JPH0458412B2 - - Google Patents
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- JPH0458412B2 JPH0458412B2 JP26288985A JP26288985A JPH0458412B2 JP H0458412 B2 JPH0458412 B2 JP H0458412B2 JP 26288985 A JP26288985 A JP 26288985A JP 26288985 A JP26288985 A JP 26288985A JP H0458412 B2 JPH0458412 B2 JP H0458412B2
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- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、緻密で欠陥の少ない誘電体磁器材
料、例えばマイクロ波通信機器用誘電体共振器や
分波器、あるいはマイクロストリツプ回路用基板
などを得るための誘電体材料の製造方法に関する
ものである。 〔従来の技術〕 例えば数種の金属アルコキシドのみを用い、こ
れらの加水分解によつて得られる微粉末を原料と
して用いることにより緻密な誘電体磁器が得られ
ること、そしてこれらのBaTiO3やSrTiO3の合成
については特公昭59−39724、特公昭59−39725号
外各種文献などで公知である。そして組成式、
SrZr1-xTixO3(0≦x≦1)で表わされる磁器材
料は、従来よりコンデンサーなどに使用される誘
電体材料として広く知られ、特に、高誘電率でか
つ誘電率の温度変化の小さい上式中0≦x≦0.1
なる範囲の磁器材料は、マイクロ波通信用誘電体
として知られている。たとえばジヤーナル オブ
ザ アメリカン セラミツクソサエテイ、7巻56
頁352〜354頁、”High−permittivity
Temperature−Stable Ceramic Dielectrics
withLow Microwave Loss”(アール シー
ケル、ゼネラルエレクトリツク社中央研究所)に
よれば、誘電率の温度係数が0になる組成は、
1.6KHzで−50〜+100℃での平均については0.043
<x<0.048の範囲にあり、4GHzで0〜60℃での
平均については0.060<x<0.063の範囲である。
また、SrZr0.955Ti0.045O3の1.6KHz、4GHzにおけ
る比誘電率は、それぞれ34.2、33.9である。 また、上記、Sr−Zr−Ti−O系誘電体磁器材
料の製造方法としては、固相反応により原料粉末
を得たものを用いる乾式法が一般的であり、固相
反応後ボールミル粉砕して得られる原料粉末の平
均粒径は、0.5μm程度であつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 かかるSrZr1-xTixO3(0≦x≦0.15)の組成式
を、Sr1-〓Zr1-xTixO3-〓のように表わしたばあい、
δの値が正の値から0に近づくにつれて焼結性が
著しくわるくなるという性質を有している。ま
た、δの値が充分0に近くならなければマイクロ
波の損失が大きいという性質があることを本発明
者らは見出している。そして又δが充分に0に近
い磁器材料は、1600℃の温度で焼成しても緻密な
焼結体が得られないことを、本発明者らは乾式法
による実験の結果見い出している。従来は、この
ため、焼結助剤を添加して焼結性を向上させてい
たが、焼結助剤の添加量が多くなるにつれかえつ
て上記損失が大きくなり、メリツトが得られな
い。 さらに、上記従来の乾式法による誘電体磁器を
微視的に見ると、組成が不均一であつたり、粒径
が大きくなることにより気孔率が比較的高くなる
ことに起因して、誘電率やマイクロ波の損失など
の特性が変動し充分にそれらの特性が発揮されて
いないことがある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は上記のような問題点を解消するために
なされたもので、1600℃以下の焼成で、マイクロ
波の高周波帯域の損失が小さくそして、組成のば
らつきの小さな緻密な焼結体を得ることを可能に
する、即ち易焼結性でしかも組成が均一なる誘電
体材料の製造方法を提供するものである。 即ち本発明は、組成式、SrZr1-xTixO3(0≦x
≦0.15)で表わされる誘電体磁器を得るための誘
電体粉末の製造方法において、アルコールと反応
して金属アルコキシドを形成する金属ストロンチ
ウムおよびチタンテトラアルコキシド、ならびに
アルコールに可溶な無機ジルコニウム化合物を40
℃以上アルコールの沸点以下の温度範囲に保持し
たアルコール溶液中にて溶解、撹拌する工程、該
アルコール溶液を上記温度範囲において加水分解
し共沈させる工程、及び得られる沈澱物を水−ア
ルコール混合物溶液から分離して乾燥後500°〜
1000℃の温度範囲内で加熱処理を行い微粉末化す
る工程を有することを特徴とする誘電体材料の製
造方法である。 本発明においては、上記の如くアルコールと反
応して金属アルコキシドを形成する金属、ならび
に金属アルコキシドと共に、無機金属化合物をア
ルコールに溶解混合し、同時に加水分解すること
により、上記金属アルコキシドのみの場合と同等
の粒径の均一な微粉末材料が得られる。また、微
粉末材料であることによりその表面活性が増大し
結果的に焼結性が向上し、従来難焼結性とされる
SrZr1-xTixO3(0≦x≦0.15)なる組成のものに
あつて、具体的に1600℃以下の焼成で緻密な焼結
体が得られる。上記xの範囲は、焼結性がよく、
しかもマイクロ波の諸特性が良好である0.15以下
に限定される。ところで、SrZr1-xTixO3(0≦x
≦0.15)組成の誘電体磁器は、誘電率の温度係数
がxが増加するにしたがい、マイナス側に大きく
変化し、誘電率は増加することが知られている。
したがつて、比較的誘電率を大きく、温度係数を
小さくするには、プラスの温度係数を有する添加
物、例えばY2O3を添加することが有効である。
しかし他方かかるY2O3の添加はその焼結性を低
下させることになり1600℃以下の焼成では緻密な
焼結体が得られず充分な特性が引き出せないのが
普通である。本発明においては上述のように易焼
結性であることから前述したような問題点を解消
することもできる。 さらに、本発明における出発原料が、それらの
加水分解速度が同程度であることによる沈澱組成
の均一化も上記の目的のために有効である。 次に本発明においては、高価なストロンチウム
アルコキシドを用いず、アルコールと簡単に直接
反応して金属アルコキシドを形成する比較的安価
な金属ストロンチウムを使用している点コスト的
に有利である。 更に本発明における上記チタンアルコキシド
は、安価で、しかも液体であるためアルコールな
どへの溶解性がよく使用しやすい。次に金属アル
コキシドが高価でまた金属アルコキシドの合成が
置換反応を行なわなければならないように複雑な
場合、即ち特にジルコニウムやイツトリウムの場
合、安価なそれらの硝酸塩、ハロゲン化物を用い
るのが有効である。 〔作用〕 本発明においては、上記の如くアルコールと反
応して金属アルコキシドを形成する金属、ならび
に金属アルコキシドと共に、無機金属化合物をア
ルコールに溶解混合し、同時に加水分解すること
により粒径の均一な微粉末材料が得られそして微
粉末材料であることによりその表面活性が増大
し、結果的に焼結性が向上するのであり、さら
に、本発明における出発原料が、それらの加水分
解速度が同程度であることによる沈澱組成の均一
化を増し、これらが相剰して上述の問題を解決す
るように作用するものと推定される。 〔実施例〕 実施例1、及び比較例1 金属Sr,ZrO(NO3)2・2H2OおよびTi
(OC3H7)4の3種の出発原料を次表1組成の如く
用い、SrZr1-xTixO3になるように、Tiの置換量
を3〜14モル%まで変化させたものについてそれ
ぞれ秤量を行なつた。以下のそれぞれの実施例に
ついて、全く同様な方法で微粉末を合成した。ま
ず、金属Sr,Ti(OC3H7)4をその合計重量の20倍
以上の重量のイソプロピルアルコールに溶解して
75℃に保ち、Arガス雰囲気中還流下で2時間撹
拌した。次にZrO(NO3)2・2H2Oを溶解させたイ
ソプロピルアルコール溶液を加え、再び75℃Ar
ガス雰囲気中還流下で2時間程撹拌を行つた。さ
らに、同様の環境下で、希アンモニア水を適当量
加えて加水分解を行ない、5時間撹拌を行なつて
熟成させ、次いで、生成した沈澱物を充分に水、
アルコールで洗浄し、ろ過もしくは遠心分離器等
で固液分離し乾燥した。得られた沈澱物を500〜
1000℃で加熱処理し、加熱処理後の沈澱物が、ペ
ロブスカイト構造化していることをX線回析によ
り確認し、また電子顕微鏡による検査の結果粒径
は数Å〜千Å程度の微粒子であつた。 次に、上記微粉末の合成条件を検討したとこ
ろ、上記出発原料の溶解から加水分解までの工程
におけるアルコールあるいはアルコール−水混合
溶液の温度は、40℃以上、アルコールの沸点以下
でなければならないことが判つた。この40℃以下
では、該出発原料の溶解速度が遅く、またアルコ
ールは沸点以上には温度上昇しないが、必要以上
に熱量を加えるとアルコールの沸とうが激しく好
ましくない。上記加水分解時においても、この温
度範囲内であれば、組成の均一な沈澱が得られ
る。また、出発原料を溶解させるイソプロピルア
ルコールの重量は、出発原料の重量の30倍程度で
あることが好ましく、ある程度少なくした場合に
は、加水分解時の組成が不均一になることが認め
られた。そして又上記沈澱、乾燥粉末の加熱処理
温度が上記温度範囲500℃以下では吸蔵されてい
るアルコール類が残留し、後の焼成時気孔率が増
加するということになり、又1000℃を越えると粒
子径の成長が著しく反応性が低下するため、湿式
の方法による微粒子形成の目的に反することにな
る。 以上のようにして合成された微粉末をそれぞれ
700Kg/cm2の圧力で直径12mm、高さ18mmの円柱状
にプレス形成した。得られた成形体を酸素雰囲気
中、約1570℃で3時間焼成した。 得られた焼結体を研削加工により6.0mmψ×40
mm及び5.8mmψ×2.3mmHの寸法の1MHzおよび9G
Hzでの電気特性測定用の試料に加工した。1MHz、
比誘電率(0〜60℃)での平均温度係数および
9GHzにおけるQ(マイクロ波の損失の逆数)を測
定し、また、電極付与、耐湿性、誘電率などに関
して重要な因子である焼結体の密度を測定し結果
を同表に示した。 比較のために上記実施例1と同組成の誘電体磁
器をSrCO3,TiO2およびZrO2粉末を出発原料と
して従来の乾式法により作製した。このとき、出
発原料を十分にボールミルにより混合粉砕したも
のを1150℃で2時間仮焼し粉砕した。この粉末の
粒径はSEM観察により0.5μmであつた。次に700
Kg/cm2の加圧により実施例1と同様の成形体にプ
レス成形し1600℃、5時間の焼成を行ない同様に
特性を調べた。 第1図にはTiの置換量の相違による誘電率の
温度係数の変化を、夫々実施例1及び比較例1よ
る粉末を焼結して得られた磁器について示した。
同図によれば温度係数については、原料の粒径や
組成の均一性の相違はあまり影響がないことがわ
かつた。 次に第2図に、実施例1及び比較例1による原
料を用いて得られた磁器におけるTiの置換量相
違による比誘電率の変化を示した。図中の直線a
(本発明)が比較例(直線b)に比し優れて居り、
さらに第1図において温度係数が0であつた組
成、即ちSrZr0.94Ti0.06O3についてその密度を測
定したところ、実施例1によるものは5.42g/
cm3、同比較例1は、5.00g/cm3であつたことから
も考えられるように、実施例1によるものは、
1570℃の焼成でも著しく緻密に焼結していて、比
誘電率が向上していることが判つた。 実施例2及び比較例2 Sr1-〓Zr0.94Ti0.06O3-〓なる非化学量論組成の誘
電体磁器について、10×10-3≦δ≦30×10-3の範
囲下で実施例1と同様の出発原料を用い全く同様
の条件および方法により作製し特性測定用材料に
加工した。なおδ=0は実施例1の組成である。
比較のため同じ組成で従来法により焼結体を得よ
うとしたが、実施例1で述べたように十分な焼結
がなされず空気中の湿気により著しくQ(マイク
ロ波の損失の逆数)が変化し材料評価するには適
当でなかつた。そこで、Sr1-〓Zr0.94Ti0.06O3-〓の
組成に温度係数補正のためにY2O3を、又焼結剤
としてMn2O3をそれぞれ主成分組成に対し0.05モ
ル加え比較例1と同様にして誘電体磁器を得、同
様に加工してこれを比較例2とした。 第3図に上記δの値の変化にともなうQの変化
を示した。第3図中、曲線cは実施例2、曲線d
は比較例2であり、比較例は添加物の影響で全体
にQは小さいが、δは小さくなるにつれQは大き
くなるが焼結性は悪くなる傾向があつた。そして
δ<15×10-3では、難焼結性となり、充分な焼結
体は得られなかつた。これに対し、実施例2はδ
=0でも、Qの高い、即ち、マイクロ波の損失の
小さい良好な結晶体が得られ、特にδ=10×10-3
では、1550℃、4時間の焼成でも良好な焼結体が
得られた。尚ここでは示さなかつたが、比誘電
率、誘電率の温度係数は、δの値によりあまり大
きく変化することはなかつた。
料、例えばマイクロ波通信機器用誘電体共振器や
分波器、あるいはマイクロストリツプ回路用基板
などを得るための誘電体材料の製造方法に関する
ものである。 〔従来の技術〕 例えば数種の金属アルコキシドのみを用い、こ
れらの加水分解によつて得られる微粉末を原料と
して用いることにより緻密な誘電体磁器が得られ
ること、そしてこれらのBaTiO3やSrTiO3の合成
については特公昭59−39724、特公昭59−39725号
外各種文献などで公知である。そして組成式、
SrZr1-xTixO3(0≦x≦1)で表わされる磁器材
料は、従来よりコンデンサーなどに使用される誘
電体材料として広く知られ、特に、高誘電率でか
つ誘電率の温度変化の小さい上式中0≦x≦0.1
なる範囲の磁器材料は、マイクロ波通信用誘電体
として知られている。たとえばジヤーナル オブ
ザ アメリカン セラミツクソサエテイ、7巻56
頁352〜354頁、”High−permittivity
Temperature−Stable Ceramic Dielectrics
withLow Microwave Loss”(アール シー
ケル、ゼネラルエレクトリツク社中央研究所)に
よれば、誘電率の温度係数が0になる組成は、
1.6KHzで−50〜+100℃での平均については0.043
<x<0.048の範囲にあり、4GHzで0〜60℃での
平均については0.060<x<0.063の範囲である。
また、SrZr0.955Ti0.045O3の1.6KHz、4GHzにおけ
る比誘電率は、それぞれ34.2、33.9である。 また、上記、Sr−Zr−Ti−O系誘電体磁器材
料の製造方法としては、固相反応により原料粉末
を得たものを用いる乾式法が一般的であり、固相
反応後ボールミル粉砕して得られる原料粉末の平
均粒径は、0.5μm程度であつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 かかるSrZr1-xTixO3(0≦x≦0.15)の組成式
を、Sr1-〓Zr1-xTixO3-〓のように表わしたばあい、
δの値が正の値から0に近づくにつれて焼結性が
著しくわるくなるという性質を有している。ま
た、δの値が充分0に近くならなければマイクロ
波の損失が大きいという性質があることを本発明
者らは見出している。そして又δが充分に0に近
い磁器材料は、1600℃の温度で焼成しても緻密な
焼結体が得られないことを、本発明者らは乾式法
による実験の結果見い出している。従来は、この
ため、焼結助剤を添加して焼結性を向上させてい
たが、焼結助剤の添加量が多くなるにつれかえつ
て上記損失が大きくなり、メリツトが得られな
い。 さらに、上記従来の乾式法による誘電体磁器を
微視的に見ると、組成が不均一であつたり、粒径
が大きくなることにより気孔率が比較的高くなる
ことに起因して、誘電率やマイクロ波の損失など
の特性が変動し充分にそれらの特性が発揮されて
いないことがある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は上記のような問題点を解消するために
なされたもので、1600℃以下の焼成で、マイクロ
波の高周波帯域の損失が小さくそして、組成のば
らつきの小さな緻密な焼結体を得ることを可能に
する、即ち易焼結性でしかも組成が均一なる誘電
体材料の製造方法を提供するものである。 即ち本発明は、組成式、SrZr1-xTixO3(0≦x
≦0.15)で表わされる誘電体磁器を得るための誘
電体粉末の製造方法において、アルコールと反応
して金属アルコキシドを形成する金属ストロンチ
ウムおよびチタンテトラアルコキシド、ならびに
アルコールに可溶な無機ジルコニウム化合物を40
℃以上アルコールの沸点以下の温度範囲に保持し
たアルコール溶液中にて溶解、撹拌する工程、該
アルコール溶液を上記温度範囲において加水分解
し共沈させる工程、及び得られる沈澱物を水−ア
ルコール混合物溶液から分離して乾燥後500°〜
1000℃の温度範囲内で加熱処理を行い微粉末化す
る工程を有することを特徴とする誘電体材料の製
造方法である。 本発明においては、上記の如くアルコールと反
応して金属アルコキシドを形成する金属、ならび
に金属アルコキシドと共に、無機金属化合物をア
ルコールに溶解混合し、同時に加水分解すること
により、上記金属アルコキシドのみの場合と同等
の粒径の均一な微粉末材料が得られる。また、微
粉末材料であることによりその表面活性が増大し
結果的に焼結性が向上し、従来難焼結性とされる
SrZr1-xTixO3(0≦x≦0.15)なる組成のものに
あつて、具体的に1600℃以下の焼成で緻密な焼結
体が得られる。上記xの範囲は、焼結性がよく、
しかもマイクロ波の諸特性が良好である0.15以下
に限定される。ところで、SrZr1-xTixO3(0≦x
≦0.15)組成の誘電体磁器は、誘電率の温度係数
がxが増加するにしたがい、マイナス側に大きく
変化し、誘電率は増加することが知られている。
したがつて、比較的誘電率を大きく、温度係数を
小さくするには、プラスの温度係数を有する添加
物、例えばY2O3を添加することが有効である。
しかし他方かかるY2O3の添加はその焼結性を低
下させることになり1600℃以下の焼成では緻密な
焼結体が得られず充分な特性が引き出せないのが
普通である。本発明においては上述のように易焼
結性であることから前述したような問題点を解消
することもできる。 さらに、本発明における出発原料が、それらの
加水分解速度が同程度であることによる沈澱組成
の均一化も上記の目的のために有効である。 次に本発明においては、高価なストロンチウム
アルコキシドを用いず、アルコールと簡単に直接
反応して金属アルコキシドを形成する比較的安価
な金属ストロンチウムを使用している点コスト的
に有利である。 更に本発明における上記チタンアルコキシド
は、安価で、しかも液体であるためアルコールな
どへの溶解性がよく使用しやすい。次に金属アル
コキシドが高価でまた金属アルコキシドの合成が
置換反応を行なわなければならないように複雑な
場合、即ち特にジルコニウムやイツトリウムの場
合、安価なそれらの硝酸塩、ハロゲン化物を用い
るのが有効である。 〔作用〕 本発明においては、上記の如くアルコールと反
応して金属アルコキシドを形成する金属、ならび
に金属アルコキシドと共に、無機金属化合物をア
ルコールに溶解混合し、同時に加水分解すること
により粒径の均一な微粉末材料が得られそして微
粉末材料であることによりその表面活性が増大
し、結果的に焼結性が向上するのであり、さら
に、本発明における出発原料が、それらの加水分
解速度が同程度であることによる沈澱組成の均一
化を増し、これらが相剰して上述の問題を解決す
るように作用するものと推定される。 〔実施例〕 実施例1、及び比較例1 金属Sr,ZrO(NO3)2・2H2OおよびTi
(OC3H7)4の3種の出発原料を次表1組成の如く
用い、SrZr1-xTixO3になるように、Tiの置換量
を3〜14モル%まで変化させたものについてそれ
ぞれ秤量を行なつた。以下のそれぞれの実施例に
ついて、全く同様な方法で微粉末を合成した。ま
ず、金属Sr,Ti(OC3H7)4をその合計重量の20倍
以上の重量のイソプロピルアルコールに溶解して
75℃に保ち、Arガス雰囲気中還流下で2時間撹
拌した。次にZrO(NO3)2・2H2Oを溶解させたイ
ソプロピルアルコール溶液を加え、再び75℃Ar
ガス雰囲気中還流下で2時間程撹拌を行つた。さ
らに、同様の環境下で、希アンモニア水を適当量
加えて加水分解を行ない、5時間撹拌を行なつて
熟成させ、次いで、生成した沈澱物を充分に水、
アルコールで洗浄し、ろ過もしくは遠心分離器等
で固液分離し乾燥した。得られた沈澱物を500〜
1000℃で加熱処理し、加熱処理後の沈澱物が、ペ
ロブスカイト構造化していることをX線回析によ
り確認し、また電子顕微鏡による検査の結果粒径
は数Å〜千Å程度の微粒子であつた。 次に、上記微粉末の合成条件を検討したとこ
ろ、上記出発原料の溶解から加水分解までの工程
におけるアルコールあるいはアルコール−水混合
溶液の温度は、40℃以上、アルコールの沸点以下
でなければならないことが判つた。この40℃以下
では、該出発原料の溶解速度が遅く、またアルコ
ールは沸点以上には温度上昇しないが、必要以上
に熱量を加えるとアルコールの沸とうが激しく好
ましくない。上記加水分解時においても、この温
度範囲内であれば、組成の均一な沈澱が得られ
る。また、出発原料を溶解させるイソプロピルア
ルコールの重量は、出発原料の重量の30倍程度で
あることが好ましく、ある程度少なくした場合に
は、加水分解時の組成が不均一になることが認め
られた。そして又上記沈澱、乾燥粉末の加熱処理
温度が上記温度範囲500℃以下では吸蔵されてい
るアルコール類が残留し、後の焼成時気孔率が増
加するということになり、又1000℃を越えると粒
子径の成長が著しく反応性が低下するため、湿式
の方法による微粒子形成の目的に反することにな
る。 以上のようにして合成された微粉末をそれぞれ
700Kg/cm2の圧力で直径12mm、高さ18mmの円柱状
にプレス形成した。得られた成形体を酸素雰囲気
中、約1570℃で3時間焼成した。 得られた焼結体を研削加工により6.0mmψ×40
mm及び5.8mmψ×2.3mmHの寸法の1MHzおよび9G
Hzでの電気特性測定用の試料に加工した。1MHz、
比誘電率(0〜60℃)での平均温度係数および
9GHzにおけるQ(マイクロ波の損失の逆数)を測
定し、また、電極付与、耐湿性、誘電率などに関
して重要な因子である焼結体の密度を測定し結果
を同表に示した。 比較のために上記実施例1と同組成の誘電体磁
器をSrCO3,TiO2およびZrO2粉末を出発原料と
して従来の乾式法により作製した。このとき、出
発原料を十分にボールミルにより混合粉砕したも
のを1150℃で2時間仮焼し粉砕した。この粉末の
粒径はSEM観察により0.5μmであつた。次に700
Kg/cm2の加圧により実施例1と同様の成形体にプ
レス成形し1600℃、5時間の焼成を行ない同様に
特性を調べた。 第1図にはTiの置換量の相違による誘電率の
温度係数の変化を、夫々実施例1及び比較例1よ
る粉末を焼結して得られた磁器について示した。
同図によれば温度係数については、原料の粒径や
組成の均一性の相違はあまり影響がないことがわ
かつた。 次に第2図に、実施例1及び比較例1による原
料を用いて得られた磁器におけるTiの置換量相
違による比誘電率の変化を示した。図中の直線a
(本発明)が比較例(直線b)に比し優れて居り、
さらに第1図において温度係数が0であつた組
成、即ちSrZr0.94Ti0.06O3についてその密度を測
定したところ、実施例1によるものは5.42g/
cm3、同比較例1は、5.00g/cm3であつたことから
も考えられるように、実施例1によるものは、
1570℃の焼成でも著しく緻密に焼結していて、比
誘電率が向上していることが判つた。 実施例2及び比較例2 Sr1-〓Zr0.94Ti0.06O3-〓なる非化学量論組成の誘
電体磁器について、10×10-3≦δ≦30×10-3の範
囲下で実施例1と同様の出発原料を用い全く同様
の条件および方法により作製し特性測定用材料に
加工した。なおδ=0は実施例1の組成である。
比較のため同じ組成で従来法により焼結体を得よ
うとしたが、実施例1で述べたように十分な焼結
がなされず空気中の湿気により著しくQ(マイク
ロ波の損失の逆数)が変化し材料評価するには適
当でなかつた。そこで、Sr1-〓Zr0.94Ti0.06O3-〓の
組成に温度係数補正のためにY2O3を、又焼結剤
としてMn2O3をそれぞれ主成分組成に対し0.05モ
ル加え比較例1と同様にして誘電体磁器を得、同
様に加工してこれを比較例2とした。 第3図に上記δの値の変化にともなうQの変化
を示した。第3図中、曲線cは実施例2、曲線d
は比較例2であり、比較例は添加物の影響で全体
にQは小さいが、δは小さくなるにつれQは大き
くなるが焼結性は悪くなる傾向があつた。そして
δ<15×10-3では、難焼結性となり、充分な焼結
体は得られなかつた。これに対し、実施例2はδ
=0でも、Qの高い、即ち、マイクロ波の損失の
小さい良好な結晶体が得られ、特にδ=10×10-3
では、1550℃、4時間の焼成でも良好な焼結体が
得られた。尚ここでは示さなかつたが、比誘電
率、誘電率の温度係数は、δの値によりあまり大
きく変化することはなかつた。
以上の説明で明らかなように、上述のSrZr1-x
TixO3(0≦x≦0.15)で表わされる誘電体磁器の
原料の湿式による製造方法において、要するに上
記金属、金属アルコキシドならびに無機金属化合
物の加水分解による誘電体粉末の沈澱生成を行つ
たことにより、得られた生成物を、例えば1600℃
以下の焼成で、著しく緻密化されたしかもマイク
ロ波損失の小さい誘電体磁器を提供することがで
きるのでありその工業的利用効果は非常に大き
い。
TixO3(0≦x≦0.15)で表わされる誘電体磁器の
原料の湿式による製造方法において、要するに上
記金属、金属アルコキシドならびに無機金属化合
物の加水分解による誘電体粉末の沈澱生成を行つ
たことにより、得られた生成物を、例えば1600℃
以下の焼成で、著しく緻密化されたしかもマイク
ロ波損失の小さい誘電体磁器を提供することがで
きるのでありその工業的利用効果は非常に大き
い。
第1図は、本発明および従来法で得られた誘電
体磁器の誘電率の温度係数とTiのモル%との関
係を示すグラフ、第2図は同誘電体磁器の比誘電
率とTiのモル%との関係を示すグラフ、第3図
は同誘電体磁器のQ(マイクロ波の損失)とSr1-〓
Zr0.94Ti0.06O3-〓におけるδとの関係を示すグラフ
である。
体磁器の誘電率の温度係数とTiのモル%との関
係を示すグラフ、第2図は同誘電体磁器の比誘電
率とTiのモル%との関係を示すグラフ、第3図
は同誘電体磁器のQ(マイクロ波の損失)とSr1-〓
Zr0.94Ti0.06O3-〓におけるδとの関係を示すグラフ
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 組成式、SrZr1-xTixO3(0≦x≦0.15)で表
わされる誘電体磁器を得るための誘電体粉末の製
造方法において、アルコールと反応して金属アル
コキシドを形成する金属ストロンチウムおよびチ
タンテトラアルコキシド、ならびにアルコールに
可溶な無機ジルコニウム化合物を40℃以上アルコ
ールの沸点以下の温度範囲に保持したアルコール
溶液中にて溶解、撹拌する工程、該アルコール溶
液を上記温度範囲において加水分解し共沈させる
工程、及び得られる沈澱物を水−アルコール混合
物溶液から分離して乾燥後500〜1000℃の温度範
囲内で加熱処理を行い微粉末化する工程を有する
ことを特徴とする誘電体材料の製造方法。 2 上記1項中の溶解、撹拌する工程及び加水分
解し共沈させる工程を、不活性ガス雰囲気中にて
行う特許請求の範囲第1項記載の誘電体材料の製
造方法。 3 副成分としてのイツトリウムを適当量含有さ
せた無機イツトリウム化合物を上記アルコール溶
液中に存在させるか又は、上記加水分解後の水−
アルコール混合物溶液中に該無機イツトリウム化
合物を溶解させたアルコール溶液を滴下混合さ
せ、前記沈澱物中に該副成分の沈澱物を均一分散
生成させることを特徴とする特許請求の範囲第1
項記載の誘電体材料の製造方法。 4 上記チタンテトラアルコキシドとしてチタン
テトラプロポキシドまたはチタンテトラブトキシ
ドを用いる、特許請求の範囲第1項記載の誘電体
材料の製造方法。 5 上記無機ジルコニウム化合物として、硝酸塩
もしくはハロゲン化物を用いる、特許請求の範囲
第1項記載の誘電体材料の製造方法。 6 副成分として添加する上記無機イツトリウム
化合物を硝酸塩もしくはハロゲン化物として用い
る特許請求の範囲第3項記載の誘電体材料の製造
方法。 7 溶媒であるアルコール溶液が、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、iso−プロピルアルコ
ールもしくはn−プロピルアルコールである特許
請求の範囲第1項記載の誘電体材料の製造方法。 8 上記主成分もしくは副成分の一部を、常用の
原料粉末に置き換えて、他成分の加水分解前の溶
液に添加するか加水分解後の固−液混合溶液中に
添加し混合することを特徴とする特許請求の範囲
第1項又は第3項記載の誘電体材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26288985A JPS62123017A (ja) | 1985-11-21 | 1985-11-21 | 誘電体材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26288985A JPS62123017A (ja) | 1985-11-21 | 1985-11-21 | 誘電体材料の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62123017A JPS62123017A (ja) | 1987-06-04 |
| JPH0458412B2 true JPH0458412B2 (ja) | 1992-09-17 |
Family
ID=17382025
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26288985A Granted JPS62123017A (ja) | 1985-11-21 | 1985-11-21 | 誘電体材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62123017A (ja) |
-
1985
- 1985-11-21 JP JP26288985A patent/JPS62123017A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62123017A (ja) | 1987-06-04 |
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