JPH04310573A - Al−O−N系コンポジット材料ならびにその合成方法 - Google Patents

Al−O−N系コンポジット材料ならびにその合成方法

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JPH04310573A
JPH04310573A JP3098150A JP9815091A JPH04310573A JP H04310573 A JPH04310573 A JP H04310573A JP 3098150 A JP3098150 A JP 3098150A JP 9815091 A JP9815091 A JP 9815091A JP H04310573 A JPH04310573 A JP H04310573A
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義博 染野
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平井 敏雄
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れまた硬度
の高い新規なセラミック材料であるAl−O−N系コン
ポジット材料ならびにプラズマCVD法により低温にて
このセラミック材料を合成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミック材料のうち電気抵抗の高い安
定した絶縁材料などとして注目されているものに窒化ア
ルミニウム(AlN)がある。また、光学的特性が良好
で光導波路などとして使用が考えられる材料としてはア
ルミナ(Al2O3)がある。しかしながら、上記窒化
アルミニウムあるいはアルミナは耐熱性ならびに硬度の
点でやや劣る問題がある。また耐熱性に優れ、硬度の高
いセラミック材料として(AlxNyOz)の組成を有
するアルミニウムオキシナイトライドがある。しかしな
がら、アルミニウムオキシナイトライドの合成について
はこれまでその実績がほとんどなく、例外的にいくつか
の文献でその研究報告がなされているのみである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のような背景から
本発明の発明者は、プラズマCVD(Chemical
 Vapor Deposition )法を用いて低
温にてサイアロンを含む材料、詳しくはアルミニウムオ
キシナイトライドを含むAl−O−N系コンポジットの
セラミック材料の合成についての研究を行った。ここで
、その合成に使用するソース気体としてどのようなもの
を使用すべきかが問題となる。まず、アルミニウム(A
l)の供給であるが、アルミニウム原子を含む気体とし
てCVD法に使用できるものとしては、塩化アルミニウ
ム(AlCl3 )やトリメチルアルミニウム(Al(
CH3 )2 )が考えられる。 しかしながら、塩化アルミニウムは昇華性の物質であり
安定供給が難しく、また膜中に塩素(Cl)が不純物と
して混入しやすい欠点がある。一方、トリメチルアルミ
ニウムは融点が低く低温にて分解しやすいが、空気と爆
発的に反応する性質を有しているため、取扱いや供給経
路の面で不適である。また、炭素原子の膜中への混入が
問題になる。本発明は以上のような課題を解決するため
に研究した成果により成しとげられたものであり、耐熱
性に優れ且つ硬度の高い新規な材料としてポリタイポイ
ドサイアロンを含むポリ−Al−O−N材料を提供し、
また比較的低温で上記材料を合成する方法を提供するこ
とを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によるAl−O−
N系コンポジット材料は、窒化アルミニウム(AlN)
と酸化アルミニウム(AlxOy)とアルミニウムオキ
シナイトライド(AlxNyOz)とが混成状態(co
mposite)にて存在することを特徴とするもので
ある。また本発明による合成方法は、アルミニウムのハ
ロゲン化物と、窒素原子を含む気体と、酸素原子を含む
気体とを混合し、これらの混合気体をマイクロ波により
放電させてプラズマ化し、基板表面に膜を析出させ、こ
のとき前記窒素原子を含む気体の供給流量と前記酸素原
子を含む気体の供給流量を変化させ、無配向結晶性窒化
アルミニウムが合成できる条件と非晶状態の酸窒化アル
ミニウムが合成できる条件のほぼ境界の条件となるよう
に前記各気体の供給流量を設定するものである。さらに
、上記合成方法において、アルミニウムのハロゲン化物
として臭化アルミニウムを用い、酸素原子を含む気体と
して笑気ガスを用いたものである。
【0005】
【作用】本発明では、混合気体を放電させプラズマ化す
るためにマイクロ波(例えば周波数が2.45GHz)
を使用し、これにより500℃以下程度の低温にて窒化
アルミニウム(AlN)と酸化アルミニウム(AlxO
y)とアルミニウムオキシナイトライド(AlxNyO
z)とが混成状態(composite)のセラミック
材料の析出に成功した。プラズマCVDによりこのよう
な材料の析出に成功した経過としては、プラズマ中にお
ける励起が、物質の比誘電率と誘電体損失角に関係する
ことに着目したことによる。例えば、ソースとして臭化
アルミニウム(AlBr3)が使用され、これと窒素ガ
ス(N2 )ならびに笑気ガス(N2O)が混合されて
、この気体がマイクロ波によって放電されてプラズマ化
されると、AlとBr 、NとH、AlとN、AlとO
、AlとBr とHなどの組合わせの分子状ラジカルが
存在するようになる。さらにマイクロ波によって励起さ
れると、比誘電率ならびに誘電体損失角とがマイクロ波
の影響を受け、上記組合わせの分子状ラジカルが共振状
態となり、各々の元素ごとに分かれた原子状ラジカルと
なる。そしてこれが基板表面にて反応し窒化アルミニウ
ム(AlN)と酸化アルミニウム(AlxOy)とアル
ミニウムオキシナイトライド(AlxNyOz)とが混
成状態(composite)のセラミック材料が析出
できる条件が形成される。
【0006】さらに詳しくは、上記のソースを使用した
プラズマCVDによる方法において、笑気ガスならびに
窒素ガスの供給流量を互いに選択することにより、前記
セラミック材料の析出に成功した。すなわち前記方法に
より析出を行わせると、笑気ガスならびに窒素ガスの供
給流量を変化させて、反応室内のアルミニウムと酸素と
窒素の比率を変えることにより、図2において(A)で
示すようにc軸配向結晶の窒化アルミニウム、(B)に
示すように無配向結晶性の窒化アルミニウム、(C)で
示すように非晶状態のアルミニウムオキシナイトライド
が合成できる範囲となるが、この(B)で示す領域と(
C)で示す領域の境界部分となるガスの供給流量を選択
することにより、窒化アルミニウム(AlN)と酸化ア
ルミニウム(AlxOy)とアルミニウムオキシナイト
ライドとが混成状態(composite)のセラミッ
ク材料を析出することに成功した。
【0007】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。図1は本発
明によるセラミック材料の合成に使用したCVD装置の
構造を示す断面図である。図1において、符号1は石英
管などによって形成された反応管であり、その内部が反
応室Aとなっている。符号2はマイクロ波プラズマ発生
装置である。2aはマイクロ波発振器であり、この実施
例では、サイクロトロンにより2.45GHzのマイク
ロ波が発振される。2bは導波管、2cは整合器、2d
は反射板である。シリコン(Si )基板3は、反応室
A内にて支持部材4上に設置される。支持部材4は、そ
の上端にホルダ4aが設けられ、このホルダ4aに前記
基板3が設置される。ホルダ4aは、窒化シリコン(S
i3N4 )によって形成されている。ホルダ4aの支
持部4bは石英管ならびに金属管により構成されており
、その内部に赤外線放射温度計の検出ヘッドが収納され
ている。この検出ヘッドは光ファイバ5を介して検出回
路部(図示せず)に接続されている。上記検出ヘッドか
ら発せられる赤外線は石英管内を通過し、ホルダ4a内
にて基板3に照射される。よって反応室A内のプラズマ
の影響を受けることなく、基板3の温度測定が正確に行
われるようになる。
【0008】反応室Aの上端にはガス供給ノズル6が配
置されている。このガス供給ノズル6は多重管であり、
この実施例の場合には三重管となっている。ソース供給
部には、恒温室11が設けられている。この恒温室11
内はサーモスタットにより常に一定の温度に保たれる。 恒温室11の内部にはバブラ12が配置されている。こ
のバブラ12内にアルミニウム原子を含む反応性ガス源
として臭化アルミニウム(AlBr3)が充填されてい
る。また13は導入ガスとして使用される水素ガス(H
2 )のボンベである。また符号14は窒素原子を供給
するための窒素ガス(N2 )のボンベである。符号1
5は酸素原子を供給するための笑気ガス(N2O)のボ
ンベである。符号16はアルゴンガス(Ar )を供給
するためのボンベである。符号17a〜17dはそれぞ
れ流量調節器で、18a〜18dはバルブである。
【0009】前記ガス供給ノズル6は三重管であるが、
笑気ガス(N2 O)は中心の管6aから反応室A内に
供給される。また窒素ガス(N2 )は中間の管6bか
ら、臭化アルミニウム(AlBr3)はさらに外側の管
6cからそれぞれ反応室Aへ供給される。このように各
ガスを三重管を用いて別々の経路にて反応室Aへ供給す
ることにより、管内にて各ガスが混合されるのを防止し
またプラズマにより管内壁に合成物が析出されるのが防
止される。
【0010】前記アルゴンガス(Ar )は前記ガス供
給ノズル6とは別の経路にて反応室Aの上方(図では左
上方)から供給される。これはアルゴンガスを反応室A
内のプラズマ発生領域の外側から供給するためである。 プラズマ中にその外部からアルゴンガスを供給すること
により、プラズマ中における中性粒子、イオン、電子な
どへの解離が促進されるようになる。しかも同軸線路型
マイクロ波プラズマCVDの場合、プラズマが電界の影
響を受けやすく、反応室の管壁部分で電界が強く、反応
させる基板が設置されている中心部では弱くなってプラ
ズマの領域が不均一となるが、アルゴンガスをプラズマ
域外から供給することにより、プラズマ域が拡大するよ
うになる。またアルゴンガスなどのような単原子分子の
場合には、プラズマ中にて分解されると再結合しにくく
、また再結合する場合であっても周囲のエネルギーを奪
うことがなく、安定して分解を継続する。よって、これ
が一種の着火源になってプラズマ域が拡大されるものと
予測される。これは従来のプラズマCVDにおいて真空
度を高くしたのと同じ状態であり、しかも真空圧を単純
に上げた場合のようなデメリット、例えばエレクトロン
の密度が上がり成膜速度が低下するような不都合が生じ
るのを避けることができるようになる。このようなプラ
ズマ域の拡大とラジカル解離率の向上により、安定した
合成ができ、また成膜速度も速まることになる。ただし
、アルゴンガスをプラズマ域外から供給することが必要
であり、仮にアルゴンガスなどをノズルからプラズマ中
にて基板に直接吹きかけたりすると、逆にスパッタ状態
となり成膜速度が低下することになる。
【0011】また符号21は反応室A内を真空圧にする
ための排気管であり、メカニカルブースタポンプ及びロ
ータリポンプが接続されている。なお、実施例の装置で
は、基板3の表面位置をマイクロ波の通路中心よりl1
だけ高くし、ガス供給ノズル6の下端位置を基板表面よ
りもl2だけ高くして、l1 とl2 を共に40mm
に設定している。これは反応室A内ではプラズマ発生領
域の中心から外れた上部または下部が最も合成が促進さ
れやすく、しかもプラズマの下部に基板を設置した場合
には、ガス供給ノズル6の噴出口がプラズマ領域中とな
り、管内で反応が生じ、管内面に合成物が析出してしま
うからである。
【0012】(合成例)以下は、上記CVD装置を使用
して合成を行ったときの条件を記載したものである。
【0013】
【表1】
【0014】上記において基板Si の(100)また
は(111)はミラー指数であり、(ABC)とした場
合、A軸とB軸は水平な直交座標、C軸はA軸とB軸に
垂直な座標であり、カッコ内の各数字は各軸の座標を示
し、この座標によって示される結晶面を有していること
が表わされている。
【0015】なおこの合成例における各ガスの供給流量
などの条件は以下の表2の通りである。
【0016】
【表2】Arの供給流量  …  175sccmAl
Br3/H2 の流量  …  40sccmAlBr
3バブラー温度  …  180 ℃N2 の流量  
…  図2に示す範囲にて変化させる。 N2 Oの流量  …  図2に示す範囲にて変化させ
る。
【0017】本発明によるAl−O−N系コンポジット
材料を析出させる前に、まずN2ガスの供給流量を50
sccmに固定し、N2 Oガスの供給流量を10sc
cmに固定した場合に合成された材料について説明する
。この合成例については本発明の先発明として特願平2
−2929号として出願している。図4と図5はN2と
N2 Oの供給流量を上記の固定値に設定した条件の基
で基板3の表面に合成された膜をオージェ電子分光分析
法により分析した結果を示している。横軸はオージェ効
果による放出電子の強度(eV)を示している。この図
に示す通り、基板表面に、AlとOとNとから成る膜が
析出されていることが解る。なお(Ar)のスペクトル
は分析中の不純物と考えられ、析出された物質の純度が
高いものであることを示している。また図5は、横軸を
合成時間(分)とし、各合成時間において析出した物質
を上記オージェ電子分光分析法により分析し、その各原
子の検出スペクトル強度を測定したものである。この図
から、析出した物質の組成は膜の厚さ方向に対して均一
であることがわかる。これはAlx Oy Nz の組
成の物質すなわちアルミニウムオキシナイトライドが析
出されていることを示している。
【0018】さらに図2は、前記合成方法において、笑
気ガスの供給流量と窒素ガスの供給流量を変化させた場
合を示している。同図において、横軸は笑気ガスの流量
(sccm)を示し、縦軸は窒素ガスの供給流量(sc
cm)を示している。なお他の条件は前記表1と表2に
示したとおりである。笑気ガスの供給流量と窒素ガスの
供給流量との相関関係により、合成される物質はほぼ3
種類の状態に分けられることがわかった。中央のハッチ
ングで示す領域(B)を境としてその右側の領域(C)
では、前記図4と図5に示す合成結果のように、非晶状
態の酸窒化アルミニウム(Alx Oy Nz )が合
成される。またハッチングで示す領域(B)を境として
それよりも左側の領域(A)では、c軸配向の結晶状態
の窒化アルミニウム(AlN)が合成されることがわか
った。前記のハッチングの領域(B)は左右の各領域の
中間の領域であり、主に無配向状態の結晶性窒化アルミ
ニウムが合成されることがわかった。ここで、窒素ガス
の供給流量と笑気ガスの供給流量を、図2に示す(B)
の領域と(C)の領域のほぼ境界上に設定して合成を行
った結果、本発明によるAl−O−N系コンポジットの
セラミック材料の合成が確認できた。
【0019】図3は、図2に示すように窒素ガスと笑気
ガスの供給流量を変化させた場合の合成条件において、
反応室A内の混合ガスの成分比を示している。この図に
おいて、AlとNとを結ぶ横軸は、Al原子とN原子と
の混合比率を示しており、横軸の例えば「1」はAl原
子とN原子が1:9の比率であることを示している。ま
たAlとOを結ぶ斜めの軸はAl原子とO原子との混合
比率を示しており、この斜めの軸の例えば「1」はAl
原子とO原子とが1:9の比率であることを示している
。図3において(+)の印で示した混合比率により合成
された膜は、C軸配向の結晶状態の窒化アルミニウムで
あり、図2における(A)の領域において合成されたも
のである。図3において黒丸で示している混合比率によ
り合成された膜は、無配向結晶性の窒化アルミニウムで
あり、図2において(B)の領域において合成されたも
のである。また図3において白丸で示す混合比率により
合成された膜は、非晶状態の酸窒化アルミニウムであり
、図2において(C)で示す領域において合成されたも
のである。そして図3において三角で示している混合比
率により合成されたもの、すなわち図2において(B)
の領域と(C)の領域のほぼ境界上の条件により合成さ
れたものが本発明のAl−O−N系コンポジット材料で
ある。
【0020】さらに詳しく調べると、図2における(B
)の領域の条件により合成された膜は、窒化アルミニウ
ム(AlN)とアルミナ(Al2O3)との混成状態(
composite)であり、図2における(C)の領
域の条件により合成された主にアルミナであり、これに
窒素原子が分散しているものであることがわかった。図
6は、図3において三角で示した混合比率により合成さ
れた膜がどのようなものであるか調べた結果を示してい
る。
【0021】図6(a)はTEM(透過型電子顕微鏡)
により、析出した膜の粒子構造を撮影した写真である。 これは図3において三角で示す条件で合成された膜をN
aClの単結晶の上にほぼ50nm程度の厚さに付け、
これを純水の中に落とし、純水の液面に前記膜を浮かせ
、これを細かいメッシュによりすくい上げ、これを乾燥
させた後、TEMの試料台に乗せ、10万倍に拡大して
撮影したものである。この写真において黒く見え、また
灰色で見えるところでは、それぞれ組成が相違している
。この組成を調べるために電子線回折を行った。その結
果を図6(b)(d)の写真として示している。
【0022】この電子線の回折する角度は、ほぼ原子の
並びかたによって相違する。これにより格子間の間隔d
がわかる。図7の最左欄(a)のdobsは図6(b)
に示した電子線回折の写真から測定された格子間距離を
示している。また図7(b)のdは、ASTMカード(
35−830)に示されたアルミニウムオキナイトライ
ドの27R相の格子間距離を示し、また図7(c)のd
は、同じくASTMカード(32−22)に示された2
0H相の格子間距離を示している。この図から、dob
sと27R相の格子間距離が一致していることがわかる
。 このことから、合成された膜はアルミニウムオキシナイ
トライドの27R相(Al9 N7 O3)が含まれて
いることがわかる。さらに析出された膜の組成データの
解析では、合成された膜から、AlNのリングパターン
(図6(b))及びθ−Al2O3のリングパターン(
図6(d))が観察された。以上のことから図2の(B
)の領域において合成された膜はAlNとAl2O3の
微結晶でマトリックスとしてAl9N7O3の微結晶を
含むAl−O−N系コンポジット膜であることが確認さ
れた。さらに図6(c)は図6(b)における回折スポ
ットに対応する暗視野写真であるが、これによると前記
のAl9N7O3微結晶の粒子径はほぼ100nmであ
ることがわかる。
【0023】次に上記の条件により析出されたAl−O
−N系コンポジットすなわちAlNとAl2O3とAl
9N7O3が混成状態となった材料の硬度と耐熱性を調
べた結果を以下に説明する。図8は表1ならびに表2の
条件において、窒素ガスの供給流量を50sccmに固
定し笑気ガスの供給流量を変化させた結果合成された物
質の硬度を示している。図8の横軸は笑気ガスの供給流
量(sccm)を示し、縦軸はビッカースマイクロハー
ドネス(kgf/mm2)を示している。笑気ガスの供
給流量を変化させていることにより、これは図2におい
て横方向に延びる点線の線上に沿ったそれぞれの条件に
より膜を析出し、各条件において析出された膜の硬度を
調べたことになる。図8において笑気ガスの供給流量を
2.0sccmとすると、図2において(B)の領域と
(C)の領域のぼほぼ境界線上の条件で膜を合成できた
こと、すなわち本発明によるAl−O−N系コンポジッ
ト材料を合成できたことになる。このときの硬度は図8
において1740から1930の範囲の値を示し、図2
において(B)で示す領域において合成された膜ならび
に(B)または(C)の領域において合成された膜に比
較して硬度が非常に高くなっていることがわかる。
【0024】図9から図12までは、合成された材料を
700℃、800℃、900℃、1100℃に加熱した
ときの膜の表面の金属組織を操作型電子顕微鏡により撮
影した写真を示している。図9から図12の各図におい
て、(a)は図2において(A)の領域に示す条件によ
り合成された膜、(c)は図2において(C)の条件に
より合成された膜を示し、また(b)は本発明によるA
l−O−N系コンポジット材料すなわち窒素ガスの流量
を50sccmとし笑気ガスの供給流量を2.0scc
mにして合成された膜を示している。この各図から、本
発明の材料は高温に至るまで表面組織が比較的安定し、
他の材料では加熱によりクラックなどの変質が生じてい
ることがわかる。
【0025】図2に示すように(c)では加熱するにし
たがって、六方晶のAl2O3が酸化されて立方晶のα
−アルミナに変態し、膜内部に圧縮応力が加わり、よっ
てクラックが生じるものと思われる。また(b)に示す
本発明の材料は、耐熱性のあるアルミニウムオキシナイ
トライドの状態が加熱しても存在し続けるため、高温に
なってもクラックなどの変質が生じ難くなるものと考え
られる。なお、前記表1では、基板の温度が430℃で
あるが、基板の温度はこれ以外であっても合成が可能で
あり、実験において測定できた温度範囲は430℃〜5
20℃であった。さらに上記実施例では、マイクロ波の
周波数が2.45GHzであるが、本発明の方法はこの
周波数に限られるものではない。またアルミニウム源は
必ずしも臭化アルミニウムに限られるものではなく、A
lCl3 などを使用することは可能である。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、硬度が高
く耐熱性に優れた新規なAl−O−N系コンポジット材
料を得ることができる。またプラズマCVD法により、
比較的低温にて上記材料を合成することができる。また
、アルミニウム源として臭化アルミニウムを使用するこ
とにより、従来の塩化アルミニウムやトリメチルアルミ
ニウムを使用した場合のような不純物の混入がなくなり
、またトリメチルアルミニウムのような爆発的な反応性
がないため取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による合成方法に使用するCVD装置の
構造を示す断面図、
【図2】笑気ガスと窒素ガスの流量を変化させた場合に
合成される物質の状態を示す説明図、
【図3】反応室内の混合ガスの成分比とこれにより析出
される物質との関係を示す線図、
【図4】図2における(C)の領域の条件により合成さ
れた物質の成分を示す線図、
【図5】図2における(C)の領域の条件により合成さ
れた物質の成分を示す線図、
【図6】(a)は本発明による材料の膜の粒子構造を示
すTEM写真、(b)(d)はその組織を示す電子線回
折写真、(c)は同図(b)における回折スポットに対
応する暗視野写真、
【図7】図6(b)による電子線回折写真にもとづく組
成の格子間距離を説明する説明図、
【図8】各種条件により合成された物質とその硬度との
関係を示す線図、
【図9】(a)(b)(c)はそれぞれの条件により合
成された物質の耐熱性を示す金属組織の電子顕微鏡写真
【図10】(a)(b)(c)はそれぞれの条件により
合成された物質の耐熱性を示す金属組織の電子顕微鏡写
真、
【図11】(a)(b)(c)はそれぞれの条件により
合成された物質の耐熱性を示す金属組織の電子顕微鏡写
真、
【図12】(a)(b)(c)はそれぞれの条件により
合成された物質の耐熱性を示す金属組織の電子顕微鏡写
真。
【符号の説明】
1  反応管、 A  反応室、 3  基板、 6  ガス供給ノズル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  窒化アルミニウム(AlN)と酸化ア
    ルミニウム(AlxOy)とアルミニウムオキシナイト
    ライド(AlxNyOz)とが混成状態にて存在するこ
    とを特徴とするAl−O−N系コンポジット材料。
  2. 【請求項2】  アルミニウムのハロゲン化物と、窒素
    原子を含む気体と、酸素原子を含む気体とを混合し、こ
    れらの混合気体をマイクロ波により放電させてプラズマ
    化し、基板表面に膜を析出させ、このとき前記窒素原子
    を含む気体の供給流量と前記酸素原子を含む気体の供給
    流量を変化させ、無配向結晶性窒化アルミニウムが合成
    できる条件と非晶状態の酸窒化アルミニウムが合成でき
    る条件のほぼ境界の条件となるように前記各気体の供給
    流量を設定して請求項1記載のAl−O−N系コンポジ
    ット材料を合成する方法。
  3. 【請求項3】  アルミニウムのハロゲン化物は臭化ア
    ルミニウムであり、酸素原子を含む気体が笑気ガスであ
    る請求項2記載のAl−O−N系コンポジット材料を合
    成する方法。
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