JPH0440559B2 - - Google Patents
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- JPH0440559B2 JPH0440559B2 JP62230491A JP23049187A JPH0440559B2 JP H0440559 B2 JPH0440559 B2 JP H0440559B2 JP 62230491 A JP62230491 A JP 62230491A JP 23049187 A JP23049187 A JP 23049187A JP H0440559 B2 JPH0440559 B2 JP H0440559B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- impeller
- compressor housing
- coating
- thermal
- graphite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
- Supercharger (AREA)
Description
産業上の利用分野
この発明は自動車用ターボチヤージヤーのコン
プレーサーハウジングに関するものである。 従来の技術 自動車用ターボチヤージヤーは、第6図に示す
ように、エンジンのエキゾーストマニホールドか
らの排ガスをタービンハウジング1に導いてター
ビンホイール2を回転させ、そのタービンホイー
ル2にシヤフト3を介して連結されたインペラー
4の回転によつてコンプレツサーハウジング5内
で吸気を圧縮し、その圧縮された吸気をエンジン
に送り込むものである。このような自動車用ター
ボチヤージヤーにおけるコンプレツサーハウジン
グ5としては、一般にアルミ合金鋳物が使用さ
れ、またインペラー4としては一般に耐熱アルミ
合金鋳物を焼入れ焼もどしした材料が使用されて
いる。 ところで自動車用ターボチヤージヤーにおいて
は、インペラー4の先端とそれに対向するコンプ
レツサーハウジング5の内壁面との間隙Hを可及
的に小さくすることが、ターボ効率(コンプレツ
サー効率)の向上などに有利であることが知られ
ている。しかしながらこの間隙Hを小さくし過ぎ
れば、回転中にシヤフト3のわずかな偏心や振動
によつてもインペラー4の先端がコンプレツサー
ハウジング5に接触して、インペラー4が破損す
る可能性がある。そこで従来の自動車用ターボチ
ヤージヤーのコンプレツサーハウジング5とイン
ペラー4との間隙Hは、ターボチヤージヤーの大
きさによつても異なるが、最小でも0.3〜0.5mm程
度は必要とされていた。 発明が解決すべき問題点 前述のように従来の自動車用ターボチヤージヤ
ーにおいては、コンプレツサーハウジングの内壁
面とインペラーとの間隙Hが最小でも0.3〜0.5mm
は必要であり、この間隙が、ターボ効率をより向
上させることができない大きな原因となつてい
た。 一方、自動車用ターボチヤージヤーとは異なる
が、スタービンエンジンにおいてもパワーロスを
最小に抑えるためにはタービンケーシングとター
ビンブレードとの間隙を最小限にすることが好ま
しいが、この場合も自動車用ターボチヤージヤー
と類似の問題があつた。そこでガスタービンエン
ジンについては特公昭50−690号に示されるよう
にタービンケーシングをタービンブレードより軟
質なセラミツクで構成し、タービンブレードの破
損を防止する提案がなされている。しかしながら
この提案を自動車用ターボチヤージヤーに応用し
て、コンプレツサーハウジング全体を回転部材
(この場合はインペラー)よりも軟質な材料で構
成することは、材料コストの著しい上昇を招き、
現実的ではない。 また航空機用のガスタービンエンジンについて
は、特開昭52−72335号あるいは特開昭52−85031
号に示されているように、圧縮機のケーシングの
表面にNi−Cr合金粉末やAl−Cu合金等の合金粉
末と黒鉛をNiで被覆したNi黒鉛粉末との混合粉
末を溶射し、その溶射皮膜を相手材としての回転
羽根により切削してケーシングと回転羽根との間
隙を調整する技術が提案されている。しかしなが
らこの技術は航空機用ガスタービンエンジンを対
象としたものであつて、自動車用ターボチヤージ
ヤーについての適用は考えられていない。またこ
の航空機用ガスタービンエンジンについての技術
を自動車用ターボチヤージヤーに応用しようとし
ても、次のような不都合があつた。 すなわち、前記提案で用いられているような溶
射材料を自動車用ターボチヤージヤーのコンプレ
ツサーハウジングに溶射し、インペラーの回転に
よつてその溶射皮膜をそのまま切削して間隙調整
しようとする場合、溶射皮膜のベース金属である
Ni−Cr合金やAl−Cu合金の硬さが通常はインペ
ラー(通常はAl−Si合金鋳物)の硬さよりも高
く、溶射皮膜の層間強度が高いため、皮膜に接触
しているインペラーが回転しないか、または回転
しても切削中のインペラーの摩耗が激しくなる問
題がある。また前述のような溶射材料を用いた場
合、溶射後にインペラーで溶射皮膜を切削する際
に生じる母材(コンプレツサーハウジング)と溶
射皮膜との界面の剪断応力による皮膜の剥離を防
止するために、母材表面に予め密着方向上のため
のNi基合金材料等の下地溶射を行なつておく必
要が生じるが、このような下地溶射層を形成する
ことは自動車用ターボチヤージヤーに応用するに
あたつて生産性の点で問題が生じる。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、自動車用ターボチヤージヤーのコンプレツ
サーとして、前述のような不都合を招くことなく
インペラーとコンプレツサーハウジングとの隙間
を小さくし、ターボ効率を従来よりも大幅に向上
させ得るようにしたコンプレツサーハウジングを
提供することを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 この発明は、基本的には、自動車用ターボチヤ
ージヤーのコンプレツサーハウジングにおけるイ
ンペラーの先端と対向する部分の壁面に、軟質金
属と樹脂もしくはグラフアイトとが混在する複合
組織からなる溶射皮膜が形勢されていることを特
徴とするものである。 ここで、前記溶射皮膜は、その皮膜中における
樹脂もしくはグラフアイトの比率が皮膜からハウ
ジング母材に向つて減少するように構成されたも
のとすることが望ましい。 また溶射皮膜中の軟質金属としては、インペラ
ーの材質よりも軟質な金属を用いることが望まし
い。 作 用 軟質金属と樹脂もしくはグラフアイトが混在す
る溶射皮膜は、単に軟質であるばかりでなく、濡
れ性の悪い材料の組合わせを採用していることに
より積層粒子の結合力の弱い複合組織となつてい
ることにより、被削性が著しく優れている。した
がつて、コンプレツサーハウジングにおけるエア
ー通流部、特にインペラーの先端に対向する部分
の内壁面に、その溶射皮膜をコンプレツサーハウ
ジングとインペラーとの間隙とほぼ同等もしくは
それよりわずかに大きい厚さで形成した状態でイ
ンペラーを組込み、そのインペラーを回転させれ
ば、インペラーの先端が溶射皮膜に接触しつつ回
転する際にその接触された厚みの部分だけ溶射皮
膜の表面が容易に削り取られ、実質的に隙間が零
となるように調整される。すなわち、コンプレツ
サーハウジングとインペラーとの間隙は、即に述
べたように最小でも0.3〜0.5mmであつたのに対
し、前述のような溶射皮膜を形成してこれをイン
ペラーにより切削することによつて間隙が実質的
に零とされ、そのためターボ効率(コンプレツサ
ー効率)を格段に向上させることができる。 ここで、インペラーによる溶射皮膜の切削は、
コンプレツサーハウジングと実際のインペラーを
実機ターボチヤージヤーに組込んでならし運転の
状態で行なうことが最も望ましいが、場合によつ
ては実際のインペラーと同寸法に作られた擬似イ
ンペラーを用いて行なつても良い。 前記溶射皮膜は、軟質金属と樹脂もしくはグラ
フイトとからなる複合皮膜であるため、そのまま
では母材であるコンプレツサーハウジングとの密
着強度に劣ることがあり、その対策としては母材
表面(コンプレツサーハウジングを構成している
Al鋳物等の表面)に予めNi基合金等の下地溶射
層を形成しておく方法を採用しても良い。しかし
ながら前述のように軟質金属と樹脂もしくはグラ
フアイトとが混在する前記溶射皮膜中における樹
脂もしくはグラフアイトの比率が皮膜表面からコ
ンプレツサーハウジング母材へ向けて減少するよ
うな構成としておけば、下地溶射層を形成せずに
前記溶射皮膜の密着性を向上させることができ
る。すなわち、溶射皮膜中の樹脂もしくはグラフ
アイトの比率を皮膜表面からコンプレツサーハウ
ジング母材に向けて減少させることは、逆に言え
ば軟質金属の比率が皮膜表面からコンプレツサー
ハウジング母材へ向けて増加することを意味す
る。そしてコンプレツサーハウジング母材近傍で
軟質金属の比率が100%もしくは100%に近い状態
となつていれば、下地溶射層を形成していなくて
も、コンプレツサーハウジング母材と溶射皮膜と
の界面ではほぼ金属同士が接することになるため
溶射皮膜の密着力が十分に確保される。 また上述のように軟質合金と樹脂もしくはグラ
フアイトとが混在する溶射皮膜中の樹脂もしくは
グラフアイトの比率を皮膜表面からコンプレツサ
ー母材の側に向けて減少させるにあたつて、特に
皮膜表面で樹脂もしくはグラフアイトの比率が
100%もしくは100%に近い状態となるように構成
しておけば、溶射皮膜の表面付近の硬さは実質的
に樹脂もしくはグラフアイトそのものの硬さとな
り、著しく切削が容易となる。すなわちインペラ
ーを組込んで溶射皮膜を切削する際に実際に切削
されるのは溶射皮膜の表面層だけであり、したが
つて上述のように溶射皮膜の表面付近が実質的に
樹脂もしくはグラフアイトのみとなつていれば、
インペラーの回転による切削が極めて容易とな
り、インペラーを組込んでそのインペラー回転さ
せようとしてもインペラーが回転しなかつたりす
る事態や、インペラーの先端が激しく摩耗するよ
うな事態が生じることを有効に防止できる。 ここで、溶射皮膜の構成材料のうち、軟質金属
は要はインペラーの材質と同等の硬さかまたはそ
れより軟質であれば良く、例えばインペラーが耐
熱アルミニウム合金鋳物(Al−Si合金)でコン
プレツサーハウジングがアルミ鋳物である場合、
溶射皮膜の軟質合金としてはAl、Al−Si合金あ
るいはNi等を用いることができる。さらに、特
に溶射皮膜の被削性を向上させてインペラーの摩
耗や変形を防止するためには、上記軟質金属とし
てはインペラーの材質(Al−Si合金)よりも格
段に軟質な金属、例えばZn、Pb、Sn、あるいは
それらの合金等を用いることが望ましい。 また溶射皮膜に用いる樹脂としては、要は軟質
金属と同時に溶射可能な熱可塑性樹脂であつて、
その軟質合金よりさらに軟質なものであれば良
く、例えばポリエステル、ポリ(パラーオキシベ
ンゾイル)エステル、ポリ(パラーオキシベンゾ
イルメチル)エステル、ナイロン等を用いること
ができる。 さらに溶射皮膜中における軟質金属の割合は、
5〜95重量%の範囲内とすることが好ましい。ま
た溶射粉末としては、前述の軟質金属の粉末と樹
脂もしくはグラフアイトの粉末とを機械的に混合
した混合粉末を用いても、あるいはグラフアイト
もしくは樹脂の粒子を軟質金属で被覆した複合粉
末を用いても良い。一方溶射皮膜の厚みは、コン
プレツサーハウジングとインペラー先端との間隙
とほぼ同等かまたはわずかに大きい程度、具体的
にはコンプレツサーハウジングとインペラー先端
との間隙に対し−0.1〜±0.2mm程度の範囲内とす
ることが好ましい。 実施例 第1図に示すようにアルミ鋳物からなるコンプ
レツサーハウジング5のエアー通流部のうち、特
にインペラー4(第6図参照)の先端と対向する
部位に軟質合金と樹脂もしくはグラフアイトとが
混在した溶射皮膜6を形成し、さらに実機インペ
ラーもしくは擬似インペラーにより溶射皮膜6を
切削した実施例を以下に示す。なお以下の各実施
例のうち、実施例1〜実施例3は、溶射皮膜中の
樹脂もしくはグラフアイトの比率を厚み方向に特
に変化させず、かつ下地溶射層を形成したもの、
また実施例4〜実施例6は、下地溶射層は形成せ
ずに、溶射皮膜中の樹脂もしくはグラフアイトの
比率が変化するようにグレーテツド溶射を施した
ものである。 実施例 1 この実施例1で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.5mm、インペ
ラー径65mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位にシヨツトブラスト処理を施し
た。使用したブラスト材は焼成アルミナの粒径
1200〜1400μmのものである。次いでその部位
に、密着性を向上させるために80wt%Ni−20wt
%Cr合金からなる下地溶射層7(第2図参照)
を0.08〜0.1mmの厚さでプラズマ溶射法により形
成した。さらにその下地溶射層7の上に、この発
明で特徴とする間隙調整用の溶射皮膜6として、
60wt%(Al−12wt%Si)−40wt%ポリエステル
混合粉末をプラズマ溶射法により溶射した。この
際の皮膜厚みtは、下地溶射層7と合わせて0.5
〜0.6mmとなるように制御した。このように溶射
した溶射皮膜6の組織を第3図に示す。第3図に
おいて白い部分はアルミ合金、黒い部分はポリエ
ステルである。 上述のようにして溶射皮膜6を形成したコンプ
レツサーハウジング5を、インペラー4とともに
実機ターボチヤージヤーに組込んだ後、第2図に
示しているようにインペラー4を回転させること
により溶射皮膜6を切削した。この際のインペラ
ー4の回転数は5000rpmとし、溶射皮膜6の削り
屑61が出なくなるまで30分回転させ。これによ
り下地溶射層7と溶射皮膜6との合計の厚みが当
初のインペラー4とコンプレツサーハウジング5
との間隙Hに実質的に等しいコンプレツサーハウ
ジングが得られた。 実施例 2 この実施例2で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.5mm、インペ
ラー径が110mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位に、ブラスト材としてスチール
グリツドを用いてシヨツトブラスト処理を施し
た。次いでその部位に、密着性を向上させるため
に94wt%(80wt%Ni−20wt%Cr)−6wt%Alか
らなる下地溶射層7をプラズマ溶射法により0.08
〜0.1mmの厚さで形成した。さらにその下地溶射
層7の上に、この発明で特徴とする間隙調整用の
溶射皮膜6として、70wt%(Al−5wt%Si)−
30wt%グラフアイト混合粉末をプラズマ溶射法
により溶射した。この際の皮膜厚みは、下地溶射
層7と合わせて0.6mmとなるように調整した。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をインペラー4とともに実機
ターボチヤージヤーに組込んだ後、インペラー4
を回転させることにより溶射皮膜6を切削した。
この際、インペラー4の回転数は7000rpmとし、
溶射皮膜6の削り層が出なくなるまで40分間回転
させた。 実施例 3 この実施例3で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.3〜0.4mm、イ
ンペラー径が50mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端と対向する部位に、ブラスト材として粒径1200
〜1400μmの焼成アルミナを用いてシヨツトブラ
スト処理を施した。次いでその部位に、密着性を
向上させるために80wt%Ni−20wt%Cr合金から
なる下地溶射層7をガス溶射法により0.05〜0.07
mmの厚さで形成した。さらにその下地溶射層7の
上に、この発明で特徴とする間隙調整用の溶射皮
膜6として、70wt%Ni−30wt%グラフアイト混
合粉末をガス溶射法により溶射した。この際の皮
膜厚みは、下地溶射層7と合わせて0.4mmとなる
ように調整した。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5に擬似インペラーを組込んだ
後、その擬似インペラーを回転させることにより
溶射皮膜6を切削した。この際、擬似インペラー
の回転数は10000rpmとし、溶射皮膜6の削り屑
が出なくなるまで10分間回転させた。 以上の実施例1〜実施例3によるコンプレツサ
ーハウジングを用いたターボチヤージヤーについ
て、回転数100000rpmで運転してコンプレツサー
効率を調べた。なお比較のため、溶射する以前に
も同一のターボチヤージヤーについてコンプレツ
サー効率を調べおいた。それらの結果を第1表に
示す。
プレーサーハウジングに関するものである。 従来の技術 自動車用ターボチヤージヤーは、第6図に示す
ように、エンジンのエキゾーストマニホールドか
らの排ガスをタービンハウジング1に導いてター
ビンホイール2を回転させ、そのタービンホイー
ル2にシヤフト3を介して連結されたインペラー
4の回転によつてコンプレツサーハウジング5内
で吸気を圧縮し、その圧縮された吸気をエンジン
に送り込むものである。このような自動車用ター
ボチヤージヤーにおけるコンプレツサーハウジン
グ5としては、一般にアルミ合金鋳物が使用さ
れ、またインペラー4としては一般に耐熱アルミ
合金鋳物を焼入れ焼もどしした材料が使用されて
いる。 ところで自動車用ターボチヤージヤーにおいて
は、インペラー4の先端とそれに対向するコンプ
レツサーハウジング5の内壁面との間隙Hを可及
的に小さくすることが、ターボ効率(コンプレツ
サー効率)の向上などに有利であることが知られ
ている。しかしながらこの間隙Hを小さくし過ぎ
れば、回転中にシヤフト3のわずかな偏心や振動
によつてもインペラー4の先端がコンプレツサー
ハウジング5に接触して、インペラー4が破損す
る可能性がある。そこで従来の自動車用ターボチ
ヤージヤーのコンプレツサーハウジング5とイン
ペラー4との間隙Hは、ターボチヤージヤーの大
きさによつても異なるが、最小でも0.3〜0.5mm程
度は必要とされていた。 発明が解決すべき問題点 前述のように従来の自動車用ターボチヤージヤ
ーにおいては、コンプレツサーハウジングの内壁
面とインペラーとの間隙Hが最小でも0.3〜0.5mm
は必要であり、この間隙が、ターボ効率をより向
上させることができない大きな原因となつてい
た。 一方、自動車用ターボチヤージヤーとは異なる
が、スタービンエンジンにおいてもパワーロスを
最小に抑えるためにはタービンケーシングとター
ビンブレードとの間隙を最小限にすることが好ま
しいが、この場合も自動車用ターボチヤージヤー
と類似の問題があつた。そこでガスタービンエン
ジンについては特公昭50−690号に示されるよう
にタービンケーシングをタービンブレードより軟
質なセラミツクで構成し、タービンブレードの破
損を防止する提案がなされている。しかしながら
この提案を自動車用ターボチヤージヤーに応用し
て、コンプレツサーハウジング全体を回転部材
(この場合はインペラー)よりも軟質な材料で構
成することは、材料コストの著しい上昇を招き、
現実的ではない。 また航空機用のガスタービンエンジンについて
は、特開昭52−72335号あるいは特開昭52−85031
号に示されているように、圧縮機のケーシングの
表面にNi−Cr合金粉末やAl−Cu合金等の合金粉
末と黒鉛をNiで被覆したNi黒鉛粉末との混合粉
末を溶射し、その溶射皮膜を相手材としての回転
羽根により切削してケーシングと回転羽根との間
隙を調整する技術が提案されている。しかしなが
らこの技術は航空機用ガスタービンエンジンを対
象としたものであつて、自動車用ターボチヤージ
ヤーについての適用は考えられていない。またこ
の航空機用ガスタービンエンジンについての技術
を自動車用ターボチヤージヤーに応用しようとし
ても、次のような不都合があつた。 すなわち、前記提案で用いられているような溶
射材料を自動車用ターボチヤージヤーのコンプレ
ツサーハウジングに溶射し、インペラーの回転に
よつてその溶射皮膜をそのまま切削して間隙調整
しようとする場合、溶射皮膜のベース金属である
Ni−Cr合金やAl−Cu合金の硬さが通常はインペ
ラー(通常はAl−Si合金鋳物)の硬さよりも高
く、溶射皮膜の層間強度が高いため、皮膜に接触
しているインペラーが回転しないか、または回転
しても切削中のインペラーの摩耗が激しくなる問
題がある。また前述のような溶射材料を用いた場
合、溶射後にインペラーで溶射皮膜を切削する際
に生じる母材(コンプレツサーハウジング)と溶
射皮膜との界面の剪断応力による皮膜の剥離を防
止するために、母材表面に予め密着方向上のため
のNi基合金材料等の下地溶射を行なつておく必
要が生じるが、このような下地溶射層を形成する
ことは自動車用ターボチヤージヤーに応用するに
あたつて生産性の点で問題が生じる。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、自動車用ターボチヤージヤーのコンプレツ
サーとして、前述のような不都合を招くことなく
インペラーとコンプレツサーハウジングとの隙間
を小さくし、ターボ効率を従来よりも大幅に向上
させ得るようにしたコンプレツサーハウジングを
提供することを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 この発明は、基本的には、自動車用ターボチヤ
ージヤーのコンプレツサーハウジングにおけるイ
ンペラーの先端と対向する部分の壁面に、軟質金
属と樹脂もしくはグラフアイトとが混在する複合
組織からなる溶射皮膜が形勢されていることを特
徴とするものである。 ここで、前記溶射皮膜は、その皮膜中における
樹脂もしくはグラフアイトの比率が皮膜からハウ
ジング母材に向つて減少するように構成されたも
のとすることが望ましい。 また溶射皮膜中の軟質金属としては、インペラ
ーの材質よりも軟質な金属を用いることが望まし
い。 作 用 軟質金属と樹脂もしくはグラフアイトが混在す
る溶射皮膜は、単に軟質であるばかりでなく、濡
れ性の悪い材料の組合わせを採用していることに
より積層粒子の結合力の弱い複合組織となつてい
ることにより、被削性が著しく優れている。した
がつて、コンプレツサーハウジングにおけるエア
ー通流部、特にインペラーの先端に対向する部分
の内壁面に、その溶射皮膜をコンプレツサーハウ
ジングとインペラーとの間隙とほぼ同等もしくは
それよりわずかに大きい厚さで形成した状態でイ
ンペラーを組込み、そのインペラーを回転させれ
ば、インペラーの先端が溶射皮膜に接触しつつ回
転する際にその接触された厚みの部分だけ溶射皮
膜の表面が容易に削り取られ、実質的に隙間が零
となるように調整される。すなわち、コンプレツ
サーハウジングとインペラーとの間隙は、即に述
べたように最小でも0.3〜0.5mmであつたのに対
し、前述のような溶射皮膜を形成してこれをイン
ペラーにより切削することによつて間隙が実質的
に零とされ、そのためターボ効率(コンプレツサ
ー効率)を格段に向上させることができる。 ここで、インペラーによる溶射皮膜の切削は、
コンプレツサーハウジングと実際のインペラーを
実機ターボチヤージヤーに組込んでならし運転の
状態で行なうことが最も望ましいが、場合によつ
ては実際のインペラーと同寸法に作られた擬似イ
ンペラーを用いて行なつても良い。 前記溶射皮膜は、軟質金属と樹脂もしくはグラ
フイトとからなる複合皮膜であるため、そのまま
では母材であるコンプレツサーハウジングとの密
着強度に劣ることがあり、その対策としては母材
表面(コンプレツサーハウジングを構成している
Al鋳物等の表面)に予めNi基合金等の下地溶射
層を形成しておく方法を採用しても良い。しかし
ながら前述のように軟質金属と樹脂もしくはグラ
フアイトとが混在する前記溶射皮膜中における樹
脂もしくはグラフアイトの比率が皮膜表面からコ
ンプレツサーハウジング母材へ向けて減少するよ
うな構成としておけば、下地溶射層を形成せずに
前記溶射皮膜の密着性を向上させることができ
る。すなわち、溶射皮膜中の樹脂もしくはグラフ
アイトの比率を皮膜表面からコンプレツサーハウ
ジング母材に向けて減少させることは、逆に言え
ば軟質金属の比率が皮膜表面からコンプレツサー
ハウジング母材へ向けて増加することを意味す
る。そしてコンプレツサーハウジング母材近傍で
軟質金属の比率が100%もしくは100%に近い状態
となつていれば、下地溶射層を形成していなくて
も、コンプレツサーハウジング母材と溶射皮膜と
の界面ではほぼ金属同士が接することになるため
溶射皮膜の密着力が十分に確保される。 また上述のように軟質合金と樹脂もしくはグラ
フアイトとが混在する溶射皮膜中の樹脂もしくは
グラフアイトの比率を皮膜表面からコンプレツサ
ー母材の側に向けて減少させるにあたつて、特に
皮膜表面で樹脂もしくはグラフアイトの比率が
100%もしくは100%に近い状態となるように構成
しておけば、溶射皮膜の表面付近の硬さは実質的
に樹脂もしくはグラフアイトそのものの硬さとな
り、著しく切削が容易となる。すなわちインペラ
ーを組込んで溶射皮膜を切削する際に実際に切削
されるのは溶射皮膜の表面層だけであり、したが
つて上述のように溶射皮膜の表面付近が実質的に
樹脂もしくはグラフアイトのみとなつていれば、
インペラーの回転による切削が極めて容易とな
り、インペラーを組込んでそのインペラー回転さ
せようとしてもインペラーが回転しなかつたりす
る事態や、インペラーの先端が激しく摩耗するよ
うな事態が生じることを有効に防止できる。 ここで、溶射皮膜の構成材料のうち、軟質金属
は要はインペラーの材質と同等の硬さかまたはそ
れより軟質であれば良く、例えばインペラーが耐
熱アルミニウム合金鋳物(Al−Si合金)でコン
プレツサーハウジングがアルミ鋳物である場合、
溶射皮膜の軟質合金としてはAl、Al−Si合金あ
るいはNi等を用いることができる。さらに、特
に溶射皮膜の被削性を向上させてインペラーの摩
耗や変形を防止するためには、上記軟質金属とし
てはインペラーの材質(Al−Si合金)よりも格
段に軟質な金属、例えばZn、Pb、Sn、あるいは
それらの合金等を用いることが望ましい。 また溶射皮膜に用いる樹脂としては、要は軟質
金属と同時に溶射可能な熱可塑性樹脂であつて、
その軟質合金よりさらに軟質なものであれば良
く、例えばポリエステル、ポリ(パラーオキシベ
ンゾイル)エステル、ポリ(パラーオキシベンゾ
イルメチル)エステル、ナイロン等を用いること
ができる。 さらに溶射皮膜中における軟質金属の割合は、
5〜95重量%の範囲内とすることが好ましい。ま
た溶射粉末としては、前述の軟質金属の粉末と樹
脂もしくはグラフアイトの粉末とを機械的に混合
した混合粉末を用いても、あるいはグラフアイト
もしくは樹脂の粒子を軟質金属で被覆した複合粉
末を用いても良い。一方溶射皮膜の厚みは、コン
プレツサーハウジングとインペラー先端との間隙
とほぼ同等かまたはわずかに大きい程度、具体的
にはコンプレツサーハウジングとインペラー先端
との間隙に対し−0.1〜±0.2mm程度の範囲内とす
ることが好ましい。 実施例 第1図に示すようにアルミ鋳物からなるコンプ
レツサーハウジング5のエアー通流部のうち、特
にインペラー4(第6図参照)の先端と対向する
部位に軟質合金と樹脂もしくはグラフアイトとが
混在した溶射皮膜6を形成し、さらに実機インペ
ラーもしくは擬似インペラーにより溶射皮膜6を
切削した実施例を以下に示す。なお以下の各実施
例のうち、実施例1〜実施例3は、溶射皮膜中の
樹脂もしくはグラフアイトの比率を厚み方向に特
に変化させず、かつ下地溶射層を形成したもの、
また実施例4〜実施例6は、下地溶射層は形成せ
ずに、溶射皮膜中の樹脂もしくはグラフアイトの
比率が変化するようにグレーテツド溶射を施した
ものである。 実施例 1 この実施例1で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.5mm、インペ
ラー径65mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位にシヨツトブラスト処理を施し
た。使用したブラスト材は焼成アルミナの粒径
1200〜1400μmのものである。次いでその部位
に、密着性を向上させるために80wt%Ni−20wt
%Cr合金からなる下地溶射層7(第2図参照)
を0.08〜0.1mmの厚さでプラズマ溶射法により形
成した。さらにその下地溶射層7の上に、この発
明で特徴とする間隙調整用の溶射皮膜6として、
60wt%(Al−12wt%Si)−40wt%ポリエステル
混合粉末をプラズマ溶射法により溶射した。この
際の皮膜厚みtは、下地溶射層7と合わせて0.5
〜0.6mmとなるように制御した。このように溶射
した溶射皮膜6の組織を第3図に示す。第3図に
おいて白い部分はアルミ合金、黒い部分はポリエ
ステルである。 上述のようにして溶射皮膜6を形成したコンプ
レツサーハウジング5を、インペラー4とともに
実機ターボチヤージヤーに組込んだ後、第2図に
示しているようにインペラー4を回転させること
により溶射皮膜6を切削した。この際のインペラ
ー4の回転数は5000rpmとし、溶射皮膜6の削り
屑61が出なくなるまで30分回転させ。これによ
り下地溶射層7と溶射皮膜6との合計の厚みが当
初のインペラー4とコンプレツサーハウジング5
との間隙Hに実質的に等しいコンプレツサーハウ
ジングが得られた。 実施例 2 この実施例2で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.5mm、インペ
ラー径が110mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位に、ブラスト材としてスチール
グリツドを用いてシヨツトブラスト処理を施し
た。次いでその部位に、密着性を向上させるため
に94wt%(80wt%Ni−20wt%Cr)−6wt%Alか
らなる下地溶射層7をプラズマ溶射法により0.08
〜0.1mmの厚さで形成した。さらにその下地溶射
層7の上に、この発明で特徴とする間隙調整用の
溶射皮膜6として、70wt%(Al−5wt%Si)−
30wt%グラフアイト混合粉末をプラズマ溶射法
により溶射した。この際の皮膜厚みは、下地溶射
層7と合わせて0.6mmとなるように調整した。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をインペラー4とともに実機
ターボチヤージヤーに組込んだ後、インペラー4
を回転させることにより溶射皮膜6を切削した。
この際、インペラー4の回転数は7000rpmとし、
溶射皮膜6の削り層が出なくなるまで40分間回転
させた。 実施例 3 この実施例3で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.3〜0.4mm、イ
ンペラー径が50mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端と対向する部位に、ブラスト材として粒径1200
〜1400μmの焼成アルミナを用いてシヨツトブラ
スト処理を施した。次いでその部位に、密着性を
向上させるために80wt%Ni−20wt%Cr合金から
なる下地溶射層7をガス溶射法により0.05〜0.07
mmの厚さで形成した。さらにその下地溶射層7の
上に、この発明で特徴とする間隙調整用の溶射皮
膜6として、70wt%Ni−30wt%グラフアイト混
合粉末をガス溶射法により溶射した。この際の皮
膜厚みは、下地溶射層7と合わせて0.4mmとなる
ように調整した。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5に擬似インペラーを組込んだ
後、その擬似インペラーを回転させることにより
溶射皮膜6を切削した。この際、擬似インペラー
の回転数は10000rpmとし、溶射皮膜6の削り屑
が出なくなるまで10分間回転させた。 以上の実施例1〜実施例3によるコンプレツサ
ーハウジングを用いたターボチヤージヤーについ
て、回転数100000rpmで運転してコンプレツサー
効率を調べた。なお比較のため、溶射する以前に
も同一のターボチヤージヤーについてコンプレツ
サー効率を調べおいた。それらの結果を第1表に
示す。
【表】
第1表に示されるように、この発明による溶射
皮膜を形成したコンプレツサーハウジングを用い
た場合、コンプレツサー効率は溶射前と比較して
3〜4%向上することが確認された。これは、コ
ンプレツサーハウジングとインペラーとの間隙
が、溶射皮膜の形成によつて限りなく零に近付け
ることができ、その結果パワーロスを最小限に抑
えることができたのである。 実施例 4 この実施例4で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.5mm、インペ
ラー径65mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのイペラー先端
に対向する部位にシツトブラスト処理を施し、そ
の部位に第4図、第5図に示すようにアルミ−シ
リコン合金(Al−12wt%Si)とポリエステルを、
厚み方向にそれらの比率が変化するようにプラズ
マ溶射法によりグレーテツド溶射を行なつて0.5
〜0.6mm厚の溶射皮膜6を形成した。すなわち第
5図に詳細に示されるように、コンプレツサーハ
ウジング5と接する側の近傍は実質的にアルミ−
シリコン合金6Aのみとなつており、皮膜の上部
に向つてポリエステル6Bの比率が次第に増加
し、インペラー4によつて切削される表面層が実
質的にポリエステル6Bのみになつている溶射皮
膜6を形成した。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をインペラー4とともに実機
ターボチヤージヤーに組込んだ後、第4図、第5
図に示しているようにインペラー4を回転させる
ことにより溶射皮膜6を切削した。この際のイン
ペラー回転数は10000rpmとし、溶射皮膜の削り
屑が出なくなるまで30分間回転させ、間隙を実質
的に零とした。 実施例 5 この実施例5で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.3〜0.4mm、イ
ンペラー径50mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位にシヨツトブラスト処理を施
し、その部位に純ニツケルとグラフアイトを、厚
み方向にそれらの比率が変化するようにプラズマ
溶射法によりグレーテツド溶射を行なつて0.4〜
0.5mm厚の溶射皮膜6を形成した。すなわちコン
プレツサーハウジング5と接する側の近傍は実質
的にニツケルのみとなつており、皮膜の上部に向
つてグラフアイトの比率が次第に増加し、インペ
ラー4によつて切削される表面層が実質的にグラ
フアイトのみになつている溶射皮膜6を形成し
た。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をインペラー4とともに実機
ターボチヤージヤーに組込んだ後、インペラー4
を回転させることにより溶射皮膜6を切削した。
この際のインペラー回転数は10000rpmとし、溶
射皮膜の削り屑が出なくなるまで30分間回転さ
せ、間隙を実質的に零とした。 実施例 6 この実施例6で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.3〜0.4mm、イ
ンペラー径50mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位にシヨツトブラスト処理を施
し、その部位にアルミ−シリコン合金(Al−
12wt%Si)とグラフアイトを、厚み方向にそれ
らの比率が変化するようにプラズマ溶射法により
グレーテツド溶射を行なつて0.4〜0.5mm厚の溶射
皮膜6を形成した。すなわちコンプレツサーハウ
ジング5と接する側の近傍は実質的にアルミ−シ
リコン合金のみとなつており、皮膜の上部に向つ
てグラフアイトの比率が次第に増加し、インペラ
ー4によつて切削される表面層が実質的にグラフ
アイトのみになつている溶射皮膜6を形成した。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をインペラー4とともに実機
ターボチヤージヤーに組込んだ後、インペラー4
を回転させることにより溶射皮膜6を切削した。
この際のインペラー回転数は10000rpmとし、溶
射皮膜の削り屑が出なくなるまで30分間回転さ
せ、間隙を実質的に零とした。 以上の実施例4〜実施例6によるコンプレツサ
ーハウジングを用いたターボチヤージヤーについ
て、回転数100000rpmで50分間運転して、皮膜の
状況およびインペラーの状況を調査した。なお比
較のため、グレーテツド溶射ではない単純混合溶
射、すなわち軟質金属と樹脂もしくはグラフアイ
トの比率を厚み方向で変化させない溶射を施した
コンプレツサーハウジングについても実機運転試
験を行なつて、前記同様の調査を行なつた。ここ
で比較のために使用した溶射粉末は、次の比較例
A〜比較例Cに示すように、実施例4〜実施例6
と対応させた。 比較例A:実施例4と比較のため、60wt%(Al
−12wt%Si)−40wt%ポリエステル混合粉末を
使用 比較例B:実施例5と比較のため、75wt%Ni−
25wt%グラフアイト混合粉末を使用 比較例C:実施例6と比較のため、65wt%(Al
−12wt%Si)−35wt%グラフアイト混合粉末を
使用 なおこれらの比較例A〜Cの溶射にあたつて
は、いずれも予め下地溶射は行なわなかつた。ま
た溶射後にインペラーの回転によつて溶射皮膜の
切削を行なつて間隙を実質的に零とした点は実施
例4〜6と同様である。 実機運転試験後の調査結果を第2表に示す。
皮膜を形成したコンプレツサーハウジングを用い
た場合、コンプレツサー効率は溶射前と比較して
3〜4%向上することが確認された。これは、コ
ンプレツサーハウジングとインペラーとの間隙
が、溶射皮膜の形成によつて限りなく零に近付け
ることができ、その結果パワーロスを最小限に抑
えることができたのである。 実施例 4 この実施例4で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.5mm、インペ
ラー径65mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのイペラー先端
に対向する部位にシツトブラスト処理を施し、そ
の部位に第4図、第5図に示すようにアルミ−シ
リコン合金(Al−12wt%Si)とポリエステルを、
厚み方向にそれらの比率が変化するようにプラズ
マ溶射法によりグレーテツド溶射を行なつて0.5
〜0.6mm厚の溶射皮膜6を形成した。すなわち第
5図に詳細に示されるように、コンプレツサーハ
ウジング5と接する側の近傍は実質的にアルミ−
シリコン合金6Aのみとなつており、皮膜の上部
に向つてポリエステル6Bの比率が次第に増加
し、インペラー4によつて切削される表面層が実
質的にポリエステル6Bのみになつている溶射皮
膜6を形成した。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をインペラー4とともに実機
ターボチヤージヤーに組込んだ後、第4図、第5
図に示しているようにインペラー4を回転させる
ことにより溶射皮膜6を切削した。この際のイン
ペラー回転数は10000rpmとし、溶射皮膜の削り
屑が出なくなるまで30分間回転させ、間隙を実質
的に零とした。 実施例 5 この実施例5で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.3〜0.4mm、イ
ンペラー径50mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位にシヨツトブラスト処理を施
し、その部位に純ニツケルとグラフアイトを、厚
み方向にそれらの比率が変化するようにプラズマ
溶射法によりグレーテツド溶射を行なつて0.4〜
0.5mm厚の溶射皮膜6を形成した。すなわちコン
プレツサーハウジング5と接する側の近傍は実質
的にニツケルのみとなつており、皮膜の上部に向
つてグラフアイトの比率が次第に増加し、インペ
ラー4によつて切削される表面層が実質的にグラ
フアイトのみになつている溶射皮膜6を形成し
た。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をインペラー4とともに実機
ターボチヤージヤーに組込んだ後、インペラー4
を回転させることにより溶射皮膜6を切削した。
この際のインペラー回転数は10000rpmとし、溶
射皮膜の削り屑が出なくなるまで30分間回転さ
せ、間隙を実質的に零とした。 実施例 6 この実施例6で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.3〜0.4mm、イ
ンペラー径50mmのものである。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位にシヨツトブラスト処理を施
し、その部位にアルミ−シリコン合金(Al−
12wt%Si)とグラフアイトを、厚み方向にそれ
らの比率が変化するようにプラズマ溶射法により
グレーテツド溶射を行なつて0.4〜0.5mm厚の溶射
皮膜6を形成した。すなわちコンプレツサーハウ
ジング5と接する側の近傍は実質的にアルミ−シ
リコン合金のみとなつており、皮膜の上部に向つ
てグラフアイトの比率が次第に増加し、インペラ
ー4によつて切削される表面層が実質的にグラフ
アイトのみになつている溶射皮膜6を形成した。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をインペラー4とともに実機
ターボチヤージヤーに組込んだ後、インペラー4
を回転させることにより溶射皮膜6を切削した。
この際のインペラー回転数は10000rpmとし、溶
射皮膜の削り屑が出なくなるまで30分間回転さ
せ、間隙を実質的に零とした。 以上の実施例4〜実施例6によるコンプレツサ
ーハウジングを用いたターボチヤージヤーについ
て、回転数100000rpmで50分間運転して、皮膜の
状況およびインペラーの状況を調査した。なお比
較のため、グレーテツド溶射ではない単純混合溶
射、すなわち軟質金属と樹脂もしくはグラフアイ
トの比率を厚み方向で変化させない溶射を施した
コンプレツサーハウジングについても実機運転試
験を行なつて、前記同様の調査を行なつた。ここ
で比較のために使用した溶射粉末は、次の比較例
A〜比較例Cに示すように、実施例4〜実施例6
と対応させた。 比較例A:実施例4と比較のため、60wt%(Al
−12wt%Si)−40wt%ポリエステル混合粉末を
使用 比較例B:実施例5と比較のため、75wt%Ni−
25wt%グラフアイト混合粉末を使用 比較例C:実施例6と比較のため、65wt%(Al
−12wt%Si)−35wt%グラフアイト混合粉末を
使用 なおこれらの比較例A〜Cの溶射にあたつて
は、いずれも予め下地溶射は行なわなかつた。ま
た溶射後にインペラーの回転によつて溶射皮膜の
切削を行なつて間隙を実質的に零とした点は実施
例4〜6と同様である。 実機運転試験後の調査結果を第2表に示す。
【表】
の回転がスムーズのものを良、回転しにく
かつたものを悪とする。
実施例4、5、6においては、いずれも溶射皮
膜がコンプレツサーハウジングとの界面で実質的
に100%金属となつているため、下地溶射層を形
成しなかつたにもかかわらず溶射皮膜の密着性が
良好で、剥離などの溶射皮膜の損傷は生じなかつ
た。これに対し比較例A、Bでは下地溶射層を設
けていないため密着力が不足し、溶射皮膜の剥離
が生じた。また実施例4、5、6では、溶射皮膜
のインペラーによる切削性でかつインペラー摩耗
量も少ないが、これは溶射層の表面付近の部分が
100%近くポリエステルもしくはグラフアイトと
なつているためである。 さらに、溶射皮膜中の軟質金属として、インペ
ラー材質よりも格段に軟質な金属を用いた実施例
7、8を以下に示す。 実施例 7 この実施例7で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.5mmのもので
ある。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位にシヨツトブラスト処理を施
し、その部位に下地溶射層としてNi−Cr合金を
0.1mmの厚みで溶射した後、Pbとグラフアイトと
の混合粉末を用いてプラズマ溶射法により0.4〜
0.5mmの厚みで溶射皮膜6を形成した。なおPbと
グラフアイトとの混合粉末は、粒径15〜44μmの
Pb粒子と粒径44〜90μmのグラフアイト粉末とを
Pb70wt%、グラフアイト30wt%となるように機
械的に混合したものである。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をAl−Si合金からなるイン
ペラー4とともに実切ターボチヤージヤーに組込
んだ後、インペラー4を回転させることにより溶
射皮膜6を切削した。このときのインペラー回転
数は10000rpmとし、溶射皮膜の削り屑がでなく
なるまで30分間回転させ、間隙Hを実質的に零と
した。 実施例 8 この実施例8で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.4mmのもので
ある。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位にシヨツトブラスト処理を施
し、その部位に下地溶射層としてNi−Cr合金を
0.1mmの厚みで溶射した後、Snメツキしたグラフ
アイト粉末(粒径30〜90μm)を用いてガス溶射
法により0.3〜0.4mmの厚みで溶射皮膜6を形成し
た。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をAl−Si合金からなるイン
ペラー4とともに実切ターボチヤージヤーに組込
んだ後、インペラー4を回転させることにより溶
射皮膜6を切削した。このときのインペラー回転
数は10000rpmとし、溶射皮膜の削り屑がでなく
なるまで30分間回転させ、間隙Hを実質的に零と
した。 以上の実施例7、8によるコンプレツサーハウ
ジングを用いたターボチヤージヤーについて、回
転数100000rpmで60分間回転して、皮膜の状況お
よびインペラーの状況を調査した。なお比較のた
め、溶射皮膜を、インペラーの材質と同程度の硬
さの金属と樹脂もしくはグラフアイトとの混合粉
末を用いて形成したコンプレツサーハウジング
(比較例D、E、F)についても、前記同様の実
機運転を行なつて前記同様の調査を実施した。こ
こで比較のために使用した溶射粉末は、次の比較
例D〜Fに示す通りである。 比較例D:60wt%(Al−12wt%Si)−40wt%ポ
リエステル 比較例E:75wt%Ni−25wt%グラフイト 比較例F:65wt%(Al−12wt%Si)−35wt%グ
ラフアイト なおこれらの比較例D〜Fのうち、比較例D、
Eは実施例7と同様なコンプレツサーハウジング
に適用したもの、比較例Fは実施例8と同様なコ
ンプレツサーハウジングに適用したものである。
また比較例D〜Fの溶射にあたつては、いずれも
実施例7、8と同様に下地溶射を行なつた。また
溶射後にインペラーの回転によつて溶射皮膜の切
削を行ない、間隙を零とした点も実施例7、8と
同様である。 実機運転試験後の調査結果を第3表に示す。
かつたものを悪とする。
実施例4、5、6においては、いずれも溶射皮
膜がコンプレツサーハウジングとの界面で実質的
に100%金属となつているため、下地溶射層を形
成しなかつたにもかかわらず溶射皮膜の密着性が
良好で、剥離などの溶射皮膜の損傷は生じなかつ
た。これに対し比較例A、Bでは下地溶射層を設
けていないため密着力が不足し、溶射皮膜の剥離
が生じた。また実施例4、5、6では、溶射皮膜
のインペラーによる切削性でかつインペラー摩耗
量も少ないが、これは溶射層の表面付近の部分が
100%近くポリエステルもしくはグラフアイトと
なつているためである。 さらに、溶射皮膜中の軟質金属として、インペ
ラー材質よりも格段に軟質な金属を用いた実施例
7、8を以下に示す。 実施例 7 この実施例7で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.5mmのもので
ある。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位にシヨツトブラスト処理を施
し、その部位に下地溶射層としてNi−Cr合金を
0.1mmの厚みで溶射した後、Pbとグラフアイトと
の混合粉末を用いてプラズマ溶射法により0.4〜
0.5mmの厚みで溶射皮膜6を形成した。なおPbと
グラフアイトとの混合粉末は、粒径15〜44μmの
Pb粒子と粒径44〜90μmのグラフアイト粉末とを
Pb70wt%、グラフアイト30wt%となるように機
械的に混合したものである。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をAl−Si合金からなるイン
ペラー4とともに実切ターボチヤージヤーに組込
んだ後、インペラー4を回転させることにより溶
射皮膜6を切削した。このときのインペラー回転
数は10000rpmとし、溶射皮膜の削り屑がでなく
なるまで30分間回転させ、間隙Hを実質的に零と
した。 実施例 8 この実施例8で使用したコンプレツサーハウジ
ングは、インペラーとの間隙Hが0.4mmのもので
ある。 先ずコンプレツサーハウジングのインペラー先
端に対向する部位にシヨツトブラスト処理を施
し、その部位に下地溶射層としてNi−Cr合金を
0.1mmの厚みで溶射した後、Snメツキしたグラフ
アイト粉末(粒径30〜90μm)を用いてガス溶射
法により0.3〜0.4mmの厚みで溶射皮膜6を形成し
た。 このようにして溶射皮膜6を形成したコンプレ
ツサーハウジング5をAl−Si合金からなるイン
ペラー4とともに実切ターボチヤージヤーに組込
んだ後、インペラー4を回転させることにより溶
射皮膜6を切削した。このときのインペラー回転
数は10000rpmとし、溶射皮膜の削り屑がでなく
なるまで30分間回転させ、間隙Hを実質的に零と
した。 以上の実施例7、8によるコンプレツサーハウ
ジングを用いたターボチヤージヤーについて、回
転数100000rpmで60分間回転して、皮膜の状況お
よびインペラーの状況を調査した。なお比較のた
め、溶射皮膜を、インペラーの材質と同程度の硬
さの金属と樹脂もしくはグラフアイトとの混合粉
末を用いて形成したコンプレツサーハウジング
(比較例D、E、F)についても、前記同様の実
機運転を行なつて前記同様の調査を実施した。こ
こで比較のために使用した溶射粉末は、次の比較
例D〜Fに示す通りである。 比較例D:60wt%(Al−12wt%Si)−40wt%ポ
リエステル 比較例E:75wt%Ni−25wt%グラフイト 比較例F:65wt%(Al−12wt%Si)−35wt%グ
ラフアイト なおこれらの比較例D〜Fのうち、比較例D、
Eは実施例7と同様なコンプレツサーハウジング
に適用したもの、比較例Fは実施例8と同様なコ
ンプレツサーハウジングに適用したものである。
また比較例D〜Fの溶射にあたつては、いずれも
実施例7、8と同様に下地溶射を行なつた。また
溶射後にインペラーの回転によつて溶射皮膜の切
削を行ない、間隙を零とした点も実施例7、8と
同様である。 実機運転試験後の調査結果を第3表に示す。
【表】
転しにくかつたものを悪とする。
第3表に示すように、実施例7、8および比較
例D〜Fは、いずれも溶射皮膜の損傷は生じなか
つたが、インペラーによる切削性は比較例E、F
で劣り、インペラーの回転がスムーズでなかつ
た。またインペラー摩耗量は、実施例7、8の場
合には、比較例D〜Fの場合よりも格段に少なく
なつた。さらにインペラーの変形も、実施例7、
8の場合は比較例D〜Fの場合より著しく少なく
なつた。これらの差は、比較例D〜Fの溶射皮膜
中の軟質金属の硬さがインペラーと同程度であつ
たのに対し、実施例7、8の溶射皮膜中の軟質金
属の硬さがインペラーよりも軟質であつたために
生じたものと考えられる。 発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、この発明
の自動車用ターボコンプレツサーハウジングは、
インペラーの先端に対向する部分の壁面に、軟質
金属と樹脂もしくはグラフアイトとが混在する溶
射皮膜を形成したものであつて、このようなコン
プレツサーハウジングにおいては、インペラーの
回転により溶射皮膜の一部を切削することによつ
てハウジングとインペラーとの間隙を実質的に零
に近い状態とすることができ、そのためコンプレ
ツサー効率(ターボ効率)を、溶射皮膜を設けて
いない場合と比較して格段に向上させることがで
きる。そしてインペラーが溶射皮膜を切削する場
合、溶射皮膜が結合力の弱い積層粒子からなる複
合組織によつて形成されているから、溶射皮膜は
容易に切削され、しかも切削屑は、積層粒子が剥
離して生じた細かいものとなるので、インペラー
などへの絡み付きや付着を防止でき、溶射皮膜が
切削屑によつて更に削られる等の不都合を防止す
ることができる。 また特に溶射皮膜中における樹脂もしくはグラ
フアイトの比率を、皮膜表面からハウジング母材
の側へ向けて減少するようにした実施態様によれ
ば、密着力を確保して皮膜の剥離を防止すること
ができ、そのため下地層形成の工程が不要となつ
て生産性が向上する効果が得られ、またインペラ
ーの回転により溶射皮膜の表面を削除する際にお
いてインペラーが円滑に回転しなかつたりあるい
はインペラーの摩耗が激しく進行したりする事態
が生じることを有効に防止できる。
第3表に示すように、実施例7、8および比較
例D〜Fは、いずれも溶射皮膜の損傷は生じなか
つたが、インペラーによる切削性は比較例E、F
で劣り、インペラーの回転がスムーズでなかつ
た。またインペラー摩耗量は、実施例7、8の場
合には、比較例D〜Fの場合よりも格段に少なく
なつた。さらにインペラーの変形も、実施例7、
8の場合は比較例D〜Fの場合より著しく少なく
なつた。これらの差は、比較例D〜Fの溶射皮膜
中の軟質金属の硬さがインペラーと同程度であつ
たのに対し、実施例7、8の溶射皮膜中の軟質金
属の硬さがインペラーよりも軟質であつたために
生じたものと考えられる。 発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、この発明
の自動車用ターボコンプレツサーハウジングは、
インペラーの先端に対向する部分の壁面に、軟質
金属と樹脂もしくはグラフアイトとが混在する溶
射皮膜を形成したものであつて、このようなコン
プレツサーハウジングにおいては、インペラーの
回転により溶射皮膜の一部を切削することによつ
てハウジングとインペラーとの間隙を実質的に零
に近い状態とすることができ、そのためコンプレ
ツサー効率(ターボ効率)を、溶射皮膜を設けて
いない場合と比較して格段に向上させることがで
きる。そしてインペラーが溶射皮膜を切削する場
合、溶射皮膜が結合力の弱い積層粒子からなる複
合組織によつて形成されているから、溶射皮膜は
容易に切削され、しかも切削屑は、積層粒子が剥
離して生じた細かいものとなるので、インペラー
などへの絡み付きや付着を防止でき、溶射皮膜が
切削屑によつて更に削られる等の不都合を防止す
ることができる。 また特に溶射皮膜中における樹脂もしくはグラ
フアイトの比率を、皮膜表面からハウジング母材
の側へ向けて減少するようにした実施態様によれ
ば、密着力を確保して皮膜の剥離を防止すること
ができ、そのため下地層形成の工程が不要となつ
て生産性が向上する効果が得られ、またインペラ
ーの回転により溶射皮膜の表面を削除する際にお
いてインペラーが円滑に回転しなかつたりあるい
はインペラーの摩耗が激しく進行したりする事態
が生じることを有効に防止できる。
第1図はこの発明のコンプレツサーハウジング
の一例を示す断面図、第2図は実施例1のコンプ
レツサーハウジングにおいて溶射皮膜をインペラ
ーにより切削している状況を模式的に示す略解断
面図、第3図は実施例1の溶射皮膜の金属断面組
織写真(倍率:100倍)、第4図は実施例4のコン
プレツサーハウジングにおいて溶射皮膜をインペ
ラーにより切削している状況を模式的に示す略解
断面図、第5図は第4図のA部を拡大して示す断
面図、第6図はこの発明のコンプレツサーハウジ
ングが適用される自動車用ターボチヤージヤーの
一例を示す縦断面図である。 4……インペラー、5……コンプレツサーハウ
ジング、6……溶射皮膜。
の一例を示す断面図、第2図は実施例1のコンプ
レツサーハウジングにおいて溶射皮膜をインペラ
ーにより切削している状況を模式的に示す略解断
面図、第3図は実施例1の溶射皮膜の金属断面組
織写真(倍率:100倍)、第4図は実施例4のコン
プレツサーハウジングにおいて溶射皮膜をインペ
ラーにより切削している状況を模式的に示す略解
断面図、第5図は第4図のA部を拡大して示す断
面図、第6図はこの発明のコンプレツサーハウジ
ングが適用される自動車用ターボチヤージヤーの
一例を示す縦断面図である。 4……インペラー、5……コンプレツサーハウ
ジング、6……溶射皮膜。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 自動車用ターボチヤージヤーのコンプレツサ
ーハウジングにおけるインペラーの先端と対向す
る部分の壁面に、軟質金属と樹脂もしくはグラフ
アイトとが混在する複合組織からなる溶射皮膜が
形成されていることを特徴とする自動車用ターボ
コンプレツサーハウジング。 2 前記容射皮膜中における樹脂もしくはグラフ
アイトの比率が、皮膜表面からハウジング母材に
向つて減少するように構成されている特許請求の
範囲第1項記載の自動車用ターボコンプレツサー
ハウジング。 3 前記溶射皮膜中における軟質金属として、イ
ンペラーよりも軟質な金属が用いられている特許
請求の範囲第1項記載の自動車用ターボコンプレ
ツサーハウジング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23049187A JPS6473197A (en) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | Automobile turbo compressor housing |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23049187A JPS6473197A (en) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | Automobile turbo compressor housing |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6473197A JPS6473197A (en) | 1989-03-17 |
| JPH0440559B2 true JPH0440559B2 (ja) | 1992-07-03 |
Family
ID=16908608
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23049187A Granted JPS6473197A (en) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | Automobile turbo compressor housing |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6473197A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| ITMI20070665A1 (it) * | 2007-03-30 | 2008-09-30 | Nuovo Pignone Spa | Rivestimento abradibile ed antincrostazione per macchine rotative a luido |
| JP6092562B2 (ja) * | 2012-10-02 | 2017-03-08 | 株式会社オティックス | 過給機用のコンプレッサハウジング及びその製造方法 |
| JP6131085B2 (ja) | 2013-04-01 | 2017-05-17 | 株式会社神戸製鋼所 | 回転機械、回転機械に用いられる羽根車、及び、羽根車の製造方法 |
| CN106662118B (zh) | 2014-07-02 | 2019-05-28 | 三菱重工业株式会社 | 压气机 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5550393U (ja) * | 1978-09-29 | 1980-04-02 |
-
1987
- 1987-09-14 JP JP23049187A patent/JPS6473197A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6473197A (en) | 1989-03-17 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |