JPH0454553B2 - - Google Patents
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- JPH0454553B2 JPH0454553B2 JP61070383A JP7038386A JPH0454553B2 JP H0454553 B2 JPH0454553 B2 JP H0454553B2 JP 61070383 A JP61070383 A JP 61070383A JP 7038386 A JP7038386 A JP 7038386A JP H0454553 B2 JPH0454553 B2 JP H0454553B2
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- titanium
- steel
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は、接合性に優れたTiおよびTi合金の
圧延クラツド鋼板の製造法に関する。 (従来の技術) 従来、チタンクラツド鋼板は主として爆着法で
製造されており、製品の寸法、寸法精度、生産
性、製造コストの点で著しい制約を受けている。
最近、爆着後、圧延する爆着圧延法が提案され、
製造可能範囲と寸法精度が改善されつつあるが、
生産性や製造コストの面で難点が残されている。
この改善法として、圧延圧接によるいわゆる圧延
クラツド法の確立が望まれており、既にいくつか
の方法が示されている。 ここに、圧延クラツド法は、(清浄面の形成)
→(クラツド素材の組立)→(真空吸引による封
止、または不活性ガス注入後の封止)→(加熱)
→(圧延)の各工程から成るが、かかる圧延クラ
ツド法における問題点は、(1)母材と合材との間に
介在させるインサート材の選定、(2)溶接によるク
ラツド素材の組立てと真空引きもしくは不活性ガ
ス注入による封止、そして(3)圧延加熱温度であ
る。 チタンは他の元素と容易に金属間化合物を生成
し、チタンと完全な固溶体を形成する元素は
Mo、Nb、V、Zrなどの数元素に限られること
や、これらの元素が高価なこと、加工性が悪く
て、インサート材としての板状のものが得られな
いなどの制約がある。インサート材の役割りは、
チタンおよびチタン合金と母材との両方に接合性
が良く脆弱な金属間化合物を形成させないこと
と、母材中の炭素が拡散してチタンまたはチタン
合金中のチタンと反応してチタン炭化物を生成し
て接合性を劣化させないことである。現在では、
圧延加熱温度の調整によつて金属間化合物の生成
を最小限に抑えれば、かなりの接合性が得られる
ことが研究によつて明らかにされてきた。 しかし、母材からの炭素の拡散によるチタン炭
化物の形成は、接合強度を特に劣化させるので、
これは絶対にさけねばならない。かかる目的を達
成するにはインサート材を母材と合材との間に介
在させるのであるが、かかるインサート材とし
て、Ni、純鉄を使用する方法、極低炭素鋼を使
用する方法(特開昭56−122681号)、母材の合せ
材側を脱炭させる方法(特開昭59−220292号)、
Niメツキを利用する方法(特開昭53−10347号)
等が提案されている。NiはTi中での拡散が速い
ことや、拡散侵入してTiを圧延加熱および圧延
中にα相(hcp結晶構造)からβ相(bcc結晶構
造)に変態させ、Ti中へのNiの拡散を一層助長
するので、圧延温度の面で制約が大きくなるた
め、Niインサート材は、鉄系インサート材より
は不利である。 (発明が解決しようとする問題点) 鉄系インサート材を用いる場合においては、炭
素の拡散がNi中よりも著しく速いため、純鉄を
用いる場合や母材表面を脱炭させる方法ではこれ
を防ぎ得ないことが種々の研究結果から明らかと
なつた。また、特開昭56−122681号のように、母
材中およびインサート材中の炭素を固定するため
に炭素固定元素(Ti、Nb、Mo)を添加する方
法では過剰に炭素を含有するような炭素鋼や圧延
加熱中においても安定な炭化物として存在し得な
い合金鋼を母材とするようなクラツド鋼において
は界面でのチタン炭化物の生成を十分には防ぐこ
とができない。 特に、熱間圧延によつてクラツド鋼の板厚が減
少した後、熱間成型、溶接および歪取り焼鈍
(SR処理)などの再加熱が施される場合にはその
拡散は容易となる。このようにして生成したTiC
は非常に硬くて脆いため、このようにして得られ
るクラツド鋼の強度劣化は免れない。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、このような研究、検討結果か
ら、低炭素鋼に炭素固定元素を充分含有する極低
炭素合金鋼をチタン(チタン合金も含む)側のイ
ンサート材として用い、さらに母材からの炭素の
拡散侵入を防ぐためにNiを母材側のインサート
材として用いることにより、界面での金属間化合
物の生成を抑制しながら、しかも界面でのチタン
炭化物の生成を完全に防ぎ、接合性のすぐれた圧
延チタンクラツド鋼の製造が可能となることを知
り、本発明を完成した。 さらに、本発明においては、Nを母材側のイン
サート材として用いることにより、チタン側のイ
ンサート材として用いる極低炭素合金鋼の板厚を
薄くすることができ、コストの低減がはかられる
ので、その利益は大きい。 ここに、本発明の要旨とするのは、チタン系金
属の合せ材と、該合せ材に接合された炭素含有量
が0.05重量%以下で、さらに炭素固定元素として
Ti:0.01〜5.0%、Nb:0.05〜10%、V:0.01〜
20%、およびMo:0.05〜10%の1種または2種
以上を含有する低炭素合金鋼板と、該低炭素鋼板
に接合されたニツケル板と、該ニツケル板に接合
された母材鋼板とから構成されたチタン系金属ク
ラツド鋼である。 さらに別の面からは、本発明は、チタン系金属
の合せ材と母材鋼板を重ね合せて熱間圧延によつ
てクラツド鋼を製造する方法において、両部材間
に合せ材側に炭素含有量が0.05重量%以下で、さ
らに炭素固定元素としてTi:0.01〜5.0%、Nb:
0.05〜10%、V:0.01〜20%、およびMo:0.05〜
10%の1種または2種以上を含有する低炭素合金
鋼板を、さらに、母材鋼板側にニツケル板を介在
させてクラツド素材とし、これらの部材間の接合
面の酸素の供給が行われないように該クラツド素
材にシール溶接を行つた後、少なくとも上記チタ
ン系金属の合せ材と低炭素鋼板との接合面を非酸
化性雰囲気下において700〜870℃に加熱してから
圧延圧着することを特徴とするチタン系金属クラ
ツド鋼の製法である。 ここに、「チタン系金属」とは純チタンおよび
チタン基合金を包含するものである。 本発明にあつては、上記「低炭素合金鋼」とし
てはいわゆるステンレス鋼は、クロムを比較的多
量に含むことから排除される。 (作 用) 次に、本発明において合金組成ならびに処理条
件を次のように限定した理由を述べる。なお、本
明細書において、「%」は特にことわりのなり限
り、「重量%」である。 Cを0.05%以下としたのは、下に示す炭素固定
元素を有効に働かせるためであり、この量は低い
ことが望ましいが製鋼のコストの点から0.05%以
下とした。インサート材中の炭素の固定には、こ
の不純物として含有する炭素との化学当量に見合
うだけを添加すれば充分であるが、圧延加熱中、
もしくは圧延中にみられる炭化物の安定化を図つ
たり、母材から拡散してくる炭素を捕獲して、イ
ンサート材とチタンとの界面でのチタン炭化物の
生成を完全にさけるためには、Tiは0.01%以上、
好ましくは0.5%以上、Nb、V、Moはそれぞれ
0.05%以上、0.01%以上、および0.05%以上、好
ましくはNb、V、Moのいずれも0.3%以上を必
要とする。また、これら炭素固定元素の量が多い
程、炭素の捕獲、固定という点で有利であるが、
余り多量に含有すると、材質的に脆くなり、イン
サート材として板や箔体そのものが製造できなく
なることや、鉄との金属間化合物(TiFe2、
NbFe2、VFe)を形成してインサート材としての
強度を保てない。したがつて、本発明にあつて
は、Ti、Nb、V、Moの上限をそれぞれ5.0%、
10%、20%、10%とした。 SiおよびMnは良好なキルド鋼を得るために脱
酸材として添加するものであり、通常、それぞれ
0.01%、0.3%程度含有されるのであつて、本発
明にあつては特に制限されないが、過剰の添加は
インサート材の延性を損なうので、要すれば、そ
れぞれの上限は0.5%、および2.0%である。 Niインサート材の板厚は本発明において特に
制限されず、CのNi中の拡散を勘案すれば30μm
程度でも充分であるが、圧延加工中におけるイン
サート箔の切断による局所的な接合不良をさける
ためには50μm以上とするのが好ましい。 極低炭素合金鋼のインサート材の板厚は、
50μm板厚のNiインサート材を用いれば、30μm
以下としても界面でのチタン炭化物の生成はさけ
られるが、圧延加工中の切断による局所的な接合
不良をさけるためには、50μm以上必要となる。 両インサート材ともに板厚の上限を設ける必要
はないが、生産性、コストの面から5mm以下とな
ろう。 次に、添付図面を参照しながら本発明をさらに
詳細に説明する。 第1図は、本発明にかかるチタン系金属とのク
ラツド鋼板の製造過程にみられるクラツド素材の
斜視図である。最終的に得られるクラツド鋼にあ
つてもそのクラツド構造そのものは同一であるの
で、第1図によつて説明すると、母材鋼板1の上
にはインサート材であるニツケル板2が設けられ
ており、さらに別のインサート材である極低炭素
鋼板3が設けられている。そして、この極低炭素
鋼板3を介して合せ材であるチタン板がクラツド
されている。 前述のように、特に各板材の厚さは制限ない
が、好ましくは、最終材としてインサート材の合
計厚さは組合せ鋼板全長さの0.1〜10%程度、通
常は0.5〜3.0%程度とするのが良い。 次に、本発明にかかるクラツド鋼の製法につい
て説明すると、まず、母材鋼板、合せ材のチタン
材、インサート材であるニツケル板および極低炭
素鋼板を用意する。各接合すべき面は、脱脂等の
処理を経て可及的に清浄なものとするのがよい。 (1) 組立: 第1図に示すように各素材である鋼板1、ニツ
ケル板2、極低炭素鋼板3およびチタン板4を積
層化し、そのとき各インサート材およびチタン板
の大きさを母材鋼板よりわずかに小さなものとす
ことにより、母材上の各素材を別の極低炭素鋼板
であるカバー5で被覆し、各継目6を溶接してシ
ールして、クラツド素材7とする。インサート材
は合せ材(チタンまたはチタン合金)側は極炭素
鋼、母材鋼板側はNi板とする。 (2) 脱気: クラツド素材7を得てから吸引口8を経て内部
をロータリーポンプ等で脱気し、10-1Torr以下
の真空度とする。このときの真空脱気処理は少な
くともインサート材同士の接合面に行う。脱気処
理は加熱しながら脱気するとより容易に高真空と
なる。所定の脱気が終了したら吸引口8を溶断す
るなど適宜な手段で遮断する。 (3) 圧延: 圧延加熱温度は、圧延の観点から700℃以上で
ないとすぐれた接合強度を維持できない。また
870℃を超えると、Tiがβ相に変態してチタンの
腐食性が劣化することや、インサート材の主成分
である鉄のTiへの拡散を助長して、鉄とTiの金
属間化合物の生成が促進されて接合強度が劣化す
る。 かくして、本発明により製造されたクラツド鋼
にあつてはTiCの生成は実質上みられず、後熱処
理によつても強度低下はみられなかつた。 圧延終了後、カバーである鋼板を剥ぐことによ
つて目的とするチタン系金属クラツド鋼が得られ
る。 次に、本発明を実施例によつて説明する。 実施例 1 90mm板厚の50Kg級低合金高張力鋼(SS41相当)
を母材として10mm板厚の工業レベル純チタン
(JIS H 4600 1種相当)を合せ材として、板厚
50μmの極低炭素鋼インサート材と板厚50μmの
Niインサート材とを使用し、これら素材を第1
図の如く組立て、端部に設けた脱気孔よりロータ
リーポンプにて排気した。標準条件として
10-1Torr以下に減圧した後、脱気孔を溶接でふ
さぎ、800℃に5時間加熱し、圧下比5の条件で
圧延し、そののち剪断試験によつてその接合性を
評価した。 その結果は極低炭素鋼の組成とともに第1表に
示した。同表において剪断引張強度が15Kg/mm2以
上を接合性(〇)として表示するが、本発明によ
ればいずれもすぐれた接合性を示すのが分かる。
圧延クラツド鋼板の製造法に関する。 (従来の技術) 従来、チタンクラツド鋼板は主として爆着法で
製造されており、製品の寸法、寸法精度、生産
性、製造コストの点で著しい制約を受けている。
最近、爆着後、圧延する爆着圧延法が提案され、
製造可能範囲と寸法精度が改善されつつあるが、
生産性や製造コストの面で難点が残されている。
この改善法として、圧延圧接によるいわゆる圧延
クラツド法の確立が望まれており、既にいくつか
の方法が示されている。 ここに、圧延クラツド法は、(清浄面の形成)
→(クラツド素材の組立)→(真空吸引による封
止、または不活性ガス注入後の封止)→(加熱)
→(圧延)の各工程から成るが、かかる圧延クラ
ツド法における問題点は、(1)母材と合材との間に
介在させるインサート材の選定、(2)溶接によるク
ラツド素材の組立てと真空引きもしくは不活性ガ
ス注入による封止、そして(3)圧延加熱温度であ
る。 チタンは他の元素と容易に金属間化合物を生成
し、チタンと完全な固溶体を形成する元素は
Mo、Nb、V、Zrなどの数元素に限られること
や、これらの元素が高価なこと、加工性が悪く
て、インサート材としての板状のものが得られな
いなどの制約がある。インサート材の役割りは、
チタンおよびチタン合金と母材との両方に接合性
が良く脆弱な金属間化合物を形成させないこと
と、母材中の炭素が拡散してチタンまたはチタン
合金中のチタンと反応してチタン炭化物を生成し
て接合性を劣化させないことである。現在では、
圧延加熱温度の調整によつて金属間化合物の生成
を最小限に抑えれば、かなりの接合性が得られる
ことが研究によつて明らかにされてきた。 しかし、母材からの炭素の拡散によるチタン炭
化物の形成は、接合強度を特に劣化させるので、
これは絶対にさけねばならない。かかる目的を達
成するにはインサート材を母材と合材との間に介
在させるのであるが、かかるインサート材とし
て、Ni、純鉄を使用する方法、極低炭素鋼を使
用する方法(特開昭56−122681号)、母材の合せ
材側を脱炭させる方法(特開昭59−220292号)、
Niメツキを利用する方法(特開昭53−10347号)
等が提案されている。NiはTi中での拡散が速い
ことや、拡散侵入してTiを圧延加熱および圧延
中にα相(hcp結晶構造)からβ相(bcc結晶構
造)に変態させ、Ti中へのNiの拡散を一層助長
するので、圧延温度の面で制約が大きくなるた
め、Niインサート材は、鉄系インサート材より
は不利である。 (発明が解決しようとする問題点) 鉄系インサート材を用いる場合においては、炭
素の拡散がNi中よりも著しく速いため、純鉄を
用いる場合や母材表面を脱炭させる方法ではこれ
を防ぎ得ないことが種々の研究結果から明らかと
なつた。また、特開昭56−122681号のように、母
材中およびインサート材中の炭素を固定するため
に炭素固定元素(Ti、Nb、Mo)を添加する方
法では過剰に炭素を含有するような炭素鋼や圧延
加熱中においても安定な炭化物として存在し得な
い合金鋼を母材とするようなクラツド鋼において
は界面でのチタン炭化物の生成を十分には防ぐこ
とができない。 特に、熱間圧延によつてクラツド鋼の板厚が減
少した後、熱間成型、溶接および歪取り焼鈍
(SR処理)などの再加熱が施される場合にはその
拡散は容易となる。このようにして生成したTiC
は非常に硬くて脆いため、このようにして得られ
るクラツド鋼の強度劣化は免れない。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、このような研究、検討結果か
ら、低炭素鋼に炭素固定元素を充分含有する極低
炭素合金鋼をチタン(チタン合金も含む)側のイ
ンサート材として用い、さらに母材からの炭素の
拡散侵入を防ぐためにNiを母材側のインサート
材として用いることにより、界面での金属間化合
物の生成を抑制しながら、しかも界面でのチタン
炭化物の生成を完全に防ぎ、接合性のすぐれた圧
延チタンクラツド鋼の製造が可能となることを知
り、本発明を完成した。 さらに、本発明においては、Nを母材側のイン
サート材として用いることにより、チタン側のイ
ンサート材として用いる極低炭素合金鋼の板厚を
薄くすることができ、コストの低減がはかられる
ので、その利益は大きい。 ここに、本発明の要旨とするのは、チタン系金
属の合せ材と、該合せ材に接合された炭素含有量
が0.05重量%以下で、さらに炭素固定元素として
Ti:0.01〜5.0%、Nb:0.05〜10%、V:0.01〜
20%、およびMo:0.05〜10%の1種または2種
以上を含有する低炭素合金鋼板と、該低炭素鋼板
に接合されたニツケル板と、該ニツケル板に接合
された母材鋼板とから構成されたチタン系金属ク
ラツド鋼である。 さらに別の面からは、本発明は、チタン系金属
の合せ材と母材鋼板を重ね合せて熱間圧延によつ
てクラツド鋼を製造する方法において、両部材間
に合せ材側に炭素含有量が0.05重量%以下で、さ
らに炭素固定元素としてTi:0.01〜5.0%、Nb:
0.05〜10%、V:0.01〜20%、およびMo:0.05〜
10%の1種または2種以上を含有する低炭素合金
鋼板を、さらに、母材鋼板側にニツケル板を介在
させてクラツド素材とし、これらの部材間の接合
面の酸素の供給が行われないように該クラツド素
材にシール溶接を行つた後、少なくとも上記チタ
ン系金属の合せ材と低炭素鋼板との接合面を非酸
化性雰囲気下において700〜870℃に加熱してから
圧延圧着することを特徴とするチタン系金属クラ
ツド鋼の製法である。 ここに、「チタン系金属」とは純チタンおよび
チタン基合金を包含するものである。 本発明にあつては、上記「低炭素合金鋼」とし
てはいわゆるステンレス鋼は、クロムを比較的多
量に含むことから排除される。 (作 用) 次に、本発明において合金組成ならびに処理条
件を次のように限定した理由を述べる。なお、本
明細書において、「%」は特にことわりのなり限
り、「重量%」である。 Cを0.05%以下としたのは、下に示す炭素固定
元素を有効に働かせるためであり、この量は低い
ことが望ましいが製鋼のコストの点から0.05%以
下とした。インサート材中の炭素の固定には、こ
の不純物として含有する炭素との化学当量に見合
うだけを添加すれば充分であるが、圧延加熱中、
もしくは圧延中にみられる炭化物の安定化を図つ
たり、母材から拡散してくる炭素を捕獲して、イ
ンサート材とチタンとの界面でのチタン炭化物の
生成を完全にさけるためには、Tiは0.01%以上、
好ましくは0.5%以上、Nb、V、Moはそれぞれ
0.05%以上、0.01%以上、および0.05%以上、好
ましくはNb、V、Moのいずれも0.3%以上を必
要とする。また、これら炭素固定元素の量が多い
程、炭素の捕獲、固定という点で有利であるが、
余り多量に含有すると、材質的に脆くなり、イン
サート材として板や箔体そのものが製造できなく
なることや、鉄との金属間化合物(TiFe2、
NbFe2、VFe)を形成してインサート材としての
強度を保てない。したがつて、本発明にあつて
は、Ti、Nb、V、Moの上限をそれぞれ5.0%、
10%、20%、10%とした。 SiおよびMnは良好なキルド鋼を得るために脱
酸材として添加するものであり、通常、それぞれ
0.01%、0.3%程度含有されるのであつて、本発
明にあつては特に制限されないが、過剰の添加は
インサート材の延性を損なうので、要すれば、そ
れぞれの上限は0.5%、および2.0%である。 Niインサート材の板厚は本発明において特に
制限されず、CのNi中の拡散を勘案すれば30μm
程度でも充分であるが、圧延加工中におけるイン
サート箔の切断による局所的な接合不良をさける
ためには50μm以上とするのが好ましい。 極低炭素合金鋼のインサート材の板厚は、
50μm板厚のNiインサート材を用いれば、30μm
以下としても界面でのチタン炭化物の生成はさけ
られるが、圧延加工中の切断による局所的な接合
不良をさけるためには、50μm以上必要となる。 両インサート材ともに板厚の上限を設ける必要
はないが、生産性、コストの面から5mm以下とな
ろう。 次に、添付図面を参照しながら本発明をさらに
詳細に説明する。 第1図は、本発明にかかるチタン系金属とのク
ラツド鋼板の製造過程にみられるクラツド素材の
斜視図である。最終的に得られるクラツド鋼にあ
つてもそのクラツド構造そのものは同一であるの
で、第1図によつて説明すると、母材鋼板1の上
にはインサート材であるニツケル板2が設けられ
ており、さらに別のインサート材である極低炭素
鋼板3が設けられている。そして、この極低炭素
鋼板3を介して合せ材であるチタン板がクラツド
されている。 前述のように、特に各板材の厚さは制限ない
が、好ましくは、最終材としてインサート材の合
計厚さは組合せ鋼板全長さの0.1〜10%程度、通
常は0.5〜3.0%程度とするのが良い。 次に、本発明にかかるクラツド鋼の製法につい
て説明すると、まず、母材鋼板、合せ材のチタン
材、インサート材であるニツケル板および極低炭
素鋼板を用意する。各接合すべき面は、脱脂等の
処理を経て可及的に清浄なものとするのがよい。 (1) 組立: 第1図に示すように各素材である鋼板1、ニツ
ケル板2、極低炭素鋼板3およびチタン板4を積
層化し、そのとき各インサート材およびチタン板
の大きさを母材鋼板よりわずかに小さなものとす
ことにより、母材上の各素材を別の極低炭素鋼板
であるカバー5で被覆し、各継目6を溶接してシ
ールして、クラツド素材7とする。インサート材
は合せ材(チタンまたはチタン合金)側は極炭素
鋼、母材鋼板側はNi板とする。 (2) 脱気: クラツド素材7を得てから吸引口8を経て内部
をロータリーポンプ等で脱気し、10-1Torr以下
の真空度とする。このときの真空脱気処理は少な
くともインサート材同士の接合面に行う。脱気処
理は加熱しながら脱気するとより容易に高真空と
なる。所定の脱気が終了したら吸引口8を溶断す
るなど適宜な手段で遮断する。 (3) 圧延: 圧延加熱温度は、圧延の観点から700℃以上で
ないとすぐれた接合強度を維持できない。また
870℃を超えると、Tiがβ相に変態してチタンの
腐食性が劣化することや、インサート材の主成分
である鉄のTiへの拡散を助長して、鉄とTiの金
属間化合物の生成が促進されて接合強度が劣化す
る。 かくして、本発明により製造されたクラツド鋼
にあつてはTiCの生成は実質上みられず、後熱処
理によつても強度低下はみられなかつた。 圧延終了後、カバーである鋼板を剥ぐことによ
つて目的とするチタン系金属クラツド鋼が得られ
る。 次に、本発明を実施例によつて説明する。 実施例 1 90mm板厚の50Kg級低合金高張力鋼(SS41相当)
を母材として10mm板厚の工業レベル純チタン
(JIS H 4600 1種相当)を合せ材として、板厚
50μmの極低炭素鋼インサート材と板厚50μmの
Niインサート材とを使用し、これら素材を第1
図の如く組立て、端部に設けた脱気孔よりロータ
リーポンプにて排気した。標準条件として
10-1Torr以下に減圧した後、脱気孔を溶接でふ
さぎ、800℃に5時間加熱し、圧下比5の条件で
圧延し、そののち剪断試験によつてその接合性を
評価した。 その結果は極低炭素鋼の組成とともに第1表に
示した。同表において剪断引張強度が15Kg/mm2以
上を接合性(〇)として表示するが、本発明によ
ればいずれもすぐれた接合性を示すのが分かる。
【表】
実施例 2
極低炭素鋼組成(0.05%C−0.2%Si−0.3%
Mn)を標準組成として、それに0.02%Ti、0.05
%Nb、0.3%Vおよび0.06%Moを加えたインサ
ート材をそれぞれ使用し、実施例1の操作を繰り
返し、クラツド鋼を製造した。このとき圧延加熱
温度を種々変えて、それによる接合強度の変化を
みた。結果を第2図にグラフにまとめて示す。圧
延加熱温度は700〜870℃で15Kg/mm2以上の接合温
度が得られるのが分かる。 実施例 3 本例は、実施例1と同様にして厚さ50μmのNi
箔インサート材を使用しなかつた場合とそれを使
用した場合とについて、得られたクラツド鋼を
750℃で再加熱して歪取り焼鈍、つまりSR処理を
行つたときの処理時間と接合強度との関係を評価
した。結果は第3図にグラフにまとめて示す。
Niインサート材を使用すれば20時間加熱した後
でも15Kg/mm2以上の接合強度が確保されるのが分
かる。なお、この場合の圧延加熱は800℃で行い、
極低炭素鋼インサート材の組成は0.05%C−0.2
%Si−0.3%Mn−0.25%Nbであつた。 実施例 4 本例も実施例1を繰り返したが、本例では極低
炭素鋼インサート材の標準組成を0.05%C−0.05
%Si−0.3%Mn−Feとし、それにTi添加量を変
えたときのTi量に付する接合強度の影響をみた。
結果を第4図にグラフにまとめて示す。 同様にして、Nb、V、Moについてもそれぞれ
の添加量が接合強度に及ぼす影響をみた。結果を
第5図にグラフにまとめて示す。 第4図および第5図に示す結果からも分かるよ
うに、本発明によればいずれのC固定元素を添加
することによつても20Kgf/mm2以上の接合強度が
得られるのが分かる。
Mn)を標準組成として、それに0.02%Ti、0.05
%Nb、0.3%Vおよび0.06%Moを加えたインサ
ート材をそれぞれ使用し、実施例1の操作を繰り
返し、クラツド鋼を製造した。このとき圧延加熱
温度を種々変えて、それによる接合強度の変化を
みた。結果を第2図にグラフにまとめて示す。圧
延加熱温度は700〜870℃で15Kg/mm2以上の接合温
度が得られるのが分かる。 実施例 3 本例は、実施例1と同様にして厚さ50μmのNi
箔インサート材を使用しなかつた場合とそれを使
用した場合とについて、得られたクラツド鋼を
750℃で再加熱して歪取り焼鈍、つまりSR処理を
行つたときの処理時間と接合強度との関係を評価
した。結果は第3図にグラフにまとめて示す。
Niインサート材を使用すれば20時間加熱した後
でも15Kg/mm2以上の接合強度が確保されるのが分
かる。なお、この場合の圧延加熱は800℃で行い、
極低炭素鋼インサート材の組成は0.05%C−0.2
%Si−0.3%Mn−0.25%Nbであつた。 実施例 4 本例も実施例1を繰り返したが、本例では極低
炭素鋼インサート材の標準組成を0.05%C−0.05
%Si−0.3%Mn−Feとし、それにTi添加量を変
えたときのTi量に付する接合強度の影響をみた。
結果を第4図にグラフにまとめて示す。 同様にして、Nb、V、Moについてもそれぞれ
の添加量が接合強度に及ぼす影響をみた。結果を
第5図にグラフにまとめて示す。 第4図および第5図に示す結果からも分かるよ
うに、本発明によればいずれのC固定元素を添加
することによつても20Kgf/mm2以上の接合強度が
得られるのが分かる。
第1図は、クラツド素材の斜視図;および第2
図ないし第5図は、本発明の各実施例の結果を示
すグラフである。 1:母材鋼板、2:Ni板、3:低炭素鋼板、
4:チタン板、5:カバー、6:継目、7:クラ
ツド素材、8:吸引口。
図ないし第5図は、本発明の各実施例の結果を示
すグラフである。 1:母材鋼板、2:Ni板、3:低炭素鋼板、
4:チタン板、5:カバー、6:継目、7:クラ
ツド素材、8:吸引口。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 チタン系金属の合せ材と、該合せ材に接合さ
れた炭素含有量が0.05重量%以下で、さらに炭素
固定元素としてTi:0.01〜5.0%、Nb:0.05〜10
%、V:0.01〜20%、およびMo:0.05〜10%の
1種または2種以上を含有する低炭素合金鋼板
と、該低炭素鋼板に接合されたニツケル板と、該
ニツケル板に接合された母材鋼板とから構成され
たチタン系金属クラツド鋼。 2 チタン系金属の合せ材と母材鋼板を重ね合せ
て熱間圧延によつてクラツド鋼を製造する方法に
おいて、両部材間に合せ材側に炭素含有量が0.05
重量%以下で、さらに炭素固定元素としてTi:
0.01〜5.0%、Nb:0.05〜10%、V:0.01〜20%、
およびMo:0.05〜10%の1種または2種以上を
含有する低炭素合金鋼板を、さらに、母材鋼板側
にニツケル板を介在させてクラツド素材とし、こ
れらの部材間の接合面に酸素の供給が行われない
ように該クラツド素材にシール溶接を行つた後、
少なくとも上記チタン系金属の合せ材と低炭素鋼
板との接合面を非酸化性雰囲気下において700〜
870℃に加熱してから圧延圧着することを特徴と
するチタン系金属クラツド鋼の製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7038386A JPS62227586A (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | チタン系金属クラツド鋼とその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7038386A JPS62227586A (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | チタン系金属クラツド鋼とその製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62227586A JPS62227586A (ja) | 1987-10-06 |
| JPH0454553B2 true JPH0454553B2 (ja) | 1992-08-31 |
Family
ID=13429864
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7038386A Granted JPS62227586A (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | チタン系金属クラツド鋼とその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62227586A (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5927676B2 (ja) * | 1980-02-29 | 1984-07-07 | 株式会社日本製鋼所 | 圧延圧着によるチタン又はチタン合金クラッド鋼板の製造方法 |
| JPS60203376A (ja) * | 1984-03-28 | 1985-10-14 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | チタンクラツド材の製造方法 |
-
1986
- 1986-03-28 JP JP7038386A patent/JPS62227586A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62227586A (ja) | 1987-10-06 |
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