JPH0510822A - 放射温度計測装置 - Google Patents
放射温度計測装置Info
- Publication number
- JPH0510822A JPH0510822A JP3184088A JP18408891A JPH0510822A JP H0510822 A JPH0510822 A JP H0510822A JP 3184088 A JP3184088 A JP 3184088A JP 18408891 A JP18408891 A JP 18408891A JP H0510822 A JPH0510822 A JP H0510822A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- spectral
- measured
- emissivity
- measurement
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Radiation Pyrometers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来の放射温度計と比較してより低温域に、
或はより小さなターゲットサイズ領域での測定を可能と
し、しかも迷光雑音が存在する環境において、放射率が
変動する物体にも適用可能な放射温度計測装置を提供す
る。 【構成】 迷光雑音の遮蔽体と、波長、偏光測定角度の
うち少なくとも1つ以上異なる条件で定義される2つの
分光放射輝度信号を計測するための2組のフォトンカウ
ンタと、演算装置、パラメータ入力装置、及び演算結果
出力装置より構成される。フォトンカウンタの使用によ
り光子数の離散的計数が可能となりSN比が格段に改善
され、また2つの分光放射率間の関係式を解くことによ
って放射率を自動的に計算しながら温度を求めるため測
定精度の向上が図れる。
或はより小さなターゲットサイズ領域での測定を可能と
し、しかも迷光雑音が存在する環境において、放射率が
変動する物体にも適用可能な放射温度計測装置を提供す
る。 【構成】 迷光雑音の遮蔽体と、波長、偏光測定角度の
うち少なくとも1つ以上異なる条件で定義される2つの
分光放射輝度信号を計測するための2組のフォトンカウ
ンタと、演算装置、パラメータ入力装置、及び演算結果
出力装置より構成される。フォトンカウンタの使用によ
り光子数の離散的計数が可能となりSN比が格段に改善
され、また2つの分光放射率間の関係式を解くことによ
って放射率を自動的に計算しながら温度を求めるため測
定精度の向上が図れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加熱物体の温度を非接触
で測定する放射温度計測装置に関する。本発明による放
射温度計測装置は鉄鋼、非鉄金属等の金属製造プロセス
をはじめ、高温処理プロセスを有する化学、機械等数多
くの産業分野で利用することができる。
で測定する放射温度計測装置に関する。本発明による放
射温度計測装置は鉄鋼、非鉄金属等の金属製造プロセス
をはじめ、高温処理プロセスを有する化学、機械等数多
くの産業分野で利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来の放射温度計測装置(例えば“中温
用放射温度計の開発”、電気製鋼,Vol.57,No.2,pp.104
-111の放射温度計)は、光電変換手段としてSi,Ge,PbS
等の光量子型半導体検出器やサーモパイル等光熱起電力
型の検出器を用いていたため光量子を一個づつ計測する
ことができず、従って信号対雑音比(SN比)の制約か
ら測定可能な下限温度を広げることが困難であった。ま
た、従来の単色あるいは二色温度計は、放射率あるいは
放射率比が一定であると仮定して測定を行うため放射率
が変動する物体には適用できないという問題があった。
用放射温度計の開発”、電気製鋼,Vol.57,No.2,pp.104
-111の放射温度計)は、光電変換手段としてSi,Ge,PbS
等の光量子型半導体検出器やサーモパイル等光熱起電力
型の検出器を用いていたため光量子を一個づつ計測する
ことができず、従って信号対雑音比(SN比)の制約か
ら測定可能な下限温度を広げることが困難であった。ま
た、従来の単色あるいは二色温度計は、放射率あるいは
放射率比が一定であると仮定して測定を行うため放射率
が変動する物体には適用できないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】放射測温法で物体の温
度を非接触で精度良く測定するためには、できるだけ短
い波長の分光放射輝度信号を測定するのが原則である
が、プランクの黒体放射式からも知られているように、
温度の低下に伴って短波長になるほど物体からの放射輝
度信号は急激に減少するためSN比が確保できなくな
り、測定可能な下限温度が存在する。下限温度は検出波
長、検出波長帯域幅、検出素子、光学系、電気信号処理
系等の諸条件によって決定されるが、そのなかでも最も
重要なのは検出波長と検出素子である。従来の放射温度
計の標準的な測定可能下限温度は、Si素子で波長約1μ
mの放射温度計では約500℃、Ge素子で波長約1.6 μ
mの放射温度計では約350℃、PbS 素子で波長約2.2
μmでは約200℃となっている。
度を非接触で精度良く測定するためには、できるだけ短
い波長の分光放射輝度信号を測定するのが原則である
が、プランクの黒体放射式からも知られているように、
温度の低下に伴って短波長になるほど物体からの放射輝
度信号は急激に減少するためSN比が確保できなくな
り、測定可能な下限温度が存在する。下限温度は検出波
長、検出波長帯域幅、検出素子、光学系、電気信号処理
系等の諸条件によって決定されるが、そのなかでも最も
重要なのは検出波長と検出素子である。従来の放射温度
計の標準的な測定可能下限温度は、Si素子で波長約1μ
mの放射温度計では約500℃、Ge素子で波長約1.6 μ
mの放射温度計では約350℃、PbS 素子で波長約2.2
μmでは約200℃となっている。
【0004】前述した従来の放射温度計の測定可能下限
温度は、被測定物体の測定対象表面積(ターゲットサイ
ズ)がある程度以上確保される場合のものであって、タ
ーゲットサイズが小さくなると下限温度は更に上昇す
る。すなわち、Si素子で波長約1μmの放射温度計を用
いた場合、1m前方にある直径10mm程度の大きさの
物体の温度は下限約500℃まで測定可能であるが、直
径1mmの物体の温度を測ろうとした場合には下限温度
は500℃以上でなければ測定できないことになる。
温度は、被測定物体の測定対象表面積(ターゲットサイ
ズ)がある程度以上確保される場合のものであって、タ
ーゲットサイズが小さくなると下限温度は更に上昇す
る。すなわち、Si素子で波長約1μmの放射温度計を用
いた場合、1m前方にある直径10mm程度の大きさの
物体の温度は下限約500℃まで測定可能であるが、直
径1mmの物体の温度を測ろうとした場合には下限温度
は500℃以上でなければ測定できないことになる。
【0005】本発明が解決しようとする第1の課題は、
従来の放射温度計ではSN比の制限から測定不可能であ
った温度領域、或はターゲットサイズ領域で高SN比を
確保し精度良い温度測定装置を提供することである。
従来の放射温度計ではSN比の制限から測定不可能であ
った温度領域、或はターゲットサイズ領域で高SN比を
確保し精度良い温度測定装置を提供することである。
【0006】また、従来の単色及び二色温度計では放射
率あるいは放射率比を一定と仮定して測定を行うため放
射率が変動する物体には適用できないという問題があっ
た。本発明が解決しようとする第2の課題は、第1の課
題を解決し且つ放射率が変動する物体でも精度よく温度
と放射率を求めることができる温度測定装置を提供する
ことである。
率あるいは放射率比を一定と仮定して測定を行うため放
射率が変動する物体には適用できないという問題があっ
た。本発明が解決しようとする第2の課題は、第1の課
題を解決し且つ放射率が変動する物体でも精度よく温度
と放射率を求めることができる温度測定装置を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の放射温度計測装
置は、被測定物体表面に入射する迷光雑音を除去するた
めに該物体表面上の測定点に対向させて設置される遮蔽
体、あるいは被測定物体表面に入射する迷光雑音を除去
し、且つ該物体表面の実効的な分光放射率を高めるため
に前記被測定物体表面上の測定点に対向させて設置され
る遮蔽体と、前記被測定物体表面の分光放射輝度に比例
した光子数を波長、測定角度、偏光のうちいづれか一つ
以上異なる分光条件で計数するための2組のフォトンカ
ウンタと、各分光放射輝度に対応する2組の分光放射率
間の関係式を表すためのパラメータを入力するためのパ
ラメータ入力装置と、2組のフォトンカウンタによる光
子計数値と、あらかじめパラメータ入力装置により設定
された2つの分光放射率間の関係式から被測定物体の温
度と2つの放射率を計算する演算装置と、演算装置が求
めた温度と2組の分光放射率値の演算結果を出力するた
めの演算結果出力装置から構成されることを特徴とす
る。
置は、被測定物体表面に入射する迷光雑音を除去するた
めに該物体表面上の測定点に対向させて設置される遮蔽
体、あるいは被測定物体表面に入射する迷光雑音を除去
し、且つ該物体表面の実効的な分光放射率を高めるため
に前記被測定物体表面上の測定点に対向させて設置され
る遮蔽体と、前記被測定物体表面の分光放射輝度に比例
した光子数を波長、測定角度、偏光のうちいづれか一つ
以上異なる分光条件で計数するための2組のフォトンカ
ウンタと、各分光放射輝度に対応する2組の分光放射率
間の関係式を表すためのパラメータを入力するためのパ
ラメータ入力装置と、2組のフォトンカウンタによる光
子計数値と、あらかじめパラメータ入力装置により設定
された2つの分光放射率間の関係式から被測定物体の温
度と2つの放射率を計算する演算装置と、演算装置が求
めた温度と2組の分光放射率値の演算結果を出力するた
めの演算結果出力装置から構成されることを特徴とす
る。
【0008】
【作用】温度Tの被測定物体は以下の式で表される分光
放射輝度を持つ。
放射輝度を持つ。
【00014】
Lλ=ελ・Lb(λ、T) (W・m-2・sr-1・μm-1) (1)
ただし、 ελ :分光放射率(−)
Lb(λ、T):温度T,波長λにおける黒体分光放射
輝度(W・m-2・sr-1・μm-1)
輝度(W・m-2・sr-1・μm-1)
【0009】従来の放射温度計は(1)式で表される分
光放射輝度に比例した光パワー Eλ=ελ・Eb(λ、T) =ελ・K・Lb(λ、T)(W) (2) ただし、 K :光学系等で決まる定数 (m
2 ・sr・μm) Eb(λ、T):黒体分光放射輝度信号 (W) に比例する連続電流信号を検出しているため、連続電流
信号に伴って発生するショット雑音や、暗電流雑音等が
検出信号に混在していた。
光放射輝度に比例した光パワー Eλ=ελ・Eb(λ、T) =ελ・K・Lb(λ、T)(W) (2) ただし、 K :光学系等で決まる定数 (m
2 ・sr・μm) Eb(λ、T):黒体分光放射輝度信号 (W) に比例する連続電流信号を検出しているため、連続電流
信号に伴って発生するショット雑音や、暗電流雑音等が
検出信号に混在していた。
【00010】光電子増倍管と計数器より構成されるフ
ォトンカウンタを利用すると一個一個の光子を離散的に
カウントすることができるためショット雑音や暗電流に
基づく雑音を低減することができる。即ち、フォトンカ
ウンタは次式で表される光子数を計数する。 Nλ=Eλ/(h・ν) =ελ・Eb(λ、T)/(h・ν) (s-1) (3) ただし、 Nλ:物体からの光子計数値 (s
-1) h :プランク定数(=6.63×10-34 ) (J・s) ν :光の振動数(=c/λ) (s-1) c :光速度(=3×108 ) (m/s) フォトカウンタを黒体炉で校正しておき、 Nb(λ、T)=Eb(λ、T)/(h・ν) (s-1) (4) ただし、Nb(λ、T):温度T、波長λにおける黒体
炉光子計数値を温度Tと関係づけておけば、被測定物体
の測定値Nλをελで補正すればNb(λ、T)よりた
だちに物体温度Tを求めることができる。
ォトンカウンタを利用すると一個一個の光子を離散的に
カウントすることができるためショット雑音や暗電流に
基づく雑音を低減することができる。即ち、フォトンカ
ウンタは次式で表される光子数を計数する。 Nλ=Eλ/(h・ν) =ελ・Eb(λ、T)/(h・ν) (s-1) (3) ただし、 Nλ:物体からの光子計数値 (s
-1) h :プランク定数(=6.63×10-34 ) (J・s) ν :光の振動数(=c/λ) (s-1) c :光速度(=3×108 ) (m/s) フォトカウンタを黒体炉で校正しておき、 Nb(λ、T)=Eb(λ、T)/(h・ν) (s-1) (4) ただし、Nb(λ、T):温度T、波長λにおける黒体
炉光子計数値を温度Tと関係づけておけば、被測定物体
の測定値Nλをελで補正すればNb(λ、T)よりた
だちに物体温度Tを求めることができる。
【00011】実際には、光電子増倍管の光電面表面に
おける量子効率ηが1以下であるので Nb(λ、T)=η・Eb(λ、T)/(h・ν) (s-1) (5) Nλ=ελ・Nb(λ、T) (s-1) (6) となる。
おける量子効率ηが1以下であるので Nb(λ、T)=η・Eb(λ、T)/(h・ν) (s-1) (5) Nλ=ελ・Nb(λ、T) (s-1) (6) となる。
【00012】このようにフォトンカウンタでは、一個
一個の光子を離散的に計数できるため、従来の連続電流
として光強度を測定していた場合に比べてSN比で格段
に改善することが可能であり、したがって従来法に比べ
てより低い温度で、或はより小さなターゲットサイズで
測定することができる。
一個の光子を離散的に計数できるため、従来の連続電流
として光強度を測定していた場合に比べてSN比で格段
に改善することが可能であり、したがって従来法に比べ
てより低い温度で、或はより小さなターゲットサイズで
測定することができる。
【00013】本発明による放射温度計測装置は、従来
の放射温度計に比べてより短い波長帯域で、しかもより
低い温度域まで測定することが可能となるため、前述し
たメリットに加えて更に以下のような利点がある。即
ち、あらゆる放射温度計に対して一般的に成立する、放
射率の設定誤差に基づく温度測定誤差 △T=(λ・T2 /C2 )・(△ελ/ελ) (℃またはK) (7) ただし、 C2 :放射の第2定数(=14,388) (μ
m・K) を格段に小さくできる。例えば温度300℃の物体を放
射率設定誤差10%で測定する場合を比較するために従
来の放射温度計では、λ=2.2 μm、本発明に基づく放
射温度計測装置では仮にλ=0.5 μmの波長で測定を行
ったとすると(7)式で与えられる温度測定誤差は、 △T=5.0 ℃ :従来 △T=1.1 ℃ :本発明 となり、格段の精度改善も期待することができる。
の放射温度計に比べてより短い波長帯域で、しかもより
低い温度域まで測定することが可能となるため、前述し
たメリットに加えて更に以下のような利点がある。即
ち、あらゆる放射温度計に対して一般的に成立する、放
射率の設定誤差に基づく温度測定誤差 △T=(λ・T2 /C2 )・(△ελ/ελ) (℃またはK) (7) ただし、 C2 :放射の第2定数(=14,388) (μ
m・K) を格段に小さくできる。例えば温度300℃の物体を放
射率設定誤差10%で測定する場合を比較するために従
来の放射温度計では、λ=2.2 μm、本発明に基づく放
射温度計測装置では仮にλ=0.5 μmの波長で測定を行
ったとすると(7)式で与えられる温度測定誤差は、 △T=5.0 ℃ :従来 △T=1.1 ℃ :本発明 となり、格段の精度改善も期待することができる。
【00014】以上は、ある波長λに着目した場合に期
待される、フォトンカウンタを利用した放射温度計測装
置の利点を簡単に説明したものである。
待される、フォトンカウンタを利用した放射温度計測装
置の利点を簡単に説明したものである。
【00015】さて、分光放射輝度信号は波長、測定角
度(被測定物体面放線と放射信号光のなす角度)、偏光
のうちいずれか一つ以上異なれば物理的に区別して取り
扱うことができる。この意味で異なる2つの分光放射輝
度に比例した光子計数値をそれぞれNx、Nyとすると
それらは以下の式で表現される。
度(被測定物体面放線と放射信号光のなす角度)、偏光
のうちいずれか一つ以上異なれば物理的に区別して取り
扱うことができる。この意味で異なる2つの分光放射輝
度に比例した光子計数値をそれぞれNx、Nyとすると
それらは以下の式で表現される。
【00016】
Nx=εx・Nbx(T) (s-1) (8)
Ny=εy・Nby(T) (s-1) (9)
ただし、 x,y:波長、測定角度、偏光のいずれかが
異なることを示す添字 Nx,Ny:被測定物体表面からの放射輝度信号計数値
(s-1) Nbx,Nby:温度Tにおける黒体放射輝度信号計数
値 (s-1)
異なることを示す添字 Nx,Ny:被測定物体表面からの放射輝度信号計数値
(s-1) Nbx,Nby:温度Tにおける黒体放射輝度信号計数
値 (s-1)
【00017】本件発明者の一人は特願昭63-2710 47に
おいて2つの分光放射率間の関係式を解く方法によって
物体の温度と2つの放射率を同時に求めうることを示し
た。この方法を適用すれば次式 εy=f(εx) (10) ただし、 f:放射率間の関係を表す放射率特性関
数 を(8)、(9)式と連立させて解くことによって温度
Tと、2つの放射率εx,εyを同時に求めることがで
きる。
おいて2つの分光放射率間の関係式を解く方法によって
物体の温度と2つの放射率を同時に求めうることを示し
た。この方法を適用すれば次式 εy=f(εx) (10) ただし、 f:放射率間の関係を表す放射率特性関
数 を(8)、(9)式と連立させて解くことによって温度
Tと、2つの放射率εx,εyを同時に求めることがで
きる。
【00018】放射率特性関数fは、あらかじめ実験的
に求めておいても良いし、あるいは理論的に決定してお
いても良い。
に求めておいても良いし、あるいは理論的に決定してお
いても良い。
【00019】本発明による放射温度計測装置では2つ
の異なる分光放射輝度信号を用いて温度と放射率を同時
に測定することが可能なため、酸化あるいは合金化とい
った表面での変化現象を伴う雰囲気中での鋼板温度測定
のように、放射率が激しく変化しうる状況においても正
確な測定ができるという特徴がある。
の異なる分光放射輝度信号を用いて温度と放射率を同時
に測定することが可能なため、酸化あるいは合金化とい
った表面での変化現象を伴う雰囲気中での鋼板温度測定
のように、放射率が激しく変化しうる状況においても正
確な測定ができるという特徴がある。
【00020】ところで、物体の温度を放射測温法を用
いて測定する場合、物体の周囲に更に高温の物体や、火
炎が存在するとそれらからの熱放射信号が物体表面に入
射し、一部の反射された信号(迷光雑音)が放射計に入
り測定誤差を生ずる。また、近赤外域、および可視域の
放射信号を検出する場合は、太陽光や、蛍光灯等からの
放射信号も迷光雑音となり温度測定誤差を生ずることが
ある。以下、単色温度計の場合を例にとって迷光雑音の
影響について説明する。
いて測定する場合、物体の周囲に更に高温の物体や、火
炎が存在するとそれらからの熱放射信号が物体表面に入
射し、一部の反射された信号(迷光雑音)が放射計に入
り測定誤差を生ずる。また、近赤外域、および可視域の
放射信号を検出する場合は、太陽光や、蛍光灯等からの
放射信号も迷光雑音となり温度測定誤差を生ずることが
ある。以下、単色温度計の場合を例にとって迷光雑音の
影響について説明する。
【00021】迷光雑音が存在する場合に、ある分光条
件(波長、測定角度、偏光の条件)において計数される
フォトン数は、近似的に Nλ=ελ・Nb(λ、T)+(1−ελ)・Nb(λ、Ts)(11) ただし、 Ts:周囲の見かけ温度 で表される。(11)式右辺第2項が迷光雑音項であ
る。
件(波長、測定角度、偏光の条件)において計数される
フォトン数は、近似的に Nλ=ελ・Nb(λ、T)+(1−ελ)・Nb(λ、Ts)(11) ただし、 Ts:周囲の見かけ温度 で表される。(11)式右辺第2項が迷光雑音項であ
る。
【00022】上記の問題は、被測定物体表面上の測定
点に対向させて設置される遮蔽体を用いることにより容
易に解決することができる。すなわち、測定点に対向し
て例えば金属等の不透明体で作られた遮蔽体を設置すれ
ば、周囲からの迷光は遮蔽体によって遮られるため測定
点に入射せず、したがって(11)式右辺第2項の迷光
雑音信号が放射計に入らない。
点に対向させて設置される遮蔽体を用いることにより容
易に解決することができる。すなわち、測定点に対向し
て例えば金属等の不透明体で作られた遮蔽体を設置すれ
ば、周囲からの迷光は遮蔽体によって遮られるため測定
点に入射せず、したがって(11)式右辺第2項の迷光
雑音信号が放射計に入らない。
【00023】一方、例えば冷延鋼板等金属の温度を測
定する場合、一般に近赤外域、及び可視域の波長帯では
分光放射率が低いことが多く、したがって信号が小さく
なるとともに放射率の設定誤差に基づく温度測定誤差が
大きくなることがある。
定する場合、一般に近赤外域、及び可視域の波長帯では
分光放射率が低いことが多く、したがって信号が小さく
なるとともに放射率の設定誤差に基づく温度測定誤差が
大きくなることがある。
【00024】この問題は、被測定物体表面上の測定点
に対向する面が高反射率に処理された遮蔽体を用いるこ
とにより容易に解決することができる。すなわち、周囲
からの迷光は遮蔽体の外面によって遮られるため測定点
に入射せず、また測定点から放射された光は遮蔽体内面
と被測定物体表面によって多重反射され、次式で示され
るような実効的により大きな分光放射信号として放射計
で検出される。 Nλ=ελ′・Nb(λ・T) (12) ただし、 ελ′:実効的分光放射率
に対向する面が高反射率に処理された遮蔽体を用いるこ
とにより容易に解決することができる。すなわち、周囲
からの迷光は遮蔽体の外面によって遮られるため測定点
に入射せず、また測定点から放射された光は遮蔽体内面
と被測定物体表面によって多重反射され、次式で示され
るような実効的により大きな分光放射信号として放射計
で検出される。 Nλ=ελ′・Nb(λ・T) (12) ただし、 ελ′:実効的分光放射率
【00025】放射率設定誤差に基づく温度測定誤差
は、(7)式で表されるから実効的に分光放射率を大き
くすることにより温度測定誤差を小さくすることができ
る。遮蔽体内面を高反射率にするためには例えば金メッ
キ処理等を行えば良い。
は、(7)式で表されるから実効的に分光放射率を大き
くすることにより温度測定誤差を小さくすることができ
る。遮蔽体内面を高反射率にするためには例えば金メッ
キ処理等を行えば良い。
【00026】上記のように遮蔽体を用いることにより
迷光雑音の除去が可能となり、或はあわせて実効的に分
光放射率を高めて測定できるためにその結果として、従
来の放射温度計ではSN比の制限から測定不可能であっ
た温度領域、或はターゲットサイズ領域で高SN比を確
保し精度良い温度測定装置を提供することができる。
迷光雑音の除去が可能となり、或はあわせて実効的に分
光放射率を高めて測定できるためにその結果として、従
来の放射温度計ではSN比の制限から測定不可能であっ
た温度領域、或はターゲットサイズ領域で高SN比を確
保し精度良い温度測定装置を提供することができる。
【00027】以上、単色温度計の場合を例にとって説
明したことは、本発明の装置のように2つの異なる分光
放射輝度を測定する場合にも当てはまる。すなわち、遮
蔽体を用いることにより容易に迷光雑音を除去できるた
め、誤差のない測定が可能になる。更に、被測定物体表
面上の測定点に対向する面が高反射率に処理された遮蔽
体を用いた場合は、実効的に分光放射率を高めて2つの
分光放射輝度を測定できるため精度良い温度測定が可能
になる。この場合、放射率特性関数fは εy′=f(εx′) (13) のように、実行的な分光放射率εx′とεy′の関係を
表すものとしてあらかじめ実験的に、或は理論的に決定
しておけば良い。
明したことは、本発明の装置のように2つの異なる分光
放射輝度を測定する場合にも当てはまる。すなわち、遮
蔽体を用いることにより容易に迷光雑音を除去できるた
め、誤差のない測定が可能になる。更に、被測定物体表
面上の測定点に対向する面が高反射率に処理された遮蔽
体を用いた場合は、実効的に分光放射率を高めて2つの
分光放射輝度を測定できるため精度良い温度測定が可能
になる。この場合、放射率特性関数fは εy′=f(εx′) (13) のように、実行的な分光放射率εx′とεy′の関係を
表すものとしてあらかじめ実験的に、或は理論的に決定
しておけば良い。
【00028】〈実施例〉図1は、本発明による放射温
度計測装置の実施例を示したものである。8は被測定物
体、9は遮蔽体、1は被測定物体からのx成分の放射信
号光、2はy成分の放射信号光であり、放射信号光1、
2は遮蔽体に設けられた透過窓(図示せず)を通して
3、4で示された2組のフォトンカウンタの受光部に入
射する。これらフォトンカウンタ3、4は光子数Nx,
Nyをそれぞれ計数し演算装置5へ伝送する。演算装置
5は、あらかじめパラメータ入力装置6から入力設定さ
れている放射率特性関数fとNx,Nyとから黒体計数
値Nbx,Nby及び温度T,放射率εx,εyを求め
る。演算結果出力装置7は、演算によって求められたN
bx,Nby,T,εx,εyを電流、電圧あるいはデ
ジタル等適当な形式でもって外部に出力する。
度計測装置の実施例を示したものである。8は被測定物
体、9は遮蔽体、1は被測定物体からのx成分の放射信
号光、2はy成分の放射信号光であり、放射信号光1、
2は遮蔽体に設けられた透過窓(図示せず)を通して
3、4で示された2組のフォトンカウンタの受光部に入
射する。これらフォトンカウンタ3、4は光子数Nx,
Nyをそれぞれ計数し演算装置5へ伝送する。演算装置
5は、あらかじめパラメータ入力装置6から入力設定さ
れている放射率特性関数fとNx,Nyとから黒体計数
値Nbx,Nby及び温度T,放射率εx,εyを求め
る。演算結果出力装置7は、演算によって求められたN
bx,Nby,T,εx,εyを電流、電圧あるいはデ
ジタル等適当な形式でもって外部に出力する。
【00029】2つのフォトンカウンタ3、4は一つの
受光装置の中に収納してもよく、あるいは特に測定角度
が異なる信号を検出する場合には別々に設置することも
できる。各フォトンカウンタ3、4の受光部には、波長
を限定するための干渉フィルタをつけてもよいのは勿
論、異なる偏光成分の信号光を検出するために偏光板を
つけてもよいことは言うまでもない。
受光装置の中に収納してもよく、あるいは特に測定角度
が異なる信号を検出する場合には別々に設置することも
できる。各フォトンカウンタ3、4の受光部には、波長
を限定するための干渉フィルタをつけてもよいのは勿
論、異なる偏光成分の信号光を検出するために偏光板を
つけてもよいことは言うまでもない。
【00030】温度TとNbx(T),Nby(T)の
関係は従来の放射温度計と同様に黒体炉での校正を行い
表或は式として既知にしておけば良い。
関係は従来の放射温度計と同様に黒体炉での校正を行い
表或は式として既知にしておけば良い。
【00031】パラメータ入力装置6の入力手段は例え
ばキーボードのようなものでも良いし、或はメモリーカ
ード等の読み取り装置、或は外部コンピュータからの回
線等による入力手段でも良いのは言うまでもない。
ばキーボードのようなものでも良いし、或はメモリーカ
ード等の読み取り装置、或は外部コンピュータからの回
線等による入力手段でも良いのは言うまでもない。
【00032】表1は、本発明による放射温度計測装置
の1例を黒体炉で校正した場合の計数値Nbx(T),
Nby(T)を表にしたものである。この例では波長λ
x=0.7 μm,λy=0.6 μmでそれぞれ帯域幅0.1 μ
m、測定対象径10mm,レンズ径25mm,距離1m
で検出した。検出器の量子効率ηは約0.1 であった。
の1例を黒体炉で校正した場合の計数値Nbx(T),
Nby(T)を表にしたものである。この例では波長λ
x=0.7 μm,λy=0.6 μmでそれぞれ帯域幅0.1 μ
m、測定対象径10mm,レンズ径25mm,距離1m
で検出した。検出器の量子効率ηは約0.1 であった。
【00033】このように構成した2組のフォトンカウ
ンタではNbx(T),Nby(T)は次式で精度良く
表すことができた Nbx(λ、T)=7.67×1017・exp (−C2 /(λx・T)(s-1) Nby(λ、T)=1.42×1018・exp (−C2 /(λy・T)(s-1) ただし、 λx=0.7 μm、λy=0.6 μm、Tは絶対
温度(単位:K)である。
ンタではNbx(T),Nby(T)は次式で精度良く
表すことができた Nbx(λ、T)=7.67×1017・exp (−C2 /(λx・T)(s-1) Nby(λ、T)=1.42×1018・exp (−C2 /(λy・T)(s-1) ただし、 λx=0.7 μm、λy=0.6 μm、Tは絶対
温度(単位:K)である。
【00034】表1からも明らかなように本実施例の放
射温度計測装置では、0.7 μmと、0.6 μmという短い
波長域であるにも関わらず400℃という低い温度域ま
で測定可能である。従来の放射温度計では、例えば波長
1μm程度の長い波長域であっても500℃が低温側の
検出限界であることを考えれば、本発明によって低温域
への温度域拡大が可能になったことが明らかである。
射温度計測装置では、0.7 μmと、0.6 μmという短い
波長域であるにも関わらず400℃という低い温度域ま
で測定可能である。従来の放射温度計では、例えば波長
1μm程度の長い波長域であっても500℃が低温側の
検出限界であることを考えれば、本発明によって低温域
への温度域拡大が可能になったことが明らかである。
【00035】また、本実施例の放射温度計測装置で測
定対象径を小さくしていき、500℃においてNby
(T)が約200(s-1)の計数値になる径(d)を求
めてみる。測定対象径の平方値と光子計数値がほぼ比例
すると考えると、表1の値を用いて計算すると (d/10)2 =200/4.81×104 ∴ d=0.64mm となる。すなわち、0、64mm径の物体でも500℃
において充分計測することができる。従来の放射温度計
では距離計数(距離と測定対象径の比)が約100程度
の値であるのに対し、本発明による放射温度計測装置で
は距離計数を約1500といった大きな値にすることが
でき、より小さな測定物体でも温度を計測することが可
能になる。
定対象径を小さくしていき、500℃においてNby
(T)が約200(s-1)の計数値になる径(d)を求
めてみる。測定対象径の平方値と光子計数値がほぼ比例
すると考えると、表1の値を用いて計算すると (d/10)2 =200/4.81×104 ∴ d=0.64mm となる。すなわち、0、64mm径の物体でも500℃
において充分計測することができる。従来の放射温度計
では距離計数(距離と測定対象径の比)が約100程度
の値であるのに対し、本発明による放射温度計測装置で
は距離計数を約1500といった大きな値にすることが
でき、より小さな測定物体でも温度を計測することが可
能になる。
【00036】本実施例の放射温度計測装置では、2つ
の分光放射率間の関係を表す関係式として εy=f(εx) =0.95・εx+0.014 を用いて合金鋼板の温度を測定したところ、放射率を変
えても相対誤差△T/Tが約1%以内で精度良く測定で
きた。
の分光放射率間の関係を表す関係式として εy=f(εx) =0.95・εx+0.014 を用いて合金鋼板の温度を測定したところ、放射率を変
えても相対誤差△T/Tが約1%以内で精度良く測定で
きた。
【00037】本発明に基づく放射温度計測装置では、
波長、測定角度、偏光のいづれか1つ以上異なる分光放
射輝度を計測すれば物理的に意味のある計測を行うこと
ができる。相対誤差△T/Tが1%以内で計測できた場
合を合格と判定して条件を変えて実験を行った結果を表
2に示す。表中λx,λyは検出波長(単位:μm)、
θx,θyは測定角度(単位:°)、pはp偏光,sは
s偏光を示す。また、添え字x,yがないものは同一条
件であることを示す。
波長、測定角度、偏光のいづれか1つ以上異なる分光放
射輝度を計測すれば物理的に意味のある計測を行うこと
ができる。相対誤差△T/Tが1%以内で計測できた場
合を合格と判定して条件を変えて実験を行った結果を表
2に示す。表中λx,λyは検出波長(単位:μm)、
θx,θyは測定角度(単位:°)、pはp偏光,sは
s偏光を示す。また、添え字x,yがないものは同一条
件であることを示す。
【00038】表2で明らかなように、本発明に基づく
放射温度計測装置を用いると従来の放射温度計に比較し
てより低温域、或はより小さな被測定物体でも測定する
ことが可能になり、しかも放射率が変動する物体に対し
ても正確な測定が可能となる。
放射温度計測装置を用いると従来の放射温度計に比較し
てより低温域、或はより小さな被測定物体でも測定する
ことが可能になり、しかも放射率が変動する物体に対し
ても正確な測定が可能となる。
【00039】図1に示した具体例のうち、遮蔽体内面
を特に高反射率に処理せずに加熱炉内の酸化鋼板の温度
を測定した場合の測定例を示す。この例で用いた遮蔽体
の内面形状は半径300mm、高さ150mmの円筒形
で、鋼板との間隙は50mmであった。この場合は、波
長λx=0.7 μmにおける分光反射率は0.6、波長λ
y=0.6 μmにおける分光反射率は0.7であることが
予め実験によりわかっていた。鋼板温度が500℃、炉
内壁温度が600℃であったが、遮蔽体の遮蔽効果によ
りフォトンクンタによる光子計数値はそれぞれ Nx=1.31×106 (s-1) Ny=3.37×104 (s-1) と得られた。放射率特性関数fは、予め実験によって求
めてあり、(εx,εy)=(0.6,0.7)を通る
ため、上記のNx,Nyを用いて(8)、(9)、(1
0)式を連立して解くと εx=0.6 εy=0.7 Nbx=2.18×106 Nby=4.18×104 T=500℃ が正確に得られた。
を特に高反射率に処理せずに加熱炉内の酸化鋼板の温度
を測定した場合の測定例を示す。この例で用いた遮蔽体
の内面形状は半径300mm、高さ150mmの円筒形
で、鋼板との間隙は50mmであった。この場合は、波
長λx=0.7 μmにおける分光反射率は0.6、波長λ
y=0.6 μmにおける分光反射率は0.7であることが
予め実験によりわかっていた。鋼板温度が500℃、炉
内壁温度が600℃であったが、遮蔽体の遮蔽効果によ
りフォトンクンタによる光子計数値はそれぞれ Nx=1.31×106 (s-1) Ny=3.37×104 (s-1) と得られた。放射率特性関数fは、予め実験によって求
めてあり、(εx,εy)=(0.6,0.7)を通る
ため、上記のNx,Nyを用いて(8)、(9)、(1
0)式を連立して解くと εx=0.6 εy=0.7 Nbx=2.18×106 Nby=4.18×104 T=500℃ が正確に得られた。
【00040】一方、遮蔽体を用いない従来法で測定し
た場合は、炉内壁からの迷光雑音が混入するため光子計
数値は(11)式より Nx=0.6 ×Nbx(500 ℃)+(1- 0.6)×Nbx(600 ℃) =0.6 ×2.18×106 +0.4 ×4.58×107 =1.96×107 (s-1) Ny=0.7 ×Nby(500 ℃)+(1- 0.7)×Nby(600 ℃) =0.7 ×4.81×104 +0.3 ×1.68×106 =5.38×105 (s-1) となり、迷光雑音の無い場合の値 Nx=1.31×106 , Ny=3.37×104 (s-1) とは大きく異なった値となり、当然大きな測定誤差を生
ずる。
た場合は、炉内壁からの迷光雑音が混入するため光子計
数値は(11)式より Nx=0.6 ×Nbx(500 ℃)+(1- 0.6)×Nbx(600 ℃) =0.6 ×2.18×106 +0.4 ×4.58×107 =1.96×107 (s-1) Ny=0.7 ×Nby(500 ℃)+(1- 0.7)×Nby(600 ℃) =0.7 ×4.81×104 +0.3 ×1.68×106 =5.38×105 (s-1) となり、迷光雑音の無い場合の値 Nx=1.31×106 , Ny=3.37×104 (s-1) とは大きく異なった値となり、当然大きな測定誤差を生
ずる。
【00041】同様に図1に示した具体例のうち、遮蔽
体内面を特に高反射率に処理して加熱炉内の冷延鋼板の
温度を測定した場合の測定例を示す。この例で用いた遮
蔽体の内面形状は前述した例のものと同一形状であっ
た。この例の場合は、波長λx=0.7 μmにおける冷延
鋼板の分光放射率は0.3であり、波長λy=0.6 μm
における分光反射率は0.4であった。これに内面を高
反射率に処理した遮蔽体を対向させたとき実効的放射率
がそれぞれ0.7及び0.8になることが予め実験によ
りわかっていた。鋼板温度が500℃、炉内壁温度が6
00℃であったが、遮蔽体の遮蔽効果によりフォトンカ
ウンタによる光子計数値は、 Nx=1.53×106 (s-1) Ny=3.85×104 (s-1) と得られた。この場合も実行的に高められた分光放射率
間の関係を表す放射率特性関数fは、予め実験によって
求めてあり、(εx,εy)=(0.7,0.8)を通
るため、上記のNx,Nyを用いて(8)、(9)、
(10)式を連立して解くと εx=0.7 εy=0.8 Nbx(T)=2.18×106 Nby(T)=4.18×104 T=500℃ が正確に得られた。
体内面を特に高反射率に処理して加熱炉内の冷延鋼板の
温度を測定した場合の測定例を示す。この例で用いた遮
蔽体の内面形状は前述した例のものと同一形状であっ
た。この例の場合は、波長λx=0.7 μmにおける冷延
鋼板の分光放射率は0.3であり、波長λy=0.6 μm
における分光反射率は0.4であった。これに内面を高
反射率に処理した遮蔽体を対向させたとき実効的放射率
がそれぞれ0.7及び0.8になることが予め実験によ
りわかっていた。鋼板温度が500℃、炉内壁温度が6
00℃であったが、遮蔽体の遮蔽効果によりフォトンカ
ウンタによる光子計数値は、 Nx=1.53×106 (s-1) Ny=3.85×104 (s-1) と得られた。この場合も実行的に高められた分光放射率
間の関係を表す放射率特性関数fは、予め実験によって
求めてあり、(εx,εy)=(0.7,0.8)を通
るため、上記のNx,Nyを用いて(8)、(9)、
(10)式を連立して解くと εx=0.7 εy=0.8 Nbx(T)=2.18×106 Nby(T)=4.18×104 T=500℃ が正確に得られた。
【00042】一方、遮蔽体を用いない従来法で測定し
た場合は、炉内壁からの迷光雑音が混入するため光子計
数値は(11)式より Nx=0.3 ×Nbx(500 ℃)+(1- 0.3)×Nbx(600 ℃) =0.3 ×2.18×106 +0.7 ×4.58×107 =3.27×107 (s-1) Ny=0.4 ×Nby(500 ℃)+(1- 0.4)×Nby(600 ℃) =0.4 ×4.81×104 +0.6 ×1.68×106 =1.03×106 (s-1) となり、迷光雑音の無い場合の値 Nx=1.53×106 , Ny=3.85×104 (s-1) とは大きく異なった値となり、当然大きな測定誤差を生
ずる。
た場合は、炉内壁からの迷光雑音が混入するため光子計
数値は(11)式より Nx=0.3 ×Nbx(500 ℃)+(1- 0.3)×Nbx(600 ℃) =0.3 ×2.18×106 +0.7 ×4.58×107 =3.27×107 (s-1) Ny=0.4 ×Nby(500 ℃)+(1- 0.4)×Nby(600 ℃) =0.4 ×4.81×104 +0.6 ×1.68×106 =1.03×106 (s-1) となり、迷光雑音の無い場合の値 Nx=1.53×106 , Ny=3.85×104 (s-1) とは大きく異なった値となり、当然大きな測定誤差を生
ずる。
【00043】本発明のように遮蔽体を用いれば迷光雑
音の除去が可能となり、或はあわせて実効的に分光放射
率を高めて測定できるためにその結果として、従来の放
射温度計ではSN比の制限から測定不可能であった温度
領域、或はターゲットサイズ領域で高SN比を確保し精
度良い温度測定装置を提供することができる。
音の除去が可能となり、或はあわせて実効的に分光放射
率を高めて測定できるためにその結果として、従来の放
射温度計ではSN比の制限から測定不可能であった温度
領域、或はターゲットサイズ領域で高SN比を確保し精
度良い温度測定装置を提供することができる。
【00044】
【発明の効果】本発明による放射温度計測装置を用いれ
ば、従来の放射温度計に比べて温度測定下限値の拡大、
ターゲットサイズの縮小が可能となるうえ、放射率が変
動する物体に対しても正確な測温が可能となり、温度測
定精度が製品品質や生産性等に大きな影響を及ぼす諸工
業プロセスでの利用による経済的効果は計り知れないも
のがある。
ば、従来の放射温度計に比べて温度測定下限値の拡大、
ターゲットサイズの縮小が可能となるうえ、放射率が変
動する物体に対しても正確な測温が可能となり、温度測
定精度が製品品質や生産性等に大きな影響を及ぼす諸工
業プロセスでの利用による経済的効果は計り知れないも
のがある。
【表1】
【表2】
【図1】本発明に基づく放射温度計測装置の実施例であ
る。
る。
1 放射信号光(x成分)
2 放射信号光(y成分)
3 フォトンカウンタ(x成分検出用)
4 フォトンカウンタ(y成分検出用)
5 演算装置
6 パラメータ入力装置
7 演算結果出力装置
8 被測定物体
9 遮蔽体
Claims (2)
- 【請求項1】 被測定物体表面上の測定点に対向させて
設置される遮蔽体と、前記被測定物体表面の分光放射輝
度に比例した光子数を波長、測定角度、偏光のうちいづ
れか一つ以上異なる分光条件で計数するための2組のフ
ォトンカウンタと、2組の分光放射輝度に対応する分光
放射率間の関係式を表現するパラメータを入力するため
のパラメータ入力装置と、2組の光子計数値と分光放射
率間の関係式とから被測定物体の温度と2組の分光放射
率を計算するための演算装置と、計算で求められた温度
と2組の分光放射率値を出力するための演算結果出力装
置とを具備することを特徴とする放射温度計測装置。 - 【請求項2】遮蔽体は、被測定物体表面上の測定点に対
向させて設置される面が高反射率に処理された遮蔽体で
あることを特徴とする請求項1記載の放射温度計測装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3184088A JPH0510822A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 放射温度計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3184088A JPH0510822A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 放射温度計測装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0510822A true JPH0510822A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=16147191
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3184088A Withdrawn JPH0510822A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 放射温度計測装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0510822A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH05182932A (ja) * | 1992-06-15 | 1993-07-23 | Hitachi Ltd | マイクロイオンビーム加工方法 |
| JP2011053047A (ja) * | 2009-09-01 | 2011-03-17 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 表面温度測定方法及び表面温度測定装置並びに鋼材の製造方法 |
| CN113167653A (zh) * | 2018-11-21 | 2021-07-23 | 杰富意钢铁株式会社 | 温度测定装置的校准方法、温度测定装置的校准装置、物理量测定装置的校准方法和物理量测定装置的校准装置 |
| JP2021139706A (ja) * | 2020-03-04 | 2021-09-16 | 日本製鉄株式会社 | 温度測定装置及び温度測定方法 |
-
1991
- 1991-06-28 JP JP3184088A patent/JPH0510822A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH05182932A (ja) * | 1992-06-15 | 1993-07-23 | Hitachi Ltd | マイクロイオンビーム加工方法 |
| JP2011053047A (ja) * | 2009-09-01 | 2011-03-17 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 表面温度測定方法及び表面温度測定装置並びに鋼材の製造方法 |
| CN113167653A (zh) * | 2018-11-21 | 2021-07-23 | 杰富意钢铁株式会社 | 温度测定装置的校准方法、温度测定装置的校准装置、物理量测定装置的校准方法和物理量测定装置的校准装置 |
| CN113167653B (zh) * | 2018-11-21 | 2023-09-05 | 杰富意钢铁株式会社 | 温度测定装置的校准方法、温度测定装置的校准装置、物理量测定装置的校准方法和物理量测定装置的校准装置 |
| JP2021139706A (ja) * | 2020-03-04 | 2021-09-16 | 日本製鉄株式会社 | 温度測定装置及び温度測定方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US3435237A (en) | Radiation discriminator means | |
| JPH0510822A (ja) | 放射温度計測装置 | |
| US4605314A (en) | Spectral discrimination pyrometer | |
| JP2008268106A (ja) | 温度情報計測方法 | |
| JPH04361125A (ja) | 2つの分光放射検出信号に基づく放射温度計測装置 | |
| KR0133637B1 (ko) | 새로운 내삽공식을 이용하여 복사온도계를 교정하는 방법 | |
| JPH04370723A (ja) | 放射温度計測装置 | |
| GB2160971A (en) | Temperature monitoring | |
| JPH01110225A (ja) | 赤外放射計 | |
| JPH04369443A (ja) | 放射温度計測装置 | |
| JPH04276527A (ja) | 炉内温度計 | |
| JPS6041293B2 (ja) | 放射温度計 | |
| JPH03287025A (ja) | 物体の温度と放射率および周囲温度の測定方法および装置 | |
| DE68916102T2 (de) | Verfahren und Vorrichtung zur Messung der Temperatur eines fernen Gegenstandes. | |
| RU59822U1 (ru) | Пирометр | |
| JP3713538B2 (ja) | 二重共鳴を利用する放射温度測定装置 | |
| JPH06241907A (ja) | 炉内物体の放射測温法および放射測温装置 | |
| JPH02138836A (ja) | 放射測温装置 | |
| JPH0933353A (ja) | 放射測温方法およびその測温装置 | |
| JPH05231944A (ja) | 多波長を用いた放射測温方法 | |
| Barela et al. | Pyrometer for temperature measurement of selective objects of unknown and variable emissivity | |
| RU2225600C2 (ru) | Пирометр | |
| JPH06241906A (ja) | 炉内物体の放射測温法および放射測温装置 | |
| EA039507B1 (ru) | Способ определения температурного поля поверхности нагретого тела с неизвестным коэффициентом теплового излучения | |
| JPH0579920A (ja) | 二色放射測温法および二色放射温度計 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980903 |