JPH0474938B2 - - Google Patents
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- JPH0474938B2 JPH0474938B2 JP62180530A JP18053087A JPH0474938B2 JP H0474938 B2 JPH0474938 B2 JP H0474938B2 JP 62180530 A JP62180530 A JP 62180530A JP 18053087 A JP18053087 A JP 18053087A JP H0474938 B2 JPH0474938 B2 JP H0474938B2
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Description
[発明の利用分野]
この発明は、モーターや発電機等の回転電機に
使用する電刷子に関する。この発明は特に、燃料
噴射ポンプ用モーター等の自動車電装用モーター
等に使用する電刷子に関する。 [従来技術] 回転電機に使用する電刷子としては、天然黒鉛
や人造黒鉛からなる黒鉛質の電刷子本体を用いた
もの、あるいは金属と黒鉛とを混合した金属黒鉛
質の電刷子本体を用いたもの等が知られている。 ここで電刷子を回転電機に組付け、コンミユテ
ーター上を摺動させると、電刷子本体の黒鉛がコ
ンミユテーター表面に移行し、黒鉛皮膜を形成し
て、両者間の潤滑状態が保たれる。しかし黒鉛皮
膜の形成状態が不適当な場合、電刷子本体やコン
ミユテーターの磨耗が著しく、保守上の問題とな
る。 電刷子本体の耐磨耗性の改良には、既に種々の
研究が有る。例えば黒鉛の潤滑性を補助し、黒鉛
との混合皮膜を形成させるため、二硫化モリブデ
ンや二硫化タングステン、あるいは窒化硼等を添
加することが知られている(特公昭60−42595
号)。また二硫化モリブテン等に変え、硫化銅や
硫化亜鉛を添加することも知られている。更にコ
ンミユテーター上の過剰の黒鉛皮膜を除去するた
め、シリカやアルミナ等の削磨性物質の微粒子を
添加することも知られている。しかしこれらの検
討にもかかわらず、電刷子本体の耐磨耗特性の改
善は充分ではない。 [発明の目的] この発明の目的は、電刷子本体の耐磨耗特性の
改良にある。 [発明の構成] この発明は、黒鉛質もしくは金属黒鉛質の電刷
子本体を用いた電刷子において、前記電刷子本体
には、粒径1〜800μmの熱硬化性合成樹脂の球
状粒子もしくはこれを炭素化した球状粒子を1〜
30重量%添加し、焼成して炭素化球状粒子を含有
させたことを特徴とする。 ここで電刷子本体に熱硬化性合成樹脂の球状粒
子、あるいはこれを炭素化した球状粒子を添加
し、焼成すると、電刷子本体の耐磨耗特性を著し
く改善できる。そしてこの効果は、燃料噴射ポン
プ用のモーターに用いる場合のように、液体燃料
中に電刷子を浸漬して用いる場合に特に著しい。 用いる熱硬化性合成樹脂粒子は、例えばエマル
ジヨン重合やサスペンシヨン重合により得られ、
その後分散媒から分離して用いる。粒子の形状は
球状である。粒子の縮合度は初期縮合状態のもの
から縮合を完了したものまで、任意の縮合度のも
のを用いることができ、球状の形態を維持できる
程度に硬化したものであれば良い。このような熱
硬化性合成樹脂の球状粒子を中性あるいは還元性
の雰囲気で熱処理すると、樹脂は炭素化し球状の
炭素化粒子が得られる。そしてこのような炭素化
球状粒子も用いることができる。 熱硬化性樹脂としては、例えばフエノール系樹
脂、フラン系樹脂、キシレン系樹脂、あるいは熱
硬化性ポリイミド樹脂等を用いれば良い。このう
ち安価で容易に入手し得る樹脂としては、ユニベ
ツクス(ユニベツクスは商品名、ユニチカ株式会
社製)や、ベルパール(ベルパールは商品名、鐘
紡株式会社製)等がある。これらはフエノール系
樹脂の球状粒子である。 樹脂の材質に付いては、中性あるいは還元性雰
囲気で焼成した際の残留炭素量が多いもの程好ま
しい。残留炭素量は、好ましくは50%以上とす
る。なおここに残留炭素量は、焼成後の炭素量と
樹脂との重量比を意味する。残留炭素量は、電刷
子本体と同様の焼成条件で樹脂粒子を焼成した際
の値から定めるものとする。次ぎに樹脂は、酸化
しないように還元性雰囲気で焼成した後に、ガラ
ス状カーボン、即ち緻密で光沢のあるカーボン、
に転化するものが好ましい。フエノール系樹脂や
フラン系樹脂、あるいはキシレン系樹脂等の熱硬
化性樹脂の多くは、焼成によりガラス状カーボン
に転化する。 樹脂粒子の粒径は1〜800μmとし、粒度分布
の小さなもの、あるいは大きなもののいずれも用
い得る。粒径はより好ましくは10〜500μm、更
に好ましくは10〜250μmとする。1μm以下の粒
径では耐磨耗特性の改善効果が小さく、効果を高
めるため多量に添加すると電刷子の比抵抗が増加
する。一方800μm以上の粒径のものでは、成型
時に黒鉛粉や金属粉から分離し易く均質な電刷子
を得難い。また800μm以上の粒径のものは、使
用時にコンミユテーター等に大きな条痕を発生さ
せることがあり、コンミユテーター等を傷付け
る。 添加する樹脂粒子や樹脂を炭素化した粒子の量
は、電刷子本体の全材料に対し1〜30重量%と
し、より好ましくは2〜20重量%、更に好ましく
は3〜15重量%とする。なお以下では、電刷子の
本体材料の全量に占める各材料の割合を、重量%
単位で単に%と表示する。そして樹脂粒子の添加
量と残留炭素量との積、あるいは樹脂を最初から
炭素化して用いる場合には、炭素化した樹脂粒子
の量が、電刷子本体に対する実際の樹脂系炭素の
添加量となる。添加した樹脂や樹脂を炭素化した
粒子の量を1%以下とすると、耐磨耗特性の改善
効果がほとんど得られない。30%以上添加しても
効果は飽和し、電刷子本体の比抵抗を増加させモ
ーター等の回転電機の出力を低下させる。更に発
明者らの実験によると、30%以上の樹脂を添加す
るとコンミユテーターの磨耗を促進した場合が有
つた。 この発明で用いる樹脂粒子、あるいはこれを炭
素化した粒子は球状である。一方電刷子本体の製
造では、しばしば黒鉛の結合剤としてフエノール
樹脂ワニスを使用する。これらの結合剤は溶媒に
溶解して用いられ、電刷子本体の焼成後は非常に
薄い被膜状の炭素に変化する。そしてこのような
被膜状の炭素は、電刷子本体の耐磨耗特性に寄与
しない。 この発明は、黒鉛質あるいは金属黒鉛質のいず
れの電刷子本体に対しても適用できる。ここに金
属粉としては銅粉や銀粉等の導電性に優れた金属
粉が好ましく、必要に応じて鉛粉や錫粉等を併用
しても良い。金属粉の使用量は0〜80%が好まし
く、モーターの種類や必要な出力、耐久性等に応
じ、適宜に定めれば良い。例えば自動車エンジン
のスターターモーターの場合50〜80%が好まし
く、ブロワーモーターやワイパーモーターでは30
〜60%が好ましく、ガソリン等の燃料噴射ポンプ
用モーターでは0〜40%が好ましい。金属粉を80
%以上添加すると、電流密度を大きくした場合
に、コンミユテーターの磨耗を促進する。 黒鉛粉には天然質黒鉛粉が好ましいが、人造黒
鉛粉も使用できる。これらの黒鉛粉は通常、黒鉛
重量に対し1〜30重量%程度のフエノール樹脂ワ
ニス等の結合剤で予め処理して使用する。しかし
必ずしも結合剤を用いなくても良い。また黒鉛粉
の使用量は例えば15〜99%とし、金属粉や熱硬化
性樹脂粒子、あるいはこれを炭素化した粒子、及
び必要に応じて窒化硼素や二硫化モリブデン、二
硫化タングステン等の他の添加物と合わせて、合
計量を100%とする。なお黒鉛粉の含有量を15%
以下とすると、電刷子の耐磨耗特性が著しく低下
し好ましくない。 電刷子本体の製造は例えば、材料の混合、成
型、中性あるいは還元性雰囲気での焼成の順に行
えば良い。ここで樹脂粒子やこれを炭素化した粒
子を予め黒鉛粉と混合した後に金属粉を混合して
も良く、あるいは全ての材料を一括して混合して
も良い。 [実施例] 実施例 1 銅粉70%と、フエノール樹脂系ワニスで処理し
た天然黒鉛粉23%と、粒径100〜200μmのフエノ
ール系樹脂の球状粒子(商品名ユニベツクスN、
ユニチカ株式会社製)5%と、二硫化モリブデン
2%を混合し、プレス成型によりピグテールを埋
設した電刷子本体の形状に成型し、ついで焼成し
てスターターモーター用の電刷子とした。フエノ
ール系球状粒子の残留炭素量は63%で、焼成後の
電刷子本体の組成は銅71.4%、黒鉛23.4%、フエ
ノール系樹脂を炭素化した球状炭素粒子3.2%、
二硫化モリブデン2%である。 比較例として、フエノール樹脂系球状粒子を添
加しなかつた他は、全く同様に調製した電刷子を
用いた。これらの電刷子を出力2.0KWのスター
ターモーターに組付け、3000c.c.のデイーゼルエン
ジンに取り付けて、2秒駆動13秒休止を1サイク
ルに、10000サイクル使用した。使用後の電刷子
の磨耗量を評価した。実施例での磨耗量は1.6mm
であつたが、比較例では2.7mmであつた。実施例
では、磨耗速度が約40%低下している。 実施例 2 銅粉30%と、フエノール樹脂ワニスで処理した
天然黒鉛粉60%と、粒径1〜20μmの硬化したフ
エノール樹脂球状粒子(商品名ベルパールR−
900、鐘紡株式会社製)10%とを混合し、ピグテ
ールを埋設して、プレス成型と焼成とを行い、電
刷子とした。この樹脂の残留炭素量は62%で、電
刷子本体の組成は銅31.2%、黒鉛62.4%、球状の
炭素化粒子6.4%である。 比較例として、フエノール樹脂の球状粒子を添
加しなかつた他は全く同様に調製したものを用い
た。これらの電刷子を自動車用小形ブロワモータ
ーに取り付け、電圧12V、電流密度25A/cm2で
500時間使用し、磨耗量を比較した。実施例での
磨耗量が2.5mmであつたのに対して、比較例では
3.75mmであつた。実施例では、磨耗速度が2/3に
低下している。 実施例 3 フエノール樹脂ワニスで処理した天然黒鉛粉72
%に、粒径500〜750μmの硬化したフエノール樹
脂球状粒子(商品名ユニベツクスC、ユニチカ株
式会社製)28%を混合し、プレス成型後に700℃
で焼成して電刷子を得た。残留炭素量は63%で、
組成は黒鉛80.3%、球状の樹脂系炭素粒子19.7%
である。 実施例 4 実施例3で用いたフエノール樹脂球状粒子を5
時間700℃に加熱し、炭素化して球状の炭素粒子
とした。この過程での残留炭素量は63%であつ
た。この炭素化粒子3%と、フエノール樹脂ワニ
スで処理した天然黒鉛粉97%とを混合し、成型後
に700℃で焼成し、電刷子とした。 実施例 5 銅粉20%と、フエノール樹脂ワニスで処理した
天然黒鉛粉70%に、粒径100〜200μmのフエノー
ル樹脂球状粒子(商品名ユニベツクスWA−S、
ユニチカ株式会社製)10%を混合し、成型後に
700℃で焼成して電刷子とした。残留炭素量から
換算した電刷子本体の組成は、銅21%、黒鉛72.5
%、球状炭素粒子6.5%である。 実施例 6 銅粉20%と、フエノール樹脂ワニスで処理した
天然黒鉛粉70%に、粒径1〜20μmの硬化したフ
エノール樹脂球状粒子(商品名ベルパールR−
900、鐘紡株式会社製)10%を混合し、成型後に
700℃で焼成して電刷子とした。残留炭素量から
換算した電刷子本体の組成は、銅20.8%、黒鉛
72.8%、樹脂系球状炭素粒子6.4%である。 比較例 1 実施例3、4に対する比較例とし、フエノール
樹脂球状粒子を添加しなかつた他は、全く同様に
調製したものを、比較例1とした 比較例 2 実施例5、6に対する比較例として、フエノー
ル樹脂球状粒子を無添加とした他は全く同様に調
製したものを比較例2とした。 これらの電刷子ほ、自動車エンジンのガソリン
噴射ポンプ用モーターに組付け、電刷子をガソリ
ン中に浸漬した状態で使用した。モーターの使用
条件を、電圧12V、電流4.5Aとし、500時間駆動
した後の、電刷子の磨耗量を測定した。
使用する電刷子に関する。この発明は特に、燃料
噴射ポンプ用モーター等の自動車電装用モーター
等に使用する電刷子に関する。 [従来技術] 回転電機に使用する電刷子としては、天然黒鉛
や人造黒鉛からなる黒鉛質の電刷子本体を用いた
もの、あるいは金属と黒鉛とを混合した金属黒鉛
質の電刷子本体を用いたもの等が知られている。 ここで電刷子を回転電機に組付け、コンミユテ
ーター上を摺動させると、電刷子本体の黒鉛がコ
ンミユテーター表面に移行し、黒鉛皮膜を形成し
て、両者間の潤滑状態が保たれる。しかし黒鉛皮
膜の形成状態が不適当な場合、電刷子本体やコン
ミユテーターの磨耗が著しく、保守上の問題とな
る。 電刷子本体の耐磨耗性の改良には、既に種々の
研究が有る。例えば黒鉛の潤滑性を補助し、黒鉛
との混合皮膜を形成させるため、二硫化モリブデ
ンや二硫化タングステン、あるいは窒化硼等を添
加することが知られている(特公昭60−42595
号)。また二硫化モリブテン等に変え、硫化銅や
硫化亜鉛を添加することも知られている。更にコ
ンミユテーター上の過剰の黒鉛皮膜を除去するた
め、シリカやアルミナ等の削磨性物質の微粒子を
添加することも知られている。しかしこれらの検
討にもかかわらず、電刷子本体の耐磨耗特性の改
善は充分ではない。 [発明の目的] この発明の目的は、電刷子本体の耐磨耗特性の
改良にある。 [発明の構成] この発明は、黒鉛質もしくは金属黒鉛質の電刷
子本体を用いた電刷子において、前記電刷子本体
には、粒径1〜800μmの熱硬化性合成樹脂の球
状粒子もしくはこれを炭素化した球状粒子を1〜
30重量%添加し、焼成して炭素化球状粒子を含有
させたことを特徴とする。 ここで電刷子本体に熱硬化性合成樹脂の球状粒
子、あるいはこれを炭素化した球状粒子を添加
し、焼成すると、電刷子本体の耐磨耗特性を著し
く改善できる。そしてこの効果は、燃料噴射ポン
プ用のモーターに用いる場合のように、液体燃料
中に電刷子を浸漬して用いる場合に特に著しい。 用いる熱硬化性合成樹脂粒子は、例えばエマル
ジヨン重合やサスペンシヨン重合により得られ、
その後分散媒から分離して用いる。粒子の形状は
球状である。粒子の縮合度は初期縮合状態のもの
から縮合を完了したものまで、任意の縮合度のも
のを用いることができ、球状の形態を維持できる
程度に硬化したものであれば良い。このような熱
硬化性合成樹脂の球状粒子を中性あるいは還元性
の雰囲気で熱処理すると、樹脂は炭素化し球状の
炭素化粒子が得られる。そしてこのような炭素化
球状粒子も用いることができる。 熱硬化性樹脂としては、例えばフエノール系樹
脂、フラン系樹脂、キシレン系樹脂、あるいは熱
硬化性ポリイミド樹脂等を用いれば良い。このう
ち安価で容易に入手し得る樹脂としては、ユニベ
ツクス(ユニベツクスは商品名、ユニチカ株式会
社製)や、ベルパール(ベルパールは商品名、鐘
紡株式会社製)等がある。これらはフエノール系
樹脂の球状粒子である。 樹脂の材質に付いては、中性あるいは還元性雰
囲気で焼成した際の残留炭素量が多いもの程好ま
しい。残留炭素量は、好ましくは50%以上とす
る。なおここに残留炭素量は、焼成後の炭素量と
樹脂との重量比を意味する。残留炭素量は、電刷
子本体と同様の焼成条件で樹脂粒子を焼成した際
の値から定めるものとする。次ぎに樹脂は、酸化
しないように還元性雰囲気で焼成した後に、ガラ
ス状カーボン、即ち緻密で光沢のあるカーボン、
に転化するものが好ましい。フエノール系樹脂や
フラン系樹脂、あるいはキシレン系樹脂等の熱硬
化性樹脂の多くは、焼成によりガラス状カーボン
に転化する。 樹脂粒子の粒径は1〜800μmとし、粒度分布
の小さなもの、あるいは大きなもののいずれも用
い得る。粒径はより好ましくは10〜500μm、更
に好ましくは10〜250μmとする。1μm以下の粒
径では耐磨耗特性の改善効果が小さく、効果を高
めるため多量に添加すると電刷子の比抵抗が増加
する。一方800μm以上の粒径のものでは、成型
時に黒鉛粉や金属粉から分離し易く均質な電刷子
を得難い。また800μm以上の粒径のものは、使
用時にコンミユテーター等に大きな条痕を発生さ
せることがあり、コンミユテーター等を傷付け
る。 添加する樹脂粒子や樹脂を炭素化した粒子の量
は、電刷子本体の全材料に対し1〜30重量%と
し、より好ましくは2〜20重量%、更に好ましく
は3〜15重量%とする。なお以下では、電刷子の
本体材料の全量に占める各材料の割合を、重量%
単位で単に%と表示する。そして樹脂粒子の添加
量と残留炭素量との積、あるいは樹脂を最初から
炭素化して用いる場合には、炭素化した樹脂粒子
の量が、電刷子本体に対する実際の樹脂系炭素の
添加量となる。添加した樹脂や樹脂を炭素化した
粒子の量を1%以下とすると、耐磨耗特性の改善
効果がほとんど得られない。30%以上添加しても
効果は飽和し、電刷子本体の比抵抗を増加させモ
ーター等の回転電機の出力を低下させる。更に発
明者らの実験によると、30%以上の樹脂を添加す
るとコンミユテーターの磨耗を促進した場合が有
つた。 この発明で用いる樹脂粒子、あるいはこれを炭
素化した粒子は球状である。一方電刷子本体の製
造では、しばしば黒鉛の結合剤としてフエノール
樹脂ワニスを使用する。これらの結合剤は溶媒に
溶解して用いられ、電刷子本体の焼成後は非常に
薄い被膜状の炭素に変化する。そしてこのような
被膜状の炭素は、電刷子本体の耐磨耗特性に寄与
しない。 この発明は、黒鉛質あるいは金属黒鉛質のいず
れの電刷子本体に対しても適用できる。ここに金
属粉としては銅粉や銀粉等の導電性に優れた金属
粉が好ましく、必要に応じて鉛粉や錫粉等を併用
しても良い。金属粉の使用量は0〜80%が好まし
く、モーターの種類や必要な出力、耐久性等に応
じ、適宜に定めれば良い。例えば自動車エンジン
のスターターモーターの場合50〜80%が好まし
く、ブロワーモーターやワイパーモーターでは30
〜60%が好ましく、ガソリン等の燃料噴射ポンプ
用モーターでは0〜40%が好ましい。金属粉を80
%以上添加すると、電流密度を大きくした場合
に、コンミユテーターの磨耗を促進する。 黒鉛粉には天然質黒鉛粉が好ましいが、人造黒
鉛粉も使用できる。これらの黒鉛粉は通常、黒鉛
重量に対し1〜30重量%程度のフエノール樹脂ワ
ニス等の結合剤で予め処理して使用する。しかし
必ずしも結合剤を用いなくても良い。また黒鉛粉
の使用量は例えば15〜99%とし、金属粉や熱硬化
性樹脂粒子、あるいはこれを炭素化した粒子、及
び必要に応じて窒化硼素や二硫化モリブデン、二
硫化タングステン等の他の添加物と合わせて、合
計量を100%とする。なお黒鉛粉の含有量を15%
以下とすると、電刷子の耐磨耗特性が著しく低下
し好ましくない。 電刷子本体の製造は例えば、材料の混合、成
型、中性あるいは還元性雰囲気での焼成の順に行
えば良い。ここで樹脂粒子やこれを炭素化した粒
子を予め黒鉛粉と混合した後に金属粉を混合して
も良く、あるいは全ての材料を一括して混合して
も良い。 [実施例] 実施例 1 銅粉70%と、フエノール樹脂系ワニスで処理し
た天然黒鉛粉23%と、粒径100〜200μmのフエノ
ール系樹脂の球状粒子(商品名ユニベツクスN、
ユニチカ株式会社製)5%と、二硫化モリブデン
2%を混合し、プレス成型によりピグテールを埋
設した電刷子本体の形状に成型し、ついで焼成し
てスターターモーター用の電刷子とした。フエノ
ール系球状粒子の残留炭素量は63%で、焼成後の
電刷子本体の組成は銅71.4%、黒鉛23.4%、フエ
ノール系樹脂を炭素化した球状炭素粒子3.2%、
二硫化モリブデン2%である。 比較例として、フエノール樹脂系球状粒子を添
加しなかつた他は、全く同様に調製した電刷子を
用いた。これらの電刷子を出力2.0KWのスター
ターモーターに組付け、3000c.c.のデイーゼルエン
ジンに取り付けて、2秒駆動13秒休止を1サイク
ルに、10000サイクル使用した。使用後の電刷子
の磨耗量を評価した。実施例での磨耗量は1.6mm
であつたが、比較例では2.7mmであつた。実施例
では、磨耗速度が約40%低下している。 実施例 2 銅粉30%と、フエノール樹脂ワニスで処理した
天然黒鉛粉60%と、粒径1〜20μmの硬化したフ
エノール樹脂球状粒子(商品名ベルパールR−
900、鐘紡株式会社製)10%とを混合し、ピグテ
ールを埋設して、プレス成型と焼成とを行い、電
刷子とした。この樹脂の残留炭素量は62%で、電
刷子本体の組成は銅31.2%、黒鉛62.4%、球状の
炭素化粒子6.4%である。 比較例として、フエノール樹脂の球状粒子を添
加しなかつた他は全く同様に調製したものを用い
た。これらの電刷子を自動車用小形ブロワモータ
ーに取り付け、電圧12V、電流密度25A/cm2で
500時間使用し、磨耗量を比較した。実施例での
磨耗量が2.5mmであつたのに対して、比較例では
3.75mmであつた。実施例では、磨耗速度が2/3に
低下している。 実施例 3 フエノール樹脂ワニスで処理した天然黒鉛粉72
%に、粒径500〜750μmの硬化したフエノール樹
脂球状粒子(商品名ユニベツクスC、ユニチカ株
式会社製)28%を混合し、プレス成型後に700℃
で焼成して電刷子を得た。残留炭素量は63%で、
組成は黒鉛80.3%、球状の樹脂系炭素粒子19.7%
である。 実施例 4 実施例3で用いたフエノール樹脂球状粒子を5
時間700℃に加熱し、炭素化して球状の炭素粒子
とした。この過程での残留炭素量は63%であつ
た。この炭素化粒子3%と、フエノール樹脂ワニ
スで処理した天然黒鉛粉97%とを混合し、成型後
に700℃で焼成し、電刷子とした。 実施例 5 銅粉20%と、フエノール樹脂ワニスで処理した
天然黒鉛粉70%に、粒径100〜200μmのフエノー
ル樹脂球状粒子(商品名ユニベツクスWA−S、
ユニチカ株式会社製)10%を混合し、成型後に
700℃で焼成して電刷子とした。残留炭素量から
換算した電刷子本体の組成は、銅21%、黒鉛72.5
%、球状炭素粒子6.5%である。 実施例 6 銅粉20%と、フエノール樹脂ワニスで処理した
天然黒鉛粉70%に、粒径1〜20μmの硬化したフ
エノール樹脂球状粒子(商品名ベルパールR−
900、鐘紡株式会社製)10%を混合し、成型後に
700℃で焼成して電刷子とした。残留炭素量から
換算した電刷子本体の組成は、銅20.8%、黒鉛
72.8%、樹脂系球状炭素粒子6.4%である。 比較例 1 実施例3、4に対する比較例とし、フエノール
樹脂球状粒子を添加しなかつた他は、全く同様に
調製したものを、比較例1とした 比較例 2 実施例5、6に対する比較例として、フエノー
ル樹脂球状粒子を無添加とした他は全く同様に調
製したものを比較例2とした。 これらの電刷子ほ、自動車エンジンのガソリン
噴射ポンプ用モーターに組付け、電刷子をガソリ
ン中に浸漬した状態で使用した。モーターの使用
条件を、電圧12V、電流4.5Aとし、500時間駆動
した後の、電刷子の磨耗量を測定した。
【表】
【表】
表1から明らかなように、熱硬化性樹脂の球状
粒子やこれを炭素化した球状粒子を加えると、電
刷子の磨耗量は1/10以下に減少する。このように
球状炭素化粒子の添加効果は、燃料噴射ポンプ用
モーター等の、液体燃料中に電刷子を浸漬して用
いる場合に特に著しい。そしてこの効果は、樹脂
の性状を、硬化、未硬化、炭素化のいずれとして
も得られる。更に樹脂の添加量を3〜28%の広い
範囲で変化させたが、いずれの添加量でも充分に
耐磨耗特性が向上している。 [発明の効果] この発明では、黒鉛質、あるいは金属黒鉛質の
電刷子に対し、熱効果性樹脂の球状粒子もしくは
これを炭素化した球状粒子を加えて焼成すること
により、電刷子の耐磨耗特性を改善する。
粒子やこれを炭素化した球状粒子を加えると、電
刷子の磨耗量は1/10以下に減少する。このように
球状炭素化粒子の添加効果は、燃料噴射ポンプ用
モーター等の、液体燃料中に電刷子を浸漬して用
いる場合に特に著しい。そしてこの効果は、樹脂
の性状を、硬化、未硬化、炭素化のいずれとして
も得られる。更に樹脂の添加量を3〜28%の広い
範囲で変化させたが、いずれの添加量でも充分に
耐磨耗特性が向上している。 [発明の効果] この発明では、黒鉛質、あるいは金属黒鉛質の
電刷子に対し、熱効果性樹脂の球状粒子もしくは
これを炭素化した球状粒子を加えて焼成すること
により、電刷子の耐磨耗特性を改善する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 黒鉛質もしくは金属黒鉛質の電刷子本体を用
いた電刷子において、 前記電刷子本体には、粒径1〜800μmの熱硬
化性合成樹脂の球状粒子もしくはこれを炭素化し
た球状粒子を1〜30重量%添加し、焼成して炭素
化球状粒子を含有させたことを特徴とする電刷
子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18053087A JPS6426344A (en) | 1987-07-20 | 1987-07-20 | Electric brush |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18053087A JPS6426344A (en) | 1987-07-20 | 1987-07-20 | Electric brush |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6426344A JPS6426344A (en) | 1989-01-27 |
| JPH0474938B2 true JPH0474938B2 (ja) | 1992-11-27 |
Family
ID=16084875
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18053087A Granted JPS6426344A (en) | 1987-07-20 | 1987-07-20 | Electric brush |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6426344A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH062591U (ja) * | 1992-06-15 | 1994-01-14 | 横河メディカルシステム株式会社 | スリップリング |
| JP2007028841A (ja) * | 2005-07-20 | 2007-02-01 | Hitachi Chem Co Ltd | 直流電動モータ用ブラシ及びその製造法 |
| WO2012101924A1 (ja) * | 2011-01-27 | 2012-08-02 | トライス株式会社 | 燃料ポンプ用のカーボンブラシとその製造方法 |
| JP7250337B2 (ja) * | 2019-11-25 | 2023-04-03 | トライス株式会社 | 銀を主成分とする金属黒鉛質アースブラシ及びその製造方法 |
-
1987
- 1987-07-20 JP JP18053087A patent/JPS6426344A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6426344A (en) | 1989-01-27 |
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