JPH04362170A - 窒化鉄磁性薄膜を製造する方法 - Google Patents
窒化鉄磁性薄膜を製造する方法Info
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- JPH04362170A JPH04362170A JP16379691A JP16379691A JPH04362170A JP H04362170 A JPH04362170 A JP H04362170A JP 16379691 A JP16379691 A JP 16379691A JP 16379691 A JP16379691 A JP 16379691A JP H04362170 A JPH04362170 A JP H04362170A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【0001】
【技術分野】本発明は、窒化鉄磁性薄膜(以下窒化鉄薄
膜という)の製法に関する。
膜という)の製法に関する。
【0002】
【従来技術】被薄膜形成基板上(以下、基板という)に
窒化鉄薄膜を形成する手段は従来、種々のものが提案さ
れ、その方法も極めて多岐にわたっている。従来、蒸発
源と被蒸着物との間に高周波電磁界を発生させて、活性
或いは不活性ガス中で蒸発した物質をイオン化して真空
蒸着を行う、所謂、イオンプレーティング法があった(
特公昭52−29971号等)。しかし、これらの技術
では、組成制御を良好に行ない、形成される窒化鉄相を
再現性良く制御することは困難であった。すなわち、窒
化鉄中、常温で安定な相としては、ε−FexN(x=
2−3)、γ′−Fe4Nが知られているが、従来の窒
化鉄薄膜の製法にあっては、これらの相が混在する多相
膜となり、反応性を制御しながら、任意の物性を持つ膜
を形成することが困難であった。また、低基板温度にお
いて、プラズマ蒸着による反応性成膜を用い、窒化鉄薄
膜形成を行なう場合、基板温度が200℃以下の領域に
おいて、薄膜特性が損なわれるという問題があった。
窒化鉄薄膜を形成する手段は従来、種々のものが提案さ
れ、その方法も極めて多岐にわたっている。従来、蒸発
源と被蒸着物との間に高周波電磁界を発生させて、活性
或いは不活性ガス中で蒸発した物質をイオン化して真空
蒸着を行う、所謂、イオンプレーティング法があった(
特公昭52−29971号等)。しかし、これらの技術
では、組成制御を良好に行ない、形成される窒化鉄相を
再現性良く制御することは困難であった。すなわち、窒
化鉄中、常温で安定な相としては、ε−FexN(x=
2−3)、γ′−Fe4Nが知られているが、従来の窒
化鉄薄膜の製法にあっては、これらの相が混在する多相
膜となり、反応性を制御しながら、任意の物性を持つ膜
を形成することが困難であった。また、低基板温度にお
いて、プラズマ蒸着による反応性成膜を用い、窒化鉄薄
膜形成を行なう場合、基板温度が200℃以下の領域に
おいて、薄膜特性が損なわれるという問題があった。
【0003】
【目的】本発明の目的は、窒化鉄薄膜中にε−FexN
(x=2−3)やγ′−Fe4Nが混在せず、充分に窒
素が取り込まれている窒化鉄薄膜を提供する点にある。
(x=2−3)やγ′−Fe4Nが混在せず、充分に窒
素が取り込まれている窒化鉄薄膜を提供する点にある。
【0004】
【構成】本発明の第1は、窒素ガスまたはアンモニアガ
ス単独、あるいは窒素ガスとアンモニアガスからなる混
合ガス、もしくはこれらのガスとアルゴン等の不活性ガ
スとの混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内に
おいて蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、蒸発物質
を通過させうる構造であり、蒸発源と対電極間に配備さ
れかつフィラメントに対し正電位に保持されたグリット
と、蒸発源側に配備された熱電子発生用フィラメントと
、前記蒸発源に対向して基板を保持できるホルダーと、
前記蒸発源に対向し、かつ他の部材と電気的に絶縁され
た対電極とからなる窒化鉄磁性薄膜形成用装置を用い、
基板温度を200℃以下に保持することを特徴とする窒
化鉄磁性薄膜を製造する方法に関する。本発明の第2は
、基板上に、請求項1の方法で窒化鉄磁性薄膜を形成し
た後、酸素を含む雰囲気中にさらす前に真空中または酸
素を含まないガス雰囲気中でアニールを行なうことを特
徴とする窒化鉄磁性薄膜を形成する方法に関する。 ここで、薄膜中に存在する窒素の一部は鉄格子中に侵入
していると考えられるが、成膜時の基板温度が200℃
以下であるため、γ′−Fe4N,ε−FexN(x=
2−3),ζ−Fe2N格子を形作るためのサイトに存
在するものは僅かであると考えられる。このため、薄膜
中には多数の転移、あるいは積層欠陥などの欠陥が多数
存在していると考えられる。しかしながら、基板温度が
200℃を超える領域で薄膜形成を行なった場合、薄膜
中の窒素濃度が12at.%以下の領域でも、窒化鉄膜
の構造は、γ′−Fe4N,ε−FexN(x=2−3
),ζ−Fe2Nなどの構造のいずれかを含むαFeと
なり、薄膜特性が劣化する。また、薄膜を一旦空気にさ
らした場合、空気中に含まれる酸素が薄膜の欠陥を介し
て取り込まれる。この酸化は、常温においてもただちに
進行し、薄膜特性を阻害する。このようにして一旦薄膜
中に取り込まれた酸素は、再び試料を真空雰囲気中に戻
してもなかなか離脱しない。そこで、試料を空気にさら
す前にアニール処理を行い、上述した欠陥を緩和するこ
とが望ましい。すなわち、成膜後、真空槽内で真空中ア
ニールを行う。このアニールにより、薄膜に存在する点
欠陥などが緩和される。この際、薄膜中に存在する窒素
の一部は、αFe結晶粒の粒界に移動し、一部はα″F
e16N2を形成するサイトに移動すると考えられる。 かくして薄膜の耐食性の向上、飽和磁化向上に寄与する
と考えられる。なお、アニール時の基板温度も200℃
以下に保ち、γ′−Fe4N,ε−FexN(x=2−
3),ζ−Fe2Nの析出を抑制することが望ましい。 また、本発明では対電極が絶縁されており、アースされ
ていないので、薄膜の密着性、反応性を損なわずに薄膜
にダメージを与え、酸化を誘発させることができるので
、高エネルギーイオンの入射を抑制できる。本発明の窒
化鉄薄膜形成装置は、真空槽と、対電極と、グリッドと
、熱電子発生用のフィラメントと、蒸発源とを有し、真
空槽内には、窒素ガスまたはアンモニアガス単独、ある
いは窒素ガスとアンモニアガスから成る混合ガス、もし
くはこれらのガスとアルゴン等の不活性ガスとの混合ガ
スが導入され、グリッドは、蒸発物質を通過させうるも
のであって、蒸発源と対電極間に配備され、フィラメン
ト電位にたいして正電位におかれる。対電極は真空槽内
に配備され、基板を保持し、かつ、上記基板を蒸発源と
対向させられ、かつその他の部材と電気的に絶縁されて
いる。熱電子発生用のフィラメントは、真空槽内の上記
グリッドに関し、蒸発源側に配備され、このフィラメン
トにより発生する熱電子は、蒸発物質の一部をイオン化
するのに供される。蒸発源からの蒸発物質は、その一部
が、フィラメントからの電子により正イオンにイオン化
される。真空槽内に導入されたガスは、その一部が、フ
ィラメントからの電子により正イオンにイオン化される
。従って対電極付近に、正イオン、電子、場合により負
イオンからなるプラズマ状態が実現する。対電極にはこ
れらのイオン化された粒子が入射するが、対電極は、そ
の他の部材と電気的に絶縁されているので、フローティ
ング電位となる。電位関係は、フィラメント電位<フロ
ーティング電位<グリッド電位、となる。その結果、真
空槽内に、グリッドから基板に向かう電界と、グリッド
から蒸発源に向かう電界とが確実に逆向きに形成される
。プラズマ中の空間電位はグリッド電位に近い。正イオ
ンは、前記電界の作用により空間電位と対電極電位との
差に応じ加速され、基板に衝突することになる。このイ
オンエネルギーのオーダーは、プラズマ中の電子の運動
エネルギー程度であり、通常薄膜に過度のダメージを与
えることは無い。もちろん、イオンエネルギーのオーダ
ーは、通常の真空蒸着による蒸発粒子の運動エネルギー
のオーダーを越えており、密着性を損なうことは無い。 なお、フィラメントからの電子は、フィラメント温度に
対応する運動エネルギーをもって、フィラメントから放
射されるので、正電位のグリッドに直ちに吸引されずに
、これを通過し、グリッドによるクーロン力により引き
戻され、更に、グリッドを通過し、というように、グリ
ッドを中心として振動運動を繰返し、遂にはグリッドに
吸収されるので基板へは達せず、基板は電子衝撃を受け
ないので、それによる加熱がなく基板の温度上昇が防止
できる。従って、プラスチックスのような耐熱性の無い
材質のものでも、基板とすることが出来る。かくして、
低温の基板上においても、窒素が十分に鉄中に取り込ま
れる。窒素組成は、窒素ガス導入レート、グリッド電流
、成膜レート等、成膜パラメータを調整することにより
、再現性良く制御することが出来る。そして低基板温度
においても、十分良好に窒素が薄膜に取り込まれるため
、薄膜の飽和磁化を低下させるγ′−Fe4N、ε−F
exN(x=2−3)、ζ−Fe2Nの結晶化を抑制で
きる。さらに上述したように過度のイオン衝撃が無いた
め、欠陥が少ない高品質薄膜を形成できる。かくしてリ
ーク後の酸化を抑制することが可能である。基板上に窒
化鉄層を形成するときの前記装置の好ましい使用条件は
、■導入ガスは窒素ガス、■導入ガスの圧力範囲は10
0〜1/102Paであり、■成膜レートは0.1〜1
00Å/Sであり、■グリッド印加電圧は、300V以
下であり、■グリッドの単位面積に流れる電流密度が1
〜1000A/m2である。
ス単独、あるいは窒素ガスとアンモニアガスからなる混
合ガス、もしくはこれらのガスとアルゴン等の不活性ガ
スとの混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内に
おいて蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、蒸発物質
を通過させうる構造であり、蒸発源と対電極間に配備さ
れかつフィラメントに対し正電位に保持されたグリット
と、蒸発源側に配備された熱電子発生用フィラメントと
、前記蒸発源に対向して基板を保持できるホルダーと、
前記蒸発源に対向し、かつ他の部材と電気的に絶縁され
た対電極とからなる窒化鉄磁性薄膜形成用装置を用い、
基板温度を200℃以下に保持することを特徴とする窒
化鉄磁性薄膜を製造する方法に関する。本発明の第2は
、基板上に、請求項1の方法で窒化鉄磁性薄膜を形成し
た後、酸素を含む雰囲気中にさらす前に真空中または酸
素を含まないガス雰囲気中でアニールを行なうことを特
徴とする窒化鉄磁性薄膜を形成する方法に関する。 ここで、薄膜中に存在する窒素の一部は鉄格子中に侵入
していると考えられるが、成膜時の基板温度が200℃
以下であるため、γ′−Fe4N,ε−FexN(x=
2−3),ζ−Fe2N格子を形作るためのサイトに存
在するものは僅かであると考えられる。このため、薄膜
中には多数の転移、あるいは積層欠陥などの欠陥が多数
存在していると考えられる。しかしながら、基板温度が
200℃を超える領域で薄膜形成を行なった場合、薄膜
中の窒素濃度が12at.%以下の領域でも、窒化鉄膜
の構造は、γ′−Fe4N,ε−FexN(x=2−3
),ζ−Fe2Nなどの構造のいずれかを含むαFeと
なり、薄膜特性が劣化する。また、薄膜を一旦空気にさ
らした場合、空気中に含まれる酸素が薄膜の欠陥を介し
て取り込まれる。この酸化は、常温においてもただちに
進行し、薄膜特性を阻害する。このようにして一旦薄膜
中に取り込まれた酸素は、再び試料を真空雰囲気中に戻
してもなかなか離脱しない。そこで、試料を空気にさら
す前にアニール処理を行い、上述した欠陥を緩和するこ
とが望ましい。すなわち、成膜後、真空槽内で真空中ア
ニールを行う。このアニールにより、薄膜に存在する点
欠陥などが緩和される。この際、薄膜中に存在する窒素
の一部は、αFe結晶粒の粒界に移動し、一部はα″F
e16N2を形成するサイトに移動すると考えられる。 かくして薄膜の耐食性の向上、飽和磁化向上に寄与する
と考えられる。なお、アニール時の基板温度も200℃
以下に保ち、γ′−Fe4N,ε−FexN(x=2−
3),ζ−Fe2Nの析出を抑制することが望ましい。 また、本発明では対電極が絶縁されており、アースされ
ていないので、薄膜の密着性、反応性を損なわずに薄膜
にダメージを与え、酸化を誘発させることができるので
、高エネルギーイオンの入射を抑制できる。本発明の窒
化鉄薄膜形成装置は、真空槽と、対電極と、グリッドと
、熱電子発生用のフィラメントと、蒸発源とを有し、真
空槽内には、窒素ガスまたはアンモニアガス単独、ある
いは窒素ガスとアンモニアガスから成る混合ガス、もし
くはこれらのガスとアルゴン等の不活性ガスとの混合ガ
スが導入され、グリッドは、蒸発物質を通過させうるも
のであって、蒸発源と対電極間に配備され、フィラメン
ト電位にたいして正電位におかれる。対電極は真空槽内
に配備され、基板を保持し、かつ、上記基板を蒸発源と
対向させられ、かつその他の部材と電気的に絶縁されて
いる。熱電子発生用のフィラメントは、真空槽内の上記
グリッドに関し、蒸発源側に配備され、このフィラメン
トにより発生する熱電子は、蒸発物質の一部をイオン化
するのに供される。蒸発源からの蒸発物質は、その一部
が、フィラメントからの電子により正イオンにイオン化
される。真空槽内に導入されたガスは、その一部が、フ
ィラメントからの電子により正イオンにイオン化される
。従って対電極付近に、正イオン、電子、場合により負
イオンからなるプラズマ状態が実現する。対電極にはこ
れらのイオン化された粒子が入射するが、対電極は、そ
の他の部材と電気的に絶縁されているので、フローティ
ング電位となる。電位関係は、フィラメント電位<フロ
ーティング電位<グリッド電位、となる。その結果、真
空槽内に、グリッドから基板に向かう電界と、グリッド
から蒸発源に向かう電界とが確実に逆向きに形成される
。プラズマ中の空間電位はグリッド電位に近い。正イオ
ンは、前記電界の作用により空間電位と対電極電位との
差に応じ加速され、基板に衝突することになる。このイ
オンエネルギーのオーダーは、プラズマ中の電子の運動
エネルギー程度であり、通常薄膜に過度のダメージを与
えることは無い。もちろん、イオンエネルギーのオーダ
ーは、通常の真空蒸着による蒸発粒子の運動エネルギー
のオーダーを越えており、密着性を損なうことは無い。 なお、フィラメントからの電子は、フィラメント温度に
対応する運動エネルギーをもって、フィラメントから放
射されるので、正電位のグリッドに直ちに吸引されずに
、これを通過し、グリッドによるクーロン力により引き
戻され、更に、グリッドを通過し、というように、グリ
ッドを中心として振動運動を繰返し、遂にはグリッドに
吸収されるので基板へは達せず、基板は電子衝撃を受け
ないので、それによる加熱がなく基板の温度上昇が防止
できる。従って、プラスチックスのような耐熱性の無い
材質のものでも、基板とすることが出来る。かくして、
低温の基板上においても、窒素が十分に鉄中に取り込ま
れる。窒素組成は、窒素ガス導入レート、グリッド電流
、成膜レート等、成膜パラメータを調整することにより
、再現性良く制御することが出来る。そして低基板温度
においても、十分良好に窒素が薄膜に取り込まれるため
、薄膜の飽和磁化を低下させるγ′−Fe4N、ε−F
exN(x=2−3)、ζ−Fe2Nの結晶化を抑制で
きる。さらに上述したように過度のイオン衝撃が無いた
め、欠陥が少ない高品質薄膜を形成できる。かくしてリ
ーク後の酸化を抑制することが可能である。基板上に窒
化鉄層を形成するときの前記装置の好ましい使用条件は
、■導入ガスは窒素ガス、■導入ガスの圧力範囲は10
0〜1/102Paであり、■成膜レートは0.1〜1
00Å/Sであり、■グリッド印加電圧は、300V以
下であり、■グリッドの単位面積に流れる電流密度が1
〜1000A/m2である。
【0005】以下、図示の実施例について説明する。図
において、ベースプレート1とベルジャー2とは、パッ
キング15を介して一体化され真空槽を形成している。 ベースプレート1は、支持体兼用の電極3,5,7,9
により貫通されているが、これら支持体兼用電極3など
の貫通部はもちろん気密状態であり、さらにこれら支持
体兼用電極3,5,7,9とベースプレート1とは電気
的に絶縁されている。またベースプレート1の中央部に
穿設された孔1Aは図示されていない真空排気系へ連結
されている。一対の支持体兼用電極3は、その間にタン
グステン、モリブデンなどの金属をボート状に形成した
抵抗加熱式の蒸発源4を支持している。また、ボート状
に代えてコイル状にしてもよい。なお、このような蒸発
源に替えて、電子ビーム蒸発源など、従来の真空蒸着方
式で用いられている蒸発源を適宜使用することもできる
。更に蒸発源を複数個設置しても良い。一対の支持体兼
用電極5の間には、タングステンなどによる熱電子発生
用のフィラメント6が支持されている。このフィラメン
ト6の形状は、複数本のフィラメントを平行に配列した
り、あるいは網目状にしたりするなどして、蒸発源から
蒸発した蒸発物質の粒子の拡がりをカバーするように定
められている。支持体兼用電極7には、グリッド8が支
持されている。このグリッドは、蒸発物質を通過させう
る形状に、その形状が定められているが、この例では網
目状である。支持体9には対電極10が支持され、その
下位には、基板11が適宜の方法で保持される。この状
態を蒸発源4の側から見れば、基板11の背後に対電極
10が配備されることとなる。さて、支持体兼用電極3
,5,7,9は導電体であって電極としての役割を兼ね
ており、それらの真空槽外へ突出した端部間は図示のよ
うに種々の電源に接続されている。まず、一対の支持体
兼用電極3は蒸発用電源12を介して接続されている。 さらに、図示例の場合は、支持体兼用電極7が、直流電
圧電源14の正端子に接続され、支持体兼用電極9が、
接地されている。実際には、これら電気的接続は、種々
のスイッチ類を含み、これらの操作により、成膜プロセ
スを実現するのであるが、これらスイッチ類は図中に示
めされていない。以下、この装置例による窒化鉄薄膜形
成について例を用いて説明する。基板11を図のように
セットして、蒸着物質として金属鉄を蒸発源4に保持さ
せる。ここでは、たとえば蒸発源は抵抗加熱式蒸発源で
あるとする。真空槽内はあらかじめ、1/103〜1/
108Paの圧力にされ、これに、必要に応じて、窒素
ガスを単独で、またはアンモニアガスを単独で、あるい
はアルゴン等の不活性ガスと共に100〜1/102P
aの圧力で導入される。ここでは、導入ガスは、例えば
、窒素ガス単独であるとする。この状態において、電源
を作動させグリッド8に正の電位が印加され、対電極1
0は絶縁され、フィラメント6には電流が流される。 ここでは、たとえばグリッドは網目状であり+100V
の電位が印加されており、フィラメントはタングステン
ワイヤーで400Wの電力がかかっている。フィラメン
ト6は抵抗加熱により加熱され、熱電子を放射する。真
空槽内の窒素分子、或いはアルゴン分子は、フィラメン
ト6より放出された熱電子との衝突によってイオン化さ
れる。蒸発した鉄の粒子は拡がりをもって、基板の側へ
向かって飛行するが、その一部、および、前記導入ガス
はフィラメント6より放出された熱電子との衝突によっ
てイオン化される。このように、一部イオン化された鉄
はグリッド8を通過するが、その際、前記のようにグリ
ッド近傍において上下に振動運動する熱電子および、前
記イオン化された導入ガスの衝突により、さらにイオン
化が促進される。グリッド8を通過した蒸発物質中、い
まだイオン化されていない部分は、更に、グリッドと基
板の間において、前記イオン化された導入ガスとの衝突
により、正イオンにイオン化され、イオン化率が高めら
れる。このようにして、正イオンにイオン化された鉄粒
子、窒素粒子は、グリッド8から対電極12に向かう電
界の作用により基板11に向かって加速され、基板に高
エネルギーを持って向かう。更にその途中、及び基板表
面において、窒素と結合し、窒化鉄膜を基板に形成する
。 さらに前記電子により励起された中性の活性種も反応に
寄与する。このようにして基板の近傍でイオンと電子と
からなるプラズマ状態が実現する。対電極10はプラズ
マ中で電気的に絶縁されているので、その電位はフロー
ティング電位となる。空間電位と対電極電位との差に応
じ、加速され、基板11に衝突するイオンの持つ運動エ
ネルギーは、電子温度程度であるため、本装置において
は数eVを越えない。従って過度のイオン衝撃による薄
膜のダメージは無い。なお電子温度は、グリッド電圧、
グリッド電流、ガス圧等の成膜パラメータを調整するこ
とにより、適度な値に保持できる。薄膜組成は、鉄と窒
素の反応性に依存する。既ち真空槽内の窒素分圧を高く
し、グリッドに流れる電流値を大きくし、成膜レートを
低下させるほど、より窒化の進んだ薄膜が形成される。 良好な特性を有する薄膜が形成されるガス圧範囲は10
1〜1/102Paであり、グリッド電圧範囲は15〜
500Vである。熱電子は最終的には、その大部分がグ
リッド8に吸収され、一部の熱電子はグリッド8を通過
するが、グリッド8と基板11との間で、前記電界の作
用によって、減速されるので、仮に基板11に到達して
も、同基板11を加熱するには至るらない。このように
して、成膜時の基板温度が低い場合においても、十分に
、窒素が薄膜中に取り込まれ、上述した成膜パラメータ
を適宜選択することにより、所定の組成を有する窒化鉄
薄膜を、制御性良く形成できる。本発明においては、薄
膜が空気など酸素を含む雰囲気にさらすと薄膜中の欠陥
中に大気中の酸素を取り込む傾向があるので、空気にさ
らす前にアニールを行ない、さらに耐候性、耐食性を向
上させることが好ましい。
において、ベースプレート1とベルジャー2とは、パッ
キング15を介して一体化され真空槽を形成している。 ベースプレート1は、支持体兼用の電極3,5,7,9
により貫通されているが、これら支持体兼用電極3など
の貫通部はもちろん気密状態であり、さらにこれら支持
体兼用電極3,5,7,9とベースプレート1とは電気
的に絶縁されている。またベースプレート1の中央部に
穿設された孔1Aは図示されていない真空排気系へ連結
されている。一対の支持体兼用電極3は、その間にタン
グステン、モリブデンなどの金属をボート状に形成した
抵抗加熱式の蒸発源4を支持している。また、ボート状
に代えてコイル状にしてもよい。なお、このような蒸発
源に替えて、電子ビーム蒸発源など、従来の真空蒸着方
式で用いられている蒸発源を適宜使用することもできる
。更に蒸発源を複数個設置しても良い。一対の支持体兼
用電極5の間には、タングステンなどによる熱電子発生
用のフィラメント6が支持されている。このフィラメン
ト6の形状は、複数本のフィラメントを平行に配列した
り、あるいは網目状にしたりするなどして、蒸発源から
蒸発した蒸発物質の粒子の拡がりをカバーするように定
められている。支持体兼用電極7には、グリッド8が支
持されている。このグリッドは、蒸発物質を通過させう
る形状に、その形状が定められているが、この例では網
目状である。支持体9には対電極10が支持され、その
下位には、基板11が適宜の方法で保持される。この状
態を蒸発源4の側から見れば、基板11の背後に対電極
10が配備されることとなる。さて、支持体兼用電極3
,5,7,9は導電体であって電極としての役割を兼ね
ており、それらの真空槽外へ突出した端部間は図示のよ
うに種々の電源に接続されている。まず、一対の支持体
兼用電極3は蒸発用電源12を介して接続されている。 さらに、図示例の場合は、支持体兼用電極7が、直流電
圧電源14の正端子に接続され、支持体兼用電極9が、
接地されている。実際には、これら電気的接続は、種々
のスイッチ類を含み、これらの操作により、成膜プロセ
スを実現するのであるが、これらスイッチ類は図中に示
めされていない。以下、この装置例による窒化鉄薄膜形
成について例を用いて説明する。基板11を図のように
セットして、蒸着物質として金属鉄を蒸発源4に保持さ
せる。ここでは、たとえば蒸発源は抵抗加熱式蒸発源で
あるとする。真空槽内はあらかじめ、1/103〜1/
108Paの圧力にされ、これに、必要に応じて、窒素
ガスを単独で、またはアンモニアガスを単独で、あるい
はアルゴン等の不活性ガスと共に100〜1/102P
aの圧力で導入される。ここでは、導入ガスは、例えば
、窒素ガス単独であるとする。この状態において、電源
を作動させグリッド8に正の電位が印加され、対電極1
0は絶縁され、フィラメント6には電流が流される。 ここでは、たとえばグリッドは網目状であり+100V
の電位が印加されており、フィラメントはタングステン
ワイヤーで400Wの電力がかかっている。フィラメン
ト6は抵抗加熱により加熱され、熱電子を放射する。真
空槽内の窒素分子、或いはアルゴン分子は、フィラメン
ト6より放出された熱電子との衝突によってイオン化さ
れる。蒸発した鉄の粒子は拡がりをもって、基板の側へ
向かって飛行するが、その一部、および、前記導入ガス
はフィラメント6より放出された熱電子との衝突によっ
てイオン化される。このように、一部イオン化された鉄
はグリッド8を通過するが、その際、前記のようにグリ
ッド近傍において上下に振動運動する熱電子および、前
記イオン化された導入ガスの衝突により、さらにイオン
化が促進される。グリッド8を通過した蒸発物質中、い
まだイオン化されていない部分は、更に、グリッドと基
板の間において、前記イオン化された導入ガスとの衝突
により、正イオンにイオン化され、イオン化率が高めら
れる。このようにして、正イオンにイオン化された鉄粒
子、窒素粒子は、グリッド8から対電極12に向かう電
界の作用により基板11に向かって加速され、基板に高
エネルギーを持って向かう。更にその途中、及び基板表
面において、窒素と結合し、窒化鉄膜を基板に形成する
。 さらに前記電子により励起された中性の活性種も反応に
寄与する。このようにして基板の近傍でイオンと電子と
からなるプラズマ状態が実現する。対電極10はプラズ
マ中で電気的に絶縁されているので、その電位はフロー
ティング電位となる。空間電位と対電極電位との差に応
じ、加速され、基板11に衝突するイオンの持つ運動エ
ネルギーは、電子温度程度であるため、本装置において
は数eVを越えない。従って過度のイオン衝撃による薄
膜のダメージは無い。なお電子温度は、グリッド電圧、
グリッド電流、ガス圧等の成膜パラメータを調整するこ
とにより、適度な値に保持できる。薄膜組成は、鉄と窒
素の反応性に依存する。既ち真空槽内の窒素分圧を高く
し、グリッドに流れる電流値を大きくし、成膜レートを
低下させるほど、より窒化の進んだ薄膜が形成される。 良好な特性を有する薄膜が形成されるガス圧範囲は10
1〜1/102Paであり、グリッド電圧範囲は15〜
500Vである。熱電子は最終的には、その大部分がグ
リッド8に吸収され、一部の熱電子はグリッド8を通過
するが、グリッド8と基板11との間で、前記電界の作
用によって、減速されるので、仮に基板11に到達して
も、同基板11を加熱するには至るらない。このように
して、成膜時の基板温度が低い場合においても、十分に
、窒素が薄膜中に取り込まれ、上述した成膜パラメータ
を適宜選択することにより、所定の組成を有する窒化鉄
薄膜を、制御性良く形成できる。本発明においては、薄
膜が空気など酸素を含む雰囲気にさらすと薄膜中の欠陥
中に大気中の酸素を取り込む傾向があるので、空気にさ
らす前にアニールを行ない、さらに耐候性、耐食性を向
上させることが好ましい。
【0006】
【効果】本発明によれば、低基板温度においても、十分
良好に窒素が薄膜に取り込まれるため、薄膜の飽和磁化
を低下させるγ′−Fe4N,ε−FexN(x=2−
3),ζ−Fe2Nの結晶化を抑制できる。かつ、アニ
ール処理により薄膜の酸化による薄膜特性劣化を抑制で
きるため、磁気記録の高密度化に寄与する軟磁性薄膜材
料を得ることができるものである。
良好に窒素が薄膜に取り込まれるため、薄膜の飽和磁化
を低下させるγ′−Fe4N,ε−FexN(x=2−
3),ζ−Fe2Nの結晶化を抑制できる。かつ、アニ
ール処理により薄膜の酸化による薄膜特性劣化を抑制で
きるため、磁気記録の高密度化に寄与する軟磁性薄膜材
料を得ることができるものである。
【図1】本発明の方法で使用することが好ましい薄膜蒸
着装置の概略図である。
着装置の概略図である。
1 ベースプレート
1A 孔
2 ベルジャー
3 支持体兼用電極
4 蒸発源
5 支持体兼用電極
6 フィラメント
7 支持体兼用電極
8 グリッド
9 支持体兼用電極
10 対電極
11 基板
12 蒸発用電源
13 フィラメント用電源
14 直流電圧電源
15 パッキング
Claims (2)
- 【請求項1】 窒素ガスまたはアンモニアガス単独、
あるいは窒素ガスとアンモニアガスからなる混合ガス、
もしくはこれらのガスとアルゴン等の不活性ガスとの混
合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内において蒸
発物質を蒸発させるための蒸発源と、蒸発物質を通過さ
せうる構造であり、蒸発源と対電極間に配備されかつフ
ィラメントに対し正電位に保持されたグリットと、蒸発
源側に配備された熱電子発生用フィラメントと、前記蒸
発源に対向して基板を保持できるホルダーと、前記蒸発
源に対向し、かつ他の部材と電気的に絶縁された対電極
とからなる窒化鉄磁性薄膜形成用装置を用い、基板温度
を200℃以下に保持することを特徴とする窒化鉄磁性
薄膜を製造する方法。 - 【請求項2】 基板上に、請求項1の方法で窒化鉄磁
性薄膜を形成した後、酸素を含む雰囲気中にさらす前に
真空中または酸素を含まないガス雰囲気中でアニールを
行なうことを特徴とする窒化鉄磁性薄膜を製造する方法
。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16379691A JPH04362170A (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 窒化鉄磁性薄膜を製造する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16379691A JPH04362170A (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 窒化鉄磁性薄膜を製造する方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04362170A true JPH04362170A (ja) | 1992-12-15 |
Family
ID=15780869
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16379691A Pending JPH04362170A (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 窒化鉄磁性薄膜を製造する方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH04362170A (ja) |
-
1991
- 1991-06-07 JP JP16379691A patent/JPH04362170A/ja active Pending
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