JPH0474418B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0474418B2 JPH0474418B2 JP63073900A JP7390088A JPH0474418B2 JP H0474418 B2 JPH0474418 B2 JP H0474418B2 JP 63073900 A JP63073900 A JP 63073900A JP 7390088 A JP7390088 A JP 7390088A JP H0474418 B2 JPH0474418 B2 JP H0474418B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scandium
- ions
- resin
- solution
- concentration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明はスカンジウムの分離捕集方法に関す
る。さらに詳しくいえば、本発明は、電子部品な
どの素材として重要なスカンジウムを得るため
に、鉄()、マンガン()、スズ()などの
共存金属イオン及びスカンジウム()イオンを
含有する水溶液を、特定の吸着成分を含有した多
孔質樹脂で処理し、該スカンジウム()イオン
を効率よく分離捕集する方法に関する。 従来の技術 近年、スカンジウムは、メタルハライドランプ
やブラウン管電子銃のカソードなどの金属素材と
して注目されており、この金属の高純度精製が不
可欠となつてきている。このスカンジウムは、鉄
マンガン重石やスズ・タングステン鉱などの鉱物
中に少量含まれており、ランタノイド元素や鉄、
マンガンなどの遷移金属元素と共に産出される。
しかしながら、特にスカンジウムはその含有率が
少ないために、高純度に濃縮精製するには多大な
努力を必要としていた。 従来、スカンジウムの工業的回収技術として
は、溶媒抽出法が知られているが、この方法で
は、鉱石の酸浸出溶液を、抽出試薬を含有する有
機溶媒と接触させる必要があるため、有機相の流
失による水の汚染の問題、又は大量の有機溶媒を
使用することによる経済上の問題を免れなかつ
た。 他方、金属の捕集用樹脂としてレベクストレー
ル(Levextrel)樹脂があるが、このものは抽出
試薬の存在下で原料モノマーを重合させて製造し
なければならず製造工程が複雑で実用性が乏し
い。 発明が解決しようとする問題点 本発明は、水溶液中のスカンジウム()イオ
ンを環境汚染などの問題を引き起こすことなく、
極めて経済的に効率よく分離捕集する方法を提供
することを目的としてなされたものである。 問題点を解決するための手段 本発明者らは、スカンジウム()イオンの分
離回収を効率よく行いうる方法を開発するために
種々研究を重ねた結果、特定のアルキルホスホン
酸エステル又はアルキルリン酸エステルがスカン
ジウム()イオンに対して極めて優れた選択結
合性を有し、かつ該金属イオンとの錯体が安定で
あり、有機溶媒に容易に溶解されること及びこの
性質は多孔質樹脂に担持された状態においても維
持されることに着目し、このものを担持させた多
孔質樹脂を吸着剤として用いることにより、該ア
ルキルホスホン酸エステル又はアルキルリン酸エ
ステルが有する金属分離能をなんら損なうことな
く、その目的を達成しうることを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、一般式
る。さらに詳しくいえば、本発明は、電子部品な
どの素材として重要なスカンジウムを得るため
に、鉄()、マンガン()、スズ()などの
共存金属イオン及びスカンジウム()イオンを
含有する水溶液を、特定の吸着成分を含有した多
孔質樹脂で処理し、該スカンジウム()イオン
を効率よく分離捕集する方法に関する。 従来の技術 近年、スカンジウムは、メタルハライドランプ
やブラウン管電子銃のカソードなどの金属素材と
して注目されており、この金属の高純度精製が不
可欠となつてきている。このスカンジウムは、鉄
マンガン重石やスズ・タングステン鉱などの鉱物
中に少量含まれており、ランタノイド元素や鉄、
マンガンなどの遷移金属元素と共に産出される。
しかしながら、特にスカンジウムはその含有率が
少ないために、高純度に濃縮精製するには多大な
努力を必要としていた。 従来、スカンジウムの工業的回収技術として
は、溶媒抽出法が知られているが、この方法で
は、鉱石の酸浸出溶液を、抽出試薬を含有する有
機溶媒と接触させる必要があるため、有機相の流
失による水の汚染の問題、又は大量の有機溶媒を
使用することによる経済上の問題を免れなかつ
た。 他方、金属の捕集用樹脂としてレベクストレー
ル(Levextrel)樹脂があるが、このものは抽出
試薬の存在下で原料モノマーを重合させて製造し
なければならず製造工程が複雑で実用性が乏し
い。 発明が解決しようとする問題点 本発明は、水溶液中のスカンジウム()イオ
ンを環境汚染などの問題を引き起こすことなく、
極めて経済的に効率よく分離捕集する方法を提供
することを目的としてなされたものである。 問題点を解決するための手段 本発明者らは、スカンジウム()イオンの分
離回収を効率よく行いうる方法を開発するために
種々研究を重ねた結果、特定のアルキルホスホン
酸エステル又はアルキルリン酸エステルがスカン
ジウム()イオンに対して極めて優れた選択結
合性を有し、かつ該金属イオンとの錯体が安定で
あり、有機溶媒に容易に溶解されること及びこの
性質は多孔質樹脂に担持された状態においても維
持されることに着目し、このものを担持させた多
孔質樹脂を吸着剤として用いることにより、該ア
ルキルホスホン酸エステル又はアルキルリン酸エ
ステルが有する金属分離能をなんら損なうことな
く、その目的を達成しうることを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、一般式
【式】又は
【式】
(式中のR1及びR2は、それぞれ少なくとも6個
の炭素原子をもつアルキル基であり、それらは同
一でもまた互に異なつていてもよい) で表わされるリン化合物を担持させた多孔質樹脂
を、スカンジウム()含有水溶液と接触させ
て、スカンジウム()をこれに吸着させたの
ち、有機溶剤により溶出することを特徴とするス
カンジウムの捕集方法を提供するものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明方法において、前記リン化合物を担持さ
せるのに用いられる多孔質樹脂としては特に制限
はないが、例えば、易溶性フイラーを材料に混在
させ成形したのち溶出することにより得られる多
孔体、ポリスチレンフオーム、ポリウレタンフオ
ーム、ポリエチレンフオーム、ポリ塩化ビニルフ
オーム、EVAフオーム、ポリプロピレンフオー
ム、フエノール樹脂フオームのような発泡体、高
エネルギー線処理で全面に微小孔を生成させたも
の、架橋により構造的に形成されたものなどが挙
げられ、特に架橋ポリアクリル酸エステルが好ま
しい。また、この多孔質樹脂の形状については、
比表面積50〜800m2/g、平均細孔径5〜40nm、
粒度20〜200メツシユの範囲のものが好ましく用
いられる。 本発明方法において、前記多孔質樹脂に担持さ
せるリン化合物としては、一般式
の炭素原子をもつアルキル基であり、それらは同
一でもまた互に異なつていてもよい) で表わされるリン化合物を担持させた多孔質樹脂
を、スカンジウム()含有水溶液と接触させ
て、スカンジウム()をこれに吸着させたの
ち、有機溶剤により溶出することを特徴とするス
カンジウムの捕集方法を提供するものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明方法において、前記リン化合物を担持さ
せるのに用いられる多孔質樹脂としては特に制限
はないが、例えば、易溶性フイラーを材料に混在
させ成形したのち溶出することにより得られる多
孔体、ポリスチレンフオーム、ポリウレタンフオ
ーム、ポリエチレンフオーム、ポリ塩化ビニルフ
オーム、EVAフオーム、ポリプロピレンフオー
ム、フエノール樹脂フオームのような発泡体、高
エネルギー線処理で全面に微小孔を生成させたも
の、架橋により構造的に形成されたものなどが挙
げられ、特に架橋ポリアクリル酸エステルが好ま
しい。また、この多孔質樹脂の形状については、
比表面積50〜800m2/g、平均細孔径5〜40nm、
粒度20〜200メツシユの範囲のものが好ましく用
いられる。 本発明方法において、前記多孔質樹脂に担持さ
せるリン化合物としては、一般式
【式】もしくは
【式】
(式中R1及びR2はそれぞれ炭素数6以上のアル
キル基であり、それらは同一であつてもよいし、
互いに異なつていてもよい) で表わされるアルキルホスホン酸エステル又はア
ルキルリン酸エステルが用いられる。このような
アルキルホスホン酸エステル又はアルキルリン酸
エステルの中で特にR1及びR2が共に2−エチル
ヘキシル基である2−エチルヘキシルホスホン酸
2−エチルヘキシルエステル及びジ(2−エチル
ヘキシル)リン酸エステルが入手の容易さや性能
の点などからみて好適である。 前記アルキルホスホン酸エステル又はアルキル
リン酸エステルを多孔質樹脂に担持させるには、
例えば該アルキルホスホン酸エステル又はアルキ
ルリン酸エステルをアセトンやヘキサンなどの低
沸点の有機溶媒に溶解して低粘性の溶液を調製
し、この溶液と十分に乾燥した前記多孔質樹脂と
を混合して数時間程度かきまぜたのち、該溶媒を
留去させるなどの方法を用いることができる。 このようにして得られたリン化合物担持樹脂
は、その内部に金属イオン抽出試薬であるアルキ
ルホスホン酸エステル又はアルキルリン酸エステ
ルを多量に含んでいて、特定の金属イオンを吸着
する能力を有している。また、該アルキルホスホ
ン酸エステル又はアルキルリン酸エステルは樹脂
基体に化学的に結合されていないので、樹脂内で
の自由度が大きく、均一溶液に近い形で金属イオ
ンと錯体を形成することができると共に、有機溶
媒によつて容易に溶出することができる。 本発明において用いられる前記一般式()で
表わされるアルキルホスホン酸エステル又はアル
キルリン酸エステルを担持させた多孔質樹脂にお
いては、任意の濃度の酸性水溶液からスカンジウ
ム()イオンを良好に吸着するが、他の稀土類
金属()イオンは酸濃度1規定以上の範囲では
ほとんど吸着されない。また、鉄、マンガン、
銅、コバルト、ニツケル、亜鉛、スズなどの金属
の陽イオンは酸濃度1規定以上の範囲ではスカン
ジウムの吸着をほとんど妨害することはない。し
たがつて、該リン化合物担持樹脂を用い、酸濃度
を少なくとも1規定以上に制御することにより、
スカンジウムを選択的に分離することができる。 本発明において、該リン化合物担持樹脂による
スカンジウム()イオンの吸着は、例えば該樹
脂をカラムに充てんしたのち、スカンジウム
()イオン及び酸濃度調節用の塩酸などの酸を
含有する水溶液を通液し、次いでこの溶液と同等
又はそれ以上の濃度の酸水溶液を溶離液として流
すことによつて行われる。カラムから流出する溶
液は一定量ごとに金属イオンの有無を確認し、ス
カンジウム()イオンに共存していた金属イオ
ンが十分に流出した点をもつて終点とする。この
際の酸水溶液の濃度は1規定以上が好ましい。こ
の濃度が1規定未満になると、他の金属イオンが
樹脂に捕集される可能性が生じる。 金属イオンの溶離速度は、空間速度(SV)で
通常1〜5の範囲から選ばれる。このような操作
により、スカンジウム()イオンは他の共存イ
オンと分離されて樹脂上に捕集される。また、ス
カンジウム()イオンを含有する溶液を通液
後、酸濃度を高めて共存イオンの流出を早めるこ
とができる。 さらに本発明方法においては、このような酸と
しては、例えば塩酸が好ましいが、他に硫酸や硝
酸などの鉱酸も用いることができる。 発明の効果 本発明方法によれば、スカンジウム()イオ
ン及び他の金属イオンを含有する水溶液をアルキ
ルホスホン酸エステル又はアルキルリン酸エステ
ルを担持させた多孔質樹脂で処理し、該スカンジ
ウム()イオンのみを効率よく分離捕集し、さ
らに有機溶媒を用いて吸着したスカンジウムを容
易に溶出することができるので、何ら、環境の汚
染などの問題をひき起こすことなく、水溶液中の
スカンジウム()イオンを極めて経済的に効率
よく捕修することができる。 実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によつてなんら限
定されるものではない。 参考例 多孔質のアクリル酸エステル重合体ビーズ(比
表面積450m2/g、平均細孔径9.0nm、粒度20〜
60メツシユ)500gを、アセトン300c.c.中で2時間
かきまぜ、次いで水200c.c.中で1時間かきまぜ、
さらにアセトン200c.c.中で1時間かきまぜたのち、
ロータリーエバポレーターで2時間かけて溶媒を
留去し、次いで50℃の真空乾燥器で乾燥した。 次に、2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチ
ルヘキシルエステル50gをヘプタン150c.c.に溶解
した溶液を、前記乾燥樹脂50gと混合し、室温減
圧下で30分間かきまぜたのち、ロータリーエバポ
レーターで数時間かけて溶媒を留去してリン化合
物担持樹脂を調製した。 実施例 1 スカンジウム()イオン、鉄()イオン、
ルテチウム()イオン、イツトリウム()イ
オン、ガドリニウム()イオン、ランタン
()イオン、マンガン()イオンのうちいず
れか1種を、5×10-5の容量モル濃度で含有する
塩酸・塩化ナトリウム混合水溶液[イオン強度:
1規定〔Sc()、Fe()及びMn()の場合〕
又は0.2規定〔La()、Gd()、Y()及びLu
()の場合〕10c.c.又は30c.c.に、参考例で得たリ
ン化合物担持樹脂100mgを加え、室温でFe()
の場合は146時間、それ以外の場合は5時間振り
まぜたのち、溶液中に残留する金属イオンの濃度
を測定し、該樹脂に吸着された金属イオンと溶液
中に残留した金属イオンの濃度比を求めた。その
濃度比の対数とPHとの関係を第1図に示す。第1
図において横軸は溶液の振りまぜ後のPHを、縦軸
は金属イオンの濃度比(分配比)の対数を表わ
す。ただし、金属イオンの樹脂中の濃度は、樹脂
1g当り吸着された金属イオンのミリモル数で表
わす。ここで、スカンジウム()イオンの分配
比は、極めて大きく、該イオンの溶液中に残留し
た濃度が低いために定量することができなかつ
た。 実施例 2 微量のスカンジウムを含有する鉱物である鉄マ
ンガン重石(wolframite、(Fe、Mn)WO4)を
100℃の真空下で恒量となるまで乾燥したのち、
その0.1gを濃塩酸4c.c.とともに容積23c.c.のフツ
素樹脂製密封容器中で120℃で5時間加熱溶解し
た。冷却後、水で50c.c.に希釈し、沈殿したタング
ステン酸をろ別した。ろ液20c.c.を、塩酸濃度1規
定の溶液100c.c.に希釈し、その15c.c.に参考例で得
たリン化合物担持樹脂0.1gを加え、室温で所定
時間振りまぜたのち、溶液中に残留する金属イオ
ンの濃度を測定し、溶液中に残留する金属イオン
濃度の振りまぜ前の金属イオン濃度に対する比率
を求めた。その濃度比率と、振りまぜ時間の関係
を第2図に示す。この図から明らかなように、ス
カンジウムは1.5時間の振りまぜで溶液中からは
検出されなくなり、鉄マンガン重石中に共存する
主要陽イオンのうちマンガン、アンチモン、イツ
トリウムはほとんど吸着されないが、鉄は50%程
度の吸着が認められた。 実施例 3 乾燥した鉄マンガン重石0.1gを濃塩酸4c.c.と
ともに、容積23c.c.のフツ素樹脂製密封容器中で
120℃で5時間加熱溶解した。冷却後、全体を50
c.c.に水で希釈し、沈殿したタングステン酸をろ別
した。ろ液20c.c.を塩酸濃度3規定の溶液100c.c.に
希釈し、その15c.c.に、参考例で得たリン化合物担
持樹脂0.1gを加え、室温で所定時間振りまぜた
のち、溶液中に残留する金属イオン濃度を測定し
た。溶液中に残留する金属イオン濃度の、振りま
ぜ前の金属イオン濃度に対する比率と、振りまぜ
時間の関係を第3図に示す。この図から明らかな
ように、スカンジウムは1.5時間の振りまぜで溶
液中からは検出されなくなり、鉄の吸着は第2図
に比して抑制された。 実施例 4 参考例で得たリン化合物担持樹脂2.0g(膨張
体積約4.2c.c.)を内径8mmのカラムに充てんし、
これに実施例3における、振りまぜ前の、鉄マン
ガン重石の塩酸浸出溶液30c.c.を16c.c./hrで通液
し、その後ひき続いて、3規定塩酸を16c.c./hrで
通液した。カラムからの流出液を9c.c.ずつ分取
し、金属イオンの量を測定して、金属イオンの流
出曲線を求めた結果を第4図に示す。この図にお
いて横軸は流出液量を、縦軸は流出液中の金属イ
オン濃度の、始めに注入した金属イオン濃度に対
する比率を示している。この図から分るように、
スカンジウムを除く主要金属元素は、樹脂上に保
持されたスカンジウムから良好に分離されて流出
した。
キル基であり、それらは同一であつてもよいし、
互いに異なつていてもよい) で表わされるアルキルホスホン酸エステル又はア
ルキルリン酸エステルが用いられる。このような
アルキルホスホン酸エステル又はアルキルリン酸
エステルの中で特にR1及びR2が共に2−エチル
ヘキシル基である2−エチルヘキシルホスホン酸
2−エチルヘキシルエステル及びジ(2−エチル
ヘキシル)リン酸エステルが入手の容易さや性能
の点などからみて好適である。 前記アルキルホスホン酸エステル又はアルキル
リン酸エステルを多孔質樹脂に担持させるには、
例えば該アルキルホスホン酸エステル又はアルキ
ルリン酸エステルをアセトンやヘキサンなどの低
沸点の有機溶媒に溶解して低粘性の溶液を調製
し、この溶液と十分に乾燥した前記多孔質樹脂と
を混合して数時間程度かきまぜたのち、該溶媒を
留去させるなどの方法を用いることができる。 このようにして得られたリン化合物担持樹脂
は、その内部に金属イオン抽出試薬であるアルキ
ルホスホン酸エステル又はアルキルリン酸エステ
ルを多量に含んでいて、特定の金属イオンを吸着
する能力を有している。また、該アルキルホスホ
ン酸エステル又はアルキルリン酸エステルは樹脂
基体に化学的に結合されていないので、樹脂内で
の自由度が大きく、均一溶液に近い形で金属イオ
ンと錯体を形成することができると共に、有機溶
媒によつて容易に溶出することができる。 本発明において用いられる前記一般式()で
表わされるアルキルホスホン酸エステル又はアル
キルリン酸エステルを担持させた多孔質樹脂にお
いては、任意の濃度の酸性水溶液からスカンジウ
ム()イオンを良好に吸着するが、他の稀土類
金属()イオンは酸濃度1規定以上の範囲では
ほとんど吸着されない。また、鉄、マンガン、
銅、コバルト、ニツケル、亜鉛、スズなどの金属
の陽イオンは酸濃度1規定以上の範囲ではスカン
ジウムの吸着をほとんど妨害することはない。し
たがつて、該リン化合物担持樹脂を用い、酸濃度
を少なくとも1規定以上に制御することにより、
スカンジウムを選択的に分離することができる。 本発明において、該リン化合物担持樹脂による
スカンジウム()イオンの吸着は、例えば該樹
脂をカラムに充てんしたのち、スカンジウム
()イオン及び酸濃度調節用の塩酸などの酸を
含有する水溶液を通液し、次いでこの溶液と同等
又はそれ以上の濃度の酸水溶液を溶離液として流
すことによつて行われる。カラムから流出する溶
液は一定量ごとに金属イオンの有無を確認し、ス
カンジウム()イオンに共存していた金属イオ
ンが十分に流出した点をもつて終点とする。この
際の酸水溶液の濃度は1規定以上が好ましい。こ
の濃度が1規定未満になると、他の金属イオンが
樹脂に捕集される可能性が生じる。 金属イオンの溶離速度は、空間速度(SV)で
通常1〜5の範囲から選ばれる。このような操作
により、スカンジウム()イオンは他の共存イ
オンと分離されて樹脂上に捕集される。また、ス
カンジウム()イオンを含有する溶液を通液
後、酸濃度を高めて共存イオンの流出を早めるこ
とができる。 さらに本発明方法においては、このような酸と
しては、例えば塩酸が好ましいが、他に硫酸や硝
酸などの鉱酸も用いることができる。 発明の効果 本発明方法によれば、スカンジウム()イオ
ン及び他の金属イオンを含有する水溶液をアルキ
ルホスホン酸エステル又はアルキルリン酸エステ
ルを担持させた多孔質樹脂で処理し、該スカンジ
ウム()イオンのみを効率よく分離捕集し、さ
らに有機溶媒を用いて吸着したスカンジウムを容
易に溶出することができるので、何ら、環境の汚
染などの問題をひき起こすことなく、水溶液中の
スカンジウム()イオンを極めて経済的に効率
よく捕修することができる。 実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によつてなんら限
定されるものではない。 参考例 多孔質のアクリル酸エステル重合体ビーズ(比
表面積450m2/g、平均細孔径9.0nm、粒度20〜
60メツシユ)500gを、アセトン300c.c.中で2時間
かきまぜ、次いで水200c.c.中で1時間かきまぜ、
さらにアセトン200c.c.中で1時間かきまぜたのち、
ロータリーエバポレーターで2時間かけて溶媒を
留去し、次いで50℃の真空乾燥器で乾燥した。 次に、2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチ
ルヘキシルエステル50gをヘプタン150c.c.に溶解
した溶液を、前記乾燥樹脂50gと混合し、室温減
圧下で30分間かきまぜたのち、ロータリーエバポ
レーターで数時間かけて溶媒を留去してリン化合
物担持樹脂を調製した。 実施例 1 スカンジウム()イオン、鉄()イオン、
ルテチウム()イオン、イツトリウム()イ
オン、ガドリニウム()イオン、ランタン
()イオン、マンガン()イオンのうちいず
れか1種を、5×10-5の容量モル濃度で含有する
塩酸・塩化ナトリウム混合水溶液[イオン強度:
1規定〔Sc()、Fe()及びMn()の場合〕
又は0.2規定〔La()、Gd()、Y()及びLu
()の場合〕10c.c.又は30c.c.に、参考例で得たリ
ン化合物担持樹脂100mgを加え、室温でFe()
の場合は146時間、それ以外の場合は5時間振り
まぜたのち、溶液中に残留する金属イオンの濃度
を測定し、該樹脂に吸着された金属イオンと溶液
中に残留した金属イオンの濃度比を求めた。その
濃度比の対数とPHとの関係を第1図に示す。第1
図において横軸は溶液の振りまぜ後のPHを、縦軸
は金属イオンの濃度比(分配比)の対数を表わ
す。ただし、金属イオンの樹脂中の濃度は、樹脂
1g当り吸着された金属イオンのミリモル数で表
わす。ここで、スカンジウム()イオンの分配
比は、極めて大きく、該イオンの溶液中に残留し
た濃度が低いために定量することができなかつ
た。 実施例 2 微量のスカンジウムを含有する鉱物である鉄マ
ンガン重石(wolframite、(Fe、Mn)WO4)を
100℃の真空下で恒量となるまで乾燥したのち、
その0.1gを濃塩酸4c.c.とともに容積23c.c.のフツ
素樹脂製密封容器中で120℃で5時間加熱溶解し
た。冷却後、水で50c.c.に希釈し、沈殿したタング
ステン酸をろ別した。ろ液20c.c.を、塩酸濃度1規
定の溶液100c.c.に希釈し、その15c.c.に参考例で得
たリン化合物担持樹脂0.1gを加え、室温で所定
時間振りまぜたのち、溶液中に残留する金属イオ
ンの濃度を測定し、溶液中に残留する金属イオン
濃度の振りまぜ前の金属イオン濃度に対する比率
を求めた。その濃度比率と、振りまぜ時間の関係
を第2図に示す。この図から明らかなように、ス
カンジウムは1.5時間の振りまぜで溶液中からは
検出されなくなり、鉄マンガン重石中に共存する
主要陽イオンのうちマンガン、アンチモン、イツ
トリウムはほとんど吸着されないが、鉄は50%程
度の吸着が認められた。 実施例 3 乾燥した鉄マンガン重石0.1gを濃塩酸4c.c.と
ともに、容積23c.c.のフツ素樹脂製密封容器中で
120℃で5時間加熱溶解した。冷却後、全体を50
c.c.に水で希釈し、沈殿したタングステン酸をろ別
した。ろ液20c.c.を塩酸濃度3規定の溶液100c.c.に
希釈し、その15c.c.に、参考例で得たリン化合物担
持樹脂0.1gを加え、室温で所定時間振りまぜた
のち、溶液中に残留する金属イオン濃度を測定し
た。溶液中に残留する金属イオン濃度の、振りま
ぜ前の金属イオン濃度に対する比率と、振りまぜ
時間の関係を第3図に示す。この図から明らかな
ように、スカンジウムは1.5時間の振りまぜで溶
液中からは検出されなくなり、鉄の吸着は第2図
に比して抑制された。 実施例 4 参考例で得たリン化合物担持樹脂2.0g(膨張
体積約4.2c.c.)を内径8mmのカラムに充てんし、
これに実施例3における、振りまぜ前の、鉄マン
ガン重石の塩酸浸出溶液30c.c.を16c.c./hrで通液
し、その後ひき続いて、3規定塩酸を16c.c./hrで
通液した。カラムからの流出液を9c.c.ずつ分取
し、金属イオンの量を測定して、金属イオンの流
出曲線を求めた結果を第4図に示す。この図にお
いて横軸は流出液量を、縦軸は流出液中の金属イ
オン濃度の、始めに注入した金属イオン濃度に対
する比率を示している。この図から分るように、
スカンジウムを除く主要金属元素は、樹脂上に保
持されたスカンジウムから良好に分離されて流出
した。
第1図は本発明にかかる含浸樹脂を用いた場合
における溶液のPHと各金属イオンの分配比との関
係を示すグラフ、第2図及び第3図は、それぞれ
該含浸樹脂を用いた場合における、鉄マンガン重
石浸出液中の各金属成分の吸着量を示すグラフ、
第4図は、該含浸樹脂を用いた場合における鉄マ
ンガン重石中の各金属成分の溶出液量を示すグラ
フである。
における溶液のPHと各金属イオンの分配比との関
係を示すグラフ、第2図及び第3図は、それぞれ
該含浸樹脂を用いた場合における、鉄マンガン重
石浸出液中の各金属成分の吸着量を示すグラフ、
第4図は、該含浸樹脂を用いた場合における鉄マ
ンガン重石中の各金属成分の溶出液量を示すグラ
フである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 【式】又は【式】 (式中のR1及びR2は、それぞれ少なくとも6個
の炭素原子をもつアルキル基であり、それらは同
一でもまた互に異なつていてもよい) で表わされるリン化合物を担持させた多孔質樹脂
を、スカンジウム()含有水溶液と接触させ
て、スカンジウム()をこれに吸着させたの
ち、有機溶剤により溶出することを特徴とするス
カンジウムの捕集方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7390088A JPH01246328A (ja) | 1988-03-28 | 1988-03-28 | スカンジウムの補集方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7390088A JPH01246328A (ja) | 1988-03-28 | 1988-03-28 | スカンジウムの補集方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01246328A JPH01246328A (ja) | 1989-10-02 |
| JPH0474418B2 true JPH0474418B2 (ja) | 1992-11-26 |
Family
ID=13531538
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7390088A Granted JPH01246328A (ja) | 1988-03-28 | 1988-03-28 | スカンジウムの補集方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01246328A (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4378540B2 (ja) * | 2003-11-25 | 2009-12-09 | 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 | スカンジウムを捕集回収する方法 |
| JP5057322B2 (ja) * | 2006-06-09 | 2012-10-24 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 | 固体高分子材料中のスカンジウムを溶出回収する方法 |
| JP5403115B2 (ja) | 2012-06-19 | 2014-01-29 | 住友金属鉱山株式会社 | スカンジウムの分離精製方法 |
| JP5619238B1 (ja) | 2013-08-22 | 2014-11-05 | 住友金属鉱山株式会社 | スカンジウム回収方法 |
| JP6455782B2 (ja) * | 2014-02-12 | 2019-01-30 | 学校法人金沢工業大学 | スカンジウムの分離法 |
| JP6194867B2 (ja) | 2014-09-10 | 2017-09-13 | 信越化学工業株式会社 | 抽出分離方法 |
| CN106702180B (zh) * | 2015-07-29 | 2018-09-18 | 王艳良 | 一种钪元素的萃取方法 |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6045261A (ja) * | 1983-08-23 | 1985-03-11 | Hitachi Chem Co Ltd | 磁性トナ−の製造法 |
| FR2562059B1 (fr) * | 1984-04-02 | 1989-12-01 | Rhone Poulenc Spec Chim | Procede de separation des terres rares par extraction liquide-liquide |
| JPS6135253A (ja) * | 1984-07-27 | 1986-02-19 | Usac Electronics Ind Co Ltd | 改ざん防止文字の印刷装置 |
| JPS61210132A (ja) * | 1985-03-14 | 1986-09-18 | Inoue Japax Res Inc | 金属精製分離方法 |
| FR2594429A1 (fr) * | 1986-02-14 | 1987-08-21 | Rhone Poulenc Chimie | Procede d'elimination du plomb de terres rares |
-
1988
- 1988-03-28 JP JP7390088A patent/JPH01246328A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01246328A (ja) | 1989-10-02 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Ogata et al. | Adsorption behavior of rare earth elements on silica gel modified with diglycol amic acid | |
| Yuan et al. | Synthesis of coated solvent impregnated resin for the adsorption of indium (III) | |
| Deng et al. | Adsorption of fluoride, arsenate and phosphate in aqueous solution by cerium impregnated fibrous protein | |
| Ogata et al. | Rapid and selective recovery of heavy rare earths by using an adsorbent with diglycol amic acid group | |
| CN103586006B (zh) | 氨基吡啶改性树脂吸附辛酸铑和金属离子的方法 | |
| JPH0466125A (ja) | 吸水剤、吸水剤の製造方法および吸水剤を用いた粉粒体の水分低減方法 | |
| CN104801262A (zh) | 一种磁性复合铀吸附剂的制备方法及其应用 | |
| Li et al. | Fluoride removal using a chelating resin containing phosphonic-sulfonic acid bifunctional group | |
| GB2148735A (en) | A process for separating and purifying metallic elements in displacement chromatography | |
| GB2452823A (en) | Method of Producing Fluoroapatite | |
| Sharaf et al. | A novel binary-extractant-impregnated resin for selective recovery of scandium | |
| JPH0474418B2 (ja) | ||
| GB2135983A (en) | Selective adsorption of borate ions from aqueous solution | |
| CN108607523B (zh) | 一种选择性分离铟的吸附材料及其制备方法 | |
| CN118344642A (zh) | 一种钙离子印迹聚合物及其制备方法与应用 | |
| CN104841368A (zh) | 一种淋洗液再生材料及其应用 | |
| JPH0579604B2 (ja) | ||
| Maeda et al. | Studies of selective adsorption resins. XXV. Preparation of macroreticular chelating resins containing aminomethylphosphonic acid groups from methyl methacrylate/divinylbenzene copolymer beads and their adsorption capacity | |
| Onar et al. | Adsorption of phosphate onto pumice powder | |
| Rahmani et al. | Functionalized nanoporous silicon for extraction of Sc from a leach solution | |
| Hoshina et al. | Synthesis of highly-selective fibrous adsorbent by introducing 2-ethylhexyl hydrogen-2-ethylhexylphosphonate for scandium adsorption | |
| Someda | Influence of the support base on the sorption of Co (II) with mixed solvents | |
| JP6933360B2 (ja) | アンチモンの分離および回収方法 | |
| CN113150194A (zh) | 金属螯合树脂及其制备方法、应用 | |
| KR100197300B1 (ko) | 콜로이드 실리카 겔로 제조된 생물흡착제 조성물 및 이를 이용한 중금속의 흡착 및 회수 방법 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |