JPH05112855A - 疲労特性に優れたα+β型チタン合金の製造方法 - Google Patents

疲労特性に優れたα+β型チタン合金の製造方法

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JPH05112855A
JPH05112855A JP14606891A JP14606891A JPH05112855A JP H05112855 A JPH05112855 A JP H05112855A JP 14606891 A JP14606891 A JP 14606891A JP 14606891 A JP14606891 A JP 14606891A JP H05112855 A JPH05112855 A JP H05112855A
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JP
Japan
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titanium alloy
type titanium
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shot peening
test
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JP14606891A
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Hideki Fujii
秀樹 藤井
Tatsuo Yamazaki
達夫 山崎
Takao Horitani
貴雄 堀谷
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、疲労亀裂発生特性および疲労亀裂
伝播特性の両方に優れ、かつ十分な延性を有するα+β
型チタン合金を製造する方法を提供する。 【構成】 α+β型チタン合金を、β変態点−50℃以
上でβ変態点+200℃以下の温度に、5分以上4時間
以下加熱保持し、空冷以上の冷却速度で冷却し、次いで
ショットピーニングを施し、700℃以上でβ変態点−
150℃以上の温度域に20分以上8時間以下加熱保持
する。あるいは、上記工程後、さらにショットピーニン
グを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α+β型チタン合金の
製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、α+β
型チタン合金の加工熱処理方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】α+β型チタン合金は軽量、高強度、高
耐食性などの諸特性を有しており、主要な航空機材料の
一つである。このα+β型チタン合金は、β変態点以下
のα+β域で強加工を行い、さらにα+β域で焼鈍を行
うことにより、微細な等軸組織を生成させて使用される
ことが一般的である。この等軸組織は疲労亀裂発生特性
は優れているものの、疲労亀裂伝播特性はあまり高くな
いという欠点がある。一方、β域での溶体化処理(β−
ST)、急冷、過時効(OA)の工程からなるβ−ST
OAを行うことにより生成する微細針状組織は、破壊靭
性や疲労亀裂伝播特性には優れるものの、疲労亀裂発生
特性には劣っているという欠点がある。
【0003】さて、疲労亀裂発生特性を向上させる方法
としては、例えば、特開昭50−105515号公報記
載のショットピーニングを挙げることができる。これ
は、表層をショットピーニングにより硬化させたり圧縮
応力を付与することにより、疲労亀裂発生頻度が著しく
高い表層部での疲労亀裂発生を抑制することをねらった
方法である。この方法を、β−STOA材に適用する
と、疲労亀裂伝播特性だけでなく疲労亀裂発生特性も向
上させることができるが、β−STOA材にみられるよ
うな針状組織を多量に含む素材では、ショットピーニン
グを行うと延性が極端に低下するため、使用が著しく制
限されるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解消すること、すなわち、疲労亀裂発生特性お
よび疲労亀裂伝播特性の両方に優れ、かつ十分な延性を
有するα+β型チタン合金を製造するための方法を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、ショットピーニングを行った後、適切な熱処理を
行うと、疲労亀裂発生頻度の高い表層部に、疲労亀裂発
生特性に優れる等軸組織を持ち、内部は疲労亀裂伝播特
性に優れる針状組織を有し、かつ十分な延性をも有する
素材を製造することができることを見いだした。
【0006】すなわち本発明は、 (1)α+β型チタン合金を当該合金のβ変態点−50
℃以上でβ変態点+200℃以下の温度に5分以上4時
間以下加熱保持し、空冷以上の冷却速度で冷却し、次に
ショットピーニングを施し、さらに700℃以上でβ変
態点−150℃以下の温度に20分以上8時間以下加熱
保持することを特徴とすること。 (2)前記(1)の工程を実施後、さらにショットピー
ニングを行うことを特徴とする疲労特性に優れたα+β
型チタン合金の製造方法である。なお、α+β型チタン
合金とは、β変態点以上から焼入れた時、β相のすべて
あるいは一部がα相やマルテンサイトに変態し、かつ室
温における平衡状態にてα相とβ相の両者が存在する種
類のチタン合金で、例えばTi−6Al−2Sn−4Z
r−2MoやTi−6Al−4Vなどである。また、β
変態点とは、平衡状態において、その温度以上ではβ相
単相であり、その温度未満ではα+β二相となる温度で
あって、α+β型チタン合金では一般に850〜105
0℃である。
【0007】
【作用】以下本発明について詳細に説明する。上記した
本発明(1)では、まずα+β型チタン合金を当該合金
のβ変態点−50℃以上でβ変態点+200℃以下の温
度に5分以上4時間以下加熱保持し、空冷以上の冷却速
度で冷却する。これは、素材の大部分あるいは全体をβ
相とし、これを急冷することにより、マルテンサイトな
どの微細な針状組織に変態させることと、特に冷却速度
が速くなる表層部分に、冷却時の変態に伴う高密度転位
を導入することを目的としている。この工程を、特にβ
変態点以上で行うと、100%β相となり、通常行われ
ているβ域溶体化処理(β−ST)に相当する工程とな
る。ここで、加熱保持温度をβ変態点−50℃以上とし
たのは、これ未満の温度ではα相が多量に存在するた
め、β相の量が少なくなり、その後の工程を実施して
も、目的とする微細な針状組織が十分には得られないか
らである。また、加熱保持温度をβ変態点+200℃以
下としたのは、これを越える温度ではβ粒の粗大化が著
しく、延性が著しく低下する理由による。また、加熱保
持時間を5分以上としたのは、これ未満の時間では元素
拡散が不十分で、十分な量のβ相が得られず、その後の
工程を実施しても目的とする微細な針状組織が十分には
得られないからである。また、加熱保持時間を4時間以
下としたのは、4時間以下の時間で十分な量のβ相がす
でに生成しており、これを越える時間では、エネルギー
的に無駄であるばかりか組織の粗大化を生じ、表層部の
疲労亀裂発生特性が低下する理由による。また、空冷以
上の冷却速度で冷却することとしたのは、これよりも遅
い冷却速度ではβ相がマルテンサイトなどの微細針状組
織に変態せず、また、表層部に目的とする高密度転位が
導入されないからである。
【0008】次に、ショットピーニングを施す。これ
は、冷却中に高密度転位が導入された表層部に、さらに
ショットピーニングにより高密度の転位を導入するため
の工程である。ここで、表層部に酸化層やスケールが存
在する場合は、ショットピーニングによる塑性歪が母材
まで到達することを妨げるので、ショットピーニングに
先だってショットブラスト、酸洗、研削などにより酸化
層やスケールは除去しておくことが望ましい。
【0009】次に、この素材を700℃以上でβ変態点
−150℃以下の温度に20分以上8時間以下加熱保持
し安定化焼鈍を行う。この工程の目的は、次の二つであ
る。まず第1には、素材内部の組織を安定化し、破壊靭
性や疲労亀裂伝播特性に優れた微細針状組織とすること
である。第2には、急冷時の変態およびショットピーニ
ングによりきわめて高密度の転位が導入された表層部
を、回復・再結晶させ、延性および疲労亀裂発生特性に
優れた等軸組織に変換することである。ここで安定化焼
鈍の加熱保持温度を700℃以上でβ変態点−150℃
以下の温度としたのは、この範囲未満の温度では元素の
拡散が不活発で、表層部の回復・再結晶が起こらないか
らであり、また、この範囲を越える温度では組織が粗大
化し、強度および疲労特性が低下するためである。ま
た、安定化焼鈍の加熱保持時間を20分以上8時間以下
としたのは、この範囲未満の時間では元素の拡散が不十
分で、表層部の回復・再結晶による等軸化が起こらない
からであり、また、この範囲を越える時間では組織が粗
大化し、強度および疲労特性が低下するためである。
【0010】上記した本発明(2)では、本発明(1)
の工程を実施後、さらにショットピーニングを行う。こ
れは、本発明(1)を行うことにより、表層部が疲労亀
裂発生特性に優れた等軸組織となった素材の疲労亀裂発
生特性を、さらにショットピーニングを行うことにより
向上させることを目的としている。ここで、通常のβ−
STOAを行った素材のように、表層部に多量の針状組
織を有する素材にショットピーニングを行うと、針状組
織の延性値を極端に低下させることになるため、好まし
くないが、本発明(1)を実施した試料では、表層部は
延性に富む等軸組織となっているので、ショットピーニ
ングによる延性低下量が少なく、延性も十分に確保され
る。
【0011】
【実施例】Ti−6Al−4V(β変態点:1000
℃)に対して本発明を適用した場合を例に、本発明につ
いてさらに詳しく説明する。真空アーク溶解により溶製
したTi−6Al−4V鋳塊をβ域の1100℃で加熱
鍛造し、さらに950℃加熱圧延することにより12mm
の板を製造した。この板をさらに100mm長さ50mm幅
の小試験板に切断し、表2〜表4に示したショットピー
ニング前の熱処理に供した。
【0012】次に、この熱処理後の小試験板から35mm
長さ、8.05mm径の平行部を持つ丸棒試験片を切り出
し、ショットピーニングを施し、さらにアルゴン雰囲気
で、表2〜表4に示した安定化焼鈍を行った。さらに、
ショットピーニングによって生じた表層部分の極微小な
凹凸を除去するため、表層約0.025mmを研磨除去し
疲労試験を行い、一部の試料は引張試験も行った。ま
た、従来行われてきた方法を適用した場合の特性を把握
するため、小試験板を1050℃、15分、水焼入れ、
750℃、2時間、空冷の熱処理を行い、さらにこの小
試験板から35mm長さ8.05mm径の平行部を持つ丸棒
試験片を切り出し、疲労試験および引張試験を行った
(表1、試験番号1)。また、一部の試料は、さらにシ
ョットピーニングを行い、表層約0.025mmを研磨除
去し、疲労試験および引張試験を行った(表1、試験番
号2)。疲労試験は、室温で60Hzの条件で回転曲げ疲
労試験を行い、疲労限を求めた。また、引張試験では引
張強度と伸びを求めた。これらの結果を表5に示す。な
お、ショットピーニングは、1mm径のガラスビーズを約
40m/sで約150%のカバーレッジで行った後、1
00μm径のガラスビーズを約30m/sで約200%
のカバーレッジで行った。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
【表5】
【0018】表1および表5に示すように、通常のβ−
STOAを行った試料(試験番号1)では疲労限は42
5MPa である。さらにショットピーニングを施すと(試
験番号2)疲労限は465MPa まで上昇するが、伸びが
4.1%と5%以下にまで激減し、使用上好ましくな
い。
【0019】表2および表3において試験番号3,4,
7,10,13,15は本発明(1)の実施例である。
表5に示すように、本発明(1)を適用することによ
り、いずれも疲労限は450MPa 以上で、伸びも試験番
号3,4における結果に示すように6%以上であり、試
験番号2のような著しい脆化はなく、良好な素材が得ら
れている。これは、疲労亀裂伝播特性に優れた安定針状
組織を内部に有し、かつ、表層部には、疲労亀裂発生特
性および延性に優れた等軸組織が生成したためである。
この表層部の等軸組織は、ショットピーニング前の熱処
理の冷却中およびショットピーニングによって導入され
た高密度転位が、安定化焼鈍により回復・再結晶したも
のである。
【0020】一方、本発明(1)の比較例である試験番
号5では、表5に示すように、疲労限は455MPa と良
好な値であったが、ショットピーニング前の熱処理温度
が1250℃で、本発明(1)における上限値である1
200℃を越えていたため、β粒の粗大化が激しく、そ
のため伸び値がわずか3.3%しか得られなかった。ま
た、表2における試験番号6,8,9,11では、表5
に示すように、いずれも疲労限は432MPa 以下で、従
来法である試験番号1よりも低い値であったりやや高い
値であるに過ぎなかった。この理由は以下のとおりであ
る。試験番号6では、ショットピーニング前の熱処理の
保持時間が、本発明(1)における下限値である5分未
満の時間であったため元素拡散が不十分で、十分な量の
β相が得られず、そのため目的とする微細な針状組織が
十分には得られなかった。試験番号8では、ショットピ
ーニング前の熱処理の保持時間が、本発明(1)におけ
る上限値である4時間を越えたため、組織の粗大化が生
じ、疲労亀裂発生特性が十分には向上しなかった。試験
番号9では、ショットピーニング前の熱処理温度が、本
発明(1)における下限値である950℃未満の温度で
あったため、β相の量が少なくなり、冷却中に微細針状
組織が十分には得られず、疲労亀裂伝播特性があまり改
善しなかった。また、試験番号11では、ショットピー
ニング前の熱処理の冷却速度が、本発明(1)における
下限である空冷よりも遅かったため、表層部に目的とす
る高密度転位が導入されなかったことなどが、疲労特性
があまり改善されなかった理由である。
【0021】表3において、試験番号12,14,1
6,17も、表5に示すように、疲労限はいずれも43
2MPa 以下で、従来法である試験番号1よりも低い値で
あったりやや高い値であるに過ぎなかった。この理由は
以下のとおりである。試験番号12では、安定化焼鈍温
度が本発明(1)における下限値未満であったため、元
素拡散が不活発で、表層部の回復・再結晶が十分起こら
なかった。試験番号14では、安定化焼鈍時間が本発明
(1)の上限値である8時間を越えたため、組織が粗大
化し、疲労特性の改善は十分に達成されなかった。試験
番号16では、安定化焼鈍時間が本発明(1)の下限値
である20分未満の時間であったため、元素の拡散が不
十分で、表層部の回復・再結晶による等軸化が不十分で
本発明の効果が十分に達成されなかった。また、試験番
号17では、安定化焼鈍温度が本発明(1)の上限値で
ある850℃を越えたため、組織が粗大化し、疲労特性
が低下した。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、α+β型チタン合
金に、本発明を適用することにより、疲労亀裂発生特性
および疲労亀裂伝播特性の両方に優れ、かつ十分な延性
を有するα+β型チタン合金を製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α+β型チタン合金を、当該合金のβ変
    態点−50℃以上でβ変態点+200℃以下の温度に5
    分以上4時間以下加熱保持し、空冷以上の冷却速度で冷
    却し、次にショットピーニングを施し、さらに700℃
    以上でβ変態点−150℃以下の温度に20分以上8時
    間以下加熱保持することを特徴とする疲労特性に優れた
    α+β型チタン合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の工程を実施後、さらにショッ
    トピーニングを行うことを特徴とする疲労特性に優れた
    α+β型チタン合金の製造方法。
JP14606891A 1991-06-18 1991-06-18 疲労特性に優れたα+β型チタン合金の製造方法 Withdrawn JPH05112855A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006022402A (ja) * 2004-06-10 2006-01-26 Yamaha Motor Co Ltd チタン合金部材およびその製造方法

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