JPH0440026B2 - - Google Patents

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JPH0440026B2
JPH0440026B2 JP20178885A JP20178885A JPH0440026B2 JP H0440026 B2 JPH0440026 B2 JP H0440026B2 JP 20178885 A JP20178885 A JP 20178885A JP 20178885 A JP20178885 A JP 20178885A JP H0440026 B2 JPH0440026 B2 JP H0440026B2
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membrane
gas exchange
membrane oxygenator
exchange membrane
blood
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Hiromichi Fukazawa
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Terumo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 (発明の分野) 本発明は、膜型人工肺に関するものである。詳
しく述べると本発明は、体外血液循環において、
血液中の炭酸ガスを除去し、かつ血液中に酸素を
添加する人工肺において、ガス交換能、特に炭素
ガス除去能に優れ、また長期間使用しても血漿の
漏出が少なく、かつ生体適合性が高く血小板損失
の少ない膜型人工肺に関するものである。 (先行技術) 従来、開心術の補助手段等として、良好なガス
透過性を有するガス交換膜を介して、血液と酸素
含有ガスとを接触させてガス交換を行なう膜型人
工肺が用いられている。このガス交換膜には、良
好なガス透過性を有すること以外に、機械的強度
が大きいこと、長期間血液を循環しても血漿の漏
洩が起こらないこと、さらに血液に触れても血液
に対する損傷、すなわち血液凝固、微小血栓生
成、血小板損失、血漿タンパクの変性、溶血など
を起こさないこと等の性能が要求される。現在膜
型人工肺に用いられるガス交換膜としては、均質
膜と多孔質膜の2種類があり、均質膜としては、
主にシリコーン膜が用いられており、一方多孔質
膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリ
アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアミド等
の種々の材質が用いられている。しかしながら、
シリコーン均質膜は、強度的に充分ではなく膜厚
を100μm以下にすることができずこのためガス
透過に限界があり、特に炭酸ガスの透過が悪いも
のであり、また所望のガス交換能を達するため
に、例えば中空糸膜として数万本束ねたときに装
置が大型化しプライミング量の増大をきたし、さ
らにコスト的にも高いものである。一方、多孔質
膜は膜厚方向に連通する多数の微細孔を有するも
のであるが、前記膜が疎水性であることから、血
漿が細孔を通過することなく、すなわち該膜の血
液流路側から他方のガス流路側への血漿洩れを生
ずることなく、ガス中の酸素を血液中に添加し、
かつ血液中の二酸化炭素をガス中に除去すること
を可能としている。しかしながら多孔質膜は、水
蒸気の透過性が高いので結露水によつて性能が低
下するだけでなく、長時間血液を循環使用する
と、実際には、血漿の大量の漏出が生じることが
あつた。このような現象は、人工肺の製造段階に
おいて水洩れ試験を行ない、異状のないことを確
認したものについても認められるものであり、使
用時に生じる現象である。また多孔質膜は、用い
られる材質において血小板損失等の生体適合性の
面から充分といえるものは少なかつた。 このような多孔質膜の諸欠点を解消するため
に、先に本発明者らは、多孔質膜の微細孔をシリ
コーンオイルで閉塞してなる人工肺(特願昭58−
92325号)を、さらに改良を加え多孔質膜の微細
孔をシリコーンゴムで閉塞してなる人工肺(特願
昭59−105384号)を提唱した。このように多孔質
の微細孔をシリコーンゴムで閉塞してなる人工肺
は、従来の多孔質膜を用いた人工肺において見ら
れるような血漿漏出の問題は解消されたが、その
炭酸ガス除去能は充分なものとは言えず、例えば
ECCO2R(Extra Corporeal CO2 Removal;体
外炭酸ガス除去)のように、少ない体外循環血流
量で生体の炭酸ガス生産量を除去することは困難
であつた。 発明の目的 従つて本発明は、新規な膜型人工肺を提供する
ことを目的とする。本発明はまた、体外血液循環
において血液中の炭酸ガスを除去し、かつ血液中
に酸素を添加する人工肺において、ガス交換能、
特に炭酸ガス除去能に優れ、また長期間使用して
も血漿の漏出が少なく、かつ生体適合性が高く血
小板損失の少ない膜型人工肺を提供することを目
的とする。本発明はさらにECCO2Rに最適な膜
型人工肺を提供することを目的とする。 上記目的を達成するものは、ガス交換膜とし
て、肉厚5〜80μm、空孔率20〜80%および細孔
径0.01〜5μmの多孔質膜を用いた膜型人工肺にお
いて、前記ガス交換膜の前記細孔が該細孔径より
も小さな微粒子により閉塞され、さらに少なくと
も該ガス交換膜の血液と接触する面に生体適合性
を有する疎水性樹脂がコーテイングされており、
さらに前記膜型人工肺の空気フラツクスが750
ml/min・m2・mmHg以下である膜型人工肺であ
る。 また、本発明の膜型人工肺の空気フラツクスが
500ml/min・m2・mmHg以下であることが望まし
い。また、本発明のガス交換膜が中空糸膜である
ことが望ましい。また、本発明の中空糸膜は、内
径100〜1000μmのものであることが望ましい。
また、本発明の多孔質膜の細孔を閉塞する微粒子
の粒径は約0.003〜1.0μmのものが望ましい。ま
た、本発明の多孔質膜の細孔を閉塞する微粒子は
シリカ粒子であることが望ましい。また、本発明
の生体適合性疎水性樹脂が含フツ素樹脂であるこ
とが望ましい。また、本発明の生体適合性疎水性
樹脂が、パーフルオロアルキル側鎖を有するビニ
ルモノマーを1成分とするビニル系共重合体であ
ることが望ましい。また、本発明の生体適合性疎
水性樹脂がビニル系ブロツク共重合体であること
が望ましい。また、本発明のビニル系ブロツク共
重合体が、パーフルオロアルキル側鎖を有する
(メタ)アクリレートモノマーを1成分とする
(メタ)アクリレート系共重合体であることが望
ましい。また、本発明のビニル系ブロツク共重合
体におけるパーフルオロアルキル側鎖を有するビ
ニルモノマーよりなるポリマー分と共重合体を構
成する他のモノマーよりなるポリマー分との重量
比が0.25〜1.5であることが望ましい。また、本
発明のパーフルオロアルキル側鎖が−CH2CH2
(CF27CF3であることが望ましい。また、本発明
の生体適合性疎水性樹脂は0.001〜10μmの膜厚で
コーテイングされているものがが望ましい。ま
た、本発明のガス交換膜がオレフイン系樹脂のも
のが望ましい。さらに、本発明のオレフイン系樹
脂がポリプロピレンであることが望ましい。 発明の具体的構成 以下、本発明を図面に基づきより詳細に説明す
る。 第1図は、本発明の膜型人工肺の一実施態様に
おけるガス交換膜の細部構造を示す拡大断面図で
ある。 第1図に示すように膜型人工肺1のガス交換膜
2は、多孔質膜であつて、その肉厚は5〜80μ
m、好ましくは10〜60μm、空孔率は20〜80%、
好ましくは30〜60%、また細孔径は0.01〜5μm、
好ましくは0.01〜1μm程度のものである。なお本
実施態様においては、ガス交換膜は、内径100〜
1000μm、好ましくは100〜300μmの中空糸状の
ものとされている。しかして該ガス交換膜2の各
細孔3は、該細孔径よりも小さな微粒子4で閉塞
されており、さらに少なくとも該ガス交換膜の血
液と接触する面は生体適合性疎水性樹脂の被膜5
によりコーテイングされている。 各細孔3は、本実施態様においては、細孔3内
部に微粒子4が充填された形態で閉塞されている
が、この他、第2図に示すように、該ガス交換膜
2の内表面側、あるいは第3図に示すように該ガ
ス交換膜2の外表面側において該細孔3の表面部
に接着剤等を介して該微粒子4が付着した形態で
閉塞されているものであつてもよい。このように
各細孔3が微粒子4で閉塞された結果、該ガス交
換膜2は、電子顕微鏡レベルでは確認できない程
度の超微細孔を有し、この超微細孔は、ガス交換
膜の内外面を貫通している。 該ガス交換膜2の材質としては、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、セル
ロースアセテート等の疎水性高分子が用いられ得
るが、好ましくは、オレフイン系樹脂であり、特
に好ましくは、ポリプロピレンであり、延伸法ま
たは固液層分離法により微細孔を形成されたポリ
プロピレンが望ましい。 また、該ガス交換膜2の細孔3を閉塞する微粒
子4の材質としては、シリカ、アルミナ、ジルコ
ニア、マグネシア、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、ケイ酸塩、酸化チタン、シリコンカーバイ
ト、カーボンブラツク、ホワイトカーボン等の無
機物質、あるいは、ポリスチレンラテツクス、ス
チレンゴム(SBR)ラテツクス、ニトリルビム
(NBR)ラテツクス等の高分子ラテツクスが用い
られ得る。これらの材質のうちシリカが特に望ま
しい。なお該微粒子4の表面特性は、人工肺使用
時における血漿漏出の面から重要であるが、下記
に詳述するように本発明においては、さらに該ガ
ス交換膜2の少なくとも血液と接触する面(該微
粒子4の血液と接触する面も含まれる。)が、生
体適合性疎水性樹脂によりコーテイングされるの
で、例えばシリカのような親水性材質の場合であ
つても特に該微粒子を疎水化処理する必要はな
い。また、該微粒子の平均粒径は0.003〜1.0μm、
好ましくは0.003〜0.5μm程度のものとされる。 一方、該ガス交換膜の少なくとも血液と接触す
る面を被覆する生体適合性疎水性樹脂としては、
含フツ素樹脂およびシリコーンゴムがあり、これ
らの物質は、そのガス透過性が高いことからも好
適である。シリコーンとしては、室温硬化型
(RTV)のものが用いられ、1液型、2液型のい
ずれであつてもよい。例えば2液型のRTVシリ
コーンゴムとしてはビニルメチルシロキサンとメ
チルハイドロジエンシロキサンの重合体が好まし
い。さらに生体適合性の面からシリカを含有しな
いものが好ましい。また、含フツ素樹脂として
は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフル
オロエチレン等も用いられるが、パーフルオロア
ルキル側鎖を有するビニルモノマーを1成分とす
るビニル系共重合体が、卓越した生体適合性およ
びガス透過性を有するため特に望ましいものであ
る。 パーフルオロアルキル側鎖を有するビニルモノ
マーを1成分とするビニル系共重合体とは、任意
のビニル系モノマーとパーフルオロアルキル側鎖
を有するビニルモノマーよりなる共重合体であ
り、好ましくは任意のビニル系ポリマー(すなわ
ちホモポリマー、ブロツクコポリマー、ランダム
コポリマー等のいずれであつてもよい。)よりな
る母体ブロツクに、パーフルオロアルキル側鎖を
有するビニルモノマーのホモポリマーよりなるブ
ロツクが結合したいわゆるA−B型ブロツク共重
合体である。パーフルオロアルキル側鎖を有する
ビニルモノマーとしては、−CH2(CF22H,−CH2
(CF24H,−CH2CF3,−CH2CH2(CF27CF3等の
パーフルオロアルキル基、好ましくは−CH2CH2
(CF27CF3を側鎖として有するパーフルオロアク
リレート、パーフルオロメタクリレート等があ
る。一方、母体ブロツクを構成するビニルモノマ
ーとしては、例えばメチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタ
クリレート、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリ
レートなどがある。また、パーフルオロアルキル
側鎖を有するビニルモノマーを1成分とするビニ
ル系ブロツク共重合体において、パーフルオロア
ルキル側鎖を有するビニルモノマーよりなるポリ
マー分と、共重合体を構成するその他のビニルモ
ノマーよりなるポリマー分との重量比は、0.25〜
1.5、好ましくは0.3〜1.2とされる。すなわち、重
量比が0.25以上であれば、血小板の粘着抑制に必
要なミクロ相分離構造が確実に発現し、一方、重
量比が1.5以下であれば、溶媒での溶解が容易と
なり、加工性がよく、好ましい。該ブロツク共重
合体は、主鎖内にペルオキシ結合を有する母体ブ
ロツクとなるビニル系ポリマーを得、次いでこの
ポリマーを重合開始剤として、分散重合によりパ
ーフルオロアクリレートを重合させることによつ
て得られる。 このパーフルオロアルキル側鎖を有するビニル
モノマーを1成分とするビニル系ブロツク共重合
体は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、メタノール、エタノール、n−ブタノール、
sec−ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メ
チルセルソルブ、エチルセルソルブ等のエーテル
類、クロロホルムなどの有機溶媒に可溶である。 本発明の膜型人工肺を製造するには、例えば次
のようにして簡単行なうことができる。すなわ
ち、まず中空糸状のガス交換膜2をアルコール等
を用いて親水化する。次にこのガス交換膜2の中
空糸内部に、上記のごとき微粒子3の水性分散液
を流し濾過させる。すると水性分散液中に含まれ
た微粒子4が、ガス交換膜2の細孔3内に引つか
かり、ちようど目づまりを起こすようにして細孔
3内に微粒子が充填され、細孔3が閉塞される。
さらに、上記分散液をガス交換膜にて濾過させる
ことにより、細孔3内に充填することが好まし
い。次に中空糸内部を空気、水等の適当な流体で
洗浄し中空糸内部に残留する分散液を除去する。 このようにしてガス交換膜2の細孔3を微粒子
4により閉塞した後、上記生体適合性疎水性樹脂
の溶解溶液ないしは反応溶液を細孔3に微粒子4
を充填した該ガス交換膜2の血液接触面に、浸漬
あるいは流入等の方法で接触させた後、溶媒を蒸
発ないしは反応硬化させることで被膜を形成させ
る。例えば生体適合性疎水性樹脂として、パーフ
ルオロアルキル側鎖を有するビニルモノマーを1
成分とするビニル系共重合体を用いる場合、ガス
交換膜2の少なくとも血液接触面を該共重合体の
1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%の溶解溶
液に接触させた後、溶媒を蒸発させることにより
被膜5が形成される。用いられる溶媒としては上
記溶媒のいずれを使用することも可能であるが、
好ましくは、ケトン類の単独あるいは混合溶媒お
よびこれらのケトン類とアルコール類との混合溶
媒である。しかしながら、製膜上の溶媒の蒸発の
コントロールは必要であり、例えば4/6(容量
比)のメチルエチルケトン/メチルイソブチルケ
トン、(4/6)/10(容量比)の(メチルエチル
ケトン/メチルイソブチルケトン)/エタノール
等の混合溶媒が適当である。また生体適合性疎水
性樹脂としてシリコーンゴム、例えばビニルメチ
ルシロキサンとメチルハイドロジエンシロキサン
の重合体用いる場合、ガス交換膜2の少なくとも
血液接触面を、該シリコーンゴムの5〜80重量
%、好ましくは20〜70重量%の溶液に接触させた
後、20〜30℃で反応硬化させることにより被膜5
が形成される。用いられる溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ジクロルメ
タン、メチルエチルケトン、ジフルオロエタン、
酢酸エチル、トリフロロトリクロロエタンならび
にこれらの混合物等があり、また該溶液は、硬化
架橋剤として白金族金属の単体、酸化物、化合物
等、例えば塩化白金酸などを含んでいる。さらに
またシリコーンゴムのみでは粘度が高く、例えば
血液接触面である中空糸内部への該溶液の流入が
困難である場合には、ジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフエニルシリコーンオイル、メチルク
ロロフエニルシリコーンオイル、分岐状ジメチル
シリコーンオイル等のシリコーンオイルを、シリ
コーンゴム(固形分):シリコーンオイル(液状
分)重量比で2:8〜8:2程度で配合すること
も可能である。 また、この生体適合性疎水性樹脂の被膜5の厚
さは、0.001〜10μm、より好ましくは0.1〜5μm
である。すなわち、10μm以下であれば、ガス交
換膜2のガス交換能を低下させるおそれがなく、
さらに、ガス交換膜が中空糸状である場合には、
血液流路が縮小されることがなく好ましい。 なお、このようにガス交換膜2の細孔3の閉塞
および血液接触面のコーテイング処理は、膜型人
工肺の組立前にも実施可能であるが、モジユール
組立後に行なうことがより好ましい。 また、以上のようにして得られる本発明の膜型
人工肺の空気フラツクスは、750ml/min・m2
mmHg以下、であるので、血漿の漏出が少なく、
好ましくは500ml/min・m2・mmHg以下、より好
ましくは100ml/min・m2・mmHg以下とされるこ
とが望ましい。すなわち、500ml/min・m2・mm
Hg以下であれば、長期循環使用しても、血漿漏
出を確実に抑制することができる。 第4図は、本発明の膜型人工肺の一実施態様で
ある中空糸膜型人工肺の組立状態を示すものであ
る。すなわち、該中空糸膜型人工肺1は、ハウジ
ング6を具備してなり、このハウジング6は筒状
本体7の両端部にそれぞれ環状の雄ネジ付き取付
カバー8,9が設けられ、ハウジング6内には、
全体が広がつて多数の、例えば10000〜60000本の
上記したように細孔3が微粒子4により閉塞さ
れ、また膜の少なくも血液接触面がパーフルオロ
アルキル側鎖を1成分とするビニル系共重合体に
よりコーテイングされた中空糸状のガス交換膜2
がハウジング6の長手方向に沿つて並列的に相互
に離間配置されている。より具体的に述べると、
中空糸内部に血液を流入するタイプの人工肺で
は、中空糸内壁面に、また、中空糸外部に血液を
流すタイプの人工肺では、中空糸外壁面にビニル
共重合体がコーテイングされる。そして、このガ
ス交換膜2の両端部は、取付カバー8,9内にお
いてそれぞれの開口が閉塞されない状態で隔壁1
0,11により液密に支持されている。また、上
記各隔室10,11は、ガス交換膜2外周面と上
記ハウジング6の内面とともに第1の物質移動室
である酸素室12を構成し、これを閉塞し、かつ
上記ガス交換膜2の内部に形成される第2の物質
移動流体用空間である血液流通用空間(図示しな
い)と酸素室12を隔離するものである。 一方の取付カバー8には、第1の物質移動流体
である酸素を供給する導入口13が設けられてい
る。他方の取付カバー9には酸素を排出する導出
口14が設けられている。 上記ハウジング6の筒状本体7の内面には、軸
方向の中央に位置して突出する絞り用拘束部15
を設けることが好ましい。すなわち、拘束部15
は上記筒状本体7の内面に筒状本体と一体に形成
されていて、筒状本体7内に挿通される多数のガ
ス交換膜2からなる中空糸束16の外周を締め付
けるようになつている。こうして、上記中空糸束
16は、第4図で示すように軸方向の中央におい
て絞り込まれ、絞り部17を形成している。した
がつて、ガス交換膜2の充填率は、軸方向に沿う
各部において異なり、中央部分において最も高く
なつている。なお、後述する理由により望ましい
各部の充填率は次の通りである。まず、中央の絞
り部17における充填率は、約60〜80%、その他
筒状本体7内では約30〜60%であり、中空糸束1
6の両端、つまり隔壁10,11の外面における
充填率では、約20〜40%である。 次に、上記隔壁10,11の形成について述べ
る。前述したように隔壁10,11は、ガス交換
膜2の内部と外部を隔離するという重要な機能を
果たすものである。通常、この隔壁10,11
は、極性の高い高分子ポツテイング材、たとえば
ポリウレタン、シリコーン、エポキシ樹脂等をハ
ウジング6の両端内壁面に遠心注入法を利用して
流し込み、硬化させることにより作られる。さら
に詳述すれば、まず、ハウジング6の長さより長
い多数の中空糸膜2を用意し、この両開口端を粘
度の高い樹脂によつて目止めをした後、ハウジン
グ6の筒状本体7内に並べて位置せしめる。この
後、取付けカバー8,9の径以上の大きさの型カ
バーで、ガス交換膜2の各両端を完全に覆つて、
ハウジング6の中心軸を中心にそのハウジング6
を回転させながら両端部側から高分子ポツテイン
グ材を流入する。流し終つて樹脂が硬化すれば、
上記型カバーを外して樹脂の外側面部を鋭利な刃
物で切断してガス交換膜2の両開口端を表面に露
出させる。かくして隔壁10,11は形成される
ことになる。 上記隔壁10,11の外面は、環状凸部を有す
る流路形成部材18,19でそれぞれ覆われてい
る。この流路形成部材18,19はそれぞれ液分
配部材20,21およびネジリング22,23よ
りなり、この液分配部材20,21の周縁部付近
に設けられた環状凸部として突条24,25の端
面を前記隔壁10,11にそれぞれ当接させ、ネ
ジリング22,23を取付けカバー8,9にそれ
ぞれ螺合することにより固定することにより第2
の物質移動流体である血液の流入室26および流
出室27がそれぞれ形成されている。この流路形
成部材18,19にはそれぞれ第2の物質移動流
体である血液入口28および出口29が形成され
ている。 この隔壁10,11と、流路形成部材18,1
9とにより形成される隔壁10,11の周縁部の
空隙部には、該空隙部に連通する少なくとも2個
の孔32,33の一方より充填剤34,35を充
填することにより前記隔壁10,11と接触する
ようにシールされる。あるいはまた、Oリング
(図示せず)を介してシールされる。 なお、前記中空糸膜型人工肺において、第1の
物質移動流体としては空気等の酸素含有ガスまた
は血液であり、第2の物質移動流体としては血液
または酸素含有ガスである。したがつて、第1の
物質移動流体がガスの場合には第2の物質移動流
体は血液であり、一方、第1の物質移動流体が血
液の場合には第2の物質移動流体はガスである。 以上は、中空糸膜型人工肺の場合について説明
したが、積層式、1枚の膜をコイル状に巻いたも
の、ジグザグ状に折込んだもの等の平膜型人工肺
についても、用いられるガス交換膜の細孔が該細
孔径よりも小さな微粒子により閉塞され、また少
なくとも血液接触面が生体適合性疎水性樹脂によ
りコーテイングされたものであれば、生体適合性
が高く接触する血液の血小板等の損傷が極めて少
なく、またガス交換能に優れ、さらに長期間使用
しても血漿漏出の虞れのない膜型人工肺が得られ
る。 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1および比較例1 内径200μm、肉厚25μm、空孔率45%、平均孔
径700Åのポリプロピレン製中空糸膜を用いて、
膜面積1.6m2の第4図に示すような中空糸膜型人
工肺1を組立てた。この中空糸膜型人工肺の血液
入口よりエタノールを流入させ、中空糸状ガス交
換膜を親水化処理した後、血液入口よりシリカ
(コロイダルシリカ、平均直径100Å)/水分散液
を流入させ、ガス交換膜で濾過させシリカをガス
交換膜の細孔に充填した。次に蒸留水を流入して
中空糸状ガス交換膜内部に残留するシリカ/水分
散液を充分排除した後、乾燥を行なつた、このよ
うにして細孔内にシリカ微粒子により閉塞した
後、(メチルメタクリレート/ブチルメタクリレ
ート)−パーフルオロプロピルアクリレート共重
合体(重量比(25:25):50)の種々の濃度のメ
チルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(容
量比4:6)混合溶媒溶液を、上記中空糸状ガス
交換膜内部に3分間充填した後、液を排出しエア
ーを吹通して溶媒を除去し被膜を形成した。 得られた膜型人工肺のガス交換膜を、電子顕微
鏡(倍率10000倍)で観察したところ空孔は殆ど
消失していた。しかし、得られた膜型人工肺の空
気フラツクスを測定したところは第1表に示すと
おりであり、このことから超微細孔膜になつてい
るであろうことが推測された。 比較のために、微粒子の充填および樹脂コーテ
イングを行なわなかつたものを比較例1として、
その空気フラツクスを測定した結果をまた第1表
に示す。
【表】 さらにこれらの人工肺の性能を評価するため
に、生体外試験および動物試験を行なつた。 1 生体外(in vitro)評価 新鮮ヘパリン加牛血を用い、酸素ガス分圧35mm
Hg、炭酸ガス分圧45mmHgとなる静脈血を作製
し、これを人工肺の血液流路に流通させて性能評
価を行なつた。なお用いられた牛血のヘモグロビ
ン含量は12g/dlで、温度は37℃であつた。 酸素流量と血液流量との比が1のときの血液流
量と酸素ガス添加能および炭酸ガス除去能との関
係は、第2表および第5図に示すとおりである。 また血液流量1500ml/minのときの酸素流量と
炭酸ガス除去能との関係は、第3表および第6図
に示すとおりであつた。 2 動物試験 雑犬を用いて30時間の静脈−動脈の部分体外循
環試験を行なつた。循環試験と血漿漏出量との関
係は第4表および第7図に示すとおりであつた。
また30時間後の血小板減少度は、第4表に示すと
おりであつた。 実施例 6 実施例1〜5と同様に作成した中空糸膜型人工
肺のガス交換膜の細孔を実施例1〜5と同様にし
てシリカ微粒子で閉塞した後、ビニルメチルシロ
キサンとメチルハイドロジエンシロキサンとの2
液型の塩化白金酸触媒を添加したRTVシリコー
ンゴム(シリカは含有せず)のトリフルオロトリ
クロロエタン溶液(5重量%)を該中空糸状ガス
交換膜内部に1分間充填した後、液を排出しエア
ーを吹通して溶媒を除去し約60℃で硬化させ被膜
を形成した。 得られた膜型人工肺の空気フラツクスは35ml/
min・m2・mmHgであつた。 さらにこれらの人工肺の性能を評価するために
生体外試験および動物試験を実施例1〜5と同様
に行なつた。結果をそれぞれ第2〜4表および第
5〜7図に示す。
【表】 例1
O 0 32 58 76
84
【表】 0
実施例1 0 163 178 186
【表】
【表】
【表】 発明の具体的効果 本発明の膜型人工肺は、ガス交換膜として、肉
厚5〜80μm、空孔率20〜80%および細孔径0.01
〜5μmの多孔質膜を用いた膜型人工肺において、
前記ガス交換膜の前記細孔が該細孔径よりも小さ
な微粒子により閉塞され、さらに少なくとも該ガ
ス交換膜の血液と接触する面に生体適合性を有す
る疎水性樹脂がコーテイングされており、さらに
前記膜型人工肺の空気フラツクスが750ml/
min・m2・mmHg以下であるので、そのガス交換
膜は、超微細孔構造を有するものであると推測さ
れ、ガス交換能、特に炭酸ガス除去能は、非常に
高いにもかかわらず、血漿の漏出が少ない。この
ため、ECCO2Rのように少ない体外循環量で生
体の炭酸ガス生産量を除去することが可能とな
る。さらに該ガス交換膜内面は、血液接触面が生
体適合性疎水性膜で被覆されているので血液を循
環させた際、該膜型人工肺との接触による血液凝
固、微小血栓生成、血小板損失、血漿タンパクの
変性、溶血等の損傷が極めて少ないものである。 本発明の膜型人工肺はさらに、空気フラツクス
が500ml/min・m2・mmHg以下のものへ調製する
と、長期循環を行つても血漿の漏出の抑制効果の
より高いものとなり、また、微粒子がシリカであ
る場合には、よりガス交換能、特に炭酸ガス除去
能に優れ、さらに製造面、コスト面においても優
れたものとなる。一方生体適合性を有する疎水性
樹脂が、含フツ素樹脂、好ましくはパーフルオロ
アルキル側鎖を有するビニルモノマーを1成分と
するビニル系共重合体、より好ましくは、パーフ
ルオロアルキル側鎖を有する(メタ)アクリレー
トモノマーを1成分とする(メタ)アクリレート
系ブロツク共重合体である場合には、その生体適
合性は一層良好なものとなり、特に接触血液の血
小板損失は極めて低くおさえられ、また一方これ
らの樹脂は、そのガス透過性も極めて良好である
ので、コーテイングによるガス交換膜のガス交換
能の低下はほとんどおさえられる。さらにこれら
の点は、該ブロツク共重合体におけるパーフルオ
ロアルキル側鎖を有するビニルモノマーよりなる
ポリマー分と共重合体を構成する他のモノマーよ
りなるポリマー分との重量比が0.25〜1.5である
場合、パーフルオロアルキル側鎖が−CH2CH2
(CF27CF3である場合により顕著なものとなる。
また、ガス交換膜が、オレフイン系樹脂、好まし
くはポリプロピレン製のものであると機械的強度
にも優れ、よりコンパクトな膜型人工肺を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の膜型人工肺の一実施態様に
おけるガス交換膜の拡大断面図、第2図および第
3図は、別の実施態様におけるガス交換膜の拡大
断面図、第4図は、本発明の膜型人工肺の一実施
態様である中空糸膜型人工肺の部分断面図、第5
図は、人工肺の血液流量に対する酸素ガス添加能
および炭酸ガス除去能の関係を示すグラフ、第6
図は、人工肺の酸素流量に対する炭酸ガス除去能
の関係を示すグラフであり、また第7図は、体外
循環時間と血漿漏出量との関係を示すグラフであ
る。 1……膜型人工肺、2……ガス交換膜、3……
細孔、4……微粒子、5……被膜、6……ハウジ
ング、7……筒状本体、10,11……隔壁、1
2……第1の物質移動室、13,14……第1の
物質移動流体導入出口、16……中空糸束、2
8,29……第2の物質移動流体導入出口。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ガス交換膜として、肉厚5〜80μm、空孔率
    20〜80%および細孔径0.01〜5μmの多孔質膜を用
    いた膜型人工肺において、前記ガス交換膜の前記
    細孔が該細孔径よりも小さな微粒子により閉塞さ
    れ、さらに少なくとも該ガス交換膜の血液と接触
    する面に生体適合性を有する疎水性樹脂がコーテ
    イングされており、さらに前記膜型人工肺の空気
    フラツクスが750ml/min・m2・mmHg以下である
    ことを特徴とする膜型人工肺。 2 前記膜型人工肺の空気フラツクスが、 500ml/min・m2・mmHg以下である特許請求の
    範囲第1項に記載の膜型人工肺。 3 前記ガス交換膜が、中空糸膜である特許請求
    の範囲第1項または第2項に記載の膜型人工肺。 4 前記中空糸膜は、内径100〜1000μmのもの
    である特許請求の範囲第3項に記載の膜型人工
    肺。 5 前記細孔は、前記微粒子が充填されて閉塞さ
    れている特許請求の範囲第1項ないし第4項のい
    ずれかに記載の膜型人工肺。 6 前記微粒子は、シリカである特許請求の範囲
    第1項ないし第5項のいずれかに記載の膜型人工
    肺。 7 前記微粒子は、粒径が0.003〜1.0μmのもの
    である特許請求の範囲第1項ないし第6項のいず
    れかに記載の膜型人工肺。 8 前記生体適合性疎水性樹脂が、含フツ素樹脂
    である特許請求の範囲第1項ないし第7項のいず
    れかに記載の膜型人工肺。 9 前記生体適合性疎水性樹脂が、パーフルオロ
    アルキル側鎖を有するビニルモノマーを1成分と
    するビニル系共重合体である特許請求の範囲第8
    項に記載の膜型人工肺。 10 前記生体適合性疎水性樹脂が、ビニル系ブ
    ロツク共重合体である特許請求の範囲第9項に記
    載の膜型人工肺。 11 前記ビニル系ブロツク共重合体が、パーフ
    ルオロアルキル側鎖を有する(メタ)アクリレー
    トモノマーを1成分とする(メタ)アクリレート
    系共重合体である特許請求の範囲第10項に記載
    の膜型人工肺。 12 前記ブロツク共重合体におけるパーフルオ
    ロアルキル側鎖を有するビニルモノマーよりなる
    ポリマー分と共重合体を構成する他のモノマーよ
    りなるポリマー分との重量比が、0.25〜1.5であ
    る特許請求の範囲第11項に記載の膜型人工肺。 13 前記パーフルオロアルキル側鎖が、−CH2
    CH2(CF27CF3である特許請求の範囲第9項ない
    し第12項のいずれかに記載の膜型人工肺。 14 前記生体適合性疎水性樹脂は0.0001〜10μ
    mの膜厚でコーテイングされているものである特
    許請求の範囲第1項〜第13項のいずれかに記載
    の膜型人工肺。 15 前記ガス交換膜が、ポリオレフイン系樹脂
    からなるものである特許請求の範囲第1項ないし
    第14項のいずれかに記載の膜型人工肺。 16 前記ガス交換膜が、ポリプロピレンからな
    るものである特許請求の範囲第15項に記載の膜
    型人工肺。
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