JPH04322880A - 溶接t継手の溶接方法 - Google Patents

溶接t継手の溶接方法

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JPH04322880A
JPH04322880A JP40848490A JP40848490A JPH04322880A JP H04322880 A JPH04322880 A JP H04322880A JP 40848490 A JP40848490 A JP 40848490A JP 40848490 A JP40848490 A JP 40848490A JP H04322880 A JPH04322880 A JP H04322880A
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welding
joint
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welded
elongated member
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Shinji Takeno
竹野 親二
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板材の一面側に細長部
材を隅肉溶接により略垂直に立設してなる溶接T継手の
溶接方法に係わり、特には、長手方向に湾曲した溶接T
継手の溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、I形鋼におけるフランジとウェ
ブとの接続、あるいは船舶の船体部を構成する側板とこ
の側板を内側から補強する補強材との接続といったよう
に、板材に略直交するように板状の細長部材を立設して
成るものを通常「T継手」と称している。
【0003】このようなT継手を溶接により作製する場
合には、図12に示すように板材2とこれに立設される
細長部材3とを連続隅肉溶接により形成するのが一般的
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如き
溶接T継手1を例えば上述の船舶構造体等に適用する場
合には、前記板材2の湾曲した面を得るために該T継手
1を前記細長部材3の長手方向に湾曲させる必要がある
。このような、湾曲した溶接T継手1を得るには、前記
溶接T継手を構成してからそれを湾曲させる方法と、前
記細長部材3を予め湾曲させておいてからその湾曲され
た細長部材3に前記板材2を溶接する方法がある。
【0005】しかしながら、何れの場合にしても細長部
材3をその幅方向に湾曲させる必要がある。細長部材3
はその幅方向に対しては高い剛性を有しており、その湾
曲加工は極めて困難である。また、例え予め湾曲した細
長部材3が比較的容易に得られた場合でも、その湾曲し
た細長部材3に前記板材2の曲面溶接するのは装置等が
大掛かりとなり大幅なコストアップとなる。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、簡潔かつ低コストにて長手方向に湾曲した溶接T継
手を得ることのできる溶接T継手の溶接方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明は、板材の一面側に細長部材を隅肉溶接により略垂
直に立設してなる溶接T継手を形成するにあたり、前記
細長部材の前記板材に溶接される一方の側面側に該細長
部材の板厚方向に横切る切込みを該細長部材の溶接方向
に複数形成し、該細長部材と前記板材とを前記切込み間
で仮付けした後、連続隅肉溶接の本溶接を行ない、これ
により前記細長部材の長手方向に湾曲したT継手を得る
ことを特徴とするものである。本発明の請求項2記載の
発明は、板材の一面側に細長部材を隅肉溶接により略垂
直に立設してなる溶接T継手を形成するにあたり、前記
細長部材と前記板材とを溶接終端となる部分から所要長
さを残して予め仮付けし、しかる後、全長にわたり連続
隅肉溶接の本溶接を行ない、これにより前記細長部材の
長手方向に湾曲した部分を有するT継手を得ることを特
徴とするものである。請求項3記載の発明は、請求項1
または2記載の溶接T継手の溶接方法において、前記板
材の溶接部裏面側を前記本溶接に先行して加熱すること
を特徴とするものである。
【0008】
【作用】請求項1に係る発明の作用は次のようなものと
解される。連続隅肉溶接の際、板材は、溶接部から少し
離れた周辺部は加熱されないために溶接部が膨張しよう
とするのが拘束される。一方、細長部材では、その側端
部を溶融加熱すること、および仮付け部による拘束があ
るとは言えその仮付け部から溶接進行方向の切込みまで
の部分では切込みにより溶接時の仮付け拘束の効果が半
減されることにより、この部分で膨張が比較的自由に生
じ、その結果溶接部周辺が膨張して伸びる。これにより
細長部材はその板幅方向に凹となる。板材は、この細長
部材の変形に追従して板厚方向に曲がり、双方が溶接さ
れる。冷却収縮時には、溶接部が周囲より拘束されるた
めに細長部材の変形は保持され、湾曲したT継手が形成
される。細長部材に切込みがない場合には、細長部材の
膨張が板材との溶接部周辺から拘束を受けるために細長
部材の溶接変形は大幅に低下する。
【0009】請求項2に係る発明の作用は次のようなも
のと解される。上記同様に連続隅肉溶接の際、板材およ
び細長部材の溶接部は溶融加熱により膨張しようとする
。しかし、板材は溶接部周辺からの拘束を受け、溶接部
が膨張することができない。これに対し、細長部材につ
いては側端部が溶融加熱されるためこの側端部は比較的
自由に膨張することができる。ただし、仮付け区間につ
いては仮付けによって周囲に拘束されているため膨張が
阻止され、仮付けによる拘束を受けない前記非拘束区間
についてのみ膨張が生じ、その結果溶接部周辺が膨張し
て伸びる。これにより細長部材は板幅方向に対し凹とな
る。前記板材2は、剛性が小さいためにこの細長部材の
変形に追従して板厚方向に曲がり、双方が溶接される。 冷却収縮時には溶接部が周囲より拘束されるために前記
は細長部材の変形は保持され、非仮付け区間のみが湾曲
したT継手が形成される。
【0010】請求項3に係る発明の作用は次のようなも
のと解される。先行加熱により板材には逆歪み(細長部
材と反対方向に折れ曲がる角変形歪み)が発生し、その
後本溶接により板材が細長部材側に角変形を生ずるため
上記逆歪みが相殺される。さらにその際、先行加熱部分
の冷却が完了されないうちにその逆歪みの生じた部分の
本溶接を行なうことにより、本溶接時の板材の溶接側と
その裏面との熱的アンバランスが低減され、本溶接で生
じる角変形の程度も減少し、先行加熱によって生じた前
記逆歪みが溶接時の細長部材側への角変形によりほぼ完
全に復元され板材がほぼ完全にフラットとなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1ないし図4は本発明の請求項1記載の
発明を説明するものである。本発明では、板材2の一面
側にフラットバー4等の細長部材を略垂直に立設してな
る溶接T継手を形成するにあたり、まず、フラットバー
4の前記板材2に溶接される一方の側面側に、該フラッ
トバー4の板厚方向に横切る切込み5,5,…を該フラ
ットバー4の溶接方向(長手方向)に複数形成する。本
実施例においては、前記板材2およびフラットバー4は
共にアルミニウム合金より成るものとしている。
【0012】前記切込み5の深さは、後の隅肉溶接によ
る本溶接での脚長以下、すなわち本溶接により隠れる寸
法とする。この切込み5の形成ピッチは、形成すべきT
継手の曲率によって異なるが、100〜1000mm程
度であることが望ましい。また、この場合、これら切込
み5,5,…は同一ピッチで前記フラットバー4の全長
にわたって形成するものとしている。
【0013】次いで、上記切込み5,5,…の形成され
た前記フラットバー4を図2に示すように前記板材2の
一面側に仮付けする。本実施例において、後述する本溶
接はMIG溶接により行なうものとしており、ここでの
仮付けも同様にMIGによるものとしている。仮付け部
6の位置は、前記各切込み5,5…の間である。ただし
、2つの切込み5,5の間のどの位置を仮付けするかに
よって形成されるT継手1の曲率が変化するので、事前
に試験等を行ない、そのデータに基づいて仮付け部6の
位置を決定する。また、仮付け部6の長さは、フラット
バー4の形状,寸法、あるいは前記切込み5の形成ピッ
チ等により異なるが、点付け状ないし50mm程度の範
囲が好ましい。
【0014】図2の如く前記フラットバー(細長部材)
4が前記板材2に仮付けされたら、図3の如くそのフラ
ットバー4と板材2とを連続隅肉溶接により本溶接する
。この本溶接は本実施例では上述したようにMIG溶接
により行なう。図3において符号8はMIGトーチであ
る。この本溶接は、図3では片側のみの図示となってい
るが、12図に示したようにフラットバー4の両側より
同時に行なってもよい。
【0015】上記溶接方法によれば、図4に示す如く前
記フラットバー4の長手方向に対して湾曲したT継手1
を得ることができる。
【0016】上記方法により湾曲したT継手1が得られ
る作用は定かではないがおおよそ次の通りと考えられる
。すなわち、一般にフラットバー4と板材2とを連続隅
肉溶接していくと、溶接部は膨張し、その後冷却に伴い
収縮して最終的には溶接長さは僅かに収縮する。連続隅
肉溶接の際、板材2は、溶接部から少し離れた周辺部は
加熱されないために溶接部が膨張しようとするのが拘束
される。一方、フラットバー4では、その側端部を溶融
加熱すること、および仮付け部6による拘束があるとは
言えその仮付け部6から溶接進行方向の切込み5までの
部分aでは切込み5により溶接時の仮付け拘束の効果が
半減されることにより、このaの部分で膨張が比較的自
由に生じ、その結果溶接部周辺が膨張して伸びる。これ
によりフラットバー4は図3に示すように上方に凹とな
る。前記板材2は、このフラットバー4の変形に追従し
て板厚方向に曲がり、双方が溶接される。冷却収縮時に
は、溶接部が周囲より拘束されるために前記はフラット
バー4の変形は保持され、図4の如きT継手1が形成さ
れる。一方、前記フラットバー4に切込み6がない場合
には、フラットバー4の膨張が板材2との溶接部周辺か
ら拘束を受けるためにフラットバー4の溶接変形は大幅
に低下する。
【0017】上記溶接方法によれば、長手方向に湾曲し
た溶接T継手1を極めて容易に、かつ低コストにて得る
ことができる。T継手1の湾曲の度合いは切込み6の形
成ピッチ、あるいは前記aの部分の寸法等を変えること
によりある範囲内で任意に設定することができる。した
がって、板材2およびフラットバー4の材質,それらの
寸法,溶接条件等に鑑み、予備試験等を実施することに
より意図する曲率を有するT継手1を得ることが可能で
ある。
【0018】なお、本発明は、通常10mm以下の板厚
の部材に適用できるが、好ましくは2〜6mmのものが
よい。また、上記実施例では板材2およびフラットバー
4(細長部材3)をアルミニウム合金よりなるものとし
て説明したが、例えば軟鋼等その他の金属板材よりなる
T継手にも適用可能である。細長部材3の種類としては
、その形状は特に限定されないが、フラットバーやバル
ブプレート等を良好に用いることができる。また、上記
した仮付け溶接および本溶接についても、本実施例では
それをMIG溶接により行なうものとしたが、これに限
定されるものではなく、例えば炭酸ガスアーク溶接,M
AG溶接等その他の溶接方法を部材の種類等に応じて好
ましく適用できる。
【0019】次に、図5は本発明の請求項3に係る発明
の一実施例を示すものである。本発明は、上記の方法を
実施するにあたり、前記本溶接に先行して前記板材2の
溶接部裏面側を加熱するものである。
【0020】具体的には、図5に示すように、前記MI
Gトーチ8により隅肉溶接の本溶接を行なう際に、加熱
機素10が前記MIGトーチ8に対して常に所定距離を
保って先行するように移動させる。勿論、MIGトーチ
8および加熱機素10は固定しておいて板材2およびフ
ラットバー4の方を移動させるようしてもよい。本実施
例において前記加熱機素10はTIGトーチ11として
いる。ただし、このTIGトーチはTIGアークによる
加熱が目的であるから溶加材(溶接棒)は用いない。
【0021】上記溶接方法によれば、既に述べた効果す
なわち長手方向に湾曲したT継手1を簡単に得られると
いった効果に加え、隅肉溶接に起因する板材2の角変形
歪みを防止できるといった効果を得ることができる。角
変形歪みとは、図6に示すように、上記T継手1の如き
隅肉溶接を実施した場合に板材2が溶接ビード部13を
中心としてフラットバー4側に反る歪みである。上記の
如く板材2の角変形歪みが防止されるのは下記の作用に
よるものと思われる。すなわち、前記加熱機素10の先
行加熱により板材2には逆歪み(フラットバー4と反対
方向に折れ曲がる角変形歪み)が発生し、その後本溶接
により板材2がフラットバー4側に角変形を生ずるため
上記逆歪みが相殺される。さらにその際、先行加熱部分
の冷却が完了されないうちにその逆歪みの生じた部分の
溶接を行なうことにより、本溶接時の板材の溶接側とそ
の裏面との熱的アンバランスが低減され、本溶接で生じ
る角変形の程度も減少し、先行加熱によって生じた前記
逆歪みが溶接時のフラットバー4側への角変形によりほ
ぼ完全に復元され、板材2がほぼ完全にフラットとなる
【0022】このように、上記方法によればフラットバ
ー4の長手方向に湾曲し、しかも板材2がフラットバー
4の直交方向には歪みを持たないT継手1を得ることが
できる。そして、このように板材2の角変形を防止でき
ることからこの板材2はきれいな2次元曲面を形成する
ことができ、T継手1を例えば船舶または車両等の構造
体として良好に適用することができる。
【0023】次に、上記方法の一実施例に基づく実験例
を示す。 〔実験例1〕上記方法に従い、下記の条件の下で図5に
示す如くT継手1を作製した。 ・試験片 板材2: JIS A5083−0アルミニウム材4m
m*300mm*3000mm フラットバー4:JIS A5083−0アルミニウム
材5mm*60mm*3000mm ・切込み6の設定 ピッチ:100mm 深さ:3mm ・仮付け寸法等 ピッチ:100mm a部(図3)の寸法:70mm 長さ:20mm ・溶接条件 MIG:電流  180〜220A,  電圧  20
〜23V TIG(先行加熱用):電流  150〜200A,先
行寸法  200mm 溶接速度:1600mm/min. 上記実験の結果を表1に示す。なお、表1において、1
の欄は上記先行加熱を実施(図5)したもの、2の欄は
先行加熱を行なわない前の実施例(図3)によるもの、
3の欄はフラットバー4への切込み形成も先行加熱も行
ない従来のものを示している。また、表中の「縦曲がり
変形量」は図4におけるH1の寸法を、「角変形量」は
図6におけるH2の寸法である。
【0024】
【表1】
【0025】上記表1からも明らかなように、本発明の
請求項1に係る溶接方法(表中1の欄,2の欄)によれ
ば、板材2とフラットバー4を単に隅肉溶接した場合(
表中3の欄)に比して縦曲がり変形量が極めて大きく、
湾曲したT継手1が得られることが解かる。また、1の
欄に示すように、上記の先行加熱を実施することにより
板材2の角変形歪みがほとんど生じないことも明らかで
ある。
【0026】なお、上記実施例においては先行加熱用の
加熱機素10としてTIGトーチ11を用いるものとし
たが、加熱機素10はこれに限定されない。例えばプラ
ズマアーク,電子ビーム,レーザービーム,アセチレン
またはプロパンバーナー等を前記加熱機素10として用
いてもよい。また、先行加熱の加熱の程度は、通常、単
に前記板材2の表層(0.1mm程度)を溶かす程度で
よい。実際には、板厚および本溶接の溶接条件等に鑑み
最適な程度を選定すればよい。また、本溶接に対する先
行位置としては、本溶接位置より僅かでも(最小1mm
以上)先行していればよいが、望ましくは本溶接位置手
前50mm以上とするのがよい。
【0027】図7ないし図9は本発明の請求項2記載の
発明を説明するものである。なお、これらの図において
先に示した部材等と同じものには同一符号を付してある
。本発明は、上記同様に板材2の一面側にフラットバー
4(細長部材)を隅肉溶接により略垂直に立設してなる
溶接T継手を形成するにあたり、図7に示すように、前
記フラットバー4と前記板材2とを予め所定区間のみ仮
付けした後、全長にわたり連続隅肉溶接の本溶接を行な
い、これにより前記細長部材の長手方向に湾曲した部分
を有するT継手1を得るものである。
【0028】図7において符号15は仮付けを行なう区
間、すなわち仮付け区間を示している。この仮付け区間
15は、該T継手1をどの部分より湾曲させるかによっ
て設定される。つまり、後述するように、本発明ではこ
の繰り付け区間15の長さがT継手1における湾曲する
部分と湾曲しない部分とを決定するからである。また、
仮付け部6,6,…の形成ピッチは、フラットバー4の
形状,寸法等にもよるが、100〜1000mm程度の
範囲が好ましい。また、仮付け部6の長さは、やはりフ
ラットバー4の形状,寸法等により異なるが、点付け状
ないし50mm程度の範囲が好ましい。なお、本実施例
では、上記発明に係る上記実施例と同様、板材2および
フラットバー4は共にアルミニウム合金より成るものと
している。また、上記仮付け箱の場合MIG溶接により
行なうものとしている。
【0029】図7の如く前記フラットバー(細長部材)
4が前記板材2に仮付けされたら、図8の如くそのフラ
ットバー4と板材2とを連続隅肉溶接により本溶接する
。この本溶接も本実施例ではMIG溶接により行なう。
【0030】上記溶接方法によれば、図8および図9に
示す如く、上記仮付けを行わなかった部分、すなわち非
仮付け区間16が前記フラットバー4の長手方向に対し
てフラットバー4側に湾曲したT継手1を得ることがで
きる。図示するように、前記仮付け区間15は長手方向
に対して略直線である。
【0031】上記方法により非仮付け区間16のみ湾曲
したT継手1が得られる作用は定かではないがおおよそ
次の通りと考えられる。すなわち、請求項1に係る発明
のとところでも説明したように、連続隅肉溶接の際、板
材2およびフラットバー4の溶接部は溶融加熱により膨
張しようとする。しかし、板材2は溶接部周辺からの拘
束を受け、溶接部が膨張することができない。これに対
し、フラットバー4については側端部が溶融加熱される
ためこの側端部は比較的自由に膨張することができる。 ただし、前記仮付け区間15については仮付けによって
周囲に拘束されているため膨張が阻止され、仮付けによ
る拘束を受けない前記非拘束区間16についてのみ膨張
が生じ、その結果溶接部周辺が膨張して伸びる。これに
よりフラットバー4は図3に示すように上方に凹となる
。前記板材2は、曲げ剛性が小さいためこのフラットバ
ー4の変形に追従して板厚方向に曲がり、双方が溶接さ
れる。そして、冷却収縮時には溶接部が周囲より拘束さ
れるために前記はフラットバー4の変形は保持され、図
9の如き非仮付け区間16のみが湾曲したT継手1が形
成される。このような作用に基づくものであるから、前
記非仮付け区間16は、その端部を開放しておく必要が
ある。すなわち図7に示すように非仮付け区間16の一
端側には仮付け部6が存在しないようにする。
【0032】上記溶接方法によれば、長手方向に湾曲し
た溶接T継手1を極めて容易に、かつ低コストにて得る
ことができる。さらに、本溶接方法によれば、前記仮付
け区間15は略直線で非仮付け区間16のみが湾曲した
T継手1を得ることができる。したがって、非仮付け区
間16を所要長さに設定することにより該T継手1の湾
曲開始部を自由に設定することが可能である。
【0033】ところで、本発明は上記のように、非仮付
け区間16を適宜設定することによりT継手1の湾曲部
長さを自由に設定できるものであり、非仮付け区間16
は大体100mm程度から溶接部全長まで有り得る。た
だし、この非仮付け区間16が長くなってくると当然仮
付け区間15はその分短くなり、板材2とフラットバー
4との位置決めが困難となることが懸念される。したが
って、このような場合には、双方の一決めの他の補助治
具等を利用すればよい。
【0034】なお、本発明も、通常10mm以下の板厚
の部材に適用できるが、好ましくは2〜6mmのものが
よい。また、本発明も上記発明同様、軟鋼等その他の金
属板材よりなるT継手にも適用可能である。さらに、仮
付け溶接および本溶接についても、MIG溶接に限定さ
れず、炭酸ガスアーク溶接,MAG溶接等その他の溶接
方法を部材の種類等に応じて好ましく適用できる。
【0035】次に、図10は上記請求項2の発明に対応
する請求項3の発明の一実施例を示すものである。
【0036】本発明は、上記説明した請求項2に係る溶
接方法を実施するにあたり、前記本溶接に先行して前記
板材2の溶接部裏面側を加熱するものである。本発明に
おける先行加熱も、その条件,要領等は上述した先行加
熱の場合と全く同じである。
【0037】上記溶接方法によれば、上記効果すなわち
所定区間のみ長手方向に湾曲したT継手1を簡単に得ら
れるといった効果に加え、隅肉溶接に起因する板材2の
角変形歪みを防止できる。そして、このように板材2の
角変形を防止できることから板材2はきれいな2次元曲
面を形成することができ、T継手1を例えば船舶または
車両等の構造体として良好に適用することができるもの
となる。
【0038】次に、上記方法の一実施例に基づく実験例
を示す。 〔実験例2〕上記方法に従い、下記の条件の下で図10
に示す如くT継手1を作製した。 ・試験片 板材2: JIS A5083−0アルミニウム材4m
m*300mm*3000mm フラットバー4:JIS A5083−0アルミニウム
材5mm*60mm*3000mm ・仮付け寸法等 ピッチ:100mm 長さ:30mm 非仮付け区間16の長さ:1500mm・溶接条件 MIG:電流  180〜220A,  電圧  20
〜23V TIG(先行加熱用):電流  150〜200A,先
行寸法  200mm 溶接速度:1600mm/min. 上記実験の結果を表2に示す。表2において、1の欄は
上記先行加熱を実施(図10)したもの、2の欄は先行
加熱を行なわない実施例(図7)によるもの、3の欄は
全長にわたり仮付けを行ない、かつ先行加熱も行ない従
来のものを示している。表中の「縦曲がり変形量」は図
11におけるH1の寸法を、「角変形量」は図6におけ
るH2の寸法である。
【0039】
【表2】
【0040】上記表2からも明らかなように、本発明の
請求項2に係る溶接方法(表中1の欄,2の欄)によれ
ば、仮付け区間15が略直線となり、かつ非仮付け区間
16が湾曲したT継手1を得られることが解かる。これ
に対し、一般的な方法(表中3の欄)ではT継手全長に
わたりほとんど直線である。さらに、1の欄に示すよう
に、上記の先行加熱を実施することにより板材2の角変
形歪みがほとんど生じないことも明らかである。
【0041】なお、請求項1に係る溶接方法において、
前記切込み5,5,…を設ける区間を溶接区間の所要区
間のみとし、溶接区間全長にわたって仮付けを実施した
場合には、切込み5,5,…を設けた区間のみが湾曲す
るものとなる。したがって、該手段によっても上記方法
と同様、任意の区間のみ湾曲した溶接T継手1を得るこ
とが可能である。さらに、この場合には、上述したよう
に切込み5,5,…の形成ピッチ、あるいは前記a部(
図3)の長さ等を変えることによりその湾曲部の曲率を
比較的自由にかつ正確に設定することができる。したが
って、該方法によれば、全長の一部区間が湾曲した溶接
T継手を形成するにおいて、その湾曲部を意図する曲率
に容易に設定することができる。
【0042】なお、上記各実施例においては1枚の板材
2に対してフラットバー4(細長部材3)を1本のみ溶
接して成るT継手のみについて説明したが、上記各発明
は、1枚の板材に対して複数本の細長部材を並行に溶接
して成るいわゆるパネル状のものを構成する場合にも勿
論適用可能であり、かつ上記同様の効果を奏するもので
ある。
【0043】
【発明の効果】以上説明したとおり、請求項1記載の発
明によれば、長手方向に湾曲した部分を有する溶接T継
手を極めて容易に、かつ低コストにて得ることができる
。また、溶接部の全長にわたり切込みを形成することに
より全長にわたり湾曲したT継手を得ることができる。 その際、湾曲の度合いは、切込みの形成ピッチ、あるい
は仮付け部から溶接進行方向の切込みまでの距離(図3
のa部寸法)等を変えることによりある範囲内で任意に
設定することがで、これにより、意図する曲率の湾曲部
を有するT継手を容易に得ることができる。
【0044】また、請求項2記載の発明によれば、仮付
けを行わない非仮付け区間のみが細長部材の長手方向に
対して細長部材側に湾曲したT継手を極めて簡単に、低
コストに形成することができる。
【0045】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1または請求項2に係る溶接方法によってそれぞれ得ら
れる長手方向に湾曲したT継手において、板材の角変形
歪みを防止し、これにより板材表面をきれいな平面また
は2次元曲面に形成することができ、例えば船舶または
車両等を構成する構造体として良好に適用することがで
きる、等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の一実施例を示す斜視図で
ある。
【図2】請求項1に係る発明の一実施例を示す斜視図で
ある。
【図3】請求項1に係る発明の一実施例を示す側面図で
ある。
【図4】請求項1に係る発明による溶接T継手を示す側
面図である。
【図5】請求項3に係る発明の一実施例を示す側面図で
ある。
【図6】請求項3に係る発明を説明するものでT継手を
示す正面図である。
【図7】請求項2に係る発明の一実施例を示す側面図で
ある。
【図8】請求項2に係る発明の一実施例を示す側面図で
ある。
【図9】請求項2に係る発明によるT継手を示す側面図
である。
【図10】請求項3に係る発明の一実施例を示す側面図
である。
【図11】請求項2に係る発明によるT継手を示す側面
図である。
【図12】溶接T継手を溶接トーチと共に示す正面図で
ある。
【符号の説明】
1  T継手 2  板材 3  細長部材 4  フラットバー(細長部材) 5  切込み 6  仮付け部 10  加熱機素 15  仮付け区間 16  非仮付け区間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  板材の一面側に細長部材を隅肉溶接に
    より略垂直に立設してなる溶接T継手を形成するにあた
    り、前記細長部材の前記板材に溶接される一方の側面側
    に該細長部材の板厚方向に横切る切込みを該細長部材の
    溶接方向に複数形成し、該細長部材と前記板材とを前記
    切込み間で仮付けした後、連続隅肉溶接の本溶接を行な
    い、これにより前記細長部材の長手方向に湾曲した部分
    を有するT継手を得ることを特徴とする溶接T継手の溶
    接方法。
  2. 【請求項2】  板材の一面側に細長部材を隅肉溶接に
    より略垂直に立設してなる溶接T継手を形成するにあた
    り、前記細長部材と前記板材とを溶接終端となる部分か
    ら所要長さを残して予め仮付けし、しかる後全長にわた
    り連続隅肉溶接の本溶接を行ない、これにより前記細長
    部材の長手方向に湾曲した部分を有するT継手を得るこ
    とを特徴とする溶接T継手の溶接方法。
  3. 【請求項3】  請求項1または2記載の溶接T継手の
    溶接方法において、前記板材の溶接部裏面側を前記本溶
    接に先行して加熱することを特徴とする溶接T継手の溶
    接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0733459U (ja) * 1993-11-09 1995-06-20 株式会社イトーキクレビオ スチール製筐体の接合溶接部構造

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