JPH05124157A - ガス透過性防水シート - Google Patents

ガス透過性防水シート

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JPH05124157A
JPH05124157A JP3220977A JP22097791A JPH05124157A JP H05124157 A JPH05124157 A JP H05124157A JP 3220977 A JP3220977 A JP 3220977A JP 22097791 A JP22097791 A JP 22097791A JP H05124157 A JPH05124157 A JP H05124157A
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sheet
layer
gas
base cloth
holes
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JP3220977A
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Hiroshi Hashizume
博 橋爪
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Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ガス透過性を有する防水シート、特に産業廃棄
物等の埋立て処分地埋設用シートとして使用することが
できるガス透過性防水シートを提案する。 【構成】基布1の両面にゴム質層2を有し、両ゴム質層
が水は通さないがガスは透過させる孔3を、両ゴム質層
の孔の基布側開口部3aが互いに対向しないように、有
することを特徴とする。また、基布1,1′の片面に上
記の孔3,3′を持つゴム質層を有する2枚のシート
を、両シートのゴム質層の孔の基布側開口部3a,3′
が互いに対向しないように、基布側にて接着剤4で接合
されたものであることを特徴とする。これらのシートで
埋立て処分地の廃棄物層を覆う場合、該廃棄物中で発生
するガスを、ゴム質層の孔や基布内の空隙を透過させて
大気中に放散させることができる一方、表土上に降った
雨水は、ゴム質層に至るが、該層の孔は、水を通さない
ため、廃棄物層に至ることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス透過性を有する防
水シートに関し、特に、産業廃棄物やその焼却灰等の埋
立て処分地埋設用シート等の土木資材として使用される
ガス透過性防水シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】産業廃
棄物及びその焼却灰(以下、両者を合わせて廃棄物と言
う)の埋立て処分地においては、雨水等による侵出水の
処理が必要である。すなわち、廃棄物中に含まれる有
機,無機物質が雨水等に溶解したり、あるいは分散する
等して、埋立て処分地外に侵出し、周辺の土壌,水質源
あるいは河川等を汚染する。これらの汚染を防止するた
めに、侵出水の処理が必要となっている。
【0003】従来は、埋立て処分地に隣接して処理施設
を設置し、該施設により侵出水を浄化した後に、埋立て
処分地外に放流を行う方法が各地で広く採用されてい
る。しかし、上記の侵出水の処理は、一般の汚水の処理
に比較して、高度の処理が必要であるため、侵出水の処
理施設のイニシャルコストはもとよりランニングコスト
もかなり高額となっている。しかも、この施設は、侵出
水中の汚染物質の濃度が基準値以下になるまで長期に渡
って運転が行われる必要があるため、侵出水の処理に要
するトータルコストは、相当な額になる。
【0004】そこで、侵出水の安価な対策として、埋立
て処分地の廃棄物層を防水シートで覆うことが考えられ
ている。ところで、埋立て処分地の廃棄物中には、アル
ミニウム等のような酸化還元反応を生起する物質が含ま
れていることが多く、該反応による水素ガス等の発生が
各地の埋立て処分地において確認されている。一方、こ
の種のシートとして考えられる通常の完全な防水シート
では、ガスの透過性が無いため、上記のような反応によ
り発生するガスを大気中に逃がすことができない。従っ
て、完全防水シートを使用する場合、該シート上に載積
されている表土が、ガス圧により押し上げられて不安定
な状態となるため、該表土上に更に廃棄物を投棄して埋
立てると言う埋立て処分地の再利用を困難にすることも
が予想されている。
【0005】また、上記のガスの発生量は、通常は5〜
10cc/m・24hr程度であり、突発的にこの数
倍から数十倍もの発生量になることも確認されており、
このガスの対策が現在急務とされている。このような事
情から、雨水を通さず、ガスのみを透過する機能を有す
る防水シートの開発が待たれている。
【0006】現在、類似した機能を有する素材として、
主に、スポーツ衣料等に使用されている透湿防水素材が
ある。この素材は、基布に、水は通過できない、ガスは
透過できる大きさの微孔を持つ樹脂層をコーティングあ
るいはラミネートしたものである。しかしながら、この
ような透湿防水素材は、一般に高価であるのみならず、
樹脂層が薄く、衣料用としては充分であっても、上記の
埋立て処分地用のシートのような土木資材としては、強
度及び耐久性が不充分である等の問題がある。
【0007】本発明は、以上の諸点を考慮し、廃棄物の
埋立て処分地等に使用されるシートであって、廃棄物層
への雨水の浸透を効果的に防止する一方、廃棄物層から
発生するガスを効果的に透過し得る機能を有すると共
に、安価で、かつ土木資材として充分な強度を持ち、し
かも製造が容易なガス透過性防水シートを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のシートは、上記
の目的を達成するために、 (1)基布の両面に弾性体層を有してなるシートであっ
て、両弾性体層が、水は通さないがガスは透過させる孔
を有してなることを特徴とするか(以下、第1発明)、
また (2)水は通さないがガスは透過させる孔を有する弾性
体層を基布の片面に有する2枚のシートを、基布側にて
接合させてなることを特徴とする(以下、第2発明)。
【0009】以下、第1,第2発明のシートの詳細を説
明する。先ず、第1,第2発明シートの成立要因を詳述
する。一般に、合成樹脂フィルム等に充分小さい孔を設
けることによって、雨水は通さないが、空気は透過させ
ることができると言う事実は広く知られている。このよ
うな合成樹脂フィルムは、現在、次のような理由によ
り、粉粒体の包装用袋体等に多用されている。すなわ
ち、粉粒体を袋体に包装する際に、空気が混入されてし
まうと、袋体の貯蔵や積荷を密に行うことができなくな
るばかりか、貯蔵や運搬中に荷崩れを起こす危険がある
ため、粉粒体の袋体内への包装後に、該袋体内の混入空
気を外に逃がす必要がある。従って、この袋体の素材と
して上記のような合成樹脂フィルムを使用すれば、貯蔵
中あるいは積荷中に混入空気が袋体外に自然に抜け出
し、貯蔵や積荷を密に行うことができるばかりか、荷崩
れを起こす危険性も無くなる。
【0010】また、前記した透湿防水素材の機能も、そ
の樹脂層が持つ微孔(直径0.01〜10μm)による
ものである。すなわち、この素材の透湿性は、上記の微
孔の大きさが水蒸気の粒子の10〜10倍であるこ
とにより発揮され、防水性は、上記の微孔を微小円管と
して捉えれば次式により説明できる。 F=−Tcosθ・2πr (I) F≧Wp (II) ここで、Fは水の表面張力に基づく抵抗力、Tは水の表
面張力、θは水と管壁との接触角(90°<θ≦180
°)、rは円管半径、Wpは水圧である。(II)式が成
立するとき、水は微孔を通過することができず、防水性
が発揮される。そして、rを小さくすれば、微孔の通過
限界水圧を高めることができ、防水性を一層良好にする
ことができる。
【0011】従って、基布の両面あるいは片面に弾性体
層を有する例えばゴム引布の製造工程で製造可能な完全
防水シートに、簡便な手法で上記のような微孔を設ける
ことができれば、安価で、かつ充分な強度を持つと共
に、加工性にも優れたガス透過性の防水シートを得るこ
とができることが判る。一方、現在、ゴム引布の製造工
程で製造されているゴム引布において、弾性体層である
ゴム層と基布との境界あるいは基布内に、約10μm以
下の微細な空隙が存在し、ガスはその空隙内を移動可能
であることが確認されている。そこで、本発明者は、上
記の空隙を利用し、ゴム等の弾性体層にピンホール処理
を施すことによって、必要充分な防水性を保持したま
ま、ガスの透過性が付与されるとの知見を得て、第1,
第2発明のシートを開発するに至ったものである。
【0012】次に、第1,第2発明のシートの構成につ
いて詳述する。基布としては、ナイロン,ポリエステ
ル,ビニロン,アクリル,レーヨン,アセテート,ポリ
ウレタン,芳香族ポリアミド,ガラス繊維,綿,麻,ウ
ール,絹等の合成繊維,天然繊維の単独又は混合したも
のからなる織布,不織布,編布、その他の土木資材とし
てのゴム引布の基布として使用できるものが好ましく使
用でき、これらは単層で又は複数層を積層して使用する
ことができる。基布の厚さは、織り目の大きさや繊維の
太さ等により異なり、一概には決められないが、一般に
は、厚ければ厚い程、ガスの貯蔵量や万一の場合の水の
貯蔵量が増え、第1,第2発明のシートを廃棄物埋立て
処分地の廃棄物の覆いとして使用する場合、発生ガス圧
による表土の押し上げや、雨水の廃棄物層への浸透を効
果的に防止することができるが、シートの生産性及び取
扱性が極端に低下し、生産コストや埋立て処分地への施
工コストが大幅に増加する上、材料コストの高騰も免れ
ない。逆に、薄過ぎると、基布の空隙による両弾性体層
の孔の連通作用が減少して、ガスの透過性が低下してし
まう虞れがある。従って、基布の厚さは、一般には、
0.1〜0.6mm程度とすることが好ましい。
【0013】上記の基布の第1発明のシートでは両面、
第2発明のシートでは片面の弾性体層としては、天然ゴ
ム(NR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),イ
ソプレンゴム(IR),イソプレン−イソブチレンゴム
(IIR),クロロプレンゴム(CR),エチレン−プ
ロピレン−ジエン−メチレンゴム(EPDM),クロロ
スルホン化メチレンゴム(CSM),ニトリルブタジエ
ンゴム(NBR)等のゴム類、ポリウレタン系,スチレ
ン−ブタジエン系,ポリオレフィン系,ポリエステル系
等の熱可塑性エラストマー類、塩化ビニル系樹脂,ポリ
ウレタン,ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル,ポリ
イソブチレン,塩素化ポリエチレン等の弾性のある合成
樹脂類が好ましく使用でき、これらの単独又は混合した
ものを単層で又は複数層を積層して使用することができ
る。第1,第2発明のシートにおいて、両面の弾性体層
の材料は、同一のものを使用してもよいし、それぞれ異
なるものを使用することもできる。また、弾性体層の厚
さは、厚ければ厚い程、防水効果は良好となるが、シー
トの生産性及び取扱性が極端に低下し、生産コストや埋
立て処分地への施工コストが大幅に増加し、材料コスト
も大幅に高騰するのみならず、ガスの透過性も低下する
傾向となる。逆に薄過ぎれば、所望の防水効果を得るこ
とが困難となるのみならず、弾性体層の強度も不充分と
なる。但し、シート自体の強度は、上記した基布の選択
によりかなり高くすることができるため、弾性体層の厚
さはかなり薄くすることができる。これらの点から、弾
性体層の厚さは、片面の弾性体層で0.1〜1.5mm
程度、好ましくは0.2〜1.0mm程度とすることが
適している。
【0014】なお、基布への弾性体層の形成は、例え
ば、基布に接着剤を塗布又は含浸した後、未加硫ゴムを
ロールでトッピングし、次いで加硫する方法や、未加硫
ゴムに代えて加硫ゴムを貼設する方法等のように、通常
のゴム引布の製造方法と同様の手法が好ましく採用でき
る。但し、後者の加硫ゴムを貼設する方法では、接着強
度にやや難点があり、土木資材として使用する場合、強
力な接着剤を選択する等の工夫を要する。
【0015】第2発明のシートは、上記の基布の片面に
上記の弾性体層を有する2枚のシートを、基布側にて接
合させたものであるが、この接合は、接着剤による接
着、縫合、基布同士の繊維を絡ませることによる接合、
その他適宜の接合手段を採用することができるが、製造
工程の簡略化や製造コストの低廉化等の面からは接着剤
による接着が好ましい。この場合の接着剤としては、上
記のゴム類を使用した有機溶剤系,ラテックス系の接着
剤や、ポリウレタン系,ポリブタジエン系等の液状ゴ
ム、レゾルシン樹脂系、エポキシ樹脂系、シリコン樹脂
系、ポリエステル系、酢酸ビニル−エチレン共重合体
系、アクリル樹脂系等の接着剤が好ましく使用でき、こ
れらを単独で又は併用使用することができる。接着剤の
使用量は、余り多過ぎると均一なガス不透過性の膜が形
成されてしまい、逆に余り少な過ぎると良好な接着強度
を得ることができなくなるため、一般には20〜200
g/m程度とすることが好ましい。
【0016】また、第1,第2発明のシートにおいて、
上記の弾性体層は、水は通さないがガスは透過させる孔
を有する。この孔は、各種の手法により形成することが
できるが、製造工程や製造設備の簡略化、製造コストの
低廉化等の面から、ピンホール処理により穿設すること
が好ましい。このピンホール処理は、以下のような理由
により、一対の雌雄型で行う言わゆるパンチング処理で
はなく、先の尖った針状の突起で行う言わばニードリン
グ処理が好ましい。パンチング処理によれば、ゴム等の
弾性体の片が切り落とされて、例えば、図2(A)の平
面図に示すような断面円形の円筒形や円錐形等の孔P1
が穿設されるが、ニードリング処理では、ゴム等の弾性
体の片が切り落とされることなく、上記の針状突起を抜
くと、該突起跡にゴム等の弾性体がその弾性で戻り、例
えば、図2(B)の平面図に示すような不定形の亀裂状
の孔P2が穿設される。図2(A)に示す孔P1の場
合、防水を完全なものとするには、上記の(I)式,
(II)式に基づいて孔P1の大きさ(換言すれば、雌雄
型の直径)を厳密に調整する必要があるが、図2(B)
に示す不定形の亀裂状の孔P2の場合、孔P2の実際の
大きさ(不定形で亀裂状の空隙の大きさ)は上記針状突
起の直径よりもかなり小さくなるため、図2(A)の場
合に比して防水を完全なものとすることが容易であり、
孔P2の大きさ(換言すれば、針状突起の直径)を厳密
に調整する必要がなくなるからである。これをピンホー
ル加工の面から見れば、上記の針状突起として、直径の
大きい(太い)頑強なものを使用しても、水の通過を許
さず、ガスの透過のみを許す充分に小さい空隙の孔P2
を穿設することができるため、加工が容易となるばかり
か、ピンホール加工設備の製作も容易となるからであ
る。
【0017】この孔P2の大きさは、上記の針状突起の
直径により、また弾性体層の使用材料の弾性率等により
異なり一概には決められないが、前述のような弾性体層
の使用材料において2.0mm以下の直径の針状突起を
使用して得られる大きさとすることが好ましい。2.0
mmより大きい直径の針状突起を使用すると、得られる
孔がP1に近いものとなるからである。なお、針状突起
の直径が余り小さ過ぎると、孔P1の大きさも小さくな
く過ぎてガスの透過性が困難となるのみなならず、孔の
穿設作業も極めて困難となるため、下限は0.2mm程
度とすることが好ましい。孔の大きさは、不均一であっ
ても支障ない。
【0018】孔の数は、余り多過ぎると防水性が低下す
るのみならず、シートの強度も低下して土木資材として
の強度を確保することが困難となり、逆に少な過ぎると
ガスの透過性が低下してしまう。また、孔の配置や分布
は、特に限定されないが、ガスの発生箇所が不定である
ため、できるだけ均一な分布となるように配置させるこ
とが、ガスの良好な透過(放散)性を得る上で好まし
い。これらの点から、孔のピッチが5〜100mm程度
となるように、できるだけ均一な分布状態で穿孔するこ
とが好ましい。また、両面の弾性体層に設けられた孔
は、互いに対抗しない位置に設けることが、防水性等の
点でより好ましい。
【0019】更に、上記の孔の穿設加工は、第1発明の
シートにおいては、基布の両面に弾性体層を形成した後
に、例えば、針エンボス装置等により、片側の弾性体層
毎に別々に行ってもよいし、両弾性体層に同時に行うこ
ともできる。このとき、両弾性体層の孔の基布側開口部
同士が互いに対向しないように孔を形成するには、両弾
性体層において穿孔位置に位相差を設ける。また、孔
は、両弾性体層を相互に貫通しないように設ける必要が
あり、基布との境界あるいは基布内部の浅い位置で開口
するように穿設することが好ましい。第2発明のシート
においては、2枚のシートの接合前又は後のいずれで穿
設加工を行ってもよい。接合前に行う場合は、例えば、
針エンボス装置等により各シートの弾性体層と基布を貫
通する孔を穿設した後、各シートの孔の基布側開口部同
士が互いに対向しないように、各シートの位置合わせを
して接合するか、上記第1発明のシートの場合と同様
に、基布を貫通しない孔を穿設した後、接合すればよ
い。接合後に行う場合は、上記の第1発明のシートの場
合と全く同様に穿設することができる。
【0020】また、第1,第2発明のシートにおいて、
両弾性体層の表面や基布に、シリコン樹脂,フッ素樹脂
等による撥水処理を施すこともできる。このような処理
を施しておけば、弾性体層や基布と水との接触角(上記
の(I)式中のθ)を増大させることができるため、防
水性が一層向上する。
【0021】
【作用】第1,第2発明のシートにより、埋立て処分地
の廃棄物層を覆う場合、該廃棄物から発生するガスは、
先ず、第1,第2発明のシートの該廃棄物層と接する面
(以下、裏面と言い、該面と反対側の面を表面と言う)
の弾性体層の孔を透過し、該裏面側の弾性体層と基布の
境界に存在する空隙を通って、基布内の空隙に拡散す
る。この後、基布と表面の弾性体層との境界に存在する
空隙を通り、該空隙に開口している表面の弾性体層の孔
を透過して、表土側に抜け、最終的には大気中に放散さ
れる。
【0022】一方、表土上に降った雨水は、該表土中を
通って、表面の弾性体層に至るが、該弾性体層の孔は、
ガスは透過させるが水は通さないため、該弾性体層を通
ることができず、第1,第2発明のシートで覆われてい
る廃棄物層に至ることはない。万一、表面の弾性体層の
孔を通って基布にまで達したとしても、裏面の弾性体層
の孔の基布側開口部は、表面の弾性体層の孔の基布側開
口部と貫通していないため、裏面の弾性体層の孔内に入
り込むことは極めて困難ないしは不可能であり、廃棄物
層まで至ることは無いか、あっても極く少ない。更に、
孔の穿設加工工程で弾性体層に水の通過を許す程度の大
きさのものが一部形成されたり、また施工時の不注意や
経時劣化等により弾性体層の一部に亀裂が生じても、他
方の弾性体層や基布により、また第2発明のシートにあ
っては基布同士間の接着剤層によっても、良好な防水効
果を得ることができる。
【0023】なお、第1,第2発明のシートは、上記し
た廃棄物埋立て処分地埋設用に限らず、例えば、地下
鉄,地下道,トンネル等のように、防水性と共に外部と
の通気性をも必要とする箇所における工事用あるいは半
永久使用のシートとして、あるいは鉱石や石油等の地下
資源の採掘現場等において地下から発生するガスを大気
中に逃がすと共に、雨水等の採掘現場への浸透を防止す
る必要のある箇所のシートとして、その他各種の土木シ
ートとして、好適に使用し得る。
【0024】
【実施例】
実施例1 厚さが0.4mmで、目付け量が250g/mのナイ
ロン織布の両面に、弾性体層として、それぞれEPDM
からなる厚さ0.6mmのゴム層を、未加硫ゴムをロー
ルによりトッピングし、次いで加硫することにより形成
し、総厚1.6mmのシートを得た。このシートの両ゴ
ム層に、該層の各表面側から、直径0.6mmの針状突
起を植えた針エンボス装置によりニードリング処理し
て、図2(B)のP2で示すような亀裂状の孔を、孔の
ピッチを10mmとし、該孔の基布側開口部が互いに対
向しないように表面側と裏面側のゴム層で位相差を設け
て穿設し、図1(A)に示すような構成の第1発明のシ
ートを製造した。図1(A)において、1が基布で、該
基布の表面及び裏面にゴム層2,2が形成されており、
これら両ゴム層2,2の各表面側から孔3,3が、基布
1側の開口部3a,3aが互いに対向しないように、か
つ基布1内部の浅い位置で開口するように、穿設されて
いる。
【0025】上記の第1発明のシートについて、JIS
L1092の試験法により防水性を試験したところ、
3500mmHOの耐水圧を示した。このシートを、
図3に示すような態様で、廃棄物埋立て処分地埋設用シ
ートS1として使用する場合、表土層G1の厚さは一般
に1m程度であるため、理論的には1000mmH
程度の耐水圧があれば、該埋設用シートとしての防水性
が確保できる。従って、上記の第1発明のシートは極め
て優れた防水性を有していることが判る。なお、図3に
おいて、上記の第1発明のシートS1は、図示するよう
に、底部及び側面が完全防水シートS2で覆われた廃棄
物埋立て処分地G内の廃棄物Dの全表面を、覆土層G2
を介して、覆うように被せら、該シートS1上に更に表
土層G1が載積されて埋設される。
【0026】また、上記の第1発明のシートについて、
ガス透過性の評価として、10リットル/m・24h
rの空気が透過する最低圧力を測定したところ、800
mmHOの透過圧力を示した。この程度の透過圧力が
あれば、第1発明のシートを図3のような態様で廃棄物
埋立て処分地埋設用シートS1として使用する場合、廃
棄物Dで突発的に発生する多量のガスでも充分に表土層
G1側に放出することができる。
【0027】実施例2 厚さが0.2mmで、目付け量が80g/mのポリエ
ステル織布をフッ素系撥水剤で撥水処理し、この片面
に、弾性体層として、EPDMからなる厚さ0.2mm
のゴム層を、未加硫ゴムをロールによりトッピングし、
加硫することにより形成した後、該ゴム層をフッ素系撥
水剤で撥水処理して2枚のシートを得た。これらのシー
トのゴム層に、該層の表面側から、直径0.6mmの針
状突起を植えた針エンボス装置によりニードリング処理
して、図2(B)のP2で示すような亀裂状の孔を、孔
のピッチを20mmとして穿設した。この後、接着剤と
して溶剤型NBR系接着剤を60g/mの塗布量で一
方のシートの基布表面に塗布した後、該接着剤の表面に
他方のシートの基布を、両シートのゴム層の孔の基布側
開口部が互いに対向しないようにして、接触させ、加圧
して両シートを貼り合わせ、図1(B)に示すような構
成の第2発明のシートを得た。図1(B)において、
1,1′が基布で、各基布1,1′の片面にゴム層2,
2′が形成されており、これら両ゴム層2,2′の各表
面側から孔3,3′が、基布1,1′側の開口部3a,
3a′が互いに対向しないように、かつ基布1,1′内
部の浅い位置で開口するように、穿設されており、各基
布1,1′は接着剤層4で接着されている。
【0028】上記の第2発明のシートについて、第1発
明のシートと同様にして防水性を試験したところ、第1
発明シートと同じ3500mmHOの耐水圧を示し
た。また、上記の第2発明のシートについて、第1発明
のシートと同様にして、10リットル/m・24hr
の空気が透過する最低圧力を測定したところ、700m
mHOの透過圧力を示した。この程度の透過圧力があ
れば、第2発明のシートを図3のような態様で廃棄物埋
立て処分地埋設用シートS1として使用する場合、廃棄
物Dで突発的に発生する多量のガスでも充分に表土層G
1側に放出することができる。
【0029】比較例 実施例1で得た総厚1.6mmのシートに、直径0.5
mmの針状突起を植えた針エンボス装置によりニードリ
ング処理して、図2(B)のP2で示すような亀裂状の
孔を、孔のピッチを10mmとし、シートの片面側から
他面側に貫通させて穿設し、図4に示すような構成の比
較シートを製造した。図4において、1が基布で、該基
布の表面及び裏面にゴム層2,2が形成されており、こ
れら両ゴム層2,2と基布1とを貫通させて孔3が穿設
されている。
【0030】上記の比較シートについて、第1発明のシ
ートと同様にして防水性を試験したところ、800mm
Oの耐水圧を示した。この比較シートの耐水圧は、
図3に示すような態様で廃棄物埋立て処分地埋設用シー
トS1として使用する場合の必要な耐水圧2000mm
Oよりかなり小さいため、防水性が不充分となる。
また、上記の比較シートについて、第1発明のシートと
同様にして、10リットル/m・24hrの空気が透
過する最低圧力を測定したところ、500mmHOの
透過圧力であり、ガス透過性は、第1,第2発明のシー
トより良好であった。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、第1,第2発明の
シートによれば、これらシートの両面に存在する弾性体
層により良好な防水効果を得ることができる一方、該弾
性体層の水は通さないがガスは透過させる孔により、該
シートを廃棄物埋立て処分地埋設用として使用した場合
に該廃棄物中で発生するガスを効果的に大気中に放散さ
せることができる。
【0032】また、このように良好な防水性とガス透過
性とを有する第1,第2発明のシートは、地下鉄,地下
道,トンネル,地下資源の採掘現場等のように、防水性
に加えて、外部との通気性を必要とする箇所の土木シー
トとしても極めて有益である。
【0033】更に、第1,第2発明のシートは、弾性体
層の形成加工は、通常のゴム引布加工と同様の技術,設
備がそのまま使用でき、しかも該弾性体層への孔の形成
加工も簡単なピンホール加工で充分であり、例えば通常
の針エンボス加工と同様の技術,設備がそのまま使用で
きるため、製造が容易であり、製造コストが極めて安価
となる。
【0034】なお、第1,第2発明のシートを廃棄物埋
立て処分地埋設用シートとして使用した場合には、特
に、次のような効果を奏することができる。 材料コストはもちろん、製造コストも安価であり、従
来の侵出水処理施設に要していたイニシャルコストを大
幅に低減し、また一度埋設するのみで充分であるため、
ランニングコストは一切不要となる。 上記のように、廃棄物中で発生するガスを大気中に放
散できる結果、表土層が永久に安定化して、埋立て処分
地の再利用を計ることができる。 土木資材として、充分な強度及び耐久性を容易に得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1,第2発明のシートの一実施例の構成を説
明するための概略図で、(A)が第1発明のシート、
(B)が第2発明のシートである。
【図2】第1,第2発明のシートの弾性体層の孔の形状
例を説明ための概略図で、(A)がパンチング処理によ
り形成される孔の断面形状を、(B)がニードリング処
理により形成さる孔の断面形状を示している。
【図3】第1,第2発明のシートを廃棄物埋立て処分地
埋設用として使用する場合の施工例を説明するための概
略図である。
【図4】比較シートの構成を説明するための概略図であ
る。
【符号の説明】
1,1′ 基布 2,2′ 弾性体層(ゴム層) 3,3′ 孔 3a,3a′ 孔の基布側開口部 4 接着剤層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基布の両面に弾性体層を有してなるシー
    トであって、両弾性体層が、水は通さないがガスは透過
    させる孔を有してなることを特徴とするガス透過性防水
    シート。
  2. 【請求項2】 水は通さないがガスは透過させる孔を有
    する弾性体層を基布の片面に有する2枚のシートを、基
    布側にて接合させてなることを特徴とするガス透過性防
    水シート。
JP3220977A 1991-08-06 1991-08-06 ガス透過性防水シート Pending JPH05124157A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5612081A (en) * 1994-11-25 1997-03-18 Netlon Limited Applying grit particles to a continuous web
JP2006167644A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Asahi Kasei Chemicals Corp 廃棄物最終処分場キャッピングシート
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