JPH0437861B2 - - Google Patents
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- JPH0437861B2 JPH0437861B2 JP8614484A JP8614484A JPH0437861B2 JP H0437861 B2 JPH0437861 B2 JP H0437861B2 JP 8614484 A JP8614484 A JP 8614484A JP 8614484 A JP8614484 A JP 8614484A JP H0437861 B2 JPH0437861 B2 JP H0437861B2
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Description
本発明は、高分子量ポリオレフイン成形物の製
造方法に関し、詳細には耐分繊性、結節強度およ
び引裂強度に優れる高強度および高弾性率を有す
る繊維またはフイルムなどの高分子量ポリオレフ
イン成形物の製造方法に関する。 超高分子量のポリエチレンを原料とした高弾性
率および高強度の繊維を製造する方法は、例えば
ペニングス(AJ.Pennings)の文献、特開昭55−
107506号公報、特開昭58−5228号公報などに記載
されている。これらの方法は、超高分子量のポリ
エチレンを非揮発性の溶媒に高温で溶解し、溶液
紡糸してゲル状繊維を得たのちこれを延伸する
か、あるいはゲル状物中に含まれる非揮発性溶媒
を揮発性溶媒で抽出し、これを然るべき弾性率お
よび強度まで熱延伸して繊維を得るものである。 しかしながら、これらの方法によれば超高分子
量のポリエチレンから高弾性および高強度の繊維
を得ることができるが、これらの繊維は高度に配
向結晶化した鎖状高分子に特有の性質を免れな
い。すなわち、配向度が増加すれば配向軸方向の
弾性率および強度は結晶弾性率および強度に漸近
するが、強度に異方性が生じ配向軸に垂直方向の
弾性率および強度は相対的に弱くなる。従つて、
この繊維は縦割れもしくは分繊が著しく、通常の
織機や編機を用いてトウ・ブリブレグ、布を得よ
うとするとガイドプーリー、ガイドロール、カイ
トリブなどを通過する際の曲げや摩擦より繊維は
何本もの細繊維に分繊されてしまい装置の運転が
困難となるという欠点があつた。 このような欠点を改良するものとして、例えば
特開昭58−169521号公報には超高分子量ポリオレ
フインのフイラメント上にエチレンまたはプロピ
レンの結晶化度を有するポリマーを被覆すること
により繊維のフイブリル化を防止する被覆繊維の
記載がある。 しかしながら、この被覆繊維はフイラメントの
被覆にポリマーを用いるために、フイラメント中
の微細孔へのポリマーの含浸が難かしく、フイラ
メントのフイブリル化の防止は表面から行うもの
で、耐分繊性の改善は十分でなかつた。 本発明は、従来の方法により得られる高分子量
のポリオレフインから得られる高強力および高弾
性を有する成形物のこのような欠点を改善するも
のであつて、本発明は、超高分子量ポリオレフイ
ン溶液からゲル状成形物を成形し、該ゲル状成形
物中の溶媒を除去した後に、該ゲル状成形物中に
スチレン系単量体を含ませ、次いで加熱し延伸す
ることを特徴とする高分子量ポリオレフイン成形
物の製造方法である。 本発明において用いられる高分子量ポリオレフ
インとしては、結晶性のオレフインの単独重合体
もしくは共重合体で、重量平均分子量が500000以
上、好ましくは1000000以上、特に好ましくは
2000000以上のもので、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
ポリブテン−1、ポリメチルペンテン−1、ポリ
オキシメチレンなどがあげられる。これらのうち
では重量平均分子量が2000000以上のポリエチレ
ンまたはポリプロピレンが好ましい。 また、本発明において用いられるスチレン系単
量体としては、後述の高分子量ポリオレフインの
溶液から成形されるゲル状成形物の脱溶媒後に含
浸させて加熱し延伸する過程において速みやかに
ラジカル重合が進行するスチレンまたはその誘導
体があげられる。スチレン誘導体としては、スチ
レンをメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチ
ルなどのアルキル基、ビニル基、シクロヘキシル
基、アミノ基、オキシ基、メトキシ基、シアン
基、その他フツ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハ
ロゲンで置換したものがあげられるが、これらの
うちではオルト、メタまたはパラの置換物が好ま
しい。上記スチレン系単量体のうちではオルト、
メタまたはパラのメチルスチレンが好ましく、特
にパラメチルスチレンまたはパラメチルスチレン
を主とするオルトもしくはメタメチルスチレンの
混合物が反応性および蒸気圧のうえから好まし
い。また、これらスチレン系単量体は、二種以上
の混合物またはスチレン系単量体を主とする他の
重合性単量体例えばイソシアヌル酸、ビニルナフ
タリン、ビニルピリジン、ビニルカプロラクタム
などとの混合物として用いることができる。 本発明における高分子量ポリオレフインの溶液
は、前記の高分子量ポリオレフインを溶媒に加熱
溶解して調製される。このときの溶媒としては、
該重合体を十分に溶解できるもので、例えば飽和
脂肪族炭化水素、環式炭化水素、芳香族炭化水素
またはこれらの混合物などがあげられる。好適な
例としては、パラフイン油、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン、テトラリンなどの脂肪族または環
式の炭化水素あるいは沸点がこれらに対応する鉱
油留分などがあげられる。加熱溶解は、該ポリオ
レフインが溶解中でゲル化する温度よりも高く溶
媒中に完全に溶解する温度で行われる。温度は使
用される溶媒により異なるが、一般には140〜250
℃の範囲である。また、溶液中に存在するポリオ
レフインの濃度は1〜15重量%、好ましくは4〜
8重量%である。 次に、この加熱溶解溶液からポリオレフインの
ゲル状成形物を成形する。このゲル化の方法とし
ては、該ポリオレフイン溶液を適宜選択されたダ
イス、例えば繊維の成形には断面が円形、長円
形、X型、Y型などの孔を有するもの、またフイ
ルム、バンドなどの成形には断面が長方形の孔を
有するものを用いて押出す方法があげられる。押
出されたゲル状の成形物は、水浴、空気浴または
溶媒の抽出用溶剤などでゲル化温度以下、好まし
くは15〜25℃の温度に少くとも50℃/分の速度で
冷却される。得られるゲル状成形物は、ポリオレ
フイン溶解時の溶媒を含むものであり脱溶媒処理
を行うことが必要である。 ゲル状成形物中の溶媒を除去する方法として
は、ゲル状成形物の加熱による溶媒の蒸発除去、
または揮発性の溶剤による溶媒の抽出除去などが
あげられるが、ゲル状成形物の構造を著しく変化
させることなく溶媒を除去するためには、揮発性
溶剤による抽出除去が好ましい。ゲル成形物中の
溶媒は1重量%以下まで除去することが好まし
い。この揮発性溶剤としては、例えばペンタン、
ヘキサン、ヘブタン、トルエンなどの炭化水素、
塩化メチレン、四塩化炭素などの塩素化炭化水
素、三塩化三フツ化エタンなどのフツ化炭化水
素、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテ
ル類、その他メタノール、エタノールなどのアル
コール類などがあげられる。溶媒が抽出された揮
発性溶媒を含むゲル状成形物は、揮発性溶媒を除
去して実質的に完全な固体網状重合体を残すよう
な条件で乾燥されるか、または揮発性溶剤を含ん
だ状態でスチレン系単量体を含浸させる。 脱溶媒されたゲル状成形物への重合性のスチレ
ン系単量体(以下単量体という)の含浸は、反応
開始剤の存在下または不存在下の単量体の中に成
形物を浸漬することによつて達成される。反応開
始剤は、有効な重合をさせるために添加すること
が好ましく、例えばベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロ
ニトリル、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチル
−パーオキサイドなどがあげられる。この反応開
始剤の添加量は、特に制限されないが、通常は単
量体100重量部に対し0.005〜5重量部である。こ
の時の単量体の温度は、単量体の凝固点を越え、
またゲル状成形物が単量体へ溶解する迄の温度
で、具体的には凝固点を越えてから90℃の範囲
で、特に20〜25℃の室温で行うことが経済的にも
好ましい。単量体の温度が凝固点以下ではゲル状
成形物中に単量体が含浸されず、一方90℃を越え
る高温ではゲル状成形物が単量体に溶解したり、
重合速度が著しく上昇したり、また単量体が蒸発
するために好ましくない。また、ゲル状成形物の
単量体中への浸漬時間は、後述のゲル状成形物の
加熱延伸において、ゲル状成形物中で単量体が重
合して付加される量によつて選択される。ゲル成
形物中で重合して付加する重合体の好ましい量は
0.5〜25重量%で、特に好ましくは1〜5重量%
の範囲である。重合体の付加量が0.5重量%未満
では成形物の耐分繊性、結節強度、引裂強度など
が改善されず、一方25重量%を越える場合は成形
物の高弾性、高強度が損なわれるために好ましく
ない。 次に、単量体を含浸したゲル状成形物は、加熱
して1段階または2段階以上で延伸する。この時
の温度は、ゲル状成形物に含浸させた単量体が重
合し、かつゲル状成形物の配向が十分に行えるこ
とが必要である。具体的にはゲル状成形物の軟化
点から融点以下、特に融点直下で行うことが好ま
しく、例えばポリエチレンの場合は110〜140℃、
ポリプロピレンの場合は110〜160℃で行うことが
好ましい。延伸時の温度が融点を越える場合は、
ゲル状成形物の配向ができず、一方、軟化点未満
では前記単量体の重合が十分に行われず、しかも
高強度および高弾性の成形物を得るに必要な延伸
比を得ることができないために好ましくない。成
形物の引張強さおよび弾性率は、ほぼ延伸比に比
例するために強度を大きくする場合には延伸比を
大きくすることが必要であり、延伸比は少くとも
10で、好ましくは20以上である。 延伸した成形物は、未反応の単量体を除去する
とともに熱処理を施して乾燥する。 本発明の方法は、バツチ式および連続的な方法
で実施できる。次に、本発明の方法で連続的に製
造する場合の装置の一例を図面を用いて以下に説
明する。 第1図は本発明の方法による繊維を製造する装
置の一例を示す側面略図である。 高分子量のポリオレフイン1および非揮発性の
溶媒2とを混合槽3に供給して撹拌機4でスラリ
ー状とする。このスラリーは管5で連続的に加熱
撹拌槽6に送られ撹拌プレート7で撹拌して均一
な溶液とする。この溶液はギアポンプ8により紡
糸用ダイ9に送られ溶液紡糸される。押出された
溶液10は直ちに冷却槽11で冷却ゲル化され原
糸12となる。ゲル化繊維12はロール13によ
り揮発性溶剤14による抽出槽15に供給され非
揮発性溶媒を抽出除去した後、ロール16により
送られ乾燥室17を経て乾燥ゲル繊維18(キセ
ロゲル)を得る。乾燥ゲル繊維18はロール19
により送られ単量体20の浸漬槽21を経て単量
体を含浸させて延伸工程へ導かれる。単量体20
を含むゲル繊維22は、ロール23,25,2
7,29で温度の異なる円筒加熱機24,26,
28へそれぞれ供給し、または巻取り、温度を変
えて3段階に延伸すると同時にゲル繊維中に含ま
せた単量体を重合させて延伸繊維30の配向結晶
間に単量体の重合体を構成させる。延伸繊維30
は熱セツト槽31で乾燥されロール32を経て巻
取機33に巻取られる。 以上、本発明の方法によれば高分子量のポリオ
レフインから得られる延伸成形物の高弾性および
高強度を損うことなく、耐分繊性、結節強度およ
び引裂強度を著しく向上することができる。例え
ば、本発明の方法で得られる繊維は、摩擦や撚り
を強く受けるロープ、ケーブルなどに適し、また
座屈に強いために単糸、網などの用途に好適であ
る。また、トウ・プリプレグ、布などに通常の技
術で二次加工ができるために複合材料の強化材と
しての用途を拡大するものである。 以下に、本発明の実施例を示す。なお、試験方
法は次の通りである。 (1) 引張弾性率、強力:インストロン型引張試験
機を用いてチヤク間距離25mm、引張速度5mm/
分、温度25℃で、繊維の引張試験より求めた。 (2) 結節強度:繊維を1回結びしたもので上記の
引張試験より求めた。 (3) 耐分繊性:一端を固定した繊維を直交する角
度で5cm間隔に平行に配した2本の金属棒にそ
れぞれ1回巻付け、他端に繊維のデニールの3
倍の荷重を下げ、該金属棒を5cmの距離で上下
に60回/分の速度で平行移動させ、繊維の切断
に至る回数を求めた。 (4) ポリパラメチルスチレン(PPMS)の含有
量:延伸繊維をクロロホルムで抽出し、溶解部
分の重量から求めた。なお、PPMSは赤外線分
析で確認した。 実施例 1 重量平均分子量240万のポリエチレンを流動パ
ラフイン〔エツソ石油(株)社製クリストール322(商
品名)〕に加えて4.0重量%の混合液とした。この
混合液100重量部当りに2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール0.125重量部とテトラキス〔メ
チレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフエニル)−ブロピオネート〕メタン
0.25重量部とを加えて室温で混合してエマルジヨ
ン液を調製した。このエマルジヨン液を撹拌機を
装備したオイルジヤケツト付オートクレーブに充
填し、200℃迄加熱して2時間撹拌して溶液を得
た。この溶液を200℃で紡糸口径が2mmの円錐ダ
イを用いて6cm3/分の速度で紡糸した。この紡糸
した繊維を紡糸ダイの下5cmに設置した15〜20℃
の水浴に通し急冷してゲル状繊維を得た。このゲ
ル状繊維を1.2m/分の速度で直径3.5cmのボビン
に連続的に巻取つた。 ゲル状繊維のボビンを室温に保つた塩化メチレ
ン中に浸漬し、ゲル状繊維中の流動パラインを抽
出した。8時間毎に2回の抽出を行つた後、塩化
メチレンを蒸発させて乾燥ゲル状繊維を得た。 この乾燥したゲル状繊維を反応開始剤(ベンゾ
イルパーオキサイド)を4重量%含む23℃のパラ
メチルスチレン中に2時間浸漬した。 この反応開始剤を含むパラメチルスチレンを含
浸させたゲル状繊維を、長さ2mのオイルジヤケ
ツト付円筒加熱管を用いて、第1段目は延伸温度
115℃、くり出速度2.0m/分、巻取速度4.0m分、
第2段目は延伸温度125℃、くり出速度2.0m/
分、巻取速度10.0m/分および第3段目は延伸温
度135℃、くり出速度2.0m/分、巻取速度8.0m/
分の3段階の延伸を行い延伸比40.4の繊維を得
た。この延伸繊維を60℃で24時間熱処理して得ら
れた繊維の特性を表−1に示した。 実施例 2〜15 実施例1において、乾燥ゲル状繊維へのポリパ
ラメチルスチレン(以下PPMSという)の付加量
および延伸比を変えた以外は実施例1と同様にし
て延伸繊維を得た。この延伸繊維の特性を表−1
に併記した。 比較例 1 実施例1において得られた乾燥ゲル状繊維を、
長さ2mのオイルジヤケツ付円筒加熱管を用いて、
第1段目は延伸温度125℃、くり出速度2.0m/
分、巻取速度12.5m/分および第2段目は延伸温
度135℃、くり出速度2.0m/分、巻取速度4.0m/
分の2段階延伸を行い延伸比12.5とした以外は実
施例1と同様にして延伸繊維を得た。この延伸繊
維の特性を表−1に併記した。 比較例 2〜6 比較例1において、乾燥ゲル状繊維の延伸比を
変えた以外は比較例1と同様にして延伸繊維を得
た。この延伸繊維の特性を表−1に併記した。
造方法に関し、詳細には耐分繊性、結節強度およ
び引裂強度に優れる高強度および高弾性率を有す
る繊維またはフイルムなどの高分子量ポリオレフ
イン成形物の製造方法に関する。 超高分子量のポリエチレンを原料とした高弾性
率および高強度の繊維を製造する方法は、例えば
ペニングス(AJ.Pennings)の文献、特開昭55−
107506号公報、特開昭58−5228号公報などに記載
されている。これらの方法は、超高分子量のポリ
エチレンを非揮発性の溶媒に高温で溶解し、溶液
紡糸してゲル状繊維を得たのちこれを延伸する
か、あるいはゲル状物中に含まれる非揮発性溶媒
を揮発性溶媒で抽出し、これを然るべき弾性率お
よび強度まで熱延伸して繊維を得るものである。 しかしながら、これらの方法によれば超高分子
量のポリエチレンから高弾性および高強度の繊維
を得ることができるが、これらの繊維は高度に配
向結晶化した鎖状高分子に特有の性質を免れな
い。すなわち、配向度が増加すれば配向軸方向の
弾性率および強度は結晶弾性率および強度に漸近
するが、強度に異方性が生じ配向軸に垂直方向の
弾性率および強度は相対的に弱くなる。従つて、
この繊維は縦割れもしくは分繊が著しく、通常の
織機や編機を用いてトウ・ブリブレグ、布を得よ
うとするとガイドプーリー、ガイドロール、カイ
トリブなどを通過する際の曲げや摩擦より繊維は
何本もの細繊維に分繊されてしまい装置の運転が
困難となるという欠点があつた。 このような欠点を改良するものとして、例えば
特開昭58−169521号公報には超高分子量ポリオレ
フインのフイラメント上にエチレンまたはプロピ
レンの結晶化度を有するポリマーを被覆すること
により繊維のフイブリル化を防止する被覆繊維の
記載がある。 しかしながら、この被覆繊維はフイラメントの
被覆にポリマーを用いるために、フイラメント中
の微細孔へのポリマーの含浸が難かしく、フイラ
メントのフイブリル化の防止は表面から行うもの
で、耐分繊性の改善は十分でなかつた。 本発明は、従来の方法により得られる高分子量
のポリオレフインから得られる高強力および高弾
性を有する成形物のこのような欠点を改善するも
のであつて、本発明は、超高分子量ポリオレフイ
ン溶液からゲル状成形物を成形し、該ゲル状成形
物中の溶媒を除去した後に、該ゲル状成形物中に
スチレン系単量体を含ませ、次いで加熱し延伸す
ることを特徴とする高分子量ポリオレフイン成形
物の製造方法である。 本発明において用いられる高分子量ポリオレフ
インとしては、結晶性のオレフインの単独重合体
もしくは共重合体で、重量平均分子量が500000以
上、好ましくは1000000以上、特に好ましくは
2000000以上のもので、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
ポリブテン−1、ポリメチルペンテン−1、ポリ
オキシメチレンなどがあげられる。これらのうち
では重量平均分子量が2000000以上のポリエチレ
ンまたはポリプロピレンが好ましい。 また、本発明において用いられるスチレン系単
量体としては、後述の高分子量ポリオレフインの
溶液から成形されるゲル状成形物の脱溶媒後に含
浸させて加熱し延伸する過程において速みやかに
ラジカル重合が進行するスチレンまたはその誘導
体があげられる。スチレン誘導体としては、スチ
レンをメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチ
ルなどのアルキル基、ビニル基、シクロヘキシル
基、アミノ基、オキシ基、メトキシ基、シアン
基、その他フツ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハ
ロゲンで置換したものがあげられるが、これらの
うちではオルト、メタまたはパラの置換物が好ま
しい。上記スチレン系単量体のうちではオルト、
メタまたはパラのメチルスチレンが好ましく、特
にパラメチルスチレンまたはパラメチルスチレン
を主とするオルトもしくはメタメチルスチレンの
混合物が反応性および蒸気圧のうえから好まし
い。また、これらスチレン系単量体は、二種以上
の混合物またはスチレン系単量体を主とする他の
重合性単量体例えばイソシアヌル酸、ビニルナフ
タリン、ビニルピリジン、ビニルカプロラクタム
などとの混合物として用いることができる。 本発明における高分子量ポリオレフインの溶液
は、前記の高分子量ポリオレフインを溶媒に加熱
溶解して調製される。このときの溶媒としては、
該重合体を十分に溶解できるもので、例えば飽和
脂肪族炭化水素、環式炭化水素、芳香族炭化水素
またはこれらの混合物などがあげられる。好適な
例としては、パラフイン油、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン、テトラリンなどの脂肪族または環
式の炭化水素あるいは沸点がこれらに対応する鉱
油留分などがあげられる。加熱溶解は、該ポリオ
レフインが溶解中でゲル化する温度よりも高く溶
媒中に完全に溶解する温度で行われる。温度は使
用される溶媒により異なるが、一般には140〜250
℃の範囲である。また、溶液中に存在するポリオ
レフインの濃度は1〜15重量%、好ましくは4〜
8重量%である。 次に、この加熱溶解溶液からポリオレフインの
ゲル状成形物を成形する。このゲル化の方法とし
ては、該ポリオレフイン溶液を適宜選択されたダ
イス、例えば繊維の成形には断面が円形、長円
形、X型、Y型などの孔を有するもの、またフイ
ルム、バンドなどの成形には断面が長方形の孔を
有するものを用いて押出す方法があげられる。押
出されたゲル状の成形物は、水浴、空気浴または
溶媒の抽出用溶剤などでゲル化温度以下、好まし
くは15〜25℃の温度に少くとも50℃/分の速度で
冷却される。得られるゲル状成形物は、ポリオレ
フイン溶解時の溶媒を含むものであり脱溶媒処理
を行うことが必要である。 ゲル状成形物中の溶媒を除去する方法として
は、ゲル状成形物の加熱による溶媒の蒸発除去、
または揮発性の溶剤による溶媒の抽出除去などが
あげられるが、ゲル状成形物の構造を著しく変化
させることなく溶媒を除去するためには、揮発性
溶剤による抽出除去が好ましい。ゲル成形物中の
溶媒は1重量%以下まで除去することが好まし
い。この揮発性溶剤としては、例えばペンタン、
ヘキサン、ヘブタン、トルエンなどの炭化水素、
塩化メチレン、四塩化炭素などの塩素化炭化水
素、三塩化三フツ化エタンなどのフツ化炭化水
素、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテ
ル類、その他メタノール、エタノールなどのアル
コール類などがあげられる。溶媒が抽出された揮
発性溶媒を含むゲル状成形物は、揮発性溶媒を除
去して実質的に完全な固体網状重合体を残すよう
な条件で乾燥されるか、または揮発性溶剤を含ん
だ状態でスチレン系単量体を含浸させる。 脱溶媒されたゲル状成形物への重合性のスチレ
ン系単量体(以下単量体という)の含浸は、反応
開始剤の存在下または不存在下の単量体の中に成
形物を浸漬することによつて達成される。反応開
始剤は、有効な重合をさせるために添加すること
が好ましく、例えばベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロ
ニトリル、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチル
−パーオキサイドなどがあげられる。この反応開
始剤の添加量は、特に制限されないが、通常は単
量体100重量部に対し0.005〜5重量部である。こ
の時の単量体の温度は、単量体の凝固点を越え、
またゲル状成形物が単量体へ溶解する迄の温度
で、具体的には凝固点を越えてから90℃の範囲
で、特に20〜25℃の室温で行うことが経済的にも
好ましい。単量体の温度が凝固点以下ではゲル状
成形物中に単量体が含浸されず、一方90℃を越え
る高温ではゲル状成形物が単量体に溶解したり、
重合速度が著しく上昇したり、また単量体が蒸発
するために好ましくない。また、ゲル状成形物の
単量体中への浸漬時間は、後述のゲル状成形物の
加熱延伸において、ゲル状成形物中で単量体が重
合して付加される量によつて選択される。ゲル成
形物中で重合して付加する重合体の好ましい量は
0.5〜25重量%で、特に好ましくは1〜5重量%
の範囲である。重合体の付加量が0.5重量%未満
では成形物の耐分繊性、結節強度、引裂強度など
が改善されず、一方25重量%を越える場合は成形
物の高弾性、高強度が損なわれるために好ましく
ない。 次に、単量体を含浸したゲル状成形物は、加熱
して1段階または2段階以上で延伸する。この時
の温度は、ゲル状成形物に含浸させた単量体が重
合し、かつゲル状成形物の配向が十分に行えるこ
とが必要である。具体的にはゲル状成形物の軟化
点から融点以下、特に融点直下で行うことが好ま
しく、例えばポリエチレンの場合は110〜140℃、
ポリプロピレンの場合は110〜160℃で行うことが
好ましい。延伸時の温度が融点を越える場合は、
ゲル状成形物の配向ができず、一方、軟化点未満
では前記単量体の重合が十分に行われず、しかも
高強度および高弾性の成形物を得るに必要な延伸
比を得ることができないために好ましくない。成
形物の引張強さおよび弾性率は、ほぼ延伸比に比
例するために強度を大きくする場合には延伸比を
大きくすることが必要であり、延伸比は少くとも
10で、好ましくは20以上である。 延伸した成形物は、未反応の単量体を除去する
とともに熱処理を施して乾燥する。 本発明の方法は、バツチ式および連続的な方法
で実施できる。次に、本発明の方法で連続的に製
造する場合の装置の一例を図面を用いて以下に説
明する。 第1図は本発明の方法による繊維を製造する装
置の一例を示す側面略図である。 高分子量のポリオレフイン1および非揮発性の
溶媒2とを混合槽3に供給して撹拌機4でスラリ
ー状とする。このスラリーは管5で連続的に加熱
撹拌槽6に送られ撹拌プレート7で撹拌して均一
な溶液とする。この溶液はギアポンプ8により紡
糸用ダイ9に送られ溶液紡糸される。押出された
溶液10は直ちに冷却槽11で冷却ゲル化され原
糸12となる。ゲル化繊維12はロール13によ
り揮発性溶剤14による抽出槽15に供給され非
揮発性溶媒を抽出除去した後、ロール16により
送られ乾燥室17を経て乾燥ゲル繊維18(キセ
ロゲル)を得る。乾燥ゲル繊維18はロール19
により送られ単量体20の浸漬槽21を経て単量
体を含浸させて延伸工程へ導かれる。単量体20
を含むゲル繊維22は、ロール23,25,2
7,29で温度の異なる円筒加熱機24,26,
28へそれぞれ供給し、または巻取り、温度を変
えて3段階に延伸すると同時にゲル繊維中に含ま
せた単量体を重合させて延伸繊維30の配向結晶
間に単量体の重合体を構成させる。延伸繊維30
は熱セツト槽31で乾燥されロール32を経て巻
取機33に巻取られる。 以上、本発明の方法によれば高分子量のポリオ
レフインから得られる延伸成形物の高弾性および
高強度を損うことなく、耐分繊性、結節強度およ
び引裂強度を著しく向上することができる。例え
ば、本発明の方法で得られる繊維は、摩擦や撚り
を強く受けるロープ、ケーブルなどに適し、また
座屈に強いために単糸、網などの用途に好適であ
る。また、トウ・プリプレグ、布などに通常の技
術で二次加工ができるために複合材料の強化材と
しての用途を拡大するものである。 以下に、本発明の実施例を示す。なお、試験方
法は次の通りである。 (1) 引張弾性率、強力:インストロン型引張試験
機を用いてチヤク間距離25mm、引張速度5mm/
分、温度25℃で、繊維の引張試験より求めた。 (2) 結節強度:繊維を1回結びしたもので上記の
引張試験より求めた。 (3) 耐分繊性:一端を固定した繊維を直交する角
度で5cm間隔に平行に配した2本の金属棒にそ
れぞれ1回巻付け、他端に繊維のデニールの3
倍の荷重を下げ、該金属棒を5cmの距離で上下
に60回/分の速度で平行移動させ、繊維の切断
に至る回数を求めた。 (4) ポリパラメチルスチレン(PPMS)の含有
量:延伸繊維をクロロホルムで抽出し、溶解部
分の重量から求めた。なお、PPMSは赤外線分
析で確認した。 実施例 1 重量平均分子量240万のポリエチレンを流動パ
ラフイン〔エツソ石油(株)社製クリストール322(商
品名)〕に加えて4.0重量%の混合液とした。この
混合液100重量部当りに2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール0.125重量部とテトラキス〔メ
チレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフエニル)−ブロピオネート〕メタン
0.25重量部とを加えて室温で混合してエマルジヨ
ン液を調製した。このエマルジヨン液を撹拌機を
装備したオイルジヤケツト付オートクレーブに充
填し、200℃迄加熱して2時間撹拌して溶液を得
た。この溶液を200℃で紡糸口径が2mmの円錐ダ
イを用いて6cm3/分の速度で紡糸した。この紡糸
した繊維を紡糸ダイの下5cmに設置した15〜20℃
の水浴に通し急冷してゲル状繊維を得た。このゲ
ル状繊維を1.2m/分の速度で直径3.5cmのボビン
に連続的に巻取つた。 ゲル状繊維のボビンを室温に保つた塩化メチレ
ン中に浸漬し、ゲル状繊維中の流動パラインを抽
出した。8時間毎に2回の抽出を行つた後、塩化
メチレンを蒸発させて乾燥ゲル状繊維を得た。 この乾燥したゲル状繊維を反応開始剤(ベンゾ
イルパーオキサイド)を4重量%含む23℃のパラ
メチルスチレン中に2時間浸漬した。 この反応開始剤を含むパラメチルスチレンを含
浸させたゲル状繊維を、長さ2mのオイルジヤケ
ツト付円筒加熱管を用いて、第1段目は延伸温度
115℃、くり出速度2.0m/分、巻取速度4.0m分、
第2段目は延伸温度125℃、くり出速度2.0m/
分、巻取速度10.0m/分および第3段目は延伸温
度135℃、くり出速度2.0m/分、巻取速度8.0m/
分の3段階の延伸を行い延伸比40.4の繊維を得
た。この延伸繊維を60℃で24時間熱処理して得ら
れた繊維の特性を表−1に示した。 実施例 2〜15 実施例1において、乾燥ゲル状繊維へのポリパ
ラメチルスチレン(以下PPMSという)の付加量
および延伸比を変えた以外は実施例1と同様にし
て延伸繊維を得た。この延伸繊維の特性を表−1
に併記した。 比較例 1 実施例1において得られた乾燥ゲル状繊維を、
長さ2mのオイルジヤケツ付円筒加熱管を用いて、
第1段目は延伸温度125℃、くり出速度2.0m/
分、巻取速度12.5m/分および第2段目は延伸温
度135℃、くり出速度2.0m/分、巻取速度4.0m/
分の2段階延伸を行い延伸比12.5とした以外は実
施例1と同様にして延伸繊維を得た。この延伸繊
維の特性を表−1に併記した。 比較例 2〜6 比較例1において、乾燥ゲル状繊維の延伸比を
変えた以外は比較例1と同様にして延伸繊維を得
た。この延伸繊維の特性を表−1に併記した。
【表】
【表】
実施例 16〜20
実施例1において得られた乾燥ゲル状繊維を、
ジビニルベンゼンを5重量%含むパラメチルスチ
レン中に浸漬した以外は実施例1と同様にして延
伸繊維を得た。この延伸繊維の特性を表−2に示
した。
ジビニルベンゼンを5重量%含むパラメチルスチ
レン中に浸漬した以外は実施例1と同様にして延
伸繊維を得た。この延伸繊維の特性を表−2に示
した。
【表】
* パラメチルスチレンとジビニルベンゼンの重合
体。
実施例 21 実施例1において、ポリエチレンに代り重量平
均分子量250万のポリプロピレンを用いて濃度8
重量%の流動パラフイン溶液を調製したこと、お
よびパラメチルスチレンを含浸させたゲル状繊維
の延伸を、第1段は延伸温度115℃、くり出速度
2.0m/分、巻取速度4.0m/分、第2段目は延伸
温度135℃、くり出速度2.0m/分、巻取速度
10.0m/分および第3段目は延伸温度155℃、く
り出速度2.0m/分、巻取速度3.0/分の3段階延
伸を行い延伸比15.5とした以外は実施例1と同様
にして延伸繊維を得た。この延伸繊維の特性を表
−3に示した。 比較例 7 実施例21において得られた乾燥ゲル状繊維を、
長さ2mのオイルジヤケツト付円筒加熱管を用い
て、第1段目は延伸温度135℃、くり出速度
2.0m/分、巻取速度20.m/分および第2段目は
延伸温度155℃、くり出速度2.0m/分、巻取速度
4.2m/分の2段階で行い、延伸比15.3とした以外
は実施例21と同様にして延伸繊維を得た。この延
伸繊維の特性を表−3に併記した。
体。
実施例 21 実施例1において、ポリエチレンに代り重量平
均分子量250万のポリプロピレンを用いて濃度8
重量%の流動パラフイン溶液を調製したこと、お
よびパラメチルスチレンを含浸させたゲル状繊維
の延伸を、第1段は延伸温度115℃、くり出速度
2.0m/分、巻取速度4.0m/分、第2段目は延伸
温度135℃、くり出速度2.0m/分、巻取速度
10.0m/分および第3段目は延伸温度155℃、く
り出速度2.0m/分、巻取速度3.0/分の3段階延
伸を行い延伸比15.5とした以外は実施例1と同様
にして延伸繊維を得た。この延伸繊維の特性を表
−3に示した。 比較例 7 実施例21において得られた乾燥ゲル状繊維を、
長さ2mのオイルジヤケツト付円筒加熱管を用い
て、第1段目は延伸温度135℃、くり出速度
2.0m/分、巻取速度20.m/分および第2段目は
延伸温度155℃、くり出速度2.0m/分、巻取速度
4.2m/分の2段階で行い、延伸比15.3とした以外
は実施例21と同様にして延伸繊維を得た。この延
伸繊維の特性を表−3に併記した。
第1図は本発明の製造方法の実施態様を示す側
面略図である。
面略図である。
Claims (1)
- 1 高分子量ポリオレフインの溶液からゲル状成
形物を成形し、該ゲル状成形物中の溶媒を除去し
た後に、該ゲル状成形物中にスチレン系単量体を
含ませ、次いで加熱し延伸することを特徴とする
高分子量ポリオレフイン成形物の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8614484A JPS60231743A (ja) | 1984-05-01 | 1984-05-01 | 高分子量ポリオレフイン成形物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8614484A JPS60231743A (ja) | 1984-05-01 | 1984-05-01 | 高分子量ポリオレフイン成形物の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60231743A JPS60231743A (ja) | 1985-11-18 |
| JPH0437861B2 true JPH0437861B2 (ja) | 1992-06-22 |
Family
ID=13878532
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8614484A Granted JPS60231743A (ja) | 1984-05-01 | 1984-05-01 | 高分子量ポリオレフイン成形物の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60231743A (ja) |
-
1984
- 1984-05-01 JP JP8614484A patent/JPS60231743A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60231743A (ja) | 1985-11-18 |
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