JPH04356191A - リン脂質の製造法 - Google Patents
リン脂質の製造法Info
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- JPH04356191A JPH04356191A JP19482991A JP19482991A JPH04356191A JP H04356191 A JPH04356191 A JP H04356191A JP 19482991 A JP19482991 A JP 19482991A JP 19482991 A JP19482991 A JP 19482991A JP H04356191 A JPH04356191 A JP H04356191A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリン脂質の製造法に関し
、更に詳しくは、微生物乾燥菌体により脂肪酸構造が変
換もしくは加水分解されたリン脂質を製造する方法に関
する。リン脂質は、単に乳化剤や界面活性剤に用い得る
のみならずリポソームの基材として薬剤運搬体、人工血
液、人工細胞、あるいは免疫診断等への応用が近年注目
されており、また、それ自体生理活性・薬理活性を持つ
ものとして、医学・薬学・工学分野等において様々な用
途が考えられている。このような多様な要求に対応する
ために、種々の用途に応じた構造を有するリン脂質を効
率良く製造する方法を開発することは、産業上非常に意
義あることである。 【0002】 【従来の技術】従来、このようなリン脂質を製造する方
法としては、膵臓由来あるいは微生物由来の精製リパー
ゼや、キャベツ由来、膵臓由来、あるいは微生物由来の
種々の精製ホスホリパーゼ酵素を直接あるいは固定化等
を行って反応させる方法が提案されている(特開昭63
−42691、同63−44893、特開平1−153
090、同2−35093、同2−49593)。 【0003】しかし乍ら、このような菌体外酵素を使用
する場合、酵素精製プロセスに要するコストが高く、リ
ン脂質製造プロセスの工業化に際して、どうしても酵素
コストが割高になってしまい、経済的に大きな課題とな
っている。更に、酵素をセライト等の担体に固定化する
方法は反応物質が担体上の酵素まで拡散しにくく、特に
担体の細孔内に吸着された酵素は反応には実質的に関与
せず、有効に働く酵素が減少する等の問題があり、企業
化を企てる上で大きな障害となっている。また、ゲル化
剤等による包括固定化法は固定化の操作が複雑で、しか
も拡散律速による反応速度の低下等の不都合な点が多く
、改善が望まれている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、脂質分解酵
素を有する乾燥菌体を直接反応に供することにより、こ
れらの欠点を改善し、高収率で目的物が得られるリン脂
質内脂肪酸の、エステル交換反応又は加水分解反応法を
提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、エステ
ル結合している脂肪酸構造が変換又は加水分解されたリ
ン脂質を製造するにあたり、変換反応の場合は原料リン
脂質と受容体とを、加水分解反応の場合は原料リン脂質
を、脂質分解酵素を有する微生物乾燥菌体に接触させて
反応を行うことを特徴とするリン脂質の製造法を内容と
するものである。 【0006】本発明において用いられる原料リン脂質と
しては、脂質分解酵素の基質となり得るものであれば、
天然から抽出したもの、又は抽出後精製したもの、ある
いは合成したものの如何を問わず使用できる。また、市
販のもの、あるいは公知の方法で調製したものを使用し
てもよい。例えば、脱脂大豆レシチン、卵黄レシチン、
ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロー
ル等、又はそれらの混合物等が挙げられる。本発明の効
果を最大に発揮するためには、原料リン脂質として精製
したもの、ないしは組成の単純なものを用いた方が純粋
な反応生成物が得られる面で都合が良い。また、原料コ
ストと入手の容易さ及び酵素に対する反応性の面から、
特にホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノール
アミンまたはホスファチジルセリンが工業的に好ましい
。 【0007】本発明のエステル交換反応における受容体
は、目的によって任意に選択でき、特定の構造のアシル
基を有するリン脂質を得る場合は、それに応じた脂肪酸
もしくは脂肪酸低級アルコールエステルを使用する。こ
こで脂肪酸の低級アルコールエステルとは、脂肪酸と炭
素数1−6の直鎖飽和一価アルコールのエステル化合物
をいう。例えば生理活性の高いホスファチジルコリンを
得るにはリノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン
酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸等の高度不飽和
脂肪酸やそれらの脂肪酸エステルが使用できる。また重
合性を有するホスファチジルコリンを得るためには10
,12−オクタデカジエン酸等の重合性を有する脂肪酸
を使用する。その他アルコール類、例えばメタノール、
エタノール、プロパノール等の低級アルコール類やオク
チルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルア
ルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアル
コール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、あ
るいはメチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、
エタノールアミン、アニリン等のアミン類についても使
用できる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用い
られる。 【0008】反応は、原料リン脂質を溶解又は懸濁する
有機溶媒の存在下で行うことが好ましく、微生物酵素を
失活させることの少ない溶媒系であればいずれも使用で
きる。例えば、石油エーテル、ジエチルエーテル、メチ
ルエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオ
クタン、酢酸エチル、ジオキサン、ベンゼン等の溶媒、
又はこれらの混合溶媒系、又はこれらにアセトン、アセ
トニトリル等の極性溶媒を混合した混合溶媒系が挙げら
れる。ただし、前述のごとくアルコール類は目的反応の
基質となるため、基質として添加する以外に用いること
はあまり好ましくない。 【0009】本発明において用いられる微生物としては
、リパーゼ及び/又はA1 ,A2 ,B等のホスホリ
パーゼを生成するものであれば全て用いることができる
が、代表的なものとしてリゾプス(Rhizopus)
属、アスペルギルス(Aspergillus)属、
シュードモナス(Pseudomonas)属、ムコー
ル(Mucor)属、キャンディダ(Candida)
属、ペニシリウム(Penicillium)属、クロ
モバクテリウム(Chromobacterium)属
、ストレプトマイセス(Streptomyces)
属、ストレプトバーチシリウム(Streptover
ticillium)属、ミクロモノスポラ(Micr
omonospora) 属、ノカルディア(Noca
rdia) 属、ノカルディオプシス(Nocardi
opsis) 属、アクチノマヂューラ(Actino
madura) 属等に属する微生物を挙げることがで
きる。より具体的には、リゾプス・ジャパニカス(Rh
izopus japonicus, IFO 475
8) 、リゾプス・デレマー(Rhizopus de
lemar, IFO 4697) 、アスペルギルス
・ニガー(Aspergillus niger,IF
O 4066)、シュードモナス・フルオレッセンス(
Pseudomonas fluorescens,
IFO 3081)、ムコール・ミーハイ(Mucor
miehei, ATCC 16457) 、キャン
ディダ・ルゴサ(Candida rugosa, A
TCC 10571) 、ペニシリウム・サイクロピウ
ム(Penicillium cyclopium,
IFO 5847)、クロモバクテリウム・ビスコサム
(Chromobacterium viscosum
, ATCC 6918)、ストレプトマイセス・メデ
ィオシディカス(Streptomyces medi
ocidicus, IFO13202) 、ストレプ
トバーチシリウム・シンナモネウム(Streptov
erticillium cinnamoneum s
ubsp. cinnamoneum, IFO 12
852)、ストレプトバーチシリウム・ハチジョーエン
セ(Streptoverticillium hac
hijoense, IFO 12782) 、ミクロ
モノスポラ・チャルセア(Micromonospor
a chalcea, ATCC 12452) 、ノ
カルディア・メディテラーネイ(Nocardia m
editerranei, IFO 13142) 、
ノカルディオプシス・ダソンビレイ(Nocardio
psis dassonvillei, IFO139
08) 、アクチノマジューラ・リバノチカ(Acti
nomadura libanotica, IFO
14095) 等が挙げられ、これらは単独又は2種以
上組み合わせて用いられ、更にこれらの他にも公知の微
生物が適用される。 【0010】上記微生物を反応の触媒として効率良く作
用させるには、微生物内に脂質分解酵素を多量に含有さ
せる培養方法、及び菌体内脂質分解酵素を受容体と接触
し易く、しかも活性をできるだけ低下させない乾燥条件
が重要となる。 【0011】培養に用いる培地としては、微生物の培養
に通常用いられるものが広く使用され得る。炭素源とし
ては同化可能な炭素化合物、例えばブドウ糖、ショ糖、
乳糖、麦芽糖、でんぷん、デキストリン、糖蜜、グリセ
リン等や炭化水素類が単独又は2種以上組み合わせて使
用される。窒素源としては利用可能な窒素化合物であれ
ばよく、特にコーンスチープリカー、大豆粉、小麦グル
テン、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、麦芽エキス、
カゼイン加水分解物等の有機化合物が好ましく、これら
は単独又は2種以上組み合わせて用いられる。その他、
リン酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、
マンガン、亜鉛等の塩類が必要に応じて単独又は2種以
上組み合わせて使用される。 【0012】培養温度は、菌が発育し脂質分解酵素を生
産する範囲内で適宜採用し得るが、通常15−40℃が
好適である。培養時間は条件によって異なり、菌体内脂
質分解酵素活性が最大となる時点で培養を終了すればよ
く、通常は1−6日程度である。 【0013】また、本発明においては、多孔質体からな
る微生物保持体と共に培養を行い、該保持体に微生物を
付着・増殖させ、得られた菌体を使用することができる
。このような方法においては、保持体の材料表層付近に
生物膜状菌体が形成され、これにより、本発明者らの検
討結果によれば、固定化された菌体内の脂質分解活性及
び安定性は、固定化しないものに比べて上昇する。しか
も、このような微生物保持体に固定化された微生物を用
いれば、連続生産や繰り返し回分生産などの反応システ
ムの構築が容易であり、生産性を大幅に向上させること
ができ、工業的に極めて好都合である。 【0014】上記微生物保持体としては、微生物の持つ
粘着力、吸着力により微生物の吸着増殖を可能ならしめ
る任意の材料が適用できる。例えば、高分子多孔質材料
としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン系;ブタジエンまたはイソプレンなどのジエン
系;ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、アクリル
アミドまたはポリスチレンなどのビニル系重合体;ポリ
エーテル、ポリエステル、ポリカーボネートまたはポリ
アミド等の縮合系;ポリウレタン、シリコン及びフッ素
系樹脂などの材料、また無機材料としては、セラミック
ス、ガラス、活性炭、及び多孔質金属や金属加工材料;
有機材料としてはセルロース、あるいはセルロースに化
学処理を施したメチルセルロース、エチルセルロース、
ハイドロプロピルセルロース等が適用できる。いずれの
材料においても該保持体に微生物を良好に固定化させる
ため、空隙率が60−99%、孔の径が2−2000μ
mの範囲にある多孔質材料や、空隙率が60−99%で
ある金属加工材料等を使用するのが好ましい。 【0015】このような種々の保持体は、微生物の種類
及び培養条件等によって適宜選択でき、形状については
、例えば球状、ブロック状あるいはシート状等に加工し
て使用することができる。寸法については、微生物の種
類、培養条件、反応器の種類等によって適宜決定される
が、球状であれば直径が概ね1−100mm、ブロック
状のものであれば一辺が概ね1−100mmのものが使
用される。また、微生物を上記保持体に固定化させるに
は、通常公知の回分、半回分、連続培養法等を用いて容
易に達成される。 【0016】上記の如く得られた菌体から水分を除去す
る方法としては、原則的には酵素が失活しない温度で乾
燥すればよいが、乾燥速度からは40−60℃が好まし
い。ここで単に水分を蒸発させる方法では細胞組織の収
縮が起こり非常に堅くなり、組織内の脂質分解酵素と外
界との接触が断たれ活性を発現することが困難となる。 従って、菌体を乾燥させるには細胞組織の収縮を伴わな
い方法を採用するのが好ましい。このため、水溶性溶媒
、例えばアセトン又はメタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等の低級アルコール類中に菌体を浸して組織
内を溶媒に置換した後、溶媒を蒸発させる方法により、
細胞組織の収縮を抑えて乾燥菌体を得ることができる。 この場合、乾燥方法としては真空乾燥、凍結乾燥、低温
乾燥等の公知の乾燥法が使用できる。更に、菌体を溶媒
に浸す前に5重量%以下のグルタールアルデヒド水溶液
に浸して細胞組織を固定化することにより、細胞組織の
収縮を効果的により抑えることができる。このような方
法にて得られた菌体の水分は、通常1−20重量%の水
分含量に調製される。 【0017】このようにして調製された乾燥菌体を反応
物質、即ち、原料リン脂質又は原料リン脂質と受容体の
混合物中に懸濁させ反応させるが、交換反応の場合は反
応混合物中の水分濃度を低濃度にするのが好ましく、水
分量は好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量
%以下に制御される。加水分解の場合は、特に低濃度に
保つ必要なく、好ましくは5重量%以上であればよい。 【0018】反応温度は用いる菌体内酵素の至適温度付
近が好ましく、通常20−60℃の範囲である。ただし
、用いる溶媒が低沸点のものである場合等は、この限り
ではない。反応時間については回分法の場合は概ね0.
5−40時間、半回分法や連続法においても、この反応
条件に見合った反応時間を設定することにより、目的と
する反応を行わせることができる。また反応様式として
は、容器に入れた溶媒中に微生物菌体を分散、懸濁し接
触反応させればよく、回転攪拌や超音波による攪拌方法
、カラム等に充填する方法、気泡塔型反応器等によって
流動させる方法等のあらゆる形式の反応様式が適用でき
る。 【0019】 【本発明の効果】叙上の如く、乾燥菌体を調製すること
によって、初めてリン脂質のエステル交換反応、もしく
は加水分解反応に使用することができ、このような菌体
内酵素によってリン脂質のエステル交換反応、又はリン
脂質のアシル基の加水分解反応を成功させたのは本発明
が最初である。本発明は、培養された微生物の菌体内酵
素を効率良く利用するものであり、従って従来法の課題
である酵素の抽出や精製工程を省略し、直接リン脂質の
製造反応に応用するものである。従って、本発明によれ
ば、反応に使用する酵素のコストが大幅に低減でき、高
収率で所望のリン脂質を得ることができる。更に、多孔
質の微生物保持体に固定化された乾燥菌体を使用すれば
、菌体内の脂質分解酵素がより効果的に安定化され、し
かも連続あるいは繰り返し回分反応方法が適用できるの
で生産性が著しく向上する。 【0020】 【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 尚、実施例1,2,5,6においてはリン脂質の組成分
析、純度検定は高速液体クロマトグラフィー(HPLC
)にて行った。固定相には、シリカゲルにアミノプロピ
ル基を化学結合させたカラムを、また、移動相溶媒とし
ては、アセトニトリル:メタノール:10mMリン酸二
水素アンモニウム=612:289:100の混合溶媒
系をそれぞれ用い、205nmにおける吸収を測定する
ことにより定量を行った。また、実施例3,4,7にお
いては逆相HPLCによってリン脂質のアシル基の構造
の決定及び定量を行った。 【0021】実施例1 リゾプス・デレマー IFO 4697 を、グルコー
ス 0.5%(重量%、以下同じ)肉エキス 1.
5%、ペプトン 0.75%、NaCl 0.3%
、MgSO4 0.1%を含む培地(pH5.6)で、
温度30℃、約2日間振盪培養した。得られた菌体を2
回水洗し、次いでアセトンに浸漬した後濾過し、次いで
常温にて真空乾燥した。かくして得られた乾燥菌体の水
分含量は約4%であった。密栓した試験管に、ホスファ
チジルコリン(和光純薬製)20mg、ジエチルエーテ
ル5ml、0.1Mトリス−塩酸バッファー(pH8.
0)5ml、乾燥菌体50mgを加え30℃にて5時間
加水分解反応させた。反応終了後、反応液をHPLCに
て分析し、各リン脂質量を決定した。分析の結果、リゾ
ホスファチジルコリンのリゾ化率(全リン脂質中のリゾ
リン脂質の割合、即ち原料ホスファチジルコリン量に対
する生成したリゾホスファチジルコリン量の百分率)は
92%であった。 【0022】実施例2 実施例1で使用した微生物の代わりに、ストレプトマイ
セス・メディオシディカス IFO 13202、スト
レプトバーチシリウム・シンナモネウム IFO 12
852、ミクロモノスポラ・チャルセア ATCC 1
2452 、ノカルディア・メディテラーネイ IFO
13142、ノカルディオプシス・ダソンビレイ IF
O 13908、アクチノマジューラ・リバノチカ I
FO 14095を使用し、培地をグルコース 1.
0%、肉エキス 0.75%、ペプトン 0.75
%、NaCl 0.3%、MgSO4 0.1%(p
H7.0)を含む培地とした以外は、実施例1と全く同
様に行った。分析の結果、ホスファチジルコリンのリゾ
化率はそれぞれ70%、78%、23%、48%、37
%、15%であった。 【0023】実施例3 リゾプス・デレマー IFO 4697 を使用して、
実施例1の培地からグルコースを除き、オレイン酸2%
を加えて培養し、他は実施例1と全く同様の方法により
乾燥菌体を得た。密栓した試験管にリン脂質20mg、
脂肪酸40mg、ジエチルエーテル10ml、乾燥菌体
50mgを加え、30℃にて5時間エステル交換反応さ
せた。ここで、リン脂質としては2種類のホスファジル
コリン(和光純薬製、旭化成製)を用いた。また脂肪酸
としてはミリスチン酸、オレイン酸、γ−リノレン酸及
びオレイン酸メチルを用いた。それぞれの反応の分析の
結果を表1に示す。表中のエステル交換率とは、原料リ
ン脂質量に対する、アシル基がエステル交換された生成
リン脂質量の百分率である。 【0024】 【表1】 【0025】第1表から、いかなる原料リ
ン脂質と受容体との組み合わせでも、エステル交換反応
がおこることがわかる。 【0026】実施例4 実施例1で使用した微生物の代わりに、アスペルギルス
・ニガー IFO 4066 、シュードモナス・フル
オレッセンス IFO 3081 、ムコール・ミーハ
イ ATCC 16457 、キャンディダ・ルゴサ
ATCC 10571 、ペニシリウム・サイクロピウ
ム IFO 5847 、クロモバクテリウム・ビスコ
サム ATCC 6918を使用し、培地をオリーブオ
イル 2.0%、肉エキス 0.75%、ペプトン
0.75%、NaCl 0.3%、MgSO4
0.1%(pH6.5)を含む培地とした以外は、実施
例1と全く同様に行ない、それぞれの乾燥菌体を得た。 密栓した試験管にホスファチジルコリン(旭化成製)2
0mg、オレイン酸40mg、ヘキサン10ml、乾燥
菌体50mgを加え、37℃にて5時間エステル交換反
応させた。それぞれの反応の分析の結果を表2に示す。 【0027】 【表2】 【0028】実施例5 リゾプス・デレマー IFO 4697 を実施例3と
同様の培地に、一辺6mmのブロック状のポリウレタン
フォームからなる微生物保持体(ブリジストン社製、エ
バーライトHR−50 )を150個/100ml培地
となるように加えて培養し、微生物保持体に菌体を固定
化させた。固定化された菌体は実施例1と同様に乾燥さ
せ乾燥菌体を調製した。微生物保持体中の乾燥菌体量は
概ね5mg/個であった。なお微生物保持体中の乾燥菌
体量は、公知の方法〔J. Ferment. Tec
hnol., vol. 66, 441(1988)
〕で測定した。容量100mlのサンプル管に乾燥菌体
が固定化された微生物保持体50個を添加し、ホスファ
チジルコリン(旭化成製)100mg、酢酸エチル25
ml、0.1Mトリス−塩酸バッファー(pH8.0)
25mlを加え、37℃にて5時間加水分解反応させた
のち、反応液を分析した。分析の結果、ホスファチジル
コリンのリゾ化率は68%であった。 【0029】実施例6 実施例5で使用した微生物の代わりにストレプトマイセ
ス・メディオシディカス IFO 13202及びスト
レプトバーチシリウム・シンナモネウム IFO 12
852を使用し、実施例2と同様の培地を使用した以外
は、実施例5と全く同様に行った。このときの微生物保
持体中の乾燥菌体量は概ね4mg/個であった。反応後
の反応液を分析した結果、ホスファチジルコリンのリゾ
化率はそれぞれ28%、35%であった。 【0030】実施例7 リゾプス・デレマー IFO 4697 を使用して、
実施例5と全く同様の方法により乾燥菌体を得た。容量
100mlのサンプル管に乾燥菌体が固定化された微生
物保持体50個を添加し、ホスファチジルコリン(旭化
成製)100mg、オレイン酸200mg、酢酸エチル
50mlを加え、37℃にて5時間エステル交換反応さ
せた。反応終了後、反応液を全て抜き出し、再び新しい
反応液を添加して同様の反応を繰り返した。このような
繰り返し反応を3回行った。それぞれの反応で得られた
反応液を分析した結果を表3に示す。 【0031】 【表3】 【0032】表3から、微生物保持体に固
定化された乾燥菌体の酵素活性は安定で、繰り返し使用
が可能であることがわかる。
、更に詳しくは、微生物乾燥菌体により脂肪酸構造が変
換もしくは加水分解されたリン脂質を製造する方法に関
する。リン脂質は、単に乳化剤や界面活性剤に用い得る
のみならずリポソームの基材として薬剤運搬体、人工血
液、人工細胞、あるいは免疫診断等への応用が近年注目
されており、また、それ自体生理活性・薬理活性を持つ
ものとして、医学・薬学・工学分野等において様々な用
途が考えられている。このような多様な要求に対応する
ために、種々の用途に応じた構造を有するリン脂質を効
率良く製造する方法を開発することは、産業上非常に意
義あることである。 【0002】 【従来の技術】従来、このようなリン脂質を製造する方
法としては、膵臓由来あるいは微生物由来の精製リパー
ゼや、キャベツ由来、膵臓由来、あるいは微生物由来の
種々の精製ホスホリパーゼ酵素を直接あるいは固定化等
を行って反応させる方法が提案されている(特開昭63
−42691、同63−44893、特開平1−153
090、同2−35093、同2−49593)。 【0003】しかし乍ら、このような菌体外酵素を使用
する場合、酵素精製プロセスに要するコストが高く、リ
ン脂質製造プロセスの工業化に際して、どうしても酵素
コストが割高になってしまい、経済的に大きな課題とな
っている。更に、酵素をセライト等の担体に固定化する
方法は反応物質が担体上の酵素まで拡散しにくく、特に
担体の細孔内に吸着された酵素は反応には実質的に関与
せず、有効に働く酵素が減少する等の問題があり、企業
化を企てる上で大きな障害となっている。また、ゲル化
剤等による包括固定化法は固定化の操作が複雑で、しか
も拡散律速による反応速度の低下等の不都合な点が多く
、改善が望まれている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、脂質分解酵
素を有する乾燥菌体を直接反応に供することにより、こ
れらの欠点を改善し、高収率で目的物が得られるリン脂
質内脂肪酸の、エステル交換反応又は加水分解反応法を
提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、エステ
ル結合している脂肪酸構造が変換又は加水分解されたリ
ン脂質を製造するにあたり、変換反応の場合は原料リン
脂質と受容体とを、加水分解反応の場合は原料リン脂質
を、脂質分解酵素を有する微生物乾燥菌体に接触させて
反応を行うことを特徴とするリン脂質の製造法を内容と
するものである。 【0006】本発明において用いられる原料リン脂質と
しては、脂質分解酵素の基質となり得るものであれば、
天然から抽出したもの、又は抽出後精製したもの、ある
いは合成したものの如何を問わず使用できる。また、市
販のもの、あるいは公知の方法で調製したものを使用し
てもよい。例えば、脱脂大豆レシチン、卵黄レシチン、
ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロー
ル等、又はそれらの混合物等が挙げられる。本発明の効
果を最大に発揮するためには、原料リン脂質として精製
したもの、ないしは組成の単純なものを用いた方が純粋
な反応生成物が得られる面で都合が良い。また、原料コ
ストと入手の容易さ及び酵素に対する反応性の面から、
特にホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノール
アミンまたはホスファチジルセリンが工業的に好ましい
。 【0007】本発明のエステル交換反応における受容体
は、目的によって任意に選択でき、特定の構造のアシル
基を有するリン脂質を得る場合は、それに応じた脂肪酸
もしくは脂肪酸低級アルコールエステルを使用する。こ
こで脂肪酸の低級アルコールエステルとは、脂肪酸と炭
素数1−6の直鎖飽和一価アルコールのエステル化合物
をいう。例えば生理活性の高いホスファチジルコリンを
得るにはリノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン
酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸等の高度不飽和
脂肪酸やそれらの脂肪酸エステルが使用できる。また重
合性を有するホスファチジルコリンを得るためには10
,12−オクタデカジエン酸等の重合性を有する脂肪酸
を使用する。その他アルコール類、例えばメタノール、
エタノール、プロパノール等の低級アルコール類やオク
チルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルア
ルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアル
コール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、あ
るいはメチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、
エタノールアミン、アニリン等のアミン類についても使
用できる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用い
られる。 【0008】反応は、原料リン脂質を溶解又は懸濁する
有機溶媒の存在下で行うことが好ましく、微生物酵素を
失活させることの少ない溶媒系であればいずれも使用で
きる。例えば、石油エーテル、ジエチルエーテル、メチ
ルエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、イソオ
クタン、酢酸エチル、ジオキサン、ベンゼン等の溶媒、
又はこれらの混合溶媒系、又はこれらにアセトン、アセ
トニトリル等の極性溶媒を混合した混合溶媒系が挙げら
れる。ただし、前述のごとくアルコール類は目的反応の
基質となるため、基質として添加する以外に用いること
はあまり好ましくない。 【0009】本発明において用いられる微生物としては
、リパーゼ及び/又はA1 ,A2 ,B等のホスホリ
パーゼを生成するものであれば全て用いることができる
が、代表的なものとしてリゾプス(Rhizopus)
属、アスペルギルス(Aspergillus)属、
シュードモナス(Pseudomonas)属、ムコー
ル(Mucor)属、キャンディダ(Candida)
属、ペニシリウム(Penicillium)属、クロ
モバクテリウム(Chromobacterium)属
、ストレプトマイセス(Streptomyces)
属、ストレプトバーチシリウム(Streptover
ticillium)属、ミクロモノスポラ(Micr
omonospora) 属、ノカルディア(Noca
rdia) 属、ノカルディオプシス(Nocardi
opsis) 属、アクチノマヂューラ(Actino
madura) 属等に属する微生物を挙げることがで
きる。より具体的には、リゾプス・ジャパニカス(Rh
izopus japonicus, IFO 475
8) 、リゾプス・デレマー(Rhizopus de
lemar, IFO 4697) 、アスペルギルス
・ニガー(Aspergillus niger,IF
O 4066)、シュードモナス・フルオレッセンス(
Pseudomonas fluorescens,
IFO 3081)、ムコール・ミーハイ(Mucor
miehei, ATCC 16457) 、キャン
ディダ・ルゴサ(Candida rugosa, A
TCC 10571) 、ペニシリウム・サイクロピウ
ム(Penicillium cyclopium,
IFO 5847)、クロモバクテリウム・ビスコサム
(Chromobacterium viscosum
, ATCC 6918)、ストレプトマイセス・メデ
ィオシディカス(Streptomyces medi
ocidicus, IFO13202) 、ストレプ
トバーチシリウム・シンナモネウム(Streptov
erticillium cinnamoneum s
ubsp. cinnamoneum, IFO 12
852)、ストレプトバーチシリウム・ハチジョーエン
セ(Streptoverticillium hac
hijoense, IFO 12782) 、ミクロ
モノスポラ・チャルセア(Micromonospor
a chalcea, ATCC 12452) 、ノ
カルディア・メディテラーネイ(Nocardia m
editerranei, IFO 13142) 、
ノカルディオプシス・ダソンビレイ(Nocardio
psis dassonvillei, IFO139
08) 、アクチノマジューラ・リバノチカ(Acti
nomadura libanotica, IFO
14095) 等が挙げられ、これらは単独又は2種以
上組み合わせて用いられ、更にこれらの他にも公知の微
生物が適用される。 【0010】上記微生物を反応の触媒として効率良く作
用させるには、微生物内に脂質分解酵素を多量に含有さ
せる培養方法、及び菌体内脂質分解酵素を受容体と接触
し易く、しかも活性をできるだけ低下させない乾燥条件
が重要となる。 【0011】培養に用いる培地としては、微生物の培養
に通常用いられるものが広く使用され得る。炭素源とし
ては同化可能な炭素化合物、例えばブドウ糖、ショ糖、
乳糖、麦芽糖、でんぷん、デキストリン、糖蜜、グリセ
リン等や炭化水素類が単独又は2種以上組み合わせて使
用される。窒素源としては利用可能な窒素化合物であれ
ばよく、特にコーンスチープリカー、大豆粉、小麦グル
テン、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、麦芽エキス、
カゼイン加水分解物等の有機化合物が好ましく、これら
は単独又は2種以上組み合わせて用いられる。その他、
リン酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、
マンガン、亜鉛等の塩類が必要に応じて単独又は2種以
上組み合わせて使用される。 【0012】培養温度は、菌が発育し脂質分解酵素を生
産する範囲内で適宜採用し得るが、通常15−40℃が
好適である。培養時間は条件によって異なり、菌体内脂
質分解酵素活性が最大となる時点で培養を終了すればよ
く、通常は1−6日程度である。 【0013】また、本発明においては、多孔質体からな
る微生物保持体と共に培養を行い、該保持体に微生物を
付着・増殖させ、得られた菌体を使用することができる
。このような方法においては、保持体の材料表層付近に
生物膜状菌体が形成され、これにより、本発明者らの検
討結果によれば、固定化された菌体内の脂質分解活性及
び安定性は、固定化しないものに比べて上昇する。しか
も、このような微生物保持体に固定化された微生物を用
いれば、連続生産や繰り返し回分生産などの反応システ
ムの構築が容易であり、生産性を大幅に向上させること
ができ、工業的に極めて好都合である。 【0014】上記微生物保持体としては、微生物の持つ
粘着力、吸着力により微生物の吸着増殖を可能ならしめ
る任意の材料が適用できる。例えば、高分子多孔質材料
としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン系;ブタジエンまたはイソプレンなどのジエン
系;ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、アクリル
アミドまたはポリスチレンなどのビニル系重合体;ポリ
エーテル、ポリエステル、ポリカーボネートまたはポリ
アミド等の縮合系;ポリウレタン、シリコン及びフッ素
系樹脂などの材料、また無機材料としては、セラミック
ス、ガラス、活性炭、及び多孔質金属や金属加工材料;
有機材料としてはセルロース、あるいはセルロースに化
学処理を施したメチルセルロース、エチルセルロース、
ハイドロプロピルセルロース等が適用できる。いずれの
材料においても該保持体に微生物を良好に固定化させる
ため、空隙率が60−99%、孔の径が2−2000μ
mの範囲にある多孔質材料や、空隙率が60−99%で
ある金属加工材料等を使用するのが好ましい。 【0015】このような種々の保持体は、微生物の種類
及び培養条件等によって適宜選択でき、形状については
、例えば球状、ブロック状あるいはシート状等に加工し
て使用することができる。寸法については、微生物の種
類、培養条件、反応器の種類等によって適宜決定される
が、球状であれば直径が概ね1−100mm、ブロック
状のものであれば一辺が概ね1−100mmのものが使
用される。また、微生物を上記保持体に固定化させるに
は、通常公知の回分、半回分、連続培養法等を用いて容
易に達成される。 【0016】上記の如く得られた菌体から水分を除去す
る方法としては、原則的には酵素が失活しない温度で乾
燥すればよいが、乾燥速度からは40−60℃が好まし
い。ここで単に水分を蒸発させる方法では細胞組織の収
縮が起こり非常に堅くなり、組織内の脂質分解酵素と外
界との接触が断たれ活性を発現することが困難となる。 従って、菌体を乾燥させるには細胞組織の収縮を伴わな
い方法を採用するのが好ましい。このため、水溶性溶媒
、例えばアセトン又はメタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等の低級アルコール類中に菌体を浸して組織
内を溶媒に置換した後、溶媒を蒸発させる方法により、
細胞組織の収縮を抑えて乾燥菌体を得ることができる。 この場合、乾燥方法としては真空乾燥、凍結乾燥、低温
乾燥等の公知の乾燥法が使用できる。更に、菌体を溶媒
に浸す前に5重量%以下のグルタールアルデヒド水溶液
に浸して細胞組織を固定化することにより、細胞組織の
収縮を効果的により抑えることができる。このような方
法にて得られた菌体の水分は、通常1−20重量%の水
分含量に調製される。 【0017】このようにして調製された乾燥菌体を反応
物質、即ち、原料リン脂質又は原料リン脂質と受容体の
混合物中に懸濁させ反応させるが、交換反応の場合は反
応混合物中の水分濃度を低濃度にするのが好ましく、水
分量は好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量
%以下に制御される。加水分解の場合は、特に低濃度に
保つ必要なく、好ましくは5重量%以上であればよい。 【0018】反応温度は用いる菌体内酵素の至適温度付
近が好ましく、通常20−60℃の範囲である。ただし
、用いる溶媒が低沸点のものである場合等は、この限り
ではない。反応時間については回分法の場合は概ね0.
5−40時間、半回分法や連続法においても、この反応
条件に見合った反応時間を設定することにより、目的と
する反応を行わせることができる。また反応様式として
は、容器に入れた溶媒中に微生物菌体を分散、懸濁し接
触反応させればよく、回転攪拌や超音波による攪拌方法
、カラム等に充填する方法、気泡塔型反応器等によって
流動させる方法等のあらゆる形式の反応様式が適用でき
る。 【0019】 【本発明の効果】叙上の如く、乾燥菌体を調製すること
によって、初めてリン脂質のエステル交換反応、もしく
は加水分解反応に使用することができ、このような菌体
内酵素によってリン脂質のエステル交換反応、又はリン
脂質のアシル基の加水分解反応を成功させたのは本発明
が最初である。本発明は、培養された微生物の菌体内酵
素を効率良く利用するものであり、従って従来法の課題
である酵素の抽出や精製工程を省略し、直接リン脂質の
製造反応に応用するものである。従って、本発明によれ
ば、反応に使用する酵素のコストが大幅に低減でき、高
収率で所望のリン脂質を得ることができる。更に、多孔
質の微生物保持体に固定化された乾燥菌体を使用すれば
、菌体内の脂質分解酵素がより効果的に安定化され、し
かも連続あるいは繰り返し回分反応方法が適用できるの
で生産性が著しく向上する。 【0020】 【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 尚、実施例1,2,5,6においてはリン脂質の組成分
析、純度検定は高速液体クロマトグラフィー(HPLC
)にて行った。固定相には、シリカゲルにアミノプロピ
ル基を化学結合させたカラムを、また、移動相溶媒とし
ては、アセトニトリル:メタノール:10mMリン酸二
水素アンモニウム=612:289:100の混合溶媒
系をそれぞれ用い、205nmにおける吸収を測定する
ことにより定量を行った。また、実施例3,4,7にお
いては逆相HPLCによってリン脂質のアシル基の構造
の決定及び定量を行った。 【0021】実施例1 リゾプス・デレマー IFO 4697 を、グルコー
ス 0.5%(重量%、以下同じ)肉エキス 1.
5%、ペプトン 0.75%、NaCl 0.3%
、MgSO4 0.1%を含む培地(pH5.6)で、
温度30℃、約2日間振盪培養した。得られた菌体を2
回水洗し、次いでアセトンに浸漬した後濾過し、次いで
常温にて真空乾燥した。かくして得られた乾燥菌体の水
分含量は約4%であった。密栓した試験管に、ホスファ
チジルコリン(和光純薬製)20mg、ジエチルエーテ
ル5ml、0.1Mトリス−塩酸バッファー(pH8.
0)5ml、乾燥菌体50mgを加え30℃にて5時間
加水分解反応させた。反応終了後、反応液をHPLCに
て分析し、各リン脂質量を決定した。分析の結果、リゾ
ホスファチジルコリンのリゾ化率(全リン脂質中のリゾ
リン脂質の割合、即ち原料ホスファチジルコリン量に対
する生成したリゾホスファチジルコリン量の百分率)は
92%であった。 【0022】実施例2 実施例1で使用した微生物の代わりに、ストレプトマイ
セス・メディオシディカス IFO 13202、スト
レプトバーチシリウム・シンナモネウム IFO 12
852、ミクロモノスポラ・チャルセア ATCC 1
2452 、ノカルディア・メディテラーネイ IFO
13142、ノカルディオプシス・ダソンビレイ IF
O 13908、アクチノマジューラ・リバノチカ I
FO 14095を使用し、培地をグルコース 1.
0%、肉エキス 0.75%、ペプトン 0.75
%、NaCl 0.3%、MgSO4 0.1%(p
H7.0)を含む培地とした以外は、実施例1と全く同
様に行った。分析の結果、ホスファチジルコリンのリゾ
化率はそれぞれ70%、78%、23%、48%、37
%、15%であった。 【0023】実施例3 リゾプス・デレマー IFO 4697 を使用して、
実施例1の培地からグルコースを除き、オレイン酸2%
を加えて培養し、他は実施例1と全く同様の方法により
乾燥菌体を得た。密栓した試験管にリン脂質20mg、
脂肪酸40mg、ジエチルエーテル10ml、乾燥菌体
50mgを加え、30℃にて5時間エステル交換反応さ
せた。ここで、リン脂質としては2種類のホスファジル
コリン(和光純薬製、旭化成製)を用いた。また脂肪酸
としてはミリスチン酸、オレイン酸、γ−リノレン酸及
びオレイン酸メチルを用いた。それぞれの反応の分析の
結果を表1に示す。表中のエステル交換率とは、原料リ
ン脂質量に対する、アシル基がエステル交換された生成
リン脂質量の百分率である。 【0024】 【表1】 【0025】第1表から、いかなる原料リ
ン脂質と受容体との組み合わせでも、エステル交換反応
がおこることがわかる。 【0026】実施例4 実施例1で使用した微生物の代わりに、アスペルギルス
・ニガー IFO 4066 、シュードモナス・フル
オレッセンス IFO 3081 、ムコール・ミーハ
イ ATCC 16457 、キャンディダ・ルゴサ
ATCC 10571 、ペニシリウム・サイクロピウ
ム IFO 5847 、クロモバクテリウム・ビスコ
サム ATCC 6918を使用し、培地をオリーブオ
イル 2.0%、肉エキス 0.75%、ペプトン
0.75%、NaCl 0.3%、MgSO4
0.1%(pH6.5)を含む培地とした以外は、実施
例1と全く同様に行ない、それぞれの乾燥菌体を得た。 密栓した試験管にホスファチジルコリン(旭化成製)2
0mg、オレイン酸40mg、ヘキサン10ml、乾燥
菌体50mgを加え、37℃にて5時間エステル交換反
応させた。それぞれの反応の分析の結果を表2に示す。 【0027】 【表2】 【0028】実施例5 リゾプス・デレマー IFO 4697 を実施例3と
同様の培地に、一辺6mmのブロック状のポリウレタン
フォームからなる微生物保持体(ブリジストン社製、エ
バーライトHR−50 )を150個/100ml培地
となるように加えて培養し、微生物保持体に菌体を固定
化させた。固定化された菌体は実施例1と同様に乾燥さ
せ乾燥菌体を調製した。微生物保持体中の乾燥菌体量は
概ね5mg/個であった。なお微生物保持体中の乾燥菌
体量は、公知の方法〔J. Ferment. Tec
hnol., vol. 66, 441(1988)
〕で測定した。容量100mlのサンプル管に乾燥菌体
が固定化された微生物保持体50個を添加し、ホスファ
チジルコリン(旭化成製)100mg、酢酸エチル25
ml、0.1Mトリス−塩酸バッファー(pH8.0)
25mlを加え、37℃にて5時間加水分解反応させた
のち、反応液を分析した。分析の結果、ホスファチジル
コリンのリゾ化率は68%であった。 【0029】実施例6 実施例5で使用した微生物の代わりにストレプトマイセ
ス・メディオシディカス IFO 13202及びスト
レプトバーチシリウム・シンナモネウム IFO 12
852を使用し、実施例2と同様の培地を使用した以外
は、実施例5と全く同様に行った。このときの微生物保
持体中の乾燥菌体量は概ね4mg/個であった。反応後
の反応液を分析した結果、ホスファチジルコリンのリゾ
化率はそれぞれ28%、35%であった。 【0030】実施例7 リゾプス・デレマー IFO 4697 を使用して、
実施例5と全く同様の方法により乾燥菌体を得た。容量
100mlのサンプル管に乾燥菌体が固定化された微生
物保持体50個を添加し、ホスファチジルコリン(旭化
成製)100mg、オレイン酸200mg、酢酸エチル
50mlを加え、37℃にて5時間エステル交換反応さ
せた。反応終了後、反応液を全て抜き出し、再び新しい
反応液を添加して同様の反応を繰り返した。このような
繰り返し反応を3回行った。それぞれの反応で得られた
反応液を分析した結果を表3に示す。 【0031】 【表3】 【0032】表3から、微生物保持体に固
定化された乾燥菌体の酵素活性は安定で、繰り返し使用
が可能であることがわかる。
Claims (5)
- 【請求項1】 エステル結合している脂肪酸構造が変
換又は加水分解されたリン脂質を製造するにあたり、変
換反応の場合は原料リン脂質と受容体とを、加水分解反
応の場合は原料リン脂質を、脂質分解酵素を有する微生
物乾燥菌体に接触させて反応を行うことを特徴とするリ
ン脂質の製造法。 - 【請求項2】 脂質分解酵素がリパーゼ及び/又はホ
スホリパーゼである請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】 多孔質の微生物保持体に微生物が固定
化された乾燥菌体を用いる請求項1又は2記載の製造法
。 - 【請求項4】 微生物が、リゾプス属、アスペルギル
ス属、シュードモナス属、ムコール属、キャンディダ属
、ペニシリウム属、クロモバクテリウム属、ストレプト
マイセス属、ストレプトバーチシリウム属、ミクロモノ
スポラ属、ノカルディア属、ノカルディオプシス属及び
アクチノマヂューラ属から選択される少なくとも1種で
ある請求項1、2又は3記載の製造法。 - 【請求項5】 乾燥菌体が、菌体を水溶性溶媒に浸し
て該菌体組成内を溶媒置換した後、該溶媒を蒸発させて
得られたものである請求項1、2又は3記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19482991A JPH04356191A (ja) | 1990-07-10 | 1991-07-08 | リン脂質の製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2-183128 | 1990-07-10 | ||
| JP18312890 | 1990-07-10 | ||
| JP19482991A JPH04356191A (ja) | 1990-07-10 | 1991-07-08 | リン脂質の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04356191A true JPH04356191A (ja) | 1992-12-09 |
Family
ID=26501675
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19482991A Withdrawn JPH04356191A (ja) | 1990-07-10 | 1991-07-08 | リン脂質の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH04356191A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997005219A1 (de) * | 1995-07-26 | 1997-02-13 | Röhm Gmbh | Enzymatisches verfahren zur entschleimung von pflanzlichen ölen mit aspergillus-phospholipase |
-
1991
- 1991-07-08 JP JP19482991A patent/JPH04356191A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997005219A1 (de) * | 1995-07-26 | 1997-02-13 | Röhm Gmbh | Enzymatisches verfahren zur entschleimung von pflanzlichen ölen mit aspergillus-phospholipase |
| US6001640A (en) * | 1995-07-26 | 1999-12-14 | Roehm Gmbh | Vegetable oil enzymatic degumming process by means of aspergillus phospholipase |
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