JPH0449532B2 - - Google Patents
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- JPH0449532B2 JPH0449532B2 JP59110976A JP11097684A JPH0449532B2 JP H0449532 B2 JPH0449532 B2 JP H0449532B2 JP 59110976 A JP59110976 A JP 59110976A JP 11097684 A JP11097684 A JP 11097684A JP H0449532 B2 JPH0449532 B2 JP H0449532B2
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- phenanthrene
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- tertiary
- organic solvent
- alcohol
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/584—Recycling of catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
本発明は9,10−フエナンスレンキノンの製法
に関する。詳しく述べると第三級アルコールを水
と共沸混合物をつくる有機溶媒及び酸触媒存在下
で過酸化水素により酸化して第三級アルキルハイ
ドロパーオキサイドに転換せしめ、該第三級アル
キルハイドロパーオキサイドを用いてフエナンス
レンを水と共沸混合物をつくる有機溶媒及びモリ
ブデン含有化合物触媒の存在下で液相酸化して
9,10−フエナンスレンキノンに転換せしめ、酸
化反応中に、該第三級アルキルハイドロパーオキ
サイドの分離生成物である第三級アルコール及び
反応で発生する生成水は有機溶媒との共沸混合物
として系外に留出せしめかつ第三級アルコールを
生成水と分離した有機溶媒と共に連続的に回収し
て第三級アルキルハイドロパーオキサイド製造工
程に循環使用することからなる高収率で高純度の
9,10−フエナンスレンキノンを得る製造プロセ
スに関するものである。 9,10−フエナンスレンキノンの製法に関して
は、従来から工業的にはクロム酸化合物による液
相酸化法が知られている。しかしながらこの方法
は次のような問題点を有する。すなわちクロム化
合物を系外へ排出することは公害・環境衛生上厳
しく制限され、従つて密閉系での使用かつ作業環
境基準の高度化などその解決には莫大な費用を要
すること、さらにその結果えられる9,10−フエ
ナンスレンキノンはその製品純度がせいぜい70%
台と低くしかもクロム化合物の混入が避けられな
いという欠点が指摘される。 又クロム酸化合物の他にも9,10−フエナンス
レンキノンの製法に関しては多数の合成法が文
献、特許明細書に記載されている。たとえばバナ
ジウム系の固体触媒によるフエナンスレンの気相
接触酸化法や過マンガン酸カリウム、過ヨウ素酸
又はヨウ素酸カリウムと酢酸、次亜塩素酸塩、硫
酸アンモニウムセリウム塩、過酸化水素と酢酸、
有機過酸化物等を用いた液相酸化法が提案されて
いる。 しかしながらこれらの方法は収率が低い、酸化
剤が高価である。装置の腐蝕が避けられない、製
品中に不純物の混入が避けられないほどの欠点を
有し、いずれも有力な工業的製法となるには至つ
ていない。 生成物者らはフエナンスレンから9,10−フエ
ナンスレンキノンを製造するに際し、高純度でか
つ高収率で経済的に有利に製造しうる方法を鋭意
検討し、従来の製品に比べて高純度かつ高品質で
しかも極めて高収率で9,10−フエナンスレンキ
ノンのえられる方法を見出し本発明を完成するに
至つたものである。 すなわち本発明は以下の如く特定しうるもので
ある。 (1) 有機過酸化物を用いてフエナンスレンを液相
酸化して9,10−フエナンスレンキノンを製造
するに際し、(a)触媒として酸触媒を用い、反応
によつて生成する水を、共沸混合物として系外
に留去せしめる有機溶媒の共存下、第三級アル
コールを過酸化水素により第三級アルキルハイ
ドロパーオキサイドに転換せしめ、(b)ついで、
えられた第三級アルキルハイドロパーオキサイ
ドを使用し、触媒としてモリブデン含有化合物
を用い、反応によつて生成する水を、共沸混合
物として系外に留出せしめうる有機溶媒の共存
下、供給フエナンスレン1モルに対し該第三級
アルキルハイドロパーオキサイドを0.5〜4モ
ルの範囲内で使用し、かつ、フエナンスレンの
転化率を30〜80%の範囲にとどめ、副生する第
三級アルキルハイドロパーオキサイドの分解生
成物である第三級アルコールおよび有機溶媒を
回収して第三級アルキルハイドロパーオキサイ
ドの製造工程に循環使用することを特徴とする
9,10−フエナンスレンキノンの製造方法。 (2) 第三級アルコールとしてtert−ブチルアルコ
ールまたはtert−アミルアルコールを用いるこ
とを特徴とする上記(1)記載の製造方法。 (3) 酸触媒としてスルホン酸系強酸性陽イオン交
換樹脂を用いることを特徴とする上記(1)または
(2)記載の製造方法。 (4) モリブデン含有化合物としてモリブデン化合
物のアセチルアセトナートを用いることを特徴
とする上記(1)、(2)または(3)記載の製造方法。 上記特定になる本発明方法によれば、9,10−
フエナンスレンキノンが高選択率で生成取得しう
るだけでなく、副生物として9,10−フエナンス
レンキノンの逐次酸化物であるジフエン酸(ビフ
エニル−2,2′−ジカルボン酸)のみが少量生成
する。一方、酸化反応中に有機溶媒と共に高回収
率で取り出される第三級アルキルハイドロパーオ
キサイドの分解生成物である第三級アルコールは
過酸化水素により、第三級アルキルハイドロパー
オキサイドに転換され、再度フエナンスレンの液
相酸化反応に供給することにより循環使用され
る。かくしてえられる製品である9,10−フエナ
ンスレンキノンは反応溶液を冷却・晶析操作によ
り分離するだけで90%以上の純度のものとしてえ
られるものである。 生成物に利用しうる有機過酸化物としては一般
的な有機過酸化物が使用可能であるが、とりわけ
第三級アルキルハイドロパーオキサイドである
tert−ブチルハイドロパーオキサイド及びtert−
アミルハイドロパーオキサイドが好都合であり、
第三級アルキルハイドロパーオキサイドの出発物
質としてはtert−ブチルアルコール、tert−アミ
ルアルコール等が挙げられる。 第三畿アルコールの使用量は過酸化水素に対し
て化学量論量存在すれば充分であるが、通常は過
酸化水素1モルに対して第三級アルコールが1〜
3モル、好ましくは1〜1.5モルの範囲で使用さ
れる。第三級アルコールの第三級アルキルハイド
ロパーオキサイドへの転換に際して使用される過
酸化水素は如何なる濃度のものでも使用可能であ
るが、通常は10〜80%の水溶液が使用される。 反応溶媒として利用しうる有機溶媒としては使
用条件下で安定であり、水との共沸混合物をつく
り相互に溶解せず容易に分離できるものであれば
いずれも使用可能である。過酸化水素水の水及び
反応で発生する生成水を反応系外へ除去すること
により第三級アルコールの第三級アルキルハイド
ロパーオキサイドへの転換が促促進されるが、実
際の操作としては反応液の沸騰状態において水と
の共沸混合物をつくる有機溶媒を反応溶媒として
使用し、蒸発する水と有機溶媒を凝縮・分離して
該有機溶媒のみを反応系内へ循環補給すればその
目的を達成することができる。その例としてベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族及び脂
環族炭化水素等が挙げられるがとりわけベンゼ
ン、エチルベンゼン、n−ヘキサンが好ましい。
又それらの有機溶媒は単独でもあるいは混合溶媒
としても使用可能である。有機溶媒の使用量は水
との共沸混合物をつくる量であれば任意に変えら
れ、通常は第三級アルコールに対して1〜10倍量
(重量部)使用される。 本発明において使用する酸触媒としては、硫
酸、リン酸等の鉱酸、有機スルホン酸、スルホン
酸基をもつ強酸性陽イオン交換樹脂等が挙げられ
る。得られる第三級アルキルハイドロパーオキサ
イド溶液に溶解する酸類を用いた場合には、中和
処理後次工程に供する必要があり、該溶液に残存
せずに容易に分離可能であるスルホン酸系強酸性
陽イオン交換樹脂を使用することが好ましい。触
媒使用量は仕込液に対して0.0001〜0.1倍量(重
量部)、好ましくは0.001〜0.05倍量(重量部)の
範囲である。 反応温度は反応体の反応性及び溶媒の特性によ
つて広く変化するが、通常は40〜80℃の範囲内で
実施され、圧力は加圧、常圧あるいは大気圧以下
のいづれの場合でも可能である。 反応時間は通常1〜20時間であり、好ましくは
3〜10時間である。 反応の様式は回分式あるいは連続式のいづれで
も可能であり、生産規模に合わせて適宜選択すれ
ば良い。 上記の反応条件下で第三級アルコールを第三級
アルキルハイドロパーオキサイドに転換せしめる
と、過酸化水素の転化率は90%以上、第三級アル
キルハイドロパーオキサイドの選択率は90%以上
となり、第三級アルキルハイドロパーオキサイド
の単流収率としては使用した過酸化水素に対して
80〜90モル%となる。その結果得られる第三級ア
ルキルハイドロパーオキサイドは少量の過酸化水
素、第三級アルコール及び副生成物のジアルキル
ハイドロパーオキサイドと反応溶媒である有機溶
媒を含む溶液として得られる。 本発明に使用されるフエナンスレンは高純度の
ものが望ましいが、経済性を考慮すれば80%以
上、特に90%以上のものであれば使用可能であ
る。実際の酸化反応においては反応で生成する
9,10−フエナンスレンキノンを取り出した後、
反応液中に含有される副生成物であるジフエン
酸や少量の不純物を水やアルカリ水などにより洗
浄・精製してそのまま再使用することもできる。
また未反応のフエナンスレンを含む反応溶液から
常法の蒸留操作によつてフエナンスレンを回収し
再使用することもできる。 フエナンスレンの酸化剤として利用しうる有機
過酸化物は前述した第三級アルコールを過酸化水
素により転換された第三級アルキルハイドロパー
オキサイドであるが、第三級アルキルハイドロパ
ーオキサイドは少量の過酸化水素、第三級アルコ
ール及び副生成物のジアルキルパーオキサイドと
有機溶媒を含む溶液であり、そのままあるいは常
法により適宜濃縮・精製して使用することができ
る。第三級アルキルハイドロパーオキサイドの使
用量はフエナンスレン1モルに対して0.5〜4モ
ルの範囲内で使用し、かつフエナンスレン転化率
を30〜80%の範囲にとどめることが望ましい。す
なわちフエナンスレン転化率が小さいほど9,10
−フエナンスレンキノン選択率が高い傾向にあ
り、フエナンスレン転化率を100%近くまで上げ
ると9,10−フエナンスレンキノン選択率は80%
を下回つてしまう。従つてフエナンスレン転化率
は90%以下、好ましくは80%以下にすることによ
り9,10−フエナンスレンキノン選択率が80%以
上、更には90%以上を維持しうることができる。
そしてこの反応液を冷却して反応生成物を晶析せ
しめるだけ製品の9,10−フエナンスレンキノン
純度が90%以上、更には98%以上という高品質の
9,10−フエナンスレンキノンが容易にえられ
る。 第三級アルキルハイドロパーオキサイドはフエ
ナンスレンの酸化反応中にほぼ100%近く分解し
て第三級アルコールに転化するが、生成した第三
級アルコールは第三級アルキルハイドロパーオキ
サイド中の有機溶媒又は反応溶媒である有機溶媒
の一部と共に反応系外へ連続的に取り出すことが
できるし、あるいは生成した9,10−フエナンス
レンキノンを取り出した後の反応溶液から常法の
蒸留操作で大部分を回収することができる。回収
された有機溶媒を含む第三級アルコールはそのま
まあるいは常法の蒸留操作で有機溶媒を分離・精
製したのち、過酸化水素により第三級アルキルハ
イドロパーオキサイドに転換され、再度フエナン
スレンの液相酸化反応に供給することにより循環
使用される。 本発明に利用しうるフエナンスレン酸化反応時
の有機溶媒としては使用条件下で第三級アルキル
ハイドロパーオキサイドに対して安定であり、水
と共沸混合物をつくり、相互に溶解せず容易に分
離する有機溶媒であればいずれも使用可能であ
る。フエナンスレンの9,10−フエナンスレンキ
ノンへの酸化反応において発生する反応生成水を
反応溶媒である有機溶媒と共に共沸混合物として
反応系外へ留出除去する操作は本発明においては
重要であり、反応に際して発生する生成水を反応
系外へ除去しなければフエナンスレンの酸化反応
が全く進行せず、当然の事ながら目的の9,10−
フエナンスレンキノンは生成しない。従つて反応
で発生する生成水を除去するには沸騰状態におい
て水と共沸混合物をつくる有機溶媒を使用し、蒸
発する水と有機溶媒を凝縮・分離して、この有機
溶媒のみを反応系内へ循環・補給すればその目的
を達成することができる。その例としてベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメ
ン等の芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプ
タン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族
および脂環族炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル等の有機カルボン酸エステル類等
が挙げられるが、とりわけベンゼン、エチルベン
ゼン、n−ヘキサンが好ましい。又それらの有機
溶媒は単独でもあるいは混合溶媒としても使用可
能である。更には第三級アルコールの過酸化水素
による第三級アルキルハイドロパーオキサイドへ
の転換に際して使用される有機溶媒と同一の有機
溶媒を使用することが推奨される。 有機溶媒の使用量は広い範囲で変化させること
ができる。反応は均一層又は不均一層でも可能で
あるが、高純度の9,10−フエナンスレンキノン
をうるには通常フエナンスレンに対して1〜50倍
量(重量部)、好ましくは3〜30倍量(重量部)
の範囲内で使用される。 本発明に利用しうる触媒としてのモリブデン含
有化合物としてはモリブデンの無機あるいは有機
のいずれの化合物も効果があるが、特に有機溶媒
に可溶なものが望ましく、その例としてはアセチ
ルアセトナート等のエノール塩類、ナフテン酸、
ステアリン酸等の有機カルボン酸塩類、カルボニ
ル等が挙げられるが、とりわけアセチルアセトナ
ートが好ましい。 触媒の使用量は広い範囲で変化させることがで
きるが、通常はフエナンスレン1モルに対して
0.001モル〜0.2モル、好ましくは0.003〜0.1モル
の範囲内で使用される。 フエナンスレン酸化反応における反応温度は反
応体の反応性および溶媒の特性によつて広く変化
するが、通常は40〜120℃、好ましくは60〜100℃
の範囲内で実施される。反応は液状反応相を保持
するに充分である圧力条件下で実施されるが、加
圧下あるいは大気圧以下でも可能であり、通常は
大気圧下で実施される。 本発明における反応時間は希望するフエナンス
レン転化率および9,10−フエナンスレンキノン
選択率によつて変化するが、通常は1〜14時間で
あり、好ましくは2〜8時間である。反応の様式
は回分式あるいは連続式のいずれでも可能であ
り、生産規模に合わせて適宜選択すればよい。 フエナンスレンの液相酸化反応で生成した9,
10−フエナンスレンキノンを反応液から取り出す
には、9,10−フエナンスレンキノンを含む反応
液を常温以下に冷却して9,10−フエナンスレン
キノンを析出せしめ、遠心分離機、フイルタープ
レス等で固液分離すれば有機溶媒を除いて90%以
上の純度をもつ9,10−フエナンスレンキノンの
製品が得られる。少量の不純物としては副生成物
のジフエン酸と未反応のフエナンスレンがその主
なものであり、それ以外には原料のフエナンスレ
ン中に存在する不純物及び不純物に対する僅かな
酸化生成物が存在するのみである。必要ならば新
たに有機溶媒、温水、アルカリ水溶液等で洗浄す
れば、98%以上の純度をもつ9,10−フエナンス
レンキノンの製品が容易に得られる。 9,10−フエナンスレンキノンを取り出した後
の液中には少量のフエナンスレンキノン及びジ
フエン酸と共に未反応のフエナンスレンが存在す
るが、この液を原料フエナンスレンの一部とし
て再使用する場合、液を温水あるいはアルカリ
水溶液で洗浄してジフエン酸を除去する操作が必
要である。すなわちジフエン酸が存在するフエナ
ンスレン含有液をフエナンスレン原料として再
度酸化反応に供すると9,10−フエナンスレンキ
ノンの選択率が極度に低下し、副生成物であるジ
フエン酸の生成が増大することにより9,10−フ
エナンスレンキノン収率は大幅に低下するのみな
らず、ひいては得られる製品の9,10−フエナン
スレンキノン純度が80%以下に低下する。また常
法の蒸留操作によつて液中に含有される未反応
フエナンスレンを回収することにより再度酸化反
応にフエナンスレン原料として供給することがで
きる。よつてフエナンスレンの損失を伴うことな
く高収率で9,10−フエナンスレンを得ることが
できる。 以下実施例を示し本発明具を体的に説明する
が、本発明がこれらのみに限定されないことは勿
論である。 実施例 1 (a) tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液の
調製 撹拌機、温度計及び水分離器付凝縮器を装着し
た500mlガラス製丸底三ツ口フラスコに60.2%過
酸化水素水20.0g、tert−ブチルアルコール30.0
g、ベンゼン270g及び三菱化成成工業(株)製強酸
性陽イオン交換樹脂「ダイヤイオンSKIBH」0.7
gを仕込み、内容物の液温が50℃で沸騰状態を維
持する様に反応系内の圧力を270〜3300Torrに制
御した。蒸発した水とベンゼンとの共沸混合物は
凝縮させて水とベンゼンに分離し、ベンゼンはそ
のままフラスコ内へ還流させて8時間維持した。 反応液であるtert−ブチルハイドロパーオキサ
イド溶液及び系外へ分離された留出水の各種成分
につい常法によりガスクロマトグラフイー及び化
学分析すると表−1に示す結果が得られた。 (b) フエナンスレンの酸化反応及びtert−ブチル
アルコールの回収 撹拌機、温度計及び水分離器付凝縮器を装着し
た500mlのガラス製丸底四ツ口フラスコに純度
92.5%原料フエナンスレン19.3gをフエナンスレ
ンとして100ミリモル、ベンゼン300g、及びビス
(アセチルアセトナート)オキソモリブデン0.6g
を仕込み、内容物を加熱して沸騰状態に達したら
(液温約80℃)実施例1(a)で調製した9.62%tert−
ブチルハイドロパーオキサイド溶液281g(300ミ
リモル)を3時間かけて滴下し、他方蒸発した水
とベンゼンとの共沸混合物は凝縮させて水とベン
ゼンに分離し、ベンゼンの大部分はそのままフラ
スコ内へ還流させるが、一部は約50c.c./hrに相当
する量を連続的に系外に抜き出してtert−ブチル
アルコール−ベンゼン溶液として6時間かけて回
収し酸化反応を終了した。反応終了後反応液は20
℃迄冷却し析出した結果は別し、得られたケー
キを50Torr以下の圧力で60℃、6時間かけて乾
燥して製品とした。 回収tert−ブチルアルコール溶液、製品及び反
応液の各種成分について常法によりガスクロマ
トグラフイー及び液体クロマトグラフイーで分析
すると表−2に示す結果が得られた。 (c) フエナンスレンの回収 撹拌機、温度計及び凝縮器を装着し、下部に抜
き出しノズル(コツク)の付いた1のガラス製
円筒型油水分離器に実施例1(b)で得られた反応
液及び5%苛性ソーダ水溶液100gを仕込み、内
容容物の液温を50℃に維持しながら30分間激しく
撹拌した後、静置して分離した下層(水層)を抜
き出した。再度5%苛性ソーダ水溶液で同様な操
作を繰り返した後、アルカリ分が消失する迄水で
同様に洗浄した。 得られた洗浄液の各種成分について常法によ
りガスクロマトグラフイー及び液体クロマトグラ
フイーで分析すると表−3に示す結果が得られ
た。 実施例 2〜5 (a) tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液の
調製 実施例1(b)で得られた回収tert−ブチルアルコ
ール溶液にtert−ブチルアルコール及びベンゼン
をメイクアツプして実施例1(a)と同様な操作によ
りtert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液を調
製した(実施例2(a))。 以下、実施例2(b)、3(b)、4(b)で得られた回収
tert−ブチルアルコール溶液についても同様に操
作した(実施例3(a)、4(a)、5(a))。その結果を
表−1に示した。 (b) フエナンスレンの酸化反応及びtert−ブチル
アルコールの回収 実施例1(c)で得られたフエナンスレンを含む洗
浄液に純度92.5%原料フエナンスレン、ビス(ア
セチルアセトナート)オキソモリブデン及びベン
ゼンをメイクアツプして実施例2(a)で調製した
tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液で実施
例1(b)と同様な操作によりフエナンスレンの酸化
反応及びtert−ブチルアルコールの回収を実施し
た(実施例2(b))。 以下、実施例2(c)、3(c)、4(c)で得られたフエ
ナンスレンを含む洗浄液と実施例3(a)、4(a)、5
(a)で調製したtert−ブチルハイドロパーオキサイ
ド溶液を用いそれぞれ同様に操作した(実施例3
(b)、4(b)、5(b))。その結果を表−2に示した。 (c) フエナンスレンの回収 実施例2(b)で得られた反応液を実施例1(c)と
同様な操作によりフエナンスレンを含む洗浄液を
得た(実施例2(c))。 以下、実施例3(b)、4(b)、5(b)で得られた反応
液についても同様に操作した(実施例3(c)、4
(c)、5(c))。その結果を表−3に示した。
に関する。詳しく述べると第三級アルコールを水
と共沸混合物をつくる有機溶媒及び酸触媒存在下
で過酸化水素により酸化して第三級アルキルハイ
ドロパーオキサイドに転換せしめ、該第三級アル
キルハイドロパーオキサイドを用いてフエナンス
レンを水と共沸混合物をつくる有機溶媒及びモリ
ブデン含有化合物触媒の存在下で液相酸化して
9,10−フエナンスレンキノンに転換せしめ、酸
化反応中に、該第三級アルキルハイドロパーオキ
サイドの分離生成物である第三級アルコール及び
反応で発生する生成水は有機溶媒との共沸混合物
として系外に留出せしめかつ第三級アルコールを
生成水と分離した有機溶媒と共に連続的に回収し
て第三級アルキルハイドロパーオキサイド製造工
程に循環使用することからなる高収率で高純度の
9,10−フエナンスレンキノンを得る製造プロセ
スに関するものである。 9,10−フエナンスレンキノンの製法に関して
は、従来から工業的にはクロム酸化合物による液
相酸化法が知られている。しかしながらこの方法
は次のような問題点を有する。すなわちクロム化
合物を系外へ排出することは公害・環境衛生上厳
しく制限され、従つて密閉系での使用かつ作業環
境基準の高度化などその解決には莫大な費用を要
すること、さらにその結果えられる9,10−フエ
ナンスレンキノンはその製品純度がせいぜい70%
台と低くしかもクロム化合物の混入が避けられな
いという欠点が指摘される。 又クロム酸化合物の他にも9,10−フエナンス
レンキノンの製法に関しては多数の合成法が文
献、特許明細書に記載されている。たとえばバナ
ジウム系の固体触媒によるフエナンスレンの気相
接触酸化法や過マンガン酸カリウム、過ヨウ素酸
又はヨウ素酸カリウムと酢酸、次亜塩素酸塩、硫
酸アンモニウムセリウム塩、過酸化水素と酢酸、
有機過酸化物等を用いた液相酸化法が提案されて
いる。 しかしながらこれらの方法は収率が低い、酸化
剤が高価である。装置の腐蝕が避けられない、製
品中に不純物の混入が避けられないほどの欠点を
有し、いずれも有力な工業的製法となるには至つ
ていない。 生成物者らはフエナンスレンから9,10−フエ
ナンスレンキノンを製造するに際し、高純度でか
つ高収率で経済的に有利に製造しうる方法を鋭意
検討し、従来の製品に比べて高純度かつ高品質で
しかも極めて高収率で9,10−フエナンスレンキ
ノンのえられる方法を見出し本発明を完成するに
至つたものである。 すなわち本発明は以下の如く特定しうるもので
ある。 (1) 有機過酸化物を用いてフエナンスレンを液相
酸化して9,10−フエナンスレンキノンを製造
するに際し、(a)触媒として酸触媒を用い、反応
によつて生成する水を、共沸混合物として系外
に留去せしめる有機溶媒の共存下、第三級アル
コールを過酸化水素により第三級アルキルハイ
ドロパーオキサイドに転換せしめ、(b)ついで、
えられた第三級アルキルハイドロパーオキサイ
ドを使用し、触媒としてモリブデン含有化合物
を用い、反応によつて生成する水を、共沸混合
物として系外に留出せしめうる有機溶媒の共存
下、供給フエナンスレン1モルに対し該第三級
アルキルハイドロパーオキサイドを0.5〜4モ
ルの範囲内で使用し、かつ、フエナンスレンの
転化率を30〜80%の範囲にとどめ、副生する第
三級アルキルハイドロパーオキサイドの分解生
成物である第三級アルコールおよび有機溶媒を
回収して第三級アルキルハイドロパーオキサイ
ドの製造工程に循環使用することを特徴とする
9,10−フエナンスレンキノンの製造方法。 (2) 第三級アルコールとしてtert−ブチルアルコ
ールまたはtert−アミルアルコールを用いるこ
とを特徴とする上記(1)記載の製造方法。 (3) 酸触媒としてスルホン酸系強酸性陽イオン交
換樹脂を用いることを特徴とする上記(1)または
(2)記載の製造方法。 (4) モリブデン含有化合物としてモリブデン化合
物のアセチルアセトナートを用いることを特徴
とする上記(1)、(2)または(3)記載の製造方法。 上記特定になる本発明方法によれば、9,10−
フエナンスレンキノンが高選択率で生成取得しう
るだけでなく、副生物として9,10−フエナンス
レンキノンの逐次酸化物であるジフエン酸(ビフ
エニル−2,2′−ジカルボン酸)のみが少量生成
する。一方、酸化反応中に有機溶媒と共に高回収
率で取り出される第三級アルキルハイドロパーオ
キサイドの分解生成物である第三級アルコールは
過酸化水素により、第三級アルキルハイドロパー
オキサイドに転換され、再度フエナンスレンの液
相酸化反応に供給することにより循環使用され
る。かくしてえられる製品である9,10−フエナ
ンスレンキノンは反応溶液を冷却・晶析操作によ
り分離するだけで90%以上の純度のものとしてえ
られるものである。 生成物に利用しうる有機過酸化物としては一般
的な有機過酸化物が使用可能であるが、とりわけ
第三級アルキルハイドロパーオキサイドである
tert−ブチルハイドロパーオキサイド及びtert−
アミルハイドロパーオキサイドが好都合であり、
第三級アルキルハイドロパーオキサイドの出発物
質としてはtert−ブチルアルコール、tert−アミ
ルアルコール等が挙げられる。 第三畿アルコールの使用量は過酸化水素に対し
て化学量論量存在すれば充分であるが、通常は過
酸化水素1モルに対して第三級アルコールが1〜
3モル、好ましくは1〜1.5モルの範囲で使用さ
れる。第三級アルコールの第三級アルキルハイド
ロパーオキサイドへの転換に際して使用される過
酸化水素は如何なる濃度のものでも使用可能であ
るが、通常は10〜80%の水溶液が使用される。 反応溶媒として利用しうる有機溶媒としては使
用条件下で安定であり、水との共沸混合物をつく
り相互に溶解せず容易に分離できるものであれば
いずれも使用可能である。過酸化水素水の水及び
反応で発生する生成水を反応系外へ除去すること
により第三級アルコールの第三級アルキルハイド
ロパーオキサイドへの転換が促促進されるが、実
際の操作としては反応液の沸騰状態において水と
の共沸混合物をつくる有機溶媒を反応溶媒として
使用し、蒸発する水と有機溶媒を凝縮・分離して
該有機溶媒のみを反応系内へ循環補給すればその
目的を達成することができる。その例としてベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族及び脂
環族炭化水素等が挙げられるがとりわけベンゼ
ン、エチルベンゼン、n−ヘキサンが好ましい。
又それらの有機溶媒は単独でもあるいは混合溶媒
としても使用可能である。有機溶媒の使用量は水
との共沸混合物をつくる量であれば任意に変えら
れ、通常は第三級アルコールに対して1〜10倍量
(重量部)使用される。 本発明において使用する酸触媒としては、硫
酸、リン酸等の鉱酸、有機スルホン酸、スルホン
酸基をもつ強酸性陽イオン交換樹脂等が挙げられ
る。得られる第三級アルキルハイドロパーオキサ
イド溶液に溶解する酸類を用いた場合には、中和
処理後次工程に供する必要があり、該溶液に残存
せずに容易に分離可能であるスルホン酸系強酸性
陽イオン交換樹脂を使用することが好ましい。触
媒使用量は仕込液に対して0.0001〜0.1倍量(重
量部)、好ましくは0.001〜0.05倍量(重量部)の
範囲である。 反応温度は反応体の反応性及び溶媒の特性によ
つて広く変化するが、通常は40〜80℃の範囲内で
実施され、圧力は加圧、常圧あるいは大気圧以下
のいづれの場合でも可能である。 反応時間は通常1〜20時間であり、好ましくは
3〜10時間である。 反応の様式は回分式あるいは連続式のいづれで
も可能であり、生産規模に合わせて適宜選択すれ
ば良い。 上記の反応条件下で第三級アルコールを第三級
アルキルハイドロパーオキサイドに転換せしめる
と、過酸化水素の転化率は90%以上、第三級アル
キルハイドロパーオキサイドの選択率は90%以上
となり、第三級アルキルハイドロパーオキサイド
の単流収率としては使用した過酸化水素に対して
80〜90モル%となる。その結果得られる第三級ア
ルキルハイドロパーオキサイドは少量の過酸化水
素、第三級アルコール及び副生成物のジアルキル
ハイドロパーオキサイドと反応溶媒である有機溶
媒を含む溶液として得られる。 本発明に使用されるフエナンスレンは高純度の
ものが望ましいが、経済性を考慮すれば80%以
上、特に90%以上のものであれば使用可能であ
る。実際の酸化反応においては反応で生成する
9,10−フエナンスレンキノンを取り出した後、
反応液中に含有される副生成物であるジフエン
酸や少量の不純物を水やアルカリ水などにより洗
浄・精製してそのまま再使用することもできる。
また未反応のフエナンスレンを含む反応溶液から
常法の蒸留操作によつてフエナンスレンを回収し
再使用することもできる。 フエナンスレンの酸化剤として利用しうる有機
過酸化物は前述した第三級アルコールを過酸化水
素により転換された第三級アルキルハイドロパー
オキサイドであるが、第三級アルキルハイドロパ
ーオキサイドは少量の過酸化水素、第三級アルコ
ール及び副生成物のジアルキルパーオキサイドと
有機溶媒を含む溶液であり、そのままあるいは常
法により適宜濃縮・精製して使用することができ
る。第三級アルキルハイドロパーオキサイドの使
用量はフエナンスレン1モルに対して0.5〜4モ
ルの範囲内で使用し、かつフエナンスレン転化率
を30〜80%の範囲にとどめることが望ましい。す
なわちフエナンスレン転化率が小さいほど9,10
−フエナンスレンキノン選択率が高い傾向にあ
り、フエナンスレン転化率を100%近くまで上げ
ると9,10−フエナンスレンキノン選択率は80%
を下回つてしまう。従つてフエナンスレン転化率
は90%以下、好ましくは80%以下にすることによ
り9,10−フエナンスレンキノン選択率が80%以
上、更には90%以上を維持しうることができる。
そしてこの反応液を冷却して反応生成物を晶析せ
しめるだけ製品の9,10−フエナンスレンキノン
純度が90%以上、更には98%以上という高品質の
9,10−フエナンスレンキノンが容易にえられ
る。 第三級アルキルハイドロパーオキサイドはフエ
ナンスレンの酸化反応中にほぼ100%近く分解し
て第三級アルコールに転化するが、生成した第三
級アルコールは第三級アルキルハイドロパーオキ
サイド中の有機溶媒又は反応溶媒である有機溶媒
の一部と共に反応系外へ連続的に取り出すことが
できるし、あるいは生成した9,10−フエナンス
レンキノンを取り出した後の反応溶液から常法の
蒸留操作で大部分を回収することができる。回収
された有機溶媒を含む第三級アルコールはそのま
まあるいは常法の蒸留操作で有機溶媒を分離・精
製したのち、過酸化水素により第三級アルキルハ
イドロパーオキサイドに転換され、再度フエナン
スレンの液相酸化反応に供給することにより循環
使用される。 本発明に利用しうるフエナンスレン酸化反応時
の有機溶媒としては使用条件下で第三級アルキル
ハイドロパーオキサイドに対して安定であり、水
と共沸混合物をつくり、相互に溶解せず容易に分
離する有機溶媒であればいずれも使用可能であ
る。フエナンスレンの9,10−フエナンスレンキ
ノンへの酸化反応において発生する反応生成水を
反応溶媒である有機溶媒と共に共沸混合物として
反応系外へ留出除去する操作は本発明においては
重要であり、反応に際して発生する生成水を反応
系外へ除去しなければフエナンスレンの酸化反応
が全く進行せず、当然の事ながら目的の9,10−
フエナンスレンキノンは生成しない。従つて反応
で発生する生成水を除去するには沸騰状態におい
て水と共沸混合物をつくる有機溶媒を使用し、蒸
発する水と有機溶媒を凝縮・分離して、この有機
溶媒のみを反応系内へ循環・補給すればその目的
を達成することができる。その例としてベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメ
ン等の芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプ
タン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族
および脂環族炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル等の有機カルボン酸エステル類等
が挙げられるが、とりわけベンゼン、エチルベン
ゼン、n−ヘキサンが好ましい。又それらの有機
溶媒は単独でもあるいは混合溶媒としても使用可
能である。更には第三級アルコールの過酸化水素
による第三級アルキルハイドロパーオキサイドへ
の転換に際して使用される有機溶媒と同一の有機
溶媒を使用することが推奨される。 有機溶媒の使用量は広い範囲で変化させること
ができる。反応は均一層又は不均一層でも可能で
あるが、高純度の9,10−フエナンスレンキノン
をうるには通常フエナンスレンに対して1〜50倍
量(重量部)、好ましくは3〜30倍量(重量部)
の範囲内で使用される。 本発明に利用しうる触媒としてのモリブデン含
有化合物としてはモリブデンの無機あるいは有機
のいずれの化合物も効果があるが、特に有機溶媒
に可溶なものが望ましく、その例としてはアセチ
ルアセトナート等のエノール塩類、ナフテン酸、
ステアリン酸等の有機カルボン酸塩類、カルボニ
ル等が挙げられるが、とりわけアセチルアセトナ
ートが好ましい。 触媒の使用量は広い範囲で変化させることがで
きるが、通常はフエナンスレン1モルに対して
0.001モル〜0.2モル、好ましくは0.003〜0.1モル
の範囲内で使用される。 フエナンスレン酸化反応における反応温度は反
応体の反応性および溶媒の特性によつて広く変化
するが、通常は40〜120℃、好ましくは60〜100℃
の範囲内で実施される。反応は液状反応相を保持
するに充分である圧力条件下で実施されるが、加
圧下あるいは大気圧以下でも可能であり、通常は
大気圧下で実施される。 本発明における反応時間は希望するフエナンス
レン転化率および9,10−フエナンスレンキノン
選択率によつて変化するが、通常は1〜14時間で
あり、好ましくは2〜8時間である。反応の様式
は回分式あるいは連続式のいずれでも可能であ
り、生産規模に合わせて適宜選択すればよい。 フエナンスレンの液相酸化反応で生成した9,
10−フエナンスレンキノンを反応液から取り出す
には、9,10−フエナンスレンキノンを含む反応
液を常温以下に冷却して9,10−フエナンスレン
キノンを析出せしめ、遠心分離機、フイルタープ
レス等で固液分離すれば有機溶媒を除いて90%以
上の純度をもつ9,10−フエナンスレンキノンの
製品が得られる。少量の不純物としては副生成物
のジフエン酸と未反応のフエナンスレンがその主
なものであり、それ以外には原料のフエナンスレ
ン中に存在する不純物及び不純物に対する僅かな
酸化生成物が存在するのみである。必要ならば新
たに有機溶媒、温水、アルカリ水溶液等で洗浄す
れば、98%以上の純度をもつ9,10−フエナンス
レンキノンの製品が容易に得られる。 9,10−フエナンスレンキノンを取り出した後
の液中には少量のフエナンスレンキノン及びジ
フエン酸と共に未反応のフエナンスレンが存在す
るが、この液を原料フエナンスレンの一部とし
て再使用する場合、液を温水あるいはアルカリ
水溶液で洗浄してジフエン酸を除去する操作が必
要である。すなわちジフエン酸が存在するフエナ
ンスレン含有液をフエナンスレン原料として再
度酸化反応に供すると9,10−フエナンスレンキ
ノンの選択率が極度に低下し、副生成物であるジ
フエン酸の生成が増大することにより9,10−フ
エナンスレンキノン収率は大幅に低下するのみな
らず、ひいては得られる製品の9,10−フエナン
スレンキノン純度が80%以下に低下する。また常
法の蒸留操作によつて液中に含有される未反応
フエナンスレンを回収することにより再度酸化反
応にフエナンスレン原料として供給することがで
きる。よつてフエナンスレンの損失を伴うことな
く高収率で9,10−フエナンスレンを得ることが
できる。 以下実施例を示し本発明具を体的に説明する
が、本発明がこれらのみに限定されないことは勿
論である。 実施例 1 (a) tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液の
調製 撹拌機、温度計及び水分離器付凝縮器を装着し
た500mlガラス製丸底三ツ口フラスコに60.2%過
酸化水素水20.0g、tert−ブチルアルコール30.0
g、ベンゼン270g及び三菱化成成工業(株)製強酸
性陽イオン交換樹脂「ダイヤイオンSKIBH」0.7
gを仕込み、内容物の液温が50℃で沸騰状態を維
持する様に反応系内の圧力を270〜3300Torrに制
御した。蒸発した水とベンゼンとの共沸混合物は
凝縮させて水とベンゼンに分離し、ベンゼンはそ
のままフラスコ内へ還流させて8時間維持した。 反応液であるtert−ブチルハイドロパーオキサ
イド溶液及び系外へ分離された留出水の各種成分
につい常法によりガスクロマトグラフイー及び化
学分析すると表−1に示す結果が得られた。 (b) フエナンスレンの酸化反応及びtert−ブチル
アルコールの回収 撹拌機、温度計及び水分離器付凝縮器を装着し
た500mlのガラス製丸底四ツ口フラスコに純度
92.5%原料フエナンスレン19.3gをフエナンスレ
ンとして100ミリモル、ベンゼン300g、及びビス
(アセチルアセトナート)オキソモリブデン0.6g
を仕込み、内容物を加熱して沸騰状態に達したら
(液温約80℃)実施例1(a)で調製した9.62%tert−
ブチルハイドロパーオキサイド溶液281g(300ミ
リモル)を3時間かけて滴下し、他方蒸発した水
とベンゼンとの共沸混合物は凝縮させて水とベン
ゼンに分離し、ベンゼンの大部分はそのままフラ
スコ内へ還流させるが、一部は約50c.c./hrに相当
する量を連続的に系外に抜き出してtert−ブチル
アルコール−ベンゼン溶液として6時間かけて回
収し酸化反応を終了した。反応終了後反応液は20
℃迄冷却し析出した結果は別し、得られたケー
キを50Torr以下の圧力で60℃、6時間かけて乾
燥して製品とした。 回収tert−ブチルアルコール溶液、製品及び反
応液の各種成分について常法によりガスクロマ
トグラフイー及び液体クロマトグラフイーで分析
すると表−2に示す結果が得られた。 (c) フエナンスレンの回収 撹拌機、温度計及び凝縮器を装着し、下部に抜
き出しノズル(コツク)の付いた1のガラス製
円筒型油水分離器に実施例1(b)で得られた反応
液及び5%苛性ソーダ水溶液100gを仕込み、内
容容物の液温を50℃に維持しながら30分間激しく
撹拌した後、静置して分離した下層(水層)を抜
き出した。再度5%苛性ソーダ水溶液で同様な操
作を繰り返した後、アルカリ分が消失する迄水で
同様に洗浄した。 得られた洗浄液の各種成分について常法によ
りガスクロマトグラフイー及び液体クロマトグラ
フイーで分析すると表−3に示す結果が得られ
た。 実施例 2〜5 (a) tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液の
調製 実施例1(b)で得られた回収tert−ブチルアルコ
ール溶液にtert−ブチルアルコール及びベンゼン
をメイクアツプして実施例1(a)と同様な操作によ
りtert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液を調
製した(実施例2(a))。 以下、実施例2(b)、3(b)、4(b)で得られた回収
tert−ブチルアルコール溶液についても同様に操
作した(実施例3(a)、4(a)、5(a))。その結果を
表−1に示した。 (b) フエナンスレンの酸化反応及びtert−ブチル
アルコールの回収 実施例1(c)で得られたフエナンスレンを含む洗
浄液に純度92.5%原料フエナンスレン、ビス(ア
セチルアセトナート)オキソモリブデン及びベン
ゼンをメイクアツプして実施例2(a)で調製した
tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液で実施
例1(b)と同様な操作によりフエナンスレンの酸化
反応及びtert−ブチルアルコールの回収を実施し
た(実施例2(b))。 以下、実施例2(c)、3(c)、4(c)で得られたフエ
ナンスレンを含む洗浄液と実施例3(a)、4(a)、5
(a)で調製したtert−ブチルハイドロパーオキサイ
ド溶液を用いそれぞれ同様に操作した(実施例3
(b)、4(b)、5(b))。その結果を表−2に示した。 (c) フエナンスレンの回収 実施例2(b)で得られた反応液を実施例1(c)と
同様な操作によりフエナンスレンを含む洗浄液を
得た(実施例2(c))。 以下、実施例3(b)、4(b)、5(b)で得られた反応
液についても同様に操作した(実施例3(c)、4
(c)、5(c))。その結果を表−3に示した。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 有機過酸化物を用いてフエナンスレンを液相
酸化して9,10−フエナンスレンキノンを製造す
るに際し、(a)触媒として酸触媒を用い、反応によ
つて生成する水を共沸混合物として系外に留去せ
しめうる有機溶媒の共存下、第三級アルコールを
過酸化水素により第三級アルキルハイドロパーオ
キサイドに転換せしめ、(b)ついで、えられた第三
級アルキルハイドロパーオキサイドを使用し、触
媒としてモリブデン含有化合物を用い、反応によ
つて生成する水を、共沸混合物として系外に留出
せしめうる有機溶媒の共存下、供給フエナンスレ
ン1モルに対し該第三級アルキルハイドロパーオ
キサイドを0.5〜4モルの範囲内で使用し、かつ、
フエナンスレンの転化率を30〜80%の範囲にとど
め、副生する第三級アルキルハイドロパーオキサ
イドの分解生成物である第三級アルコールおよび
有機溶媒を回収して第三級アルキルハイドロパー
オキサイドの製造工程に循環使用することを特徴
とする9,10−フエナンスレンキノンの製造方
法。 2 第三級アルコールとしてtert−ブチルアルコ
ールまたはtert−アミルアルコールを用いること
を特徴とする特許請求の範囲1記載の製造方法。 3 酸触媒としてスルホン酸系強酸性陽イオン交
換樹脂を用いることを特徴とする特許請求の範囲
1または2記載の製造方法。 4 モリブデン含有化合物としてモリブデン化合
物のアセチルアセトナートを用いることを特徴と
する特許請求の範囲1、2または3記載の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59110976A JPS60255747A (ja) | 1984-06-01 | 1984-06-01 | 高純度9,10−フエナンスレンキノンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59110976A JPS60255747A (ja) | 1984-06-01 | 1984-06-01 | 高純度9,10−フエナンスレンキノンの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60255747A JPS60255747A (ja) | 1985-12-17 |
| JPH0449532B2 true JPH0449532B2 (ja) | 1992-08-11 |
Family
ID=14549256
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59110976A Granted JPS60255747A (ja) | 1984-06-01 | 1984-06-01 | 高純度9,10−フエナンスレンキノンの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60255747A (ja) |
-
1984
- 1984-06-01 JP JP59110976A patent/JPS60255747A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60255747A (ja) | 1985-12-17 |
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