JPH0467687B2 - - Google Patents
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- JPH0467687B2 JPH0467687B2 JP59118781A JP11878184A JPH0467687B2 JP H0467687 B2 JPH0467687 B2 JP H0467687B2 JP 59118781 A JP59118781 A JP 59118781A JP 11878184 A JP11878184 A JP 11878184A JP H0467687 B2 JPH0467687 B2 JP H0467687B2
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- cobalt
- magnetic powder
- magnetic
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Description
〔技術分野および目的〕
この発明は、磁性粉末としてコバルトを主体と
した板状で板面に平行な磁化容易軸を有する磁性
粉末を用いた磁気記録媒体に関し、前記磁性粉末
の充填性、分散性および磁性層の表面平滑性が良
好で、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供
することを目的とする。 〔背景技術〕 磁気記録媒体は、通常、磁性粉末を結合剤樹脂
とともに基体上に塗着して磁性層を形成すること
によりつくられ、このとき使用される磁性粉末と
しては磁気特性に優れ、磁気記録媒体に高感度、
高S/N比など各種の優れた電磁変換特性を付与
できるものが望まれる。 このため、飽和磁化量の大きな鉄を主体とした
針状の金属磁性粉末を記録素子として使用するこ
と(特開昭55−82408号)が行われているが、こ
の種の鉄を主体とする針状の金属磁性粉末は、粒
子径が小さくなりすぎると、保磁力が高くなりす
ぎて磁気記録媒体用として適さなくなるため、針
状粒子の粒子径を少なくとも0.2μ以上の大きさに
しなければならず、このように粒子径の比較的大
きな金属磁性粉末を使用すると、粉末粒子の充填
性、分散性および配向性が悪く、磁性層の表面平
滑性も劣化して、良好な電磁変換特性が得られな
いという難点がある。そこで、近年、鉄を主体と
した針状の磁性粉末に代わるものとして、飽和磁
化量の大きな粒状のコバルト金属磁性粉末を使用
することが試みられているが、この種の粒状のコ
バルト金属磁性粉末を使用したものは、鉄を主体
とした金属磁性粉末を使用したものに比し、耐酸
化性が良好でほぼ同等の電磁変換特性が得られる
ものの、保磁力の熱安定性が悪く、また粒状であ
るため磁性層の表面平滑性も充分に良好になら
ず、いまひとつ電磁変換特性を充分に向上させる
ことができない。 〔発明の概要〕 この発明はかかる観点から種々検討を行つた結
果、板状で、板面に平行な磁化容易軸を有するコ
バルトを主体とした金属磁性粉末を使用すれば、
この種の金属磁性粉末は、耐酸化性および保磁力
の熱安定性が良好な上、平均粒子径が0.1μ以下の
超微粒子であつても、保磁力を容易に調整するこ
とができるため、耐酸化性および保磁力の熱安定
性が良好でしかも好適な保磁力を有する磁気記録
媒体が得られ、また、比表面積が小さくて高い残
留磁化量を有し、さらに平均粒子径がきわめて小
さいため、磁性粉末の充填性、分散性および磁性
層の表面平滑性が良好で電磁変換特性に優れた磁
気記録媒体が得られることを見いだしてなされた
もので、板状で、板面に平行な磁化容易軸を有す
るコバルトを主体とした金属磁性粉末を磁性層中
に含有させたことを特徴とするものである。 この発明において使用されるコバルトを主体と
する金属磁性粉末は、面心立方晶を多く含む六方
晶系の板状の磁性粉末で、板面に平行な磁化容易
軸を有し、コバルトのみからなるものの他、コバ
ルトに、鉄、ニツケル、マンガン、クロム、銅、
亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の金属を含有
させたものなどが好適なものとして使用される。
このような面心立方晶を多く含む六方晶系の板面
に平行な磁化容易軸を有する板状のコバルトを主
体とした金属磁性粉末は、鉄を主体とする針状の
金属磁性粉末に比し、比表面積が小さく、耐酸化
性もはるかに高くて安定性が高い。また、この種
の板状のコバルトを主体とする金属磁性粉末は、
平均粒子径が0.1μ以下の超微粒子であつても、保
磁力が高くなりすぎることがなく、保磁力を自在
に調整することができて磁気記録媒体用として適
した保磁力のものを容易に得ることができ、さら
に、その高い飽和磁化量と安定性から高い残留磁
化量を有する。従つて、この種の板状のコバルト
を主体とした金属磁性粉末を使用すれば、磁性粉
末の充填性、分散性および配向性が充分に向上さ
れ、磁性層の表面平滑性も充分に改善されて、ビ
デオ画質およびクロマ出力が顕著に向上し、一段
と電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が得られ
る。 このような板状のコバルトを主体とする金属磁
性粉末は、コバルト塩をアルカリ溶液中で反応さ
せて合成した水酸化コバルトの板状の結晶の表面
を必要な場合は焼結防止剤で被覆した後、これを
空気中あるいは不活性ガス中で熱分解し、さらに
400℃以上の温度で、水素気流中等で還元してつ
くられ、このような400℃以上の温度での還元に
よつて六方晶の他に面心立方晶を多く含むコバル
ト金属磁性粉末となり、板面に平行な磁化容易軸
を有するコバルト金属磁性粉末が得られる。この
ようなコバルト金属磁性粉末の平均粒子径は、前
記のようにしてコバルト金属磁性粉末を製造する
際、水酸化コバルトの板状結晶の形成時に結晶成
長速度をコントロールすることによつて調整さ
れ、また同様に保磁力はコバルト金属磁性粉末を
製造する際、粒子サイズに加えて、還元前の熱処
理及び表面処理等の前処理の条件を変えることに
よつて調整される。このようにして平均粒子径が
調整されるコバルトを主成分とした金属磁性粉末
は、平均粒子径が0.2μより大きいと、これを用い
て得られる磁性層の表面平滑性を充分に良好にし
て電磁変換特性を充分に向上することができない
ため、平均粒子径が0.2μ以下のものであることが
好ましい。しかし、粒子径が0.03μより小さいも
のでは塗料中での分散が困難になり、その結果、
角型が低下するため、粒子径が0.03〜0.2μの範囲
内のものを使用するのが好ましい。 また、この種の板状で板面に平行な磁化容易軸
を有するコバルトを主体とする金属磁性粉末は、
形状磁気異方性に基づく保磁力成分が増加するた
め、保磁力の温度依存性がよく、結晶磁気異方性
が主体である粒状のコバルト金属磁性粉末のよう
に、加温されれたりした場合に保磁力が減少して
しまうということもない。 この発明の磁気記録媒体を製造するには常法に
準じて行えばよく、たとえば、前記の板状で板面
に平行な磁化容易軸を有するコバルトを主体とし
た金属磁性粉末を、結合剤樹脂、有機溶剤等とと
もに混合分散して磁性塗料を調製し、これをポリ
エステルフイルムなどの基体上にロールコーター
など任意の塗布手段によつて塗布し、次いで、必
要な場合は磁性層の長手方向に磁場配向処理を行
うなどした後、乾燥すればよい。 ここに用いる結合剤樹脂としては、塩化ビニル
−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール
樹脂、繊維素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、イソシアネート化合物など従来
汎用されている結合剤樹脂が広く用いられる。 また、有機溶剤としては、トルエン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなど
従来から汎用されている有機溶剤が、単独または
二種以上混合して使用される。 なお、磁性塗料中には、通常使用されている各
種添加剤、たとえば、分散剤、潤滑剤、研磨剤、
帯電防止剤などを任意に添加使用してもよい。 〔実施例〕 次に、この発明の実施例について説明する。 実施例 1 硝酸コバルト0.82モルを2の水に溶解し、こ
の溶液を、2モルの苛性カリを溶解した2の苛
性カリ水溶液に加えて60℃の温度で撹拌し、水酸
化コバルトの板状粒子(平均粒子径0.1μ)を得
た。次いでこの水酸化コバルト板状粒子76gを
0.5Nの苛性カリ水溶液3中に懸濁させ、よく
かきまぜて分散させた。これに1モルのオルトケ
イ酸ソーダ(Na4SiO4水溶液140mlを加え、よく
かきまぜながら徐々に炭酸ガスを吹き込み、炭酸
ガスによりアルカリを中和してPH8以下になる
までかきまぜて分散させながら炭酸ガスを吹き込
んだ。その後デカンテーシヨン法によつて充分に
磁性粉末を水洗し、乾燥させて、コバルトに対す
るケイ素の含有量が2重量%に相当するケイ素化
合物被膜を有する水酸化コバルト板状粒子を得
た。このようにして得られたケイ素化合物被膜を
有する水酸化コバルト板状粒子を空気中にて、
700℃で2時間加熱し、そ後、500℃で4時間水素
気流中で加熱還元してコバルト金属磁性粉末を得
た。得られたコバルト金属磁性粉末は、板状で板
面に平行な磁化容易軸を有し、平均粒子径は
0.1μ、保磁力は800エルステツドで、飽和磁化量
は125emu/gであつた。また、このコバルト金
属磁性粉末には、コバルトに対するケイ素の含有
量が2重量%に相当するSiO2が含有されていた。 このようにして得られたコバルト金属磁性粉末
を使用し、 コバルト金属磁性粉末 100重量部 エスレツクA−5(積水化学工業社製、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体) 13.7 〃 タケラツクE−551(武田薬品工業社製、ウレタ
ンプレポリマー) 8.7 〃 コロネートL(日本ポリウレタン工業社製、三
官能性低分子量イソシアネート化合物)
2.5 〃 パルミチン酸 0.8 〃 メチルイソブチルケトン 64 〃 トルエン 64 〃 の組成からなる組成物をボールミル中で72時間混
合分散して、磁性塗料を調整した。この磁性塗料
を厚さ10μのポリエステルベースフイルム上に塗
布し、乾燥厚が4μの磁性層を形成した。次いで、
この磁性層の表面処理を行つたのち、所定の巾に
裁断して、磁気テープをつくつた。 実施例 2 実施例1におけるコバルト金属磁性粉末の合成
において、硝酸コバルトの水溶液中に新たに硝酸
ニツケルを0.05モル添加して、5%の水酸化ニツ
ケルを共沈させてなる板状の水酸化コバルト粒子
を得、これを実施例1と同様にして加熱し、さら
に加熱還元してニツケルを含有したコバルト金属
磁性粉末を製造した。得られたニツケル含有コバ
ルト金属磁性粉末は、板状で、板面に平行な磁化
容易軸を有し、平均粒子径は0.1μ、保磁力は820
エルステツド、飽和磁化量は115emu/gで、コ
バルトとニツケルの合計量に対してケイ素が2重
量%に相当するSiO2が含有されていた。また、
ニツケルの含有量はコバルトとニツケルの合計量
に対して5重量%であつた。次いで、これを実施
例1におけるコバルト金属磁性粉末に代えて同量
使用した以外は実施例1と同様にして磁気テープ
をつくつた。 実施例 3 実施例1におけるコバルト金属磁性粉末の合成
において、水酸化コバルトの析出温度を60℃から
30℃に変更した以外は実施例1と同様にしてコバ
ルト金属磁性粉末を製造した。得られたコバルト
金属磁性粉末は、板状で、板面に平行な磁化容易
軸を有し、平均粒子径は0.07μ、保磁力は670エル
ステツドで、飽和磁化量は、120emu/gであつ
た。次いで、これを実施例1におけるコバルト金
属磁性粉末に代ええて同量使用した以外は実施例
1と同様にして磁気テープをつくつた。 比較例 1 実施例1におけるコバルト金属磁性粉末の合成
において、水素気流中での還元温度および時間
を、500℃、4時間から350℃、8時間に変更した
以外は実施例1と同様にしてコバルト金属磁性粉
末を得た。得られたコバルト金属磁性粉末は、板
状で板面に平行な磁化容易軸を有し、平均粒子径
は0.1μ、保磁力は580エルステツド、飽和磁化量
は85emu/gであつた。またコバルトに対してケ
イ素が2重量%に相当するSiO2が含有されてい
た。次いで、これを実施例1におけるコバルト金
属磁性粉末に代えて同量使用した以外は実施例1
と同様にして磁気テープをつくつた。 比較例 2 実施例1における磁性塗料の組成において、コ
バルト金属磁性粉末に代えて、平均粒子径が
0.5μ、保磁力が820エルステツド、鉄に対してケ
イ素が2重量%に相当するSiO2が含有された針
状の金属鉄磁性粉末を同量使用した以外は実施例
1と同様にして磁気テープをつくつた。 比較例 3 実施例1における磁性塗料の組成において、コ
バルト金属磁性粉末に代えて、平均粒子径が
0.1μ、保磁力が810エルステツド、コバルトに対
してケイ素が2重量%に相当するSiO2が含有さ
れた粒状のコバルト金属磁性粉末を同量使用した
以外は実施例1と同様にして磁気テープをつくつ
た。 各実施例および各比較例で得られた磁気テープ
について、保磁力、最大磁束密度、角型、ビデオ
出力、C/N、カラーS/N、表面粗度、粒度分
布を測定し、耐食性を試験した。ビデオ出力は、
4MHzのキヤリア信号を記録再生したときの出力
レベルをYHP社製スペクトロアナライザーによ
つて測定し、またC/Nは、1〜7MHzまでの全
ノイズと4MHzのキヤリアレベルとの比を求めて
測定した。また、カラーS/Nは、得られた磁気
テープを日立製作所社製VTRにかけて、テレビ
ジヨン信号発生器により規定のカラー信号(一色
クロマ信号)を記録再生してビデオカラーノイズ
メーターにより測定し、表面粗度は、東京精機社
製、触針式表面粗度計を用いてカツトオフ0.08mm
で中心線平均粗度を測定した。さらに、粒度分布
は、電子顕微鏡による形状観察写真から粒子1000
個の粒度を測定し、その分布曲線の極大ピークの
半価幅から算定した。この粒度分布は数値が小さ
いほど分布の広がりが狭く、粒子径が均一になつ
ていることを示す。また、耐食性試験は、得られ
た磁気テープを60℃、90%RHの条件下に7日間
放置し、放置後の最大磁束密度の劣化率を、放置
前の磁気テープの最大磁束密度を100%として、
これと比較した値でその劣化率を調べて行つた。
下表はその結果である。 また、実施例1および比較例3で得られた磁気
テープを、液体窒素で冷却した後、徐々に加熱
し、各温度における保磁力を測定した。第1図は
その結果をグラフで表したもので、グラフAは実
施例1で得られた磁気テープを示し、グラフBは
比較例3で得られた磁気テープを示す。
した板状で板面に平行な磁化容易軸を有する磁性
粉末を用いた磁気記録媒体に関し、前記磁性粉末
の充填性、分散性および磁性層の表面平滑性が良
好で、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供
することを目的とする。 〔背景技術〕 磁気記録媒体は、通常、磁性粉末を結合剤樹脂
とともに基体上に塗着して磁性層を形成すること
によりつくられ、このとき使用される磁性粉末と
しては磁気特性に優れ、磁気記録媒体に高感度、
高S/N比など各種の優れた電磁変換特性を付与
できるものが望まれる。 このため、飽和磁化量の大きな鉄を主体とした
針状の金属磁性粉末を記録素子として使用するこ
と(特開昭55−82408号)が行われているが、こ
の種の鉄を主体とする針状の金属磁性粉末は、粒
子径が小さくなりすぎると、保磁力が高くなりす
ぎて磁気記録媒体用として適さなくなるため、針
状粒子の粒子径を少なくとも0.2μ以上の大きさに
しなければならず、このように粒子径の比較的大
きな金属磁性粉末を使用すると、粉末粒子の充填
性、分散性および配向性が悪く、磁性層の表面平
滑性も劣化して、良好な電磁変換特性が得られな
いという難点がある。そこで、近年、鉄を主体と
した針状の磁性粉末に代わるものとして、飽和磁
化量の大きな粒状のコバルト金属磁性粉末を使用
することが試みられているが、この種の粒状のコ
バルト金属磁性粉末を使用したものは、鉄を主体
とした金属磁性粉末を使用したものに比し、耐酸
化性が良好でほぼ同等の電磁変換特性が得られる
ものの、保磁力の熱安定性が悪く、また粒状であ
るため磁性層の表面平滑性も充分に良好になら
ず、いまひとつ電磁変換特性を充分に向上させる
ことができない。 〔発明の概要〕 この発明はかかる観点から種々検討を行つた結
果、板状で、板面に平行な磁化容易軸を有するコ
バルトを主体とした金属磁性粉末を使用すれば、
この種の金属磁性粉末は、耐酸化性および保磁力
の熱安定性が良好な上、平均粒子径が0.1μ以下の
超微粒子であつても、保磁力を容易に調整するこ
とができるため、耐酸化性および保磁力の熱安定
性が良好でしかも好適な保磁力を有する磁気記録
媒体が得られ、また、比表面積が小さくて高い残
留磁化量を有し、さらに平均粒子径がきわめて小
さいため、磁性粉末の充填性、分散性および磁性
層の表面平滑性が良好で電磁変換特性に優れた磁
気記録媒体が得られることを見いだしてなされた
もので、板状で、板面に平行な磁化容易軸を有す
るコバルトを主体とした金属磁性粉末を磁性層中
に含有させたことを特徴とするものである。 この発明において使用されるコバルトを主体と
する金属磁性粉末は、面心立方晶を多く含む六方
晶系の板状の磁性粉末で、板面に平行な磁化容易
軸を有し、コバルトのみからなるものの他、コバ
ルトに、鉄、ニツケル、マンガン、クロム、銅、
亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の金属を含有
させたものなどが好適なものとして使用される。
このような面心立方晶を多く含む六方晶系の板面
に平行な磁化容易軸を有する板状のコバルトを主
体とした金属磁性粉末は、鉄を主体とする針状の
金属磁性粉末に比し、比表面積が小さく、耐酸化
性もはるかに高くて安定性が高い。また、この種
の板状のコバルトを主体とする金属磁性粉末は、
平均粒子径が0.1μ以下の超微粒子であつても、保
磁力が高くなりすぎることがなく、保磁力を自在
に調整することができて磁気記録媒体用として適
した保磁力のものを容易に得ることができ、さら
に、その高い飽和磁化量と安定性から高い残留磁
化量を有する。従つて、この種の板状のコバルト
を主体とした金属磁性粉末を使用すれば、磁性粉
末の充填性、分散性および配向性が充分に向上さ
れ、磁性層の表面平滑性も充分に改善されて、ビ
デオ画質およびクロマ出力が顕著に向上し、一段
と電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が得られ
る。 このような板状のコバルトを主体とする金属磁
性粉末は、コバルト塩をアルカリ溶液中で反応さ
せて合成した水酸化コバルトの板状の結晶の表面
を必要な場合は焼結防止剤で被覆した後、これを
空気中あるいは不活性ガス中で熱分解し、さらに
400℃以上の温度で、水素気流中等で還元してつ
くられ、このような400℃以上の温度での還元に
よつて六方晶の他に面心立方晶を多く含むコバル
ト金属磁性粉末となり、板面に平行な磁化容易軸
を有するコバルト金属磁性粉末が得られる。この
ようなコバルト金属磁性粉末の平均粒子径は、前
記のようにしてコバルト金属磁性粉末を製造する
際、水酸化コバルトの板状結晶の形成時に結晶成
長速度をコントロールすることによつて調整さ
れ、また同様に保磁力はコバルト金属磁性粉末を
製造する際、粒子サイズに加えて、還元前の熱処
理及び表面処理等の前処理の条件を変えることに
よつて調整される。このようにして平均粒子径が
調整されるコバルトを主成分とした金属磁性粉末
は、平均粒子径が0.2μより大きいと、これを用い
て得られる磁性層の表面平滑性を充分に良好にし
て電磁変換特性を充分に向上することができない
ため、平均粒子径が0.2μ以下のものであることが
好ましい。しかし、粒子径が0.03μより小さいも
のでは塗料中での分散が困難になり、その結果、
角型が低下するため、粒子径が0.03〜0.2μの範囲
内のものを使用するのが好ましい。 また、この種の板状で板面に平行な磁化容易軸
を有するコバルトを主体とする金属磁性粉末は、
形状磁気異方性に基づく保磁力成分が増加するた
め、保磁力の温度依存性がよく、結晶磁気異方性
が主体である粒状のコバルト金属磁性粉末のよう
に、加温されれたりした場合に保磁力が減少して
しまうということもない。 この発明の磁気記録媒体を製造するには常法に
準じて行えばよく、たとえば、前記の板状で板面
に平行な磁化容易軸を有するコバルトを主体とし
た金属磁性粉末を、結合剤樹脂、有機溶剤等とと
もに混合分散して磁性塗料を調製し、これをポリ
エステルフイルムなどの基体上にロールコーター
など任意の塗布手段によつて塗布し、次いで、必
要な場合は磁性層の長手方向に磁場配向処理を行
うなどした後、乾燥すればよい。 ここに用いる結合剤樹脂としては、塩化ビニル
−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール
樹脂、繊維素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、イソシアネート化合物など従来
汎用されている結合剤樹脂が広く用いられる。 また、有機溶剤としては、トルエン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなど
従来から汎用されている有機溶剤が、単独または
二種以上混合して使用される。 なお、磁性塗料中には、通常使用されている各
種添加剤、たとえば、分散剤、潤滑剤、研磨剤、
帯電防止剤などを任意に添加使用してもよい。 〔実施例〕 次に、この発明の実施例について説明する。 実施例 1 硝酸コバルト0.82モルを2の水に溶解し、こ
の溶液を、2モルの苛性カリを溶解した2の苛
性カリ水溶液に加えて60℃の温度で撹拌し、水酸
化コバルトの板状粒子(平均粒子径0.1μ)を得
た。次いでこの水酸化コバルト板状粒子76gを
0.5Nの苛性カリ水溶液3中に懸濁させ、よく
かきまぜて分散させた。これに1モルのオルトケ
イ酸ソーダ(Na4SiO4水溶液140mlを加え、よく
かきまぜながら徐々に炭酸ガスを吹き込み、炭酸
ガスによりアルカリを中和してPH8以下になる
までかきまぜて分散させながら炭酸ガスを吹き込
んだ。その後デカンテーシヨン法によつて充分に
磁性粉末を水洗し、乾燥させて、コバルトに対す
るケイ素の含有量が2重量%に相当するケイ素化
合物被膜を有する水酸化コバルト板状粒子を得
た。このようにして得られたケイ素化合物被膜を
有する水酸化コバルト板状粒子を空気中にて、
700℃で2時間加熱し、そ後、500℃で4時間水素
気流中で加熱還元してコバルト金属磁性粉末を得
た。得られたコバルト金属磁性粉末は、板状で板
面に平行な磁化容易軸を有し、平均粒子径は
0.1μ、保磁力は800エルステツドで、飽和磁化量
は125emu/gであつた。また、このコバルト金
属磁性粉末には、コバルトに対するケイ素の含有
量が2重量%に相当するSiO2が含有されていた。 このようにして得られたコバルト金属磁性粉末
を使用し、 コバルト金属磁性粉末 100重量部 エスレツクA−5(積水化学工業社製、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体) 13.7 〃 タケラツクE−551(武田薬品工業社製、ウレタ
ンプレポリマー) 8.7 〃 コロネートL(日本ポリウレタン工業社製、三
官能性低分子量イソシアネート化合物)
2.5 〃 パルミチン酸 0.8 〃 メチルイソブチルケトン 64 〃 トルエン 64 〃 の組成からなる組成物をボールミル中で72時間混
合分散して、磁性塗料を調整した。この磁性塗料
を厚さ10μのポリエステルベースフイルム上に塗
布し、乾燥厚が4μの磁性層を形成した。次いで、
この磁性層の表面処理を行つたのち、所定の巾に
裁断して、磁気テープをつくつた。 実施例 2 実施例1におけるコバルト金属磁性粉末の合成
において、硝酸コバルトの水溶液中に新たに硝酸
ニツケルを0.05モル添加して、5%の水酸化ニツ
ケルを共沈させてなる板状の水酸化コバルト粒子
を得、これを実施例1と同様にして加熱し、さら
に加熱還元してニツケルを含有したコバルト金属
磁性粉末を製造した。得られたニツケル含有コバ
ルト金属磁性粉末は、板状で、板面に平行な磁化
容易軸を有し、平均粒子径は0.1μ、保磁力は820
エルステツド、飽和磁化量は115emu/gで、コ
バルトとニツケルの合計量に対してケイ素が2重
量%に相当するSiO2が含有されていた。また、
ニツケルの含有量はコバルトとニツケルの合計量
に対して5重量%であつた。次いで、これを実施
例1におけるコバルト金属磁性粉末に代えて同量
使用した以外は実施例1と同様にして磁気テープ
をつくつた。 実施例 3 実施例1におけるコバルト金属磁性粉末の合成
において、水酸化コバルトの析出温度を60℃から
30℃に変更した以外は実施例1と同様にしてコバ
ルト金属磁性粉末を製造した。得られたコバルト
金属磁性粉末は、板状で、板面に平行な磁化容易
軸を有し、平均粒子径は0.07μ、保磁力は670エル
ステツドで、飽和磁化量は、120emu/gであつ
た。次いで、これを実施例1におけるコバルト金
属磁性粉末に代ええて同量使用した以外は実施例
1と同様にして磁気テープをつくつた。 比較例 1 実施例1におけるコバルト金属磁性粉末の合成
において、水素気流中での還元温度および時間
を、500℃、4時間から350℃、8時間に変更した
以外は実施例1と同様にしてコバルト金属磁性粉
末を得た。得られたコバルト金属磁性粉末は、板
状で板面に平行な磁化容易軸を有し、平均粒子径
は0.1μ、保磁力は580エルステツド、飽和磁化量
は85emu/gであつた。またコバルトに対してケ
イ素が2重量%に相当するSiO2が含有されてい
た。次いで、これを実施例1におけるコバルト金
属磁性粉末に代えて同量使用した以外は実施例1
と同様にして磁気テープをつくつた。 比較例 2 実施例1における磁性塗料の組成において、コ
バルト金属磁性粉末に代えて、平均粒子径が
0.5μ、保磁力が820エルステツド、鉄に対してケ
イ素が2重量%に相当するSiO2が含有された針
状の金属鉄磁性粉末を同量使用した以外は実施例
1と同様にして磁気テープをつくつた。 比較例 3 実施例1における磁性塗料の組成において、コ
バルト金属磁性粉末に代えて、平均粒子径が
0.1μ、保磁力が810エルステツド、コバルトに対
してケイ素が2重量%に相当するSiO2が含有さ
れた粒状のコバルト金属磁性粉末を同量使用した
以外は実施例1と同様にして磁気テープをつくつ
た。 各実施例および各比較例で得られた磁気テープ
について、保磁力、最大磁束密度、角型、ビデオ
出力、C/N、カラーS/N、表面粗度、粒度分
布を測定し、耐食性を試験した。ビデオ出力は、
4MHzのキヤリア信号を記録再生したときの出力
レベルをYHP社製スペクトロアナライザーによ
つて測定し、またC/Nは、1〜7MHzまでの全
ノイズと4MHzのキヤリアレベルとの比を求めて
測定した。また、カラーS/Nは、得られた磁気
テープを日立製作所社製VTRにかけて、テレビ
ジヨン信号発生器により規定のカラー信号(一色
クロマ信号)を記録再生してビデオカラーノイズ
メーターにより測定し、表面粗度は、東京精機社
製、触針式表面粗度計を用いてカツトオフ0.08mm
で中心線平均粗度を測定した。さらに、粒度分布
は、電子顕微鏡による形状観察写真から粒子1000
個の粒度を測定し、その分布曲線の極大ピークの
半価幅から算定した。この粒度分布は数値が小さ
いほど分布の広がりが狭く、粒子径が均一になつ
ていることを示す。また、耐食性試験は、得られ
た磁気テープを60℃、90%RHの条件下に7日間
放置し、放置後の最大磁束密度の劣化率を、放置
前の磁気テープの最大磁束密度を100%として、
これと比較した値でその劣化率を調べて行つた。
下表はその結果である。 また、実施例1および比較例3で得られた磁気
テープを、液体窒素で冷却した後、徐々に加熱
し、各温度における保磁力を測定した。第1図は
その結果をグラフで表したもので、グラフAは実
施例1で得られた磁気テープを示し、グラフBは
比較例3で得られた磁気テープを示す。
上表から明らかなように、この発明で得られた
磁気テープ(実施例1ないし3)は、比較例1な
いし3で得られた磁気テープに比し、角型、ビデ
オ出力、C/N、カラーS/Nが高く、粒度分布
が小さくて、表面粗度も小さく、このことからこ
の発明によつて得られる磁気記録媒体は、磁性粉
末の充填性、分散性に優れ、磁性層の表面平滑性
が良好で電磁変換特性に優れていることがわか
る。また、第1図に示すグラフから明らかなよう
に、比較例3で得られた磁気テープは温度が高く
なるに従つて保磁力が急激に低下しているが、実
施例1で得られた磁気テープは比較例3の磁気テ
ープほど急激な保磁力の低下が見られず、このこ
とからこの発明によつて得られる磁気記録媒体
は、保磁力の熱安定性も良好であることがわか
る。
磁気テープ(実施例1ないし3)は、比較例1な
いし3で得られた磁気テープに比し、角型、ビデ
オ出力、C/N、カラーS/Nが高く、粒度分布
が小さくて、表面粗度も小さく、このことからこ
の発明によつて得られる磁気記録媒体は、磁性粉
末の充填性、分散性に優れ、磁性層の表面平滑性
が良好で電磁変換特性に優れていることがわか
る。また、第1図に示すグラフから明らかなよう
に、比較例3で得られた磁気テープは温度が高く
なるに従つて保磁力が急激に低下しているが、実
施例1で得られた磁気テープは比較例3の磁気テ
ープほど急激な保磁力の低下が見られず、このこ
とからこの発明によつて得られる磁気記録媒体
は、保磁力の熱安定性も良好であることがわか
る。
第1図は実施例1および比較例3で得られた磁
気テープの保磁力と温度との関係図である。
気テープの保磁力と温度との関係図である。
Claims (1)
- 1 板状で板面に平行な磁化容易軸を有するコバ
ルトを主体とした磁性粉末を磁性層中に含有させ
たことを特徴とする磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59118781A JPS60263328A (ja) | 1984-06-09 | 1984-06-09 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59118781A JPS60263328A (ja) | 1984-06-09 | 1984-06-09 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60263328A JPS60263328A (ja) | 1985-12-26 |
| JPH0467687B2 true JPH0467687B2 (ja) | 1992-10-29 |
Family
ID=14744921
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59118781A Granted JPS60263328A (ja) | 1984-06-09 | 1984-06-09 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60263328A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5057299A (en) * | 1989-12-08 | 1991-10-15 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Method for making beta cobaltous hydroxide |
-
1984
- 1984-06-09 JP JP59118781A patent/JPS60263328A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60263328A (ja) | 1985-12-26 |
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