JPH0462837B2 - - Google Patents
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- JPH0462837B2 JPH0462837B2 JP29455985A JP29455985A JPH0462837B2 JP H0462837 B2 JPH0462837 B2 JP H0462837B2 JP 29455985 A JP29455985 A JP 29455985A JP 29455985 A JP29455985 A JP 29455985A JP H0462837 B2 JPH0462837 B2 JP H0462837B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、溶接作業性および低温じん性の良好
な低水素系被覆アーク溶接棒に関するものであ
る。 〔従来の技術〕 近年、エネルギー資源開発の寒冷地化、深海化
を背景に溶接構造物は大型化、高性能化が進み溶
接継手に対する要求が一段と厳しくなり、貯蔵タ
ンクあるいは海洋構造物等はとりわけ低温じん性
の良好なことが必要である。この様な状況の中で
従来、低温じん性の良好な溶接継手を得るために
0.5%Niから3.5%Niまでの低水素系低Ni系溶接
棒が用いられてきた。例えば特開昭58−138591号
公報に示されるようにMgCO3−CaF2系の被覆剤
にSiCを添加することにより、耐ピツト性、ビー
ド形状およびビード外観が良好で溶接作業性のす
ぐれた低水素系被覆アーク溶接棒が知られてい
る。しかしながらこの溶接棒は作業性に重点をお
いて設計されているために低温におけるじん性を
確保するためには、比較的低溶接入熱で溶接して
溶接金属の組織を細粒化して高じん化を計るとい
う非能率的な施工法をとらなければならず、しか
も低溶接入熱に起因して母材の熱影響部が硬化す
るという問題点も生じてくる。さらにまた、じん
性を得るためのNiは高価であり溶接棒がコスト
高となり経済的でない欠点もある。 一方、通常の溶接入熱で溶接して低温じん性の
良好な継手が得られる低水素系被覆アーク溶接棒
として特公昭60−5397号公報に示されるように
CaCO3−CaF2系の被覆剤にTiおよびB2O3を添加
することにより溶接金属中に適当量のTiとBを
含有させて主にTiとBの効果で溶接金属の組織
の均一細粒化を計つて低温じん性を良好ならしめ
たものがある。 しかし、この溶接棒は溶接作業性が悪く、特に
水平すみ肉溶接ではビード形状が凸になるなどの
欠点がある。 さらに本発明者等は、良好な低温じん性を得
て、かつビード形状の凸状化防止対策に関してさ
きに特開昭59−4997号の発明を開示した。これは
主にTiO2、炭酸塩、弗化物の量を規制すること
によりビード外観、ビード形状を改良したもので
かなりの効果をみているが、この方法は被覆剤を
高塩基性寄りにする必要があるため必ずしも溶接
作業性(耐アンダーカツト性、スラグ剥離性)に
おいて十分満足できる結果が得られない面を残し
ている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、低温じん性の良好な溶接金属が得ら
れ、しかもビード形状、ビード外観おび溶接作業
性がすぐれた低水素系被覆アーク溶接棒を提供す
るものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前述の実情に対して種々の研究を重
ねた結果、開発された低水素系被覆アーク溶接棒
であつて、その要旨とするところはチタン酸化物
をTiO2に換算して13〜23重量%、Ti、Si、SiC、
Mg、Alの一種以上の合計を0.1〜8重量%、硼素
の酸化物または硼素の酸化物の化合物をB2O3に
換算して0.05〜2重量%、MgCO34〜18重量%、
金属弗化物0.1〜17重量%、SiO21〜15重量%、
MgO9〜22重量%、Mn1〜10重量%、鉄粉10〜50
重量%を含有し、かつSiO2含有率をY(重量%)、
Ti+Si+SiC+Mg+Alで計算される脱酸剤含有
率をX(重量%)としたとき5≦Y+2X≦16なる
条件を満足し、更にNi0.5〜6.5重量%を含む被覆
剤に粘結剤を添加し、鋼心線に塗装してなる低水
素系被覆アーク溶接棒にある。 本発明の特徴はCO2源に主としてMgCO3を用
い(CaCO3、MnCO3等他の炭酸塩との併用も考
慮する)これにTiO2、MgOおよびSiO2を適量添
加することにより溶接作業性、ビード形状、ビー
ド外観を良化し、且つ硼素酸化物および硼素酸化
物の化合物にさらにTi、Si、SiC、Mg、Alの一
種以上を適量添加することによつて溶接金属中に
Ti、Bが一様に固溶され細粒の均一組織となつ
て、その溶接金属の低温じん性を著しく高めるも
のである。すなわち、MgCO3−CaF2系被覆剤は
CaCO3−CaF2系被覆剤に比べてSiO2を多量に添
加しており酸性寄りになつているため、前述のご
とく溶接作業性は良好である。 しかしながら、この被覆剤に強脱酸剤である
Ti、Si、SiC、Mg、Alの一種以上を添加するこ
とによりSiO2が還元され溶接金属中のSi量が多
くなりじん性を劣化させてしまうという欠点があ
る。この現象を防止するために本発明者等は前述
の様な知見に基づき、SiO2とTi、Si、SiC、Mg、
Alの関係を広範にわたつて比較検討したところ、
第1図に示される(B)の範囲に限定することによつ
て本発明の目的に合致し得る低温じん性の良好な
溶接金属が得られ、しかもビード形状、ビード外
観および溶接作業性が優れた性能を有する低水素
系被覆アーク溶接棒が得られるのである。 以下本発明について詳細に述べる。 〔作用〕 チタン酸化物としてはルチール、イルミナイ
ト、砂鉄、チタンスラグなどが用いられるが、ス
ラグ生成およびスラグの粘性を調整しスラグの被
包性を高める機能のほか、強脱酸剤であるSi、
Mg、Al、Ti、SiCの一種以上によつて溶接金属
中にTiを還元させるために添加するのであつて、
TiO2換算値で13重量%未満ではその効果がなく、
23重量%を超えて添加するとスラグの流動性が増
大してスラグが先行しビード形状が劣化するので
13〜23重量%の範囲が適当である。 Ti、Si、SiC、Mg、Alは強力な脱酸作用を有
しており酸化物を還元する。Tiを除くSi、SiC、
Mg、Alを被覆に添加することによりTiそのもの
を被覆中に添加しなくてもチタン酸化物が還元さ
れて溶接金属中に適量のTiを存在させることが
できる。またTiは脱酸のほか溶接金属中のBと
の関係で低温じん性を向上させるために添加する
ものであり、Ti、Si、SiC、Mg、Alの一種以上
の合計が0.1重量%未満ではその効果がなく、8
重量%を超えて添加するとスラグの流動性が悪く
なつてビード形状が劣化したり溶接金属が硬化し
低温じん性が劣化するので0.1〜8重量%の範囲
が適当である。なお、Ti、Si、Mg、AlはFe−
Ti、Fe−Si、Si−Mn、Al−Mgなどで添加され
る。 硼素の酸化物または硼素の酸化物の化合物は、
溶接金属にBを供給し、あわせて溶接金属中の
Tiとの関係で低温じん性を向上させるために添
加するものである。B2O3のような酸化された形
で被覆から添加する理由は、Fe−BなどのB合
金から溶接金属に添加すると偏析が生じ安定した
低温じん性が得られない場合があるためであり、
B2O3からBを還元して溶接金属に添加すること
により一様にBを分布させることができるため溶
接金属の組織の均一化が計れるのである。この場
合、硼素の酸化物または硼素の酸化物の化合物は
粘結剤である水ガラス中に添加して撹拌し、一様
に分散もしくは溶解させて被覆剤中に含有せしめ
ても同効果が得られることを確めている。硼素の
酸化物または硼素の酸化物の化合物の添加が
B2O3として0.05重量%未満であると溶接金属中
のBが少なく低温じん性の向上には効果がなく、
2重量%を超えて添加すると溶接金属中のBが多
くなり高温割れを生じ易くなり、低温じん性も低
下する。なお、ここでいう硼素の酸化物または硼
素の酸化物の化合物とは、硼砂、無水硼砂、天然
硼砂、灰硼石、カーン石などをさす。 MgCO3は、ガス発生剤として作用し、溶接金
属を大気から保護する効果を与えるものであり、
MgCO3が4重量%未満ではシールド不良が生じ
ピツトやブローホールが発生し易くなると共に窒
素ガスの吸収によつて溶接金属の低温じん性が低
下する。一方、18重量%を超えて添加するとアー
クが不安定になつてアーク切れを生じることがあ
るほか、スラグの粘性が増大してビード形状が凸
状になる。なお、CaCO3、SrCO3、MnCO3は、
MgCO3に準ずる作用を有するので、MgCO3の一
部をこれらのもので代替すなわち、MgCO3とこ
れらのものを併用しても相応の効果が得られる。 金属弗化物は溶接金属の拡散性水素量を減少さ
せると共に、ピツトやブローホールの発生を防止
する作用があり、金属弗化物が0.1重量%未満で
は前記の機能が有意に発揮されず、拡散性水素量
の増大によつて耐割れ性が低下し、錆、油脂、ペ
イント等によるピツトやブローホールが発生し易
くなる。一方、17重量%を超えて添加するとアー
クが不安定になるほか、スラグの流動性が過大に
なつてビード形状が劣化する。ここでいう金属弗
化物とは、CaF2、Na3AlF6、MgF2、AlF3など
をさす。 SiO2はスラグ生成剤および粘性調整剤として
の作用があり、特に粘性に大きな影響を与える成
分で1重量%未満ではスラグの流動状態が不安定
になつてビード外観が悪化したり、ビード形状が
凸形になる。一方、15重量%を超えて添加すると
スラグが硬くなり剥離が著しく困難になるほか、
酸性酸化物であるために塩基度が大幅に低下し溶
接金属のじん性が劣化する。 MgOはスラグ生成剤および粘性調整剤として
の作用があり、スラグの被包性を向上させる。9
重量%未満では前記の効果が有意に発揮されず、
スラグの粘性不足によつてアンダーカツトが発生
する。一方22重量%を超えて添加するとスラグの
粘性が増大して被包性が劣化しビード形状が凸形
になる。 Mnは金属マンガンあるいはフエロマンガン等
として添加され、脱酸剤あるいは合金剤として機
能のほか、溶接時のアークの強さ、およびアーク
の広がりを確保するために添加するが、1重量%
未満では溶接金属の機械的性質を十分に改善でき
ない。一方10重量%を超えて添加すると高温割れ
が発生するので好ましくない。 鉄粉はアーク安定性が向上すると共に溶着金属
量の増大によつて溶接能率を高めることができる
が、10重量%未満では溶接量が不足してビード伸
びが悪くなると共に溶接能率が悪い。一方50重量
%を超えて添加するとアークの広がりが阻害さ
れ、かつスラグの被包性が損なわれてビード形状
が凸形になる。 次にSiO2と強脱酸剤であるTi、Si、SiC、Mg、
Alの添加量を特定することが不可欠の要件であ
るが、適当なビード形状、ビード外観を確保し、
かつ良好な溶接金属の低温じん性を得るために
は、溶接金属中のSi量を考慮すべきであることが
確認された。即ち、第2図に溶接金属のvTrsに
およぼすSiの影響を調査した結果を示す。これに
よると溶接金属のSiが0.13〜0.38%の範囲におい
て低温じん性が大幅に改善できることが明らかで
ある。 そこで、本発明者等は前記の知見によりSiO2
と強脱酸剤であるTi、Si、SiC、Mg、Alとの量
的均衡の適正範囲を確認すべく検討した結果、
SiO2含有率をY(重量%)とし、また強脱酸剤含
有率のX(重量%)はX=Ti+Si+SiC+Mg+Al
としたとき 5Y+2X16 ……(1) を満足する必要がある。第1図は(1)式の条件と前
記SiO2と強脱酸剤の各条件を一つにまとめて表
示したグラフであつて、同図中のA部はSiO2と
強脱酸剤がいずれも上限値以下という条件を満足
するが、Y+2X>16になつて(1)式を満足しない
領域である。同図中B部は全ての条件を満足する
領域である。同図中C部はSiO2と強脱酸剤がい
ずれも下限値以上という条件を満足するが、 Y+2X<5となつて(1)式を満足しない領域を
夫々示す。 すなわち、同図中B部においては低温じん性の
良好な溶接金属が得られるだけでなく、ビード形
状、ビード外観および溶接作業性が極めて良好で
ある。ところが同図中A部はY+2X>16の領域
であり、スラグが酸性寄りになつて溶接作業性は
良好になるが、SiO2が過剰に還元されて溶接金
属中のSi量が0.38%を超えてしまい低温じん性が
劣化するという欠点がある。他方同図中C部はY
+2X<5の領域であり、スラグの塩基性が高く
なつて溶接作業性が劣化すると共に、溶接金属中
のSi量が0.13%未満になつてしまい低温じん性も
劣化して所期の目的が達成されなくなる。 Niは溶接金属の強度、じん性を補充するため
に添加され、0.5重量%未満ではこれらの効果が
有効に発揮されない。しかしこれらの効果は6.5
重量%で飽和状態に達し、それ以上含有させても
じん性はほとんど向上せず、かえつて溶接作業性
が低下する。前記した各成分を配合した被覆剤
は、水ガラスなどの粘着剤を用いて鋼心線に通常
の溶接棒製造工程により塗装、乾燥などを行なつ
て製造することができるものである。 なお、本発明溶接棒に用いられる鋼心線とは
JIS G 3523の1種1号に相当する心線をさす。 次に実施例に基づいて本発明の効果をさらに具
体的に述べる。 〔実施例〕 第1表、第2表に示すように各種成分組成の被
覆剤に適量の水ガラスを混入し、これを5mmφ×
700mmの軟鋼心線に被覆、最高温度400℃で乾燥
し溶接棒A−1〜A−8、B−1〜B−11を試作
した。 前記の共試棒を用い板厚20mmのアルミキルド鋼
板に開先角度50°のV開先でルートギヤツプ1〜
3mmをとり、下向溶接を溶接電流220A、溶接入
熱18KJ/cmで行なつた。しかるのち最終パス側
の板厚表面下2mmより2mmVノツチシヤルピー衝
撃試験片を採取し−60℃にて試験を行なつた。溶
接作業性試験は、表面に20μmのウオツシユプラ
イマ塗布鋼板(板厚16mm)を水平すみ肉姿勢で、
溶接電流230A、運棒比1.3で行なつた。 判定基準は−60℃での衝撃値は5Kgf−m以上
を良好とした。また溶接作業性の○印は良好、△
印はやや不良、×印は不良を意味する。
な低水素系被覆アーク溶接棒に関するものであ
る。 〔従来の技術〕 近年、エネルギー資源開発の寒冷地化、深海化
を背景に溶接構造物は大型化、高性能化が進み溶
接継手に対する要求が一段と厳しくなり、貯蔵タ
ンクあるいは海洋構造物等はとりわけ低温じん性
の良好なことが必要である。この様な状況の中で
従来、低温じん性の良好な溶接継手を得るために
0.5%Niから3.5%Niまでの低水素系低Ni系溶接
棒が用いられてきた。例えば特開昭58−138591号
公報に示されるようにMgCO3−CaF2系の被覆剤
にSiCを添加することにより、耐ピツト性、ビー
ド形状およびビード外観が良好で溶接作業性のす
ぐれた低水素系被覆アーク溶接棒が知られてい
る。しかしながらこの溶接棒は作業性に重点をお
いて設計されているために低温におけるじん性を
確保するためには、比較的低溶接入熱で溶接して
溶接金属の組織を細粒化して高じん化を計るとい
う非能率的な施工法をとらなければならず、しか
も低溶接入熱に起因して母材の熱影響部が硬化す
るという問題点も生じてくる。さらにまた、じん
性を得るためのNiは高価であり溶接棒がコスト
高となり経済的でない欠点もある。 一方、通常の溶接入熱で溶接して低温じん性の
良好な継手が得られる低水素系被覆アーク溶接棒
として特公昭60−5397号公報に示されるように
CaCO3−CaF2系の被覆剤にTiおよびB2O3を添加
することにより溶接金属中に適当量のTiとBを
含有させて主にTiとBの効果で溶接金属の組織
の均一細粒化を計つて低温じん性を良好ならしめ
たものがある。 しかし、この溶接棒は溶接作業性が悪く、特に
水平すみ肉溶接ではビード形状が凸になるなどの
欠点がある。 さらに本発明者等は、良好な低温じん性を得
て、かつビード形状の凸状化防止対策に関してさ
きに特開昭59−4997号の発明を開示した。これは
主にTiO2、炭酸塩、弗化物の量を規制すること
によりビード外観、ビード形状を改良したもので
かなりの効果をみているが、この方法は被覆剤を
高塩基性寄りにする必要があるため必ずしも溶接
作業性(耐アンダーカツト性、スラグ剥離性)に
おいて十分満足できる結果が得られない面を残し
ている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、低温じん性の良好な溶接金属が得ら
れ、しかもビード形状、ビード外観おび溶接作業
性がすぐれた低水素系被覆アーク溶接棒を提供す
るものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前述の実情に対して種々の研究を重
ねた結果、開発された低水素系被覆アーク溶接棒
であつて、その要旨とするところはチタン酸化物
をTiO2に換算して13〜23重量%、Ti、Si、SiC、
Mg、Alの一種以上の合計を0.1〜8重量%、硼素
の酸化物または硼素の酸化物の化合物をB2O3に
換算して0.05〜2重量%、MgCO34〜18重量%、
金属弗化物0.1〜17重量%、SiO21〜15重量%、
MgO9〜22重量%、Mn1〜10重量%、鉄粉10〜50
重量%を含有し、かつSiO2含有率をY(重量%)、
Ti+Si+SiC+Mg+Alで計算される脱酸剤含有
率をX(重量%)としたとき5≦Y+2X≦16なる
条件を満足し、更にNi0.5〜6.5重量%を含む被覆
剤に粘結剤を添加し、鋼心線に塗装してなる低水
素系被覆アーク溶接棒にある。 本発明の特徴はCO2源に主としてMgCO3を用
い(CaCO3、MnCO3等他の炭酸塩との併用も考
慮する)これにTiO2、MgOおよびSiO2を適量添
加することにより溶接作業性、ビード形状、ビー
ド外観を良化し、且つ硼素酸化物および硼素酸化
物の化合物にさらにTi、Si、SiC、Mg、Alの一
種以上を適量添加することによつて溶接金属中に
Ti、Bが一様に固溶され細粒の均一組織となつ
て、その溶接金属の低温じん性を著しく高めるも
のである。すなわち、MgCO3−CaF2系被覆剤は
CaCO3−CaF2系被覆剤に比べてSiO2を多量に添
加しており酸性寄りになつているため、前述のご
とく溶接作業性は良好である。 しかしながら、この被覆剤に強脱酸剤である
Ti、Si、SiC、Mg、Alの一種以上を添加するこ
とによりSiO2が還元され溶接金属中のSi量が多
くなりじん性を劣化させてしまうという欠点があ
る。この現象を防止するために本発明者等は前述
の様な知見に基づき、SiO2とTi、Si、SiC、Mg、
Alの関係を広範にわたつて比較検討したところ、
第1図に示される(B)の範囲に限定することによつ
て本発明の目的に合致し得る低温じん性の良好な
溶接金属が得られ、しかもビード形状、ビード外
観および溶接作業性が優れた性能を有する低水素
系被覆アーク溶接棒が得られるのである。 以下本発明について詳細に述べる。 〔作用〕 チタン酸化物としてはルチール、イルミナイ
ト、砂鉄、チタンスラグなどが用いられるが、ス
ラグ生成およびスラグの粘性を調整しスラグの被
包性を高める機能のほか、強脱酸剤であるSi、
Mg、Al、Ti、SiCの一種以上によつて溶接金属
中にTiを還元させるために添加するのであつて、
TiO2換算値で13重量%未満ではその効果がなく、
23重量%を超えて添加するとスラグの流動性が増
大してスラグが先行しビード形状が劣化するので
13〜23重量%の範囲が適当である。 Ti、Si、SiC、Mg、Alは強力な脱酸作用を有
しており酸化物を還元する。Tiを除くSi、SiC、
Mg、Alを被覆に添加することによりTiそのもの
を被覆中に添加しなくてもチタン酸化物が還元さ
れて溶接金属中に適量のTiを存在させることが
できる。またTiは脱酸のほか溶接金属中のBと
の関係で低温じん性を向上させるために添加する
ものであり、Ti、Si、SiC、Mg、Alの一種以上
の合計が0.1重量%未満ではその効果がなく、8
重量%を超えて添加するとスラグの流動性が悪く
なつてビード形状が劣化したり溶接金属が硬化し
低温じん性が劣化するので0.1〜8重量%の範囲
が適当である。なお、Ti、Si、Mg、AlはFe−
Ti、Fe−Si、Si−Mn、Al−Mgなどで添加され
る。 硼素の酸化物または硼素の酸化物の化合物は、
溶接金属にBを供給し、あわせて溶接金属中の
Tiとの関係で低温じん性を向上させるために添
加するものである。B2O3のような酸化された形
で被覆から添加する理由は、Fe−BなどのB合
金から溶接金属に添加すると偏析が生じ安定した
低温じん性が得られない場合があるためであり、
B2O3からBを還元して溶接金属に添加すること
により一様にBを分布させることができるため溶
接金属の組織の均一化が計れるのである。この場
合、硼素の酸化物または硼素の酸化物の化合物は
粘結剤である水ガラス中に添加して撹拌し、一様
に分散もしくは溶解させて被覆剤中に含有せしめ
ても同効果が得られることを確めている。硼素の
酸化物または硼素の酸化物の化合物の添加が
B2O3として0.05重量%未満であると溶接金属中
のBが少なく低温じん性の向上には効果がなく、
2重量%を超えて添加すると溶接金属中のBが多
くなり高温割れを生じ易くなり、低温じん性も低
下する。なお、ここでいう硼素の酸化物または硼
素の酸化物の化合物とは、硼砂、無水硼砂、天然
硼砂、灰硼石、カーン石などをさす。 MgCO3は、ガス発生剤として作用し、溶接金
属を大気から保護する効果を与えるものであり、
MgCO3が4重量%未満ではシールド不良が生じ
ピツトやブローホールが発生し易くなると共に窒
素ガスの吸収によつて溶接金属の低温じん性が低
下する。一方、18重量%を超えて添加するとアー
クが不安定になつてアーク切れを生じることがあ
るほか、スラグの粘性が増大してビード形状が凸
状になる。なお、CaCO3、SrCO3、MnCO3は、
MgCO3に準ずる作用を有するので、MgCO3の一
部をこれらのもので代替すなわち、MgCO3とこ
れらのものを併用しても相応の効果が得られる。 金属弗化物は溶接金属の拡散性水素量を減少さ
せると共に、ピツトやブローホールの発生を防止
する作用があり、金属弗化物が0.1重量%未満で
は前記の機能が有意に発揮されず、拡散性水素量
の増大によつて耐割れ性が低下し、錆、油脂、ペ
イント等によるピツトやブローホールが発生し易
くなる。一方、17重量%を超えて添加するとアー
クが不安定になるほか、スラグの流動性が過大に
なつてビード形状が劣化する。ここでいう金属弗
化物とは、CaF2、Na3AlF6、MgF2、AlF3など
をさす。 SiO2はスラグ生成剤および粘性調整剤として
の作用があり、特に粘性に大きな影響を与える成
分で1重量%未満ではスラグの流動状態が不安定
になつてビード外観が悪化したり、ビード形状が
凸形になる。一方、15重量%を超えて添加すると
スラグが硬くなり剥離が著しく困難になるほか、
酸性酸化物であるために塩基度が大幅に低下し溶
接金属のじん性が劣化する。 MgOはスラグ生成剤および粘性調整剤として
の作用があり、スラグの被包性を向上させる。9
重量%未満では前記の効果が有意に発揮されず、
スラグの粘性不足によつてアンダーカツトが発生
する。一方22重量%を超えて添加するとスラグの
粘性が増大して被包性が劣化しビード形状が凸形
になる。 Mnは金属マンガンあるいはフエロマンガン等
として添加され、脱酸剤あるいは合金剤として機
能のほか、溶接時のアークの強さ、およびアーク
の広がりを確保するために添加するが、1重量%
未満では溶接金属の機械的性質を十分に改善でき
ない。一方10重量%を超えて添加すると高温割れ
が発生するので好ましくない。 鉄粉はアーク安定性が向上すると共に溶着金属
量の増大によつて溶接能率を高めることができる
が、10重量%未満では溶接量が不足してビード伸
びが悪くなると共に溶接能率が悪い。一方50重量
%を超えて添加するとアークの広がりが阻害さ
れ、かつスラグの被包性が損なわれてビード形状
が凸形になる。 次にSiO2と強脱酸剤であるTi、Si、SiC、Mg、
Alの添加量を特定することが不可欠の要件であ
るが、適当なビード形状、ビード外観を確保し、
かつ良好な溶接金属の低温じん性を得るために
は、溶接金属中のSi量を考慮すべきであることが
確認された。即ち、第2図に溶接金属のvTrsに
およぼすSiの影響を調査した結果を示す。これに
よると溶接金属のSiが0.13〜0.38%の範囲におい
て低温じん性が大幅に改善できることが明らかで
ある。 そこで、本発明者等は前記の知見によりSiO2
と強脱酸剤であるTi、Si、SiC、Mg、Alとの量
的均衡の適正範囲を確認すべく検討した結果、
SiO2含有率をY(重量%)とし、また強脱酸剤含
有率のX(重量%)はX=Ti+Si+SiC+Mg+Al
としたとき 5Y+2X16 ……(1) を満足する必要がある。第1図は(1)式の条件と前
記SiO2と強脱酸剤の各条件を一つにまとめて表
示したグラフであつて、同図中のA部はSiO2と
強脱酸剤がいずれも上限値以下という条件を満足
するが、Y+2X>16になつて(1)式を満足しない
領域である。同図中B部は全ての条件を満足する
領域である。同図中C部はSiO2と強脱酸剤がい
ずれも下限値以上という条件を満足するが、 Y+2X<5となつて(1)式を満足しない領域を
夫々示す。 すなわち、同図中B部においては低温じん性の
良好な溶接金属が得られるだけでなく、ビード形
状、ビード外観および溶接作業性が極めて良好で
ある。ところが同図中A部はY+2X>16の領域
であり、スラグが酸性寄りになつて溶接作業性は
良好になるが、SiO2が過剰に還元されて溶接金
属中のSi量が0.38%を超えてしまい低温じん性が
劣化するという欠点がある。他方同図中C部はY
+2X<5の領域であり、スラグの塩基性が高く
なつて溶接作業性が劣化すると共に、溶接金属中
のSi量が0.13%未満になつてしまい低温じん性も
劣化して所期の目的が達成されなくなる。 Niは溶接金属の強度、じん性を補充するため
に添加され、0.5重量%未満ではこれらの効果が
有効に発揮されない。しかしこれらの効果は6.5
重量%で飽和状態に達し、それ以上含有させても
じん性はほとんど向上せず、かえつて溶接作業性
が低下する。前記した各成分を配合した被覆剤
は、水ガラスなどの粘着剤を用いて鋼心線に通常
の溶接棒製造工程により塗装、乾燥などを行なつ
て製造することができるものである。 なお、本発明溶接棒に用いられる鋼心線とは
JIS G 3523の1種1号に相当する心線をさす。 次に実施例に基づいて本発明の効果をさらに具
体的に述べる。 〔実施例〕 第1表、第2表に示すように各種成分組成の被
覆剤に適量の水ガラスを混入し、これを5mmφ×
700mmの軟鋼心線に被覆、最高温度400℃で乾燥
し溶接棒A−1〜A−8、B−1〜B−11を試作
した。 前記の共試棒を用い板厚20mmのアルミキルド鋼
板に開先角度50°のV開先でルートギヤツプ1〜
3mmをとり、下向溶接を溶接電流220A、溶接入
熱18KJ/cmで行なつた。しかるのち最終パス側
の板厚表面下2mmより2mmVノツチシヤルピー衝
撃試験片を採取し−60℃にて試験を行なつた。溶
接作業性試験は、表面に20μmのウオツシユプラ
イマ塗布鋼板(板厚16mm)を水平すみ肉姿勢で、
溶接電流230A、運棒比1.3で行なつた。 判定基準は−60℃での衝撃値は5Kgf−m以上
を良好とした。また溶接作業性の○印は良好、△
印はやや不良、×印は不良を意味する。
【表】
【表】
以上述べたごとく本発明の溶接棒は、被覆剤を
構成する配合成分の種類を特定すると共に各成分
の配合割合を特定範囲に設定することにより、従
来の溶接棒より安価で低温でのシヤルピーの衝撃
じん性の良好な溶接金属が得られ、かつビード形
状、ビード外観およびその他の溶接性能を満足
し、海洋構造物あるいはその他の構造物の安全性
に大きく寄与することができるものであり、産業
上の効果は極めて顕著なものがある。
構成する配合成分の種類を特定すると共に各成分
の配合割合を特定範囲に設定することにより、従
来の溶接棒より安価で低温でのシヤルピーの衝撃
じん性の良好な溶接金属が得られ、かつビード形
状、ビード外観およびその他の溶接性能を満足
し、海洋構造物あるいはその他の構造物の安全性
に大きく寄与することができるものであり、産業
上の効果は極めて顕著なものがある。
第1図はSiO2含有率とTi、Si、SiC、Mg、Al
含有率の関係を示すグラフ、第2図は溶接金属の
vTrsと溶接金属中のSi量の関係を示すグラフで
ある。
含有率の関係を示すグラフ、第2図は溶接金属の
vTrsと溶接金属中のSi量の関係を示すグラフで
ある。
Claims (1)
- 1 チタン酸化物をTiO2に換算して13〜23重量
%、Ti、Si、SiC、Mg、Alの一種以上の合計を
0.1〜8重量%、硼素の酸化物または硼素の酸化
物の化合物をB2O3に換算して0.05〜2重量%、
MgCO3を4〜18重量%、金属弗化物0.1〜17重量
%、SiO21〜15重量%、MgO9〜22重量%、Mn1
〜10重量%、鉄粉10〜50重量%を含有し、かつ
SiO2含有率をY(重量%)、Ti+Si+SiC+Mg+
Alで計算される脱酸剤含有率をX(重量%)とし
たとき、5≦Y+2X≦16なる条件を満足し、更
にNi0.5〜6.5重量%を含む被覆剤に粘結剤を添加
し、鋼心線に塗装してなることを特徴とする低水
素系被覆アーク溶接棒。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29455985A JPS62156097A (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | 低水素系被覆ア−ク溶接棒 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29455985A JPS62156097A (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | 低水素系被覆ア−ク溶接棒 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62156097A JPS62156097A (ja) | 1987-07-11 |
| JPH0462837B2 true JPH0462837B2 (ja) | 1992-10-07 |
Family
ID=17809351
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29455985A Granted JPS62156097A (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | 低水素系被覆ア−ク溶接棒 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62156097A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5560504B2 (ja) * | 2008-06-24 | 2014-07-30 | ナショナル アカデミー オブ サイエンス オブ ウクライナ イー.オー. パトン エレクトリック ウェルディング インスティチュート | 鋼用タングステンイナートガスアーク溶接用活性フラックス |
| KR101637471B1 (ko) * | 2014-10-30 | 2016-07-07 | 현대종합금속 주식회사 | 가스실드 아크 용접용 플럭스 충전 와이어 |
-
1985
- 1985-12-27 JP JP29455985A patent/JPS62156097A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62156097A (ja) | 1987-07-11 |
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