JPH0473375B2 - - Google Patents
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- JPH0473375B2 JPH0473375B2 JP59177577A JP17757784A JPH0473375B2 JP H0473375 B2 JPH0473375 B2 JP H0473375B2 JP 59177577 A JP59177577 A JP 59177577A JP 17757784 A JP17757784 A JP 17757784A JP H0473375 B2 JPH0473375 B2 JP H0473375B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stretching
- molding material
- acetal
- strength
- copolymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、ち密で高弾性率の新規なアセター
ル・コポリマー成形材料に関するものである。さ
らに詳しくいえば、本発明は、引張弾性率、引張
強度などの分子配向方向における強度が高いばか
りでなく、曲げ強度、引掛け強度、座屈強度、耐
繰り返し曲げ疲労などの分子配向方向に垂直な方
向、すなわち横方向における強度も高いという点
で従来の共重合ポリアセタール成形材料とは明ら
かに異なつた特徴を有する高密度のアセタール・
コポリマー成形材料に関するものである。 アセタール・コポリマーは、通常主原料として
ホルムアルデヒドの二量体であるトリオキサンを
用い、このものにエチレンオキシド又は1,3−
ジオキサンなどの2個の隣接炭素原子を有する環
状エーテルを添加してイオン重合開始剤によつて
重合させることにより得られる熱可塑性重合体で
あつて、ホルムアルデヒドの単独重合により得ら
れるアセタール・ホモポリマーよりも耐アルカリ
性、低吸水性、耐光性などに優れており、また、
機械的強度、剛性、硬度、耐疲労性、耐熱性、電
気絶縁性、耐衝撃性、変形復元性などが該ホモポ
リマーよりも若干劣るとはいえ、比較的高いプラ
スチツク材料であり、その上耐薬品性、耐溶剤
性、表面光沢の良好な材料であるため、ホモポリ
マーと同様に、各種の機械部品、自動車部品、電
気材料部品、パイプ、構造材、各種容器などとし
て広く用いられている。 従来の技術 しかしながら、このものは、他のプラスチツク
スに比較すれば、高い引張弾性率を有するとはい
え、使用目的によつては、さらに高弾性率が要求
されるため、これまでも高弾性率のアセタール・
コポリマーを得る方法についての検討がなされて
きた。 このような方法としては、例えばダイスを通し
て引張延伸する方法〔「ジヤーナル・オブ・アプ
ライド・ポリマー・サイエンス(J.Appl.Polym.
Sci.)」第26巻、第2879ページ〕が知られている。
しかしながら、この方法においては、18GPaとい
う比較的高い引張弾性率に到達するものの、延伸
中にボイドの生成及びフイブリル化を生じるた
め、弾性率が高くなるほど、見掛け密度が低下
し、例えば未延伸時の1.41g/cm3から1.35g/
cm3、最低1.27g/cm3にも低下し、その結果、延伸
方向の機械的強度の低下や、裂け、バラケが容易
に生じ、また横方向の機械的強度が低下するなど
の欠点がある。 さらに、加熱下で延伸する方法として、コモノ
マー4重量%を含むコポリマーのフイラメント
を、133℃に加熱して、9.05倍延伸することによ
り、25.6デニール、強度6.0g/d、伸度21%の
単糸を得る方法(米国特許第3134636号明細書)
及びコポリマーを60〜160℃に加熱して、2段階
で約3〜20倍延伸し、強度5g/d以上、弾性率
50〜165g/d、伸度10〜40%の延伸糸を得る方
法(米国特許第3479314号明細書)が知られてい
る。 しかしながら、これらの方法では延伸の際に圧
力が加えられていないため、フイラメント内に多
数のボイドが形成されるのを免れず、延伸方向の
機械的強度を減少させるだけでなく横方向の機械
的強度をも低下させるという欠点がある。 その他、延伸法以外に加熱ロールによる圧延
や、静水圧によるダイス伸出を行つて物性を改善
する方法も試みられているが、いずれの方法も、
得られる製品の引張弾性率が数GPa以下と低く、
かつボイドがあるため、実用的な方法とはいえな
い。 また、アセタール樹脂その他のプラスチツクに
対し、その軟化点以上の高温下で高圧をかけたの
ち、同一装置内で常温常圧に戻すことにより、熱
安定性及び透明性を改善する方法も提案されてい
るが(特開昭53−141371号公報)、この方法では、
高弾性率化に必要な程度の高延伸配向を達成する
ことができないため、高い引張弾性率をもつ製品
を得ることができない。 他方、アセタール・ホモポリマーについては、
誘電加熱下に超延伸を行つて高弾性率のものを得
る方法が知られている(特開昭57−208216号公
報、特開昭58−109617号公報、特開昭58−109651
号公報)。これらの方法によれば、42GPaという
高い引張弾性率を有するポリアセタールを得るこ
とができるが、ボイドの生成が著しく横方向の力
学的強度や密度の低下、耐薬品性や耐熱性の劣化
を伴うという欠点がある上に、コポリマーに対し
ては適用できないという問題があつた。 このように、従来の方法では、アセタール・コ
ポリマーに対して、高弾性率化が達成されない理
由としては、アセタール・コポリマーにおいては
ポリオキシメチレンセグメントの外にポリオキシ
エチレンセグメントのような異種の分子鎖が存在
するため、ホモポリマーのように、配向分子の均
一性が保持されないことによるものと思われる。 ところで、近年アセタール樹脂はロープ、漁網
などの産業資材、光フアイバーケーブル用のテン
シヨンメンバーなどとしての用途が開発された結
果、従来のものよりもさらに高い引張弾性率、引
張強度が要求されるとともに、曲げ強度、引掛け
強度、座屈強度、耐くり返し曲げ疲労のような横
方向に対する強度の向上が要求されるようになつ
てきたにもかかわらず、前記したように従来のア
セタール・コポリマー成形材料は、いずれもこれ
らの要求にこたえることはできなかつた。 問題点を解決するための手段 本発明者らは、先に、延伸方向のみでなく、横
方向の機械的強度の優れたポリアセタール・ホモ
ポリマー成形材料を得るために、特殊な手段を用
いてポリアセタール・ホモポリマーを加熱、加圧
した状態で延伸することにより、目的とする延伸
方向のみでなく横方向の機械的強度に優れたポリ
アセタール・ホモポリマー成形材料を得ることが
できることを見出した(特願昭59−38398号)。 本発明の目的は、基本的には前記の方法をポリ
アセタール・コポリマーに適用し、高密度、高弾
性率、高引張強度を有するばかりでなく、曲げ強
度、引掛け強度、座屈強度、耐くり返し曲げ疲労
などのいわゆる横方向に対する機械的強度も優れ
たアセタール・コポリマー成形材料を提供するこ
とにある。 問題点を解決するための手段 本発明者らは種々研究を重ねた結果、特殊な手
段を用いてアセタール・コポリマーを加熱、加圧
した状態で延伸すれば、延伸中に生じるフイブリ
ル化及びボイドが抑制された高延伸のアセター
ル・コポリマー成形材料が得られ、このものは前
記の目的に適合しうることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、見掛け密度1.20〜1.45
g/cm3、引張弾性率19GPa以上及び密度変化率85
%以上を有することを特徴とする高弾性率アセタ
ール・コポリマー成形材料を提供するものであ
る。 ここで密度変化率(Y)は、アセタール・コポ
リマーの延伸前の見掛け密度に対する延伸後の見
掛け密度の百分率で、次式によつて表わされるも
のである。 Y(%)=延伸後のアセタール・コ
ポリマーの見掛け密度/延伸前のアセタール・コポリマ
ーの見掛け密度×100……() 延伸前については、所定のアセタール・コポリ
マー1gを50ml容ビーカーにとり、窒素気流下、
約180〜200℃で10分間加熱溶融後、20℃まで放冷
した試料で測定した。 本発明においては、アセタール・コポリマー
は、その分子量がで数万〜10万(MFI1.0〜
20)の範囲のものが通常用いられる。 このアセタール・コポリマーは、前記条件を満
たすものであれば特に限定するものではないが、
一般には90〜99.6モル%の循環オキシメチレン単
位を有し、かつ鎖中に0.4〜10モル%の−OR−
(ただし、Rはたがいに直接結合した炭素原子2
個以上をもつ二価基であつて、鎖中2原子価間に
位しており、R基中の置換体はすべて不活性であ
るとする)が点在しているオキシメチレン共重合
体である。さらに、95〜99.6モル%の循環オキシ
メチレン単位を有するコポリマーが好ましい。こ
のオキシメチレン単位の比率が低くなると弾性率
が低下し、本発明の成形材料をうることが困難で
ある。またオキシメチレン単位の比率が高くな
り、100%に近くなると実質的にホモポリマーと
同等の弾性率となる。 本発明のアセタール・コポリマーは、実際に使
用する場合には、必要に応じ、他のポリマーや充
填剤と混合されることがあるが、このような場合
の見掛け密度としては、混合されたアセタール・
コポリマー以外のものをすべて除いた状態のもの
を意味する。 前記の密度変化率は、フイブリル化を生じて密
度が低下したか、否かを判断するパラメーターと
なるもので、フイブリル化が生じれば生じるほど
この数値は低くなる。 第1図は、本発明成形材料の分布領域を示すグ
ラフであり、横軸として引張弾性率を、縦軸とし
て密度変化率をとり、プロツトしたものである。
図中の実線で囲まれている部分が引張弾性率
(X)≧19GPa、密度変化率(Y)≧85%に相当す
る領域である。 この図から明らかなように、本発明成形材料
(○で示される)はいずれもこの領域内に包含さ
れ、従来のアセタール・コポリマー成形材料(△
で示される)とは明確に区別される。そして、従
来のアセタール・コポリマーにおいては、例えば
これまで知られている引張弾性率の最高値である
18GPa(延伸倍率13倍)では、未延伸時の見掛け
密度1.41g/cm3から1.27g/cm3となつているのに
対し、本発明の成形材料の場合は、引張弾性率が
19GPa以上であつて、高い見掛け密度を有し、高
弾性率の領域において、配向化が進むほど、また
加圧力を高くするほど見掛け密度が高くなる傾向
がみられ、例えば加圧力を高圧にした場合、見掛
け密度が1.45g/cm3のものも得られた。 本発明成形材料においては、コポリマーに含ま
れるエチレンオキサイドなどの副原料の含有率
(以後コポリマー率という)によつて、到達引張
弾性率と密度変化率との関係は異なり、コポリマ
ー率が小さくなるほど、すなわち、ホモポリマー
に近づくほど、高い引張弾性率で高い密度変化率
を有するが、コポリマー率が大きくなると、高い
密度変化率をもつ領域での引張弾性率が低くな
る。例えば、ホモポリマーでは、45GPaの高引張
弾性率でも、密度変化率は100%以上を有するが、
コポリマー率2重量%のコポリマーでは、密度変
化率が100%以上のものは28GPaまでであつた。 また、密度変化率が高いほど透明性があり、硬
度が高く、機械的強度、耐久性が高くなるが、反
対に密度変化率が低くなりすぎると、白化し、毛
羽立ちが目立ち、機械的強度、耐久性が低下す
る。コポリマー率2重量%のコポリマーでは、引
張弾性率が19〜30GPa、密度変化率が85%以上の
ものは、高弾性率、高強度であるので好ましく、
25〜29GPaの範囲のもので、90%以上のものは、
透明性、硬さ、耐久性に優れるので特に好まし
い。 以上のように、コポリマー率によつて到達値が
異なるが、引張弾性率が19GPa以上、密度変化率
が85%以上であれば、高密度、高引張弾性率であ
る本発明成形材料としての特徴が出てくる。 このように、本発明成形材料が高弾性率である
にもかかわらず、密度低下を生じていないのは、
延伸によるフイブリル化が抑制されているためで
あると考えられる。事実、従来のアセタール・コ
ポリマーの高延伸体を顕微鏡で観察すると、多数
のフイブリル構造が認められるのに対し、本発明
成形材料においては、顕在化したフイブリル構造
は実質上認められない。 以上のような特徴を有する本発明成形材料は、
例えば、通常の方法で製造したアセタール・コポ
リマーの成形体を、加圧流体中に通して加圧し、
かつ軟化点を超えない温度に加熱しながら、6〜
30倍に高延伸することによつて得ることができ
る。この際の加圧流体としては、通常液体を用い
るが、所望ならば気体を用いることもできる。こ
の流体は、アセタール・コポリマーに対し不活性
であり、延伸温度において流動性を示すものであ
る限り、特に制限はない。このような液体の例と
しては、シリコーンオイル、鉱油、植物油、グリ
セリン、グリース、ポリエチレングリコール、ポ
リエチレンなどを、また気体の例としては、窒
素、アルゴン、ネオン、ヘリウムのような不活性
ガスや空気などをそれぞれ挙げることができる。
そして、この流体を実質的に密封された容器中で
コンプレツサーなどを用いて加圧したり、あるい
は他の場所で加圧状態とした流体を、所定の処理
帯域に循環させるなどの手段でアセタール・コポ
リマーの成形体を接触させ、これを加圧する。こ
の際、後者のようにして流動状態の流体をアセタ
ール・コポリマーの成形体と接触させると加圧力
が該成形体に対し等方的に作用し、均質な圧力下
での延伸が可能になるので有利であるし、また、
この流体としてあらかじめ加熱したものを用いれ
ば、該成形体を均一に加熱することができ、延伸
を均一に行うことができるので有利である。 これらの流体により加えられる圧力としては通
常、10〜1000Kg/cm2、好ましくは、40〜800Kg/
cm2の範囲が選ばれるが、所望ならば、さらに高い
圧力を用いることもできる。一般に圧力を大きく
するほど物性の改善効果は上がる傾向がある。こ
の圧力は少なくとも2秒程度連続的に加えるのが
望ましい。 本発明成形材料を得るには、延伸時の温度も重
要であり、延伸時の圧力下におけるアセタール・
コポリマーの軟化点を超えない温度で行うことが
必要である。この軟化点は、同じ物質においても
圧力の増大に従つて上昇する。軟化点よりも高い
温度においてもアセタール・コポリマーの延伸は
可能であるが、分子配向が十分に進行しないた
め、引張弾性率が著しく低下する。一般に圧力が
1000Kg/cm2までであれば、処理温度は100〜180
℃、好ましくは、120〜170℃の範囲内が適当であ
る。 加熱方法としては、前記したように、加圧流体
をあらかじめ所定温度に加熱しておき、これをア
セタール・コポリマーの成形体と接触するのが好
ましいが、その他の方法、例えばアセタール・コ
ポリマーの成形体と流体との接触する帯域を外部
から加熱する方法、アセタール・コポリマーの成
形体をあらかじめ加熱してから導入する方法など
も用いることができる。この加熱には、電熱ヒー
ターによる加熱、気体液体、固体などを熱媒とす
る加熱、赤外線、遠赤外線などによる輻射加熱、
電磁波による加熱など通常の加熱に用いられる任
意の手段を用いることができる。 次に、本発明成形材料の製造においては、原料
のアセタール・コポリマーの成形体を周囲の流体
を介して均一に加圧し、かつ軟化点を超えない温
度に加熱した状態で高延伸することが必要であ
る。そして、引張弾性率を著しく向上させるには
自然延伸比領域を超えた10〜30倍、好ましくは、
12〜25倍の高倍率で延伸することが必要である。
この倍率が10倍未満では引張弾性率の改善はあま
り認められないし、また30倍よりも大きくすると
切断を生じるおそれがある。この延伸は、例え
ば、供給ローラと引取ローラとの回転比を変える
などして、供給速度よりも引取速度を大きくする
ことによつて行うことができる。他に、ベルト
式、あるいはキヤタピラ式の繰出機、引取機など
も使うことができる。 次に添付図面に従つて本発明の実施態様の1例
を説明する。第2図は、本発明方法を実施するの
に好適な装置の説明図であつて、アセタール・コ
ポリマーの長尺チユーブ(A)は繰出ローラ1からベ
ルト式繰出機2,2′を経て延伸装置(B)へ供給さ
れる。この延伸装置は、供給口3を有する保圧部
材4と取出口5を有する保圧部材6を両端に備
え、かつ供給口側に媒体導入口7を、また取出口
側に媒体排出口8をそれぞれ設けた円筒状容器9
から構成され、この中は媒体として加圧流体Cが
満たされている。この図では、流体の流れる方向
と、アセタール・コポリマーの成形体が延伸され
る方向とが同一であるが、それぞれ逆の方向にし
ても差しつかえないし、その方が好ましい場合も
ある。長尺チユーブAは、この延伸装置B中を通
過する間に、加圧流体Cにより所要の圧力で加圧
され、かつ円筒状容器9の外側に配置されたヒー
ター10,10′により加圧流体Cを介して加熱
されながら延伸処理されたのち、取り出され、ベ
ルト式引取機11,11′を経て、巻取機12に
巻き取られる。上記の保圧部材4,6にそれぞれ
設けられた供給口3と取出口5は、長尺チユーブ
Aは円滑に通すが延伸装置B内の圧力低下をもた
らさないようなシールを有しており、このシール
としては、例えば、開口と通過物体との間隙から
流体を流出させて、その際の圧力損失で保圧しう
るように開口を適度に調整する手段、開口と通過
物体との間隙を可及的に狭くしてシールする手
段、通過物体に平滑な接触部材を介して密着させ
る手段などが用いられている。この開口は、常に
一定の大きさを有するものでもよいし、また延伸
中の通過物体の断面の変化に追従できるように調
節しうるものであつてもよい。 次に媒体導入口7から導入される加圧流体と媒
体排出口8から排出される加圧流体とはぞれぞれ
独立に容易してもよいが、エネルギー消費をでき
るだけ少なくするために、両者を連結し、コンプ
レツサー、ポンプなどを用いて循環させるのが有
利である。また、加圧流体Cの加熱は、前記のよ
うな円筒状容器9の外側に配置したヒーター1
0,10′による代りに循環路の適所に設けた加
熱器によつて行うこともできる。圧力の調整は、
調圧弁など慣用されている手段を用いて行うこと
ができる。 この製造方法においては、このような延伸装置
を単独で用いて行つてもよいし、また複数個連結
して段階的に延伸処理してもよい。さらに必要に
応じ予熱器、冷却器、洗浄器、熟成器などを組み
込むこともできる。以上は、連続式に行う例であ
るが、所望ならばバツチ式で行うこともできる。 以上のようにすれば、流体を介して加圧、加熱
を行うので、アセタール・コポリマー成形体の全
表面から均質に加圧、加熱が行われ、かつ延伸時
に発生する熱も速やかに除去される結果、フイブ
リル化を抑制して高倍率の延伸が達成され、延伸
方向の機械的強度が高く、かつ横方向の外力に対
しても安定な、高密度で高弾性率、低線膨張率を
有するアセタール・コポリマー成形材料が得られ
る。 従来のアセタール・コポリマーの延伸体は、こ
れを延伸方向に引張つて破断させた際、その破断
部分が竹ぼうき状に開いた多数のフイブリルが観
察されるのに対し、本発明成形材料は加圧下での
延伸の際、破断面は、金属の破断面のような状態
となりフリブリルは認められない。そして、本発
明成形材料は、到達引張弾性率が従来よりもはる
かに高く、延伸方向の引張強度は約20%も高く、
また横方向の強度も関係する引掛け強度は約10%
も高く、さらに耐くり返し曲げ疲労は約3倍も高
くなつているなど非常に優れた物性を有してい
る。 発明の効果 本発明のアセタール・コポリマー成形材料は、
高密度、高弾性率、高引張強度を有するばかりで
なく、曲げ強度、引掛け強度、座屈強度、耐繰り
返し曲げ疲労などのいわゆる横方向に対する機械
的強度も優れており、また丸棒、角棒、異形体、
チユーブ、シート、板、テープ、糸、フイルムな
ど、任意の形状に加工しうるので、高強度を要求
されるロープ、漁網などの産業資材、高弾性率、
低線膨張率を要求される光フアイバ用のテンシヨ
ンメンバー、記録用テープ、ガツト、テグス、ラ
ケツト、クラブシヤフトなどのスポーツ用具、各
種の補強強化材料など、多方面にわたつて広く使
用することができる。 実施例 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 なお、実施中の密度は、JISK−7112(1980)浮
沈法により、無水炭酸カリウムの水溶液を用い
て、20±0.5℃において測定した。また、引張弾
性率は、バイブロンEA型(東洋ボールドウイ
ン社製)を用い、23℃において測定した。引張強
度と引掛け強度は、インストロン引張試験機を用
い、JISK7113−1981に準じて、23℃で測定した。
これらの数値の算出に必要な延伸体の断面積は、
一定長の試験の重量と、前記のようにして求めた
密度を用いて計算した。耐久テストは、航空機用
ワイヤロープJISG−3535(1977)に準じて、試験
体に荷重2Kgのおもりをぶらさげ外径10φのプー
リー上を毎分1往復させて繰り返し曲げを行い、
する切れるまでの耐久回数を求めた。透明性は外
観による透明性及び、航空機用メタクリル樹脂板
透明度試験法JISK−6714(1977)に準じて曇価
(%)を測定した。成形材料の配向状態について
は、延伸方向と平行に成形材料を割つた時の断面
を走査型電子顕微鏡(日立S430型)により2000
倍に拡大して観察し、また、成形材料の延伸方向
に垂直な方向にX線を照射したときの小角X線散
乱及び広角X線散乱をそれぞれ島津自記X線回折
装置VD2型〔島津製作所(株)製〕及びX線回折装
置MODELD−3F〔理学電機(株)製〕で測定した。 実施例 ジユラコンM25−04〔ポリプラスチツク株式会
社製アセタール・コポリマーの登録商標名、見掛
け密度1.41g/cm3(常圧)、軟化点162℃(常圧)〕
のペレツトを押出成形してつくつた外径4mm、内
径1mmのチユーブを第2図の装置(延伸部の長さ
2m、内径10mm)を用いて加圧下で連続的に延伸
した。加圧流体としてシリコーンオイルを用い、
別表に示す処理条件下において2段階で最高25倍
の延伸比まで延伸した。なお、後段部の延伸スピ
ードは0.2〜6m/minの範囲で行つた。 このようにして得た各試料について、見掛け密
度、引張弾性率、引張強度を求め、その結果を該
表に示す。 なお、比較のために、常圧下で延伸したものに
ついての結果と、また、参考に、テナツク3010
〔旭化成工業株式会社製アセタール・ホモポリマ
ーの登録商標名、見掛け密度1.42g/cm3(常圧)、
軟化点174℃(常圧)〕のチユーブ(外径4mm、内
径1mm)を加圧下で延伸した結果も併記した。
ル・コポリマー成形材料に関するものである。さ
らに詳しくいえば、本発明は、引張弾性率、引張
強度などの分子配向方向における強度が高いばか
りでなく、曲げ強度、引掛け強度、座屈強度、耐
繰り返し曲げ疲労などの分子配向方向に垂直な方
向、すなわち横方向における強度も高いという点
で従来の共重合ポリアセタール成形材料とは明ら
かに異なつた特徴を有する高密度のアセタール・
コポリマー成形材料に関するものである。 アセタール・コポリマーは、通常主原料として
ホルムアルデヒドの二量体であるトリオキサンを
用い、このものにエチレンオキシド又は1,3−
ジオキサンなどの2個の隣接炭素原子を有する環
状エーテルを添加してイオン重合開始剤によつて
重合させることにより得られる熱可塑性重合体で
あつて、ホルムアルデヒドの単独重合により得ら
れるアセタール・ホモポリマーよりも耐アルカリ
性、低吸水性、耐光性などに優れており、また、
機械的強度、剛性、硬度、耐疲労性、耐熱性、電
気絶縁性、耐衝撃性、変形復元性などが該ホモポ
リマーよりも若干劣るとはいえ、比較的高いプラ
スチツク材料であり、その上耐薬品性、耐溶剤
性、表面光沢の良好な材料であるため、ホモポリ
マーと同様に、各種の機械部品、自動車部品、電
気材料部品、パイプ、構造材、各種容器などとし
て広く用いられている。 従来の技術 しかしながら、このものは、他のプラスチツク
スに比較すれば、高い引張弾性率を有するとはい
え、使用目的によつては、さらに高弾性率が要求
されるため、これまでも高弾性率のアセタール・
コポリマーを得る方法についての検討がなされて
きた。 このような方法としては、例えばダイスを通し
て引張延伸する方法〔「ジヤーナル・オブ・アプ
ライド・ポリマー・サイエンス(J.Appl.Polym.
Sci.)」第26巻、第2879ページ〕が知られている。
しかしながら、この方法においては、18GPaとい
う比較的高い引張弾性率に到達するものの、延伸
中にボイドの生成及びフイブリル化を生じるた
め、弾性率が高くなるほど、見掛け密度が低下
し、例えば未延伸時の1.41g/cm3から1.35g/
cm3、最低1.27g/cm3にも低下し、その結果、延伸
方向の機械的強度の低下や、裂け、バラケが容易
に生じ、また横方向の機械的強度が低下するなど
の欠点がある。 さらに、加熱下で延伸する方法として、コモノ
マー4重量%を含むコポリマーのフイラメント
を、133℃に加熱して、9.05倍延伸することによ
り、25.6デニール、強度6.0g/d、伸度21%の
単糸を得る方法(米国特許第3134636号明細書)
及びコポリマーを60〜160℃に加熱して、2段階
で約3〜20倍延伸し、強度5g/d以上、弾性率
50〜165g/d、伸度10〜40%の延伸糸を得る方
法(米国特許第3479314号明細書)が知られてい
る。 しかしながら、これらの方法では延伸の際に圧
力が加えられていないため、フイラメント内に多
数のボイドが形成されるのを免れず、延伸方向の
機械的強度を減少させるだけでなく横方向の機械
的強度をも低下させるという欠点がある。 その他、延伸法以外に加熱ロールによる圧延
や、静水圧によるダイス伸出を行つて物性を改善
する方法も試みられているが、いずれの方法も、
得られる製品の引張弾性率が数GPa以下と低く、
かつボイドがあるため、実用的な方法とはいえな
い。 また、アセタール樹脂その他のプラスチツクに
対し、その軟化点以上の高温下で高圧をかけたの
ち、同一装置内で常温常圧に戻すことにより、熱
安定性及び透明性を改善する方法も提案されてい
るが(特開昭53−141371号公報)、この方法では、
高弾性率化に必要な程度の高延伸配向を達成する
ことができないため、高い引張弾性率をもつ製品
を得ることができない。 他方、アセタール・ホモポリマーについては、
誘電加熱下に超延伸を行つて高弾性率のものを得
る方法が知られている(特開昭57−208216号公
報、特開昭58−109617号公報、特開昭58−109651
号公報)。これらの方法によれば、42GPaという
高い引張弾性率を有するポリアセタールを得るこ
とができるが、ボイドの生成が著しく横方向の力
学的強度や密度の低下、耐薬品性や耐熱性の劣化
を伴うという欠点がある上に、コポリマーに対し
ては適用できないという問題があつた。 このように、従来の方法では、アセタール・コ
ポリマーに対して、高弾性率化が達成されない理
由としては、アセタール・コポリマーにおいては
ポリオキシメチレンセグメントの外にポリオキシ
エチレンセグメントのような異種の分子鎖が存在
するため、ホモポリマーのように、配向分子の均
一性が保持されないことによるものと思われる。 ところで、近年アセタール樹脂はロープ、漁網
などの産業資材、光フアイバーケーブル用のテン
シヨンメンバーなどとしての用途が開発された結
果、従来のものよりもさらに高い引張弾性率、引
張強度が要求されるとともに、曲げ強度、引掛け
強度、座屈強度、耐くり返し曲げ疲労のような横
方向に対する強度の向上が要求されるようになつ
てきたにもかかわらず、前記したように従来のア
セタール・コポリマー成形材料は、いずれもこれ
らの要求にこたえることはできなかつた。 問題点を解決するための手段 本発明者らは、先に、延伸方向のみでなく、横
方向の機械的強度の優れたポリアセタール・ホモ
ポリマー成形材料を得るために、特殊な手段を用
いてポリアセタール・ホモポリマーを加熱、加圧
した状態で延伸することにより、目的とする延伸
方向のみでなく横方向の機械的強度に優れたポリ
アセタール・ホモポリマー成形材料を得ることが
できることを見出した(特願昭59−38398号)。 本発明の目的は、基本的には前記の方法をポリ
アセタール・コポリマーに適用し、高密度、高弾
性率、高引張強度を有するばかりでなく、曲げ強
度、引掛け強度、座屈強度、耐くり返し曲げ疲労
などのいわゆる横方向に対する機械的強度も優れ
たアセタール・コポリマー成形材料を提供するこ
とにある。 問題点を解決するための手段 本発明者らは種々研究を重ねた結果、特殊な手
段を用いてアセタール・コポリマーを加熱、加圧
した状態で延伸すれば、延伸中に生じるフイブリ
ル化及びボイドが抑制された高延伸のアセター
ル・コポリマー成形材料が得られ、このものは前
記の目的に適合しうることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、見掛け密度1.20〜1.45
g/cm3、引張弾性率19GPa以上及び密度変化率85
%以上を有することを特徴とする高弾性率アセタ
ール・コポリマー成形材料を提供するものであ
る。 ここで密度変化率(Y)は、アセタール・コポ
リマーの延伸前の見掛け密度に対する延伸後の見
掛け密度の百分率で、次式によつて表わされるも
のである。 Y(%)=延伸後のアセタール・コ
ポリマーの見掛け密度/延伸前のアセタール・コポリマ
ーの見掛け密度×100……() 延伸前については、所定のアセタール・コポリ
マー1gを50ml容ビーカーにとり、窒素気流下、
約180〜200℃で10分間加熱溶融後、20℃まで放冷
した試料で測定した。 本発明においては、アセタール・コポリマー
は、その分子量がで数万〜10万(MFI1.0〜
20)の範囲のものが通常用いられる。 このアセタール・コポリマーは、前記条件を満
たすものであれば特に限定するものではないが、
一般には90〜99.6モル%の循環オキシメチレン単
位を有し、かつ鎖中に0.4〜10モル%の−OR−
(ただし、Rはたがいに直接結合した炭素原子2
個以上をもつ二価基であつて、鎖中2原子価間に
位しており、R基中の置換体はすべて不活性であ
るとする)が点在しているオキシメチレン共重合
体である。さらに、95〜99.6モル%の循環オキシ
メチレン単位を有するコポリマーが好ましい。こ
のオキシメチレン単位の比率が低くなると弾性率
が低下し、本発明の成形材料をうることが困難で
ある。またオキシメチレン単位の比率が高くな
り、100%に近くなると実質的にホモポリマーと
同等の弾性率となる。 本発明のアセタール・コポリマーは、実際に使
用する場合には、必要に応じ、他のポリマーや充
填剤と混合されることがあるが、このような場合
の見掛け密度としては、混合されたアセタール・
コポリマー以外のものをすべて除いた状態のもの
を意味する。 前記の密度変化率は、フイブリル化を生じて密
度が低下したか、否かを判断するパラメーターと
なるもので、フイブリル化が生じれば生じるほど
この数値は低くなる。 第1図は、本発明成形材料の分布領域を示すグ
ラフであり、横軸として引張弾性率を、縦軸とし
て密度変化率をとり、プロツトしたものである。
図中の実線で囲まれている部分が引張弾性率
(X)≧19GPa、密度変化率(Y)≧85%に相当す
る領域である。 この図から明らかなように、本発明成形材料
(○で示される)はいずれもこの領域内に包含さ
れ、従来のアセタール・コポリマー成形材料(△
で示される)とは明確に区別される。そして、従
来のアセタール・コポリマーにおいては、例えば
これまで知られている引張弾性率の最高値である
18GPa(延伸倍率13倍)では、未延伸時の見掛け
密度1.41g/cm3から1.27g/cm3となつているのに
対し、本発明の成形材料の場合は、引張弾性率が
19GPa以上であつて、高い見掛け密度を有し、高
弾性率の領域において、配向化が進むほど、また
加圧力を高くするほど見掛け密度が高くなる傾向
がみられ、例えば加圧力を高圧にした場合、見掛
け密度が1.45g/cm3のものも得られた。 本発明成形材料においては、コポリマーに含ま
れるエチレンオキサイドなどの副原料の含有率
(以後コポリマー率という)によつて、到達引張
弾性率と密度変化率との関係は異なり、コポリマ
ー率が小さくなるほど、すなわち、ホモポリマー
に近づくほど、高い引張弾性率で高い密度変化率
を有するが、コポリマー率が大きくなると、高い
密度変化率をもつ領域での引張弾性率が低くな
る。例えば、ホモポリマーでは、45GPaの高引張
弾性率でも、密度変化率は100%以上を有するが、
コポリマー率2重量%のコポリマーでは、密度変
化率が100%以上のものは28GPaまでであつた。 また、密度変化率が高いほど透明性があり、硬
度が高く、機械的強度、耐久性が高くなるが、反
対に密度変化率が低くなりすぎると、白化し、毛
羽立ちが目立ち、機械的強度、耐久性が低下す
る。コポリマー率2重量%のコポリマーでは、引
張弾性率が19〜30GPa、密度変化率が85%以上の
ものは、高弾性率、高強度であるので好ましく、
25〜29GPaの範囲のもので、90%以上のものは、
透明性、硬さ、耐久性に優れるので特に好まし
い。 以上のように、コポリマー率によつて到達値が
異なるが、引張弾性率が19GPa以上、密度変化率
が85%以上であれば、高密度、高引張弾性率であ
る本発明成形材料としての特徴が出てくる。 このように、本発明成形材料が高弾性率である
にもかかわらず、密度低下を生じていないのは、
延伸によるフイブリル化が抑制されているためで
あると考えられる。事実、従来のアセタール・コ
ポリマーの高延伸体を顕微鏡で観察すると、多数
のフイブリル構造が認められるのに対し、本発明
成形材料においては、顕在化したフイブリル構造
は実質上認められない。 以上のような特徴を有する本発明成形材料は、
例えば、通常の方法で製造したアセタール・コポ
リマーの成形体を、加圧流体中に通して加圧し、
かつ軟化点を超えない温度に加熱しながら、6〜
30倍に高延伸することによつて得ることができ
る。この際の加圧流体としては、通常液体を用い
るが、所望ならば気体を用いることもできる。こ
の流体は、アセタール・コポリマーに対し不活性
であり、延伸温度において流動性を示すものであ
る限り、特に制限はない。このような液体の例と
しては、シリコーンオイル、鉱油、植物油、グリ
セリン、グリース、ポリエチレングリコール、ポ
リエチレンなどを、また気体の例としては、窒
素、アルゴン、ネオン、ヘリウムのような不活性
ガスや空気などをそれぞれ挙げることができる。
そして、この流体を実質的に密封された容器中で
コンプレツサーなどを用いて加圧したり、あるい
は他の場所で加圧状態とした流体を、所定の処理
帯域に循環させるなどの手段でアセタール・コポ
リマーの成形体を接触させ、これを加圧する。こ
の際、後者のようにして流動状態の流体をアセタ
ール・コポリマーの成形体と接触させると加圧力
が該成形体に対し等方的に作用し、均質な圧力下
での延伸が可能になるので有利であるし、また、
この流体としてあらかじめ加熱したものを用いれ
ば、該成形体を均一に加熱することができ、延伸
を均一に行うことができるので有利である。 これらの流体により加えられる圧力としては通
常、10〜1000Kg/cm2、好ましくは、40〜800Kg/
cm2の範囲が選ばれるが、所望ならば、さらに高い
圧力を用いることもできる。一般に圧力を大きく
するほど物性の改善効果は上がる傾向がある。こ
の圧力は少なくとも2秒程度連続的に加えるのが
望ましい。 本発明成形材料を得るには、延伸時の温度も重
要であり、延伸時の圧力下におけるアセタール・
コポリマーの軟化点を超えない温度で行うことが
必要である。この軟化点は、同じ物質においても
圧力の増大に従つて上昇する。軟化点よりも高い
温度においてもアセタール・コポリマーの延伸は
可能であるが、分子配向が十分に進行しないた
め、引張弾性率が著しく低下する。一般に圧力が
1000Kg/cm2までであれば、処理温度は100〜180
℃、好ましくは、120〜170℃の範囲内が適当であ
る。 加熱方法としては、前記したように、加圧流体
をあらかじめ所定温度に加熱しておき、これをア
セタール・コポリマーの成形体と接触するのが好
ましいが、その他の方法、例えばアセタール・コ
ポリマーの成形体と流体との接触する帯域を外部
から加熱する方法、アセタール・コポリマーの成
形体をあらかじめ加熱してから導入する方法など
も用いることができる。この加熱には、電熱ヒー
ターによる加熱、気体液体、固体などを熱媒とす
る加熱、赤外線、遠赤外線などによる輻射加熱、
電磁波による加熱など通常の加熱に用いられる任
意の手段を用いることができる。 次に、本発明成形材料の製造においては、原料
のアセタール・コポリマーの成形体を周囲の流体
を介して均一に加圧し、かつ軟化点を超えない温
度に加熱した状態で高延伸することが必要であ
る。そして、引張弾性率を著しく向上させるには
自然延伸比領域を超えた10〜30倍、好ましくは、
12〜25倍の高倍率で延伸することが必要である。
この倍率が10倍未満では引張弾性率の改善はあま
り認められないし、また30倍よりも大きくすると
切断を生じるおそれがある。この延伸は、例え
ば、供給ローラと引取ローラとの回転比を変える
などして、供給速度よりも引取速度を大きくする
ことによつて行うことができる。他に、ベルト
式、あるいはキヤタピラ式の繰出機、引取機など
も使うことができる。 次に添付図面に従つて本発明の実施態様の1例
を説明する。第2図は、本発明方法を実施するの
に好適な装置の説明図であつて、アセタール・コ
ポリマーの長尺チユーブ(A)は繰出ローラ1からベ
ルト式繰出機2,2′を経て延伸装置(B)へ供給さ
れる。この延伸装置は、供給口3を有する保圧部
材4と取出口5を有する保圧部材6を両端に備
え、かつ供給口側に媒体導入口7を、また取出口
側に媒体排出口8をそれぞれ設けた円筒状容器9
から構成され、この中は媒体として加圧流体Cが
満たされている。この図では、流体の流れる方向
と、アセタール・コポリマーの成形体が延伸され
る方向とが同一であるが、それぞれ逆の方向にし
ても差しつかえないし、その方が好ましい場合も
ある。長尺チユーブAは、この延伸装置B中を通
過する間に、加圧流体Cにより所要の圧力で加圧
され、かつ円筒状容器9の外側に配置されたヒー
ター10,10′により加圧流体Cを介して加熱
されながら延伸処理されたのち、取り出され、ベ
ルト式引取機11,11′を経て、巻取機12に
巻き取られる。上記の保圧部材4,6にそれぞれ
設けられた供給口3と取出口5は、長尺チユーブ
Aは円滑に通すが延伸装置B内の圧力低下をもた
らさないようなシールを有しており、このシール
としては、例えば、開口と通過物体との間隙から
流体を流出させて、その際の圧力損失で保圧しう
るように開口を適度に調整する手段、開口と通過
物体との間隙を可及的に狭くしてシールする手
段、通過物体に平滑な接触部材を介して密着させ
る手段などが用いられている。この開口は、常に
一定の大きさを有するものでもよいし、また延伸
中の通過物体の断面の変化に追従できるように調
節しうるものであつてもよい。 次に媒体導入口7から導入される加圧流体と媒
体排出口8から排出される加圧流体とはぞれぞれ
独立に容易してもよいが、エネルギー消費をでき
るだけ少なくするために、両者を連結し、コンプ
レツサー、ポンプなどを用いて循環させるのが有
利である。また、加圧流体Cの加熱は、前記のよ
うな円筒状容器9の外側に配置したヒーター1
0,10′による代りに循環路の適所に設けた加
熱器によつて行うこともできる。圧力の調整は、
調圧弁など慣用されている手段を用いて行うこと
ができる。 この製造方法においては、このような延伸装置
を単独で用いて行つてもよいし、また複数個連結
して段階的に延伸処理してもよい。さらに必要に
応じ予熱器、冷却器、洗浄器、熟成器などを組み
込むこともできる。以上は、連続式に行う例であ
るが、所望ならばバツチ式で行うこともできる。 以上のようにすれば、流体を介して加圧、加熱
を行うので、アセタール・コポリマー成形体の全
表面から均質に加圧、加熱が行われ、かつ延伸時
に発生する熱も速やかに除去される結果、フイブ
リル化を抑制して高倍率の延伸が達成され、延伸
方向の機械的強度が高く、かつ横方向の外力に対
しても安定な、高密度で高弾性率、低線膨張率を
有するアセタール・コポリマー成形材料が得られ
る。 従来のアセタール・コポリマーの延伸体は、こ
れを延伸方向に引張つて破断させた際、その破断
部分が竹ぼうき状に開いた多数のフイブリルが観
察されるのに対し、本発明成形材料は加圧下での
延伸の際、破断面は、金属の破断面のような状態
となりフリブリルは認められない。そして、本発
明成形材料は、到達引張弾性率が従来よりもはる
かに高く、延伸方向の引張強度は約20%も高く、
また横方向の強度も関係する引掛け強度は約10%
も高く、さらに耐くり返し曲げ疲労は約3倍も高
くなつているなど非常に優れた物性を有してい
る。 発明の効果 本発明のアセタール・コポリマー成形材料は、
高密度、高弾性率、高引張強度を有するばかりで
なく、曲げ強度、引掛け強度、座屈強度、耐繰り
返し曲げ疲労などのいわゆる横方向に対する機械
的強度も優れており、また丸棒、角棒、異形体、
チユーブ、シート、板、テープ、糸、フイルムな
ど、任意の形状に加工しうるので、高強度を要求
されるロープ、漁網などの産業資材、高弾性率、
低線膨張率を要求される光フアイバ用のテンシヨ
ンメンバー、記録用テープ、ガツト、テグス、ラ
ケツト、クラブシヤフトなどのスポーツ用具、各
種の補強強化材料など、多方面にわたつて広く使
用することができる。 実施例 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 なお、実施中の密度は、JISK−7112(1980)浮
沈法により、無水炭酸カリウムの水溶液を用い
て、20±0.5℃において測定した。また、引張弾
性率は、バイブロンEA型(東洋ボールドウイ
ン社製)を用い、23℃において測定した。引張強
度と引掛け強度は、インストロン引張試験機を用
い、JISK7113−1981に準じて、23℃で測定した。
これらの数値の算出に必要な延伸体の断面積は、
一定長の試験の重量と、前記のようにして求めた
密度を用いて計算した。耐久テストは、航空機用
ワイヤロープJISG−3535(1977)に準じて、試験
体に荷重2Kgのおもりをぶらさげ外径10φのプー
リー上を毎分1往復させて繰り返し曲げを行い、
する切れるまでの耐久回数を求めた。透明性は外
観による透明性及び、航空機用メタクリル樹脂板
透明度試験法JISK−6714(1977)に準じて曇価
(%)を測定した。成形材料の配向状態について
は、延伸方向と平行に成形材料を割つた時の断面
を走査型電子顕微鏡(日立S430型)により2000
倍に拡大して観察し、また、成形材料の延伸方向
に垂直な方向にX線を照射したときの小角X線散
乱及び広角X線散乱をそれぞれ島津自記X線回折
装置VD2型〔島津製作所(株)製〕及びX線回折装
置MODELD−3F〔理学電機(株)製〕で測定した。 実施例 ジユラコンM25−04〔ポリプラスチツク株式会
社製アセタール・コポリマーの登録商標名、見掛
け密度1.41g/cm3(常圧)、軟化点162℃(常圧)〕
のペレツトを押出成形してつくつた外径4mm、内
径1mmのチユーブを第2図の装置(延伸部の長さ
2m、内径10mm)を用いて加圧下で連続的に延伸
した。加圧流体としてシリコーンオイルを用い、
別表に示す処理条件下において2段階で最高25倍
の延伸比まで延伸した。なお、後段部の延伸スピ
ードは0.2〜6m/minの範囲で行つた。 このようにして得た各試料について、見掛け密
度、引張弾性率、引張強度を求め、その結果を該
表に示す。 なお、比較のために、常圧下で延伸したものに
ついての結果と、また、参考に、テナツク3010
〔旭化成工業株式会社製アセタール・ホモポリマ
ーの登録商標名、見掛け密度1.42g/cm3(常圧)、
軟化点174℃(常圧)〕のチユーブ(外径4mm、内
径1mm)を加圧下で延伸した結果も併記した。
【表】
【表】
この結果を、引張弾性率(GPa)と密度変化率
(%)との関係を表わすグラフとして第1図に示
した。このグラフから明らかなように、本発明の
成形材料(○で示す)は、引張弾性率が19GPa以
上の範囲においては、密度変化率が85%以上であ
り、従来のアセタール・コポリマー(△で示す)
はその範囲外にある。 また、透明性については、見掛け密度が1.41
g/cm3以上であるNo.1〜No.13は、透明度試験法に
よる曇価が40%以下で透明性の良好な成形材料で
あり、1.35g/cm3までは半透明、それ以下になる
と白色を示すが、いずれも、従来よりも見掛け密
度、引張弾性率、引張強度に優れていた。 次に、本発明成形材料である試料No.2、5と、
比較試料である試料No.21、22について、延伸方向
に平行な断面の電子顕微鏡2000倍拡大写真図をそ
れぞれ第3図a,b,c,dに、また試料No.5、
14、22について、延伸方向に垂直な方向にX線を
照射したときの小角X線散乱写真図を第4図a,
b,cに、及び広角X線散乱写真図を第5図a,
b,cにそれぞれ示す。なお、参考のために、未
延伸体の断面の電子顕微鏡写真を第3図eに示し
た。 この第3図から明らかなように、比較例のもの
は、フイブリルが延伸方向に配列しかつ大きなボ
イドが多数存在するのが認められるのに対し、実
施例のものは、フイブリル化及びボイドの成長が
ほとんど抑制されている。また、第4図及び第5
図から明らかなように、比較例のものは小角X線
では赤道上にストリーク状散乱が認められ、広角
X線では、散乱スポツトが広がり、同心円状のリ
ングが認められるのに対し、実施例のものは、小
角X線では、赤道上の散乱が弱く、広角X線で
は、スポツトがきわめて小さい上に、同心円状の
リングはほとんど認められない。以上の事実か
ら、本発明成形材料はフイブリル化が抑制され、
ほぼ完全に結晶化した、ち密な構造を有し、かつ
延伸方向の結晶配向性がきわめて高いものである
ことが分る。
(%)との関係を表わすグラフとして第1図に示
した。このグラフから明らかなように、本発明の
成形材料(○で示す)は、引張弾性率が19GPa以
上の範囲においては、密度変化率が85%以上であ
り、従来のアセタール・コポリマー(△で示す)
はその範囲外にある。 また、透明性については、見掛け密度が1.41
g/cm3以上であるNo.1〜No.13は、透明度試験法に
よる曇価が40%以下で透明性の良好な成形材料で
あり、1.35g/cm3までは半透明、それ以下になる
と白色を示すが、いずれも、従来よりも見掛け密
度、引張弾性率、引張強度に優れていた。 次に、本発明成形材料である試料No.2、5と、
比較試料である試料No.21、22について、延伸方向
に平行な断面の電子顕微鏡2000倍拡大写真図をそ
れぞれ第3図a,b,c,dに、また試料No.5、
14、22について、延伸方向に垂直な方向にX線を
照射したときの小角X線散乱写真図を第4図a,
b,cに、及び広角X線散乱写真図を第5図a,
b,cにそれぞれ示す。なお、参考のために、未
延伸体の断面の電子顕微鏡写真を第3図eに示し
た。 この第3図から明らかなように、比較例のもの
は、フイブリルが延伸方向に配列しかつ大きなボ
イドが多数存在するのが認められるのに対し、実
施例のものは、フイブリル化及びボイドの成長が
ほとんど抑制されている。また、第4図及び第5
図から明らかなように、比較例のものは小角X線
では赤道上にストリーク状散乱が認められ、広角
X線では、散乱スポツトが広がり、同心円状のリ
ングが認められるのに対し、実施例のものは、小
角X線では、赤道上の散乱が弱く、広角X線で
は、スポツトがきわめて小さい上に、同心円状の
リングはほとんど認められない。以上の事実か
ら、本発明成形材料はフイブリル化が抑制され、
ほぼ完全に結晶化した、ち密な構造を有し、かつ
延伸方向の結晶配向性がきわめて高いものである
ことが分る。
第1図は、本発明成形材料の分布領域を示すグ
ラフ、第2図は、本発明成形材料の製造に用いる
のに適した装置の1例を示す断面略解図、第3
図、第4図、第5図は、それぞれ本発明成形材料
と従来の成形材料についての顕微鏡写真拡大図の
模写図、小角X線散乱写真図の模写図、及び広角
X線散乱写真図の模写図である。第2図中の符号
は次のとおりである。 A:長尺体、B:延伸装置、C:加圧流体、
1:繰出ローラ、2:供給口、5:取出口、8:
媒体出口、10,10′:ヒーター、12:巻取
ローラ。
ラフ、第2図は、本発明成形材料の製造に用いる
のに適した装置の1例を示す断面略解図、第3
図、第4図、第5図は、それぞれ本発明成形材料
と従来の成形材料についての顕微鏡写真拡大図の
模写図、小角X線散乱写真図の模写図、及び広角
X線散乱写真図の模写図である。第2図中の符号
は次のとおりである。 A:長尺体、B:延伸装置、C:加圧流体、
1:繰出ローラ、2:供給口、5:取出口、8:
媒体出口、10,10′:ヒーター、12:巻取
ローラ。
Claims (1)
- 1 見掛け密度1.20〜1.45g/cm3、引張弾性率
19GPa以上及び密度変化率85%以上を有すること
を特徴とする高弾性率アセタール・コポリマー成
形材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17757784A JPS6154921A (ja) | 1984-08-28 | 1984-08-28 | 高弾性率アセタ−ル・コポリマ−成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17757784A JPS6154921A (ja) | 1984-08-28 | 1984-08-28 | 高弾性率アセタ−ル・コポリマ−成形材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6154921A JPS6154921A (ja) | 1986-03-19 |
| JPH0473375B2 true JPH0473375B2 (ja) | 1992-11-20 |
Family
ID=16033401
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17757784A Granted JPS6154921A (ja) | 1984-08-28 | 1984-08-28 | 高弾性率アセタ−ル・コポリマ−成形材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6154921A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004181718A (ja) * | 2002-12-02 | 2004-07-02 | Polyplastics Co | ポリオキシメチレン樹脂製延伸体及びその製造方法 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4907023B2 (ja) | 2001-09-18 | 2012-03-28 | ポリプラスチックス株式会社 | ポリオキシメチレン繊維の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0770977B2 (ja) * | 1988-08-23 | 1995-07-31 | 富士電機株式会社 | Igbtの過電流保護回路 |
-
1984
- 1984-08-28 JP JP17757784A patent/JPS6154921A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004181718A (ja) * | 2002-12-02 | 2004-07-02 | Polyplastics Co | ポリオキシメチレン樹脂製延伸体及びその製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6154921A (ja) | 1986-03-19 |
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Legal Events
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| EXPY | Cancellation because of completion of term |