JPH0482026B2 - - Google Patents

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JPH0482026B2
JPH0482026B2 JP5900685A JP5900685A JPH0482026B2 JP H0482026 B2 JPH0482026 B2 JP H0482026B2 JP 5900685 A JP5900685 A JP 5900685A JP 5900685 A JP5900685 A JP 5900685A JP H0482026 B2 JPH0482026 B2 JP H0482026B2
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polyacrylonitrile
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は太陽電池発電用素子、整流素子、圧力
センサー、光センサー、 電導体、半導体の素材
として用いられる導電性金属硫化物組成物の製造
法に関する。
[従来の技術] 金属硫化物は半導体あるいは触媒としての機能
を有し、種々の電気回路の素子などに用いられて
いる。例えばCdSは光電導性を有し(共立出版
「化学大辞典」3巻585頁)、硫化銅と硫化カドミ
ウムからなる太陽電池の作製も可能である。ま
た、いくつかの金属硫化物は導電体、蛍光体ある
いはリチウム電池等の電池の正極活物質として用
いられている(例えば、前出「化学大辞典」9巻
645頁、Electrochemical Society(米国)刊
「Lithium Batteries」p.349,p381,p.421(1981)
等)。しかし、金属硫化物は一般的に機械的強度
に劣り成形が困難であり膜状物質等を得るのが難
しい化合物である。一方、高分子化合物は成形性
に優れており、膜状物質等を容易に得ることがで
きる化合物である。
しかしながら、従来高分子化合物中に金属硫化
物微粒子が均一に分散された組成物は知られてい
ない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は金属硫化物と高分子化合物の両者の特
長を生かし、高分子化合物中に金属硫化物微粒子
が均一に分散されてた組成物を得ることを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を
行つた結果、電気的に有用な特性を有する金属硫
化物と成形性には優れているが金属硫化物のよう
な電気的、触媒的特性を有しない高分子化合物か
ら種々の機能を有する有用な組成物が得られるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至つた。
すなわち、本発明は金属硫化物をゾルの状態で
含有する液体状物質に、高分子化合物を溶解させ
た後、溶媒を除去することにより、上記導電性金
属硫化物組成物を製造する方法を提供するもので
ある。
この金属硫化物の微粒子は、その半径が3×
10-5cm(3000Å)を超えると、前記ゾルが不安定
となり、微粒子が沈降して、金属硫化物が高度に
分散された組成物を得ることが困難になる。ゾル
を得る過程においては、例えば金属硫化物が半径
約3×10-5cm以下の微粒子としてゾル(コロイド
溶液)中に存在し高度に分散している状態にある
液状物質を調製し、この高度に分散した金属硫化
物を含有する液状物質に更に高分子化合物を溶解
状態で存在せしめる。しかる後に沈殿法、乾固法
等によつて溶媒を除けば高分子化合物中に金属硫
化物が高度に分散した本発明の組成物が得られ
る。したがつて、本発明の組成物は単に金属硫化
物と高分子化合物が混合されて生成したものでは
なく、組成物中において金属硫化物が微粒子とし
て高度に分散している物質であり、超薄膜状の機
能性膜を得たりする上で利点を有し、また優れた
機能、特性を有する。すなわち、本発明の組成物
はこのような高度な分散状態にあることにより優
れた物性を有し、半導体、整流用素子等としての
広範な用途を有する。
金属硫化物をゾルの状態で含有し、かつ高分子
化合物を含有する液体状物質は溶媒中若しくは高
分子化合物を溶媒に溶解させた高分子溶液中で1
価又は2価の金属化合物と硫黄化合物を反応させ
て金属硫化物を生成させることにより得られる。
金属化合物としては、溶媒に可溶な金属化合物
であれば特に制限はない。具体的には、無水酢酸
銅、硫酸銅、ヨウ化銅、塩化銅水和物、ヨウ化カ
ドミウム、塩化カドミウム、酢酸カドミウム水和
物、塩化水銀、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛水和物、酢
酸パラジウム、塩化マンガン、酢酸マンガン水和
物、酢酸コバルト水和物、硫酸コバルト、酢酸ニ
ツケル水和物、塩化ニツケル、四塩化チタン、三
塩化クロム水和物、塩化鉄()が挙げられ
る。これらの金属化合物は二種以上を併用しても
よい。
溶媒としてはRR′S=0又はRR′NCHO(式中、
R及びR′は水素又はアルキル基等の置換基であ
る。)の分子式で表わされるスルホキシド類、ホ
ルムアミド類が好適に用いられる。溶媒は前記、
金属化合物を溶解することができるものであれば
特に制限はないが、ジメチルスルホキシド、N,
N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性
溶媒が好適に用いられる。
金属化合物を溶媒に溶解させ、溶液中の金属化
合物に還元性硫黄化合物を反応させると、溶媒中
に金属硫化物が均一分散した液体状物質を得る。
この液体状物質は金属硫化物を準安定状態、過飽
和あるいはゾルの状態で、単純な混合によつて化
学平衡論的に均一に溶解させることのできる量以
上の金属硫化物を外見上均一に溶解せしめてい
る。
還元性硫黄化合物としては硫化水素、硫化アン
モニウム、ポリ硫化アンモニウム、チオ硫酸ナト
リウム、硫化カリウム、硫化ナトリウム、亜硫酸
ナトリウム、チオ尿素等還元性を有する硫黄化合
物が用いられる。
高分子化合物としては、各種合成高分子化合
物、天然高分子化合物を用いることができる。合
成高分子化合物としては具体的にはポリアクリロ
ニトリル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブ
チラール、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニルとアクリロニトリルの共重合体、ビニリデン
クロリドとアクリロニトリルの共重合体、ビニリ
デンクロリドと塩化ビニルの共重合体、ポリビニ
ルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルア
ミド、ポリメタクリル酸メチル、塩化ビニルと酢
酸ビニルの共重合体、ポリフツ化ビニリデン、ス
チレンとアクリロニトリルの共重合体、スチレン
と無水マレイン酸の共重合体、エチレンと無水マ
レイン酸の共重合体等のポリオレフイン類、ポリ
テトラメチレンエーテルグリコール等のポリエー
テル類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウ
レタン類、ポリ2−ビニルピリジン、ポリN−ビ
ニルカルバゾール、ポリN−ビニルピロリドン等
の複素環を有するポリオレフイン類、ポリエチレ
ンイミン等のヘテロ原子を含むポリマー類等が挙
げられる。
また、天然高分子化合物としては、具体的には
デンプンが挙げられる。
これらの高分子化合物を先に得られた液体状物
質に溶解させて、得られた液体状物質から溶媒を
除去することにより高分子化合物中に金属硫化物
が均一に分散保持された組成物が得られる。
金属硫化物としては、具体的には硫化銅、硫化
カドミウム、硫化ニツケル、硫化パラジウム等が
挙げられる。
組成物中の金属硫化物の重量割合は組成物1に
対して0.1〜0.8とすることが好ましい。
溶媒の除去は自然乾燥、加熱乾燥、真空乾燥な
ど溶媒に応じて適宜行われる。得られた液体状物
質をガラス板等の上に塗布して溶媒を除去すると
フイルム状の組成物が得られる。
本発明の組成物は、また、金属硫化物のゾルを
調製する前の溶媒に高分子化合物を溶解させて高
分子化合物溶液を作製し、これに還元性硫黄化合
物を反応させ金属硫化物と高分子化合物とをゾル
の状態で含有する液状物質を得、あるいは更にこ
の液状物質に更に高分子化合物を溶解させること
により、金属硫化物をゾルの状態で含有し、かつ
高分子化合物を含有する液状物質を得て、これら
の液状物質から溶媒を除去することにより得るこ
ともできる。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例 1 ヨウ化カドミウム(CdI2)をN,N−ジメチル
ホルムアミド(1gのCdI2に対し20〜40ml)に溶
解する。溶液を脱気後この溶液に乾燥硫化水素ガ
ス(CdI2に対し1.2ないし3.3倍モル)を室温下に
導入すると、反応前には無色であつた溶液の色が
黄色ないし黄橙色(CdSに特徴的なカドミウムイ
エローの色)に変色する。この溶液の可視光吸収
スペクトルは450nmに肩吸収帯を示し、この吸収
帯の位置は固体硫化カドミウムについて報告され
ている(J.Opt.Soc.Am.,46,1013(1965))位置
と一致した。また、この溶液にアセトン、水ある
いはメチルアルコール等を加えると瞬時にして硫
化カドミウム(粉末X線図が市販のCdSの粉末X
線図と一致すること及び元素分析によつて確認)
の黄色沈殿が得られた(CdI2に対して3.3倍モル
のH2Sを加えた場合のCdSの収率は97ないし99
%)。したがつて、上記の反応によつて硫化カド
ミウムが生成したことは明らかであるが、一旦沈
殿となつた硫化カドミウム(CdS)はもはやN,
N−ジメチルホルムアミドに溶解することはなか
つた。したがつて、上記反応では、生成したCdS
はゾルとして(あるいは準安定状態として)N,
N−ジメチルホルムアミド中に存在するものと考
えられる。事実、上記反応で得た液状物質は見か
け上均一であるが、反応終了後約−20℃で一夜更
に約0℃で約2時間放置後にアルゴンレーザーを
用いて光散乱法により分析した結果、CdI2とH2S
のN,N−ジメチルホルムアミド中での反応によ
つて得られた上記液状物質中には約4.5×10-7cm
の半径を有する微粒子が多数存在することが分つ
た。この液状物質をアルゴンレーザー照射下約7
時間放置すると微粒子の半径は7.0×10-7cmに増
大したが、この状態においても液状物質は見かけ
上均一であつた。以上のことから、この液状物質
はCdSをゾルの状態で含むことが分つた。このゾ
ルは約20℃以下では10時間以上沈殿を生じること
なく安定に存在し、また約−20℃の低温下では2
週間以上安定に存在した。ゾル中のCdSの粒子の
半径は調製条件により変り4×10-7cmないし1.5
×10-6cmの範囲にあり、粒子の半径がこれ以上
(1.5×10-6cm以上)大きくなると沈殿を生じる傾
向が見られた。
上記のようにして調製したCdSゾルの一部をと
り、ここにポリアクリロニトリルを加えて溶かし
た。この際、CdSが沈殿してくることはなかつ
た。このようにして得た見かけ上均一な溶液の一
部をガラス板上に展開し、真空系を用いて溶媒等
の揮発性物質を除くと橙色フイルム(条件によつ
ては橙色透明フイルム)が得られた。得られたフ
イルムの断面を走査電子顕微鏡法(SEM)で観
察した結果、フイルム中ではCdSは該SEMの測
定限界である1×106cm(100Å)以下の大きさで
存在することが判明した。このフイルムの室温に
おける電気伝導度(σ)はフイルム中のCdSの重
量割合(以下、金属硫化物と高分子化合物からな
る組成物中の金属硫化物の重量割合をR値とす
る)によつて変化し、R値が0.59、0.64、0.74の
ときに各々3.7×10-6Scm-1、8.0×10-6Scm-1、2.1
×10-5Scm-1であつた。なお、ポリアクリロニト
リルのσは室温で5.1×10-11Scm-1であり、上記
オルガノゾルにアセトンを加えて得たCdSを400
Kg/cm2の圧力で成形して得た物質のσは5.9×
10-8Scm-1であつた。CdCl2,Cd(OCOCH3)2を
CdI2の代りの原料として用いることもできた。ま
た、ポリアクリロニトリルの代りにポリビニルホ
ルマールを用いるほかは上記の例と同様にして
CdSとポリビニルホルマールからなる組成物を得
た。この組成物(フイルム状)も約1×10-7Scm
-1の電気伝導度を有する半導性物質であつた。こ
れらのCdSと高分子化合物からなる組成物のσは
圧力をかけることにより増大し、これらの組成物
が圧力を感ずるセンサーとして用いることができ
ることを示している。本法で調製したCdSとポリ
アクリロニトリルからなる組成物の物性は熱処理
によつて変化する。例えば、R値が0.74の組成物
の電気伝導の活性化エネルギーは0.65eVである
が、この組成物を80℃で3時間加熱処理して得ら
れる物質の電気伝導の活性化エネルギーは
0.91eVである。N,N−ジメチルホルムアミド
の代りにジメチルスルホキシドを用いて同様のゾ
ル及び組成物を得た。
実施例 2 無水酢酸銅(Cu(OCOCH3)2)1.82g
(10mmol)を100mlのジメチルスルホキシドに溶
解後、この溶液を入れた容器の気体を真空ポンプ
により除いた。次いで、この容器に18mmolの
H2Sを加えて30℃で反応させた。この反応により
溶液の色が青緑色から青緑黒色に変化し、同時に
沈殿が生成した。この沈殿をAr気流下で濾過法
により除き、外見上は均一な液状物質得た。この
液体状物質は、アルゴンレーザーを用いる光散乱
法によりその中に約6.7×10-6cm(670Å)の半径
を有する微粒子を多く含むことが明らかになつた
こと及びこの液体状物質にアセトンを加えて得ら
れる緑黒色粉末状沈殿(470mg)が粉末X線分析
及び元素分析により硫化銅(CuS)であると同定
されることにより、硫化銅をゾル状態で含む溶液
であることが分つた。上記のように調製した硫化
銅のゾルの一部をとり、ここにポリアクリロニト
リルを溶かし込んだ後に得られる液体状物質をガ
ラス板上に展開し真空系を用いて溶媒等の揮発性
物質(反応によつて生成した酢酸を含む)を除去
することにより硫化銅とポリアクリロニトリルか
らなる組成物を得た。赤外分光法による分析の結
果組成物中には未反応の酢酸銅は実質的に存在し
ていないことが分つた。このようにして調整した
組成物はR値が0.32のときに1×10-4Scm-1の電
気伝導度(σ)を、またR値が0.44のときに1×
10-2Scm-1の電気伝導度を示す半導体であつた。
σの値は組成物調製の際の微妙な条件によつて変
化し、上記の値より1桁大きい組成物が得られる
場合もあつた。本実施例において調製した硫化銅
のゾルは比較的安定であり、室温における安定保
存に耐え、また硫化銅粒子の大きさも放置により
あまり変化しないことが分つた。同様の硫化銅の
ゾルはCu(OCOCH3)2の代りにほかの銅化合物を
用いても得ることができ、また本実施例において
H2Sの代りに硫化アンモニウム((NH4)2S)を
用いても同様の硫化銅のゾルを得ることができ
た。本実施例の硫化銅−ポリアクリロニトリル組
成物をジメチルスルホキシドに溶解させると外見
上均一な溶液を与えた。
また、ポリアクリロニトリルの代りに、ポリビ
ニルアルコールを用いた他は、上記と同様にして
硫化銅−ポリビニルアルコール組成物を得た。こ
の組成物は、R値が0.20のときに2×10-1Scm-1、
また、R値が0.40のとき2Scm-1の電気伝導度を示
した。さらに、SEM観察の結果、この硫化銅−
ポリビニルアルコール組成物中の硫化銅粒子は5
×10-6cm(500Å)ないし7.5×10-6cm(750Å)
の半径を有することが判明し、これは液状物質中
の硫化銅粒子と同程度の大きさを有していること
が分つた。
実施例 3 10mmolのヨウ化亜鉛(ZnI2)を50mlのN,N
−ジメチルホルムアミドに溶解し、容器中の気体
を真空ンプにより除いた後に22mmolのH2Sを加
える。このようにして得た溶液は当初透明である
が、時間の経過と共に白沈を生じ、この白沈は粉
末X線分析の結果から非晶質部を含む硫化亜鉛
(ZnS)であることが分つた。この白沈生成前の
状態をArレーザーを用いる光散乱法により解析
した結果、反応溶液を25℃で約30分放置した後の
見かけ上均一な液体状物質中には半径が約1.5×
10-6cm(150Å)の粒子が多く含まれていること
が分つた。約50分後には粒子の半径は約4×10-6
cmに増大し約60分後、70分後には粒子の半径が
各々約1×10-5cm、2.4×10-5cmに増大し、これ
以上放置すると前記のZnSの白沈が生成すること
が分つた。この白沈の生成する状態になる以前の
液体状物質にポリアクリロニトリルを溶かし込ん
だ後に真空下で揮発性成分を除いて得られたフイ
ルム状組成物の電気伝導度はR値が0.2のときに
約2×10-8Scm-1の半導体領域の値であることが
分つた。また、SEM観察の結果、上記1.5×10-6
cm(150Å)の半径を有するZnS粒子を含有する
ゾルを用いて得られた組成物中のZnS粒子は、
1.5×10-6cm(150Å)の半径を有することが分つ
た。また、ポリアクリロニトリルの代りにポリ
(2−ビニルピリジン)を用いた場合にも半導性
組成物が得られることが分つた。また、ヨウ化亜
鉛の代りにZnCL2,Zn(OCOCH3)2等の亜鉛化合
物を用いても本実施例と同様の硫化亜鉛のゾルが
得られることが分つた。
実施例 4 10mmolの酢酸ニツケル(Ni(OCOCH3)2・
4H2O)を100mlのジメチルスルホキシドに溶解
後、脱気してから22mmolのH2Sを加え20℃で反
応させると、溶液の色は緑色から黒色へと変化す
る。一晩放置後、アルゴン気流中で黒色沈殿を濾
過法により除去して黒色の外見上均一な液体状物
質を得た。この液体状物質にアセトンを加えると
黒色沈殿が生成し、この黒色沈殿は元素分析の結
果硫化ニツケル(NiS)であることが分つた。一
旦沈殿したNiSはもはやジメチルスルホキシドに
溶解することなく、一方前述の黒色液体状物質を
Arレーザーを用いる光散乱法により解析した結
果、この液体状物質には半径が2×10-7cm(20
Å、本光散乱法の検出限界)以上の大きさの微粒
子が存在しないことが明らかとなつたことから、
前述の溶液中にはNiSが20Å以下の微粒子として
ゾルの状態で含有されているものと考えられる。
前述の溶液(液体状物質)の一部をとり、ここに
ポリアクリロニトリルを加えて溶解させた後にガ
ラス板上に展開し真空下で揮発性物質を除去して
NiSとポリアクリロニトリルからなる組成物を得
た。この組成物の電気伝導度(σ)はR値が
0.14,0.19,0.32のとき各々3.5×10-6Scm-1、1.2
×10-5Scm-1、1.3×10-4Scm-1(室温での値)であ
り、この組成物が半導体であることが分つた。本
実施例において、アセトンを加えることによつて
回収された前述のNiSを400Kgf/cm2の加圧下に
成形して得られた物質のσは7.5×10-8Scm-1であ
つた。
実施例 5 実施例2で示したジメチルスルホキシド中での
Cu(OCOCH3)2とH2Sの反応によつて得られた
CuSのゾルにビニリデンクロリドとアクリロニト
リルの80:20の共重合体(Polysciences社販売)
を溶かし込み、実施例2と同様にしてCuSと本共
重合体とからなる組成物を得た。この組成物は室
温において、R値が0.48、0.33、0.24、0.19のと
きに各々4.3×10-3Scm-1、3.0×0-4Scm-1、2.4×
10-6Scm-1、8.6×10-7Scm-1の電気伝導度を示す
半導体であることが分つた。また、ポリ(エチル
メタクリレート)を用いて同様にCuSと当該高分
子化合物からなる組成物を得た。この組成物は室
温においてR値が0.47、0.24、0.19のときに各々
4.0×10-2Scm-1、1.8×10-2Scm-1、6.6×10-4Scm-1
の電気伝導度を有する半導体であることが分つ
た。
実施例 6 N,N−ジメチルホルムアミド又はジメチルス
ルホキシド中でHgCl2,Pd(OCOCH3)2、Mn
(OCOCH3)2・4H2OとH2Sを反応させることによ
り各々HgS、PdS、MnSを含有するゾルを得た。
これらのゾルにポリアクリロニトリルを溶かし込
み、揮発性物質を真空下で除去することにより相
当する金属硫化物とポリアクリロニトリルを含む
組成物を得た。これらの組成物は半導性を示し
た。また、CuIを反応原料に用いて同様にして半
導体物質を得た。
実施例 7 実施例2で調製したCuSとポリアクリロニトリ
ルからなる組成物(R値=0.44)を、松崎真空(株)
製ネサガラス(2.5cm×5.0cm、20〜30Ω/cm2)上
に塗布した後真空下で揮発成分を除去する方法に
よつて、膜厚0.07mmの薄膜を得た。この膜上に白
金板を当ててネサガラスとの間の電流−電圧特性
を接触法により測定したところ上記組成物とネサ
ガラス間の接触はオーミツクであつた。一方、実
施例1で調製したようなCdSとポリアクリロニト
リルからなる組成物(R値=0.74)を前記のネサ
ガラス上に塗布した後真空下で揮発成分を除去す
る方法によつて、膜厚0.05mmの薄膜を得た。この
場合にも組成物とネサガラス間の接触はオーミツ
クであつた。このようにして、別個のネサガラス
上にCdS−ポリアクリロニトリル組成物のフイル
ム、CuS−ポリアクリロニトリル組成物のフイル
ムを各々形成させ、両フイルムを圧着して電流−
電圧(i−V)特性を調べた。その結果、CuSを
含むフイルムの方を+側にしCdSを含むフイルム
の方を−側にし5Vの電圧を印加したときには
5μA/cm2の電流が流れるのに対して、電圧をかけ
る方向を逆にして5Vの電圧を印加したときには
0.6μA/cm2の電流しか流れないという整流作用が
あることが分つた。このようにCuSとポリアクリ
ロニトリルの組成物及びCdSとポリアクリロニト
リルの組成物を用いて整流機能を有する装置を作
ることができる。
実施例 8 実施例7の方法によつて得たCuSとポリアクリ
ロニトリルの組成物及びCdSとポリアクリロニト
リルの組成物(共に実施例7で示したフイルム)
を圧着し、CdSとポリアクリロニトリルの組成物
の側からネサガラス(透明ガラス)を通して蛍光
燈の光を照射すると約1mA/cm2の出力電流が得
られた。
実施例 9 実施例2で調製したと同様のCuSとポリアクリ
ロニトリルとからなる組成物(R値=0.44)をn
−型シリコン板(日本シリコン(株)製304458−00−
412、2.5×5.0cm、R=1.05〜1.6Ω、n=5×1015
cm-3、厚さ=0.625cm)上に塗布の後ゾルから揮
発成分を除去する方法によつて組成物の薄膜を得
た。このCuSとポリアクリロニトリル組成物(フ
イルム状)とn−型シリコン板の間のi−V特性
を調べたところ、組成物側を+側にn−型シリコ
ン板側を−側にして2.5Vの電圧(直流電圧)を
印加したときには5mA/cm2の電流が流れるのに
対して、電圧をかける方向を逆にして2.5Vの電
圧を印加したときには0.8mA/cm2の電流しか流れ
ないという整流特性があることが分つた。
実施例 10 LiBF4を支持塩にして定電流(2mA/cm2)で
チオフエンを電解重合させることにより
(Makromol.Chem,185,1295(1984)ネサガラ
ス上にチオフエン重合物を形成させた。この膜状
チオフエン重合物(電解重合時にドープされてp
−型電気伝導体となつている)と実施例7で調製
したネサガラス上に形成されたCdSとポリアクリ
ロニトリルのフイルム状組成物の面を合わせ圧着
する。このようにして得た膜状チオフエン重合物
とフイルム状組成物の間のi−V特性を調べた。
その結果、フイルム状組成物を+側に膜状チオフ
エン重合物を−側にして2Vの電圧を印加したと
きには0.6mA/cm2の電流が流れるのに対して、電
圧をかける方向を逆にして2Vの電圧を印加した
ときには0.03mA/cm2の電流しか流れないことが
分つた。膜状チオフエン重合物はp−型電気伝導
体であると考えられ、また、CuSとポリアクリロ
ニトリルの組成物もホール効果の測定によりp−
型電気伝導体であることが分つたので本実施例の
接合はアイソヘテロタイプの接合であると考えら
れる。また、東芝(株)製H−1001水銀ランプ
(400W)を用い、本接合のCuSとポリアクリロニ
トリルからなる組成物側からネサガラスを通して
光を照射した。その結果、順方向(組成物側が
+)のときは印加電圧が2Vのとき電流値は
1.4mA/cm2と増加するのに対し逆方向では印加電
圧が2Vのとき電流値は0.02mA/cm2と減少すると
いう光照射の効果が見られた。実施例7、9及び
10においてi−V特性を示すカーブはいずれも整
流特性を示す接合に特有のカーブを示した。
実施例 11 文献(日本化学会編「新実験化学講座18界面と
コロイド」及び東京化学会誌37、671(1916)記載
の方法に準ずる手法によりFeSをゾルの状態で含
有するヒドロゾル(分散媒は水)を得た。このヒ
ドロゾル中にポリ(ビニルアルコール)(加水分
解率98.5%、Polysciences社販売)を溶かした水
溶液を加え混合した。この際沈殿の生成は認めら
れなかつた。このようにして得られた液体状物質
の一部をとり、ガラス板上に展開した後に約100
℃の乾燥器中に入れて水を蒸発させてFeSとポリ
(ビニルアルコール)からなる半導性組成物(フ
イルム状)を得た。
比較例 高分子化合物を溶かし込んだ極性非水溶液中に
市販の金属硫化物粉末を混ぜ込んでも、金属硫化
物が高度に高分子化合物中に分散した組成物は得
られなかつた。
[発明の効果] 本発明により高分子化合物中に金属硫化物微粒
子が均一に分散した導電性組成物が得られた。
この組成物は成形性に優れる上、太陽電池発電
用素子、整流素子、圧力センサー、光センサー、
導電体、半導体の素材として優れた特性を有して
いる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 金属硫化物をゾルの状態で含有する液体状物
    質に、高分子化合物を溶解させた後、溶媒を除去
    することを特徴とする高分子化合物に半径3×
    10-5cm以下の金属硫化物微粒子を分散させてなる
    導電性金属硫化物組成物の製造法。
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