剤)を用いて、両蛋白
を直接結合させてもよいし、あるいは、分子中に
複数個の官能基を有する架橋剤、例えば、グルタ
ルアルデヒド、トルエンジイソシアネート、2,
2′−ジカルボキシ−4,4′−アゾフエニレンジイ
ソシアネート,ジエチルマロンイミデート二塩酸
塩、N−サクシンイミジルm−(N−マレイミド)
ベンゾエートを用いて、両蛋白を結合させてもよ
い。共有結合としては、ジスルフイド結合を含有
する結合が特に望ましく、ジスルフイド結合を形
成する2個の硫黄原子は両蛋白に元々存在してい
た硫黄原子であつても、また外部から架橋剤によ
つて導入された硫黄原子であつてもよい。本発明
のアビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白がジスルフ
イド結合により架橋された蛋白複合体を製造する
には、例えば、蛋白複合体を構成するアビジンま
たはそのサブユニツトと蛋白生合成阻害活性蛋白
のどちらか(任意の一方の蛋白をP1で他方の蛋
白をP2で表わす)に活性ジスルフイドを導入し
ておき、他方にチオール基を導入あるいは生成さ
せておき、両者をジスルフイド結合で架橋する方
法をとることができる。すなわち、P1に例えば
下記式()、 〔Yは結合している硫黄原子Sと共に活性ジル
フイド基を形成し得る1価の有機基を、Rは2価
の有機基をZは活性エステルのアルコール残基を
表わす。〕 で表わされる架橋剤、あるいは下記式()、 〔YおよびRの定義は式()の場合に同じで
ある。Qはイミドエステルのアルコール残基を、
Xはハロゲン原子を表わす。〕 で表わされる架橋剤を反応せしめ〔反応(1),(2)〕
るか、 式(V)、 〔RおよびZの定義は式()の場合に、Xの
定義は式()の場合に同じである。nは1〜3
の整数、以下同じ。〕 で表わされる架橋剤を反応させた後、生成物
()をチオ亜硫酸イオンで処理〔反応(3)〕する
か、 あるいは、P1を式()あるいは() で表わされる架橋剤(それぞれ、2−イミノチオ
ラクトン、N−アセチルホモシステイン)と反応
せしめて生成した式(X)または(XI)で表わ
される蛋白、またはP1を式() で表わされる架橋剤(S−アセチルメルカプトコ
ハク酸無水物)と反応せしめて生成した蛋白を脱
アセチル化して得られる式(X)で表わされる
蛋白を、チオール基を活性ジスルフイド基に変換
する試薬〔例えば、2,2′−ジピリジルジスルフ
イド
る。更に詳しくは、本発明は、蛋白生合成阻害活
性蛋白をアビジンに結合せしめて得られる蛋白複
合体とその製造法に関するものである。 種々の細胞群の混合体の中から成る特定の細胞
群を選択的に破壊することは、種々の生化学的操
作、例えば、細胞レベルでの免疫応答機構の解
明、薬物の作用機作の解明、或いは臨床検査にお
いて必要とされる場合が多い。このような目的の
ために、従来、破壊すべき細胞群を認識する抗体
を補体とともに用いて、補体依存性細胞溶解反応
を起こさせる方法が用いられて来た。しかしなが
らこの方法では、例えば、ヒトIgG2,ヒトIgG4,
ラツトIgG3,マウスIgG3,モルモツトIgG1など
の如く、用いる抗体のクラス、サブクラスによつ
ては補体結合性がなく、細胞溶解反応を起こし得
ないし、又、補体結合性抗体であつても、用いる
補体の動物種によつては補体依存性の細胞溶解反
応をおこしにくい場合がある。更に、補体源とし
て用いる血清中には、補体以外の各種の血清成
分、例えば、アルプミン、免疫グロブリン、リン
ホカイン等が含まれているので、これらの成分が
目的とする細胞の選択的溶解反応を阻げる場合が
ある。 本発明者らは、これらの欠点を有しない、殺す
べき特定の細胞群を選択的に効率よく破壊する強
力な殺細胞法、に用い得る試剤を開発すべく鋭意
研究の結果、本発明に到達した。 即ち、本発明は、アビジンと蛋白生合成阻害活
性蛋白とをジスルフイド結合を含む共有結合によ
つて架橋することにより得られる蛋白複合体であ
る。 本発明において、アビジンとは卵白中に依存す
る分子量約68000の塩基性糖蛋白質であり、ビタ
ミンHとして知られるビオチンと極めて高い親和
性(親和性定数1015M-1)を有することが知られ
ている。アビジンは、4個のサブユニツトから成
ることが知られているが、本発明のアビジンとは
これらのサブユニツトも含む。 本発明において用いられる蛋白生合成阻害活性
蛋白としては、蛋白生合成阻害活性を有する蛋白
質であればいかなるものでもよいが、特に望まし
いのは、リシンのA鎖、ジフテリア毒素のフラグ
メントA、ツルレイシより抽出される蛋白生合成
阻害活性蛋白、アメリカヤマゴボウより抽出され
る蛋白生合成阻害活性蛋白である。 リシンとは、植物ヒマ(Ricinus communis)
の種子より公知の方法、例えばオルスンズとピー
ル〔S.Olsnes and A.Pihl,バイオケミストリー
(Biochemistry)12巻、3121〜3126頁,1973年〕
の方法によつて抽出精製することができる蛋白毒
素をいう。リシンは分子量32000のサブユニツト
Aと分子量34000のサブユニツトBから成つてお
り、一本のジスルフイド結合によつて結ばれてい
る〔第1図のイ〕。リシンを還元剤で処理すると
第1図のロに示した如く各々少なくとも1個のメ
ルカプト基(−SH)を有するサブユニツトA(A
鎖)とサブユニツトB(B鎖)とに分離する。切
断前のリシンは動物に対する非常な毒性を有して
いるが、A鎖はそのままでは弱い毒性を有するの
みであり、またB鎖は若干の毒性を有するのみで
ある。リシンは蛋白の生合成を、ペプチド鎖の伸
長に不可欠な成分を不活化することによつて阻害
し、細胞毒性を発揮すると考えられている。A鎖
は無細胞系での蛋白生合成阻害活性を有している
のに対し、B鎖はそのような活性を有しないが、
A鎖には見られない細胞のリセプターとの結合能
を有している。本発明においてはA鎖が用いられ
る。 本発明においてジフテリア毒素とはジフテリア
菌又はその変異株が産生する蛋白毒素をいう。例
えば、ジフテリア菌が産生するジフテリア毒素
は、分子量約62000〜63000の単一のポリペプチド
鎖からなり、これはインタクトトキシンと呼ばれ
ている。インタクトトキシンは第2図のイに模式
的に示した如く、その分子内にジスルフイド結合
(−S−S−結合)を2個有している。このイン
タクトトキシンを、例えば、トリプシンのような
蛋白分解酵素で温和な条件で処理すると、アミノ
基末端に近い側のジスルフイド結合の間の特定の
部位に分割がおこり、第2図のロに示すごときニ
ツクドトキシンとなる。このニツクドトキシンを
還元剤で処理すると、第2図のハに示した如く分
子量約24000のフラグメントAと約38000〜39000
のフラグメントBに分離する。 ジフテリア毒素に於いてこのフラグメントBに
相当する部分(B部分)は毒素が細胞と結合する
ための部分であり、フラグメントAに相当する部
分(A部分)はB部分の細胞との結合を介して細
胞内に入り蛋白合成を阻害し細胞を死に到らしめ
る部分である。かかるジフテリア毒素のフラグメ
ントAは本発明における蛋白合成阻害活性蛋白と
して用いることができる。ジフテリア変異株、例
えばC7(β30)やC7(β45)が産生する、例えば
CRM30やCRM45のごとき無毒変異蛋白(分子中
にジスルフイド結合を1個有している)や、これ
らを例えばチオール試薬等の還元剤の存在下でト
リプシンで温和に処理して得られるフラグメント
も、本発明におけるフラグメントAに含まれる。 本発明において、ツルレイシ(Momordica
charantia)より得られる蛋白生合成阻害活性を
有する蛋白(MOM)とは、植物ツルレイシの種
子より公知の方法、例えばバルビエリら(L.
Barbieri et al.,バイオケミカル、ジヤーナル
(Biohem.J.),第186巻、443〜452頁、1980年参
照)の方法によつて抽出精製することができる分
子量約23000の蛋白であり、ウサギ網状赤血球の
ライゼート(lysate)による蛋白合成に対して強
力な阻害活性をもつているが、細胞表面に結合性
を示すリシンのB鎖相当部分を元々持たないので
MOM単独では低い細胞毒性しか示さない。 本発明において、アメリカヤマゴボウ(phy−
tolacca americana)より得られる蛋白生合成阻
害活性を有する蛋白(PAP)とは、植物アメリ
カヤマゴボウの葉より公知の方法、例えばアービ
ン(J.D.Irvin,アーカイブス オブ バイオケ
ミストリー アンド バイオフイジクス
(Archives of Biochemistry and Biohysics),
第169巻,522〜528頁,1975年参照)の方法によ
つて抽出精製することができる、分子量約27000
の単一のポリペプチド鎖からなる蛋白であり、
MOMと同様にウサギ網状赤血球のライゼート
(lysate)による蛋白合成に対して強力な阻害活
性をもつているが、細胞表面に結合性を示すリシ
ンB鎖相当部分を元々持たないのでPAP単独で
は低い細胞毒性しか示さない。PAPは葉からだ
けでなく、アメリカヤマゴボウの種子、根等から
も抽出精製できる。 本発明に於いて用いられるビオチニル化抗体
は、抗体を公知の方法によりビオチンの活性エス
テル体と反応せしめることにより得ることができ
る。ビオチニル化に用いる抗体は、破壊すべき細
胞またはその膜抗原をサル、ウマ、ウシ、ヤギ、
ヒツジ、ウキギ等の動物に過免疫した血清から、
コーンのエタノール分画法、硫安分画法、イオン
交換クロマトグラフイー法等の公知の手段によつ
て調製され、さらに必要によつては各種細胞を用
いて吸収、吸着操作をほどこして得ることができ
る。また破壊すべき細胞またはその膜抗原で免疫
した動物から得たリンパ球を、例えば骨髄腫と細
胞融合させ、目的とする抗体産生性のクローンを
選別して融合細胞(ハイブリドーマ)を作製し、
これの培養液から、またはこれを動物に接種して
その血清または腹腔液からも抗体を得ることがで
きる。抗体(免疫グロプリン)には、IgG,IgA,
IgM,IgD,IgEの5種類があることが知られて
いるが、そのどれでも本発明に用いることができ
る。 本発明に於いて抗体はそのまゝでも、或いは抗
原と結合し得る部分(図3のFab)を含む限りに
おいては、そのフラグメント(例えば、Fab,
Fab部分と図3中の斜線で示されたいわゆるヒン
ジ部分とからなるFab′,Fab′の2量体F(ab′)2)
でもビオチニル化して用いることができる。本発
明でいうビオチニル化抗体には、かかる抗体のフ
ラグメントをビオチニル化したものも含まれる。 本発明のアビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白よ
り成る蛋白複合体は、両蛋白を共有結合により架
橋することによつて製造される。共有結合によつ
て架橋する方法としては、例えば、シクロヘキシ
ルカルボジイミドや1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の
カルボジイミド試薬(縮合剤)を用いて、両蛋白
を直接結合させてもよいし、あるいは、分子中に
複数個の官能基を有する架橋剤、例えば、グルタ
ルアルデヒド、トルエンジイソシアネート、2,
2′−ジカルボキシ−4,4′−アゾフエニレンジイ
ソシアネート,ジエチルマロンイミデート二塩酸
塩、N−サクシンイミジルm−(N−マレイミド)
ベンゾエートを用いて、両蛋白を結合させてもよ
い。共有結合としては、ジスルフイド結合を含有
する結合が特に望ましく、ジスルフイド結合を形
成する2個の硫黄原子は両蛋白に元々存在してい
た硫黄原子であつても、また外部から架橋剤によ
つて導入された硫黄原子であつてもよい。本発明
のアビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白がジスルフ
イド結合により架橋された蛋白複合体を製造する
には、例えば、蛋白複合体を構成するアビジンま
たはそのサブユニツトと蛋白生合成阻害活性蛋白
のどちらか(任意の一方の蛋白をP1で他方の蛋
白をP2で表わす)に活性ジスルフイドを導入し
ておき、他方にチオール基を導入あるいは生成さ
せておき、両者をジスルフイド結合で架橋する方
法をとることができる。すなわち、P1に例えば
下記式()、 〔Yは結合している硫黄原子Sと共に活性ジル
フイド基を形成し得る1価の有機基を、Rは2価
の有機基をZは活性エステルのアルコール残基を
表わす。〕 で表わされる架橋剤、あるいは下記式()、 〔YおよびRの定義は式()の場合に同じで
ある。Qはイミドエステルのアルコール残基を、
Xはハロゲン原子を表わす。〕 で表わされる架橋剤を反応せしめ〔反応(1),(2)〕
るか、 式(V)、 〔RおよびZの定義は式()の場合に、Xの
定義は式()の場合に同じである。nは1〜3
の整数、以下同じ。〕 で表わされる架橋剤を反応させた後、生成物
()をチオ亜硫酸イオンで処理〔反応(3)〕する
か、 あるいは、P1を式()あるいは() で表わされる架橋剤(それぞれ、2−イミノチオ
ラクトン、N−アセチルホモシステイン)と反応
せしめて生成した式(X)または(XI)で表わ
される蛋白、またはP1を式() で表わされる架橋剤(S−アセチルメルカプトコ
ハク酸無水物)と反応せしめて生成した蛋白を脱
アセチル化して得られる式(X)で表わされる
蛋白を、チオール基を活性ジスルフイド基に変換
する試薬〔例えば、2,2′−ジピリジルジスルフ
イド
【式】4,4′−ジ
ピリジルジスルフイド
【式】5,5′−ジチ
オビス(2−ニトロ安息香酸)
〕で処理して〔反応(4),(5)または(6)〕,活性ジス
ルフイド基 〔Yの定義は式()の場合に同じである。〕 〔Yの定義は式()の場合に同じである。〕 〔Yの定義は式()の場合に同じである。〕 が導入されたP1〔式(),(),(−1),(
−1),(−2)または(−3)で表わされる
蛋白〕を得る。他方、もう一方の蛋白P2より上
記式(1),(2)または(3)の如くして作つた、下記式
(X),(XV)または(X−1)で表わされ
るジスルフイド基が導入された蛋白のジスルフイ
ド基を、例えば2−メルカプトエタノールまたは
ジチオスレイト−ル等のチオール試薬で還元する
〔反応(7),(8)または(9)〕か、または 反応式(4)または(5)の第一段階の反応または反応
式(6)の第一及び二段階の反応と同様にしてチオー
ル基が導入されたP2〔式(X),(X),(X
−1),(X−1)または(X−2)で表わさ
れる蛋白〕を得る。 〔式(),()または(−1)中のRと式
(X)または(X)中のRは同一でもまたは
互に異なつていてもよい〕。例えば、上記の如く
して製造したチオール基が導入されたP2を、同
じく上記の如くして製造した活性ジスルフイド基
が導入されたP1と反応させしめて、本発明のア
ビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白が活性ジスルフ
イド基で架橋された蛋白複合体を製造することが
できる。なお、ジスルフイド結合によつて架橋さ
れた本発明の蛋白複合体を得るため、一方の蛋白
がシスチン残基の一部としてのジスルフイド結合
をもつているときには、場合によつてスルホ化分
解を行うことによつて、或いは蛋白がチオール基
を持つている場合には、上に記した如きチオール
基を活性ジスルフイド基に変換する試薬で処理す
ることによつて、直接に活性ジスルフイド基をも
つた蛋白に導くことができ、かかる蛋白もまたチ
オール基を発生または導入された他方の蛋白と反
応せしめて本発明の蛋白複合体を製造することが
できる。また、一方の蛋白が元々チオール基をも
つている場合には、そのまゝ、またシスチン残基
の一部としてのジスルフイド結合もつているとき
には、場合によつてジスルフイド結合より還元等
の操作によりチオール基を発生させた後、直接
に、活性ジスルフイド結合をもつた他方の蛋白と
反応せしめて本発明の蛋白複合体を製造すること
ができる。 Yで表わされる、結合している硫黄原子と共に
活性ジスルフイド基を形成し得る1価の有機基の
具体例としては、2−ピリジル基
ルフイド基 〔Yの定義は式()の場合に同じである。〕 〔Yの定義は式()の場合に同じである。〕 〔Yの定義は式()の場合に同じである。〕 が導入されたP1〔式(),(),(−1),(
−1),(−2)または(−3)で表わされる
蛋白〕を得る。他方、もう一方の蛋白P2より上
記式(1),(2)または(3)の如くして作つた、下記式
(X),(XV)または(X−1)で表わされ
るジスルフイド基が導入された蛋白のジスルフイ
ド基を、例えば2−メルカプトエタノールまたは
ジチオスレイト−ル等のチオール試薬で還元する
〔反応(7),(8)または(9)〕か、または 反応式(4)または(5)の第一段階の反応または反応
式(6)の第一及び二段階の反応と同様にしてチオー
ル基が導入されたP2〔式(X),(X),(X
−1),(X−1)または(X−2)で表わさ
れる蛋白〕を得る。 〔式(),()または(−1)中のRと式
(X)または(X)中のRは同一でもまたは
互に異なつていてもよい〕。例えば、上記の如く
して製造したチオール基が導入されたP2を、同
じく上記の如くして製造した活性ジスルフイド基
が導入されたP1と反応させしめて、本発明のア
ビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白が活性ジスルフ
イド基で架橋された蛋白複合体を製造することが
できる。なお、ジスルフイド結合によつて架橋さ
れた本発明の蛋白複合体を得るため、一方の蛋白
がシスチン残基の一部としてのジスルフイド結合
をもつているときには、場合によつてスルホ化分
解を行うことによつて、或いは蛋白がチオール基
を持つている場合には、上に記した如きチオール
基を活性ジスルフイド基に変換する試薬で処理す
ることによつて、直接に活性ジスルフイド基をも
つた蛋白に導くことができ、かかる蛋白もまたチ
オール基を発生または導入された他方の蛋白と反
応せしめて本発明の蛋白複合体を製造することが
できる。また、一方の蛋白が元々チオール基をも
つている場合には、そのまゝ、またシスチン残基
の一部としてのジスルフイド結合もつているとき
には、場合によつてジスルフイド結合より還元等
の操作によりチオール基を発生させた後、直接
に、活性ジスルフイド結合をもつた他方の蛋白と
反応せしめて本発明の蛋白複合体を製造すること
ができる。 Yで表わされる、結合している硫黄原子と共に
活性ジスルフイド基を形成し得る1価の有機基の
具体例としては、2−ピリジル基
【式】4−ピリジル基
【式】3−カルボキシ−4−ニト
ロフエニル基
【式】等を挙げ
ることができる。Rで表わされる2価の有機基
は、化学的に不活性であれば特に限定されない
が、一般的には分岐を有するか有しないアルキレ
ン基,フエニレン基等から適宜選ばれる。Zで表
わされる活性エステルのアルコール残基の具体例
としては2,4−ジニトロフエノキシ基
は、化学的に不活性であれば特に限定されない
が、一般的には分岐を有するか有しないアルキレ
ン基,フエニレン基等から適宜選ばれる。Zで表
わされる活性エステルのアルコール残基の具体例
としては2,4−ジニトロフエノキシ基
【式】サクシンイミドキシ
基
【式】等を挙げることができ
る。Qで表わされるイミドエステルのアルコール
残基の具体例としてはメトキシ、エトキシ基等を
挙げることができる。Xで表わされるハロゲン原
子の具体例としては塩素、臭素等を挙げることが
できる。 架橋剤の具体例としては、式()で表わされ
る架橋剤として、N−サクシンイミジル3−(2
−ピリジルジチオ)プロピオネート,2,4−ジ
ニトロフエニル3−(4−ピリジルジチオ)プロ
ピオネートを、式()で表わされる架橋剤とし
て、メチル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオ
ンイミデート塩酸塩を、式(V)で表わされる架
橋剤として、N−サクシンイミジル3−ブロモプ
ロピオネートを挙げることができる。 上記のアビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白の架
橋反応において、アビジン或いは蛋白生合成阻害
活性蛋白に架橋剤を反応させる場合は、反応せし
める蛋白1モルに対し、架橋剤を1〜20モル用い
るのが好ましい。反応はアビジン或いは蛋白生合
成阻害活性蛋白の、PH5〜9の緩衝液中蛋白濃度
が0.5〜100mg/ml(より好ましくは1〜20mg/
ml)になるように調製された溶液に、0〜50℃で
攪拌しながら架橋剤の水溶液または架橋剤が水に
溶けない場合には、架橋剤を少量の有機溶媒、例
えば、N,N−ジメチルホルムアミド,ジメチル
スルホキシド,1,2−ジメトキシエタン,メタ
ノール,エタノール,アセトン等に溶かした溶液
を添加して行なわれる。反応時間は反応スケー
ル、反応条件によるが、一般に2日間以内であ
る。反応終了後、透析または分子ふるいのカラム
クロマトグラフイーにより、未反応の架橋剤及び
低分子生成物を除いた後、得られた架橋剤が導入
された蛋白溶液に複合体のもう一方の構成々分で
ある蛋白(または架橋剤により架橋用官能基が導
入された蛋白)のPH5〜9の緩衝液の溶液(好ま
しい蛋白濃度の範囲は上に記載したのと同じであ
る)を添加して、0〜50℃で反応せしめる。複合
体の反応混合物からの分離、精製は通常用いられ
る操作、例えば分子ふるいのカラムクロマトグラ
フイーによつて行なうことができる。なお、複合
体の一方の成分の蛋白の溶液に、架橋剤が導入さ
れた他方の成分の蛋白の溶液を添加して複合体を
製造することもできる。さらに、架橋剤が導入さ
れた蛋白を、低分子の試薬で処理して特定の架橋
用官能基を有する蛋白に変換する場合(例えば架
橋剤によつて導入された活性ジスルフイド基をチ
オール基に変換する場合)、或いは、アビジン或
いは蛋白生合成阻害活性蛋白を低分子試薬を用い
直接活性化誘導体に変換する場合(例えば、リシ
ンのフラグメントAのチオール基を活性ジスルフ
イドに変換する場合)の反応条件も上記の蛋白に
架橋剤を反応せしめる場合の反応条件と同様であ
る。 本発明で得られるアビジンと蛋白生合成阻害活
性蛋白とを共有結合によつて架橋することによつ
て得られる蛋白複合体は、特定の細胞群を認識す
るビオチニル化抗体と、アビジンのビオチンに対
する強い親和性を利用して、結合せしめることに
より、抗体が認識する特定細胞群を選択的に破壊
するために使用することができる。 即ち、本発明者らは、蛋白生合成阻害活性蛋白
を、アビジンとビオチンの強い親和力に基づく非
共有的結合を介して、抗体と結合させることによ
つて、蛋白生合成阻害活性蛋白が抗体が認識する
特定細胞群に対し細胞毒性を発揮するに到るとい
うことを見い出した。かかる特定細胞群破壊シス
テムの優れた点の一つは、既に述べた通り、補体
依存性細胞溶解反応が、抗体のクラス、サブクラ
スによつては補体との結合性がないために、或い
は補体結合性がある場合でも用いる動物種によつ
ては補体依存性細胞溶解反応が起こり難いため
に、適用できない場合でも本発明のシステムは適
用できることである。また、選択的補体依存性細
胞溶解反応が、補体源として用いる血清中の補体
以外の成分で阻げられる場合があるのに対し、本
発明方法ではそのようなことがない。さらに本発
明方法の特徴は、蛋白生合成阻害活性蛋白として
アビジンとの蛋白複合体を作るために好適に用い
られるリシンのA鎖、ジフテリア毒素のフラグメ
ントA、ツルレイシより得られる蛋白生合成阻害
活性蛋白及びアメリカヤマゴボウより得られる蛋
白生合成阻害活性蛋白が、いずれもそれ自体で
は、細胞表面と結合する部位を欠いているがため
に、極めて弱い細胞毒性しか示さないことと、一
旦抗体をキヤリアーとして、細胞内へ導入される
と極めて強い細胞毒性を発揮する点にある。加え
て、ビオチニル化抗体上には、一般にアビジンと
結合する部位が複数個依存するので、本発明方法
の如く、蛋白生合成阻害蛋白をアビジン−ビオチ
ン結合体を介して抗体に結合させた場合、抗体1
分子当り、複数個の蛋白生合成阻害活性蛋白が付
くことになり、細胞破壊効果の増幅が得られるこ
とも本発明方法の特長として挙げることができ
る。 本発明方法によつて特定細胞群を破壊する望ま
しい実施態様は、破壊したい細胞群を含む細胞集
団を先ず、その細胞群を選択的に認識する抗体の
ビオチニル化体(ビオチニル化抗体)溶液と、0
〜37℃で5〜60分接触反応させ、細胞培養培地も
しくは緩衝化食塩水で洗うことにより過剰の未反
応抗体を除去した後、さらに、アビジンと蛋白生
合成阻害活性蛋白とを共有結合によつて架橋する
ことにより得られる蛋白複合体を加えて、0〜37
℃で1〜30分接触反応させ、細胞培養培地もしく
は緩衝化食塩水で洗つて過剰の蛋白複合体を除去
した後、細胞培養する方法である。細胞培養は通
常の条件、即ち5%CO2加湿雰囲気下37℃で通常
2時間〜5日間行えばよい。なお、ビオチニル化
抗体と、アビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白の複
合体は、同時に細胞に加えてもよく、また予めビ
オチニル化抗体と本発明の蛋白複合体とを接触さ
せてアビジン・ビオチン結合体を作らせた後、そ
の結合体で細胞集団を処理してもよい。 以下、実施例により本発明を詳述する。 実施例 1 アビジンとリシンA鎖とをジスフイド結合を含
む共有結合によつて架橋することにより得られる
蛋白複合体 (イ) アビジンへの活性ジスルフイド基の導入3.6
mgアビジンを0.1M塩化ナトリウムを含む0.1M
リン酸緩衝液PH7.5(以下A液と略す。)1mlに
溶解し、これに、エタノール中に18.4mMのN
−サクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)
プロピオネート(以下SPDPと略す。)を含む
溶液0.02mlを加え、室温で30分間反応させた。
この反応液を、0.14M塩化ナトリウムと1mM
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(以下
EDTAと略す。)とを含む5mM酢酸緩衝液PH
5.5(以下B液と略す。)で平衡化したセフアデ
ツクスG25カラムクロマトグラフイーにかけ
て、未反応物と低分子生成分を除き活性ジスル
ヒド基が導入されたアビジンを得た。 (ロ) リシンA鎖の調製法 ヒマ(Rieinus communis)のマメよりリシン
を精製し、リシンよりそのA鎖を分離する方法は
オルスンズとピール〔S.Olsnes and A.Pihl,バ
イオケミストリー(Biochem.),12巻、3121〜
3126頁,1973年〕の報告に基いて行なつた。得ら
れたA鎖の溶液には2−メルカプトエタノールが
含まれているので、使用直前に上記(イ)のセフアデ
ツクスG25カラムクロマトグラフイーにより除去
した。このA鎖には、ドデシル硫酸ナトリウム−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(以下SDS−
PAGEと略す)においてB鎖もインタクトリシン
も認められなかつた。 (ハ) 活性ジスルフイド基が導入されたアビジンと
リシンA鎖との架橋及び蛋白複合体の精製上記
(イ)項で得られた、活性ジスルフイド基が導入さ
れたアビジンを含むB液(280nmの吸光度は
3.5であつた。)1.7mlと、リシンA鎖(チオー
ル基を有する)を含むB液(280nmの吸光度は
2.4であつた。)1.8mlと、10mM EDTAを含む
0.4Mリン酸緩衝液PH7.5(以下C液と略す。)
0.34mlを混合し、室温で一晩反応させた。 この反応液を生理食塩水で平衡化したセフアデ
ツクスG150スーパーフアイン・カラムクロマト
グラフイー(カラムサイズ1.3cm×95cm)にかけ
た。第4図の如く、分子量9万ないし16万くらい
の流出位置に大きなピークが認められた。この分
画21番から26番まで(図の斜線部)をプールし
た。こうして得られた蛋白溶液をドデシル硫酸ナ
トリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にか
けた。第5図のデイスク1はリシンA鎖、デイス
ク2はアビジン、デイスク3は架橋、精製された
蛋白複合体、デイスク4はその蛋白複合体を2−
メルカプトエタノールで還元した生成物をかけた
ものである。デイスク3から、分子量約1.5万
(右端)くらいのアビジン・サブユニツトの他に
分子量約4.7万と7.9万(左端)くらいの生成物が
認められる。これらの分子量はアビジンサブユニ
ツト1分子、サブユニツト1分子とリシンA鎖1
分子の和及びサブユニツト1分子とリシンA鎖2
分子の和にそれぞれ一致する(系中にドデシル硫
酸ナトリウムが存在しているため、アビジンはサ
ブユニツトに分離して検出される。)実際、これ
らの生成物を還元すると、デイスク4の如く、か
なりの量のリシンA鎖が生成する。従つて得られ
た蛋白複合体は第6図の如く、4つのアビジン・
サブユニツトのいくつかがリシンA鎖1個と結合
した(2個結合したものもわずかに存在する)構
造をとつている。 実施例 2 アビジンとジフテリア毒素のフラグメントAと
をジスルフイド結合を含む共有結合によつて架橋
することにより得られる蛋白複合体 (イ) ジフテリア毒素のフラグメントAの調製ジフ
テリア毒素210mgを含む0.05Mトリス・塩酸−
2mMエチレンジアミン四酢酸水溶液(PH8.3)
18.5mlに、0.1mg/ml濃度のトリプシン溶液を
0.15ml加えて、25℃で50分間分解し、その後
0.5mg/ml濃度の大豆トリプシン阻害物質溶液
0.3mlを加えて反応を停止した。この分解生成
物に尿素(最終濃度6M)、亜硫酸ナトリウム
(最終濃度0.168M)およびテトラチオン酸ナト
リウム(最終濃度0.042M)を加えて、37℃で
2時間S−スルホ化分解を行なつた。得られた
反応液を、6M尿素−0.03M酢酸緩衝液(PH
5.3)中でセフアデツクスG150カラムクロマト
グラフイー(カラムサイズ3.5cm×112cm)にか
けて、遅れて流出するフラグメントA画分のみ
を取り出し、更に蒸留水に透析することによつ
て純粋なフラグメントA溶液を得た(S−スル
ホ基を1個有する)。得られたS−スルホ化フ
ラグメントA溶液をトリス塩酸緩衝液(PH8.4)
に対して透析後、2−メルカプトエタノール
(最終濃度10mM)で37℃で1時間処理し、実
施例1(イ)項記載のセフアデツクスG25カラムク
ロマトグラフイーに対し、チオール基を1個有
するジフテリア毒素のフラグメントAを得た。 (ロ) 活性ジスルフイド基が導入されたアビジンと
ジフテリア毒素のフラグメントAとの架橋及び
蛋白複合体の精製 上記(イ)項の如くして得たジフテリア毒素のフラ
グメントAと、実施例1の(イ)項の如くして得た活
性ジスルフイド基が導入されたアビジンとを用
い、実施例1の(ハ)項の場合と同様の操作により、
アビジンとジフテリア毒素フラグメントAとがジ
スルフイド結合を含む共有結合で架橋された蛋白
複合体を得た。 実施例 3 アビジンとツルレイシより得られる蛋白生合成
阻害活性蛋白とを、ジスルフイド結合を含む共有
結合によつて架橋することにより得られる蛋白複
合体 (イ) ツルレイシの種子より蛋白生合成阻害活性を
有する蛋白(以下MOMという)の抽出・精製 ツルレイシの種子9.2gを乳バチですりつぶ
し、エーテルで脂質を除去した。こうして得た
脱脂粉体に、5mMリン酸緩衝液−0.2M塩化ナ
トリウム溶液(PH7.2)50mlを加えて、4℃で
一晩攪拌を続けた。その後、遠心分離によつて
不溶物を除去し、硫安を30%飽和になるように
加えた。0℃で1時間攪拌後、遠心分離によつ
てその上清を取り、この上清にさらに硫安を加
えて70%飽和として、0℃で2時間攪拌後、遠
心分離によつてその沈澱を分離した。沈澱物に
5mlの5mMリン酸緩衝液(PH6.5)を加えて溶
解し、同じリン酸緩衝液に対して十分に透析し
た。その透析内液を、同じリン酸緩衝液で平衡
化したセフアデツクスG150スーパーフアイ
ン・カラムクロマトグラフイー(カラム・サイ
ズ84cm×2.5cm)にかけて、分子量約3万の位
置に流出する蛋白をプールした。これをCMセ
フアデツクスC−50カラムクロマトグラフイ
(カラム・サイズ1.6cm×34cm)にかけた。レジ
ンは5mMリン酸緩衝液(PH6.5)に平衡化され
ているが、0.05Mリン酸緩衝液(PH6.5),0.1M
リン酸緩衝液(PH6.5)さらに0.2Mリン酸緩衝
液(PH6.5)という具合に塩濃度を上げていく
と、0.10MのところでMOMが流出してきた。
この分画の蛋白は、分子量約27000であり、他
の蛋白を含まぬことはSDS−PAGEによつて確
認された。 (ロ) チオール基が導入されたMOMの調製上記(イ)
項の如くして抽出精製されたMOMを12.9mg/
mlの濃度で含むA液4mlに、20mMのSPDPの
エタノール溶液0.19mlを加えて室温で30分間反
応させた。この反応液に10mM EDTA、
200mM2−メルカプトエタノールを含む
500mMトリス塩酸緩衝液(PH8.5)を0.1ml加え
て、室温で15分間反応させ、B液で平衡化した
セフアデツクスG−25カラムクロマトグラフイ
ーにかけてチオール基が導入されたMOMを得
た。 (ハ) 活性ジスルフイド基が導入されたアビジン
と、チオール基が導入されたMOMとの架橋及
び蛋白複合体の精製 実施例1の(イ)項で得られた活性ジスルフイド
基の導入されたアビジンを含むB液(280nmの
吸光度は3.0であつた。)2.0mlと、上記(ロ)項で
得られたチオール基の導入されたMOMを含む
B液(280nmの吸光度は9.8であつた。)0.6ml
と、C液0.26mlを混合し、室温で一晩反応させ
た。 この反応液を生理食塩水で平衡化したセフア
デツクスG−150スーパーフアインクロマトグ
ラフイー(カラムサイズ1.3×95cm)にかけた。
第7図がそのクロマトグラフイーの図である。
分画28番から33番、34番から39番までをそれぞ
れプールして分画,とした。この,分
画をドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動にかけ第8図の如き結果を得
た。第8図のデイスク1はMOM、デイスク2
はアビジン、デイスク3は分画、デイスク4
は分画、デイスク5,6はそれぞれ分画,
を2−メルカプトエタノールで還元した生成
物をかけたものである。 デイスク3より分画は分子量約1.5万(右
端)のアビジンサブユニツトのほかに分子量約
4.5万,6万と7.5万(左端)の生成物が認めら
れ、これらの分子量はそれぞれアビジンサブユ
ニツト1分子とMOM1分子,アビジンサブユ
ニツト2分子とMOM1分子そしてアビジンサ
ブユニツト1分子とMOM2分子の分子量の和
に一致し、またデイスク4よりの分画は分子
量約4.5万と6万の生成物が認められ、これら
はそれぞれ1分画の分子量4.5万,6万の生成
物と同様のものである。そしてこれらの生成物
を還元するとデイスク5,6のごとくMOMと
アビジンサブユニツトだけとなる。従つて得ら
れた複合体は、アビジンの4つのサブユニツト
のいくつかがMOM1個と結合した。(2個結合
したものもわずかに存在する)構造をとつてい
ることがわかる。 実施例 4 アビジンとアメリカヤマゴボウより得られる蛋
白生合成阻害活性蛋白を、ジスルフイド結合を有
する共有結合によつて架橋することにより得られ
る蛋白複合体 (イ) アメリカヤマゴボウの葉より蛋白生合成阻害
活性を有する蛋白(以下PAPという)の抽出
精製 アメリカヤマゴボウの葉500gを、500mlの水
を加えて、ミキサーでホモゲナイズした。この
ホモジエネイトより、アービン(Irvin)の方
法(アーカイブス オブ バイオケミストリー
アンド バイオフイジクス(Archives of
Biochemistry and Biophysics),第169巻,
522〜528頁,1975年)に基づいて、硫安分画、
DEAEセルロー ス・クロマトグラフイーおよ
びホスホセルロース・クロマトグラフイーによ
つてPAPを精製した。このPAPはSDS−
PAGEにおいて、分子量約27000の位置に一つ
のバンドを形成した。 なお、アメリカヤマゴボウの種子、根からも同
様に抽出、精製し、PAPが取れることをSDS−
PAGEで確認した。以下の実験では葉より精製し
たPAPを用いた。 (ロ) チオール基が導入されたPAPの調製 上記の(イ)項の如く抽出精製されたPAP8.1mg
を含む、0.02Mリン酸緩衝液−0.14M塩化ナト
リウム−1mM EDTA水溶液(PH7.5)1.6mlに、
9mMのSPDPを含むエタノール溶液を0.09ml加
え、室温で30分間反応させた。 この反応液に10mM EDTA、200mM2−メ
ルカプトエタノールを含む500mMトリス塩酸
緩衝液(PH8.5)を0.04ml加えて、37℃で30分
間反応させ、反応液を、B液で平衡化したセフ
アデツクスG−25カラムクロマトグラフイーに
かけてチオール基が導入されたPAPを得た。 (ハ) 活性ジスルフイド基が導入されたアビジンと
チオール基が導入されたPAPとの架橋及び蛋
白複合体の精製 実施例1の(イ)項の如くして得られた活性ジス
ルフイド基が導入されたアビジンと、上記(ロ)項
の如くして得られたチオール基が導入された
PAPより、実施例3の(ハ)項と同様にしてアビ
ジンとPAPがジスルフイド結合を含む共有結
合によつて架橋された蛋白複合体を得た。 実施例 5 膜表面にイムノグロプリンをもつたリンパ球B
細胞に対する細胞傷害(その1) (イ) 抗体(IgG)のビオチニル化 0.1M NaHCO3に透析したウサギ抗マウスIgG
抗体溶液(1mg/ml)1mlと、N−ヒドロキシサ
クシニミドビオチンのN,N−ジメチルホルムア
ミド溶液(1mg/ml)0.1mlを混合し、室温で4
時間反応させた。反応後、10mM−リン酸塩緩衝
化食塩水(PH7.2)に透析して過剰のN−ヒドロ
キシサクシニミドビオチンを除き、ビオチニル化
ウサギ抗マウスIgG抗体(ビオチニル化抗体)を
得た。 (ロ) ビオチニル化抗体とアビジン・リシンA鎖複
合体を用いる、表面イムノグロブリンを持つた
B細胞に対する細胞傷害 ジニトロフエニル(DNP)−キーホール・リン
ペツト・ヘモシアニン(KLH)で感作した
BALB/Cマウスの脾細胞(DNPに対する表面
イムノグロブリン産生前駆B細胞)2×106個に、
ビオチニル化ウサギ抗マウスIgG抗体(1mg/
ml)50μlを加えて氷中30分反応させ(マウスのB
細胞にビオチニル化抗体が結合する)、冷ハンク
ス溶液で2回洗つた後、更にアビジン・リシンA
鎖複合体(可変濃度)50μlを加えて氷中15分反応
させ(ビオチニル化抗体にアビジン・リシンA鎖
複合体が結合する)、冷ハンクス溶液で3回洗つ
た。こうして前処置した脾細胞に、DNP−KLH
(抗原刺激のため)(40ng/ml)2−メルカプト
エタノール(50μM)及び10%ウシ胎児血清を含
むRPMI 1640培地600μlを加え、200μlずつ3つ
に分けてそれぞれ5%CO2加湿雰囲気下37℃で5
日間培養した後、Jerneのプラーク法〔ヤーン及
びノルデイン(N.K.Jerne and A.A.Nordin)サ
イエンス(Science),第140巻、405頁、1963年参
照〕によつて、抗DNP抗体産生細胞(PFC)を
数えた。 比較例も含めて結果を第9図に示した。図よ
り、抗原(DNP−KLH)の添加により、PFC
が、著しくビオチニル化体するが(グループ2)、
予め脾細胞をビオチニル化抗体で処理し、更にア
ビジン・リシンA鎖複合体で処理すると、PFC
数が有意に減少することが分つた。即ち、抗
DNP抗体産生前駆細胞(B細胞)が、ビオチニ
ル化抗マウスIgG抗体とこれに結合しうるアビジ
ン・リシンA鎖複合体の殺細胞効果によつて除去
されたことを示している。また殺細胞効果を得る
には、ビオチニル化抗体とアビジン・リシンA鎖
複合体の両者が共に必要であることを示してい
る。 実施例 6 膜表面にイムノグロプリンをもつたリンパ球B
細胞に対する細胞傷害(その2) DNP−KLH感作脾細胞を実施例5と同様に、
ビオチニル化抗マウスIgG抗体とアビジン・
MOM複合体で前処理した後、抗体産生能を調べ
た。 第10図に示されるように、ビオチニル化抗体
またはアビジン・MOM複合体単独では、いずれ
もPFC数を有意に減少させなかつたが、両者を
共に用いるとPFC数が著しく減少し、抗体が認
識する抗DNP抗体産生前駆B細胞群に細胞傷害
作用があつたことがわかる。 実施例 7 T細胞代替因子(TRF)受容体をもつたB細
胞に対する細胞傷害 (イ) 抗BALB/cB細胞抗体のビオチニル化F
(ab′)2の調製 ジニトロフエニル(DNP)−キーホール・リ
ンペツト・ヘモシアニン(KLH)で免疫した
BALB/cマウスの脾細胞を抗Thy1.2抗体と
ウサギ補体で処理しT細胞を除き、DNP−
KLH感作B細胞を得た。次にこのB細胞を水
酸化アルミニウムゲル4mgと百日咳菌
(Bordetella pertussis)1×109個と共に
(DBA/2Ha×BALB/c)(DC)F1雄性マウ
スに腹腔内投与し、更にB細胞だけで一週間毎
に6回免疫した後、その最終免疫の一週間後か
ら、毎週採血した。得られた抗血清はプールし
て、硫安分画並びにDEAE−セルロースカラム
クロマトグラフイーによりIgG画分を得、ペプ
シン処理及びセフアデツクスG−150カラムク
ロマトグラフイーによりF(ab′)2を調製した。
F(ab′)2のビオチニル化は実施例5のイ項の如
くして行つた。 (ロ) ビオチニル化抗体とアビジン・リシンA鎖複
合体を用いる、TRF受容体をもつた細胞に対
する細胞傷害 DNP−KLH感作脾細胞を、抗Thy1.2抗体及
びウサギ補体で処理してT細胞を除き、次に実
施例5と同様に、ビオチニル化抗BALB/cB
細胞抗体のF(ab′)2とアビジン・リシンA鎖複
合体で前処理した後、DNP−卵白アルブミン
(OVA)(40ng/ml),2−メルカプトエタノ
ール(50μM),TRF(50容量%)及び10%ウシ
胎児血清を含むRPMI1640培地600μを添加し
て、5%CO2加湿雰囲気下37℃5日間培養し
PFC反応を調べた。 第11図に示す通り、脾細胞から、T細胞を
除いてしまうと、抗原(DNP−OVA)刺激だ
けではPFC反応がおこらなくなるが(グルー
プ1)、培地中にTRFを添加するとPFC数が著
しく回復した。しかし、脾細胞を予めビオチニ
ル化抗BALB/cB細胞抗体とアビジン・リシ
ンA鎖で処理することにより、TRFのPFC回
復効果が、抑制された。この結果はDCF1雄性
マウスをBALB/cのB細胞で免疫すると
TRF受容体に対する抗体ができ、かかる抗体
のビオチニル化体とアビジン、リシンA鎖複合
体によつてB細胞を処理すると、TRF受容体
を有するB細胞群が除去されたことを示してい
る。
残基の具体例としてはメトキシ、エトキシ基等を
挙げることができる。Xで表わされるハロゲン原
子の具体例としては塩素、臭素等を挙げることが
できる。 架橋剤の具体例としては、式()で表わされ
る架橋剤として、N−サクシンイミジル3−(2
−ピリジルジチオ)プロピオネート,2,4−ジ
ニトロフエニル3−(4−ピリジルジチオ)プロ
ピオネートを、式()で表わされる架橋剤とし
て、メチル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオ
ンイミデート塩酸塩を、式(V)で表わされる架
橋剤として、N−サクシンイミジル3−ブロモプ
ロピオネートを挙げることができる。 上記のアビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白の架
橋反応において、アビジン或いは蛋白生合成阻害
活性蛋白に架橋剤を反応させる場合は、反応せし
める蛋白1モルに対し、架橋剤を1〜20モル用い
るのが好ましい。反応はアビジン或いは蛋白生合
成阻害活性蛋白の、PH5〜9の緩衝液中蛋白濃度
が0.5〜100mg/ml(より好ましくは1〜20mg/
ml)になるように調製された溶液に、0〜50℃で
攪拌しながら架橋剤の水溶液または架橋剤が水に
溶けない場合には、架橋剤を少量の有機溶媒、例
えば、N,N−ジメチルホルムアミド,ジメチル
スルホキシド,1,2−ジメトキシエタン,メタ
ノール,エタノール,アセトン等に溶かした溶液
を添加して行なわれる。反応時間は反応スケー
ル、反応条件によるが、一般に2日間以内であ
る。反応終了後、透析または分子ふるいのカラム
クロマトグラフイーにより、未反応の架橋剤及び
低分子生成物を除いた後、得られた架橋剤が導入
された蛋白溶液に複合体のもう一方の構成々分で
ある蛋白(または架橋剤により架橋用官能基が導
入された蛋白)のPH5〜9の緩衝液の溶液(好ま
しい蛋白濃度の範囲は上に記載したのと同じであ
る)を添加して、0〜50℃で反応せしめる。複合
体の反応混合物からの分離、精製は通常用いられ
る操作、例えば分子ふるいのカラムクロマトグラ
フイーによつて行なうことができる。なお、複合
体の一方の成分の蛋白の溶液に、架橋剤が導入さ
れた他方の成分の蛋白の溶液を添加して複合体を
製造することもできる。さらに、架橋剤が導入さ
れた蛋白を、低分子の試薬で処理して特定の架橋
用官能基を有する蛋白に変換する場合(例えば架
橋剤によつて導入された活性ジスルフイド基をチ
オール基に変換する場合)、或いは、アビジン或
いは蛋白生合成阻害活性蛋白を低分子試薬を用い
直接活性化誘導体に変換する場合(例えば、リシ
ンのフラグメントAのチオール基を活性ジスルフ
イドに変換する場合)の反応条件も上記の蛋白に
架橋剤を反応せしめる場合の反応条件と同様であ
る。 本発明で得られるアビジンと蛋白生合成阻害活
性蛋白とを共有結合によつて架橋することによつ
て得られる蛋白複合体は、特定の細胞群を認識す
るビオチニル化抗体と、アビジンのビオチンに対
する強い親和性を利用して、結合せしめることに
より、抗体が認識する特定細胞群を選択的に破壊
するために使用することができる。 即ち、本発明者らは、蛋白生合成阻害活性蛋白
を、アビジンとビオチンの強い親和力に基づく非
共有的結合を介して、抗体と結合させることによ
つて、蛋白生合成阻害活性蛋白が抗体が認識する
特定細胞群に対し細胞毒性を発揮するに到るとい
うことを見い出した。かかる特定細胞群破壊シス
テムの優れた点の一つは、既に述べた通り、補体
依存性細胞溶解反応が、抗体のクラス、サブクラ
スによつては補体との結合性がないために、或い
は補体結合性がある場合でも用いる動物種によつ
ては補体依存性細胞溶解反応が起こり難いため
に、適用できない場合でも本発明のシステムは適
用できることである。また、選択的補体依存性細
胞溶解反応が、補体源として用いる血清中の補体
以外の成分で阻げられる場合があるのに対し、本
発明方法ではそのようなことがない。さらに本発
明方法の特徴は、蛋白生合成阻害活性蛋白として
アビジンとの蛋白複合体を作るために好適に用い
られるリシンのA鎖、ジフテリア毒素のフラグメ
ントA、ツルレイシより得られる蛋白生合成阻害
活性蛋白及びアメリカヤマゴボウより得られる蛋
白生合成阻害活性蛋白が、いずれもそれ自体で
は、細胞表面と結合する部位を欠いているがため
に、極めて弱い細胞毒性しか示さないことと、一
旦抗体をキヤリアーとして、細胞内へ導入される
と極めて強い細胞毒性を発揮する点にある。加え
て、ビオチニル化抗体上には、一般にアビジンと
結合する部位が複数個依存するので、本発明方法
の如く、蛋白生合成阻害蛋白をアビジン−ビオチ
ン結合体を介して抗体に結合させた場合、抗体1
分子当り、複数個の蛋白生合成阻害活性蛋白が付
くことになり、細胞破壊効果の増幅が得られるこ
とも本発明方法の特長として挙げることができ
る。 本発明方法によつて特定細胞群を破壊する望ま
しい実施態様は、破壊したい細胞群を含む細胞集
団を先ず、その細胞群を選択的に認識する抗体の
ビオチニル化体(ビオチニル化抗体)溶液と、0
〜37℃で5〜60分接触反応させ、細胞培養培地も
しくは緩衝化食塩水で洗うことにより過剰の未反
応抗体を除去した後、さらに、アビジンと蛋白生
合成阻害活性蛋白とを共有結合によつて架橋する
ことにより得られる蛋白複合体を加えて、0〜37
℃で1〜30分接触反応させ、細胞培養培地もしく
は緩衝化食塩水で洗つて過剰の蛋白複合体を除去
した後、細胞培養する方法である。細胞培養は通
常の条件、即ち5%CO2加湿雰囲気下37℃で通常
2時間〜5日間行えばよい。なお、ビオチニル化
抗体と、アビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白の複
合体は、同時に細胞に加えてもよく、また予めビ
オチニル化抗体と本発明の蛋白複合体とを接触さ
せてアビジン・ビオチン結合体を作らせた後、そ
の結合体で細胞集団を処理してもよい。 以下、実施例により本発明を詳述する。 実施例 1 アビジンとリシンA鎖とをジスフイド結合を含
む共有結合によつて架橋することにより得られる
蛋白複合体 (イ) アビジンへの活性ジスルフイド基の導入3.6
mgアビジンを0.1M塩化ナトリウムを含む0.1M
リン酸緩衝液PH7.5(以下A液と略す。)1mlに
溶解し、これに、エタノール中に18.4mMのN
−サクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)
プロピオネート(以下SPDPと略す。)を含む
溶液0.02mlを加え、室温で30分間反応させた。
この反応液を、0.14M塩化ナトリウムと1mM
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(以下
EDTAと略す。)とを含む5mM酢酸緩衝液PH
5.5(以下B液と略す。)で平衡化したセフアデ
ツクスG25カラムクロマトグラフイーにかけ
て、未反応物と低分子生成分を除き活性ジスル
ヒド基が導入されたアビジンを得た。 (ロ) リシンA鎖の調製法 ヒマ(Rieinus communis)のマメよりリシン
を精製し、リシンよりそのA鎖を分離する方法は
オルスンズとピール〔S.Olsnes and A.Pihl,バ
イオケミストリー(Biochem.),12巻、3121〜
3126頁,1973年〕の報告に基いて行なつた。得ら
れたA鎖の溶液には2−メルカプトエタノールが
含まれているので、使用直前に上記(イ)のセフアデ
ツクスG25カラムクロマトグラフイーにより除去
した。このA鎖には、ドデシル硫酸ナトリウム−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(以下SDS−
PAGEと略す)においてB鎖もインタクトリシン
も認められなかつた。 (ハ) 活性ジスルフイド基が導入されたアビジンと
リシンA鎖との架橋及び蛋白複合体の精製上記
(イ)項で得られた、活性ジスルフイド基が導入さ
れたアビジンを含むB液(280nmの吸光度は
3.5であつた。)1.7mlと、リシンA鎖(チオー
ル基を有する)を含むB液(280nmの吸光度は
2.4であつた。)1.8mlと、10mM EDTAを含む
0.4Mリン酸緩衝液PH7.5(以下C液と略す。)
0.34mlを混合し、室温で一晩反応させた。 この反応液を生理食塩水で平衡化したセフアデ
ツクスG150スーパーフアイン・カラムクロマト
グラフイー(カラムサイズ1.3cm×95cm)にかけ
た。第4図の如く、分子量9万ないし16万くらい
の流出位置に大きなピークが認められた。この分
画21番から26番まで(図の斜線部)をプールし
た。こうして得られた蛋白溶液をドデシル硫酸ナ
トリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にか
けた。第5図のデイスク1はリシンA鎖、デイス
ク2はアビジン、デイスク3は架橋、精製された
蛋白複合体、デイスク4はその蛋白複合体を2−
メルカプトエタノールで還元した生成物をかけた
ものである。デイスク3から、分子量約1.5万
(右端)くらいのアビジン・サブユニツトの他に
分子量約4.7万と7.9万(左端)くらいの生成物が
認められる。これらの分子量はアビジンサブユニ
ツト1分子、サブユニツト1分子とリシンA鎖1
分子の和及びサブユニツト1分子とリシンA鎖2
分子の和にそれぞれ一致する(系中にドデシル硫
酸ナトリウムが存在しているため、アビジンはサ
ブユニツトに分離して検出される。)実際、これ
らの生成物を還元すると、デイスク4の如く、か
なりの量のリシンA鎖が生成する。従つて得られ
た蛋白複合体は第6図の如く、4つのアビジン・
サブユニツトのいくつかがリシンA鎖1個と結合
した(2個結合したものもわずかに存在する)構
造をとつている。 実施例 2 アビジンとジフテリア毒素のフラグメントAと
をジスルフイド結合を含む共有結合によつて架橋
することにより得られる蛋白複合体 (イ) ジフテリア毒素のフラグメントAの調製ジフ
テリア毒素210mgを含む0.05Mトリス・塩酸−
2mMエチレンジアミン四酢酸水溶液(PH8.3)
18.5mlに、0.1mg/ml濃度のトリプシン溶液を
0.15ml加えて、25℃で50分間分解し、その後
0.5mg/ml濃度の大豆トリプシン阻害物質溶液
0.3mlを加えて反応を停止した。この分解生成
物に尿素(最終濃度6M)、亜硫酸ナトリウム
(最終濃度0.168M)およびテトラチオン酸ナト
リウム(最終濃度0.042M)を加えて、37℃で
2時間S−スルホ化分解を行なつた。得られた
反応液を、6M尿素−0.03M酢酸緩衝液(PH
5.3)中でセフアデツクスG150カラムクロマト
グラフイー(カラムサイズ3.5cm×112cm)にか
けて、遅れて流出するフラグメントA画分のみ
を取り出し、更に蒸留水に透析することによつ
て純粋なフラグメントA溶液を得た(S−スル
ホ基を1個有する)。得られたS−スルホ化フ
ラグメントA溶液をトリス塩酸緩衝液(PH8.4)
に対して透析後、2−メルカプトエタノール
(最終濃度10mM)で37℃で1時間処理し、実
施例1(イ)項記載のセフアデツクスG25カラムク
ロマトグラフイーに対し、チオール基を1個有
するジフテリア毒素のフラグメントAを得た。 (ロ) 活性ジスルフイド基が導入されたアビジンと
ジフテリア毒素のフラグメントAとの架橋及び
蛋白複合体の精製 上記(イ)項の如くして得たジフテリア毒素のフラ
グメントAと、実施例1の(イ)項の如くして得た活
性ジスルフイド基が導入されたアビジンとを用
い、実施例1の(ハ)項の場合と同様の操作により、
アビジンとジフテリア毒素フラグメントAとがジ
スルフイド結合を含む共有結合で架橋された蛋白
複合体を得た。 実施例 3 アビジンとツルレイシより得られる蛋白生合成
阻害活性蛋白とを、ジスルフイド結合を含む共有
結合によつて架橋することにより得られる蛋白複
合体 (イ) ツルレイシの種子より蛋白生合成阻害活性を
有する蛋白(以下MOMという)の抽出・精製 ツルレイシの種子9.2gを乳バチですりつぶ
し、エーテルで脂質を除去した。こうして得た
脱脂粉体に、5mMリン酸緩衝液−0.2M塩化ナ
トリウム溶液(PH7.2)50mlを加えて、4℃で
一晩攪拌を続けた。その後、遠心分離によつて
不溶物を除去し、硫安を30%飽和になるように
加えた。0℃で1時間攪拌後、遠心分離によつ
てその上清を取り、この上清にさらに硫安を加
えて70%飽和として、0℃で2時間攪拌後、遠
心分離によつてその沈澱を分離した。沈澱物に
5mlの5mMリン酸緩衝液(PH6.5)を加えて溶
解し、同じリン酸緩衝液に対して十分に透析し
た。その透析内液を、同じリン酸緩衝液で平衡
化したセフアデツクスG150スーパーフアイ
ン・カラムクロマトグラフイー(カラム・サイ
ズ84cm×2.5cm)にかけて、分子量約3万の位
置に流出する蛋白をプールした。これをCMセ
フアデツクスC−50カラムクロマトグラフイ
(カラム・サイズ1.6cm×34cm)にかけた。レジ
ンは5mMリン酸緩衝液(PH6.5)に平衡化され
ているが、0.05Mリン酸緩衝液(PH6.5),0.1M
リン酸緩衝液(PH6.5)さらに0.2Mリン酸緩衝
液(PH6.5)という具合に塩濃度を上げていく
と、0.10MのところでMOMが流出してきた。
この分画の蛋白は、分子量約27000であり、他
の蛋白を含まぬことはSDS−PAGEによつて確
認された。 (ロ) チオール基が導入されたMOMの調製上記(イ)
項の如くして抽出精製されたMOMを12.9mg/
mlの濃度で含むA液4mlに、20mMのSPDPの
エタノール溶液0.19mlを加えて室温で30分間反
応させた。この反応液に10mM EDTA、
200mM2−メルカプトエタノールを含む
500mMトリス塩酸緩衝液(PH8.5)を0.1ml加え
て、室温で15分間反応させ、B液で平衡化した
セフアデツクスG−25カラムクロマトグラフイ
ーにかけてチオール基が導入されたMOMを得
た。 (ハ) 活性ジスルフイド基が導入されたアビジン
と、チオール基が導入されたMOMとの架橋及
び蛋白複合体の精製 実施例1の(イ)項で得られた活性ジスルフイド
基の導入されたアビジンを含むB液(280nmの
吸光度は3.0であつた。)2.0mlと、上記(ロ)項で
得られたチオール基の導入されたMOMを含む
B液(280nmの吸光度は9.8であつた。)0.6ml
と、C液0.26mlを混合し、室温で一晩反応させ
た。 この反応液を生理食塩水で平衡化したセフア
デツクスG−150スーパーフアインクロマトグ
ラフイー(カラムサイズ1.3×95cm)にかけた。
第7図がそのクロマトグラフイーの図である。
分画28番から33番、34番から39番までをそれぞ
れプールして分画,とした。この,分
画をドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動にかけ第8図の如き結果を得
た。第8図のデイスク1はMOM、デイスク2
はアビジン、デイスク3は分画、デイスク4
は分画、デイスク5,6はそれぞれ分画,
を2−メルカプトエタノールで還元した生成
物をかけたものである。 デイスク3より分画は分子量約1.5万(右
端)のアビジンサブユニツトのほかに分子量約
4.5万,6万と7.5万(左端)の生成物が認めら
れ、これらの分子量はそれぞれアビジンサブユ
ニツト1分子とMOM1分子,アビジンサブユ
ニツト2分子とMOM1分子そしてアビジンサ
ブユニツト1分子とMOM2分子の分子量の和
に一致し、またデイスク4よりの分画は分子
量約4.5万と6万の生成物が認められ、これら
はそれぞれ1分画の分子量4.5万,6万の生成
物と同様のものである。そしてこれらの生成物
を還元するとデイスク5,6のごとくMOMと
アビジンサブユニツトだけとなる。従つて得ら
れた複合体は、アビジンの4つのサブユニツト
のいくつかがMOM1個と結合した。(2個結合
したものもわずかに存在する)構造をとつてい
ることがわかる。 実施例 4 アビジンとアメリカヤマゴボウより得られる蛋
白生合成阻害活性蛋白を、ジスルフイド結合を有
する共有結合によつて架橋することにより得られ
る蛋白複合体 (イ) アメリカヤマゴボウの葉より蛋白生合成阻害
活性を有する蛋白(以下PAPという)の抽出
精製 アメリカヤマゴボウの葉500gを、500mlの水
を加えて、ミキサーでホモゲナイズした。この
ホモジエネイトより、アービン(Irvin)の方
法(アーカイブス オブ バイオケミストリー
アンド バイオフイジクス(Archives of
Biochemistry and Biophysics),第169巻,
522〜528頁,1975年)に基づいて、硫安分画、
DEAEセルロー ス・クロマトグラフイーおよ
びホスホセルロース・クロマトグラフイーによ
つてPAPを精製した。このPAPはSDS−
PAGEにおいて、分子量約27000の位置に一つ
のバンドを形成した。 なお、アメリカヤマゴボウの種子、根からも同
様に抽出、精製し、PAPが取れることをSDS−
PAGEで確認した。以下の実験では葉より精製し
たPAPを用いた。 (ロ) チオール基が導入されたPAPの調製 上記の(イ)項の如く抽出精製されたPAP8.1mg
を含む、0.02Mリン酸緩衝液−0.14M塩化ナト
リウム−1mM EDTA水溶液(PH7.5)1.6mlに、
9mMのSPDPを含むエタノール溶液を0.09ml加
え、室温で30分間反応させた。 この反応液に10mM EDTA、200mM2−メ
ルカプトエタノールを含む500mMトリス塩酸
緩衝液(PH8.5)を0.04ml加えて、37℃で30分
間反応させ、反応液を、B液で平衡化したセフ
アデツクスG−25カラムクロマトグラフイーに
かけてチオール基が導入されたPAPを得た。 (ハ) 活性ジスルフイド基が導入されたアビジンと
チオール基が導入されたPAPとの架橋及び蛋
白複合体の精製 実施例1の(イ)項の如くして得られた活性ジス
ルフイド基が導入されたアビジンと、上記(ロ)項
の如くして得られたチオール基が導入された
PAPより、実施例3の(ハ)項と同様にしてアビ
ジンとPAPがジスルフイド結合を含む共有結
合によつて架橋された蛋白複合体を得た。 実施例 5 膜表面にイムノグロプリンをもつたリンパ球B
細胞に対する細胞傷害(その1) (イ) 抗体(IgG)のビオチニル化 0.1M NaHCO3に透析したウサギ抗マウスIgG
抗体溶液(1mg/ml)1mlと、N−ヒドロキシサ
クシニミドビオチンのN,N−ジメチルホルムア
ミド溶液(1mg/ml)0.1mlを混合し、室温で4
時間反応させた。反応後、10mM−リン酸塩緩衝
化食塩水(PH7.2)に透析して過剰のN−ヒドロ
キシサクシニミドビオチンを除き、ビオチニル化
ウサギ抗マウスIgG抗体(ビオチニル化抗体)を
得た。 (ロ) ビオチニル化抗体とアビジン・リシンA鎖複
合体を用いる、表面イムノグロブリンを持つた
B細胞に対する細胞傷害 ジニトロフエニル(DNP)−キーホール・リン
ペツト・ヘモシアニン(KLH)で感作した
BALB/Cマウスの脾細胞(DNPに対する表面
イムノグロブリン産生前駆B細胞)2×106個に、
ビオチニル化ウサギ抗マウスIgG抗体(1mg/
ml)50μlを加えて氷中30分反応させ(マウスのB
細胞にビオチニル化抗体が結合する)、冷ハンク
ス溶液で2回洗つた後、更にアビジン・リシンA
鎖複合体(可変濃度)50μlを加えて氷中15分反応
させ(ビオチニル化抗体にアビジン・リシンA鎖
複合体が結合する)、冷ハンクス溶液で3回洗つ
た。こうして前処置した脾細胞に、DNP−KLH
(抗原刺激のため)(40ng/ml)2−メルカプト
エタノール(50μM)及び10%ウシ胎児血清を含
むRPMI 1640培地600μlを加え、200μlずつ3つ
に分けてそれぞれ5%CO2加湿雰囲気下37℃で5
日間培養した後、Jerneのプラーク法〔ヤーン及
びノルデイン(N.K.Jerne and A.A.Nordin)サ
イエンス(Science),第140巻、405頁、1963年参
照〕によつて、抗DNP抗体産生細胞(PFC)を
数えた。 比較例も含めて結果を第9図に示した。図よ
り、抗原(DNP−KLH)の添加により、PFC
が、著しくビオチニル化体するが(グループ2)、
予め脾細胞をビオチニル化抗体で処理し、更にア
ビジン・リシンA鎖複合体で処理すると、PFC
数が有意に減少することが分つた。即ち、抗
DNP抗体産生前駆細胞(B細胞)が、ビオチニ
ル化抗マウスIgG抗体とこれに結合しうるアビジ
ン・リシンA鎖複合体の殺細胞効果によつて除去
されたことを示している。また殺細胞効果を得る
には、ビオチニル化抗体とアビジン・リシンA鎖
複合体の両者が共に必要であることを示してい
る。 実施例 6 膜表面にイムノグロプリンをもつたリンパ球B
細胞に対する細胞傷害(その2) DNP−KLH感作脾細胞を実施例5と同様に、
ビオチニル化抗マウスIgG抗体とアビジン・
MOM複合体で前処理した後、抗体産生能を調べ
た。 第10図に示されるように、ビオチニル化抗体
またはアビジン・MOM複合体単独では、いずれ
もPFC数を有意に減少させなかつたが、両者を
共に用いるとPFC数が著しく減少し、抗体が認
識する抗DNP抗体産生前駆B細胞群に細胞傷害
作用があつたことがわかる。 実施例 7 T細胞代替因子(TRF)受容体をもつたB細
胞に対する細胞傷害 (イ) 抗BALB/cB細胞抗体のビオチニル化F
(ab′)2の調製 ジニトロフエニル(DNP)−キーホール・リ
ンペツト・ヘモシアニン(KLH)で免疫した
BALB/cマウスの脾細胞を抗Thy1.2抗体と
ウサギ補体で処理しT細胞を除き、DNP−
KLH感作B細胞を得た。次にこのB細胞を水
酸化アルミニウムゲル4mgと百日咳菌
(Bordetella pertussis)1×109個と共に
(DBA/2Ha×BALB/c)(DC)F1雄性マウ
スに腹腔内投与し、更にB細胞だけで一週間毎
に6回免疫した後、その最終免疫の一週間後か
ら、毎週採血した。得られた抗血清はプールし
て、硫安分画並びにDEAE−セルロースカラム
クロマトグラフイーによりIgG画分を得、ペプ
シン処理及びセフアデツクスG−150カラムク
ロマトグラフイーによりF(ab′)2を調製した。
F(ab′)2のビオチニル化は実施例5のイ項の如
くして行つた。 (ロ) ビオチニル化抗体とアビジン・リシンA鎖複
合体を用いる、TRF受容体をもつた細胞に対
する細胞傷害 DNP−KLH感作脾細胞を、抗Thy1.2抗体及
びウサギ補体で処理してT細胞を除き、次に実
施例5と同様に、ビオチニル化抗BALB/cB
細胞抗体のF(ab′)2とアビジン・リシンA鎖複
合体で前処理した後、DNP−卵白アルブミン
(OVA)(40ng/ml),2−メルカプトエタノ
ール(50μM),TRF(50容量%)及び10%ウシ
胎児血清を含むRPMI1640培地600μを添加し
て、5%CO2加湿雰囲気下37℃5日間培養し
PFC反応を調べた。 第11図に示す通り、脾細胞から、T細胞を
除いてしまうと、抗原(DNP−OVA)刺激だ
けではPFC反応がおこらなくなるが(グルー
プ1)、培地中にTRFを添加するとPFC数が著
しく回復した。しかし、脾細胞を予めビオチニ
ル化抗BALB/cB細胞抗体とアビジン・リシ
ンA鎖で処理することにより、TRFのPFC回
復効果が、抑制された。この結果はDCF1雄性
マウスをBALB/cのB細胞で免疫すると
TRF受容体に対する抗体ができ、かかる抗体
のビオチニル化体とアビジン、リシンA鎖複合
体によつてB細胞を処理すると、TRF受容体
を有するB細胞群が除去されたことを示してい
る。
第1図のイはリシン、ロはそのA鎖とB鎖の構
造を示す模式図である。第2図はジフテリア毒素
の模式図であり、イはインタクトトキシン、ロは
ニツクドトキシン、ハはフラグメントAとフラグ
メントBの構造を示す。第3図は、抗体(免疫グ
ロブリン)の基本構造を示す模式図である。第4
図は、活性ジスルフイド基が導入されたアビジン
とリシンA鎖の反応生成物のセフアデツクス
G150スーパーフアインカラムクロマトグラフイ
ーでの流出パターンであり、斜線部は蛋白複合体
としてプールして用いた部分を示す。第5図は、
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(SDS−PAGE)のパターンであり、
デイスク1はリシンA鎖を、デイスク2はアビジ
ンを、デイスク3はアビジンとリシンA鎖の架
橋・精製された蛋白複合体を、デイスク4は蛋白
複合体を2−メルカプトエタノールで還元した生
成物を泳動させたパターンを示す。第6図は、ア
ビジンとリシンA鎖の蛋白複合体の模式図であ
る。第7図は、活性ジスルフイド基が導入された
アビジンとチオール基が導入されたMOMの反応
生成物のセフアデツクスG150スーパーフアイン
カラムクロマトグラフイーでの流出パターンであ
る。第8図は、SDS−PAGEのパターンであり、
デイスク1はMOMを、デイスク2はアビジン
を、デイスク3は第7図の分画を、デイスク4
は第7図の分画を、デイスク5,6はそれぞれ
分画,を2−メルカプトエタノールで還元し
た生成物を泳動させたパターンを示す。第9図
は、ビオチニル化抗体とアビジン。リシンA鎖複
合体を用いる、膜表面イムノグロプリンを持つた
B細胞に対する細胞傷害実験の結果を示す。第1
0図は、ビオチニル化抗体とアビジン・MOM複
合体を用いる、膜表面イムノグロプリンを持つた
B細胞に対する細胞傷害実験の結果を示す。第1
1図は、ビオチニル化抗体とアビジン・リシンA
鎖複合体を用いる、T細胞代替因子(TRF)受
容体をもつたB細胞に対する細胞傷害実験の結果
を示す。第9〜11図に於いて、(+)及び(−)
はそれぞれ、ビオチニル化抗体、蛋白複合体、抗
原またはTRFを系に加えたことと加えなかつた
ことを示す。
造を示す模式図である。第2図はジフテリア毒素
の模式図であり、イはインタクトトキシン、ロは
ニツクドトキシン、ハはフラグメントAとフラグ
メントBの構造を示す。第3図は、抗体(免疫グ
ロブリン)の基本構造を示す模式図である。第4
図は、活性ジスルフイド基が導入されたアビジン
とリシンA鎖の反応生成物のセフアデツクス
G150スーパーフアインカラムクロマトグラフイ
ーでの流出パターンであり、斜線部は蛋白複合体
としてプールして用いた部分を示す。第5図は、
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(SDS−PAGE)のパターンであり、
デイスク1はリシンA鎖を、デイスク2はアビジ
ンを、デイスク3はアビジンとリシンA鎖の架
橋・精製された蛋白複合体を、デイスク4は蛋白
複合体を2−メルカプトエタノールで還元した生
成物を泳動させたパターンを示す。第6図は、ア
ビジンとリシンA鎖の蛋白複合体の模式図であ
る。第7図は、活性ジスルフイド基が導入された
アビジンとチオール基が導入されたMOMの反応
生成物のセフアデツクスG150スーパーフアイン
カラムクロマトグラフイーでの流出パターンであ
る。第8図は、SDS−PAGEのパターンであり、
デイスク1はMOMを、デイスク2はアビジン
を、デイスク3は第7図の分画を、デイスク4
は第7図の分画を、デイスク5,6はそれぞれ
分画,を2−メルカプトエタノールで還元し
た生成物を泳動させたパターンを示す。第9図
は、ビオチニル化抗体とアビジン。リシンA鎖複
合体を用いる、膜表面イムノグロプリンを持つた
B細胞に対する細胞傷害実験の結果を示す。第1
0図は、ビオチニル化抗体とアビジン・MOM複
合体を用いる、膜表面イムノグロプリンを持つた
B細胞に対する細胞傷害実験の結果を示す。第1
1図は、ビオチニル化抗体とアビジン・リシンA
鎖複合体を用いる、T細胞代替因子(TRF)受
容体をもつたB細胞に対する細胞傷害実験の結果
を示す。第9〜11図に於いて、(+)及び(−)
はそれぞれ、ビオチニル化抗体、蛋白複合体、抗
原またはTRFを系に加えたことと加えなかつた
ことを示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白とをジス
ルフイド結合を含む共有結合によつて架橋するこ
とにより得られる蛋白複合体。 2 蛋白生合成阻害活性蛋白がリシンのA鎖であ
る特許請求の範囲第1項記載の蛋白複合体。 3 蛋白生合成阻害活性蛋白がジフテリア毒素の
フラグメントAである特許請求の範囲第1項記載
の蛋白複合体。 4 蛋白生合成阻害活性蛋白がツルレイシより得
られる蛋白生合成阻害活性蛋白である特許請求の
範囲第1項記載の蛋白複合体。 5 蛋白生合成阻害活性蛋白がアメリカヤマゴボ
ウより得られる蛋白生合成阻害活性蛋白である特
許請求の範囲第1項記載の蛋白複合体。 6 アビジンと蛋白生合成阻害活性蛋白のいずれ
か一方の蛋白に導入した活性ジスルフイド基に、
他方の蛋白に発生または導入したチオール基を反
応せしめることを特徴とする蛋白複合体の製造
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56172910A JPS5874614A (ja) | 1981-10-30 | 1981-10-30 | 蛋白複合体及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56172910A JPS5874614A (ja) | 1981-10-30 | 1981-10-30 | 蛋白複合体及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5874614A JPS5874614A (ja) | 1983-05-06 |
| JPH0428719B2 true JPH0428719B2 (ja) | 1992-05-15 |
Family
ID=15950606
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56172910A Granted JPS5874614A (ja) | 1981-10-30 | 1981-10-30 | 蛋白複合体及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5874614A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4664911A (en) * | 1983-06-21 | 1987-05-12 | Board Of Regents, University Of Texas System | Immunotoxin conjugates employing toxin B chain moieties |
| JPS6028997A (ja) * | 1983-07-26 | 1985-02-14 | Sumitomo Chem Co Ltd | 新規なポリペプチドおよびその製造法 |
| JP2646048B2 (ja) * | 1991-10-24 | 1997-08-25 | キユーピー 株式会社 | リゾチーム含有医薬組成物 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2437213A1 (fr) * | 1978-09-28 | 1980-04-25 | Cm Ind | Produits cytotoxiques formes par liaison covalente de la chaine a de la ricine avec un anticorps et leur procede de preparation |
-
1981
- 1981-10-30 JP JP56172910A patent/JPS5874614A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5874614A (ja) | 1983-05-06 |
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