【発明の詳細な説明】
試料の再配向を伴う高分解能核磁気共鳴用プローブ
【技術分野】
本発明は、核磁気共鳴(NMR) 、特に多結晶質及び/又はアモルファス固体
のNMR測定に関する。
【背景技術】
1946年の発見以来、核磁気共鳴(NMR)は、種々の液体及び固体材料の研
究における有力な分析道具となった。これは非侵聾的であって、すぐに解釈でき
る結果を与える。測定された化学シフトは、研究中の物質のモデル構造ユニット
と直ちに関連させることができる。これに加えて、緩和速度は分子運動について
の情報を与える。磁気核の特性共鳴周波数は、都合のよい高周波(RF)領域に
あり、周知の電子技術によって検出できる。
NMR実験は次のように説明することができる。原子核は棒磁石と見なすことが
でき、この磁石はその電荷と核スピンのため、連合した磁気モーメントをもつ。
この磁気モーメントは、外力が無ければランダムに配向されている。外部磁場内
に置くと、核は離散的(diseretc)スピン状態となる。量子化された量
のエネルギが、このような各スピン状態に伴っている。各状態のエネルギは、研
究されている核の核磁気モーメントと問題のiの近傍の磁場に依存する。この磁
場は、外部磁場と、近くの電子と核によって生じる磁場との重ね合わせである。
したがって、各スピン状態に伴うエネルギレベルの測定は、研究されている核の
環境についての情報を提供することができる。
NMR測定は、核スピン状態の間のエネルギ差を決定することによって行う。こ
れを達成するためには、問題の材料の試料を外部磁場内に置き、第2の振動磁場
を第1の定常磁場に垂直の方向にがけることによって励起する。これは、振動R
Fエネルギを、外部磁場の方向に垂直に位置するコイルを通してかけることによ
って達成できる。第2の磁場は、このコイルを流れるパルス電流によって生じる
。この第2磁場は、そのエネルギが第1磁場によって決定される核スピン状態の
間の遷移を生じさせる。このような励起中に核に吸収され、又は励起後に核から
放射されたエネルギは、種々のスピン状態の間のエネルギ差についての情報を提
供すNMR測定の精度は、研究される試料の物理的形態に依存する。高度に精密
な化学/フト測定とNMR線の分離は、溶液中の試料分子のランダムなタンブリ
ノブと迅速な再配向のために、液体試料に対して可能である。この迅速な再配向
は、共鳴している核の周囲をNMR実験のタイムスケールで効果的に等方性とす
る。
しかしながら、多結晶質、粉状、ガラス状固体等の研究では、定常磁場に対する
各粒子の配向が異なるため、観察可能な線は広げられる。異方性的な線の広がり
が、このタイプの試料についての高分解能作業を伝統的に不可能としてきた。
固体試料について観察される線の広がり量を減らすために、種々の方法が採られ
てきた。例えば、結晶質材料を外部磁場に対して特定の方向に配向させる技術は
、従来の技術として知られている。あいにく、このような方法は多くの場合に実
用的ではない。というのは、多くの固体は、単結晶形では得られず、また材料全
体を通じて一定の方向に配向させることができないからである。実際に、NMR
スペクトル用の多くの試料は、粉末又はアモルファス固体としてのみ存在するこ
とが望まれている。
従来の技術において、線が広がるという困難性は、マジック角度スピニング(M
AS)を用いることによって部分的に克服することができる。この技術を用いる
場合、りを部磁場に対して547度の角度、すなわちマジック角度において、試
料を急速に回転させる。以下にもっと詳細に議論する理由によって、このスピニ
ングは、化学/フト異方性、永年(secular)双極子相互作用、及び1次
4重極相互作用のような要因によって起こるいわゆる1次の綿の広がりを取り除
く。この結果、100 Hzのオーダの線幅が、非4重極核に対して典型的に観
察される。
これらの線幅は、MAS無しで得られるものよりも大きく改良されているが、そ
れでもなお液体によって得られるものよりもずっと幅が広い。典型的には、02
H7の線幅が液体に対しては観察される。
4重極核の場合に、線幅はより悪い。4M極核の線幅は、先ず第一に2次4重極
相互作用によって決定され、強力な磁場における軽い核に対して数kHz又はそ
れ以上のオーダである。マジック角度スピニングは、この線の広がりに対して十
分には調整しない。
したがって、本発明の目的は、固体の核磁気性質を測定するための改良された装
置を提供することである。
本発明のさらなる目的は、粉末にした、又はアモルファスな、又はさもなければ
配向的に無秩序な固体試料の構造決定用の改良された分解能を存するNMR装置
を提供することである。
これら及びその他の目的は、以下の発明の詳細な記載と添付図面によって、当業
者に明らかになるであろう。
【発明の開示】
本発明は、試料のNMRスペクトル測定用装置からなる。試料は、磁場内の試料
ホールダ中に置かれる。次いで、試料ホールダを、2組又はそれ以上の球面調和
関数の平均値が実質的にゼロであるトラジェクトリーに沿って移動させる。
本発明の1つの実施態様においては、これは前記試料を試料軸の周りにスピンさ
せることによって達成される。次いで、試料を、固定端又はその一点の周りに前
記磁場の方向に対し第1と第2の角度の間に回動させる。
本発明の第2の実施態様においては、試料を試料軸の周りにスピンさせる。次い
で、試料軸に頂角θ2を有する円錐をなぞらせる。この円錐は、磁場に対して角
度θ、だけ傾斜している。ここで、θ、と02とは、各角のコサインがルジャン
ドルの多項式のゼロであるように選択する。
本発明の第3の実施態様においては、試料が複数の配向の間に”ホ、、ブ(ho
p)”される。
【図面の簡単な説明】
図1は、磁場内の試料ホールダ中の粒子の配向を示す。
図2は、理想的NMR実験中の試料と磁化位置を示す。
図3は、2つの蓄積実験の第1中の試料ホールダと試料磁化位置を示す。
図4は、2つの蓄積実験の第2中の試料ホールダと試料磁化位置を示す。
図5は、試料ホールダを幾つかの離散位置のそれぞれに移動させるための本発明
による装置の部分切り取り斜視図である。
図6は、スピンしている試料ホールダの軸の角度を移動させるための本発明によ
る装置の好ましい実施態様を示す。
図7は、理想的NMR実験中の回転子と磁化位置を示す。
図8は、本発明により2つの実験の第1中に用いられる回転子と試料磁化位置を
示す。
図9は、本発明により2つの実験の第2中に用いられる回転子と試料磁化位置を
示す。
図10は、本発明の原理によってスピンしている試料が置かれたときに、この試
料がNMR装置内で配向する相対角度の略図である。
図11は、本発明による装置内で用いられるスピナの部分切り取り図である。
図12は、試料に図2に示すパターンでスピンを起こさせるための本発明による
装置の分解図である。
図13は、磁極の間に位置する図4に示す装置の断面図である。
図14(a)は、試料スピニング無しで得られたシュウ酸ナトリウムの粉末化試
料中のNa2BのNMRスペクトルである。
図14(b)は、マジック角度のスピニングによって得られたシュウ酸ナトリウ
ムの粉末化試料中のNa23のNMIIスペクトルである。
図14(C)は、図4に示す装置の使用によって得られたシ5つ酸ナトリウムの
粉末化試料中のNa23のNMRスペクトルである。
図15は、本発明による装置の他の実施態様を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
急速な等方性再配向のもとでは、異方性核相互作用は平均化されてしまう。液体
中における回転、拡散運動及びガス中における衝突は、自然の力で起こっている
分子運動で、このような平均化をもたらすものの例である。これと対比して、固
体又は部分的に配向された試料中における核スピンは、拘束、又は部分的に拘束
する環境中に閉じ込められており、急速な等方性配向によるランダム化の甲面を
受けない。このため、粉末化固体のNMRスペクトルは、スピン相互作用の異方
性の結果を反映する広く、またしばしば特色のない線を示す。
細かい結晶、その破片、又は分子である粒子又はリージヨン(粒子のセット)か
らなる配向的に無秩序な1つの試料を考えてみよう。NMR実験においては、試
料は、予め定められた方向を有する磁場内に置かれる。各粒子によって吸収され
、又は放射される電磁エネルギの周波数は、磁場に対するその配向に依存するで
あろう。試料は、連続した領域の粒子配向を含むので、広いスペクトルが観察さ
れる。このスペクトルの幅の広さによって、このような測定の有用性が制限され
る理想的には、液体試料において測定されるのと類似の性質、すなわち粒子又は
リージヨンの全ての可能な配向にわたって平均化された各粒子又はリージ田ンの
NMR周波数を、固体試料について測定したいと欲するであろう。このような平
均は、粒子のサイズには無関係であり、測定されている材料の基礎となる物理的
性質の鋭敏な測定を構成する。
原理としては、これは試料を融解又は溶解させて、液状とした試料を測定するこ
とによって達成できる。しかしながら、興味のある多くの試料はこのようなやり
方では研究することができない。
従来技術の第2は、マジック角度スピニングと呼ばれ、液体及びガス中で平均化
をもたらす自然運動に類似した部分的平均化運動を提供する。急速度でスピンし
ている無秩序な試料中の核の見かけの1次の異方性は、外部磁場の方向と試料が
スピンされている軸との間の角度に依存する。適当な角度を選択することによっ
て、観察される線幅の改良が達成される。
マノツク角度の選択の仕方は、図1を参照すれば最も容易に理解することができ
る。符号712によって示す方向を有する磁場内に位置する試料ホールダ710
内に試料を置く。磁場は、符号714によって示す軸を有する第1の座標系を形
成する。
試料ホールダは、符号720によって示す第2の座標系に関して描くことができ
る。
与えられた時にはいつでも、この座標系の第1の座標系714に対する角度関係
を1組の角度Ωの値を与えることによって特定できる。試料ホールダ710が動
くと、Ωは時間とともに変化する。Ωの変化の仕方は、関数Ω(1)によって特
定される。
試料ホールダ中において、試料の各粒子又はリージヨンはそれが関連する座標系
によって特定されるそれ自身の配向を有する。例示的な粒子座標系を符号730
−732によって示す。各粒子座標系は、1組の角度Ωの値を与えることによっ
て、座標系720に関して特定される。粒子座標系730は、Ω、によって特定
され、粒子座標系731はΩ2によって特定され、また粒子座標系732はΩ3
によって特定される。Ω1、Ω2、及びΩ、は、いったん試料が試料ホールデフ
10内に置かれると、その値が定まる定数であることに注意すべきである。
各組の角度Ωは、3つの角度α、θ、及びφからなり、これらは関係した2つの
座標系間の角度を特定する。
試料中のランクLまでの永年相互作用によるi番目の粒子又はリージョンによっ
て放射されるNMR周波数は、良い近似値として、次の式によって与えられるこ
とを示すことができる。
ここで、A工の値は、Ω1と試料の化学的性質に依存する。関数Y7.は、ラン
クpの一般化された球面調和関数である。各ランクpに対して、2p+1のこの
ような関数の1組がある。すなわち、■は−pから+pまでの値をとる。これら
の関数は、2つの角度、すなわち試料軸と磁場方向との間の角度と、磁場方向の
X’/面への投影と試料関連フレームのX軸との間の角度にのみ依存する。
この議論の目的で、次の式を試料中の1番目の粒子又はリージョンによって寄与
される永年相互作用による周波数分散と呼ぶことにしよう。測定されたNMR信
号は、各粒子によって放射された信号の和である。各粒子は、一定の1組の周波
数智。
と周波数分散り、とによってスペクトルに寄与しており、この周波数分散は、各
粒子が異なった配向を有するので、各粒子ごとに異なっている。
周波数10は試料の化学的性質のみに依存する。理想上、測定したいのはこれら
の周波数である。しかしながら、これらの周波数は、異なった粒子又はリージョ
ンに対しては異なる周波数分散項によってマスキングされている。これらの項は
、配向的に無秩序な試料に対して観察される広り、シばしば特色のないスペクト
ルを生じる。
回転子710がその軸711の周りに十分に急速にスピンされると、i番目の粒
子に対して測定されるスペクトルは、式(1)によって与えられるスペクトルの
平均であって、この平均は、スピン運動によって実現されたΩ(1)角度の範囲
にわたって得られたものである。したがって、1番目粒子の寄与は次の式のよう
になる。
にスピンさせると、一般化球面調和の平均値<Ypm (Ω(1))>は0以外
の全てのm値に対してゼロである。l1lIOに対しては、次の式のようになり
、ここでP、はオーダくYF3(Ω (t))) M P、(eosθ ) (
4)pのルジャンドル多項式を示し、θは磁場の方向と試料ホールダの軸、すな
わち方向712と回転子軸711との間の角度である。
したがって、回転子710を軸711の周りにスピンさせると、各粒子によって
寄与される周波数分散は次の式で与えられる。ここで、B、は試料の性質に依存
する定数である。
マジック角度スピニングの場合には、θはP2(cosθ)がゼロであるように
、すなわちθ −54,7度に選択される。かくして、上記のようにマジック角
度において試料をスピンさせると、いわゆる1次の線の広がりを取り除(。1次
の線の広がり効果は、12項に比例し、主として化学ンフト異方性、永年双極子
相互作用、及び1次の4!極相互作用に対応する。
上に記載したアプローチは、式(5)中のP2が周波数分散の主要な寄与者であ
る場合にのみ、観察される線幅の顕著な減少をもたらす。これは、例えばCIB
、 5i29、P51に基づ< NMR測定に対してそうである。
不幸にして、多くの興味のある場合はこの制約を満足させない。例えば、B11
.017、N、23、A127に対しては、P2.24項の両方が有意である。
これらの場合には、主として2次の4M極広がりに該当する。また、2次の双極
子−双極子相互作用による広がり、及び磁化率異方性は、スピン半分核(the
5pin one half nuclei)、例えば上記C11のマジック
角度スピニングにおいて観察される周波数分散にも寄与する可能性がある。その
ような物理的効果が存在する場合には、ルジャンドル多項式の1つ以上が重要で
ある。これらの場合にマジック角度で試料をスピンさせることは若干の改良をも
たらすが、結果として得られるスペクトルはまだ広すぎて、これに基づ< NM
R測定でめられている全てのデータを与えることはできない。
配向的に無秩序な/ステムに対するNMRスペクトルの不十分な分解能を改良す
る方法で、従来の技術中で示唆されているのは、磁場の強さを増加させることで
ある。2次の広がりによって制約されているNMR測定の分解能が、磁場を強め
ると向上することは示すことができる。不幸にして、非現実的に強い磁場が、粉
末を用いて観察される線の広がりを取り除くためにしばしば必要とされる。
ルジャンドル展開における2つ又はそれ以上の項が有意の場合には、観察される
周波数分散を最小にするために、経験的にスピン角度を調整することによって、
若干の付加的な改良を達成することができる。しかしながら、ルジャンドル展間
における1つ以上の項が重要である場合には、周波数分散はしばしばまだ大きす
ぎて、有用なデータを提供することができない。
本発明は、式(5)中の2つ又はそれ以上の項が有意な場合にも、周波数分散の
大きな減少をもたらす。本発明は、より複雑な運動パターンを用い、配向的に無
秩序な試料中の各粒子によって吸収され、又は放射される電磁エネルギの周波数
のより平均化された測定を可能にする。マジック角度スピニングは、試料配向の
限られた範囲にわたる周波数を平均化するにすぎない。したがって、これは、磁
場の方向に対する試料の各粒子又はリージョンの全ての可能な配向にわたって平
均化が行われる液体において得られると同様な分解能を与えるものではない。
本発明は、2組の球面調和関数の各関数の平均値が全ての1値に対してゼロであ
るという性質を存するΩ(1)を用いることによって、改良された線幅を提供す
る。
すなわち、試料ホールダ710は、Ωが時間の関数、Ω(1)になるように移動
させられるが、ここでΩ(1>は次の式を満足させる。式中、pltqとは異な
り、またpとqと1寥−pから+pまでに対し 〈Y□(Ω(1))> −0及
びm・−qから+qまでに対し 〈Yよ(Ω(1))>・0(6)の両方ともゼ
ロより大きい。2次の双極子−双極子相互作用による線の広がり、及び磁化率異
方性が除去されるべき場合には、I)−2、q・4である。しがしながら、当業
者にはpとqの他の値も他の2次の線の広がりを取り除くために選択できること
が明らかであろう。
式(6)を満足させるように、多数の異なったパスΩ(1)を構成できる。3つ
の例示的なパスの型を、本発明の3つの異なった実施態様に対応させて以下に論
じる。しかしながら、式(6)を満足させる他のパスも見出すことができること
は、当業者には明らかであろう。
本発明の第1の実施態様は、もしNMR周波数の逆数に比較して短い時間内に装
置が試料を動かすことができるとすれば、NMRスペクトルを測定するために本
発明が用いられであろうというやり方を先ず第一に考えることによってより容易
に理解されるであろう。次いで、この制約を除くために蓄積技術を組み込むこと
ができるやり方を議論する。
複数の配向間を”ホップ”する試料ホールダ内に試料が収容されているときの、
試料運動のパターンを考えてみよう。このようなパターンは、1組の配向Ωiと
1組の停滞時間T、とによって記述することができる。ここで、IはlがらNま
でにわたり、Nは配向の数である。配向Ω1は、加えられている磁場の方向に対
する試料ホールy軸の角配同を特定する。
試料ホールダの配向と試料の偏極ベクトルが、実験中の種々の時間において図2
に示されている。図2は、符号(a)−(f)を付けた多数の対の図面からなる
。図面の6対のうちの上方の図は、加えられている磁場の方向に対する試料ホー
ルダの配向を示す。6対の下方の図は、加えられている磁場の方向に対する試料
の磁化ベクトルの位置を示す。加えられている磁場は、各図においてZ軸に平行
であると想定している。
図2(a)は実験開始、すなわち時間1−0におけるこれらの位置を示す。この
時間においては、試料ホールダの配向はΩ、であり、磁化ベクトルMはy軸に沿
っている。1−0においてRFパルスが試料に加えられると、磁化ベクトルをy
軸の周りに回転させて、図2(b)に示すようにX軸に沿って位置する。この図
は1−0+における試料とMの位置を示す。Mが回転する軸は、RF倍信号位相
によって決定される。慣用のNMR分光計においては、RFコイルはX%y入力
を含むドライブ回路に接続されている。RF倍信号位相は、前記I%y入力に接
続される信号の比によって特定される。例えば、もしX成分のみを有する信号が
入力されると、Mはy軸の周りに回転するであろう。
試料ホールダの位置は、時間T、の間Ω、に留まる。実験の経過中、MはZ軸の
周りに歳差運動(precess)をする。時間t −T、−までに、Mは図2
(c)に示すように角度φ、を歳差運動しているであろう。ここで、”−”は、
問題の時間がT、直前の瞬間であることを示す。
1−丁、において、試料ホールダはその配向が図2(d)に示すようにΩ2とな
るように”瞬間的”に移動させられる。試料ホールダは、時間間隔T2の間Ω2
に留まる。この時間間隔の間、磁化ベクトルMは歳差運動を続ける。t 冨(T
、+72)−までに、Mは図2(e)に示すようにさらに角度φ2を歳差運動し
ているであろう。1−(丁、+72)において、試料ホールダは今度はΩ、へさ
らに移動させられる。
各時間間隔の終わりに試料ホールダをホップさせるこのプロセスは、試料ホール
タがΩ8まで移動し、時間間隔−が経過するまで繰り返される。この点において
、試料ホールダの位置と磁化ベクトルは図2(f)に示すようになるであろう。
磁化ベクトルは、角度φ怠φ、+φ2+・・・+φNを歳差運動をすることにな
る。
実験の終わりにおける磁化ベクトルの位置は、RFコイル内の信号を測定するこ
とによって決定できる。この信号は、実験の始めに試料にパルスを与えるために
使用されたのと同一のX%y入力から出力される。このようにして測定されたx
、y信号は、それぞれMcos (φ)、Msin(φ)に比例する。これらの
出力は、それぞれX出力、X出力と呼ぼう。
NMR技術の当業者に次の式は知られているが、式中T = T、+T2+・・
・十T8である。
φ・萱。T(7)
本発明による装置と方法において、Ω、とT、とは式(6)を満足させるように
選択される。これは次の式のようであれば、そうである。式中pはqと異なり、
pとqとはともに0より大きい。本発明の好ましい態様においては、p・2、q
・4である。上記のとおり、2次の双極子−双極子相互作用及び磁化率異方性か
ら生じる線の広がりに対する主な寄与は、この場合に取り除かれることになる。
p−2、Q−4の場合に対し、式())を満足するに要する最小の角度の数は6
である。この場合には、丁、・T2・・・・・T6・Tである。すなわち、等し
い停滞時間がそれぞれの試料配向において用いられる。問題の角度は、原点に中
心をもつ20面体の各頂点に向かうときの試料軸によって想定される配向に相当
する。第1の配向は、y軸、すなわち磁場の方向に沿って横たわる試料軸に相当
する。残りの5つの配向は、磁場方向に対して6343度の角度にある試料軸に
相当する。これらの配向は、Z軸と一致する軸と2.6343度の頂角を有する
円錐上における等間隔の5つの配向に相当する。
もしwoが定数であれば、φの単一の測定で十分であろう。しがしながら、もし
NMRスペクトルに1つより多(の線があれば、一連の異なった測定を異なった
Tの値において行わなければならない。このときには、次のような複雑な関数が
構成el◆σ) II cas(φ(T)) + i[5in(φ(T))]
(9)され、そのフーリエ変換を行う。NMR技術の当業者には周知のように、
結果として得られるフーリエ変換関数はNMRスペクトルである。
上記議論では、測定されているNMR周波数の逆数と比較して短い時間に、試料
ボールダを種々の位置の間をホップさせることができるということを仮定してい
た。このような瞬間的ホッピング装置を作るための費用は禁止的に高い。もしポ
ツピング時間がこの時間と比較して長いと、ホップが完了する時までに磁化ベク
トルMはゼロまで減衰してしまうであろう。結果として、実験の終わりには信号
は何も存在しないであろう。
本発明による装置と方法においては、試料ホールダが引き続いた位置の間を移動
する時間中に磁化ベクトルを効果的に蓄積することによって、磁化ベクトルの減
衰を回避する。
本発明が作用する方法は、試料ホールダが2つの1lli散した配向Ω、とΩ2
との間をホップし、かつ試料は各角度において等しい時間を消費するという単純
なNMR実験を参照することによって、最も容易に理解できるであろう。このN
MR実験は、磁化べ°クトルが歳差運動をする角度の和をいかにして得るかを説
明するために用いられるであろう。単一のホップの場合には、Tの多値に対する
4丁を測定するために、2つの実験が必要である。
1つの測定をするためにこれら2つの実験を組み合わす仕方は、図3と図4を参
照することによって、最も容易に理解される。これらの図は、上方の図が試料ホ
ールダの位置を示し、下方の図が磁化ベクトルMを示すという点で、図2と類似
している。図3は、第1の実験中の異なった時間における試料ホールy軸と磁化
ベクトルとを示す。図4は、第2の実験中の異なった時間における試料ポールy
軸と磁化ベクトルとを示す。デカルト座標系の軸と加えられている磁場の方向と
は、図2に関して前記したのと同様である。時間1−0において、RFパルスが
試料に加えられ、磁化ベクトルMを傾けてxy面にあるようにする。RFパルス
は、個々のx、y信号を前記コイル制御回路に入力することによって加える。R
Fパルスの位相は、磁化ベクトルMが最初X軸に沿うように調整する。
時間T経過後、Mは図3(a)に示すように角度φ1歳差運動をしているであろ
う。
磁化ベクトルMは、それぞれXSy軸に沿った成分M、、M、に分解できる。こ
の時点で、RF倍信号フィルに与えられて、磁化ベクトルを空間中に回転させる
。この回転の方向は、各実験に対して異なる。回転の方向は、与えられるRF倍
信号位相によって決定される。第1の実験においては、回転軸はy軸である。こ
れは、磁化ベクトルを2軸から傾けるために用いられたのと同一の回転軸である
。したがって、最初のRFパルスの位相から180度相違する位相を有するパル
スが用いられる。この回転の後には、X軸に沿っていた磁化の成分は、今は図3
(b)に示すように2軸に沿うようになる。
この時点において、試料ホールダをΩ2へ動かす。この運動は、磁化ベクトルの
歳差運動期間に比較して長い時間を要する。この時間の間に、y軸に沿った磁化
の成分はゼロに減衰しているであろう。しかしながら、Z軸に沿った成分は、量
子力学の法則によって減衰しないであろう。したがって、試料がΩ2へ動いた後
では、磁化は図3(c)に示すようになるであろう。すなわち、それはZ軸に沿
っており、M8と等しい大きさを有するであろう。次に、第1のRFパルスの位
相と同一の位相をもつ第3のRFパルスを試料に与える。これによって磁化はy
軸の周りに90度回転して、図3(d)に示すようにX軸と一線になる。
さらに時間間隔Tが経過した後には、磁化ベクトルは図3(e)に示すように角
度φ2歳差運動をしているであろう。この時点におけるコイルのX、X出力から
の信号は、それぞれMxcos (φ2)、M、5ln(φ2)に等しい大きさ
を有するであろう。M8はMcos (φ1)に等しいので、X、7出力はそれ
ぞれMcos(φ1)eos(φ2)、Mcos(φ、)sin(φ2)に等し
い信号を有することになる。
図4は、第2の実験中の異なった時間における試料軸と磁化ベクトルとを示す。
時間tIIOにおいて、RFパルスが第1の実験と同様に試料に加えられる。こ
のパルス後、磁化ベクトルMは第1の実験と同様にX軸に沿って横たわる。
時間T経過後、Mは図4(a)に示すようにこの場合も角度φ1歳差運動をして
いるであろう。この時点で、RF倍信号コイルに与えられて、磁化ベクトルをX
軸の周りに回転させる。これは、y軸の周りに磁化を回転させるために用いた位
相と位相において90度だけ異なったRFパルスを与えることによって達成でき
る。この回転の後には、y軸に沿っていた磁化の成分は、今は図4(b)に示す
ように2軸に沿うようになる。
次いで1、試料ホールダをΩ2へ動かす。この運動は、磁化ベクトルの歳差運動
期間に比較して長い時間を要する。この時間の間に、X軸に沿った磁化の成分は
ゼロに減衰し、Z軸に沿った成分のみが図4(c)に示すように残るであろう。
次に、第1のRFパルスの位相と同一の位相をもつ第3のRFパルスを試料に与
える。これによって磁化はy軸の周りに90度回転して、図4(d)に示すよう
にX軸と一線になる。磁化ベクトルの大きさは今度はM、になるであろう。
さらに時間間隔Tが経過した後には、磁化は図4(e)に示すように角度φ2歳
差運動をしているであろう。この時点におけるRFコイルのbyX出力らの信号
は、それぞれM、cos (φ2)、M、5in(φ2)に等しい大きさを有す
るであろう。MyはMsln(φ。
)に等しいので、Xs7出力はそれぞれMsjn(φ1)eos(φ2)、Ms
in(φ1)sin(φ2)に等しい信号を有することになる。
2つの実験からのX出力を合計すると次の式が得られる。同様にyアウトプット
Mcos(φ、)eos(φ2) + Msin(φ1)eos(φ2) 禦M
cos(φ+”φ2) (10)の和から次の式が得られる。
Mcos(φ1)sin(φ2) + Msin(φ1)sin(φ2) lI
Msin(φ1+φ2) (11)このような予備知識を与えておいて、el中
を計算するために蓄積実験を用いる仕方についてついて議論しよう。ここで次の
式が与えられる。もし式(8)を満足させるためにN個の配向Ω、を要するとす
ると、N−1の位置変化が必要となる。各位置変化において、その位置変化の直
前に存在した磁化ベクトルのX又はX成分を蓄積することができる。したがって
、与えられた蓄積実験のいずれも、各位置変化に先だって蓄積された磁化ベクト
ルの成分を特定することによって特定できる。
可能な各蓄積実験の終わりに、すなわち試料がΩ、において時間T8を消費した
後に、RFフィルのX、X出力からの信号を測定する。X出力からの信号は次の
式(12)のようになり、またX出力からの信号は次の式(13)のようになる
であろう。
式中磁化ベクトルのX成分がi番目の位置変化において蓄積されたとすると、F
l(X)・eos(W)であり、また磁化ベクトルのX成分がi番目の位置変化
において蓄積されたとすると、Ft(x)・5in(x)である。N−1の位置
変化があるので、可能な蓄積実験が2ト1あり、各実験は式(12)、(13)
で示す形の2つの項を生じる。したがって数学に熟練した者には、J”が次の式
のように展開できることが明らかであろう式中′Fjはサイン又はコサインであ
り、また28項は定数である。式(14)中には28項がある。これらは正確に
は種々の蓄積実験から得られる211項である。したがって、可能な全ての実験
を行うことによって8神の値を得ることができる。次いで異なったTの値に対し
て81+を測定し、そのフーリエ変換をとると、所望のNMIIスペクトルを決
定することができる。
前記の位置変化を達成するための装置を図5に符号400で示す。装置400は
符号401により示す方向を有する一定磁場に置かれる。蘭単化のために、この
磁場を発生させるために用いられる磁石は図面から省いた。
研究しようとする材料を試料ホーシダ402内に置く。試料ホールダ402は、
支持部材403と404との間に、ビンヒンジ405の周りに自由に動くように
据え付けられている。試料ホールダ402の軸と磁場方向の間の角度は、ロフト
406によって試料オールダ402の底にヒンジ連接された第1のアクチュエー
タ420によって制御される。アクチュエータ420は空気作動のリニア・アク
チニ二一タであることが好ましいX、y軸に関する試料ホールダ402の配向は
、符号430で示す第2のアクチュエータによって制御される。支持部材402
と403とは、テーブル432上に取り付けられ、このテーブルはさらに軸43
4に取り付けられている。アクチュエータ430は、テーブル432を軸434
の周りに回転させるために用いられ、この軸によってX、y軸に関する試料ホー
ルダ402の配向が決定される。
試料ホールダ402はRFフィル440内に位置している。RFコイル440の
一部分は明瞭化のために切り取っである。RFフィル440は試料ホールダ40
2に対して固定した位置で示されているが、RFコイル440は、試料ホールダ
402を囲み、これと共に移動するコイルによって置換できることが当業者には
明らかであろう。このようなフィルは、ノイズ比に対して増加した信号を与える
であろう。このようなコイルを用いるときには、これからの信号は実験中フィル
の配向の変化に対してR整する必要があるであろう。
本発明の箪2及び第3の例示的実施態様は、問題の軸を予め定めたやり方で動か
しながら、その軸の周りに試料をスピンさせる。第2の実施態様においては、こ
の軸は1つの平面を移動する。
第2の態様で用いられる運動を与える装置の断面を図6中の符号600で示す。
軸604の周りにスピンする試料ホールダ内に試料を置く。軸604はヒンジ結
合されていて、NMRスペクトル測定の時間間隔中に磁場の方向605に対して
角度θ、と02の間を回動する。この回動は、空気的に駆動できるアクチュエー
タ606によって制御する。この回動装置は、従来技術によるNMRシステム、
例えば”可変角度スピニング、又は2次元相関実験の従来技術とは、NMRスペ
クトルの測定時間中試料を動かすことによって、2つ又はそれ以上のルジャンド
ル多項式の寄与を取り除くために回動パラメータを選択するという点において異
なる。これとは対照的に、可変角度スピニングにおいては、試料がスピンする軸
の角度はスペクトル測定時間中固定されている。
試料は1つのコイル、例えばフィル607を介してRFパルスによって励起され
る。
以下の議論においては、コイルは磁場に関して固定されているものと仮定する。
しかしながら、コイルがホールダ602に関して固定されている態様がNMR技
術の当業者には明らかであろう。後者の装置は、低出力のRF信号で高出力の検
出信号が得られるという利点がある。しかしながら、このような装置を用いると
、信号を試料ホールダの角位置に対して修正しなければならない。このような修
正は、コイルが固定されていると回避できる。
回動運動は、適当な機械的メカニズムを用いて軸604を動かすことによって達
成できる・このようなメカニズムは、多くのNMR分光計に含まれており、試料
のスピニング角度を調整するために用いられている。軸の運動は、この軸を1つ
の平面に限定するというようなものである。θ2、θ2と、軸の回動の仕方を選
択することによって、式(5)中の2つ又はそれ以上の項から生じる周波数分散
への寄与を取り除くことができる。
一般的な場合において、Pnを取り除くためには、次の条件が満足されなければ
ならない。式中W(θ)は各角度θにおいて消費される時間に比例し、また積分
はθf P+(cosθ)直θ)dθ−0(15)の現実化された値にわたる。
以下の議論から明らかになるように、全時間2丁が種々の角度において消費され
る。ここで2丁は次の式のとおりである。軸604に対するfW(θ)dθ −
27(16)
正弦曲線運動は、実施するのに特に容易である。例えば、次の式のとおりで、式
θ(t) mθ、+(θ2−θ、)eos(αt) (17)中αは定数である
。この場合には、もしθ、 −23,27ftで02−117.37であれば、
P2と24項は取り除くことができることを示すことができる。
式(5)中の2つ以上の項を取り除きたい場合には、それに対応して式(14)
中にもっと多くの自由パラメータを導入しなければならない。これは、前記のリ
ニア、又は正弦曲線運動よりもっと複雑な運動を用いることによ1て達成できる
であろう。例えば、N個の離散した角度θいただし1は1からNまでにわたる、
の間を軸604が離散した”フリップ(flip)″をするようにプログラムで
きる。この場合に、W(θ)は多数のデルタ関数の和であろう。すなわち、1か
らNまでの間のlのある値に対して、θがθfに等しくなったときを除き、W(
θ)はゼロとなるであろう。θ、と!(θ)の値は、式(5)中の所望の項を取
り除くようにして決定されるであろう。
例えば、回転子が各角度において等しい時間を消費する2つの角度θ、と02、
W(θ、)・W(θ2)・T、との間の離散フリップの場合には、多項式P2と
P4とは、θ。
R37,38度とθ、−79.19度とによって取り除くことができる。もしθ
f−39,23度、θ2R90度、直θ、) −1,2SW(θ2)であれば、
3つのルジャンドル多項式P2、Pき、P4からの式(5)への寄与を同時に取
り除くことができる。
前記フリフピングは、NMRの時間スケールに比較して短い時間内に達成されな
ければならない。一般的に、これを経済的に実行可能な機械的メカニズムによっ
て達成することは難しい。本発明は、この困難を、種々の位置の間のフリップ中
における試料の磁化を効果的にフリーズ(freeze)するために蓄積技術を
用いることによって克服する。これは、より経済的な機械的運動を用いることを
可能にするが、実験プロトコルの複雑性を増す。
この運動を達成するために用いられる方法は、図3.4を参照して前述したのと
同様の蓄積技術を用いる。軸が離散した2つの角度θ、とθ2との間を瞬間的に
フリ、ブし、かつ試料は各角度において等しい時間を消費する場合を考えてみよ
う。図7は、単一のNMR実験中の試料の位置と磁化ベクトルの位置とを示す。
図7の上方の各1図面は試料位置を示し、下方の図面は磁化の位置を示す。以下
の議論においては、加えられる磁場はデカルト座標系の2軸に沿っていることと
仮定し、図7(a)の下部に示す。試料の最初の位置は、図7(b)の上部に示
す。試料の磁化も最初はこのy軸に沿っているであろう。実験の始めに、RFパ
ルスがフィル607を用いて試料に加えられる。
このRFパルスは、試料の磁化を2軸に垂直になるように傾ける。RFパルス後
の磁化ベクトルMの位置は、図7(b)に示す。RF倍信号位相を調整すること
によって、試料の磁化は、X軸に沿って横たわるように傾くであろう。NMR周
波数w0は、このように傾いた後に磁化ベクトルが2軸の周りに歳差運動をする
速度である。測定したいのはこの歳差運動の周波数である。
時間Tが経過した後、磁化ベクトルMは図7(c)で示すように角度φ5回転し
ているであろう。試料ホールダは、y軸に対して角度θ、でなおスピンしている
であろう。この時点において、試料軸は図7(d)に示すように第2の角度θ2
へ瞬間的にフリップされる。第2の時間間隔Tが経過した後、Mは図7(e)に
示すようにさらに角度φ2歳差運動をしているであろう。φ1とφ2との和は、
時間間隔2Tにわたる−。の平均値に等しい。
この和の角度の値は、最初に試料を励起するために用いたコイルにおいて検出さ
れるRF倍信号位相から得られる。試料がRFパルスによって励起された後は、
試料を励起するために用いたコイルは、典型的には試料から放射されるRFエネ
ルギを受けるために用いられる。この検出された信号の大きさと位相は、磁化の
Xy平面における投影を測定するものであり、磁化は試料内における相互作用に
応じて変化する。本発明の好ましい態様におては、コイルはX出力とX出力を与
える回路に接続される。X出力は位相角のコサインの信号倍の大きさである。X
出力は位相角のサインの信号倍の大きさである。磁化ベクトルを傾けるために用
いられるRF倍信号またこのコイルを介して入力され、また上記出力に類似のX
、y入力を介して同様に入力される。
上記のとおり、もし1゜が純粋に単一の周波数であれば、単一の測定で十分であ
ろう。しかしながら、一般的に、豐。は多数の離散した線を有する周波数スペク
トルである。したがって、前記測定は異なったTの値に対して反復しなければな
らず、各測定はφ・φ、+φ2に対して1つの値を与える。次に関数el+のフ
ーリエ変換を計算する。結果としての関数は、その試料に対する通常のNMRス
ペクトルである。角度及び/′又は取り除くべき多項式の異なった選択に対して
、時間スライスT1、T2、・・・T、4は異なった比をとり、またこの比に比
例したインクレメントを想定することができる。
前述のとおり、瞬間的なフリノビングは達成するのが難しい。一般的に、磁化ベ
クトルMが7フリツプ”の前後で同一となるほど短い時間内に試料軸をフリップ
させたいと思う。試料をこのような短時間に動かすことは難しいので、本発明で
は、磁化の1つの成分を効果的にフリーズさせ、これにより試料軸がθ、と02
との間を移動する時間内の変化を防ぐことによって作用する。前記のものと類似
の蓄積技術が、問題の成分をフリーズさせるために用いられる。前記の単純な2
角度実験においては、各時点に対して2つの実験を行う。各実験において、異な
った磁化成分が試料軸をフリップさせる前にフリーズされる。次いで、これら2
つの実験のデータを組み合わせてφの値を計算する。
これら2つの実験が測定を作り出すために結び付けられる方法は、図8及び図9
を参照することにより非常に容易に理解される。これらの図は図7と類似であり
、上図は試料回転子の位置を示し、下図は磁化ベクトルMの位置を示す。図8は
、第1の実験中における種々の時刻での試料ホールy軸および磁化ベクトルを示
す。図9は、第2の実験中における種々の時刻での試料ホールy軸および磁化ベ
クトルを示す。デカルト座標系と印加磁場の方向は図7に参考として記述された
ものと同様である。時間1=0で、RFパルスが試料に加えられ磁化ベクトルM
を現在Xy平面にあるように傾けさせる。RFパルスは上述したフィル制御回路
に分離したX信号とX信号を入力することにより加えられる。RFパルスの位相
は磁化ベクトルMが最初X軸に沿って在るように調節される。
時間Tの経過後、Mは図8(a)に示されるように角度φ2回転する。磁化ベク
トルは、それぞれ異なったX軸およびy軸に沿って成分M、およびM、に分解さ
れる。この時点において、RF倍信号磁化ベクトルMを空間に回転させるように
コイルに加えられる。この回転の方向は、各実験によって異なる。回転方向は加
えられるRF倍信号位相によって決定される。第1の実験においては、回転の軸
はy軸である。これは磁化ベクトルをy軸から傾けるのに用いられるのと同じ回
転軸である。よって、初めのRFパルスの位相から180度に在る位相を有する
パルスが用いられる。
この回転の後、X軸に沿った磁化成分は、図8(b)に示すように、現在y軸に
沿って存在するであろう。
この時点で、試料軸はθ2にフリップされる。そのフリツピングは、磁化ベクト
ルの歳差運動期間に較べて長い時間を要する。この時間中に、y軸に沿った磁化
成分はゼロに減衰するであろう。しかし、z軸方向の成分は量子力学の法則によ
り減衰しないであろう。よって、試料軸が02に動いた後、磁化は図8(c)に
示すようになるであろう。すなわち磁化はy軸に沿ってありM、に等しい大きさ
を備えているであろう。つぎに、第3のRFパルスが試料に加えられそれは第1
のRF/fルスの位相と同じ位相を有している。これは磁化をy軸の周りに90
度回転させ、したがって磁化は現在図8(d)に示すようにX軸に配列されてい
る。
さらに時間Tの後に、磁化は図8(e)に示すように角度φ2歳差運動するであ
ろう。この時点でコイルのX出力とX出力からの信号はそれぞれMxcos(φ
2)とMXsin(φ2)に等しい大きさを持つであろう。九はMcos(φ、
)に等しいので、X出力およびX出力はそれぞれMcos(φ、)cos(φ2
)およびMcos(φ、)sin(φ2)に等しい信号を有するであろう。
図9は、第2の実験中における種々の時刻での試料軸および磁化ベクトルを示す
。時間1−0で、RFパルスが第1の実験と同様に加えられる。このノfルスを
加えた後、磁化ベクトルは第1の実験と同様にX軸に沿って存在する。
時間Tの経過後、Mは図9(a)に示されるように角度φ2回転するであろう。
この時点において、RF倍信号磁化ベクトルをX軸の周りを回転させるようにフ
ィルに加えられる。これは磁化をy軸の周りに回転させるのに用いられるものと
90度位相の異なったIIFパルスを加えることにより達成される。この回転の
後、y軸に沿った磁化成分は、図9(b)に示すように、現在y軸に沿って存在
する。
この時点で、試料軸はθ2にフリップされる。そのフリツピングは、磁化ベクト
ルの歳差運動期間に較べて長い時間を要する。この時間中に、X軸に沿った磁化
成分は0に減衰し、図9(c)に示すように、Z軸方向の成分のみが残るであろ
う。つぎに、第3のRFパルスが試料に加えられそれは第1のRFパルスの位相
と同じ位相を有している。これは磁化をy軸の周りに90度回転させ、したがっ
て磁化は現在図9(d)に示すようにX軸に配列されている。磁化ベクトルの大
きさは現在M、であろう。
さらに時間Tの後に、磁化は図9(e)に示すように角度φ2歳差運動するであ
ろう。この時点でコイルのX出力とX出力からの信号はそれぞれM、cos(φ
2)とM、5in(φ2)に等しい大きさを持つであろう。MyはMsin(φ
、)に等しいので、X出力およびX出力はそれぞれMsjn(φ、)cos(φ
2)およびMsin(φ1)sin(φ2)に等しい信号を宵するであろう。
2つの実験からのX出力を加えると次式を得る。
Mcos(φ1)cos(φ2)+Msin(φ1)eos(φ2)富Mcos
(φ1+φ2) (1B)同様に、X出力の和は次式となる。
Mcos(φ、)sin(φ2)+Msin(φ1)sin(φ2)*Msln
(φ、+φ2) (19)上記2つの実験が多くの異なった時間Tの間繰り返さ
れた後、関数1(φt +1!2> geos (φ、+φ2)+1sIn(φ
、÷φ2) (20)が形成されこの関数のフーリエ変換が計算される。上記し
たように、結果の関数はNMR周波数スペクトルである。
本発明の上記実施態様は、2つの角度で等しい停滞時間を用いたが、各2つのル
ジャンドル多項式の時間平均がゼロであることを与えるような異なった停滞時間
と角度が用いられてもよいことは、当業者には明らかなことであろう。
同様に、本発明の上記実施態様は磁化を特定軸の周りに90度回転させるような
RFパルスを用いた。試料が第1の角度で第1の時間間隔を第2の角度で第2の
時間間隔を費やした後、磁化が歳差運動する角度を決定するために他の位相関係
が用いられてもよいことは、当業者にとって明らかなことである。
加えて、2つ以上の角度が用いられる実施態様もまた当業者には明らかなことで
ある。上記したように、このような実験は2以上のルジャンドル多項式の寄与を
除去させることを許容する。さらに一般の場合に行われなければならない蓄積実
験の数は2 n−1であり、nは角度の数である。
本発明の第3の実施態様において、これら2次効果は2つの軸の周りを急激に試
料をスピニング機せることにより克服される。本発明の一層好ましい実施態様に
おいて実行される基本的スピニング運動は図1Oに示される。試料は角速度W、
で軸4の周りをスピンする試料ホールダ2の中に置かれる。それから、試料ホー
ルタ2は角速度マ2でスピンする第2の軸12の周りをスピンするより大きな/
リンダ10内に置かれる。このより大きなシリンダ10が8で示される外部磁場
方向に対し角度C1傾けられる。この運動の結果、試料ホールダ2の軸4はC2
の頂角の円錐5をなぞる(sweep out)。
試料が同時にθ、と02の周りをスピンされるとき観測されるランクLまでの永
年相互作用による最終の中心バンド周波数分散は、ルジャンドル多項式の積の関
数であることが示されるであろう
ここで、C2は試料の化学的及び物理的性質に依存する定数である。
4重接と双極子・双極子広がりに対し、pが偶数である項のみが有意にゼロと異
なることが示されるであろう。さらに、pが2あるいは4に等しい項がこの場合
周波数分散に大きく寄与する。従って、本発明のより好ましい実施態様において
は、角度は次式のように選ばれる
P2(cosθ1)寥P4(cosθ2)−0(22)逆に、θ、とC2は次式
のように選ばれることも可能であるP2(eosθ2)SF3(cosθ、)・
O(23)他の周波数分散効果は、それらの効果に最も寄与するルジャンドル多
項式の項がゼロになるようにθ、と02を選択することにより減小させられるで
あろう。
速度変可とw2は、回転運動の周期が測定される試料に対するNMR緩和時間に
較べて小さいことを保証するのに十分に太き(なければならない。加えて、以下
に述べる理由により、W、とW2のある整数比は望ましくは避けられるべきであ
る。
これらの高いスピン速度を達成するために、本発明は空気軸受上に浮かされかっ
空気ジェットによって駆動される円筒型の目的物を採用している。図11は基本
的な空気軸受の形態を示している。シリンダ16はアウターハウジング18内に
保持されている。アウターハウジング18は圧縮空気を取り入れ可能にする入口
20.22を備えており、それによりアウターハウジング18内の空気軸受面2
4.26上にシリンダ16を浮遊させ″潤滑させ”ている。空気は、28と30
に示されるアウターハウジング18と/リンダ16の間の出口空間を経由して空
気軸受24と26から出ていく。
/リンダ16の中央表面32は外側表面よりわずかに異なった直径である。イン
ペラ溝34と36は中央表面32に刻まれる。シリンダ16は、インペラ溝34
と36に対して圧縮空気を当てることにより回転するように作られている。/リ
ンダ16を駆動するためにインペラ溝34と36に当たる空気は、オリフィス3
8と40で入る。消費されたインペラ駆動空気は、42と44位置でオリフィス
を通ってアウターハウジング18を出ていく。
2つの同時スピニング機構の結合は、図1Oに記述した2重運動を達成するため
に必要である。この2重運動を達成するための装置が図12に示される。図12
に描かれた装置は本質的に5個の基本部品を備えている。5個の部品は、試料ホ
ールダ46と、ホールダ46を保持する第1ハウジング48と、第1ハウジ/グ
48を順番に収容する中央/リンダ50と、装置ハウジング52と、終端キヤ、
ブ54(一方のみ記されている)である。
調査される物質の試料は、試料ホールダ46の中央の内孔56に置かれる。試料
ホールダ46は、その表面に刻まれたV字の切れ目のインペラ溝58のリングを
含んでいる。インペラ溝58上に当たる圧縮された駆動空気の流れは、図11に
示したシリンダ16を参照して記述された方法で試料ホールダ46をスピンさせ
る。典型的な実施態様においては、試料ホールダ46は2000Hzでスピンす
る。
試料ホールダ46はハウジング48内のチャンバ47内に挿入される。試料ホー
ルダ46は、チャンバ47の各端部にある終端キャップ66によって適所に保持
される。それら終端キャップの1つは隠れており、このため図面において見るこ
とが出来ない。
試料ホールダ46は空気軸受上に支えられ、その空気軸受はハウジング48のチ
ャンバ47内において2つの対応する表面に関して空気軸受表面70および72
を浮遊させることにより実施されている。浮遊機構は本質的に上記図11を参照
して記述されているものである。空気は、ハウジング48内のオリフィスを通り
ハウジング48と空気軸受表面70と72の間の空間内に注入される。オリフィ
スは前記空気軸受の近くにある。空気軸受から消費された空気が終端キャップ6
6内のオリフィス68を通うでハウジング48を出る。
空気軸受と駆動機構によって使われた空気は、第1ハウジングの各端部に1つあ
る2つの空気入口オリフィス60を通って第1ハウジング48に入る。空気入口
オリフィス60の1つは、図12に示した見えるところから隠されているため、
示されていない。ハウジング48は、入口側オリフィス60から空気軸受表面7
0と72へ空気の経路を定めるため図11に示したものと類似した経路を含んで
いる。同様に、ハウジング48内の経路は、空気をインペラ58の位置に導く。
インペラ58からの消費されたスピン空気は、スピン空気出口オリフィス62と
64で茅1ハウジング48から吐き出される。
上記したように、試料ホールダ46は第1ハウジング48に挿入され、オリフィ
ス68を含む2つの終端キャップ66によって適所に保持されている。空気軸受
表面70と72からの消費された空気は、主として凹面溝74と76中にオリフ
ィス68を通って排出される。空気軸受表面70と72からの空気のいくらかは
空気出口オリフィス62と64を通って出る。
第1ハウジング48は中央シリンダ50の中央空洞78の中にはまっている。
第1ハウジング48は中央シリンダ50に挿入されるときに第1ハウジング4日
の外側表面がシリンダ50の円筒表面と合致するように形成されている。空気出
口オリフィス62と64は中央シリンダ50の空気出口オリフィス110と11
2と一線上に配列され、第1ハウジング48が中央シリンダ50に挿入されると
き空気出口オリフィス62と64を通って第1ハウジング48に出る空気が空気
出口オリフィス110と112を通つで中央シリンダ50の表面に送られる。
終端キャップ66においてオリフィス68を通って第1ハウジング48を出る空
気は、また箪lホールダ48と空洞78の端壁間の通路を形成する凹面溝74と
76を通って中央シリンダ50の表面に送られる。その通路は、終端キ中ノブ6
6を離れた空気が中央/リンダ50の表面に違することを許容する。
第1ハウジング48において空気軸受と駆動機構のための圧縮空気は、中央シリ
ンダ50の端部を通り通路106と108を経由して供給される。以下にさらに
詳細に説明するように、空気は終端キャップ54における突出部100を通って
前記通路】06と108に注入される。
中央シリンダ50は、第1ハウジング48と共通した多くの性質を有している。
中央シリンダ50は表面に刻まれたV字の切れ目のインペラ溝80と82からな
る2つの輪を有している。インペラ溝80と82に対して供給される圧縮空気は
、中央シリンダ50をスピンさせる。圧縮されたインペラ駆動空気のための入口
は118と120に配置される。インペラ駆動空気を出すための出口84,86
.88および90はデバイスハウジング52に見られる。
中央シリンダ50は、2つの終端キャップ54によってデバイスハウジング52
内に保持される。各終端キャップ54は圧縮空気供給源に接続された空気人口ポ
ート92を備えている。空気入口ポート92は、中央シリンダ50における通路
106と108に組み合わされる中空の突出部100に結合されている。各突出
部100の終端104は、順番に空気を第1ハウジング48の空気入口オリフィ
ス60に供給するため、圧縮空気が通路106に流れることを許容するためのオ
リフィスを備えている。
中央シリンダ50は図11を参照して記述されたのと類似の方法で空気軸受上に
てデバイスハウジング52内に保持される。中央シリンダ50はその外側端部に
空気軸受表面96と98を含んでいる。空気は、デバイスハウジング52の壁に
おけるオリフィス109を通して空気軸受表面96と98及びデバイスハウジン
グ52壁の間の空間に注入される。このために用いられる空気はデバイスハウジ
ング52におけるチャンネルを通ってオリフィス109につなげられる。2つの
チャンネルは118と120に示される。問題のチャンネルは、図13を参照し
て詳細に説明されるように、外部マニホールドを通して圧縮空気供給源に接続さ
れている。同様に、圧縮空気は、図13を参照して詳細に説明されるように、オ
リフィス83を第2のマニホールドを通して圧縮空気供給源に接続することによ
ってインペラ80と82に対して導かれる。
上記したように、スピン空気は、中央シリンダ50における出口オリフィス11
0,112,114 (一部下明瞭)および116と直接つながれている第1ハ
ウジング48のオリフィス62と64を通って出てくる。出口オリフィス114
と116は、図12の視野から隠された第】ハウジング48におけるスピン空気
出口の箪2の組に役にたつ。かくして、ホールダ46からの消費されたスピニン
グ空気はスピン空気出口62と64から出て来、そして空気出口オリアイス11
0.112,114および116を通つていく。このスピナー空気は最終的に空
気出口84,86.88及び90を通って装置から放出される。凹状表面74及
び76を経由して第1ハウジング48から放出される消費された空気は、また空
気出口84,86.88及び90を経由し装置から去っていく。中央シリンダ5
0に対する空気軸受からの消費された空気は、終端キャップ54に位置する空気
ボート126を通って出ていく。
デバイスハウジング52の中央部分128は検出コイル130に適合するように
拡大される。検出コイル130はNMR測定中にRF周波数を検出するために用
いられる。
図13は、外部磁石の極132の間に置かれた本発明の装置の断面図を示す。
圧縮空気は、図13に示す入口ポートおよびそれぞれマニホールド145と14
7に結合された2つの付加的ボート140と141を通して供給される。マニホ
ールド147は問題となっているインペラに対し空気を導いて入口83に空気を
供給する。マニホールド145は図12に示すように空気軸受表面96及び98
上に中央シリンダ50を浮かせるために空気を供給する入口118と120に結
合される。
再び図12を参照すると、中央シリンダ50は1秒あたり数百回転の角速度w2
でスピンする。従って、試料ホールダ46に加えられる力は非常に大きくなり得
る。これらの力は、第1ハウジング48中に試料ホールダ46を支持するために
空気軸受によって支持されなければならない。
これらの力は、試料ホールダ46のディメンジョンを適正に選択することにより
減少されるであろう。試料ホールダ46は、1秒あたり2000回転以上の速度
でスピンする。試料ホールダ46は要するに図10に示すように角度θ2だけ垂
直方向から変位した軸を有する小さなジャイロスコープである。力学で知られる
ように、そのように変位したジャイロスコープはその軸がジャイロスコープの慣
性モーメントに依存する角速度θ、とW、で円錐をなぞる。ジャイロスコープは
次の関係を満足する速度度豐tlutで歳差運動するであろうことが示されるW
、”(I tr−1a+c)W+uteO5(θ2)/1.、 (24)ここで
、!tアと10は試料ホールダ46の横方同及び軸方向の慣性モーメントである
。
慣性モーメントが、W2に対する望ましい値が式(24)に与えられるflou
tに等しくなるように選択されたならば、試料ホールダ46は第1ハウジング4
8を通して加えられるなんらの力も無しに所望のw2で歳差運動するであろう。
問題の慣性モーメントは中空シリンダを含む試料ホールダ46の半径と長さに依
存する。したがって、ある与えられた長さの試料ホールダにたいし適正な半径と
試料区画サイズを選択することにより、問題の力は実質的に減小させられるであ
ろう。このようなジャイロスコープ的歳差運動の使用は、以下に記載するように
本発明の交互の実施態様を参照してさらに議論されるであろう。
本発明により得られた劇的な進歩は、図14(a)−14(c)に示されるよう
に種々の装置で取られた粉砕された/:Lつ酸ナトリウムにたいするNa23の
NMRスペクトルに示される。図14(a)は、静止した試料について得られる
スペクトルである。図から知られるように、結果のスペクトルは全(広いもので
興味ある事実をほとんど示していない。
図14 (b)は同じンユウ酸ナトリウムのNMRスペクトルであるがマジック
角度でスピンされた試料に関してのものである。図14(b)において矢印によ
って記されたピークは試料の回転によってNMR信号を変調することから得られ
るサイドバンドである。図14(b)に示されるスペクトルはNa23に対する
かなり狭い線を示しているが、線幅は満足すべきものからまだ遠い。
図14 (e)は図12に示す本発明の実施態様を用いた同じンユウ酸ナトリウ
ム厭料からのNMRスペクトルである。図12に示した試料ホールダ46は20
00Hzでスピンされ、一方中央シリンダ50は400Hzでスピンされた。式
(21)中のθ、とθ2の値は、54.7度と70.1度に選択され、これらは
P2(cosθ)とP2(cosθ)の0に対応したものである。Na23の線
は500で示される。残りのピークは、Na”の線からの信号の変調からもたら
されるサイドバンドである。これらのサイドバンドは例えばより高い角速度で試
料をスピンすることによりあるいはマノツク角度スピニングにおいて用いられた
手法と類似のサイドバンド抑制技術により除かれることが可能である。これらの
図から直ちに評価されるように、本発明により得られた線幅は2つの上記した先
行技術のいずれかを用いて得られた線幅よりも劇的に小さくなっている。
本発明の上記実施態様におけるθ1と02の値は式(21)のP2およびP、の
項から生じる効果を排除するために選択された。Na23の場合に、これらの項
は線幅に2つの大きな寄与がある。他の咳で得られた線幅は、P2およびP4の
他の項の結果となるであろう。PH(cosθ、)lIOおよびPj(cosθ
2)toになるようにθ、とθ2を選択することにより、式(21)においてP
LあるいはP、に依存するいずれか2項から結果する線幅の広がりは、本発明の
上記実施態様によって除去され得ることが上記論述から明かであろう。
本発明に関する装置は、また式(21)における3あるいはそれ以上の項から生
じる線幅の広がりを除去するために用いられ得る。図12に示した装置において
、試料ホールダは軸の周りをスピンするシリンダからなる。このシリンダは第2
のシリンダ(中央シリンダ50)に組み付けられ、このため試料ホールダ軸は第
2シリンダの軸に関してθ、傾けられている。それから第2シリンダは、磁場方
向に対してθ2傾けられてその軸の周りを回転する。
この型の構造はさらに複雑な運動にたいしても用いられ得る。例えば、式(21
)から3項を除去するための装置は、外側シリンダの内側に図12に示すような
中央シリンダ50を組み付けることにより形成され、これにより中央シリンダ5
0の軸は外側シリンダの軸に関して角度θ2傾けられる。外側シリンダは、磁場
方向に相対的に角度θ、傾けられた軸の周りを第3の角速度でスピンされるであ
ろう。
このような配列において得られる周波数分散は3つのルジャンドル多項式の積の
関数であることが示されるであろう:
θ1.θ2.θ、の値を選ぶことは自由である。
ここでもしθ、lθ2およびθ、が次のように選ばれたならばP、(cosθz
)IIP+5(eosθ2)l=P、(cogθ3)−0(26)それによりp
、、 p、、 p、に依存する項の線幅への寄与は除去され得る。
N回入れ子に組み入れられたスピニングンリングを有する多重スピニング装置を
形成し試料を最も内側のシリンダに保持させることにより、原理的にN項が除去
され得ることは、上記議論から明かである。試料ホールダシリンダが1と分類さ
れるならば、i=1〜Nとしてi番目のシリンダは(i+1)番目のシリンダに
組み付けられ1番目の/リングの軸は(i +1 )番目のシリンダの軸に関し
て角度θ1傾けられる。
N番目の7リングの軸は、磁場方向に関して角度θ8傾けられている。角度θ、
は各角度のコサインが異なったルジャンドル多項式がのゼロであるように選ばれ
る。
本発明の第3の実施態様の実行に対する選択可能な構造は、図15の650に記
されている。試料は軸654の周りをスピンする試料ホーシダ652中に置がれ
る。試料ホールダ652は、653で示される球状にされた端部を備えたシリン
ダである。試料ホールダ652は、方向660に外部磁場を作る磁石の極間に位
置する静止した固定子662内にはまっている。固定子662は一端にて固定子
662の内側のフラスト円錐面(frusto−conical 5urfac
e) 658に結合した凹状面を有している。試料ホールダ652の球状端部5
3は、凹状面656で固定子662にかみ合っている。
固定子662の軸672は、外部磁場660に関して角度θ、傾けられ、軸65
4は軸672からθ2傾けられている。固定子662における入口ボート668
及び670からの駆動空気は、試料ホールダ652の表面に刻まれたインペラ6
64及び666当たるように形成されている。かくして、試料ホールダ652に
当たった空気は、試料ホールダ652を軸654の周りにスピンさせ同時に軸6
72の周りの円錐674をなぞらせる。また、入口ポート670を通つて試料ポ
ールダ652に当たる空気は、上記した空気軸受に類似した空気軸受のように作
用する。
試料ホールダ652は本質的にジャイロスコープである。円錐674の周りを歳
差運動する軸654の角速度は上記した式(24)によって与えられる。
特別な種類に対し図15の角度θ、と02を変えることにより、2つのルジャ/
ドル多項式からの周波数分散の寄与は除去されることが可能である。
従って、ここではNMR実験を実行するための新しい装置及び方法が記載されて
いる。本発明に関する種々の変更は、上記記載及び添付図面から当業者にとって
明かであろう。さらに本発明は、以下の特許請求の範囲の全体により個々に限定
されるものである。
(以下余白)
Fig、15
国際調査報告