JPH0448839B2 - - Google Patents
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- JPH0448839B2 JPH0448839B2 JP62046730A JP4673087A JPH0448839B2 JP H0448839 B2 JPH0448839 B2 JP H0448839B2 JP 62046730 A JP62046730 A JP 62046730A JP 4673087 A JP4673087 A JP 4673087A JP H0448839 B2 JPH0448839 B2 JP H0448839B2
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- JP
- Japan
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- compound
- olefin
- sulfur content
- oil
- oils
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- Metal Extraction Processes (AREA)
- Lubricants (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、炭素鋼、合金鋼の線、棒、管の冷間
引抜きに際しての潤滑方法に関するものである。
更に詳しくは、本発明は例えば、断面減少率が30
%以上の強加工度の冷間引抜に適した方法で、又
引抜加工後の成品の表面を平滑で光沢のあるよう
にすることもその目的としている。 [従来の技術] 炭素鋼や合金鋼(本明細書では鋼と総称する)
の冷間引抜加工においては、引抜工具と材料の摩
擦を軽減し、工具の摩耗を低減し、焼付疵の発生
を防止するための潤滑が重要である。 従来、鋼の線、棒、管を高加工度(断面減少率
30%以上)で冷間引抜するに際しては、線、棒、
管の表面にりん酸塩皮膜を形成し、その上に石け
ん処理を施した潤滑方法が広く行われて来た。し
かしこの方法は、りん酸塩処理や石けん処理が通
常75〜80℃の高温で行われるため、昇温の手間を
要し余分なエネルギー消費を伴う。 又処理工程も第1表の如く8工程にも及ぶた
め、更に簡易且つ迅速な潤滑処理方法が望まれて
いる。
引抜きに際しての潤滑方法に関するものである。
更に詳しくは、本発明は例えば、断面減少率が30
%以上の強加工度の冷間引抜に適した方法で、又
引抜加工後の成品の表面を平滑で光沢のあるよう
にすることもその目的としている。 [従来の技術] 炭素鋼や合金鋼(本明細書では鋼と総称する)
の冷間引抜加工においては、引抜工具と材料の摩
擦を軽減し、工具の摩耗を低減し、焼付疵の発生
を防止するための潤滑が重要である。 従来、鋼の線、棒、管を高加工度(断面減少率
30%以上)で冷間引抜するに際しては、線、棒、
管の表面にりん酸塩皮膜を形成し、その上に石け
ん処理を施した潤滑方法が広く行われて来た。し
かしこの方法は、りん酸塩処理や石けん処理が通
常75〜80℃の高温で行われるため、昇温の手間を
要し余分なエネルギー消費を伴う。 又処理工程も第1表の如く8工程にも及ぶた
め、更に簡易且つ迅速な潤滑処理方法が望まれて
いる。
【表】
更に高級な引抜製品では、冷間引抜後の製品の
表面の平滑さや光沢が望まれるが、りん酸塩処理
は化学反応により鋼材表面を腐食するため表面グ
レードを向上させることが難しい。 表面グレードを向上させる場合は、極圧添加
剤、例えば硫黄系のものとしては硫化鉱油、硫化
脂肪酸、硫化油脂(硫黄分8〜15%)、ジベンジ
ルサルフアイド、ポリフエニレンサルフアイド等
を含んだ潤滑油を使用しているが、これらは低加
工度の冷間引抜加工が出来るものの、高加工度で
は油膜強度が不足し、焼付が発生して引抜工具や
被加工材料に疵が発生するという問題がある。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は、鋼の線、棒、管を高加工度(断面減
少率で30%以上)で冷間引抜する際の潤滑処理
を、省エネルギーで且つ、第2表に示した短縮し
た処理工程で行い、更に冷間加工後の被加工物の
表面グレードを向上させることを目的としてい
る。
表面の平滑さや光沢が望まれるが、りん酸塩処理
は化学反応により鋼材表面を腐食するため表面グ
レードを向上させることが難しい。 表面グレードを向上させる場合は、極圧添加
剤、例えば硫黄系のものとしては硫化鉱油、硫化
脂肪酸、硫化油脂(硫黄分8〜15%)、ジベンジ
ルサルフアイド、ポリフエニレンサルフアイド等
を含んだ潤滑油を使用しているが、これらは低加
工度の冷間引抜加工が出来るものの、高加工度で
は油膜強度が不足し、焼付が発生して引抜工具や
被加工材料に疵が発生するという問題がある。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は、鋼の線、棒、管を高加工度(断面減
少率で30%以上)で冷間引抜する際の潤滑処理
を、省エネルギーで且つ、第2表に示した短縮し
た処理工程で行い、更に冷間加工後の被加工物の
表面グレードを向上させることを目的としてい
る。
【表】
[問題点を解決するための手段]
本発明で第2表の潤滑処理に用いる潤滑油は、
硫黄分が30重量%以上のジアルキルポリサルフア
イド5〜40部(本明細書では化合物の配合の重量
%を部と表示する)と、 油脂とオレフインとの化合物であつて該化合物
中に硫黄分が15%以上結合したもの、不飽和高級
脂肪酸と不飽和高級アルコールとの高級エステル
化合物であつて該化合物中に硫黄分が15%以上結
合したもの、および高級エステル化合物とオレフ
インとの化合物であつて該化合物中に硫黄分が15
%以上結合したものの中から選ばれた1種又は2
種以上の20〜70部とを混合し、粘度が20℃で100
〜3000センチポイズになるように増粘剤、油脂、
合成油、鉱物油、高級脂肪酸及びそのアミン塩で
調整した潤滑油である。 以下に本発明を更に具体的に説明する。 本発明における硫黄分が30重量%以上のジアル
キルポリサルフアイドは、下記の一般式のもので
ある。 R−Sx−R 但し、R:アルキル基(炭素数:6〜12)、
Sx:硫黄(x:3〜6). アルキル基は、エチレンやプロピレンの2〜6
量体を用いる。この合成は例えば、アルキルメル
カプタン化合物と硫黄を塩基性触媒(例えばジ−
n−ブチルアミン)の存在下で、140〜150℃で3
時間反応させた後減圧蒸留を行つて未反応留分を
除去し、更に80℃で通気して硫化水素を除去して
得られる。 本発明の油脂とオレフインとの化合物であつて
該化合物中に硫黄分が15%以上結合したものは、
例えば不飽和動植物油脂1モルに、オレフインの
メルカプタン化合物1モル及び硫黄を、塩基性触
媒(例えばジ−n−ブチルアミン)の存在下で、
150〜160℃で3時間反応させた後、減圧蒸留を行
つて未反応留分を除去し、更に80℃で通気して硫
化水素を除去して得られる。 本発明の不飽和高級脂肪酸と不飽和高級アルコ
ールとの高級エステル化合物であつて該化合物中
に硫黄分が15%以上結合したものは、高級エステ
ル化合物に硫黄を混合し、160〜190℃で5〜8時
間反応させた後、80℃で通気して硫化水素を除去
して得られる。 本発明の高級エステル化合物とオレフインとの
化合物であつて該化合物中に硫黄分が15%以上結
合したものは、高級エステル化合物にオレフイン
のメルカプタン化合物及び硫黄を塩基性触媒の存
在下で、前記と同様の方法で製造される。 本発明は粘度を20℃で100〜3000CP(センチポ
イズ)に調整するが、増粘剤としては、平均分子
量5000〜300000のポリイソブチレン系、平均分子
量10000〜1000000のオレフイン共重合体系(エチ
レン−プロピレン−ブチレン系)、平均分子量
20000〜1500000のポリメタクリレート系が挙げら
れるが、好ましのはポリメタクリレート系であ
る。ポリメタクリレートは下記の一般式のポリメ
タクリレートの中から選ばれた1種以上を用い
る。
硫黄分が30重量%以上のジアルキルポリサルフア
イド5〜40部(本明細書では化合物の配合の重量
%を部と表示する)と、 油脂とオレフインとの化合物であつて該化合物
中に硫黄分が15%以上結合したもの、不飽和高級
脂肪酸と不飽和高級アルコールとの高級エステル
化合物であつて該化合物中に硫黄分が15%以上結
合したもの、および高級エステル化合物とオレフ
インとの化合物であつて該化合物中に硫黄分が15
%以上結合したものの中から選ばれた1種又は2
種以上の20〜70部とを混合し、粘度が20℃で100
〜3000センチポイズになるように増粘剤、油脂、
合成油、鉱物油、高級脂肪酸及びそのアミン塩で
調整した潤滑油である。 以下に本発明を更に具体的に説明する。 本発明における硫黄分が30重量%以上のジアル
キルポリサルフアイドは、下記の一般式のもので
ある。 R−Sx−R 但し、R:アルキル基(炭素数:6〜12)、
Sx:硫黄(x:3〜6). アルキル基は、エチレンやプロピレンの2〜6
量体を用いる。この合成は例えば、アルキルメル
カプタン化合物と硫黄を塩基性触媒(例えばジ−
n−ブチルアミン)の存在下で、140〜150℃で3
時間反応させた後減圧蒸留を行つて未反応留分を
除去し、更に80℃で通気して硫化水素を除去して
得られる。 本発明の油脂とオレフインとの化合物であつて
該化合物中に硫黄分が15%以上結合したものは、
例えば不飽和動植物油脂1モルに、オレフインの
メルカプタン化合物1モル及び硫黄を、塩基性触
媒(例えばジ−n−ブチルアミン)の存在下で、
150〜160℃で3時間反応させた後、減圧蒸留を行
つて未反応留分を除去し、更に80℃で通気して硫
化水素を除去して得られる。 本発明の不飽和高級脂肪酸と不飽和高級アルコ
ールとの高級エステル化合物であつて該化合物中
に硫黄分が15%以上結合したものは、高級エステ
ル化合物に硫黄を混合し、160〜190℃で5〜8時
間反応させた後、80℃で通気して硫化水素を除去
して得られる。 本発明の高級エステル化合物とオレフインとの
化合物であつて該化合物中に硫黄分が15%以上結
合したものは、高級エステル化合物にオレフイン
のメルカプタン化合物及び硫黄を塩基性触媒の存
在下で、前記と同様の方法で製造される。 本発明は粘度を20℃で100〜3000CP(センチポ
イズ)に調整するが、増粘剤としては、平均分子
量5000〜300000のポリイソブチレン系、平均分子
量10000〜1000000のオレフイン共重合体系(エチ
レン−プロピレン−ブチレン系)、平均分子量
20000〜1500000のポリメタクリレート系が挙げら
れるが、好ましのはポリメタクリレート系であ
る。ポリメタクリレートは下記の一般式のポリメ
タクリレートの中から選ばれた1種以上を用い
る。
【式】又は
【式】
但し、R:C8〜C16、R′:H又はCH3、X:極
性基 前記構造式における極性基の極性モノマーとし
ては、ジエチルアミノエチルメタクリレート
()、2−メチル−5−ビニルピリジン()な
どのアミン、N−ビニルピロリジノン()など
のアミドポリアルキレングリコールエステル
()や無水マレイン酸()がある。 又油脂としては、例えば菜種油、ラード油、ヤ
シ油、ヒマシ油、牛脂等が挙げられる。 合成油としては、例えばジオクチルセバケー
ト、ペンタエリストール誘導体等が挙げられる。 鉱物油としては、例えばマシン油等が挙げら
れ、高級脂肪酸としては動植物脂肪酸と合成脂肪
酸が挙げられ、具体的にはカプリル酸、カプリン
酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ニルカ
酸などが挙げられる。 アミンとしては炭素数12〜22の1級アミンがあ
り、オレイルアミンが良好である。 尚本発明は、潤滑油の成分に固体潤滑剤のタル
ク、グラフアイト、窒化ボロン、炭酸カルシウ
ム、2硫化モリブデン等の粉末の添加をこばむも
のではない。固体潤滑剤は引抜工具と被加工材の
間に持込まれて、直接の接触を防止し焼付きの発
生を防止する。 又本発明では、引抜後の潤滑油のアルカリ脱脂
の除去効率を高めるために界面活性剤を使用して
もよい。 冷間加工に用いる引抜工具は通常、超硬合金の
タングステンカーバイド系を多く用いているが、
耐焼付き性の向上を図るために引抜工具への例え
ばチタンカーバイド、チタンナイトライド、ホウ
素−チタン系、ホウ素−ジルコニウム系等のコー
テイングや、又セラミツクスを焼結した引抜工具
の使用等も拒むものではない。 鋼の冷間引抜では、被加工材の表面に皮膜を形
成させた方が酸洗肌よりも焼付きにくいため、通
常はりん酸塩皮膜やシユウ酸塩皮膜が施され、又
錆や焼鈍酸化スケール等も焼付き防止の効果があ
るが、しかし本発明では冷間引抜加工後の表面グ
レードを向上させるために、潤滑油処理前に酸洗
処理を行う。 本発明における酸洗液の例としては、5〜20%
硫酸水溶液、5〜20%塩酸水溶液、5〜20%リン
酸水溶液等を用いる。酸洗液の温度は、硫酸水溶
液の場合は35〜60℃、塩酸水溶液の場合は常温〜
40℃、リン酸水溶液の場合は35〜60℃が適当で、
処理時間は被処理材表面の錆やスケールが除去出
来る時間が必要であるが、通常は10〜30分の浸漬
を行う。酸洗後の中和液としては、例えば0.2〜
5%カ性ソーダ水溶液や、0.2〜5%炭酸ソーダ
水溶液や、0.2〜5%ホウ酸ソーダ水溶液や、0.2
〜5%リン酸ソーダ水溶液や、0.2〜10%石灰水
溶液等が用いられる。中和処理は、常温〜90℃で
5秒〜5分間浸漬して行うことができる。 又潤滑油の塗油方法としては、浸漬法、流しか
け法、スプレー法などにより行う。 [作用] 鋼を潤滑油を用いて冷間引抜を行う際は、潤滑
油は高粘度にした方が、引抜工具と被加工材の間
に潤滑油が持ち込まれやすくなり、滑り性及び耐
焼付き性も向上する。 粘度が100CP未満の場合は、工具と被加工材の
間への潤滑油の持ち込み量が少なくなる。従つて
本発明では粘度を100CP以上に調整する。又粘度
が3000CPを超えると潤滑油の持ち込み量が多く
なり潤滑性は向上するが、材料への塗付性や取扱
いが困難となり作業性が低下する。従つて本発明
では潤滑油の粘度を20℃で100〜3000CPに調節す
るが、20℃で500〜1500CPの粘度が特に好まし
い。 冷間加工の条件が厳しい場合、例えば引抜き速
度が速かつたり断面減少率が大きい場合は、被加
工材の表面温度は高くなり、又工具と被加工材の
境界の潤滑領域では油膜が薄くなり、焼付き易く
なる。このために硫黄系極圧添加剤を用いて、被
加工材表面に剪断力の低いFeS、Fe2Sなどの皮膜
を形成させて焼付きの防止を図る。本発明におけ
る、硫黄が30重量%以上のジアルキルポリサルフ
アイドは、160〜280℃の低温領域で分解され、鉄
と硫黄の化合物を形成する。ジアルキルポリサル
フアイドの配合割合が5部未満では、FeS,Fe2S
の生成量が少ないため焼付き易い。又配合割合が
40部を超えると悪臭が強く作業環境が悪くなり、
作業性が低下する。従つて本発明ではジアルキル
ポリサルフアイドの配合割合は5〜40部とする
が、15〜30部が特に好ましい。 冷間加工の条件が厳しく、冷間引抜中の被加工
材の表面温度が高くなると、硫黄が30重量%以上
のジアルキルポリサルフアイドは素早く鉄と反応
して硫化物を生成するため焼付きが防止できる
が、ジアルキルポリサルフアイドは摩擦係数が高
く滑り性が悪くなるため、連続加工により引抜工
具に熱がさらに蓄積してくるために焼付きが発生
する。これについて改善を図るため、本発明では
油脂とオレフインとの化合物であつて該化合物中
に硫黄分が15%以上結合したもの、不飽和高級脂
肪酸と不飽和高級アルコールとの高級エステル化
合物であつて該化合物中に硫黄分が15%以上結合
したもの、高級エステル化合物とオレフインとの
化合物であつて該化合物中に硫黄分が15%以上結
合したものを配合する。これ等は鉄と硫黄との反
応性がジアルキルポリサルフアイドより若干劣る
が良好であり、且つ摩擦係数も低く滑り性も良好
であるため、引抜工具への蓄熱が少なくなり、焼
付き性の改善と冷間引抜時の異音即ちナキの発生
の防止が可能となる。各化合物の硫黄は各々15重
量%以上であるが、最大の硫黄分は油脂、高級エ
ステル、オレフイン等の分子量とヨウ素価により
ほぼ決つており、油脂とオレフインとの化合物系
では約35重量%以下であり、不飽和高級脂肪酸と
不飽和高級アルコールとの高級エステル化合物系
では約30重量%以下であり、高級エステル化合物
とオレフインとの化合物系では35重量%以下であ
る。又潤滑油への配合量が20部未満ではナキが発
生し易く、又70部を超えると悪臭が強くなり作業
性が低下する。従つて本発明では20〜70部とする
が30〜50部が特に好ましい。 本発明における潤滑油組成中の全硫黄量は、多
ければ多い程よいが、反対に悪臭が強くなり作業
環境が悪くなる。このため15〜30重量%の範囲が
適当である。 [実施例] 実施例 1 第3表の潤滑剤の番号1,2,3を用い、炭素
含有量0.1%の炭素鋼シームレス鋼管の冷間引抜
加工を第4表の条件で行つた。この結果は第5表
のNo.1,2,3に示す如く、鋼管に焼付きの発生
はなく潤滑性は良好であり、引抜後の鋼管の表面
も緻密で平滑であり高級な仕上げに適したもので
あつた。 実施例 2 第3表の潤滑剤の番号1,2,3を用いて、炭
素含有量0.7%の鋼線の伸線を、第6表の条件で
行つた。この結果は第7表のNo.1,2,3に示す
如く、3パス目でも焼付の発生はなく、潤滑性は
良好であつた。 比較例 1 第3表の潤滑剤番号4,5,6を用いて、実施
例1と同じ炭素鋼シームレス鋼管を第4表と同じ
条件で引抜加工した。この結果は第5表のNo.3,
4,5
性基 前記構造式における極性基の極性モノマーとし
ては、ジエチルアミノエチルメタクリレート
()、2−メチル−5−ビニルピリジン()な
どのアミン、N−ビニルピロリジノン()など
のアミドポリアルキレングリコールエステル
()や無水マレイン酸()がある。 又油脂としては、例えば菜種油、ラード油、ヤ
シ油、ヒマシ油、牛脂等が挙げられる。 合成油としては、例えばジオクチルセバケー
ト、ペンタエリストール誘導体等が挙げられる。 鉱物油としては、例えばマシン油等が挙げら
れ、高級脂肪酸としては動植物脂肪酸と合成脂肪
酸が挙げられ、具体的にはカプリル酸、カプリン
酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ニルカ
酸などが挙げられる。 アミンとしては炭素数12〜22の1級アミンがあ
り、オレイルアミンが良好である。 尚本発明は、潤滑油の成分に固体潤滑剤のタル
ク、グラフアイト、窒化ボロン、炭酸カルシウ
ム、2硫化モリブデン等の粉末の添加をこばむも
のではない。固体潤滑剤は引抜工具と被加工材の
間に持込まれて、直接の接触を防止し焼付きの発
生を防止する。 又本発明では、引抜後の潤滑油のアルカリ脱脂
の除去効率を高めるために界面活性剤を使用して
もよい。 冷間加工に用いる引抜工具は通常、超硬合金の
タングステンカーバイド系を多く用いているが、
耐焼付き性の向上を図るために引抜工具への例え
ばチタンカーバイド、チタンナイトライド、ホウ
素−チタン系、ホウ素−ジルコニウム系等のコー
テイングや、又セラミツクスを焼結した引抜工具
の使用等も拒むものではない。 鋼の冷間引抜では、被加工材の表面に皮膜を形
成させた方が酸洗肌よりも焼付きにくいため、通
常はりん酸塩皮膜やシユウ酸塩皮膜が施され、又
錆や焼鈍酸化スケール等も焼付き防止の効果があ
るが、しかし本発明では冷間引抜加工後の表面グ
レードを向上させるために、潤滑油処理前に酸洗
処理を行う。 本発明における酸洗液の例としては、5〜20%
硫酸水溶液、5〜20%塩酸水溶液、5〜20%リン
酸水溶液等を用いる。酸洗液の温度は、硫酸水溶
液の場合は35〜60℃、塩酸水溶液の場合は常温〜
40℃、リン酸水溶液の場合は35〜60℃が適当で、
処理時間は被処理材表面の錆やスケールが除去出
来る時間が必要であるが、通常は10〜30分の浸漬
を行う。酸洗後の中和液としては、例えば0.2〜
5%カ性ソーダ水溶液や、0.2〜5%炭酸ソーダ
水溶液や、0.2〜5%ホウ酸ソーダ水溶液や、0.2
〜5%リン酸ソーダ水溶液や、0.2〜10%石灰水
溶液等が用いられる。中和処理は、常温〜90℃で
5秒〜5分間浸漬して行うことができる。 又潤滑油の塗油方法としては、浸漬法、流しか
け法、スプレー法などにより行う。 [作用] 鋼を潤滑油を用いて冷間引抜を行う際は、潤滑
油は高粘度にした方が、引抜工具と被加工材の間
に潤滑油が持ち込まれやすくなり、滑り性及び耐
焼付き性も向上する。 粘度が100CP未満の場合は、工具と被加工材の
間への潤滑油の持ち込み量が少なくなる。従つて
本発明では粘度を100CP以上に調整する。又粘度
が3000CPを超えると潤滑油の持ち込み量が多く
なり潤滑性は向上するが、材料への塗付性や取扱
いが困難となり作業性が低下する。従つて本発明
では潤滑油の粘度を20℃で100〜3000CPに調節す
るが、20℃で500〜1500CPの粘度が特に好まし
い。 冷間加工の条件が厳しい場合、例えば引抜き速
度が速かつたり断面減少率が大きい場合は、被加
工材の表面温度は高くなり、又工具と被加工材の
境界の潤滑領域では油膜が薄くなり、焼付き易く
なる。このために硫黄系極圧添加剤を用いて、被
加工材表面に剪断力の低いFeS、Fe2Sなどの皮膜
を形成させて焼付きの防止を図る。本発明におけ
る、硫黄が30重量%以上のジアルキルポリサルフ
アイドは、160〜280℃の低温領域で分解され、鉄
と硫黄の化合物を形成する。ジアルキルポリサル
フアイドの配合割合が5部未満では、FeS,Fe2S
の生成量が少ないため焼付き易い。又配合割合が
40部を超えると悪臭が強く作業環境が悪くなり、
作業性が低下する。従つて本発明ではジアルキル
ポリサルフアイドの配合割合は5〜40部とする
が、15〜30部が特に好ましい。 冷間加工の条件が厳しく、冷間引抜中の被加工
材の表面温度が高くなると、硫黄が30重量%以上
のジアルキルポリサルフアイドは素早く鉄と反応
して硫化物を生成するため焼付きが防止できる
が、ジアルキルポリサルフアイドは摩擦係数が高
く滑り性が悪くなるため、連続加工により引抜工
具に熱がさらに蓄積してくるために焼付きが発生
する。これについて改善を図るため、本発明では
油脂とオレフインとの化合物であつて該化合物中
に硫黄分が15%以上結合したもの、不飽和高級脂
肪酸と不飽和高級アルコールとの高級エステル化
合物であつて該化合物中に硫黄分が15%以上結合
したもの、高級エステル化合物とオレフインとの
化合物であつて該化合物中に硫黄分が15%以上結
合したものを配合する。これ等は鉄と硫黄との反
応性がジアルキルポリサルフアイドより若干劣る
が良好であり、且つ摩擦係数も低く滑り性も良好
であるため、引抜工具への蓄熱が少なくなり、焼
付き性の改善と冷間引抜時の異音即ちナキの発生
の防止が可能となる。各化合物の硫黄は各々15重
量%以上であるが、最大の硫黄分は油脂、高級エ
ステル、オレフイン等の分子量とヨウ素価により
ほぼ決つており、油脂とオレフインとの化合物系
では約35重量%以下であり、不飽和高級脂肪酸と
不飽和高級アルコールとの高級エステル化合物系
では約30重量%以下であり、高級エステル化合物
とオレフインとの化合物系では35重量%以下であ
る。又潤滑油への配合量が20部未満ではナキが発
生し易く、又70部を超えると悪臭が強くなり作業
性が低下する。従つて本発明では20〜70部とする
が30〜50部が特に好ましい。 本発明における潤滑油組成中の全硫黄量は、多
ければ多い程よいが、反対に悪臭が強くなり作業
環境が悪くなる。このため15〜30重量%の範囲が
適当である。 [実施例] 実施例 1 第3表の潤滑剤の番号1,2,3を用い、炭素
含有量0.1%の炭素鋼シームレス鋼管の冷間引抜
加工を第4表の条件で行つた。この結果は第5表
のNo.1,2,3に示す如く、鋼管に焼付きの発生
はなく潤滑性は良好であり、引抜後の鋼管の表面
も緻密で平滑であり高級な仕上げに適したもので
あつた。 実施例 2 第3表の潤滑剤の番号1,2,3を用いて、炭
素含有量0.7%の鋼線の伸線を、第6表の条件で
行つた。この結果は第7表のNo.1,2,3に示す
如く、3パス目でも焼付の発生はなく、潤滑性は
良好であつた。 比較例 1 第3表の潤滑剤番号4,5,6を用いて、実施
例1と同じ炭素鋼シームレス鋼管を第4表と同じ
条件で引抜加工した。この結果は第5表のNo.3,
4,5
【表】
に示す如く、鋼管に焼付きが発生し又No.4,5で
は悪臭が発生した。
は悪臭が発生した。
【表】
【表】
【表】
* ×:悪臭、▲:中程度の悪臭、△:軽度の
悪臭、○:ナシ
比較例 2 第3表の潤滑剤番号4,5,6を用いて、実施
例2と同じ鋼線を、第6表と同じ条件で伸線加工
した。
悪臭、○:ナシ
比較例 2 第3表の潤滑剤番号4,5,6を用いて、実施
例2と同じ鋼線を、第6表と同じ条件で伸線加工
した。
【表】
【表】
この結果は第7表のNo.4,5,6に示した如
く、3パス目で焼付きが発生した。又No.4,5で
は悪臭が発生した。 [発明の効果] 本発明の冷間引抜の潤滑方法は、潤滑処理工程
が短く、潤滑処理溶液の昇温も殆ど不必要であ
り、冷間引抜に際して臭気が少なく焼付きの発生
がなく、更に引抜加工後の被加工材の表面の仕上
りが極めて優れている。
く、3パス目で焼付きが発生した。又No.4,5で
は悪臭が発生した。 [発明の効果] 本発明の冷間引抜の潤滑方法は、潤滑処理工程
が短く、潤滑処理溶液の昇温も殆ど不必要であ
り、冷間引抜に際して臭気が少なく焼付きの発生
がなく、更に引抜加工後の被加工材の表面の仕上
りが極めて優れている。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 炭素鋼、合金鋼の線材、棒材または管材を酸
洗処理したのち、該材料表面に、硫黄分が30%
(重量%以下同じ)以上のジアルキルポリサルフ
アイドの5〜40%と、 油脂とオレフインとの化合物であつて該化合物
中に硫黄分が15%以上結合したもの 不飽和高級脂肪酸と不飽和高級アルコールとの
高級エステル化合物であつて該化合物中に硫黄分
が15%以上結合したもの および高級エステル化合物とオレフインとの化
合物であつて該化合物中に硫黄分が15%以上結合
したもの から選ばれる1種または2種以上の化合物の20
〜70%と、 油脂、合成油、鉱物油および高級脂肪酸から選
ばれる1種または2種以上のベース油と、ポリイ
ソブチレン系増粘剤、オレフイン共重合体系増粘
剤およびポリメタクリレート系増粘剤から選ばれ
る少なくとも1種以上の増粘剤とから成り立ち且
つ粘度が20℃で100〜3000センチポイズである潤
滑油を塗油して冷間引抜き加工を行うことを特徴
とする冷間引抜き潤滑方法。 2 硫黄分が30%以上のジアルキルポリサルフア
イドが、アルキル基の炭素数が6〜12のジアルキ
ルポリサルフアイドである、特許請求の範囲第1
項の冷間引抜き潤滑方法。 3 油脂とオレフインとの化合物であつて該化合
物中に硫黄が15%以上結合したものが、油脂がナ
タネ油、綿実油、キリ油、ラード油、牛脂、チキ
ン油の何れかあるいは2種以上の混合油であり、
オレフインが炭素数が6〜12のオレフインである
化合物であり、又 不飽和高級脂肪酸と不飽和高級アルコールとの
高級エステル化合物であつて該化合物中に硫黄分
が15%以上結合したものが、不飽和高級脂肪酸が
炭素数が14〜22の不飽和高級脂肪酸であり、不飽
和高級アルコールが炭素数が14〜22の不飽和高級
アルコールである高級エステル化合物であり、又
高級エステル化合物とオレフインとの化合物であ
つて該化合物中に硫黄分が15%以上結合したもの
が、高級エステル化合物が炭素数が14〜22の不飽
和高級脂肪酸と炭素数が14〜22の不飽和高級アル
コールよりなる高級エステル化合物であり、オレ
フインが炭素数が6〜12のオレフインである化合
物である、特許請求の範囲第1項または第2項の
冷間引抜き潤滑方法。 4 酸洗処理が、酸洗−水洗−中和−乾燥の工程
からなる酸洗処理である、特許請求の範囲第1項
または第2項または第3項の、冷間引抜き潤滑方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4673087A JPS63215797A (ja) | 1987-03-03 | 1987-03-03 | 冷間引抜き潤滑方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4673087A JPS63215797A (ja) | 1987-03-03 | 1987-03-03 | 冷間引抜き潤滑方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63215797A JPS63215797A (ja) | 1988-09-08 |
| JPH0448839B2 true JPH0448839B2 (ja) | 1992-08-07 |
Family
ID=12755449
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4673087A Granted JPS63215797A (ja) | 1987-03-03 | 1987-03-03 | 冷間引抜き潤滑方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63215797A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10689765B2 (en) * | 2014-09-10 | 2020-06-23 | Nakagawa Special Steel Inc. | Method for cleaning wire and device therefor |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0737630B2 (ja) * | 1989-02-10 | 1995-04-26 | 邦夫 森 | スチールワイヤの表面処理方法 |
| KR101384010B1 (ko) | 2010-06-15 | 2014-04-09 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 금속관의 인발 가공 방법 및 이를 이용하는 금속관의 제조 방법 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62236896A (ja) * | 1986-04-08 | 1987-10-16 | Nippon Parkerizing Co Ltd | 鉄又はその合金の冷間引抜き潤滑方法 |
-
1987
- 1987-03-03 JP JP4673087A patent/JPS63215797A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10689765B2 (en) * | 2014-09-10 | 2020-06-23 | Nakagawa Special Steel Inc. | Method for cleaning wire and device therefor |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63215797A (ja) | 1988-09-08 |
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