JPH043169B2 - - Google Patents
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- JPH043169B2 JPH043169B2 JP61159227A JP15922786A JPH043169B2 JP H043169 B2 JPH043169 B2 JP H043169B2 JP 61159227 A JP61159227 A JP 61159227A JP 15922786 A JP15922786 A JP 15922786A JP H043169 B2 JPH043169 B2 JP H043169B2
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
この発明は、シイタケ、ヒラタケ等の茸の栽培
に用いられる種菌接種茸培養基の製法に関するも
のである。 〔従来の技術〕 シイタケ、ヒラタケ等の茸は、比較的裁培が容
易であるため、農家等で大規模裁培が行われるよ
うになつている。このような茸の人工栽培は、こ
れまでは原木を用い、これに種菌を接種し発茸さ
せることが主流であつたが、最近では原木の枯渇
に伴い、鋸屑等を主体とする培養基を用い、これ
に種菌を接種し発茸させる方法に変わつてきてい
る。これは、通常、つぎのような方法で行われ
る。すなわち、まず鋸屑を主体とする培養基材料
を用意し、これを容器に詰め加熱等を施し滅菌し
たのち、得られた培養基に種菌を植菌して茸の人
工培養基化する。そして、これを培養して菌糸を
蔓延させ、ついで発茸させることによりシイタ
ケ、ヒラタケ等の茸を生産することが行われてい
る。上記人工栽培において、用いられる種菌とし
ては、固形種菌と液状種菌の2種類がある。上記
固形種菌は、米ぬかや鋸屑等を主成分とする固形
培養基に種菌を接種して菌糸を蔓延させたのち粉
砕して得られるもので、固体である。一方、液状
種菌は、じやがいも培養液等の液状培養基に種菌
を接種して得られるもので、液体である。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記固形種菌を用いるにせよ液
状種菌を用いるにせよ、ともに以下に述べるよう
な難点を有しているため、茸の人工栽培を大規模
化することは困難である。すなわち、固形種菌を
用いる茸の人工栽培にあつては、固形種菌の形成
操作およびその植菌操作を少量単位で行わざるを
得ず、繰り返し使用をする器材をそのつど滅菌し
なければならないという煩雑さを有していること
が第1の難点である。しかも、この場合、培養期
間が長く、かつ一定しないことが第2の難点であ
る。一方、液状種菌を用いる茸の人工栽培にあつ
ては、液状種菌を培地表面に散布することにより
植菌を行うため、散布に際して局所的に水分過多
になることが多く、それによつて菌糸の伸長が抑
制されやすい。また、培地表面から水分が揮散し
やすいため経時的に種菌環境が水分不足となつて
害菌繁殖の原因となるという難点を有する。この
ため、液状種菌は殆ど用いられていないのが実情
である。 他方、茸類菌糸をセルロース誘導体、ポリビニ
ルアルコール、アルギン酸プロピレングリコール
から選ばれる水溶性合成高分子物質の粘結剤の水
溶液と混合して、全体をペースト状にした種菌が
提案されている(特公昭47−51059号)。このペー
スト状種菌は、上記原木に接種することを目的と
して調製されており、原木に小孔を穿設してこの
中にペースト状種菌を塗工することによつて種菌
を接種するようになつている。この場合、上記種
菌は、ペースト状であつて粘着性を有するため、
流れ落ちずに接種作業性が良好であり、また、接
種部位表面に上記種菌のペーストにもとづく合成
高分子物質の皮膜が形成され、それによつて種菌
が保護され活着力が大きくなるという効果が得ら
れる。しかしながら、これを、鋸屑を主体とする
培養基材を用いたしいたけ培養基に応用する場合
には、培養基内部に対する注入性ならびに接種効
率、さらに取り扱い性等の点で難点がある。 この発明は、このような事情に鑑みなされたも
ので、種菌の接種が内部までなされていて、接種
効率が高く、しかも製造の自動化も可能な種菌接
種茸培養基を製造する方法の提供をその目的とす
る。 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、この発明の種菌接
種茸培養基の製法は、粒状ないし粉末状培地材料
を用いて固形状の茸培養基をつくり、これを滅菌
したのち、この滅菌済茸培養基に細径ノズルを挿
入し、この細径ノズルを通して種菌を接種する方
方法であつて、上記種菌として、茸類菌糸を、寒
天、カラギーナン、化工澱粉、キサンタンガムか
ら選ばれた水溶性高分子物粘結剤水溶液と混合し
てなる粘度2000〜30000cpsのペースト状種菌を用
い、上記細径ノズルの先端を、茸培養基の厚みを
Lとすると、1/2L〜Lの深さに直接差し込み、
ついでペースト状種菌を加圧注入しながら徐々に
引き上げ、ペースト状種菌を上下に延びる線状に
接種するという構成をとる。 〔作用〕 本発明者らは、上記ペースト状種菌が、固形種
菌や液状種菌に比べて取り扱い易く、そのため、
茸培養基の量産化に可能であることに着目し、上
記ペースト状種菌の有する上記問題点を解決する
ため一連の研究を重ねた。その結果、原木ではな
く、鋸屑等の粒状ないし粉末状培地材料からなる
茸培養基に対しては、細径ノズルを利用し接種す
ることが好適であると着想し、これを中心にさら
に一連の研究を重ねた。その結果、粘結剤成分と
して、寒天、カラギーナン、化工澱粉、キサンタ
ンガム等を用いこれを水溶液にし、この水溶液に
茸類菌糸を混合し全体の粘度を2000〜30000cpsに
調節すると、上記細径ノズルを通じて茸培養基に
円滑に注入することができることを見いだした。
そして、さらに、上記細径ノズルを、培養基の厚
みをLとすると、1/2L〜Lの深さに差し込み、
ペースト状種菌を加圧注入しながら、上記細径ノ
ズルを徐々に引き上げて、ペースト状種菌を上下
に延びる線状に接種すると、この線状に接種され
た種菌が線状接種部分を中心に外周方向に成長
し、培養基の内部深部まで均一な接種領域が形成
されるようになる。その結果、茸の人工栽培にお
ける培養期間の短縮および一定化を実現できるよ
うになることを見いだしこの発明に到達した。 つぎに、この発明を詳しく説明する。 この発明に用いるペースト種菌は、例えばつぎ
のようにして得ることができる。すなわち、従来
と同様の方法で得られる固形種菌あるいは液状種
菌に、予め殺菌した水溶性高分子物質粘結剤(以
下「粘結剤」と略す)を添加混合することにより
得ることができる。上記粘結剤の混合方法は、通
常、粘結剤をそのまま添加混合するのではなく、
蒸溜水に粘結剤を溶かして粘結剤調整液としてか
ら添加混合することが行われる。上記粘結剤とし
ては、耐加熱滅菌性、耐茸酵素性を有し、しかも
茸菌糸伸長を抑制しないものが好適に用いられ
る。このような粘結剤として、寒天、カラギーナ
ン、化工澱粉およびキサンタンガムが用いられ単
独でもしくは併せて用いられる。このような、粘
結剤は、鋸屑等の粒状ないし粉末状培地材料から
なる茸培養基に対して、親和性がよいことからペ
ースト状種菌の注入に際して、ペースト状種菌が
茸培養基の内部に良好に成長し種菌接種領域を形
成する。 なお、上記の各粘結剤のペースト状種菌に対す
る適応性を調べるため、下記の第1表に示す各項
目について評価を行つた。この場合、各粘結剤は
第1表に示す濃度の蒸留水水溶液とした。
に用いられる種菌接種茸培養基の製法に関するも
のである。 〔従来の技術〕 シイタケ、ヒラタケ等の茸は、比較的裁培が容
易であるため、農家等で大規模裁培が行われるよ
うになつている。このような茸の人工栽培は、こ
れまでは原木を用い、これに種菌を接種し発茸さ
せることが主流であつたが、最近では原木の枯渇
に伴い、鋸屑等を主体とする培養基を用い、これ
に種菌を接種し発茸させる方法に変わつてきてい
る。これは、通常、つぎのような方法で行われ
る。すなわち、まず鋸屑を主体とする培養基材料
を用意し、これを容器に詰め加熱等を施し滅菌し
たのち、得られた培養基に種菌を植菌して茸の人
工培養基化する。そして、これを培養して菌糸を
蔓延させ、ついで発茸させることによりシイタ
ケ、ヒラタケ等の茸を生産することが行われてい
る。上記人工栽培において、用いられる種菌とし
ては、固形種菌と液状種菌の2種類がある。上記
固形種菌は、米ぬかや鋸屑等を主成分とする固形
培養基に種菌を接種して菌糸を蔓延させたのち粉
砕して得られるもので、固体である。一方、液状
種菌は、じやがいも培養液等の液状培養基に種菌
を接種して得られるもので、液体である。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記固形種菌を用いるにせよ液
状種菌を用いるにせよ、ともに以下に述べるよう
な難点を有しているため、茸の人工栽培を大規模
化することは困難である。すなわち、固形種菌を
用いる茸の人工栽培にあつては、固形種菌の形成
操作およびその植菌操作を少量単位で行わざるを
得ず、繰り返し使用をする器材をそのつど滅菌し
なければならないという煩雑さを有していること
が第1の難点である。しかも、この場合、培養期
間が長く、かつ一定しないことが第2の難点であ
る。一方、液状種菌を用いる茸の人工栽培にあつ
ては、液状種菌を培地表面に散布することにより
植菌を行うため、散布に際して局所的に水分過多
になることが多く、それによつて菌糸の伸長が抑
制されやすい。また、培地表面から水分が揮散し
やすいため経時的に種菌環境が水分不足となつて
害菌繁殖の原因となるという難点を有する。この
ため、液状種菌は殆ど用いられていないのが実情
である。 他方、茸類菌糸をセルロース誘導体、ポリビニ
ルアルコール、アルギン酸プロピレングリコール
から選ばれる水溶性合成高分子物質の粘結剤の水
溶液と混合して、全体をペースト状にした種菌が
提案されている(特公昭47−51059号)。このペー
スト状種菌は、上記原木に接種することを目的と
して調製されており、原木に小孔を穿設してこの
中にペースト状種菌を塗工することによつて種菌
を接種するようになつている。この場合、上記種
菌は、ペースト状であつて粘着性を有するため、
流れ落ちずに接種作業性が良好であり、また、接
種部位表面に上記種菌のペーストにもとづく合成
高分子物質の皮膜が形成され、それによつて種菌
が保護され活着力が大きくなるという効果が得ら
れる。しかしながら、これを、鋸屑を主体とする
培養基材を用いたしいたけ培養基に応用する場合
には、培養基内部に対する注入性ならびに接種効
率、さらに取り扱い性等の点で難点がある。 この発明は、このような事情に鑑みなされたも
ので、種菌の接種が内部までなされていて、接種
効率が高く、しかも製造の自動化も可能な種菌接
種茸培養基を製造する方法の提供をその目的とす
る。 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、この発明の種菌接
種茸培養基の製法は、粒状ないし粉末状培地材料
を用いて固形状の茸培養基をつくり、これを滅菌
したのち、この滅菌済茸培養基に細径ノズルを挿
入し、この細径ノズルを通して種菌を接種する方
方法であつて、上記種菌として、茸類菌糸を、寒
天、カラギーナン、化工澱粉、キサンタンガムか
ら選ばれた水溶性高分子物粘結剤水溶液と混合し
てなる粘度2000〜30000cpsのペースト状種菌を用
い、上記細径ノズルの先端を、茸培養基の厚みを
Lとすると、1/2L〜Lの深さに直接差し込み、
ついでペースト状種菌を加圧注入しながら徐々に
引き上げ、ペースト状種菌を上下に延びる線状に
接種するという構成をとる。 〔作用〕 本発明者らは、上記ペースト状種菌が、固形種
菌や液状種菌に比べて取り扱い易く、そのため、
茸培養基の量産化に可能であることに着目し、上
記ペースト状種菌の有する上記問題点を解決する
ため一連の研究を重ねた。その結果、原木ではな
く、鋸屑等の粒状ないし粉末状培地材料からなる
茸培養基に対しては、細径ノズルを利用し接種す
ることが好適であると着想し、これを中心にさら
に一連の研究を重ねた。その結果、粘結剤成分と
して、寒天、カラギーナン、化工澱粉、キサンタ
ンガム等を用いこれを水溶液にし、この水溶液に
茸類菌糸を混合し全体の粘度を2000〜30000cpsに
調節すると、上記細径ノズルを通じて茸培養基に
円滑に注入することができることを見いだした。
そして、さらに、上記細径ノズルを、培養基の厚
みをLとすると、1/2L〜Lの深さに差し込み、
ペースト状種菌を加圧注入しながら、上記細径ノ
ズルを徐々に引き上げて、ペースト状種菌を上下
に延びる線状に接種すると、この線状に接種され
た種菌が線状接種部分を中心に外周方向に成長
し、培養基の内部深部まで均一な接種領域が形成
されるようになる。その結果、茸の人工栽培にお
ける培養期間の短縮および一定化を実現できるよ
うになることを見いだしこの発明に到達した。 つぎに、この発明を詳しく説明する。 この発明に用いるペースト種菌は、例えばつぎ
のようにして得ることができる。すなわち、従来
と同様の方法で得られる固形種菌あるいは液状種
菌に、予め殺菌した水溶性高分子物質粘結剤(以
下「粘結剤」と略す)を添加混合することにより
得ることができる。上記粘結剤の混合方法は、通
常、粘結剤をそのまま添加混合するのではなく、
蒸溜水に粘結剤を溶かして粘結剤調整液としてか
ら添加混合することが行われる。上記粘結剤とし
ては、耐加熱滅菌性、耐茸酵素性を有し、しかも
茸菌糸伸長を抑制しないものが好適に用いられ
る。このような粘結剤として、寒天、カラギーナ
ン、化工澱粉およびキサンタンガムが用いられ単
独でもしくは併せて用いられる。このような、粘
結剤は、鋸屑等の粒状ないし粉末状培地材料から
なる茸培養基に対して、親和性がよいことからペ
ースト状種菌の注入に際して、ペースト状種菌が
茸培養基の内部に良好に成長し種菌接種領域を形
成する。 なお、上記の各粘結剤のペースト状種菌に対す
る適応性を調べるため、下記の第1表に示す各項
目について評価を行つた。この場合、各粘結剤は
第1表に示す濃度の蒸留水水溶液とした。
以上のように、この発明は、種菌として、茸類
菌糸を、寒天、カラギーナン、化工澱粉、キサン
タンガムから選ばれた水溶高分子物粘結剤水溶液
と混合してなる粘度2000〜30000cpsのペースト状
種菌を用い、これを、細径ノズルの先端を茸培養
基に差し込み培養基の厚みをLとすると1/2L
〜Lの深さに到達させ、ノズル先端からペースト
状種菌を加圧注入しながら徐々に引き上げ、ペー
スト状種菌を上下に延びる線状に接種する。その
ため、特に鋸屑等を用いた茸の人工培養基に対す
る種菌の接種を良好に行うことができる。すなわ
ち、ペースト状種菌を上記のような粘度に調節す
ると同時に、ペースト状種菌を構成する水溶性高
分子物粘結剤を特定の粘結剤に選択していること
から、ペースト状種菌が上記茸培養基に対してよ
くなじむようになり、また、細径ノズルを用いて
の注入も円滑に行うことができるようになる。こ
の場合、培養基の厚みをLとすると、ノズルを、
1/2L〜Lの深さに差し込み、徐々に引き上げ
ながらペースト状種菌を線状に接種することか
ら、ペースト状種菌を茸培養基の深部迄接種する
ことができるようになる。そして、注入後、接種
されたペースト状種菌は、線状接種部分を中心に
外周方向に成長して広がることから、接種領域が
茸培養基の内部深部に迄均一に形成されるように
なり、菌糸を蔓延させる時間の短縮化を実現でき
るようになる。このように、この発明の種菌接種
培養基は、内部深部迄均一に接種領域が形成され
ていることから菌糸蔓延が全体に均一にゆきわた
り、その結果、茸栽培期間の短縮化、収量の増加
を実現することができるようになる。また、上記
細径ノズルを用いた注入を行うことにより、穴明
けと同時に種菌の注入が可能になるため植菌の自
動化をも実現することができるようになる。した
がつて、茸の人工培養基作業の近代化、合理化を
推進できるようになる。さらに、このような植菌
によれば種菌を無駄なく、かつ培養基全体に均一
に接種することができ、種菌接種量を大幅に節約
することが可能となる。 つぎに、実施例について比較例と併せて説明す
る。 <ペースト状種菌aの調製> 蒸溜水に寒天を添加し、10分間加熱溶解させる
ことにより、1重量%(以下「%」と略す)の寒
天水溶液を作製したのち、121℃、20分間加熱蒸
気滅菌し、撹拌均一化した。一方、通常の培養方
法によつて菌糸蔓延を終了した固形シイタケ種菌
培養瓶から菌塊を削り出し、この菌塊の湿重量
4gと上記寒天水溶液12mlを混合することにより
ペースト状種菌a(粘度7000cps)を調製した。 実施例 1 まず、鋸屑と米ぬかを5:1の割合で混合し、
加水して培地含水率が70%になるように調製し
た。そして、これをポリプロピレン製袋に1Kg充
填し、直径110mm、高さ120mmの円周形に成形した
のち、上端を折り曲げて121℃、90分で加熱蒸気
滅菌した。この滅菌済培地を開口し、直径20mmの
ノズルを用い、上記ペースト状種菌を倍地中に直
径20mm×100mmの線状になるよう注入した。注入
は、第1図に示すように1箇所に行つた。注入
後、予め滅菌した蓋部を上記倍地開口部に取り付
け、25℃の雰囲気中に入れて培養した。 比較例 1 培地に対して棒体を用いて筒状の穴を開け、通
常の方法によつて得られた種菌であつて粒状のも
の湿重量8gを上部より落下させて植菌した。そ
れ以外は、実施例1と同様にしてシイタケの培養
を行つた。 上記実施例および比較例における菌糸蔓延完了
までに要した平均の日数、ならびにポリプロピレ
ン製袋を除去したのち、10カ月間栽培して子実体
を形成させたときの収量を調べた。その結果は第
2表のとおりである。 なお、第2表において、各項目における検体は
30個である。
菌糸を、寒天、カラギーナン、化工澱粉、キサン
タンガムから選ばれた水溶高分子物粘結剤水溶液
と混合してなる粘度2000〜30000cpsのペースト状
種菌を用い、これを、細径ノズルの先端を茸培養
基に差し込み培養基の厚みをLとすると1/2L
〜Lの深さに到達させ、ノズル先端からペースト
状種菌を加圧注入しながら徐々に引き上げ、ペー
スト状種菌を上下に延びる線状に接種する。その
ため、特に鋸屑等を用いた茸の人工培養基に対す
る種菌の接種を良好に行うことができる。すなわ
ち、ペースト状種菌を上記のような粘度に調節す
ると同時に、ペースト状種菌を構成する水溶性高
分子物粘結剤を特定の粘結剤に選択していること
から、ペースト状種菌が上記茸培養基に対してよ
くなじむようになり、また、細径ノズルを用いて
の注入も円滑に行うことができるようになる。こ
の場合、培養基の厚みをLとすると、ノズルを、
1/2L〜Lの深さに差し込み、徐々に引き上げ
ながらペースト状種菌を線状に接種することか
ら、ペースト状種菌を茸培養基の深部迄接種する
ことができるようになる。そして、注入後、接種
されたペースト状種菌は、線状接種部分を中心に
外周方向に成長して広がることから、接種領域が
茸培養基の内部深部に迄均一に形成されるように
なり、菌糸を蔓延させる時間の短縮化を実現でき
るようになる。このように、この発明の種菌接種
培養基は、内部深部迄均一に接種領域が形成され
ていることから菌糸蔓延が全体に均一にゆきわた
り、その結果、茸栽培期間の短縮化、収量の増加
を実現することができるようになる。また、上記
細径ノズルを用いた注入を行うことにより、穴明
けと同時に種菌の注入が可能になるため植菌の自
動化をも実現することができるようになる。した
がつて、茸の人工培養基作業の近代化、合理化を
推進できるようになる。さらに、このような植菌
によれば種菌を無駄なく、かつ培養基全体に均一
に接種することができ、種菌接種量を大幅に節約
することが可能となる。 つぎに、実施例について比較例と併せて説明す
る。 <ペースト状種菌aの調製> 蒸溜水に寒天を添加し、10分間加熱溶解させる
ことにより、1重量%(以下「%」と略す)の寒
天水溶液を作製したのち、121℃、20分間加熱蒸
気滅菌し、撹拌均一化した。一方、通常の培養方
法によつて菌糸蔓延を終了した固形シイタケ種菌
培養瓶から菌塊を削り出し、この菌塊の湿重量
4gと上記寒天水溶液12mlを混合することにより
ペースト状種菌a(粘度7000cps)を調製した。 実施例 1 まず、鋸屑と米ぬかを5:1の割合で混合し、
加水して培地含水率が70%になるように調製し
た。そして、これをポリプロピレン製袋に1Kg充
填し、直径110mm、高さ120mmの円周形に成形した
のち、上端を折り曲げて121℃、90分で加熱蒸気
滅菌した。この滅菌済培地を開口し、直径20mmの
ノズルを用い、上記ペースト状種菌を倍地中に直
径20mm×100mmの線状になるよう注入した。注入
は、第1図に示すように1箇所に行つた。注入
後、予め滅菌した蓋部を上記倍地開口部に取り付
け、25℃の雰囲気中に入れて培養した。 比較例 1 培地に対して棒体を用いて筒状の穴を開け、通
常の方法によつて得られた種菌であつて粒状のも
の湿重量8gを上部より落下させて植菌した。そ
れ以外は、実施例1と同様にしてシイタケの培養
を行つた。 上記実施例および比較例における菌糸蔓延完了
までに要した平均の日数、ならびにポリプロピレ
ン製袋を除去したのち、10カ月間栽培して子実体
を形成させたときの収量を調べた。その結果は第
2表のとおりである。 なお、第2表において、各項目における検体は
30個である。
【表】
第2表の結果から実施例1は比較例1に比べて
菌糸の平均蔓延日数が著しく短縮されており、ま
た子実体量に対する子実体の関係から良形かつ均
一量の子実体が得られることがわかる。 <ペースト状種菌bの調製> 蒸溜水にカラギーナンを添加し、10分間加熱溶
解させることにより、2%のカラギーナン水溶液
を作製したのち、121℃、20分間加熱蒸気滅菌し、
撹拌均一化した。一方、通常の方法によつて菌糸
蔓延を終了した固形ヒラタケ種菌培養瓶から菌塊
4g(湿重量)を削り出し、上記カラギーナン水溶
液12mlと混合することによりペースト状種菌b
(粘度10000cps)を調製した。 実施例 2 ペースト状種菌として上記bを用いた。それ以
外は実施例1と同様にしてヒラタケの培養を行つ
た。 比較例 2 比較例1におけるシイタケ菌に代えてヒラタケ
菌を用いた。それ以外は比較例1と同様にして人
工培養基をつくり、25℃で培養した。 以上の実施例および比較例における接種菌量お
よび菌糸蔓延完了までに要した日数、ならびに菌
上部の菌かきを施したのち、8〜10℃、人工光線
下、湿度95%以上の条件下で栽培して発生させた
子実体の収量を調べ、下記の第3表に示した。な
お、第3表において、検体はそれぞれ30個であ
る。
菌糸の平均蔓延日数が著しく短縮されており、ま
た子実体量に対する子実体の関係から良形かつ均
一量の子実体が得られることがわかる。 <ペースト状種菌bの調製> 蒸溜水にカラギーナンを添加し、10分間加熱溶
解させることにより、2%のカラギーナン水溶液
を作製したのち、121℃、20分間加熱蒸気滅菌し、
撹拌均一化した。一方、通常の方法によつて菌糸
蔓延を終了した固形ヒラタケ種菌培養瓶から菌塊
4g(湿重量)を削り出し、上記カラギーナン水溶
液12mlと混合することによりペースト状種菌b
(粘度10000cps)を調製した。 実施例 2 ペースト状種菌として上記bを用いた。それ以
外は実施例1と同様にしてヒラタケの培養を行つ
た。 比較例 2 比較例1におけるシイタケ菌に代えてヒラタケ
菌を用いた。それ以外は比較例1と同様にして人
工培養基をつくり、25℃で培養した。 以上の実施例および比較例における接種菌量お
よび菌糸蔓延完了までに要した日数、ならびに菌
上部の菌かきを施したのち、8〜10℃、人工光線
下、湿度95%以上の条件下で栽培して発生させた
子実体の収量を調べ、下記の第3表に示した。な
お、第3表において、検体はそれぞれ30個であ
る。
【表】
第3表から明らかなように、実施例2は比較例
2に比べて菌糸の蔓延日数が著しく短縮されてお
り、しかも一培養基当たりの子実体量を多く、良
好な結果が得られることがわかる。 <液状シイタケ種菌の作製> 蒸溜水10に対してコーンスターチ500g、グ
ルコース100g、コーン・ステイーブ・リカー(C.
S.L.)130gを添加混合した液体培地を121℃で60
分間加圧蒸気滅菌した。一方、予め準備した鋸屑
シイタケ種菌50gに100mlの無菌水を加えホモジ
ナイスし、上記液体培地に添加した。これを25℃
下、1週間撹拌培養して液状シイタケ種菌を作製
した。 <ペースト状種菌cの調製> 蒸溜水に化工澱粉を添加し、10分間加熱溶解さ
せることにより、10%の澱粉水溶液を作製したの
ち、121℃、20分間加熱蒸気滅菌し、撹拌均一化
した。この澱粉水溶液1容に対し上記液状種菌1
容を添加混合してペースト状種菌c(粘度
12000cps)を調製した。 実施例 3 ペースト状種菌cの培地への注入を、第4図に
示す植菌装置を用いて自動的に行つた。すなわ
ち、この植菌装置7は、上記液状シイタケ種菌の
培養タンク8と、この培養タンク8からポンプ9
を介して供給される液状種菌に粘結剤調製液(こ
の場合、澱粉水溶液)を添加して撹拌混合するペ
ースト状種菌調製タンク10と、このペースト状
種菌調製タンク10からポンプ11と電磁弁12
とを介して供給されるペースト状種菌を培地2に
注入するためのノズル13とを備えたものであ
る。上記ノズル13は、シリンダ等の駆動手段
(図示せず)によつて上下方向に往復運動を行な
うものであつて、そのノズル口を培地内の所定深
さまで挿入しうるようになつている。したがつ
て、この装置7のノズル13の下方に滅菌済培養
基2を開口して配置し上記ノズル13を下降させ
ることによりノズル口を培地内に挿入することが
でき、ノズル口からペースト状種菌を吐出しなが
らノズル13を上昇させるようにすると、ペース
ト状種菌の線状注入が自動的に行われるのであ
る。このような植菌装置7を用いた以外は、実施
例1と同様にしてシイタケの培養を行つた。 この実施例における接種菌量および菌糸蔓延完
了までに要した日数、ならびにポリプロピレン製
袋を除去したのち、10カ月栽培して発生させた子
実体の収量を調べ、下記の第4表に示した。 なお、第4表において、検体は30個である。
2に比べて菌糸の蔓延日数が著しく短縮されてお
り、しかも一培養基当たりの子実体量を多く、良
好な結果が得られることがわかる。 <液状シイタケ種菌の作製> 蒸溜水10に対してコーンスターチ500g、グ
ルコース100g、コーン・ステイーブ・リカー(C.
S.L.)130gを添加混合した液体培地を121℃で60
分間加圧蒸気滅菌した。一方、予め準備した鋸屑
シイタケ種菌50gに100mlの無菌水を加えホモジ
ナイスし、上記液体培地に添加した。これを25℃
下、1週間撹拌培養して液状シイタケ種菌を作製
した。 <ペースト状種菌cの調製> 蒸溜水に化工澱粉を添加し、10分間加熱溶解さ
せることにより、10%の澱粉水溶液を作製したの
ち、121℃、20分間加熱蒸気滅菌し、撹拌均一化
した。この澱粉水溶液1容に対し上記液状種菌1
容を添加混合してペースト状種菌c(粘度
12000cps)を調製した。 実施例 3 ペースト状種菌cの培地への注入を、第4図に
示す植菌装置を用いて自動的に行つた。すなわ
ち、この植菌装置7は、上記液状シイタケ種菌の
培養タンク8と、この培養タンク8からポンプ9
を介して供給される液状種菌に粘結剤調製液(こ
の場合、澱粉水溶液)を添加して撹拌混合するペ
ースト状種菌調製タンク10と、このペースト状
種菌調製タンク10からポンプ11と電磁弁12
とを介して供給されるペースト状種菌を培地2に
注入するためのノズル13とを備えたものであ
る。上記ノズル13は、シリンダ等の駆動手段
(図示せず)によつて上下方向に往復運動を行な
うものであつて、そのノズル口を培地内の所定深
さまで挿入しうるようになつている。したがつ
て、この装置7のノズル13の下方に滅菌済培養
基2を開口して配置し上記ノズル13を下降させ
ることによりノズル口を培地内に挿入することが
でき、ノズル口からペースト状種菌を吐出しなが
らノズル13を上昇させるようにすると、ペース
ト状種菌の線状注入が自動的に行われるのであ
る。このような植菌装置7を用いた以外は、実施
例1と同様にしてシイタケの培養を行つた。 この実施例における接種菌量および菌糸蔓延完
了までに要した日数、ならびにポリプロピレン製
袋を除去したのち、10カ月栽培して発生させた子
実体の収量を調べ、下記の第4表に示した。 なお、第4表において、検体は30個である。
第1図および第2図は本発明のペースト状種菌
の培地への注入を説明するための説明図、第3図
はその注入に用いるノズルの変形例を示す正面
図、第4図は本発明のペースト状種菌の培地への
注入に用いる植菌装置を説明するための説明図、
第5図および第6図はそれぞれ本発明のペースト
状種菌の他の植菌態様を説明するための説明図で
ある。 1…ノズル、2…培養基、4…ペースト状種
菌。
の培地への注入を説明するための説明図、第3図
はその注入に用いるノズルの変形例を示す正面
図、第4図は本発明のペースト状種菌の培地への
注入に用いる植菌装置を説明するための説明図、
第5図および第6図はそれぞれ本発明のペースト
状種菌の他の植菌態様を説明するための説明図で
ある。 1…ノズル、2…培養基、4…ペースト状種
菌。
Claims (1)
- 1 粒状ないし粉末状培地材料を用いて固形状の
茸培養基をつくり、これを滅菌したのち、この滅
菌済茸培養基に細径ノズルを挿入し、この細径ノ
ズルを通して種菌を接種する方法であつて、上記
種菌として、茸類菌糸を、寒天、カラギーナン、
化工澱粉、キサンタンガムから選ばれた水溶性高
分子物粘結剤水溶液と混合してなる粘度2000〜
30000cpsのペースト状種菌を用い、上記細径ノズ
ルの先端を、茸培養基の厚みをLとすると、1/
2L〜Lの深さに直接差し込み、ついでペースト
状種菌を加圧注入しながら徐々に引き上げ、ペー
スト状種菌を上下に延びる線状に接種することを
特徴とする種菌接種茸培養基の製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61159227A JPS6314642A (ja) | 1986-07-07 | 1986-07-07 | 種菌接種茸培養基の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61159227A JPS6314642A (ja) | 1986-07-07 | 1986-07-07 | 種菌接種茸培養基の製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6314642A JPS6314642A (ja) | 1988-01-21 |
| JPH043169B2 true JPH043169B2 (ja) | 1992-01-22 |
Family
ID=15689114
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61159227A Granted JPS6314642A (ja) | 1986-07-07 | 1986-07-07 | 種菌接種茸培養基の製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6314642A (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4918859A (en) * | 1987-06-17 | 1990-04-24 | Shevlin Thomas S | Structure for growing mushrooms |
| JPH0757181B2 (ja) * | 1988-02-01 | 1995-06-21 | 株式会社紀文 | 担子菌類菌糸集合体の製造方法 |
| JP2006280371A (ja) * | 2005-03-10 | 2006-10-19 | Tokushima Ken | キノコ種菌、キノコ種菌の接種方法、及びキノコの製造方法 |
| JP5871451B2 (ja) * | 2009-02-06 | 2016-03-01 | タカラバイオ株式会社 | きのこの液体種菌の製造方法 |
| JP5818419B2 (ja) * | 2009-10-27 | 2015-11-18 | タカラバイオ株式会社 | ブナシメジ子実体の製造方法 |
| KR102233304B1 (ko) * | 2020-07-13 | 2021-03-26 | 초록봄농장 농업회사법인 유한회사 | 안정적인 배양이 가능하고 인체면역증강 및 생리활성물질을 다량 함유하는 밀리타리스 동충하초의 재배 배지조성물 및 이를 이용한 밀리타리스 동충하초 재배방법과 이에 따라 재배된 밀리타리스 동충하초 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| IT938654B (it) * | 1971-09-02 | 1973-02-10 | Amf Sasib | Dispositivo per accompagnare e so stenere un baco continuo di siga retta nella zona di taglio |
| JPS526223A (en) * | 1975-07-04 | 1977-01-18 | Hitachi Ltd | Name plate marking stamp |
-
1986
- 1986-07-07 JP JP61159227A patent/JPS6314642A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6314642A (ja) | 1988-01-21 |
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