JPH04357656A - 低エネルギ−電子の照射方法および照射装置 - Google Patents

低エネルギ−電子の照射方法および照射装置

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JPH04357656A
JPH04357656A JP3183091A JP18309191A JPH04357656A JP H04357656 A JPH04357656 A JP H04357656A JP 3183091 A JP3183091 A JP 3183091A JP 18309191 A JP18309191 A JP 18309191A JP H04357656 A JPH04357656 A JP H04357656A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低エネルギ−電子の照
射方法およびこの方法に用いる照射装置に係り、とくに
、半導体ウェ−ハの処理によって生じた帯電状態を解消
したり、半導体基板表面を処理するために正イオンを負
イオンに変える等に利用する低エネルギ−電子ビ−ムの
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に荷電ビ−ム装置では、イオンまた
は電子ビ−ムを半導体ウェ−ハなどの絶縁物試料や接地
等がされていないフロ−ティング状態にある試料(以下
、単に試料という)に照射して、試料表面から放出され
る2次電子または2次イオンを用いて分析等を行ったり
、イオンビ−ムを用いて半導体ウェ−ハの表面等にイオ
ン注入やイオンエッチングを行っている。イオンビ−ム
装置から正のイオンビ−ムを試料に照射すると、入射し
た正イオンやイオンビ−ム照射によって発生する2次電
子によって試料は正に帯電する。このように試料が正に
帯電されると、イオンビ−ム装置を使用していく上で様
々な問題が生ずる。たとえば、その代表例として、イオ
ンビ−ム装置を質量分析に用いた場合について、その問
題点を説明する。
【0003】2次イオン質量分析法(Secondar
y Ion MassSpectroscopy:SI
MS)においては、高精度な質量分析を行うために、質
量分析の前段で2次イオンのエネルギ−分析を行い、あ
る一定のエネルギ−を持った2次イオンを質量分析する
方法を採用しているが、前述した正イオンビ−ム照射に
よる試料表面の帯電電荷は、試料電圧を正に変化させた
り、試料の表面近傍に電界を生じさせる。このため帯電
による2次イオンのエネルギ−分布の変化はエネルギ−
分析の透過効率を低下させ、検出効率を低下させてしま
う。このようにSIMSにおいては、試料の帯電は検出
効率を変化させる大きな原因になっている。
【0004】また他の例では、イオンビ−ム照射装置を
半導体デバイスに用いた場合があげられる。イオンビ−
ム装置としては半導体デバイスに大電流のイオンビ−ム
を照射するイオン注入装置が用いられるが、半導体ウェ
−ハの帯電電荷量が多くなり過ぎて絶縁破壊を生じ、半
導体デバイスが破損することがある。この他にも、イオ
ン源を正電位状態に保ち、不活性ガスを用いてプラズマ
を発生させ、イオン源より不活性ガスイオンを引き出し
ウェ−ハに照射してその表面をエッチングするイオンビ
−ムエッチング装置、高真空雰囲気内におかれたタ−ゲ
ットに、独立したイオン源から高エネルギ−に加速した
イオンビ−ムを引き出して衝撃し、0.01Pa以下の
低いガスで半導体ウェ−ハなどの上に成膜を行うイオン
ビ−ムスパッタリング装置、半導体ウェ−ハを陰極側に
置き、グロ−放電を起こさせ蒸発源から蒸発原子をイオ
ン化または励起させて加速し、そのウェ−ハに激突させ
、堆積させて薄膜を形成するイオンプレ−テイング装置
、高真空中で100〜1000個の原子の集まったクラ
スタをイオン化し、加速し、ウェ−ハに衝突堆積させて
薄膜を形成するクラスタイオンビ−ム蒸着装置などがあ
るが、これらの装置を使用したあとは半導体ウェ−ハな
どの試料が帯電して前述のような絶縁破壊が発生するこ
とがあるのは同様である。
【0005】このため、イオンビ−ム装置を用いる場合
には試料表面の正の帯電を緩和するために、帯電した試
料表面に負の電荷をもつ電子ビ−ムを重畳照射すること
により帯電電荷の中和を図る方法が用いられてきた。図
7は、従来のこの様な帯電中和に用いられる電子ビ−ム
照射の説明図である。始めに、半導体基板にイオン注入
を行うイオンビ−ム装置(図示せず)によって正電荷を
持つイオンビ−ム701が試料であるウェ−ハ702に
照射される。正イオンビ−ムそのものもしくはイオンビ
−ム照射に伴って発生する2次電子によって照射面が正
に帯電する。ここではこの部分を帯電部709という。 この帯電部709の正電荷を中和するために熱電子70
5を試料表面に照射する。この熱電子を発生させるため
に、熱陰極703に電源VF 706による電圧を印加
して加熱する。熱陰極703から放出された熱電子70
5は、熱陰極703とウェ−ハ702との間に印加され
た電源VA 708による加速電圧により加速され、ウ
ェ−ハ702の表面の帯電部709に照射される。熱電
子705の発散を押え、指向性を持たせるために熱陰極
703を取り囲むように反射板704を設け、この反射
板704と熱陰極703との間に電源VR 707を接
続し、反射板704を熱陰極に対して負にバイアスして
おく。 このようにして熱電子705により帯電部709に帯電
している正電荷を中和させる。
【0006】また、シリコンのようなウェ−ハの表面処
理には、主として中性の活性種や正のイオンが使われる
。たとえば、反応性イオンエッチング(RIE)は、高
周波放電により反応ガスのプラズマを形成し、ウェ−ハ
表面をこのプラズマに晒してその表面に自己バイアス電
圧(Vdc)を誘起して、このプラズマから正イオンを
引出し、このイオンで中性の活性種が吸着されたウェ−
ハ表面を衝撃することによって、その表面をエッチング
する。通常、このイオンエネルギ−は、100eVより
高く、数百eVに達する場合も有る。この様なイオン衝
撃下では、被エッチング材料の結合エネルギ−より遥か
に高いエネルギ−のイオンがウエ−ハ表面に衝撃するた
めに材料による選択性が得難くなり、残すべきものもエ
ッチング除去される場合が生ずる。一方、中性の活性種
を用いる例えばケミカルドライエッチングの場合は、イ
オン衝撃は全く無く、化学的に反応が進むので、材料と
ガスを適宜選ぶことによって、高い選択比のエッチング
を行うことができる。このエッチングにおいては、例え
ば、SiO2 は殆どエッチングしないが、Siはエッ
チングをする。ところが、逆にSiをエッチングせずに
、SiO2 のみをエッチングすることは極めて難しい
。これは、Si−Oの結合が、Si−Siの結合より強
く、したがって、SiO2 のエッチング速度がSiの
エッチング速度より小さいからである。さらにまた、シ
リコンなどの半導体基板の素子間を絶縁するために、通
常LOCOS法を用いる。これは、ウエ−ハ表面に窒化
膜などのマスクパタ−ンを形成し、このウエ−ハを酸化
雰囲気中に晒すことにより、ウエ−ハ表面のマスクで被
覆されていない部分に厚い酸化膜を形成する方法である
。この方法では、ウエ−ハとマスク材の界面にバ−ズビ
−クと呼ばれる酸化膜の食い込みが発生して酸化膜が不
必要に大きくなり高集積化が損なわれていた。
【0007】そこで、近年、このエッチングおける選択
性等を改善することを目的として、NH3 −などの負
イオンの利用が考えられている。すなわち、反応性ガス
の原子や分子を負に帯電させ、これらイオンにウエ−ハ
などの被処理半導体基板を晒すというものである。反応
性ガスの負イオンに対しては、シリコン酸化膜のような
化学結合に極性をもつ材料は、シリコンのように極性の
ない材料に比べてその吸着が著しいので、エッチング種
の吸着確率が大きく、したがって、相対的にエッチング
速度は大きくなる。このために酸化膜等の高選択性のエ
ッチングが可能となる。また、酸化膜の形成に際して酸
素の負イオンを利用する事ができる。例えば、シリコン
半導体基板を約800℃に加熱し、10V程度のバイア
ス電圧を印加して負イオンを引込むことが出来るように
する。この状態で半導体基板を酸素の負イオン雰囲気中
に置くことによってシリコン酸化膜を半導体基板上に堆
積することができる。バイアス電圧により形成された電
界に引かれて酸素の負イオンは、半導体基板の縦方向に
拡散するために酸化の方向性が可能になりバ−ズビ−ク
を小さく出来るようになる。さらに、不純物拡散処理工
程において、P、B、As等の不純物原子を負イオン化
し、半導体基板にバイアスを印加した状態で熱処理する
ことにより前述の酸化膜の形成と同様に方向性のある拡
散処理が可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の装置により帯電電荷を中和するために電子を帯電部
に照射するに際して、逆に電子が供給過剰になるという
問題があった。このような場合にはウェ−ハ面は負の帯
電が進行し、ウェ−ハの表面電位がウエ−ハに照射され
る電子のエネルギ−と同一になるまで負に低下し続ける
事になる。例えばウェ−ハに照射される電子のエネルギ
−が最大100eVとすると、電子が供給過剰の場合に
はウェ−ハ表面は−100Vになるまで低下し続ける。 図7に示す従来の装置では、電源VA 708によって
加速された熱電子705がウエ−ハに照射される。通常
電源VA 708の電圧は、−100〜−500V程度
に設定される。このため100eV以上のエネルギ−を
持つ熱電子がウエ−ハに照射されることになり、電子が
過剰に供給されるとウエ−ハ面の電位が負に低下する。 このような試料表面の電位の低下は、試料表面より放出
された2次イオン(正イオン)のエネルギ−分布を表面
電位分だけ低エネルギ−側にシフトさせてしまう。また
、2次イオン(負イオン)もしくは2次電子の場合は、
高エネルギ−側にシフトする。その結果、2次イオン、
2次電子のエネルギ−分布が変化してしまいSIMSの
場合には、後段のエネルギ−フィルタの透過率が大きく
低下する。このような現象を避けるためには中和に用い
る熱電子の供給量を制御する事が必要であるが、従来の
装置では、イオンビ−ムの照射領域の帯電電荷をモニタ
する方法が無く、したがって帯電電荷量に応じて電子照
射量を制御するのは非常に困難であった。
【0009】このような過剰な電子の供給をなくすため
に低エネルギ−の電子を選択的に帯電部に照射する方法
が知られている(特開昭63−257175号公報)。 この方法は、熱電子をタ−ゲットにあて、飛び出してく
る反射電子および2次電子のうち反射電子を取り除き、
2次電子のみを照射するものである。反射電子はエネル
ギ−が高いので、これを除けば低いエネルギ−の電子を
照射することになるので、電子の供給過剰を防止するこ
とができる。しかし、タ−ゲットから飛び出した電子は
、大きなエネルギ−分布を持っており、さらに、広範囲
に分散して進むので、このまま利用しては、たとい反射
電子を除いたとしても、効率的なものにはならない。 さらに、この方法では、熱電子は、タ−ゲット表面に垂
直に当てられているが、これでは、中心部分の多くの熱
電子が熱電子の発生方向に向かってしまうので、2次電
子の利用は非常に少なくなる。
【0010】また、イオンエッチングにおいて、選択的
なエッチングが効果的にできる負のイオンは、低エネル
ギ−の電子のラジカルなイオンへの照射によって形成す
ることができるが、そのエネルギ−を効率的に制御する
ことは非常に困難である。負イオンを形成する場合にお
いては、例えば、NF3 、ClF3 、Cl2 、F
2 等のガスを放電管に導入し、マイクロ波放電等で分
解する。 分解後、生成した反応ガス成分であるFやClなどの原
子を真空容器内に供給する。これらの原子に低速の電子
ビ−ムを照射すると、FやClなどの負のイオンが形成
される。負イオン化するための電子ビ−ムのエネルギ−
は、これらの原子のイオン化エネルギ−より低く保って
正イオンが生成しないように設定する。その値は、どの
原子においても約10数eVであり、したがって、負イ
オン化のための電子ビ−ムのエネルギ−を20eV以下
程度に保てば、正イオンの生成量を極めて少なくするこ
とができる。反応ガスが分子状態の場合でも、必要なエ
ネルギ−は、原子の場合とほぼ同程度である。このよう
な負イオン化に必要な低エネルギ−の電子ビ−ムを形成
することは難しく、さらに、そのエネルギ−をコントロ
−ルすることは困難であった。
【0011】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたもので、一定値以上の高エネルギ−成分を除
去した低エネルギ−電子を制御性良く照射する事の出来
る低エネルギ−電子の照射方法およびこの方法に用いら
れる照射装置を提供する事を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の低エネルギ−電
子の照射方法は、1次電子ビ−ム照射部から1次電子ビ
−ムを2次電子放出部に照射して2次電子ビ−ムを放出
する手段と、前記放出された2次電子ビ−ムを加速する
手段と、前記加速された2次電子ビ−ムから高エネルギ
−成分を除去する手段と、高エネルギ−成分を除去した
前記2次電子ビ−ムを減速して集束する手段とを備えて
いることを特徴としている。この方法はさらに、前記2
次電子放出部もしくは前記2次電子ビ−ムを減速する手
段に印加される電圧を変化させることにより前記低エネ
ルギ−電子のエネルギ−分布を制御する手段を備えてい
ることを特徴とする。また、この方法では、前記低エネ
ルギ−電子は、帯電された試料に照射されて、その帯電
状態を中和したり、ラジカルな状態の原子もしくは分子
に照射することによって、負イオンを形成する。
【0013】本発明の低エネルギ−電子の照射装置は、
1次電子ビ−ム照射部と、前記1次電子ビ−ム照射部か
ら発生した1次電子ビ−ムの照射を受けて2次電子ビ−
ムを放出する2次電子放出部と、前記2次電子ビ−ムを
加速する手段と、前記加速された2次電子ビ−ムから高
エネルギ−成分を除去して低エネルギ−の2次電子を得
るエネルギ−分析部と、前記低エネルギ−の2次電子を
減速して集束する減速手段とを備えていることを特徴と
している。前記2次電子放出部もしくは前記減速手段に
は可変バイアス印加用電源を備えている。前記2次電子
放出部は、その表面が前記1次電子ビ−ムの光軸に対し
て傾斜するように配置されている。前記エネルギ−分析
部は、平行平板型、円筒鏡型もしくは磁場型エネルギ−
分析器を用いたエネルギ−フィルタを備えている。前記
エネルギ−分析部は、前記2次電子放出部に対抗する側
に2次電子を補集するための引出し電極を備えている。 前記減速手段は、減速レンズ系からなることができる。 また、前記減速レンズ系は、前記低エネルギ−電子に対
して無電界空間を与えるために所定電位に保たれた第1
の電極と、この第1の電極を通過した前記低エネルギ−
電子を減速させるための第2の電極とから構成される事
ができ、さらに、前記2次電子放出部に印加される電圧
と前記エネルギ−分析部の前記引出し電極に印加される
電圧との差分によって前記2次電子ビ−ムは加速される
【0014】
【作用】本発明では、2次電子放出部のタ−ゲットから
の放出された2次電子は、加速されたあとエネルギ−分
析部に導かれて高エネルギ−成分が除去され、その後減
速装置に導かれて減速されて集束される事によってエネ
ルギ−分布幅の狭い所望のエネルギ−成分および放出速
度を持った低エネルギ−電子を取り出すことができる。
【0015】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。図1は、本発明の実施例にかかる低エネルギ−電子
の放射装置の概略構成を示す図である。1次電子ビ−ム
照射部は、熱陰極101と陽極103と静電アインツェ
ルレンズ104、105、106によって構成されてい
る。熱陰極101は、タングステンで形成されている。 また、この熱陰極101を囲むように熱陰極から発生し
た熱電子の発散を押さえるための反射板102が設けら
れている。熱陰極101は、加熱用電源VF 116で
加熱されるが、該電源の出力電圧は44V、電流は0〜
7Aである。反射板102を熱陰極101に対して負に
バイアスするバイアス用電源VR 117は、出力電圧
0〜50Vにしておく。また熱陰極101と陽極103
との間に印加される加速電圧を発生する加速電圧電源V
A 218は、出力電圧0〜800Vにする。陽極10
3は接地されている。静電アインツェルレンズ104と
106とは接地され、中間電極105へは電源119に
より、負電圧0〜800Vが印加される。このようにし
て1次電子ビ−ム照射部から放出された1次電子ビ−ム
は加速されて、2次電子放出部107のタ−ゲット表面
に照射される。2次電子放出部107にはバイアス印加
用電源120が接続されて0〜−20Vに設定されたバ
イアス電圧VT が印加される。2次電子放出部107
の近傍には、接地されたシ−ルド用電極108が設けら
れ、さらに、引出し用電極109が設置される。引出し
用電極109には、電圧印加用電源121により0〜2
00Vの電圧が印加される。上記のように、2次電子放
出部107に印加される電圧と引出し電極109に印加
される電圧との差分によって2次電子は加速されてエネ
ルギ−分析部へ送られるようになっている。引出し電極
109の後部には、平行平板型エネルギ−分析器110
、111が設置され、各平行平板には、電源123、1
22から0〜200Vおよび0〜40Vの出力電圧が与
えられる。
【0016】このように2次電子放出部107の近傍に
設けられるエネルギ−分析部は、2次電子放出部107
から放出される2次電子を受け、高エネルギ−成分を除
去するために用いられるが、この分析部はシ−ルド用電
極108と引き出し用電極109と平行平板型エネルギ
−分析器110、111とによって構成されている。こ
の分析部の後部には、無電界空間を作るための電極11
2、113が、設けられ、この両電極には電源124か
ら0〜100Vの範囲の同じ出力電圧が印加されている
。さらに電極112、113の後部には減速電極114
、115が設けられている。電極114には電源125
から0〜40Vの出力電圧が与えられており、電極11
5は接地している。このようにして低エネルギ−電子を
減速して集束する手段としての減速レンズ系が、電極1
12、113と減速電極114、115とによって構成
される。
【0017】次ぎに、この実施例に係る照射装置の動作
について説明する。熱陰極101で発生した1次電子は
、この陰極101と陽極103との間で加速され、この
陽極から1次電子ビ−ムが出射される。この加速電圧を
800Vとし、反射板102のバイアス電圧を−50V
にする。この1次電子ビ−ムを静電アインツェルレンズ
104、105、106を用いて集束させる。中間電極
105に−600Vを印加すると、1次電子ビ−ムは、
2次電子放出部107上で焦点を結ぶ。加速された1次
電子ビ−ムが2次電子放出部107に照射されると、2
次電子放出部107のタ−ゲットから2次電子が放出さ
れる。2次電子の放出効率δ(2次電子電流/1次ビ−
ム電流)は、一般に、θを1次ビ−ムの照射角(タ−ゲ
ット表面の垂線からの角度)として  δ=δ0 /c
osθ  の関係がある。ここでδ0 は2次電子放出
部107のタ−ゲットに1次電子ビ−ムが垂直に入射し
た時の放出効率で、1次電子ビ−ムのエネルギ−および
2次電子放出部の材料に依存する。本実施例では2次電
子放出部107の照射面の材料、すなわち、タ−ゲット
として金を使用した。金の2次電子放出効率は、1次電
子ビ−ムのエネルギ−が800eVの時最大であり、δ
0 =1.3となる。また、1次電子ビ−ムを2次電子
放出部107のタ−ゲットに対して斜めに放射させると
放出効率を高めることができる。本実施例では1次ビ−
ムの照射角θは40度となっている。2次電子放出部1
07から放出された2次電子は、バイアス印加用電源V
T 120からの電圧VT および電圧印加用電源12
1からの電圧によって加速され、そして、引出し電極1
09の電界によってエネルギ−分析部に引き込まれる。 2次電子放出部107には−10Vを印加し、引き出し
電極109には+200Vを印加している。ここで、シ
−ルド電極108は、引出し電極109の端部の電界分
布を調整して電界緩和のために用いられる。
【0018】加速された2次電子は、平行平板型エネル
ギ−分析器110、111によって高エネルギ−成分が
除去される。すなわち、高エネルギ−の反射1次電子お
よび高エネルギ−の2次電子は直進(A)するのに対し
て、低エネルギ−の2次電子(B)は、電極110、1
11により曲げられて電極112のスリットを通過する
。本実施例の場合には、電極110、111にはそれぞ
れ+10Vと+190Vとが印加されている。このよう
にして高エネルギ−成分Aを除去された低エネルギ−の
2次電子のみが電極112のスリットを通過し、電極1
12、113によって構成される無電界空間に入射する
。この空間は後段の減速電極114、115の焦点の整
合性を取るために設けられたものである。電極112、
113にはそれぞれ+70Vが印加されている。無電界
空間を通過した2次電子は、減速電極114、115に
よって減速され集束される。電極114には、20Vが
印加されており、電極115は接地されている。この集
束における焦点距離は、電極114によって制御され、
減速された低エネルギ−電子(20eV以下)Bが電極
115から出射される。
【0019】本発明の照射装置は、2次電子放出部10
7で発生した2次電子の高エネルギ−成分および反射電
子をエネルギ−分析器からなるエネルギ−フィルタ11
0、111を用いて除去し、電子のエネルギ−分布幅を
狭くすることができるため、比較的均一なエネルギ−を
有する低エネルギ−電子のみを供給することが可能にな
る。また、2次電子放出効率δを高くするように2次電
子放出部107のタ−ゲット材料を選択したり、1次電
子ビ−ムをタ−ゲットに斜めに入射させることにより1
次電子ビ−ム電流の数倍の2次電子を放出させることが
できる。さらに1次電子ビ−ム径を絞ることにより、引
き出し電極109から後段へのビ−ムの透過効率ηを向
上させることができる。この様にして大量の低エネルギ
−電子を試料に供給できるようになる。図2は、本実施
例の装置を用いて試料に低エネルギ−電子を照射した時
の電子のエネルギ−分布を示したものである。縦軸が電
子強度(電流量)、横軸が電子エネルギ−(eV)を表
わし、電子エネルギ−分布のピ−ク位置をEp とする
。 2次電子放出部107に電位を与える電源120の電圧
VT を−5V、−10V、−20Vと変化させたとき
の照射時の電子のエネルギ−分布の変化の様子を示す。 電圧VT を負に増加させるとエネルギ−分布も高エネ
ルギ−側にシフトすることが図から容易に理解できる。 またその時のシフト量は2次電子放出部107に印加す
る電圧VT の変化量とほぼ一致している。これは2次
電子放出部107で発生した2次電子のエネルギ−分布
に2次電子放出部電圧VT による加速エネルギ−のオ
フセットが掛かったものと考えられる。
【0020】前記タ−ゲットの電圧VT と図2に示す
電子のエネルギ−分布におけるピ−クエネルギ−位置E
p との関係を図3に示す。図のようにタ−ゲット電圧
VT を変化させることで低エネルギ−の電子ビ−ムの
エネルギ−分布を変化させることができる。この様に、
電子を加速させる電圧VT を変えることによって、低
エネルギ−電子ビ−ムのエネルギ−を制御する事はでき
るが、エネルギ−の制御は、減速電極の電圧変化によっ
てもエネルギ−制御は可能である。さらに、電圧VT 
および減速電圧を同時に変化させることによって電子ビ
−ムのエネルギ−を制御することができる。
【0021】前述したように、タ−ゲットからの2次電
子ビ−ムの放出効率δは、1次電子ビ−ムのタ−ゲット
への照射角θに左右される。図4では、1次電子は、2
次電子放出部107のタ−ゲットに照射角θ(タ−ゲッ
ト表面の垂線からの角度)で入射する。この照射角θは
、前記の定義により1次電子ビ−ムの光軸に対するタ−
ゲットの傾斜角に等しく、また、1次電子ビ−ムの光軸
とエネルギ−分析部のエネルギ−フィルタは平行に配置
されているので、前記フィルタに対するタ−ゲットの傾
斜角に等しい。1次電子がタ−ゲット表面のある位置に
入射すると、2次電子はその位置から出射するが、この
出射位置を中心にして球状に発散する。すなわち、2次
電子は出射面からどの方向に放出されるエネルギ−も、
その方向と法線とのなす角のコサインに比例するコサイ
ン放出則にしたがって出射する。したがって、タ−ゲッ
ト表面に垂直に入射するのは一番放出効率δが悪くなる
ので、垂直以外に照射角θを変えなければならない。こ
の照射角θを変える事によって、2次電子透過率ηがど
の様に変化するかを表わす特性図を図5に示す。 図は、横軸にタ−ゲット表面の傾斜角、すなわち、前記
照射角θ(rad )をとり、縦軸に、次電子透過率η
(%)をとる。この透過率ηは、100×N/N0 で
表わされる。N0 は、2次電子の全放出量を示し、N
は、2次電子のうちエネルギ−分析部を通過した電子量
を示す。この結果、タ−ゲット表面が40〜50度程度
傾いたときが最も2次電子透過率ηが高くなる。
【0022】このようにして低エネルギ−電子の照射装
置から出射した電子ビ−ムは、帯電状態にある試料に当
てて中和したりあるいは反応性ガスに照射して負イオン
を形成するなど種々の用途に用いる。本発明の低エネル
ギ電子の照射方法に用いる照射装置は、イオン注入やエ
ッチングあるいはSIMS等に使用するイオンビ−ム装
置の付属装置として併置される。イオン注入を行う装置
に帯電部に対する中和装置として用いる場合は、図7に
示す従来例と同様に電子ビ−ムが帯電部に対して幾分斜
めに照射されるように配置する。
【0023】図6において、本発明の照射装置をイオン
ビ−ム装置に使用する負イオン形成装置として用いる場
合を説明する。図では、イオンビ−ム装置はシリコンな
どの半導体基板602の表面をエッチング処理するエッ
チング装置であり、この装置に負イオン形成装置610
を併設する。エッチング装置は、真空容器601を備え
ており、この中にシリコンなどの被処理半導体基板60
2を支持するサセプタ603が載置されている。サセプ
タ603は、温度制御され、また、直流電圧を射ん加で
きる。真空容器601には反応ガスの導入口604と排
気口605が設けられている。導入口604には、たと
えば放電管606が接続され、この中に導入される例え
ば0.1Torr程度のNH3 などの反応ガスは、マ
イクロ波(200W)607の導入によって放電させて
励起させる。このように分解したガスのF原子を真空容
器601内に送り込む。放電管606の先には、放電管
と真空容器との圧力差を保つためにオリフィスが設けら
れている。さらに、真空容器601には、併置された負
イオン形成装置610から出射された低エネルギ−電子
ビ−ム609が導入される。真空容器601に導入され
たF原子にこの電子ビ−ム609をあててF−イオンを
形成する。このイオンを用いて基板602の表面をエッ
チングする。サセプタ603を走査することにより基板
602全体の表面付近に均一に電子ビ−ムを供給するこ
とができる。電子ビ−ムのエネルギ−をこの原子のイオ
ン化エネルギ−(F原子は、17.4eV)より低く保
てば、正のイオンが生成されない。したがってこのエネ
ルギ−を20eV程度以下にすれば、正イオンの生成は
、極めて少なくなるので問題はない。このエッチング装
置は、F−イオンを基板602の上方から供給するが、
負イオン形成装置からの電子ビ−ム609は、基板60
2表面に基板と平行にF原子に照射して負イオンを形成
する。 そして、図示のように基板に電圧を印加して電界Eを生
じさせ、さらに、基板602表面に、磁界発生装置(図
示せず)により磁界Bを電界Eと直交するように発生さ
せる。このようにすればF原子(ラジカル)はF−イオ
ンとなり、これが、電界Eの作用により基板602に方
向性良く入射する。たまに副次的に生成されるF+イオ
ンは、基板と反対方向に移動し、基板には入射されない
。また、F−イオンは重いためE×B効果による軌道の
変化が少なく基板602へ入射されるが、軽い電子はE
×Bにより曲げられて基板には入らない。
【0024】被処理基板としては、シリコン基板表面に
酸化膜が形成されているものに限らない。半導体や金属
など中性の結合を有する材料に対してアルミナや窒化膜
などイオン性結合を有する材料を選択的にエッチングす
る場合に適用することができる。反応ガスとしては、例
えば、ハロゲンを含むNF3 、ClF3 、Cl2 
、F2 、SF6 、Br2 、HBrなどを用い、ま
た、Oと反応しやすいCF4 、CCl4 、CBrF
3 などを用いることができる。また、本発明の負イオ
ン形成装置は、エッチング装置のみではなく、シリコン
半導体基板表面を酸化させてSiO2 膜を形成する酸
化装置や半導体基板内部に不純物を注入するイオン注入
装置などと併設することができる。OやAsなどを負の
イオンにして処理するので、酸化膜や拡散層を方向性良
く形成することができる。
【0025】以上述べたように、本発明の照射方法には
、照射する電子のエネルギ−分布を精密に制御すること
のできる本発明の照射装置は極めて有効である。タ−ゲ
ットの材料としては、酸化しにくいものや2次電子放出
効率の良いものから選ばれるが、例えば、Au、Pt、
Wなどが用いられる。また、熱陰極材料には、WやLa
B6 が使用される。エネルギ−分析手段としては、実
施例では平行平板型エネルギ−分析器を用いたが、円筒
鏡型や磁場型エネルギ−分析器を用いることもできる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明では、2次電子放
出部から発生する2次電子を加速し、加速した2次電子
のうちの高エネルギ−成分および1次電子ビ−ムの反射
電子をエネルギ−分析手段を用いて有効に除去し、さら
に、その後減速することによって、エネルギ−分布幅の
狭い低エネルギ−の2次電子だけを制御性良く得ること
ができる。また、2次電子放出部もしくは減速手段の印
加電圧を変化させることにより、得られる放出電子のエ
ネルギ−分布を制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る低エネルギ−電子の照射
装置の概略断面図。
【図2】本発明の実施例における電子強度(電流量)と
電子エネルギ−との関係を示すエネルギ−分布図。
【図3】2次電子放出部とエネルギ−分析部との位置関
係を示す本発明の実施例における照射装置の必要部断面
図。
【図4】本発明の実施例における2次電子透過率ηと2
次電子放出部のタ−ゲット面の1次電子ビ−ムの光軸に
対する傾斜角との関係をしめす特性図。
【図5】本発明の実施例における低エネルギ−電子のピ
−クエネルギ−値Epと2次電子放出部に印加される電
圧VT との関係を示す特性図。
【図6】本発明に係る低エネルギ−電子の照射装置を適
用したエッチング装置の概略断面図。
【図7】従来の電子照射装置の概略断面図。
【符号の説明】
101          熱陰極 102          反射板 103          陽極 104          静電アインツェルレンズ1
05          静電アインツェルレンズ10
6          静電アインツェルレンズ107
          2次電子放出部108     
     シ−ルド用電極109          
引出し電極110          平行平板型エネ
ルギ−分析器(エネルギ−フィルタ) 111          平行平板型エネルギ−分析
器(エネルギ−フィルタ) 112          無電界空間電極113  
        無電界空間電極114       
   減速電極 115          減速電極 116          加熱用電源117    
      バイアス用電源118         
 加速電圧電源119          電圧印加用
電源120          バイアス印加用電源1
21          電圧印加用電源122   
       電圧印加用電源123        
  電圧印加用電源124          電圧印
加用電源125          電圧印加用電源6
01          真空容器 602          半導体基板603    
      サセプタ 604          ガス導入口605    
      真空排気口606          放
電管 607          マイクロ波609    
      低エネルギ−電子ビ−ム610     
     低エネルギ−電子照射装置701     
     イオンビ−ム702          試
料(ウェ−ハ)703          熱陰極 704          反射板 705          熱電子 706          電源 707          電源 708          電源 709          帯電部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  1次電子ビ−ム照射部から1次電子ビ
    −ムを2次電子放出部に照射して2次電子ビ−ムを放出
    する手段と、前記放出された2次電子ビ−ムを加速する
    手段と、前記加速された2次電子ビ−ムから高エネルギ
    −成分を除去する手段と、高エネルギ−成分を除去した
    前記2次電子ビ−ムを減速して集束する手段とを備えて
    いることを特徴とする低エネルギ−電子の照射方法。
  2. 【請求項2】  前記2次電子放出部もしくは前記2次
    電子ビ−ムを減速する手段に印加される電圧を変化させ
    ることにより前記低エネルギ−電子のエネルギ−分布を
    制御する手段を備えていることを特徴とする請求項1に
    記載の低エネルギ−電子の照射方法。
  3. 【請求項3】  1次電子ビ−ム照射部と、前記1次電
    子ビ−ム照射部から発生した1次電子ビ−ムの照射を受
    けて2次電子ビ−ムを放出する2次電子放出部と、前記
    2次電子ビ−ムを加速する手段と、前記加速された2次
    電子ビ−ムから高エネルギ−成分を除去して低エネルギ
    −の2次電子を得るエネルギ−分析部と、前記低エネル
    ギ−の2次電子を減速して集束する減速手段とを備えて
    いることを特徴とする低エネルギ−電子の照射装置。
  4. 【請求項4】  前記2次電子放出部もしくは前記減速
    手段には可変バイアス印加用電源を備えていることを特
    徴とする請求項3に記載の低エネルギ−電子の照射装置
  5. 【請求項5】  前記2次電子放出部は、その表面が前
    記1次電子ビ−ムの光軸に対して傾斜するように配置さ
    れていることを特徴とする請求項3に記載の低エネルギ
    −電子の照射装置。
  6. 【請求項6】  前記エネルギ−分析部は、平行平板型
    、円筒鏡型もしくは磁場型エネルギ−分析器を用いたエ
    ネルギ−フィルタを備えていることを特徴とする請求項
    3に記載の低エネルギ−電子の照射装置。
  7. 【請求項7】  前記エネルギ−分析部は、前記2次電
    子放出部に対抗する側に2次電子を補集するための引出
    し電極を備えていることを特徴とする請求項3に記載の
    低エネルギ−電子の照射装置。
  8. 【請求項8】  前記減速手段が減速レンズ系からなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の低エネルギ−電子の
    照射装置。
  9. 【請求項9】  前記減速レンズ系は、前記低エネルギ
    −電子に対して無電界空間を与えるために所定電位に保
    たれた第1の電極と、この第1の電極を通過した前記低
    エネルギ−電子を減速させるための第2の電極とから構
    成されることを特徴とする請求項8に記載の低エネルギ
    −電子の照射装置。
  10. 【請求項10】  前記2次電子放出部に印加される電
    圧と前記エネルギ−分析部の前記引出し電極に印加され
    る電圧との差分によって前記2次電子ビ−ムが加速され
    ることを特徴とする請求項3に記載の低エネルギ−電子
    の照射装置。
  11. 【請求項11】  前記低エネルギ−電子は、帯電され
    た試料に照射されて、その帯電状態を中和することを特
    徴とする請求項1に記載の低エネルギ−電子の照射方法
  12. 【請求項12】  前記低エネルギ−電子は、ラジカル
    な状態の原子もしくは分子に照射することによって、負
    イオンを形成する事を特徴とする請求項1に記載の低エ
    ネルギ−電子の照射方法。
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