JPH0453991B2 - - Google Patents
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- JPH0453991B2 JPH0453991B2 JP59130021A JP13002184A JPH0453991B2 JP H0453991 B2 JPH0453991 B2 JP H0453991B2 JP 59130021 A JP59130021 A JP 59130021A JP 13002184 A JP13002184 A JP 13002184A JP H0453991 B2 JPH0453991 B2 JP H0453991B2
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- bleaching
- pulp
- oxygen
- stage
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(産業上の利用分野)
本発明はリグノセルロース物質の漂白方法に関
する。 (従来技術) リグノセルロース物質を多くの用途に使用する
ためには、化学的あるいは機械的作用により得ら
れたパルプを漂白する必要がある。クラフトパル
プを包装質材のような白さを必要としない用途に
使う場合を除いては、通常、塩素、次亜塩素酸塩
(ハイボ)、二酸化塩素、酸素、過酸化水素、苛性
ソーダ等の漂白剤及び漂白助剤により漂白して、
未晒パルプの着色原因物質である残留リグニン等
を除去する必要がある。 強度を要求される化学パルプの漂白において
は、パルプ繊維自体の強度を高く保つために、炭
水化物(セルロース等)の分解に及ぼす影響を最
小にするよう、過激な一段の静的な漂白を避け、
温和に漂白剤・漂白条件を変えていく多段漂白を
採るのが一般的である。 通常、最初に塩素処理でリグニンを塩素化し可
溶性を付加した後次にアルカリでリグニンを溶解
抽出する。この後更に、次亜塩素酸塩、二酸化塩
素等を用いて、残留する少量のリグニン等を分解
除去し、白色度の高いパルプを得る。 塩素処理をC、アルカリ処理をE、次亜塩素酸
処理をH、二酸化塩素処理をD、過酸化水素処理
をPとして表わすと、この漂白工程(漂白シーケ
ンス)は、使用する漂白剤及び/又は漂白助剤の
順序にしたがい、C−E−H−E−D,C−E−
D−E−D,C−E−H−D−P等の複数段の漂
白段で行われる。 しかしながら塩素系の漂白薬品を使用する従来
の方法では漂白排液中に塩素イオンを含むため廃
棄物の燃焼回収法を利用することができず、排液
処理を凝集沈殿、活性汚泥で処理しているのが実
情である。 近年開発された酸素漂白法はその漂白排液を蒸
解後のパルプの洗浄液に循環使用し最終的には蒸
解排液と共に燃焼回収することができ〔特開昭47
−5202号公報(米国特許第3759783号明細書に対
応)、特開昭49−7503号公報(米国特許第3843473
号明細書に対応)〕、現在日本も含め世界の紙パル
プの主要生産国において多数の酸素漂白装置が稼
動している。酸素漂白法は蒸解後のパルプを比較
的低濃度のアルカリ溶液に浸漬し、これを絞つて
パルプ濃度を上げた後よくほぐして、加熱加圧下
の反応器中に酸素を圧入してパルプ中の残存リグ
ニン、樹脂等を酸化分解し、アルカリで可溶化し
てパルプ漂白を行なうものである(The
Bleaching of Pulp、P159〜209、Tappi
Press1979)。 この酸素漂白法(O2段)は従来の塩素系の漂
白法と組み合わされ、完全晒パルプのみならず、
半晒パルプの製造に応用されている。例えば特公
昭47−7202号公報(米国特許第3652388号明細書
に対応)にはO2−C/D−Eの漂白シークエン
スが、特公昭47−10241号公報(西ドイツ公開特
許第1947931号明細書に対応)にはC/D(D)−
O2−D−E−Dの漂白シークエンスが、特公昭
47−44441号公報(英国特許第1342580号明細書に
対応)にはO2−(C,DC/D)−O2−Eから構成
される漂白シークエンスが、特公昭51−17605号
公報(カナダ国特許第992265号明細書に対応)に
はO2−D/C−E−Dから構成される漂白シー
クエンスが提案されている。Paper Trade
Journal/August5,1968 P49〜P53及びTappi
Vol54No.11(1971)、P1893〜P1898には酸素漂白
と塩素系漂白剤による各種の漂白シークエンスが
提案されており、これらの方法は塩素系排水の低
減、環境保護に大きく貢献している。 この酸素段での酸化分解反応の程度は主として
漂白時の温度及び酸素圧力に比例し、高温である
程、酸素圧力が高い程反応には好都合である。 しかしこの方法の欠点は、酸化条件を強化する
と漂白効果は向上するがセルロース等が部分的に
解重合を起こし、パルプの機械的性質の低下をも
たらすことになることである。この酸素漂白の欠
点を補うために保護剤が開発され特公昭42−2003
号公報(米国特許第3384533号明細書に対応)、特
公昭47−4722号公報(米国特許第3657065号明細
書に対応)には炭酸マグネシウム、アルカリ金属
ホウ酸塩、二酸化チタン、シリカ、アルカリ金属
ケイ酸塩、アルカリ土類金属ケイ酸塩等の無機塩
が、特公昭47−9203号公報(米国特許第3652386
号明細書)にはマグネシウム錯塩が有効であるこ
とが開示され、特開昭48−9370号公報および特開
昭49−133601号公報(米国特許第3951732号明細
書に対応)にはトリエタノールアミン塩が有効で
あることが示されている。トリエタノールアミン
塩はマグネシウム塩と比較して水に完全に溶解す
るのでセルロース等の解重合の保護剤としては有
効であるが、漂白パルプの懸濁液中に鉄イオンが
存在するとトリエタノールアミン−鉄イオン錯化
合物を形成し触媒的な効果により逆にセルロース
等の解重合を促進させ、パルプの粘度を著るしく
低下させる欠点がある。 リグノセルロース物質のアルカリ酸素漂白法に
おいて環状ケト化合物、すなわちキノン系化合物
を添加する方法は特開昭51−109303号公報、特開
昭51−119801号公報(カナダ国特許第1088261号
明細書に対応)に提案されているが、これらの発
明の目的は酸素漂白法における収率低下をキノン
系化合物の添加によつて回復しようとするもので
あり、パルプの白色度をも相乗的に向上させるこ
とを目的とするものではない。 リグノセルロース物質のアルカリ酸素漂白法に
おいて酸素漂白の促進剤として過酸化物を併用す
ることは特公昭47−9204号公報(米国特許第
3694309号明細書に対応)、米国特許第3719552号
明細書、特開昭52−77202号公報及び
1982International Sulfite Pulping Conference
(Toronto Canada)Preprint P143〜148に提案
されている。この過酸化物と酸素と併用する方法
はリグノセルロース物質が酸素と接触する時間が
短かくても十分な白色度が得られ、一定白色度で
比較しした場合従来法に比較してセルロース等の
解重合の程度が少なく、高粘度のパルプを製造す
ることができ、しかも酸素過酸化物併用漂白法は
低酸素圧ほど有効であり、酸素漂白で通常使用さ
れている耐圧容器を必ずしも必要としない利点が
ある。 しかしながら本発明者等は酸素過酸化物併用漂
白法について多角的に検討した結果、この漂白法
では低酸素圧でも過酸化物の漂白促進効果により
酸素圧を上げた酸素漂白法と同等の白色度を保証
できるという特徴を有しているが、この低酸素圧
の酸素過酸化物併用漂白法(以下O/P又はO/
P段という)だけでは、たとえばパルプの白色度
約65%(ハンター値)を達成するには困難であ
る。又酸素圧を10Kg/cm2以上に上げた高酸素圧の
場合には、O/P段後のパルプの白色度を65%程
度まで向上させることは可能であるが、セルロー
ス等の解重合反応も著しく促進させるため、収率
の低下及び強度の低下を抑制することは極めて困
難であることを知得した。 (発明の目的) 本発明は上記した酸素過酸化物併用漂白法の利
点を生かし、反面その欠点を解決するためになさ
れたもので、その目的は高い強度及び白色度の漂
白パルプが得られる漂白法を提供することであ
る。 更に他の目的は高強度漂白パルプを提供するこ
とであり、更に他の目的は必ずしも耐圧容器を必
要としない低圧法の漂白法を提供することであ
り、更に別の目的はCOD負荷の小さい漂白法を
提供することであり、更に別の他の目的は以下の
記載から明らかになるであろう。 (発明の構成) 本発明は、リグノセルロース物質を塩素で処理
し、ついでアルカリ性媒体中で酸素及び過酸化物
で処理することを特徴とするリグノセルロース物
質の漂白方法であり、更に前記処理を行つた後第
3工程として次亜塩素酸塩による処理又は二酸化
塩素による処理を引き続いて行うことを特徴とす
るリグノセルロース物質の漂白方法である。 すなわち、本発明は、リグノセルロース物質の
漂白工程として塩素処理工程(C段)と酸素及び
過酸化物による処理工程(O/P段)とを組み合
わせることにより、強度の大きい漂白パルプの安
価な製造が可能となる。O/P段を環状ケト化合
物及び/又は環状アミノ化合物の存在下に行うこ
とにより収率を高め、高強度の漂白パルプをより
安価に製造することができる。 また、C段に続くO/P段では酸素のみによる
処理工程(O段)に較べて漂白反応が促進される
ため、次の次亜塩素酸塩による処理工程(H段)、
または二酸化塩素による処理工程(D段)に供給
されるパルプの白色度が高くなつている。従つて
同一漂白度のパルプを得るためのH段またはD段
における薬品の使用量を低減でき、あるいは漂白
シーケンスの短縮が可能となる。 なお、パルプの高い漂白度が要求されない場合
には、塩素処理工程(C段)と酸素及び過酸化物
による処理工程のみでよいことは勿論である。 次に本発明を構成する要素について詳説する。 塩素処理工程(C段) C段は塩素単独による処理または塩素と二酸化
塩素との併用処理でもよい。塩素の添加率はパル
プのカツパー価当り0.1〜0.3%、好ましくは0.2〜
0.25%である。処理温度は10〜40℃、好ましくは
20〜30℃である。パルプ濃度は1〜10%、好まし
くは3〜5%である。処理時間は30〜90分、好ま
しくは45〜60分である。処理浴のPHは3.0以下が
好ましい。 塩素段に二酸化塩素を併用する場合にはClO2
の置換率は0〜90%、好ましくは5〜15%であ
り、ClO2の添加方法はシーケンシヤル、シリア
ルのいずれでもよい。 酸素・過酸化物処理工程(O/P段) 本発明の漂白系O/P段に使用される過酸化物
としては過酸化水素、過酸化ソーダ、過酢酸、t
−ブチルパーオキシド、m−クロルベンゾエー
ト、クメンヒドロパーオキシド、テトラヒドロフ
ランヒドロパーオキシド等の公知の過酸化物が使
用できる。また漂白系中で酸素と反応していわゆ
る“その場所”で過酸化物を生成する化合物、例
えばテトラヒドロフラン(α−テトラヒドロフラ
ンヒドロパーオキシドに変化)、クメン(クメン
ヒドロパーオキシドに変化)、アセトアルデヒド
(過酢酸に変化)等の薬品も使用することができ
る。 過酸化物の対パルプ当りの添加率は多い程本発
明の効果は発揮されるが、好ましくは対パルプ重
量当り0.1%〜10.0%(H2O2換算)程度であるが
更に好ましくは1.0%〜5.0%である。 本発明の漂白系のO/P段に使用される酸素と
しては、酸素および酸素富化空気のいずれもが使
用可能であるが、反応容器の容積、および加圧、
反応の効率を考慮するならば酸素ガスを使用する
のが好ましい。 本発明の効果を最大に発揮するには高圧(10
Kg/cm2以上)で実施するよりはむしろ酸素圧力が
低い方が効果が大きく、好ましくは1Kg/cm2〜10
Kg/cm2、更に好ましくは1Kg/cm2〜5Kg/cm2程度
である。 したがつて、比較的低圧で反応を実施できるの
で従来の高圧用の酸素漂白装置を必要とせず、縦
型、横型の反応装置のいずれもが使用可能であ
り、アツプフロー式の漂白塔の塔底から、あるい
はパルプが過酸化物と混合されるミキサーに酸素
を圧入してもよい。 O/P段において必要に応じて使用される環状
ケト化合物又は環状アミノ化合物を例示すると、
環状ケト化合物としては、ベンゾキノン、ナフト
キノン、アントラキノン、アントロン、フエナン
トレンキノン並びに前記キノン系化合物のアルキ
ル、アミノ及びハイドロキシ誘導体等の核置換
体、前記化合物のヒドロ誘導体並びにそれらの互
変異性体が好適であり、又ナフトキノン及びベン
ゾキノンの非置換及び低級アルキル置換デイール
ス−アルダー反応付加物からなる群から選ばれる
9,10−ジケトヒドロアントラセン又は9,10−
ジオキシヒドロアントラセン系化合物から適宜選
ぶことができる。 9,10−ジケトヒドロアントラセン系化合物と
しては1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9,10
−ジケトアントラセン、1,4,4a,5,8a,
9a,10a−オクタヒドロ−9,10−ジケトアント
ラセン及び1,4−ジオキシ−9,10−ジケトア
ントラセンが適している。9,10−ジオキシヒド
ロアントラセン系化合物としては1,4−ジヒド
ロ−9,10−ジオキシアントラセン、1,4,
5,8−テトラヒドロ−9,10−ジオキシアント
ラセン、1,4,5,8,8a,10a−ヘキサヒド
ロ−9,10−ジオキシアントラセン又はこれらの
ナトリウム塩が適している。 環状アミノ化合物(含窒素複素環式化合物)と
してはフエナジン、ジヒドロフエナジン、キノキ
サリンおよびこれらのアルキル、アルコキシ、ヒ
ドロキシ、カルボキシ、アミノ誘導体である。 これらの化合物の対パルプ当りの添加量は0.01
〜5重量%好ましくは0.02〜3.0%程度である。 本発明の漂白系のO/P段に適用されるパルプ
濃度は1〜35%(重量)、好ましくは5〜20%程
度であり、アルカリ性媒体または過酸化物混合後
のパルプ濃度は1〜20%程度が好ましい。漂白温
度は70〜160℃、好ましくは80〜150℃程度であ
る。反応時間は5〜120分、好ましくは20〜90分
である。反応圧力は1〜10Kg/cm2、好ましくは1
〜5Kg/cm2である。 本発明の漂白系のO/P段に使用されるアルカ
リ性媒体例えば水溶液のアルカリ薬品としては水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、アンモニア、クラフト法白液、酸化白
液、緑液、酸化緑液、四ホウ酸ナトリウム、メタ
ホウ酸ナトリウム等であり、対パルプ当りのアル
カリ添加量はNa2O換算で0.5〜3.0%が好ましい。 本発明のO/P段の漂白を実施するに当つては
公知のO/P段の操作方法が採用され、又O/P
段を環状ケト化合物又は環状アミノ化合物の存在
下で行う場合には環状ケト化合物又は環状アミノ
化合物を含有する過酸化物溶液をアルカリ性に保
持されているパルプに含浸させ、次いで酸素加圧
してもよいし、あるいは前記化合物を含有するア
ルカリ性に保持されているパルプに過酸化物溶液
を添加して、次いで酸素加圧してもよく、更には
前記化合物を含有するアルカリ性に保持されてい
るパルプに対して酸素加圧し、次いで過酸化物溶
液を数次に分けて分割添加してもよく、種々の方
法が適用される。 次亜塩素酸処理工程(H段)、または二酸化塩
素処理工程(D段) H段に使用される次亜塩素酸塩としてはそのソ
ーダ塩、カルシウム塩が使用されるが、通常はソ
ーダ塩が使用される。次亜塩素酸ソーダの濃度は
対パルプ当り1〜8%、好ましくは2〜5%、温
度は30〜80℃、好ましくは40〜60℃、パルプ濃度
は5〜20%、好ましくは10〜15%、時間は30〜
180分、好ましくは60〜120分、PHは8.5〜11.0、
好ましくは9〜10で、PHが前記の値に維持できる
ように、苛性ソーダを添加する。 D段における二酸化塩素の濃度は対パルプ当り
0.3〜2.0%(ClO2として)、好ましくは1〜1.5%
である。処理温度は60〜90℃、好ましくは70〜80
℃である。処理時間は100〜200分、好ましくは
150〜180分である。処理浴のPHは2〜6、好まし
くは3〜4である。処理中はPHを前記の値に維持
できるように硫酸あるいは苛性ソーダーを添加し
て調整する。 本発明の漂白の対象となるリグノセルロース物
質はGP(砕木パルプ)、RMP(リフアイナーメカ
ニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパル
プ)、CGP(ケミグラウンドパルプ)、SCP(セミ
ケミカルパルプ)、SP(サルフアイトパルプ)、
KP(クラフトパルプ)、AP(アルカリパルプ)、古
紙パルプ(脱墨された二次繊維)等であり、木材
パルプ、非木材パルプいずれにも適用可能である
ことは言うまでもない。 次に、本発明を実施例について説説明するが、
本発明はこれによりなんら限定されるものではな
い。 以下に示す実施例において、リグノセルロース
物質のC段、O/P段及びH段の漂白実験及びパ
ルプの物理的性質の測定は、特に示さない限り次
の操作手段よつた。 塩素漂白(C段)実験 針葉樹パルプ(ダグラスフアー)200g(絶乾)
をポリ弗化エチレンの袋に取り、カツパー価に比
例した所定量(カツパー価×0.2%)の塩素液ま
たは塩素と二酸化塩素との混合液を加え、よく撹
拌後、25℃の温度で1時間反応させた。反応終了
後試料を取り出し遠心脱水洗滌した。 酸素漂白(O/P段)実験 前段で処理されたパルプ100g(絶乾)をポリ
弗化エチレン製の袋に取り、カツパー価に比例し
た(カツパー価×0.1%)所定のアルカリ量及び
所定量の過酸化物並びに所定量の環状状ケト化合
物、環状アミノ化合物を加え、更にパルプ濃度が
15%になるよう所定量の水を加え、よく撹拌後10
回転式オートクレーブの中へパルプを入れたオ
ートクレーブ内の空気を酸素で置換し、次いで酸
素を所定の圧になる迄圧入した。オートクレーブ
を加熱して60℃から所定温度まで30分間で昇温
し、所定温度で所定時間反応させた。反応終了後
試料を取り出し遠心脱水洗浄した。 次亜塩素酸ソーダ漂白(H段)実験 遠心脱水洗浄したO/P段パルプをポリ弗化エ
チレン製の袋に取り、対パルプ当り1%の苛性ソ
ーダ及び所定量の次亜塩素酸ソーダを加え、更に
パルプ濃度が10%になるよう所定量の水を加えよ
く撹拌後、40℃の温度で2時間反応させた。反応
終了後試料を取り出し遠心脱水洗浄した。 パルプの物理的性質の測定 パルプの物理的性質については、遠心脱水洗浄
したパルプをPFIミルでカナデイアンフリーネス
600c.c.に叩解し、TAPPI試験法T205os−71
(JISP8209)に従つて手抄した秤量60g/m2のシ
ートで測定した。なお、各々の試験法については
次の方法に従つて行なつた。 白色度 JIS P8123 又下記の測定は製紙用パルプの強さ試験方法
(JIS P8210)に従い 裂断長 JIS P8113 比破裂 JIS P8112 比引裂 JIS P8116 の各々の装置を用いて行なつた。 漂白排水負荷量 パルプ漂白排水の化学的酸素消費量(COD)
をその指標として、JIS K 0102−1974に従つて
測定した。 実施例1〜3及び比較例1,2 実施例1〜3はカツパー価31.2の針葉樹材ダグ
ラスフアーパルプを塩素処理し、次いで過酸化物
として過酸化水素を苛性ソーダ(対パルプ3.12
%)と共に使用して酸素漂白を行ない、次いで二
酸化塩素漂白を行なつた。 実施例2及び3では環状ケト化合物として9,
10−アントラキノン(AQ)(実施例2)及び1,
4,4a,9a−テトラヒドロ−9,10−ジケトア
ントラセン(THAQ)(実施例3)を添加して酸
素漂白を行ない、次いで二酸化塩素漂白を行なつ
た。 比較例1は塩素処理したパルプに苛性ソーダを
添加した(対パルプ3.12%)パルプを酸素だけを
用いて漂白を行ない、次いで二酸化塩素漂白を行
なつた例である。 比較例2は、最終白色度を実施例1〜3に合せ
るべく、O/P段での漂白条件及びD段での添加
率を増加して行なつた例である。 その結果を次の第1表に示す。 (なお、表中添加化合物とは環状ケト化合物又は
環状アミノ化合物の種類を示す。以下同様。
する。 (従来技術) リグノセルロース物質を多くの用途に使用する
ためには、化学的あるいは機械的作用により得ら
れたパルプを漂白する必要がある。クラフトパル
プを包装質材のような白さを必要としない用途に
使う場合を除いては、通常、塩素、次亜塩素酸塩
(ハイボ)、二酸化塩素、酸素、過酸化水素、苛性
ソーダ等の漂白剤及び漂白助剤により漂白して、
未晒パルプの着色原因物質である残留リグニン等
を除去する必要がある。 強度を要求される化学パルプの漂白において
は、パルプ繊維自体の強度を高く保つために、炭
水化物(セルロース等)の分解に及ぼす影響を最
小にするよう、過激な一段の静的な漂白を避け、
温和に漂白剤・漂白条件を変えていく多段漂白を
採るのが一般的である。 通常、最初に塩素処理でリグニンを塩素化し可
溶性を付加した後次にアルカリでリグニンを溶解
抽出する。この後更に、次亜塩素酸塩、二酸化塩
素等を用いて、残留する少量のリグニン等を分解
除去し、白色度の高いパルプを得る。 塩素処理をC、アルカリ処理をE、次亜塩素酸
処理をH、二酸化塩素処理をD、過酸化水素処理
をPとして表わすと、この漂白工程(漂白シーケ
ンス)は、使用する漂白剤及び/又は漂白助剤の
順序にしたがい、C−E−H−E−D,C−E−
D−E−D,C−E−H−D−P等の複数段の漂
白段で行われる。 しかしながら塩素系の漂白薬品を使用する従来
の方法では漂白排液中に塩素イオンを含むため廃
棄物の燃焼回収法を利用することができず、排液
処理を凝集沈殿、活性汚泥で処理しているのが実
情である。 近年開発された酸素漂白法はその漂白排液を蒸
解後のパルプの洗浄液に循環使用し最終的には蒸
解排液と共に燃焼回収することができ〔特開昭47
−5202号公報(米国特許第3759783号明細書に対
応)、特開昭49−7503号公報(米国特許第3843473
号明細書に対応)〕、現在日本も含め世界の紙パル
プの主要生産国において多数の酸素漂白装置が稼
動している。酸素漂白法は蒸解後のパルプを比較
的低濃度のアルカリ溶液に浸漬し、これを絞つて
パルプ濃度を上げた後よくほぐして、加熱加圧下
の反応器中に酸素を圧入してパルプ中の残存リグ
ニン、樹脂等を酸化分解し、アルカリで可溶化し
てパルプ漂白を行なうものである(The
Bleaching of Pulp、P159〜209、Tappi
Press1979)。 この酸素漂白法(O2段)は従来の塩素系の漂
白法と組み合わされ、完全晒パルプのみならず、
半晒パルプの製造に応用されている。例えば特公
昭47−7202号公報(米国特許第3652388号明細書
に対応)にはO2−C/D−Eの漂白シークエン
スが、特公昭47−10241号公報(西ドイツ公開特
許第1947931号明細書に対応)にはC/D(D)−
O2−D−E−Dの漂白シークエンスが、特公昭
47−44441号公報(英国特許第1342580号明細書に
対応)にはO2−(C,DC/D)−O2−Eから構成
される漂白シークエンスが、特公昭51−17605号
公報(カナダ国特許第992265号明細書に対応)に
はO2−D/C−E−Dから構成される漂白シー
クエンスが提案されている。Paper Trade
Journal/August5,1968 P49〜P53及びTappi
Vol54No.11(1971)、P1893〜P1898には酸素漂白
と塩素系漂白剤による各種の漂白シークエンスが
提案されており、これらの方法は塩素系排水の低
減、環境保護に大きく貢献している。 この酸素段での酸化分解反応の程度は主として
漂白時の温度及び酸素圧力に比例し、高温である
程、酸素圧力が高い程反応には好都合である。 しかしこの方法の欠点は、酸化条件を強化する
と漂白効果は向上するがセルロース等が部分的に
解重合を起こし、パルプの機械的性質の低下をも
たらすことになることである。この酸素漂白の欠
点を補うために保護剤が開発され特公昭42−2003
号公報(米国特許第3384533号明細書に対応)、特
公昭47−4722号公報(米国特許第3657065号明細
書に対応)には炭酸マグネシウム、アルカリ金属
ホウ酸塩、二酸化チタン、シリカ、アルカリ金属
ケイ酸塩、アルカリ土類金属ケイ酸塩等の無機塩
が、特公昭47−9203号公報(米国特許第3652386
号明細書)にはマグネシウム錯塩が有効であるこ
とが開示され、特開昭48−9370号公報および特開
昭49−133601号公報(米国特許第3951732号明細
書に対応)にはトリエタノールアミン塩が有効で
あることが示されている。トリエタノールアミン
塩はマグネシウム塩と比較して水に完全に溶解す
るのでセルロース等の解重合の保護剤としては有
効であるが、漂白パルプの懸濁液中に鉄イオンが
存在するとトリエタノールアミン−鉄イオン錯化
合物を形成し触媒的な効果により逆にセルロース
等の解重合を促進させ、パルプの粘度を著るしく
低下させる欠点がある。 リグノセルロース物質のアルカリ酸素漂白法に
おいて環状ケト化合物、すなわちキノン系化合物
を添加する方法は特開昭51−109303号公報、特開
昭51−119801号公報(カナダ国特許第1088261号
明細書に対応)に提案されているが、これらの発
明の目的は酸素漂白法における収率低下をキノン
系化合物の添加によつて回復しようとするもので
あり、パルプの白色度をも相乗的に向上させるこ
とを目的とするものではない。 リグノセルロース物質のアルカリ酸素漂白法に
おいて酸素漂白の促進剤として過酸化物を併用す
ることは特公昭47−9204号公報(米国特許第
3694309号明細書に対応)、米国特許第3719552号
明細書、特開昭52−77202号公報及び
1982International Sulfite Pulping Conference
(Toronto Canada)Preprint P143〜148に提案
されている。この過酸化物と酸素と併用する方法
はリグノセルロース物質が酸素と接触する時間が
短かくても十分な白色度が得られ、一定白色度で
比較しした場合従来法に比較してセルロース等の
解重合の程度が少なく、高粘度のパルプを製造す
ることができ、しかも酸素過酸化物併用漂白法は
低酸素圧ほど有効であり、酸素漂白で通常使用さ
れている耐圧容器を必ずしも必要としない利点が
ある。 しかしながら本発明者等は酸素過酸化物併用漂
白法について多角的に検討した結果、この漂白法
では低酸素圧でも過酸化物の漂白促進効果により
酸素圧を上げた酸素漂白法と同等の白色度を保証
できるという特徴を有しているが、この低酸素圧
の酸素過酸化物併用漂白法(以下O/P又はO/
P段という)だけでは、たとえばパルプの白色度
約65%(ハンター値)を達成するには困難であ
る。又酸素圧を10Kg/cm2以上に上げた高酸素圧の
場合には、O/P段後のパルプの白色度を65%程
度まで向上させることは可能であるが、セルロー
ス等の解重合反応も著しく促進させるため、収率
の低下及び強度の低下を抑制することは極めて困
難であることを知得した。 (発明の目的) 本発明は上記した酸素過酸化物併用漂白法の利
点を生かし、反面その欠点を解決するためになさ
れたもので、その目的は高い強度及び白色度の漂
白パルプが得られる漂白法を提供することであ
る。 更に他の目的は高強度漂白パルプを提供するこ
とであり、更に他の目的は必ずしも耐圧容器を必
要としない低圧法の漂白法を提供することであ
り、更に別の目的はCOD負荷の小さい漂白法を
提供することであり、更に別の他の目的は以下の
記載から明らかになるであろう。 (発明の構成) 本発明は、リグノセルロース物質を塩素で処理
し、ついでアルカリ性媒体中で酸素及び過酸化物
で処理することを特徴とするリグノセルロース物
質の漂白方法であり、更に前記処理を行つた後第
3工程として次亜塩素酸塩による処理又は二酸化
塩素による処理を引き続いて行うことを特徴とす
るリグノセルロース物質の漂白方法である。 すなわち、本発明は、リグノセルロース物質の
漂白工程として塩素処理工程(C段)と酸素及び
過酸化物による処理工程(O/P段)とを組み合
わせることにより、強度の大きい漂白パルプの安
価な製造が可能となる。O/P段を環状ケト化合
物及び/又は環状アミノ化合物の存在下に行うこ
とにより収率を高め、高強度の漂白パルプをより
安価に製造することができる。 また、C段に続くO/P段では酸素のみによる
処理工程(O段)に較べて漂白反応が促進される
ため、次の次亜塩素酸塩による処理工程(H段)、
または二酸化塩素による処理工程(D段)に供給
されるパルプの白色度が高くなつている。従つて
同一漂白度のパルプを得るためのH段またはD段
における薬品の使用量を低減でき、あるいは漂白
シーケンスの短縮が可能となる。 なお、パルプの高い漂白度が要求されない場合
には、塩素処理工程(C段)と酸素及び過酸化物
による処理工程のみでよいことは勿論である。 次に本発明を構成する要素について詳説する。 塩素処理工程(C段) C段は塩素単独による処理または塩素と二酸化
塩素との併用処理でもよい。塩素の添加率はパル
プのカツパー価当り0.1〜0.3%、好ましくは0.2〜
0.25%である。処理温度は10〜40℃、好ましくは
20〜30℃である。パルプ濃度は1〜10%、好まし
くは3〜5%である。処理時間は30〜90分、好ま
しくは45〜60分である。処理浴のPHは3.0以下が
好ましい。 塩素段に二酸化塩素を併用する場合にはClO2
の置換率は0〜90%、好ましくは5〜15%であ
り、ClO2の添加方法はシーケンシヤル、シリア
ルのいずれでもよい。 酸素・過酸化物処理工程(O/P段) 本発明の漂白系O/P段に使用される過酸化物
としては過酸化水素、過酸化ソーダ、過酢酸、t
−ブチルパーオキシド、m−クロルベンゾエー
ト、クメンヒドロパーオキシド、テトラヒドロフ
ランヒドロパーオキシド等の公知の過酸化物が使
用できる。また漂白系中で酸素と反応していわゆ
る“その場所”で過酸化物を生成する化合物、例
えばテトラヒドロフラン(α−テトラヒドロフラ
ンヒドロパーオキシドに変化)、クメン(クメン
ヒドロパーオキシドに変化)、アセトアルデヒド
(過酢酸に変化)等の薬品も使用することができ
る。 過酸化物の対パルプ当りの添加率は多い程本発
明の効果は発揮されるが、好ましくは対パルプ重
量当り0.1%〜10.0%(H2O2換算)程度であるが
更に好ましくは1.0%〜5.0%である。 本発明の漂白系のO/P段に使用される酸素と
しては、酸素および酸素富化空気のいずれもが使
用可能であるが、反応容器の容積、および加圧、
反応の効率を考慮するならば酸素ガスを使用する
のが好ましい。 本発明の効果を最大に発揮するには高圧(10
Kg/cm2以上)で実施するよりはむしろ酸素圧力が
低い方が効果が大きく、好ましくは1Kg/cm2〜10
Kg/cm2、更に好ましくは1Kg/cm2〜5Kg/cm2程度
である。 したがつて、比較的低圧で反応を実施できるの
で従来の高圧用の酸素漂白装置を必要とせず、縦
型、横型の反応装置のいずれもが使用可能であ
り、アツプフロー式の漂白塔の塔底から、あるい
はパルプが過酸化物と混合されるミキサーに酸素
を圧入してもよい。 O/P段において必要に応じて使用される環状
ケト化合物又は環状アミノ化合物を例示すると、
環状ケト化合物としては、ベンゾキノン、ナフト
キノン、アントラキノン、アントロン、フエナン
トレンキノン並びに前記キノン系化合物のアルキ
ル、アミノ及びハイドロキシ誘導体等の核置換
体、前記化合物のヒドロ誘導体並びにそれらの互
変異性体が好適であり、又ナフトキノン及びベン
ゾキノンの非置換及び低級アルキル置換デイール
ス−アルダー反応付加物からなる群から選ばれる
9,10−ジケトヒドロアントラセン又は9,10−
ジオキシヒドロアントラセン系化合物から適宜選
ぶことができる。 9,10−ジケトヒドロアントラセン系化合物と
しては1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9,10
−ジケトアントラセン、1,4,4a,5,8a,
9a,10a−オクタヒドロ−9,10−ジケトアント
ラセン及び1,4−ジオキシ−9,10−ジケトア
ントラセンが適している。9,10−ジオキシヒド
ロアントラセン系化合物としては1,4−ジヒド
ロ−9,10−ジオキシアントラセン、1,4,
5,8−テトラヒドロ−9,10−ジオキシアント
ラセン、1,4,5,8,8a,10a−ヘキサヒド
ロ−9,10−ジオキシアントラセン又はこれらの
ナトリウム塩が適している。 環状アミノ化合物(含窒素複素環式化合物)と
してはフエナジン、ジヒドロフエナジン、キノキ
サリンおよびこれらのアルキル、アルコキシ、ヒ
ドロキシ、カルボキシ、アミノ誘導体である。 これらの化合物の対パルプ当りの添加量は0.01
〜5重量%好ましくは0.02〜3.0%程度である。 本発明の漂白系のO/P段に適用されるパルプ
濃度は1〜35%(重量)、好ましくは5〜20%程
度であり、アルカリ性媒体または過酸化物混合後
のパルプ濃度は1〜20%程度が好ましい。漂白温
度は70〜160℃、好ましくは80〜150℃程度であ
る。反応時間は5〜120分、好ましくは20〜90分
である。反応圧力は1〜10Kg/cm2、好ましくは1
〜5Kg/cm2である。 本発明の漂白系のO/P段に使用されるアルカ
リ性媒体例えば水溶液のアルカリ薬品としては水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、アンモニア、クラフト法白液、酸化白
液、緑液、酸化緑液、四ホウ酸ナトリウム、メタ
ホウ酸ナトリウム等であり、対パルプ当りのアル
カリ添加量はNa2O換算で0.5〜3.0%が好ましい。 本発明のO/P段の漂白を実施するに当つては
公知のO/P段の操作方法が採用され、又O/P
段を環状ケト化合物又は環状アミノ化合物の存在
下で行う場合には環状ケト化合物又は環状アミノ
化合物を含有する過酸化物溶液をアルカリ性に保
持されているパルプに含浸させ、次いで酸素加圧
してもよいし、あるいは前記化合物を含有するア
ルカリ性に保持されているパルプに過酸化物溶液
を添加して、次いで酸素加圧してもよく、更には
前記化合物を含有するアルカリ性に保持されてい
るパルプに対して酸素加圧し、次いで過酸化物溶
液を数次に分けて分割添加してもよく、種々の方
法が適用される。 次亜塩素酸処理工程(H段)、または二酸化塩
素処理工程(D段) H段に使用される次亜塩素酸塩としてはそのソ
ーダ塩、カルシウム塩が使用されるが、通常はソ
ーダ塩が使用される。次亜塩素酸ソーダの濃度は
対パルプ当り1〜8%、好ましくは2〜5%、温
度は30〜80℃、好ましくは40〜60℃、パルプ濃度
は5〜20%、好ましくは10〜15%、時間は30〜
180分、好ましくは60〜120分、PHは8.5〜11.0、
好ましくは9〜10で、PHが前記の値に維持できる
ように、苛性ソーダを添加する。 D段における二酸化塩素の濃度は対パルプ当り
0.3〜2.0%(ClO2として)、好ましくは1〜1.5%
である。処理温度は60〜90℃、好ましくは70〜80
℃である。処理時間は100〜200分、好ましくは
150〜180分である。処理浴のPHは2〜6、好まし
くは3〜4である。処理中はPHを前記の値に維持
できるように硫酸あるいは苛性ソーダーを添加し
て調整する。 本発明の漂白の対象となるリグノセルロース物
質はGP(砕木パルプ)、RMP(リフアイナーメカ
ニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパル
プ)、CGP(ケミグラウンドパルプ)、SCP(セミ
ケミカルパルプ)、SP(サルフアイトパルプ)、
KP(クラフトパルプ)、AP(アルカリパルプ)、古
紙パルプ(脱墨された二次繊維)等であり、木材
パルプ、非木材パルプいずれにも適用可能である
ことは言うまでもない。 次に、本発明を実施例について説説明するが、
本発明はこれによりなんら限定されるものではな
い。 以下に示す実施例において、リグノセルロース
物質のC段、O/P段及びH段の漂白実験及びパ
ルプの物理的性質の測定は、特に示さない限り次
の操作手段よつた。 塩素漂白(C段)実験 針葉樹パルプ(ダグラスフアー)200g(絶乾)
をポリ弗化エチレンの袋に取り、カツパー価に比
例した所定量(カツパー価×0.2%)の塩素液ま
たは塩素と二酸化塩素との混合液を加え、よく撹
拌後、25℃の温度で1時間反応させた。反応終了
後試料を取り出し遠心脱水洗滌した。 酸素漂白(O/P段)実験 前段で処理されたパルプ100g(絶乾)をポリ
弗化エチレン製の袋に取り、カツパー価に比例し
た(カツパー価×0.1%)所定のアルカリ量及び
所定量の過酸化物並びに所定量の環状状ケト化合
物、環状アミノ化合物を加え、更にパルプ濃度が
15%になるよう所定量の水を加え、よく撹拌後10
回転式オートクレーブの中へパルプを入れたオ
ートクレーブ内の空気を酸素で置換し、次いで酸
素を所定の圧になる迄圧入した。オートクレーブ
を加熱して60℃から所定温度まで30分間で昇温
し、所定温度で所定時間反応させた。反応終了後
試料を取り出し遠心脱水洗浄した。 次亜塩素酸ソーダ漂白(H段)実験 遠心脱水洗浄したO/P段パルプをポリ弗化エ
チレン製の袋に取り、対パルプ当り1%の苛性ソ
ーダ及び所定量の次亜塩素酸ソーダを加え、更に
パルプ濃度が10%になるよう所定量の水を加えよ
く撹拌後、40℃の温度で2時間反応させた。反応
終了後試料を取り出し遠心脱水洗浄した。 パルプの物理的性質の測定 パルプの物理的性質については、遠心脱水洗浄
したパルプをPFIミルでカナデイアンフリーネス
600c.c.に叩解し、TAPPI試験法T205os−71
(JISP8209)に従つて手抄した秤量60g/m2のシ
ートで測定した。なお、各々の試験法については
次の方法に従つて行なつた。 白色度 JIS P8123 又下記の測定は製紙用パルプの強さ試験方法
(JIS P8210)に従い 裂断長 JIS P8113 比破裂 JIS P8112 比引裂 JIS P8116 の各々の装置を用いて行なつた。 漂白排水負荷量 パルプ漂白排水の化学的酸素消費量(COD)
をその指標として、JIS K 0102−1974に従つて
測定した。 実施例1〜3及び比較例1,2 実施例1〜3はカツパー価31.2の針葉樹材ダグ
ラスフアーパルプを塩素処理し、次いで過酸化物
として過酸化水素を苛性ソーダ(対パルプ3.12
%)と共に使用して酸素漂白を行ない、次いで二
酸化塩素漂白を行なつた。 実施例2及び3では環状ケト化合物として9,
10−アントラキノン(AQ)(実施例2)及び1,
4,4a,9a−テトラヒドロ−9,10−ジケトア
ントラセン(THAQ)(実施例3)を添加して酸
素漂白を行ない、次いで二酸化塩素漂白を行なつ
た。 比較例1は塩素処理したパルプに苛性ソーダを
添加した(対パルプ3.12%)パルプを酸素だけを
用いて漂白を行ない、次いで二酸化塩素漂白を行
なつた例である。 比較例2は、最終白色度を実施例1〜3に合せ
るべく、O/P段での漂白条件及びD段での添加
率を増加して行なつた例である。 その結果を次の第1表に示す。 (なお、表中添加化合物とは環状ケト化合物又は
環状アミノ化合物の種類を示す。以下同様。
【表】
実施例4〜6及び比較例3,4
実施例4〜6はC段及びO/P段は実施例1〜
3の場合と同一の条件で漂白した後、次いで次亜
塩素酸漂白を行なつた例である。比較例3,4は
C段及びO/P段は比較例1,2の場合と同一の
条件で漂白し、次いで次亜塩素酸漂白を行なつた
例である。なおパルプはカツパー価31.2の針葉樹
材ダグラスフアーパルプを用いた。その結果を第
2表に示す。
3の場合と同一の条件で漂白した後、次いで次亜
塩素酸漂白を行なつた例である。比較例3,4は
C段及びO/P段は比較例1,2の場合と同一の
条件で漂白し、次いで次亜塩素酸漂白を行なつた
例である。なおパルプはカツパー価31.2の針葉樹
材ダグラスフアーパルプを用いた。その結果を第
2表に示す。
【表】
【表】
(発明の効果)
前記第1表、第2表の結果から明らかなように
C−O/P−D、C−O/P−Hシーケンスの差
にかかわりなく、C−O−DあるいはC−O−H
シーケンスと比較して、C−O/P−Dあるいは
C−O/P−Hシーケンスでパルプを漂白した場
合、C−O/P後のパルプのPN価が低く、かつ
白色度が高いために、D段での二酸化塩素あるい
はH段でのハイポ添加量が少なくても最終白色度
を同一にでき、したがつて薬品費が削減できる。
更にD段での二酸化塩素添加量あるいはH段での
ハイポ添加量を減少できることにより、D段ある
いはH段で漂白が穏やかになるため、セルロー
ス、ヘミセルロースの崩壊が抑制され、パルプの
強度、とりわけ比引裂強さの高いパルプを得るこ
とができる。 また、O段にH2O2を併用することにより、O
段では塩素化されたパルプのアルカリ抽出、酸素
による脱リグニン及びH2O2によるパルプの白色
化とO/P−段で三つの役割をするため、通常白
色段84〜85%(ハンター値)を得るのに必要な五
段の漂白段数を三段にすることができる。そのた
め動力費及びエネルギーの削減が可能となる。し
かもO/P段に環状ケト化合物あるいは環状アミ
ノ化合物を併用した場合には、上記の効果は、よ
り一層顕著となる。
C−O/P−D、C−O/P−Hシーケンスの差
にかかわりなく、C−O−DあるいはC−O−H
シーケンスと比較して、C−O/P−Dあるいは
C−O/P−Hシーケンスでパルプを漂白した場
合、C−O/P後のパルプのPN価が低く、かつ
白色度が高いために、D段での二酸化塩素あるい
はH段でのハイポ添加量が少なくても最終白色度
を同一にでき、したがつて薬品費が削減できる。
更にD段での二酸化塩素添加量あるいはH段での
ハイポ添加量を減少できることにより、D段ある
いはH段で漂白が穏やかになるため、セルロー
ス、ヘミセルロースの崩壊が抑制され、パルプの
強度、とりわけ比引裂強さの高いパルプを得るこ
とができる。 また、O段にH2O2を併用することにより、O
段では塩素化されたパルプのアルカリ抽出、酸素
による脱リグニン及びH2O2によるパルプの白色
化とO/P−段で三つの役割をするため、通常白
色段84〜85%(ハンター値)を得るのに必要な五
段の漂白段数を三段にすることができる。そのた
め動力費及びエネルギーの削減が可能となる。し
かもO/P段に環状ケト化合物あるいは環状アミ
ノ化合物を併用した場合には、上記の効果は、よ
り一層顕著となる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 リグノセルロース物質を塩素で処理し、つい
でアルカリ性媒体中で酸素及び過酸化物で処理す
ることを特徴とするリグノセルロース物質の漂白
方法。 2 リグノセルロース物質を塩素で処理し、つい
でアルカリ性媒体中で酸素及び過酸化物で処理し
た後更に次亜塩素酸塩で処理することを特徴とす
るリグノセルロース物質の漂白方法。 3 リグノセルロース物質を塩素で処理し、つい
でアルカリ性媒体中で酸素及び過酸化物で処理し
た後更に二酸化塩素で処理することを特徴とする
リグノセルロース物質の漂白方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13002184A JPS6112992A (ja) | 1984-06-26 | 1984-06-26 | リグノセルロ−ス物質の漂白方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13002184A JPS6112992A (ja) | 1984-06-26 | 1984-06-26 | リグノセルロ−ス物質の漂白方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6112992A JPS6112992A (ja) | 1986-01-21 |
| JPH0453991B2 true JPH0453991B2 (ja) | 1992-08-28 |
Family
ID=15024201
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13002184A Granted JPS6112992A (ja) | 1984-06-26 | 1984-06-26 | リグノセルロ−ス物質の漂白方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6112992A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5864381A (ja) * | 1981-10-09 | 1983-04-16 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 真空蒸着装置 |
| JP2812056B2 (ja) * | 1992-03-30 | 1998-10-15 | 王子製紙株式会社 | リグノセルロース物質の漂白方法 |
| EP0881326B1 (de) * | 1997-05-30 | 2001-10-17 | Papierfabrik Schoeller & Hoesch Gmbh & Co. Kg | Verfahren zur Herstellung von gebleichten Spezialzellstoffen |
| JP2002054083A (ja) * | 2000-08-07 | 2002-02-19 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 製紙用化学パルプの漂白方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5138508A (en) * | 1974-09-25 | 1976-03-31 | Harusuke Hayashi | Parupuno sansosankaseisei niokeru hogozai |
-
1984
- 1984-06-26 JP JP13002184A patent/JPS6112992A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6112992A (ja) | 1986-01-21 |
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