JPH04328135A - 樹脂成形品のコロナ放電処理方法および装置 - Google Patents
樹脂成形品のコロナ放電処理方法および装置Info
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- JPH04328135A JPH04328135A JP3098818A JP9881891A JPH04328135A JP H04328135 A JPH04328135 A JP H04328135A JP 3098818 A JP3098818 A JP 3098818A JP 9881891 A JP9881891 A JP 9881891A JP H04328135 A JPH04328135 A JP H04328135A
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Abstract
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Description
放電処理方法および装置に関し、詳しくは、樹脂成形品
の表面に対して、塗装性や印刷性、接着性などを向上さ
せるために行うコロナ放電処理の方法と、この方法に用
いるコロナ放電処理装置に関するものである。
ムの表面にコロナ放電処理を施すことによって、フィル
ム表面の印刷性や接着性を向上できることは良く知られ
ており、各種製品の製造に利用されている。樹脂フィル
ムだけでなく、立体的な三次元形状を有する樹脂成形品
の表面に対しても、常圧下でコロナ放電処理を行って、
塗装性や接着性などを向上させることが行われている。
の一対の電極を用い、この一対の電極の間に被処理物を
配置しておき、常圧下で電極間に高電圧をかけてコロナ
放電を発生させることによって、被処理物の表面にコロ
ナ放電処理を施す。このとき、電極間にかける高電圧と
しては、通常、交流高周波電圧が用いられている。交流
高周波電圧は、コロナ放電が発生し易く、表面処理の効
果に優れているとされている。なお、特開昭47−48
90号公報には、フィルムに対するコロナ放電処理に、
パルス幅が100〜200マイクロ秒程度の電圧パルス
を用いる技術が開示されており、このような電圧パルス
を用いることによって、処理効果が向上するとされてい
る。
電処理を行う場合、三次元形状の樹脂成形品は樹脂フィ
ルムに比べて厚みがあり、しかも、その厚みが部分的に
違っていたり、外形に凹凸があったり、貫通孔があいて
いたりするので、表面全体に均一なコロナ放電処理を行
うのが難しいという問題がある。従来における、三次元
形状の樹脂成形品に対するコロナ放電処理方法としては
、特開昭57−119931号公報に開示された方法が
ある。この方法は、一対の電極、すなわち保持電極と逆
電極を用い、被処理物を保持電極に保持しておくととも
に、逆電極に取り付けられた可撓性放電装置の先端位置
が、常に、被処理物の表面から一定の距離になるように
して、保持電極および被処理物と逆電極および可撓性放
電装置を相対的に移動させながら、保持電極と逆電極の
間に交流高周波電圧を印加して、コロナ放電を発生させ
る。
示された方法は、放電先端部が曲面形状を有する放電電
極を、被処理物の形状に沿って相対的に移動させながら
、20〜30kHzの交流高周波出力を印加して、コロ
ナ放電を発生させるようにしている。
来における、三次元形状の樹脂成形品に対するコロナ放
電処理方法では、樹脂成形品の外周や開孔部の内周など
に存在する縁部には、十分な処理を施せないという問題
があった。これは、従来の方法では、放電電極が樹脂成
形品の縁部に近づくと、放電電極と対向電極の間の距離
、いわゆる極間距離が小さくなり、表面処理に効果のあ
るコロナ放電を安定して維持できず、絶縁破壊による火
花放電を起こしてしまうので、縁部近くには十分なコロ
ナ放電処理を行えなくなるからである。従来の通常の処
理条件では、樹脂成形品の縁部から20mm程度の範囲
については、十分なコロナ放電処理が施せない場合が多
い。
花放電が起こり易いのは、放電電極と対向電極の間に樹
脂成形品が存在していれば、絶縁破壊が起こる可能性は
少ないのであるが、前記した縁部近くでは、両電極間で
、直接空気中を通じて短絡を起こして火花放電を発生し
たり、樹脂成形品の表面に沿って電流が流れ易くなった
りするので、絶縁破壊が起こってしまうのである。
対向電極を樹脂成形品の前記縁部に近づけなければよい
が、そうすると、コロナ放電も縁部近くには到達せず、
十分な処理が行われない。また、放電電極と対向電極の
間に印加する電圧を小さくすれば、絶縁破壊による火花
放電も起こり難くなり、電極を樹脂成形品の縁部まで近
づけることができるが、電圧が小さければ、当然、コロ
ナ放電による表面処理作用も弱くなり、樹脂成形品全体
の処理効果が低下してしまう。
樹脂成形品の開孔部に、エポキシ樹脂などの誘電体から
なる緩衝板を嵌入しておき、開孔部でコロナ放電が乱れ
ないようにする技術が開示されている。しかし、この方
法では、樹脂成形品の開孔部に合わせた形状の緩衝板を
準備しておき、この緩衝板をいちいち開孔部に装着した
り、または、緩衝板を対向電極に取り付けておいたりす
る手間がかかり、作業能率や電極作製効率を大幅に低下
させる欠点がある。また、開孔部と緩衝板の間にわずか
でも隙間があいていると、この隙間を通して絶縁破壊が
起こり火花放電が生じる可能性があり、信頼性に乏しい
。
有する樹脂成形品の縁部近くを含めた表面全体に良好な
コロナ放電処理を施すことのできる樹脂成形品のコロナ
放電処理方法を提供することにある。また、上記方法を
好適に実施するために用いるコロナ放電処理装置を提供
することにある。
印加する高電圧の波形を種々変更して実験を行ったとこ
ろ、他の条件が同じでも、波形の違いによって、常圧下
で火花放電を開始する電圧が異なり、かつ、表面処理に
有効なコロナ放電を行いうる波形条件が存在することを
見いだした。そして、火花放電を起こし難く、かつ、表
面処理に有効な波形条件を検討した結果、本願発明を完
成するに至ったものである。
脂成形品のコロナ放電処理方法は、三次元形状を有する
樹脂成形品を放電電極と対向電極の間に配置し、両電極
の間に高電圧を印加してコロナ放電を発生させることに
より、樹脂成形品の表面にコロナ放電処理を施す方法に
おいて、波高値が10〜100kV、パルス幅が1μs
以下、パルス頻度が10〜1000ppsの高電圧パル
スによりコロナ放電を発生させるようにすることを特徴
とする。
ナ放電処理装置は、対向して配置された放電電極および
対向電極と、放電電極と対向電極の間に高電圧を印加し
てコロナ放電を発生させる高電圧電源を備え、三次元形
状を有する樹脂成形品の表面にコロナ放電処理を施すコ
ロナ放電処理装置において、前記高電圧電源が、高電圧
直流を発生する電源供給部と高電圧直流を高電圧パルス
に変換するパルス形成部を備えていて、波高値が10〜
100kV、パルス幅が1μs以下、パルス頻度が10
〜1000ppsの高電圧パルスを発生する高電圧パル
ス電源であることを特徴とする。
リエチレンその他のポリオレフィン系樹脂など、コロナ
放電処理によって表面の特性を向上させることのできる
任意の樹脂からなるものが用いられる。前記ポリオレフ
ィン系樹脂は、極性基をもたないため、接着性や印刷性
が悪いという問題があり、これらの特性を向上させるた
めにコロナ放電処理が有効である。樹脂成形品の材料に
は、上記樹脂に加えて、ゴム材料や顔料、充填剤、酸化
防止剤、紫外線防止剤などの各種添加剤が、必要に応じ
て含まれるのは言うまでもない。
的に合わせて、凹凸部やリブあるいは開孔部など、任意
の三次元形状を有するものが用いられる。この発明は、
一部に開孔部が形成された樹脂成形品に対して良好な処
理効果が発揮できる。樹脂成形品の具体例としては、自
動車用のインストルメントパネルパッド(いわゆるイン
パネパッド)、バンパー、モール等が挙げられる。
樹脂成形品に対するコロナ放電処理装置の場合と同様で
よく、既知の電極構造が自由に採用できる。具体的には
、例えば、対向電極としては、樹脂成形品の内面形状に
対応する三次元形状を有し、樹脂成形品の内面に挿入さ
れて、樹脂成形品を保持しておけるものが用いられる。 対向電極と樹脂成形品は全面で密着していることが望ま
しいが、部分的に離れている個所があっても、それほど
問題ではない。対向電極と樹脂成形品が部分的に離れて
いる場合、その距離が10mm以下程度であれば、十分
にコロナ放電処理が可能である。対向電極の構造として
は、全体が導電性の素材からなるものであってもよいし
、例えばFRP等の絶縁性の材料からなる基材に対して
、その表面に薄い可撓性のある導体材料、例えば銅箔や
アルミテープなどを貼り付けた構造のものでもよい。
的に用いられる公知の形状の放電極が使用でき、例えば
、樹脂成形品の三次元形状を複数の断面で切断し、各切
断断面毎に、その断面形状に対応して端縁を切り欠いた
薄板状もしくは先端部分がナイフエッジ状の電極を、樹
脂成形品の各断面位置に、樹脂成形品の表面から一定の
距離だけ離して、多数並べて配置されたものが用いられ
る。また、針状の電極やブラシ状の電極を、樹脂成形品
の表面から一定の距離だけ離して多数並べたものも用い
られる。また、針状やブラシ状の電極を、前記の薄板状
もしくはナイフエッジ状の電極先端に取り付けた状態で
、前記同様に樹脂成形品の表面から一定の距離だけ離し
て多数並べたものも用いられる。
は、全体として一定であることが好ましく、また、その
距離は電極の形状や印加電圧などの条件によっても異な
るが、通常、5〜50mm程度の範囲に設定しておくの
が好ましく、より好ましくは10〜20mmに設定して
おくのが良い。また、樹脂成形品の場所による前記距離
のバラツキは、出来るだけ少ないほうが好ましいが、1
0mm以下程度のバラツキであれば、それほど影響はな
い。
対的に移動して、樹脂成形品全体に処理を行うものでも
よい。この相対移動には、樹脂成形品を固定しておき、
放電電極が水平方向に移動するもの、放電電極が水平方
向に移動しながら垂直方向にも移動するもの、あるいは
、放電電極が固定されていて、樹脂成形品および対向電
極が移動するもの、放電電極と樹脂成形品および対向電
極の両方が移動するものがある。但し、電気設備として
の安全上の観点からは、高電圧が印加される放電電極側
が固定されているほうが、より好ましい。移動手段は、
コンベア機構やシリンダ機構など、通常の機械装置にお
ける移動手段が採用できる。
向または垂直方向に一定の周期で揺動するようにしてお
けば、樹脂成形品の表面全体に均一なコロナ放電処理を
施すのに有効である。揺動の具体的条件としては、例え
ば、揺動ストロークが3〜60mm、揺動速度が40〜
400mm/分程度に設定することができる。具体的な
揺動ストロークや揺動速度は、樹脂成形品と放電電極の
幾何学的形状によって、適宜変更することができる。揺
動方向は、前後左右など多方向のほうが好ましいが、樹
脂成形品の長手方向など、1方向のみに揺動させるだけ
でも、十分な処理効果が得られる。揺動を行わせる手段
としては、偏心カム機構やクランク機構その他、通常の
機械装置における揺動手段が採用できる。
動手段によって、放電電極と対向電極の間の処理位置に
配置されるようになっていれば、樹脂成形品の配置を容
易に行える。移動手段は、各種のコンベア機構やリフト
機構などで構成できる。移動手段が、樹脂成形品を対向
電極とともに移動させるようになっていれば、樹脂成形
品の取扱いが容易である。
につながっている。高電圧パルス電源は、商用交流ある
いは直流などから、後述する特定の波形を有する高電圧
パルスを発生する装置であり、このような波形の変換を
行うパルス成形回路が組み込まれている。高電圧パルス
電源は、波高値が10〜100kV、パルス幅が1μs
以下、パルス頻度が10〜1000ppsの高電圧パル
スを発生できれば、具体的な回路の構造は任意に設定で
きる。具体的には、従来、インパルス高電圧発生器とし
て利用されている各種の回路構造あるいは装置であって
もよい。前記のような波形の高電圧パルスを発生させる
には、高電圧パルス電源として、通常の商用交流電源や
直流電源から高電圧直流を発生する電源供給部と、この
高電圧直流を高電圧パルスに変換するパルス形成部とで
構成されたものを用いるのが好ましい。
に示しており、以下、これらの図にしたがって説明する
。高電圧パルスの波形は回路定数によって変わり、通常
のインパルス高電圧発生回路では、単一方向性の波形、
臨界制動波形、減衰振動波形などを示すことが知られて
いる。図3に臨界制動波形、図4に減衰振動波形を模式
的に示す。この発明では、単一方向性波形、臨界制動波
形、減衰振動波形の何れであってもよいが、減衰振動波
形の場合には、前記したパルス幅などの条件は、第1波
に対して適用するものとする。
ルス、および、両方の波形が交互に出現する交番パルス
があり、この発明では何れのパルスも使用できる。但し
、交番パルスの場合、この発明で用いるようなパルス幅
の狭い高電圧パルスは、パルスを発生させること自体が
技術的に困難であり、また、耐圧上の問題などがあるの
で、電源回路の作製が困難であり、装置コストが高くつ
く。したがって、正極性パルスまたは負極性パルスのほ
うが、パルス幅の狭い高電圧パルスを容易に作製でき、
回路構成が簡単で経済的であり好ましい。また、フィル
ムに対するコロナ放電処理では、処理後のフィルム巻き
取りを容易にするために、対称な電圧波形を用いること
が望ましいが、三次元形状の樹脂成形品では、巻き取り
を行う必要はないので、対称な波形でなくても何ら問題
はない。
いる。波高値は、波形Wの電圧が0から上昇して下降す
る間の頂点までの高さHで規定される。但し、図2では
、縦軸の目盛りを、頂点の電圧を100%とする百分率
で示しているので、Hが直接電圧値を示しているのでは
ない。高電圧パルスの波高値が高い程、コロナ放電が発
生し易く、処理効果も高くなる。また、同じ処理程度で
よければ、電極間距離を大きくとれる。波高値が10k
V未満では、樹脂成形品の表面処理に有効なコロナ放電
が発生し難い。波高値が100kVを超えると、処理効
果の向上があまり認められないのに対し、高電圧の取り
扱いが困難で、電気設備技術基準などの法的規制も厳し
くなり、装置の耐圧構造が大がかりになり、装置の製造
コストが高くついたりするので、実用的でない。波高値
の好ましい範囲は、40〜80kVである。
おいて、波尾長(wave tail)と呼ばれている
値で規定する。波尾長は、簡単には、電圧値が0の状態
から上昇した後、最大値の1/2に下がるまでの時間T
2 ′で表される。より厳密には、図2に示す高電圧パ
ルスの波形において、電圧上昇過程で電圧30%の点X
1 と電圧90%の点X2 とを結んだ線の延長線が電
圧0%の線と交差する点X0 から、電圧が波高値Hの
50%に下降するまでの時間T2 が波尾長であると定
義されている。しかし、実際の測定においては、波形W
の原点0から電圧が波高値Hの50%に下降したところ
までの時間T2 ′を測定しても、前記T2 とそれほ
ど違わない。したがって、実用上は、T2 の代わりに
T2 ′でパルス幅を規定しても問題はない。
なり、この発明の効果が良好に発揮できる。パルス幅が
1μsを超えると、パルス波形の立ち上がりが遅くなる
ので、電子だけを有効に加速することができなくなり、
イオンの加速が多くなって、気体温度の上昇をまねき、
その結果火花放電が発生し易くなる。また、表面処理に
有効な酸素ラジカルや原子状酸素などの活性種は、高速
電子の作用で発生するので、電子を有効に加速できなけ
れば、処理効果も低下する。パルス幅が100ns未満
になると、パルス波形の発生回路の製造が困難になるの
で、生産現場に適用するには、実用上100ns以上で
行われる。パルス幅の好ましい範囲は、100〜700
nsである。
る。パルス頻度が10pps未満では、処理に長時間を
要し、実用的でない。パルス頻度が1000ppsを超
えると、通常の高電圧パルス電源では発生困難である。 但し、サイラトロンなどを高圧スイッチとして利用すれ
ば、1000pps以上のパルス頻度を実現することも
可能であるが、装置が高価になる。高電圧パルス電源の
パルス形成部に、前記サイラトロンに比べて技術的に簡
単な、球ギャップやロータリースパークギャップなどに
よるスイッチング方式を採用する場合には、パルス頻度
は、通常、50〜400pps程度である。したがって
、実用上、パルス頻度の好ましい値は約100〜200
pps程度となる。
ave front)を短くすることによって、波形の
立ち上がりを速くすることができる。その結果、前記し
たように、電子の加速が良好に行え、火花放電の防止、
および、処理効果の向上が果たせる。したがって、前記
パルス幅が同じであっても、波頭長が短いほうが好まし
い。なお、インパルス電圧波形の定義では、波頭長は、
図2で、前記X1 点とX2 点を結ぶ線の延長線が電
圧100%の線と交差する点X3 と前記X0 点との
間の時間間隔T1 であると定義されている。
の高電圧パルスを用いること以外は、通常の常圧下での
コロナ放電処理の場合と同様に行われる。例えば、樹脂
成形品の表面が汚れていれば、前処理で表面を洗浄して
おくと処理効果が向上する。コロナ放電処理を行う際に
、樹脂成形品の表面を、40℃以上で樹脂成形品の軟化
点以下の温度範囲で加温しておけば、処理効果が向上す
る。
沿って、薄板状もしくはナイフエッジ状の多数の放電電
極板を並べて処理を行う場合、全ての放電電極板に同時
に高電圧パルスを供給してコロナ放電をさせるのでなく
、隣接する放電電極板のうち、一方づつに交互に高電圧
パルスを供給してコロナ放電をさせるようにしてもよい
。この場合は、隣接する放電電極板同士の中間位置直下
の樹脂成形品表面に生じる処理が不十分な部分を無くす
ことができる。
従来の交流高周波に比べて、火花放電を開始する電圧が
高くなる。これは、次のような理由が考えられる。一対
の電極間に高電圧をかけたときには、まず、陰極側から
陽極側へ電子なだれが伸びていき、電子なだれが陽極に
到達すると、今度は、陽極側から陰極側へイオンストリ
ーマが伸びる。このイオンストリーマが、陰極に到達す
ると、電極間の絶縁が全路破壊されることになって、火
花放電が始まる。したがって、このような火花放電が開
始されるまでの段階、すなわち、イオンストリーマが陰
極に到達して全路破壊が生じるまでの段階で、電圧印加
を終了してしまえば、火花放電は起こらない。
けた場合には、電圧が急激に上昇し、かつ、急激に下降
して消滅することになる。電圧が急激に上昇することに
よって、前記した電子なだれの成長は迅速に行われ、コ
ロナ放電が発生するが、電子に比べれば、はるかに速度
の遅いイオンが電極間を移動して電極間の全路破壊が発
生するには時間がかかるので、火花放電が開始されるま
での段階で、電圧が消滅してしまうことになる。すなわ
ち、コロナ放電の発生は良好に行われるが、火花放電は
生じ難いのである。
なだれによって生成される酸素ラジカルや原子状酸素な
どの活性種に大きく影響されるので、電圧が急激に上昇
する高電圧パルスは、交流高周波に比べて、コロナ放電
処理の効率が良くなる。さらに、電圧が急激に上昇する
高電圧パルスは、コロナ放電の先端が延び易いことによ
り、交流高周波よりも広い面積を処理できることになる
。
でコロナ放電を発生させれば、三次元形状を有する樹脂
成形品の外周や開孔部の内周に存在する縁部の近くに電
極を接近させても、火花放電が生じる心配がない。その
結果、前記縁部の近くにも良好なコロナ放電処理を施す
ことが可能になり、三次元形状を有する樹脂成形品の全
表面に対して均一で良好なコロナ放電処理が行える。
生させる方法では、通常、その周波数を5〜30kHz
程度に設定しており、このことは、約5000回/秒以
上の頻度で正負の電圧が加わっていることになり、正負
の各々の最大電圧近傍でコロナ放電が起きるとして、パ
ルス頻度に換算すれば、10000pps以上というこ
とになる。パルス頻度が多いほど、処理効果が高いこと
は前記したとおりであるが、5000pps以上ものパ
ルス頻度で高電圧パルスを発生させることは技術的に極
めて困難である。しかし、この発明のように、パルス幅
の狭い高電圧パルスを用いれば、1パルス当たりの処理
能力が極めて高いため、パルス頻度が1000pps以
下であっても、コロナ放電処理の効果の点では、交流高
周波の場合と同等かそれ以上の処理効果を上げ得るので
ある。
を行う場合、放電電極と対向電極すなわち樹脂成形品を
相対的に揺動させておくと、処理の均一性が向上する。 これは、樹脂成形品に対して放電電極が静止した状態で
、放電処理を行うと、隣接する放電電極先端によって形
成された空間電荷が反発し合ったり、樹脂成形品の表面
に残る残留電荷が反発し合うため、両方の放電電極先端
の中間位置直下では、樹脂成形品表面の放電処理が不十
分になる可能性があるからである。前記した、従来の交
流高周波によるコロナ放電処理では、正負交互に電圧が
切り替わるので、空間電荷や樹脂表面の残留電荷が打ち
消され易いが、単一極性のパルスでは、空間電荷が形成
されたり、残留電荷が樹脂表面に残留することがある。 そこで、放電電極と樹脂成形品を相対的に揺動させれば
、隣接する放電電極先端の中間位置も揺動することにな
るので、前記空間電荷や残留電荷による処理不十分な部
分が無くなり、放電電極同士の中間位置直下を含む樹脂
成形品の表面全体に均一な放電処理が行える。
参照しながら以下に説明する。図1は、この発明にかか
るコロナ放電処理装置の模式的構造および基本的な回路
構成を示している。樹脂成形品10としては、ポリプロ
ピレンを主材とする自動車バンパーを用いている。樹脂
成形品10の一部には、車体への取り付けや他部品の取
り付けを行うために、開孔部12が形成されている。
状に対応する外形状を有し、FRPなどの樹脂材料から
なる基材の上に、銅箔やアルミテープなどの導電性材料
を貼り付けて形成されている。樹脂成形品10は、この
対向電極20に嵌合保持されている。対向電極20の材
料は、少なくとも表面に導電材料が存在していればよく
、上記構造以外にも、例えば、前記基材に導電性塗料が
塗布されたものでもよい。前記基材の材料も、前記FR
Pのほか、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、塩ビ
樹脂などの絶縁性材料を用いることができる。対向電極
20は支持部材22に支持されており、支持部材22は
、水平方向および垂直方向に移動自在になっている。 支持部材22の移動機構は図示を省略している。
が配置されている。放電電極30は、樹脂成形品10の
表面から一定の距離をあけて対面するように配置されて
いる。対向電極20と放電電極30には、配線を介して
高電圧パルス電源40が接続されている。高電圧パルス
電源40は、汎用の交流電源から高電圧直流を得る電源
供給部50と、電源供給部50から供給された高電圧直
流を高電圧パルスに変換するパルス形成部60とからな
る。電源供給部50は、通常の電源装置における昇圧回
路あるいはトランス回路を備えている。電源供給部50
から供給する高電圧直流の電圧は、50〜150kV程
度で良く、好ましくは70〜120kV程度に設定する
。パルス形成部60は、球ギャップ方式のパルス形成回
路を備えている。
部60の回路について簡単に説明する。電源供給部50
には充電抵抗52(抵抗値:約1〜10MΩ、好ましく
は約2MΩ程度)を有し、パルス形成部60には充放電
用コンデンサ64(コンデンサ容量:約1〜4nF、好
ましくは2〜3nF)、球ギャップ機構62、放電抵抗
66(抵抗値:25〜300Ω、好ましくは50〜10
0Ω)などを備えている。電源供給部50は、商用の動
力用交流(三相220V、50/60Hz)からトラン
ス回路や整流回路を経て、高電圧直流を得るようにして
いる。球ギャップ機構62は、例えば、直径120mm
の球を約5〜40mm離して対向させており、対向する
球の間で放電を起こさせて、スイッチング動作を行わせ
る。 対向する球の間隔、いわゆる球ギャップ間隙を調整する
ことによって、球ギャップでの放電開始電圧Vsが変わ
り、その結果、放電負荷系90に印加される高電圧パル
スの波高値も変えられる。球ギャップ機構62の周囲に
乾燥空気を供給しておくと、スイッチング動作を良好に
行わせることができる。このような回路で商用交流がパ
ルスに変換される作用は、従来良く知られており、詳し
い説明は省略する。
ス電源40では、パルス形成部60で得られる高電圧パ
ルスの波高値やパルス幅は、前記球ギャップ機構62や
充放電用コンデンサ64、放電抵抗66などの各回路素
子の特性だけでなく、放電電極30−樹脂成形品10−
対向電極20からなる放電負荷系90の静電容量や抵抗
、あるいは、放電負荷系90を含む放電回路全体の浮遊
容量、浮遊リアクタンスなどの影響を受ける。また、コ
ロナ放電現象自体が動的な現象であって、非線型的挙動
をするため、線型回路理論にもとづく過渡現象論では正
確に記述し難い側面がある。例えば、パルス幅は、充放
電用コンデンサ64の容量と放電抵抗66の抵抗値など
に影響を受け、パルス波高値は、球ギャップ放電開始電
圧VS および充放電用コンデンサ64の容量、放電負
荷系の静電容量の影響を受けるなどである。したがって
、高電圧パルス電源40で、所望のパルス波形を得るに
は、コロナ放電処理を行う樹脂成形品10および放電電
極30、対向電極20の構造や材質によって、各回路素
子の特性やその組合せを適当に選択する必要がある。
荷系90での放電電圧すなわち波高値40〜60kV、
パルス幅200〜500ns程度のパルスが得られ、こ
のパルスを40〜100pps前後のパルス頻度で、放
電電極30と対向電極20の間に印加してコロナ放電を
発生させることができる。そして、樹脂成形品10に対
して、20〜120秒程度の処理を行えば、良好な表面
処理が行われる。具体的には、樹脂成形品10の表面に
塗装を行った場合の塗膜剥離強度が1.0kg/cm
以上になることが確かめられている。
ス形成部60の回路構成は、基本的な機能を説明するた
めのものであり、同様の機能が実現できれば、必ずしも
、このような回路である必要はない。図5および図7は
、放電電極30および対向電極20の具体的構造を示し
ている。
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、塩ビ樹脂などからなる絶縁
性の電極支持板33が、一定間隔毎に複数枚取付固定さ
れている。電極支持板33の設置間隔は、通常、20〜
40mm程度に設定しておけば良い。電極支持板33の
片面に導電性の放電電極板34が設けられ、放電電極板
34はターミナル35を介して給電ライン31、32と
電気的に接続されている。隣接する電極支持板33の放
電電極板34は、左右の給電ライン31、32に交互に
接続されている。放電電極板34の端縁が、それぞれの
位置で対向する樹脂成形品10の断面形状に合わせて、
凹形状に切り欠かれており、放電電極板34と樹脂成形
品10の表面との間の距離が、どの位置でもほぼ一定に
なっている。放電電極板34と樹脂成形品10の距離は
、約10〜30mm程度に設定しておけばよい。
に示すように、放電電極板34に、針状またはブラシ状
の放電極39を約20mm毎に取り付け、ブラシ状等の
放電極39の先端と樹脂成形品10の表面との距離が一
定になるような構造であってもよい。対向電極20は、
樹脂成形品10の内面形状にぴったりと嵌入されるよう
に設けられている。
の放電電極板34の中間位置直下に、空間電荷や樹脂成
形品表面の残留電荷による処理不十分な部分が残るのを
防ぐことができる。図8に模式的に示すように、隣接す
る放電電極板34の中間位置には、両側の放電電極板3
4、34によって形成される空間電荷や樹脂成形品上の
残留電荷が反発し合うので、約1〜2mm幅程度の処理
不十分な部分dが生じる可能性がある。放電電極板34
、34の間隔が狭いほど、空間電荷や残留電荷の反発が
大きくなる。したがって、放電電極板34、34を近づ
けると、余計に処理不十分な部分dが顕著になる。
イン31、32に接続された放電電極板34のうち、片
方の給電ライン31に接続された放電電極板34aのみ
に高電圧パルスを印加して放電させる。すなわち、複数
の放電電極板34のうち、ひとつ置きの放電電極34a
が放電することになる。そうすると、前記同様に、放電
電極板34aと34aの中間位置には処理不十分部eが
残る。但し、この場合は、放電電極板34aと34aの
間隔が広いので、空間電荷や残留電荷の反発はそれほど
強くなく、処理不十分部eでは他部分に比べて処理が弱
い程度になる。この処理不十分部eは、他方の給電ライ
ン32に接続された放電電極板34bの真下に位置して
いる。
電ライン31には高電圧パルスを印加せず、他方の給電
ライン32のみに高電圧パルスを印加して、前回放電さ
せなかった放電電極板34bのみを放電させれば、放電
電極板34bの真下になる前段階での処理不十分部eに
も、十分な処理が施される。このようにして、放電電極
板34、34の間に処理不十分部eが全く残らず、樹脂
成形品10の全体に均一なコロナ放電処理が行える。こ
の方法を採用すれば、放電電極30と対向電極20およ
び樹脂成形品10を揺動させなくても、均一な処理が行
える。また、この方法と揺動を組み合わせることもでき
る。
向電極20側すなわち樹脂成形品10を、放電電極30
に対して相対的に揺動させれば、均一な処理が行えるこ
とは言うまでもない。また、揺動を行って処理する場合
は、給電ラインが2本である必要はなく、1本であって
も何らさしつかえない。さらに、揺動を行うとともに、
前記2本の給電ライン31、32で同時に給電する場合
、あるいは、1本の給電ラインで給電する場合には、電
極支持板33が絶縁材料で形成されていなくてもよく、
放電電極板34と同じ導電性材料からなるものであって
もよい。この場合には、電極支持板33と放電電極板3
4を一体化して放電電極30を構成することができ、構
造が簡単になる。
ロナ放電処理方法と、従来の交流高周波を用いるコロナ
放電処理方法について、その性能を比較した。その結果
は以下のとおりであった。
電極30の間に樹脂成形品10を配置し、高電圧パルス
電源もしくは高電圧交流高周波電源4で、放電電極30
と対向電極20の間に高電圧を印加してコロナ放電を発
生させ、樹脂成形品10にコロナ放電処理を施す。この
とき、火花放電を起こさずに、良好なコロナ放電処理が
行える状態で、放電電極30と対向電極20が最も接近
できる距離を、放電電極30の先端から樹脂成形品10
の表面に沿って対向電極20までの距離hとして測定し
た。印加電圧を変えて、測定を繰り返した。
が同じ条件では、交流高周波を用いた比較例に比べて、
パルスを用いたこの発明の実施例のほうが、はるかに最
接近距離hが短くなっており、樹脂成形品10の縁部に
近い位置まで、良好なコロナ放電処理が行えることが実
証された。また、交流高周波を用いた比較例では、電源
の性能上、印加電圧を30kV以上に上げることが困難
であったが、パルスを用いたこの発明の実施例では、印
加電圧を60kV近くまで容易に上げることができた。 したがって、高電圧パルスを用いることによって、処理
効果を高め、より効率的にコロナ放電処理が行えること
も確認された。
この発明の方法で、以下のごとく、ポリプロピレン製の
自動車バンパーに対してコロナ放電処理を行った。 <供試材料> 自動車用ポリプロピレン製フロントバンパーコロナ放電
処理前に、下記条件で脱脂洗浄を行った<脱脂洗浄条件
> 処理剤:サーフクリーナー53SR(日本ペイント(株
)製、樹脂用水系洗浄剤) 処理条件:60〜65℃×2分、スプレー圧力1kg/
cm2湯洗40℃×2分、強制乾燥80〜90℃×20
分程度<コロナ放電処理条件> 温湿度:19℃、76% 印加電圧:球ギャップ放電開始電圧Vs=80kV、直
流設定電圧Vin=120kV、(Vin:制御盤パネ
ルに表示される電源供給部の直流高電圧値) パルス波高値:H=54kV パルス幅:T2 ′=400ns パルス頻度:100pps 放電時間:上記直流設定電圧で30秒間放電揺動:バン
パー長手方向に4mmのストロークで往復させた。
電極板34の縁部に、多数のブラシ状放電極39を植え
付けた。放電電極板34のピッチは20mmであった。 給電は、給電ライン31、32ともに同時に給電した。 対向電極:FRP製の本体に銅箔、アルミテープ、テフ
ロン(デュポン社の商標)テープを張って作製した。
距離:約10mm 充放電コンデンサ容量:2.4nF 充電抵抗:6MΩ 放電抵抗:25Ω 球ギャップ間隔:35mm 乾燥空気供給圧力0
.5kgf/cm 1次側入力電流:10.0A(3相220V)バンパー
温度:室温(19℃)で放電処理実施上記のような処理
条件でコロナ放電処理を行ったところ、良好なコロナ放
電が発生し、火花放電の発生は認められなかった。
ナ放電処理を行い、それぞれに塗装を施した。 <塗装・焼付条件>塗装時期:表面処理されたバンパー
を一定期間放置しておき、処理直後、24時間後または
1週間後に塗装を行った。
で50〜80%であった。 塗料:R−271ホワイト(NBC社製)テンシロン評
価用膜厚…100〜200μm(専用プライマは不使用
) 焼付乾燥:90℃×40分 このようにして、塗装焼付後、24時間室内に静置した
のち、テンシロン剥離試験を行ったところ、下表のよう
な結果が得られた。
ら剥離せず、テンシロン測定ができなかったことを示す
。測定点A〜Dは、バンパーの平坦部および端部、開孔
部の縁部などを含む複数個所に設定した。また、テンシ
ロン剥離試験が、形状的に不可能な部位については、ク
ロスカット1mm幅のセロテープゴバン目剥離試験を行
い、この試験でも剥離しないことを確認した。
ロナ放電処理方法で、火花放電を発生させることなく、
樹脂成形品の前記縁部を含む全体に均一で良好なコロナ
放電処理が行えることが確かめられた。また、放電処理
後、1週間経過しても、放電処理による塗膜付着性向上
の効果が保持されていることも確かめられた。−実施例
3−この実施例では、放電電極30の構造および動作の
違いにもとづく、処理効果の違いを比較した。但し、揺
動距離が大きいため、バンパー1本処理用の中央部分だ
けの放電極を用い、両側部分に相当する放電極は取り外
して行った。
の放電電極の電極板について、下記のような使用条件で
放電処理を行った。 (I) 図9において、放電電極板34aのみを用い
た。 (II) 図9において、放電電極板34aのみを用
いるとともに、対向電極20全体を水平方向に50mm
揺動させた。(揺動速度300mm/分) (III) 図8のように、放電電極板34a、34
bを同時に用いた。
34a、34bを同時に用いるとともに、対向電極20
全体を水平方向に50mm揺動させた。(揺動速度30
0mm/分) (V) 図9において、放電電極板34aと放電電極
板34bを切り換えて、交互に放電させた。放電時間は
、放電電極板34aと34bのそれぞれの放電時間を合
計した時間で示している。
0表面との距離は10mmであった。放電電極板34の
取付ピッチは16mmであった。したがって、1組の放
電電極板34aまたは34bのみを放電させたときのピ
ッチ間隔は32mmとなる。球ギャップ放電開始電圧V
s は70kV、直流設定電圧Vinは80kVであっ
た。処理時間は、15、30、60秒で実施した。
、塗膜の剥離強度を測定した。図12に試験結果を示し
ている。この試験結果において、(I)と(II)、あ
るいは、(III)と(IV) を比べれば、対向電極
20を揺動させることによって、処理効果が向上するこ
とが判る。(III)において、グラフが下方に突き出
した部分は、局部的に処理が低い部分が残っていること
を示している。この(III)と(V)を比べれば、放
電電極板34aと34bを切り換えて交互に放電させる
ことによって、局部的に処理が不十分になる部分を無く
し、均一な処理が可能になることが判る。
10を加温しておくことの効果を確認した。前記実施例
2とほぼ同様の処理条件でコロナ放電処理を行った。但
し、球ギャップ放電開始電圧Vsは70kV、直流設定
電圧Vinは80kVであった。また、コロナ放電処理
を行う前に、樹脂成形品10を加温して、40〜50℃
に昇温させておいた。コロナ放電処理を終了した段階で
、樹脂成形品10の温度は25〜35℃であった。比較
のため、加温を行わない常温(14〜24℃)の樹脂成
形品10に対しても同様のコロナ放電処理を行った。同
時に、対向電極20の表面材料の材質を種々変えて処理
を行った。放電処理を終えた樹脂成形品10に、実施例
2に示した塗料および焼付条件で塗装を行い、24時間
後にテンシロン剥離試験を行った。
結果をみれば、樹脂成形品10を加温しておくことによ
って、処理効果が向上することが判る。また、対向電極
20の導電材料の材質にはあまり影響されないことも判
る。このように、加温によって処理効果を向上できるの
は、温度が高いほうが、処理に伴う化学反応が促進され
ることや、処理の障害となる水分が除去されることなど
によるものと考えられる。
処理を行う前に、樹脂成形品10を洗浄しておくことの
効果を確認した。基本的な処理条件は、前記実施例2と
同様に行った。具体的な洗浄手段としては、トリクロル
エタン(TCE)による蒸気洗浄を30秒で2回繰り返
す方法、花王フォーミング(商品名:花王製、市販洗浄
剤)を用いたスポンジタワシによる手ぶき脱脂を行う方
法、サーフクリーナー(商品名:日本ペイント製、樹脂
用水系洗浄剤)による洗浄を60℃で2分間行う方法を
適用した。その結果、何れの方法でも、コロナ放電処理
後の樹脂成形品に塗装を施して、その塗膜剥離強度を測
定したところ、洗浄しないものよりも大幅に強度が向上
することが確認された。
形品のコロナ放電処理方法および装置によれば、前記し
たような波形の高電圧パルスを用いてコロナ放電を発生
させることにより、火花放電が起こり難くなり、樹脂成
形品の縁部により近い位置まで放電電極を接近させるこ
とが可能になる。その結果、従来の方法では、十分なコ
ロナ放電処理が行えなかった樹脂成形品の縁部に対して
も、十分なコロナ放電処理が行え、樹脂成形品全体に均
一で良好なコロナ放電処理が行える。また、従来の方法
に比べて、より高い電圧をかけても火花放電が起こり難
くなるので、印加電圧を高めて、より強い処理効果を上
げたり、より短時間で能率的に処理を行うことが可能に
なり、三次元形状の樹脂成形品に対するコロナ放電処理
の能率向上、性能アップに大きく貢献することができる
。
成図
図
】 パルス波形の別の具体例を示す波形図
放電電極および対向電極の具体的構造を示す断面図
面図
明図
示す説明図
試験の実施方法を示す概略説明図
図12】 この発明における電極構造・動作の違いに
よる性能比較結果を示すグラフ
果を示すグラフ
Claims (2)
- 【請求項1】 三次元形状を有する樹脂成形品を放電
電極と対向電極の間に配置し、両電極の間に高電圧を印
加してコロナ放電を発生させることにより、樹脂成形品
の表面にコロナ放電処理を施す方法において、波高値が
10〜100kV、パルス幅が1μs以下、パルス頻度
が10〜1000ppsの高電圧パルスによりコロナ放
電を発生させるようにすることを特徴とする樹脂成形品
のコロナ放電処理方法。 - 【請求項2】 対向して配置された放電電極および対
向電極と、放電電極と対向電極の間に高電圧を印加して
コロナ放電を発生させる高電圧電源を備え、三次元形状
を有する樹脂成形品の表面にコロナ放電処理を施すコロ
ナ放電処理装置において、前記高電圧電源が、高電圧直
流を発生する電源供給部と高電圧直流を高電圧パルスに
変換するパルス形成部を備えていて、波高値が10〜1
00kV、パルス幅が1μs以下、パルス頻度が10〜
1000ppsの高電圧パルスを発生する高電圧パルス
電源であることを特徴とする樹脂成形品のコロナ放電処
理装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09881891A JP3165460B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | 樹脂成形品のコロナ放電処理方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09881891A JP3165460B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | 樹脂成形品のコロナ放電処理方法および装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04328135A true JPH04328135A (ja) | 1992-11-17 |
| JP3165460B2 JP3165460B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=14229899
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09881891A Expired - Lifetime JP3165460B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | 樹脂成形品のコロナ放電処理方法および装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3165460B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5371649A (en) * | 1992-06-10 | 1994-12-06 | Nippon Paint Co., Ltd. | Method and apparatus for corona discharge processing |
| WO2021020427A1 (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-04 | 株式会社ユポ・コーポレーション | エネルギー変換フィルム、エネルギー変換素子及びエネルギー変換フィルムの製造方法 |
-
1991
- 1991-04-30 JP JP09881891A patent/JP3165460B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5371649A (en) * | 1992-06-10 | 1994-12-06 | Nippon Paint Co., Ltd. | Method and apparatus for corona discharge processing |
| WO2021020427A1 (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-04 | 株式会社ユポ・コーポレーション | エネルギー変換フィルム、エネルギー変換素子及びエネルギー変換フィルムの製造方法 |
| JPWO2021020427A1 (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-04 |
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| JP3165460B2 (ja) | 2001-05-14 |
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