JPH04297097A - 電波吸収方法 - Google Patents

電波吸収方法

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JPH04297097A
JPH04297097A JP15398491A JP15398491A JPH04297097A JP H04297097 A JPH04297097 A JP H04297097A JP 15398491 A JP15398491 A JP 15398491A JP 15398491 A JP15398491 A JP 15398491A JP H04297097 A JPH04297097 A JP H04297097A
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carbon fibers
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carbon
radio
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博行 岡崎
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木浦 光雄
Yoshiaki Yoshida
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維を含有して形
成した炭素繊維含有組成物である電波吸収体を用いて、
効率良くTV電波や無線電波などを吸収する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高層ビル、送電線の鉄塔、橋梁、新幹線
、高速道路、ゴルフ練習場などの各種の建造物とか航空
機などが、良質なTV電波や無線電波などを遮蔽、反射
して広い地域でゴースト障害を発生させていることが知
られている。
【0003】従来、このようなゴースト障害を防止する
ために、例えば、特開昭58−108603号公報や特
開昭58−108602号公報に開示されているように
、普通コンクリートやモルタルや軽量コンクリートとい
ったコンクリートに炭素繊維(カーボンファイバ)を含
有して形成した電波吸収体を用いることが知られている
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電波吸収体では、電波の吸収効率を向上させるには、炭
素繊維の含有率を多くするとか、電波吸収体を厚くする
といったことが必要であった。
【0005】誘電体の複素誘電率εは次式で表される。 ε=ε’−jε” 上式において、実数部ε’は通常の誘電率を、虚数部ε
”は損失率をそれぞれ示している。
【0006】そして、この実数部ε’を横軸にとるとと
もに、虚数部ε”を縦軸にとり、試料の厚さdと、その
試料に入射する電波の波長λ0 との関係値D(=d/
λ0 )における無反射条件の特性曲線を求めたときに
、図3のグラフに示す結果を得られることが知られてい
る。 図3中の数値はDの値である。
【0007】例えば、2chのテレビ電波(割当周波数
:96〜102MHz、映像搬送周波数97.25MH
z、音声搬送周波数101.75MHz)を厚みが10
cmの壁面で無反射で吸収する場合を考察すれば、長波
長となる映像搬送用の電波の波長λ0 は、 λ0 =(3×1010) ÷(97.25×106)
≒308.48cm となり、関係値Dは、 D=10÷308.48 ≒0.032 となり、この関係値Dを満たすときの実数部ε’および
虚数部ε”それぞれの値は、 ε’≒61 ε”≒10 となる。
【0008】また、試料の厚みを 5cmにした場合で
見てみれば、 D≒0.016 となり、実数部ε’をより大きな値にする必要があるこ
とがわかる。
【0009】ところが、従来の炭素繊維を含有した電波
吸収体では、このように大きな値の実数部ε’を得るこ
とが難しく、そのため電波の十分な吸収能力がないとい
う欠点があった。
【0010】本発明の電波吸収方法は、このような事情
に鑑みてなされたものであって、その厚みが薄く、しか
も、炭素繊維の含有率が少ない炭素繊維含有組成物を用
いても電波を十分吸収できるようにすることを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電波吸収方法は
、上述のような目的を達成するために、炭素繊維が特定
方向に配向して含有されている炭素繊維含有組成物をそ
の炭素繊維の長手方向を吸収しようとする電波の電界方
向に向けて配置することにより電波を吸収することを特
徴としている。
【0012】炭素繊維の長手方向を吸収しようとする電
波の電界方向に向けて配置するとは、炭素繊維の長手方
向を完全に電界方向に一致させて配置することは当然と
して、吸収しようとする電波を炭素繊維含有組成物の任
意の方向に照射したときの前記炭素繊維含有組成物の複
素誘電率の実数部をε’、虚数部をε”とし、それらの
最大値および最小値を、εmax ’,εmin’、ε
max ”,εmin ”としたときに、ε’≧εmi
n ’+ (εmax ’−εmin ’) ×0.5
および/または、 ε”≧εmin ”+ (εmax ”−εmin ”
) ×0.5になる範囲で配置することを含む。 配向度をA=εmax ’−εmin ’、B=εma
x”−εmin ”で定義した。
【0013】詳述すれば、図4の配向度の説明に供する
側面図に示すように、炭素繊維含有組成物の試験体を任
意の平面で切断し、その切断面において、中心Oを通っ
て直交する2本の軸をX−X’、Y−Y’とするとき、
X−X’を基準線として中心Oを通るカット線P−P’
との交角をθとし、その交角θを0°〜180°の範囲
で変化させた場合に最大となる複素誘電率の実数部ε’
および虚数部ε”それぞれをεmax ’,εmax 
”、最小となる複素誘電率の実数部ε’および虚数部ε
”それぞれをεmin ’,εmin ”として、(ε
max ’−εmin ’)を配向度A、(εmax 
”−εmin ”)を配向度Bとする(ε’およびε”
それぞれの測定は、カット線P−P’に平行に電界をか
けて測定する)。
【0014】炭素繊維が全くランダムに配向していると
きは、εmax ’=εmin ’、εmax ”=ε
min ”となるのでA=0、B=0となる。A、Bが
大きいほど配向している炭素繊維含有組成物である。A
<25、B<5 では配向度が小さく、炭素繊維の含有
率を高くして炭素繊維を多く混入するか、吸収体の厚さ
を大きくしなければならない。
【0015】炭素繊維としては、レーヨン系、ポリアク
リロニトリル(PAN)系、フェノール樹脂系、石炭ピ
ッチ系、石油ピッチ系など、各種の炭素繊維が使用でき
、そして、通常、繊維直径が 2〜30μm程度、平均
繊維長さが 0.1〜10mm程度、好ましくは、マト
リックスがモルタルまたはコンクリートのときは 0.
2〜 0.8mm、樹脂のときは0.2〜 5mm程度
のものを使用するのが好ましい。
【0016】ここに言う炭素繊維の長さは、炭素繊維含
有組成物を製造するときに入れる炭素繊維の長さでは無
く、炭素繊維含有組成物中に存在する状態での値である
。炭素繊維の長さは長い程好ましいが、炭素繊維含有組
成物を製造する場合、特にモルタルまたはコンクリート
製の炭素繊維含有組成物は、その製造時のミキシングに
より炭素繊維が切断されるため、および、作業性の面か
ら長さが10mmを越えるものを得ることは難しい。ま
た、 0.1mm未満では、炭素繊維の含有率を高くし
ても、複素誘電率εの実数部ε’および虚数部ε”とも
絶対値そのものが大きくならない(ε’≒10、ε”≒
 1〜 2程度にしかならない)。
【0017】電波吸収体を構成する母材としては、セメ
ントと細骨材と混和材と水とから成るモルタルとか、そ
のモルタルに粗骨材を混合したコンクリート等の水硬組
成物、石膏、エポキシ樹脂等の樹脂、セラミックス、ゴ
ムなどが適用できる。
【0018】炭素繊維の含有率は、水硬組成物(例えば
、モルタル)中の水硬成分(例えば、セメント)に対し
て 0.5〜10重量%であるのが好ましい。 0.5
重量%未満では、電波に対するマッチング条件が難しく
、一方、10重量%を越えると、炭素繊維のマトリック
ス中での均一分散が難しくなるからである。
【0019】また、樹脂に含有する場合において、その
樹脂に対する炭素繊維の含有率は 5〜25重量%であ
るのが好ましい。 5重量%未満では、電波に対するマ
ッチング条件が難しく、一方、25重量%を越えると、
炭素繊維のマトリックス中での均一分散が難しくなるか
らである。
【0020】
【作用】本発明の電波吸収方法の構成によれば、吸収し
ようとする電波が水平偏波または垂直偏波のいずれにも
適用できる。例えば、水平偏波の電波であれば、それに
よって発生する電界の方向が水平方向であるため、揃え
た炭素繊維の向きが電波の進行方向に対して交差する水
平方向になるように、建物外壁を電波吸収体そのもので
構成するとか、電波吸収体を各種の建造物などに取り付
ける。こうすることによって、電波の電界方向に対し、
誘電率が大きくなり、図3のDの値の小さいところでマ
ッチングがとれ、結果として、従来にない薄い電波吸収
体で電波を吸収することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0022】<第1実施例>普通ポルトランドセメント
と、細骨材としての硅砂6号と、混和材としてのメチル
セルロースと、水と、繊維径が13μmで平均繊維長さ
が 3mm、 6mm、 8mmの炭素繊維(S−23
1、S−232、S−233:いずれも株式会社ドナッ
ク製)とを表1に示す割合で配合し、モルタルを母材と
した電波吸収体の試験体を作成した。
【表1】
【0023】作成手順としては、先ず、普通ポルトラン
ドセメントとメチルセルロースと炭素繊維とを、容量5
リットルのオムニミキサーによって60秒間予備混練し
、その後に水を加えて 120秒間混練し、しかる後に
、硅砂6号を加えて60秒間混練し、炭素繊維入りのモ
ルタルを調整した。
【0024】こうして得られたモルタルを、40×40
×160の大きさの型枠内に、炭素繊維の長手方向が型
枠の長手方向を向くように手で揃えながら打設し、20
℃で80%の恒温恒湿雰囲気下で 1日間養生してから
脱型し、しかる後に、その硬化体を、20℃の恒温水槽
中で養生し、恒温水槽から取り出した後に、更に、20
℃で60%の恒温恒湿雰囲気下で 1日間養生した。
【0025】こうして得た硬化体1を、図1の斜視図に
示すように、横断切断線X1,X2,X3,X4,X5
、および、縦断切断線Y1,Y2で切断し、その内の型
枠の中央部側に位置する大きさが約40×40×10の
ものを取り出して、図2の(a)の斜視図に示すように
、炭素繊維の長手方向の向きが厚み方向を向くように揃
った縦タイプの測定用の試験体A1,A2と、図2の(
b)の斜視図に示すように、炭素繊維の長手方向の向き
が厚み方向に直交する方向を向くように揃った横タイプ
の測定用の試験体B1,B2とを得た。
【0026】これらの各測定用の試験体A1,A2,B
1,B2それぞれに対して、厚みが10mmになるよう
にA60の紙ヤスリで粗ケズリした後、A 200の紙
ヤスリで対向面が平行になるように仕上げる。
【0027】静電容量Cpと導電値Gとの測定に先立ち
、測定の前日に、乾燥機によって 100℃で 7時間
強制乾燥し、その強制乾燥後にデシケーターにより真空
冷却し、室温まで完全に冷却した後、吸湿しない様にロ
ット毎に乾燥剤(シリカゲル)を入れたチャック付のポ
リエチレン製袋内に収納した。
【0028】そして、各試験体A1,A2,B1,B2
それぞれを、図5の測定装置の概略構成図に示すように
、インピーダンスアナライザ(4191A:横河ヒュー
レットパッカード社製)2の電極用銅板3,3間に挟み
、厚み方向に電界をかけて静電容量Cpと導電値Gとを
測定し、その測定された静電容量Cpと導電値Gとに基
づいて、複素誘電率(比誘電率)の実数部の値ε’およ
び虚数部の値ε”それぞれを求めた。
【0029】すなわち、静電容量Cpと実数部の値ε’
との間には、次の関係式 Cp=ε0 ・ε’・S/d ε’=Cp・d/(ε0 ・S) が成り立つ。ここで、ε0 は真空中での誘電率で 8
.854×10−12 であり、そして、Sは試験体の
面積、dは試験体の厚みであり、静電容量Cpを求める
ことによって、実数部の値ε’を求めることができるの
である。
【0030】また、導電値Gと虚数部の値ε”との間に
は、次の関係式 G=σ・S/d σ=G・d/S ε”=σ/(ε0 ・ω) =σ/(ε0 ・2πf) =G・d/(S・ε0 ・2πf) が成り立つ。ここで、σは導電率、ε0 は真空中での
誘電率で 8.854×10−12 であり、そして、
Sは試験体の面積、dは試験体の厚みであり、また、f
は吸収しようとする既知の電波の周波数であり、導電値
Gを求めることによって、虚数部の値ε”を求めること
ができる。
【0031】このようにして、平均繊維長さが 3mm
でチョップ状の炭素繊維を、前述の表に示したように、
モルタルに対する含有率が1重量%、2重量%、3重量
%、4重量%、5重量%になるように含有したものと、
炭素繊維を含有するものと同様にして作成した炭素繊維
を含有しないものとによる縦タイプの試験体A1,A2
と横タイプの試験体B1,B2それぞれに付き、電波の
周波数を100MHzに固定して複素誘電率(比誘電率
)の実数部の値ε’および虚数部の値ε”それぞれを求
めたところ、表2および図6のグラフそれぞれに示す結
果を得た。ミキシング中に切断されるため、試料中での
炭素繊維の平均繊維長さは約 0.2〜 0.8mmに
なっている。炭素繊維の含有率(重量%)が高い程、炭
素繊維が切断されて短くなる。すなわち、炭素繊維の含
有率が高い程粘度が大きくなって剪断を受けやすくなる
ためと考えられる。
【表2】
【0032】また、平均繊維長さが 6mmでチョップ
状の炭素繊維についても同様にして複素誘電率(比誘電
率)の実数部の値ε’および虚数部の値ε”それぞれを
求めたところ、表3および図7のグラフそれぞれに示す
結果を得た。試料中の炭素繊維の平均繊維長さは約 0
.6〜 1.0mmである。
【表3】
【0033】平均繊維長さが 6mmでチョップ状の炭
素繊維を含有してモルタルを調整したときの残存繊維の
平均繊維長さ(mm)と炭素繊維の含有率(重量%)と
の関係を測定したところ、図8のグラフに示す結果を得
た。
【0034】ここでの炭素繊維の含有率はセメントに対
する重量比で示しており、骨材等を含めた場合には、そ
の含有率が約半分になる。
【0035】上記結果において、炭素繊維の含有率が高
くなる程残存繊維の平均繊維長さが短くなっているのは
、炭素繊維の含有率が高くなる程粘度が大きくなって剪
断力がかかり、炭素繊維が切断されるためである。
【0036】更に、平均繊維長さが 3mmの炭素繊維
(試料中では約0.9mm)を、モルタルに対する含有
率 2重量%にして含有し、それらを一軸スクリュータ
イプの真空押出成形機によって押出成形し、炭素繊維の
長手方向が厚み方向に向かって並ぶように揃った縦タイ
プの試験体と、炭素繊維の長手方向が厚み方向に直交す
る方向に向かって並ぶように揃った横タイプの試験体と
を作成し、それぞれに付いて電波の周波数と複素誘電率
(比誘電率)の実数部の値ε’および虚数部の値ε”そ
れぞれとの関係を求めたところ、図9および図10それ
ぞれのグラフに示す結果を得た。
【0037】上述の結果から次のことが明らかである。 ■  炭素繊維の長手方向が厚み方向に向かって並ぶよ
うに揃った縦タイプの試験体A1,A2の方が、炭素繊
維の長手方向が厚み方向に直交する方向に向かって並ぶ
ように揃った横タイプの試験体B1,B2に比べ、複素
誘電率(比誘電率)の実数部の値ε’を大きくできる。
【0038】■  図6および図7からわかるように、
炭素繊維の長さが3mmのものでは、含有率が 4重量
%で複素誘電率(比誘電率)の実数部の値ε’が大きく
なるが、炭素繊維の長さが 6mmのものでは、含有率
が 2重量%でも複素誘電率(比誘電率)の実数部の値
ε’が大きくなり、長い炭素繊維を含有するときには、
その含有率が少なくても、電波を良好に吸収できる。
【0039】■  真空押出成形機を利用することによ
り、手で揃える場合よりも、自ずと炭素繊維の向きを特
定方向(押出方向)に良好に揃えることができ、作業性
を向上できる。
【0040】以上の構成により、例えば、水平偏波を対
象とする場合であれば、図11の斜視図に示すように、
電波Wの入射方向に位置する側の建物外壁Tを、前述の
ようにして得られるモルタル、あるいは、それに粗骨材
を加えたコンクリートによって、炭素繊維の向き(CF
で示す)が壁面方向に沿った水平方向に向くように揃う
状態で構築し、ゴースト障害を防止できる。
【0041】詳述すれば、図12の作用説明図に示すよ
うに、電波Wの入射に伴って発生する電界Eにより炭素
繊維に電圧を誘起して電波Wを吸収する。このとき、電
波Wの入射方向が建物外壁Tに対して所定角度θ傾斜し
ていれば、その電界成分はEcosθとなるが、その分
の電波Wだけでも吸収することでゴースト障害防止効果
が有る。
【0042】垂直偏波を対象とする場合であれば、炭素
繊維の向きが壁面方向に沿った鉛直方向に向くように揃
う状態で建物外壁Tを構築すれば良い。
【0043】<第2実施例>繊維径が13μmで平均繊
維長さが0.70mmの炭素繊維(S−244:株式会
社ドナック製)を乾燥し、その乾燥した炭素繊維を、図
13の概略構成図に示すように、混合槽4内に溜められ
た主剤としての液状のエポキシ樹脂(エピコート827
:油化シェル株式会社製)に混合して攪拌する。
【0044】次いで、真空引きにより脱泡してから、炭
素繊維を混合したエポキシ樹脂液を冷却し、そこに、副
剤としての硬化剤(ハードナーH4510:ACR株式
会社製)を、主剤の50重量%分混合して攪拌し、直径
が40mmで高さが 300mmの円筒状型枠5を用い
て真空ポンプ6により吸引し、吸引完了後に円筒状型枠
5の下部開口をゴム栓7で塞ぎ、しかる後に取り出して
水槽内に24時間入れ、常温まで冷却してから脱型する
【0045】その後、乾燥機により、80℃で加熱乾燥
し、厚みが10mm、直径が40mmで、炭素繊維の長
手方向が特定方向を向いて揃うように切断し、炭素繊維
の長手方向が厚み方向を向くように揃った縦タイプの試
験体A3と、炭素繊維の長手方向が厚み方向に直交する
方向を向くように揃った横タイプの試験体B3とを得た
。ミキシングをしていないために、試料中の炭素繊維の
長さが混入前の値とほぼ同じであることを、試料を溶剤
で溶かして測定することにより確認した。
【0046】そして、主剤と副剤と炭素繊維の合計重量
に対する炭素繊維の含有率を 5重量%、10重量%お
よび15重量%それぞれにして、両試験体A3,B3そ
れぞれを、前述第1実施例と同様に、インピーダンスア
ナライザ(4191A:横河ヒューレットパッカード社
製)2を用い(図5参照)、電極用銅板3,3間に挟み
、静電容量Cpと導電値Gとを測定し、その測定された
静電容量Cpと導電値Gとに基づいて、複素誘電率(比
誘電率)の実数部の値ε’を求めたところ、図14のグ
ラフに示す結果を得た。
【0047】この結果、縦タイプの試験体A3において
、横タイプの試験体B3に比べ、実数部の値ε’を極め
て大きな値にできるとともに、その値が炭素繊維の含有
率に比例して増大できることが明らかであった。
【0048】<第3実施例>繊維径が13μmで平均繊
維長さが0.60mmの炭素繊維を乾燥し、その乾燥し
た炭素繊維を、前述第2実施例と同様にして、エポキシ
樹脂(エピコート827:油化シェル株式会社製)をマ
トリックスとする炭素繊維含有組成物を得、炭素繊維の
長手方向が特定方向を向いて揃うように切断し、図15
に示すように、炭素繊維の長手方向が厚み方向を向くよ
うに揃ったタイプの試験体C1と、炭素繊維の長手方向
が厚み方向に対して30°傾斜した方向を向くように揃
ったタイプの試験体C2と、炭素繊維の長手方向が厚み
方向に対して60°傾斜した方向を向くように揃ったタ
イプの試験体C3と、炭素繊維の長手方向が厚み方向に
直交する方向を向くように揃ったタイプの試験体C4と
を得た。ミキシングをしていないために、試料中の炭素
繊維の長さが混入前の値とほぼ同じであることを、試料
を溶剤で溶かして測定することにより確認した。
【0049】そして、主剤と副剤と炭素繊維の合計重量
に対する炭素繊維の含有率を10重量%にし、各試験体
C1,C2,C3,C4それぞれを用い、測定周波数9
2.75MHzとして、炭素繊維の長手方向に対する電
界方向(図15では、Eにベクトル表示記号を付して表
示している)の角度を、0°、±30°、±60°、±
90°となるようにして、前述第1実施例と同様に、イ
ンピーダンスアナライザ(4191A:横河ヒューレッ
トパッカード社製)2を用い(図5参照)、電極用銅板
3,3間に挟み、静電容量Cpと導電値Gとを測定し、
その測定された静電容量Cpと導電値Gとに基づいて、
複素誘電率の実数部の値ε’および虚数部の値ε”それ
ぞれを求めたところ、表4および図15のグラフに示す
結果を得た。
【表4】
【0050】この結果から、炭素繊維の長手方向を吸収
しようとする電波の電界方向に向けて配置する程、複素
誘電率の実数部の値ε’および虚数部の値ε”のいずれ
をも高くできることが明らかであった。
【0051】上述のようにして得られる、樹脂を母材と
した電波吸収体は、例えば、送電線の鉄塔、橋梁、新幹
線、高速道路、ゴルフ練習場などの各種の建造物とか航
空機の外面に、吸収しようとする電波によって発生する
電界の方向と同じ方向に炭素繊維の向きが揃う状態で貼
り付けて使用すれば良い。
【0052】上述第1および第2実施例のいずれにおい
ても、複素誘電率(比誘電率)の測定において、周波数
を100MHzに固定していながら、高い複素誘電率(
比誘電率)の実数部の値ε’を得ることができる。
【0053】そして、電波吸収体は、通常、特定の周波
数の電波を吸収するように設計する。この場合、設計に
用いた吸収させたい周波数の電波だけでなく、その周波
数に近い周波数の電波をも吸収できる。複素誘電率(比
誘電率)の実数部の値ε’と虚数部の値ε”とのマッチ
ングが良い場合は、より広範囲の周波数の電波を吸収す
ることができる。
【0054】例えば、2cHの電波を吸収するように設
計した場合について考えて見れば、周波数と反射係数と
の間に、図16に示すような関係があり、2cHの周波
数に近い1cHおよび3cHの電波に対しても、反射係
数が−14dB程度になり、それらの電波をも良好に吸
収できることが明らかである。また、4cHから12c
Hの電波の周波数は、200MHzの近辺に集中してお
り、200MHzの電波を吸収するように設計すること
により、4cHから12cHの電波を良好に吸収できる
ことになる。
【0055】上述第1および第2実施例のいずれにおい
ても、吸収しようとする電波の周波数に応じ、それらに
必要な複素誘電率(比誘電率)の実数部の値ε’を、使
用した炭素繊維の平均繊維長さとの関係において、炭素
繊維の含有率を極力小さくして得るように設計する方が
好ましい。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電波吸収方法によれば、吸収しようとする電波が水平
偏波または垂直偏波のいかんにかかわらず、電波吸収体
の取り付け姿勢を電波によって発生する電界の方向に対
応させ、揃えた炭素繊維の向きが電界の方向に合うよう
にするから、炭素繊維の含有率が少なくても、また、炭
素繊維の量そのものが少なくても、電波を炭素繊維に効
率良く吸収して減衰することができる。炭素繊維の含有
率が低く、厚みが薄くて軽量の電波吸収体を用いながら
吸収効率の高い状態で電波を吸収できた。このため、高
層ビルの外壁や、新幹線や高速道路の防音壁自体を電波
吸収体で構築するとか、あるいは、高層ビル、送電線、
鉄塔、橋梁、新幹線、高速道路、ゴルフ練習場などの各
種の建造物や航空機の外面に電波吸収体を貼るなどによ
って、ゴースト障害を、取り扱い性良好に、かつ、安価
にして防止できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収方法に用いる電波吸収体の試
験体を得るための硬化体の斜視図である。
【図2】試験体の斜視図を示し、図2の(a)は、縦タ
イプの試験体の斜視図、図2の(b)は、横タイプの試
験体の斜視図である。
【図3】無反射条件の特性曲線を示すグラフである。
【図4】配向度の説明に供する側面図である。
【図5】測定装置の概略構成図である。
【図6】炭素繊維の含有率と比誘電率との関係を示すグ
ラフである。
【図7】炭素繊維の含有率と比誘電率との関係を示すグ
ラフである。
【図8】平均繊維長さが 6mmでチョップ状の炭素繊
維を含有して調整したときの残存繊維の平均繊維長さと
炭素繊維の含有率との関係を示すグラフである。
【図9】周波数と比誘電率の実数部との関係を示すグラ
フである。
【図10】周波数と比誘電率の虚数部との関係を示すグ
ラフである。
【図11】建物への使用状態を示す概略斜視図である。
【図12】電界発生状態の説明図である。
【図13】樹脂を母材とした電波吸収体の作成装置の概
略構成図である。
【図14】炭素繊維の含有率と比誘電率との関係を示す
グラフである。
【図15】炭素繊維の方向と電界方向の角度に対する比
誘電率との関係を示すグラフである。
【図16】周波数と反射係数との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
CF…炭素繊維 W…電波

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  炭素繊維が特定方向に配向して含有さ
    れている炭素繊維含有組成物をその炭素繊維の長手方向
    を吸収しようとする電波の電界方向に向けて配置するこ
    とにより電波を吸収することを特徴とする電波吸収方法
  2. 【請求項2】  吸収しようとする電波を炭素繊維含有
    組成物の任意の方向に照射したときの前記炭素繊維含有
    組成物の複素誘電率の実数部をε’、虚数部をε”とし
    、それらの最大値および最小値を、εmax ’,εm
    in ’、εmax ”,εmin ”とし、炭素繊維
    の配向度Aをεmax ’−εmin ’、配向度Bを
    εmax ”−εmin ”で定義する場合に、炭素繊
    維の配向度Aが25以上、および/または、配向度Bが
    5以上である炭素繊維含有組成物を用いる請求項1に記
    載の電波吸収方法。
  3. 【請求項3】  炭素繊維含有組成物のマトリックスが
    モルタルまたはコンクリート製の外壁であって、炭素繊
    維の含有率が 0.5〜10重量%である請求項1また
    は2に記載の電波吸収方法。
  4. 【請求項4】  炭素繊維含有組成物のマトリックスが
    樹脂であり、炭素繊維の含有率が 5〜25重量%であ
    る請求項1または2に記載の電波吸収方法。
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