JPH05125576A - 硫化水素から水素を回収する方法 - Google Patents

硫化水素から水素を回収する方法

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JPH05125576A
JPH05125576A JP10748392A JP10748392A JPH05125576A JP H05125576 A JPH05125576 A JP H05125576A JP 10748392 A JP10748392 A JP 10748392A JP 10748392 A JP10748392 A JP 10748392A JP H05125576 A JPH05125576 A JP H05125576A
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sulfur
hydrogen
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hydrogen sulfide
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JP10748392A
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English (en)
Inventor
Norio Komori
典夫 小森
Kosaku Honna
幸作 本名
Hiroshi Iida
博 飯田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】硫化水素含有ガスから、不純物の副生を抑えて
長期にわたって硫黄と水素ガスを効率良く回収する方法
を提供する。 【構成】電解槽陽極部及び/又は陰極部の電解液の一部
又は全部を抜き出して、反応により副生する不純物の少
なくとも一部を鉄塩として除去し、該不純物除去後の処
理液を再び前記電解液として使用するとともに、鉄塩と
して除去された鉄分と同量の鉄を前記陽極部の電解液に
加える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硫化水素から水素を回収
する方法に関し、詳しくは硫化水素含有ガスから硫黄と
水素ガスを回収する方法において、吸収時に副生する不
純物の増加を抑え、長期間にわたって効率良く安定して
水素を回収できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
石油精製の際に排出される硫化水素は、クラウス法によ
って工業的に処理されていた。しかし、この方法は、硫
化水素中の硫黄成分は硫黄として回収されるが、水素成
分は水素ガスとして回収されず水になり、工業的に効率
よく利用を図ることができなかった。
【0003】現在、硫化水素から硫黄と水素ガスを、酸
化及び電気化学的処理によって回収する方法として、3
価の鉄イオンを含有する溶液を用いる方法が知られてい
る。このような方法としては、3価の鉄イオンを含む塩
酸系鉄塩水溶液を用いて硫化水素を接触,酸化し、生成
した硫黄を分離した後、さらに該塩酸系鉄塩水溶液を電
気化学的再生処理を行って水素を発生させ、これを回収
する方法が提案されている(特公平1−53201号公
報)。
【0004】しかし、この方法によれば、硫化水素を塩
酸系鉄塩水溶液と接触させ、酸化して硫黄を生成させる
際、硫黄酸化物である二酸化硫黄,硫酸等が副生し、蓄
積されてついには鉄塩として析出して配管系の閉塞をも
たらし、運転の継続が不可能になることがあった。ま
た、これらの不純物が、続いて行われる電気化学的再生
処理において、電解槽のイオン交換膜を通して陰極部電
解液中に移行し、電解効率を低下させるとともに、電解
槽内で析出して閉塞トラブルを起こすこともある。この
ため、電解液の一部を新しいものに取り替えることが容
易に考えられるが、電解液の新規購入費や使用済液の処
理費が多大になる。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記の問題点を解消し、陽極部電解液中の不純物濃度の増
加を抑制し、電解処理工程の長期にわたる安定運転が行
え、廃液もほとんど生じない硫化水素からの水素の回収
方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、上記不
純物を鉄塩として分離除去するとともに、除去した鉄分
を補給することにより、目的を達成できることを見出し
た。本発明はかかる知見に基いて完成されたものであ
る。
【0006】すなわち本発明は、硫化水素含有ガスを3
価の鉄イオンを含む鉄塩溶液に接触,吸収させて酸化反
応を行い2価の鉄イオンと硫黄を含む溶液を生成させ、
次いで生成した硫黄を分離した後、この溶液を電解槽の
陽極部に導入して該溶液を電解酸化すると同時に、電解
槽の陰極部から水素を発生させて回収する方法におい
て、前記陽極部及び/又は陰極部の電解液の一部又は全
部を抜き出して、反応により副生する不純物の少なくと
も一部を鉄塩として除去し、該不純物除去後の処理液を
再び前記電解液として使用するとともに、鉄塩として除
去された鉄分と同量の鉄を前記陽極部の電解液に加える
ことを特徴とする硫化水素から水素を回収する方法を提
供するものである。
【0007】本発明の処理方法の全工程の概略は、図1
に示したとおりである。この処理工程は、基本的に次の
3つの工程からなる。以下、各工程順に説明する。
【0008】気液接触工程 本発明の方法では、まず硫化水素含有ガスと3価の鉄イ
オンを含む酸性水溶液との接触処理を行う。この気液接
触工程において処理できる気体は、硫化水素含有ガスで
あり、硫化水素を含有するガスであれば純粋な硫化水素
ガスに限られない。3価鉄イオンに対して不活性な気体
であれば、混入していても差支えない。例えば、硫化水
素と水素,一酸化炭素,二酸化炭素,炭化水素(メタ
ン,エタンなど),アンモニア,窒素等との混合気体で
も利用可能である。
【0009】また、3価の鉄イオンを含む酸性水溶液と
しては、3価の鉄イオン(第二鉄イオン)を含む鉄塩水
溶液、即ち、第二鉄塩水溶液が用いられる。この第二鉄
塩水溶液を構成する第二鉄塩としては、例えば塩化第二
鉄,硫酸第二鉄,リン酸第二鉄,硝酸第二鉄,シュウ酸
第二鉄等があげられる。本発明で用いる第二鉄塩水溶液
は、上記第二鉄塩の単一溶液に限られず、二種以上の第
二鉄塩を含む混合液、さらには本発明の目的を阻害しな
い限り、第一鉄塩や他の塩類等を含有したものでもよ
い。使用する鉄塩水溶液中のイオン濃度は、特に制限は
ないが、通常第二鉄イオンが0.1モル/リットル以上、
好ましくは0.2〜4モル/リットルである。0.1モル/
リットル未満であると硫化水素の吸収率が低下し、また
4モル/リットルを超えると溶解度上の制約があり好ま
しくない。また第一鉄イオンについては、必須ではない
が、通常は0.1〜5.0モル/リットル、好ましくは0.5
〜1.5モル/リットルである。0.1モル/リットル未満
であると電気化学的再生処理の際の効率が低下し、また
5.0モル/リットルを越えると鉄塩の析出があり好まし
くない。
【0010】なお、この鉄塩水溶液には、後の電気化学
的処理工程を容易に行うために、上記第二鉄塩を構成す
る陰イオンよりなる遊離の酸を含むことが好ましい。こ
の遊離状態の酸が存在する場合、その濃度は1〜7モル
/リットル、好ましくは3.0〜5.0モル/リットルであ
る。酸の濃度が1モル/リットル未満であると硫酸等の
硫黄酸化物の副生が増大し、7モル/リットルを越える
と鉄塩の析出が起こり好ましくない。これら遊離状態の
酸としては、塩酸,硫酸,リン酸,硝酸, シュウ酸等が
挙げられるが塩酸及びリン酸が好適で、特にリン酸を使
用すると硫黄酸化物の副生を抑制し、効率良く反応を行
うことができる。
【0011】この気液接触工程(硫化水素ガス吸収工程
1)を行うにあたっては、特に制限はないが、従来から
液体によるガス吸収において慣用されている方法、例え
ば気泡塔,スプレー塔,ぬれ壁塔,攪拌式吸収塔,充填
気泡塔,充填塔などの汎用の吸収塔を採用すればよい。
【0012】この工程における硫化水素から硫黄を生成
させる気液接触工程の反応式を次に示す。 2Fe3++H2 S=2Fe2++2H+ +S(沈澱) ・・・(I) 即ち、硫化水素は、第二鉄イオンにより酸化され硫黄を
生成し、第二鉄イオンは第一鉄イオンに還元される。そ
の結果、硫黄がリン酸系水溶液中に含有されることとな
る。
【0013】上記気液接触工程(接触反応)における温
度は、常温〜150℃、好ましくは120〜140℃で
ある。温度が低いと硫化水素の吸収率が低下して好まし
くない。また、特に分離を速やかに行うためには、硫黄
の融点以上、硫黄の融点は同素体毎に異なるが120℃
以上にすべきである。このように硫黄の融点以上に設定
することによって硫黄が溶融状態で生成し、比重差で容
易に硫黄と水溶液を分離することができる。この温度範
囲未満では、硫黄が溶融状態にならず、分離が困難であ
ると共に高純度で回収することが困難である。一方、1
50℃を超える高温では、溶融硫黄の粘性が増大して取
扱いが不便になることがある。
【0014】また、接触反応する際の圧力は、操作上に
支障のない範囲で水分蒸発を防ぎ、上記所望の温度を保
つために必要な圧力であれば特に制限はないが、通常は
常圧から10kg/cm2 の範囲で、特に1.5気圧以上が好
ましい。
【0015】硫黄分離工程 この工程では、上記で生成した硫黄を溶融硫黄として、
液─液分離することが効率的である。これを比重差によ
り沈降分離し、回収する。
【0016】この硫黄分離工程2に用いる硫黄分離装置
は、特に制限はなく、種々の構造のものを利用すること
ができる。例えば一般のシックナー形式,空塔ドラム形
式,沈降池形式等、分離回収すべき溶融硫黄滴の大きさ
や設計上の回収率に応じて適宜選定すればよい。
【0017】電気化学的再生処理工程 この電気化学的再生処理工程は、前述の硫黄分離工程を
経て硫黄を分離,回収した後の水溶液を対象とする。こ
の硫黄回収後の水溶液(吸収液)には、第一鉄イオンが
多く含有されている。それをこの再生工程において、例
えば電気分解等により、第一鉄イオンを第二鉄イオンに
変換すると共に水素ガスを発生させ、3価の鉄イオン
(第二鉄イオン)を多く含有する水溶液(吸収液)を再
生するとともに、水素ガスを分離回収する。本工程で進
行する反応は、次の反応式で示される。 2Fe2++2H+ =2Fe3++H2 (気体) ・・・(II) 即ち、第一鉄イオンは、第二鉄イオンに酸化再生される
とともに水素ガスが発生する。再生された溶液は、再び
気液接触工程に供することができる。なお、この電気化
学的再生工程を行うための装置としては、通常の電気分
解等に慣用されている型式の電解槽などが充当される。
【0018】このような工程を行う電解槽には、陽極と
陰極との間に、隔膜が設けられており、また前記電極に
は、黒鉛や炭素繊維などの耐酸性材料が用いられてい
る。前記隔膜としては水素イオン選択透過性膜を用いる
ことが好ましい。電解は、前記電解槽の陽極部に、前記
のようにして処理された2価の鉄イオンを含む水溶液を
入れ、一方陰極部に、通常所定濃度の水素イオンを含む
水溶液を入れるか、あるいは陽極と陰極の間にある隔膜
が乾燥しない程度の水分を補給して、電圧を印加するこ
とにより行われる。
【0019】陰極部の水溶液としては、塩酸,リン酸,
硫酸,硝酸などの鉱酸やギ酸,酢酸などの有機酸溶液な
どが挙げられ、溶液の濃度は、0.1〜10モル/リット
ル、好ましくは0.5〜5モル/リットルである。
【0020】隔膜に水素イオン選択透過性膜を用いる場
合は、所望に応じて多孔質のガス拡散性電極、例えば黒
鉛繊維布、好ましくは白金等の触媒を担持したものを、
前記隔膜に直接接触させてもよい。なお、この電解は通
常は20〜150℃で行われる。
【0021】本発明では、上記の電気化学的再生処理
工程において、陽極側を循環する鉄塩溶液及び/又は陰
極側を循環する水素イオン含有水溶液の一部又は全部を
抜き出し、前記気液接触工程で副生する硫黄化合物を
鉄塩として分離除去するとともに、相当量の鉄分を補充
して再び循環系に戻すようにする。
【0022】まず、循環液の抜き出しは、循環系統の適
宜な位置で行うことができるが、陽極側循環系統におい
ては、前述の硫黄分離工程を終えた液を抜き出すこと
が望ましく、陰極側循環系統においては、水素分離後の
液を抜き出すことが望ましい。
【0023】硫黄化合物を鉄塩として分離除去する手段
としては、水溶液の一般的な性質、すなわち、鉄イオン
濃度が同じでも硫酸イオン等の硫黄化合物の濃度が増加
すると鉄塩として析出すること、温度が低いほど低濃度
で析出することを利用して行うことができる。したがっ
て、抜き出した液を循環系の温度よりも低くすることに
より、不純物である硫酸,亜硫酸,チオ硫酸,ポリチオ
ン酸等の硫黄化合物を鉄塩として析出させることでき
る。
【0024】このときの冷却温度は、液の抜き出し量に
より異なり、冷却による硫黄化合物の析出量が、気液
接触工程で副生する硫黄化合物と同量か、あるいはそれ
以上になるように設定すればよい。例えば抜き出し量が
多ければ冷却温度、すなわち循環系との温度差が小さく
ても多量の不純物を析出させることが可能である。
【0025】また、冷却方法は、特に限定されるもので
はなく、例えば適宜な熱交換器を用いて冷却水等の適宜
な冷媒で冷却すればよい。なお、このとき、析出による
流路の閉塞を生じ難い形式のものを用いることが好まし
い。
【0026】次いで上記のようにして析出させた鉄塩を
液から分離する。この固液分離手段としては、通常の洗
浄法,濾過法,遠心沈降法,遠心濾過法等を用いること
ができる。なお、この固液分離は、多少析出物が液中に
残留していても、循環系に戻される時に加熱昇温されて
溶解するので、精密に分離する必要はない。
【0027】上記のようにして適当量の不純物を分離し
た液は、再び循環系に戻されて使用されるが、再循環さ
せる液中の鉄イオン濃度が鉄塩として析出した分低下し
ているので、失われた鉄イオンに相当する量を別途補充
する必要がある。但し、陰極側の循環系においては、鉄
イオンが少ない方が好ましいので、陽極側循環液に相当
量の鉄分を補給することが好ましい。この鉄分の補給に
用いる鉄としては、鉄粉,鉄屑等の実質的に金属の鉄を
用いることができる。
【0028】なお、上述の液抜き出し分離等の工程は、
連続的に行うこともできるが、適当間隔で間歇的に行う
こともできる。また、液の抜き出し量は、前述のごとく
冷却温度との関係を考慮して循環系内の不純物濃度が所
定量以上に増加しない範囲に設定すればよい。
【0029】次に本発明の好適な実施態様の一例を図1
に従って説明する。図1は、前述したように本発明を実
施する装置の一例を示す概略図である。図1に示すよう
に、硫化水素ガス吸収工程1(例えば吸収塔)には、被
処理ガスである硫化水素(H2 S)ガスと3価の鉄イオ
ンを含有する酸性水溶液、例えば塩化第二鉄を含有する
リン酸水溶液を導入する。この塩化第二鉄水溶液は初期
状態においては新たに調製された溶液を前記吸収塔に導
入すればよい。装置の運転を開始してからは、電気化学
的再生工程3(例えば電解槽)で得られた塩化第二鉄水
溶液が循環導入される。
【0030】吸収塔の内部は、図示していない加熱装置
により、加熱される。吸収塔に前記被処理ガスと前記塩
化第二鉄水溶液とを導入し、両者を接触させると、前記
反応式(I)に従って反応が進行し、硫黄が生成する。
この際、反応系内は硫黄の融点以上であれば、硫黄は吸
収塔の内壁へ付着することがほとんど無く好ましい。
【0031】次に、硫黄を含む水溶液は、硫黄分離工程
2(硫黄分離装置)に送られる。なお、所望によりこの
工程の前に溶融硫黄滴を合一させる工程を設けてもよ
い。前記硫黄分離装置では、硫黄は溶融状態で比重差に
より水溶液中で沈降し、該分離装置の底部から容易に回
収される。また、硫黄を溶融状態で分離を行えば硫黄分
離装置の内部構造を簡単にすることができる。
【0032】さらに硫黄分離装置から出てくる硫黄回収
後の液は、電解槽3の陽極部3aに供給される。この電
解槽では、前記(II)の反応が進行する。この電解槽と
しては、既に前述した如く、従来慣用されている型式の
電解槽を使用することができる。この電解槽には、陽極
と陰極との間に、隔膜が設けられており、また前記電極
には、黒鉛や炭素繊維などの耐酸材料が用いられてい
る。前記隔膜としては水素イオン選択透過性膜を用いる
ことが好ましい。
【0033】なお、電解槽に供給する水溶液中の硫黄の
濃度が大きいと電解性能が低下するので、電解槽に送ら
れる水溶液中の硫黄は、できるだけ除去しておく方が良
い。また、所望により、電解槽の前にフィルターを設け
ることもできる。
【0034】一方、電解槽3の陰極部3bには、前述の
ごとく水素イオンを含有する水溶液が循環供給されてい
る。この水溶液は、電解槽導出後に気液分離工程4に導
入され、電解により生じた水素が分離されて回収され
る。
【0035】そして、両循環系統の電解槽導入前の経路
には、それぞれ前述の硫黄化合物分離工程5が設けられ
ており、それぞれの系統から所定量の液を抜き出して前
述のごとく硫黄化合物を鉄塩として分離し、相当する鉄
分を補充された液が再び元の循環系に戻されている。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に詳しく説明する。 実施例1 3価の鉄イオンを含む硫化水素吸収液(吸収塔導入時組
成:FeCl21.20モル/リットル,FeCl3 0.50モル/
リットル及びHCl 3.50モル/リットル)に、あらかじ
め硫酸を2.00モル/リットル添加したものを用い、毎
時30リットルで循環させた。そして、硫化水素を毎時
3.7モルで吸収塔に供給して反応させた。反応温度は1
30℃、反応圧は4.5kg/cm2 とした。次いで、吸収塔
から導出した吸収液を、硫黄分離装置に導入して生成し
た硫黄を除去した後、電解槽(電極面積:2000c
m2 ,陽極室:炭素板/炭素繊維布,隔膜:市販のカチ
オン交換膜,陰極室:白金触媒付炭素繊維布/炭素板)
の陽極室に導入した。また、陰極室には、FeCl2 1.30
モル/リットル,HCl 3.50モル/リットル,H2SO4 1.
87モル/リットルを含む電解液を毎時30リットルで
循環させた。電解温度は50℃とし、電流密度100mA
/cm2 の定電流密度運転を行った。20時間後に陽極室
側の電解液を1リットル抜き出して20℃まで冷却し、
析出した固形物を濾過分離した。分離後の濾液を系内に
戻すとともに、固形物(硫酸第一鉄)と同当量の鉄粉を
系内に補充した。以後20時間毎にこの操作を繰り返し
た。各時間の硫化水素吸収液中の硫酸濃度及び固形物の
重量は第1表に示すとおりであった。
【0037】実施例2 実施例1において、陽極部電解液の抜き出しに代えて陰
極部電解液を30時間毎に抜き出し、20℃まで冷却し
て析出した固形物を濾過分離し、濾液を陰極部に戻すと
ともに、陽極部に固形物と同当量の鉄粉を補充するよう
にしたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結
果を第2表に示す。
【0038】実施例3 3価の鉄イオンを含む硫化水素吸収液(吸収塔導入時組
成:FeSO41.20モル/リットル,Fe(SO4)1.50.50モ
ル/リットル及びH2SO4 3.0モル/リットル)を用い、
毎時30リットルで循環させた。そして、硫化水素を毎
時0.75モルで吸収塔に供給して反応させた。反応温度
は130℃、反応圧は4.5kg/cm2 とした。次いで、吸
収塔から導出した吸収液を、硫黄分離装置に導入して生
成した硫黄を除去した後、電解槽(電極面積:400cm
2 ,陽極室:炭素板/炭素繊維布,隔膜:市販のカチオ
ン交換膜,陰極室:白金触媒付炭素繊維布/炭素板)の
陽極室に導入した。また、陰極室には、FeSO4 1.20モ
ル/リットル,H2SO4 3.0モル/リットルを含む電解液
を毎時30リットルで循環させた。電解温度は50℃と
し、電流密度100mA/cm2 の定電流密度運転を行っ
た。8時間後に陽極室側の電解液を1リットル抜き出し
て20℃まで冷却し、析出した固形物を濾過分離した。
分離後の濾液を系内に戻すとともに、固形物(硫酸第一
鉄)と同当量の鉄粉を系内に補充した。以後8時間毎に
この操作を繰り返した。各時間の硫化水素吸収液中の硫
酸濃度及び固形物の重量は第3表に示すとおりであっ
た。
【0039】比較例1 実施例1において、液の抜き出し、不純物の分離除去を
行わずに連続運転を行った。その結果、100時間後の
硫化水素吸収液中の硫酸濃度は2.10モル/リットルと
なり、以後増加し続け、2000時間後には系内に硫酸
塩の析出を生じて正常な運転ができなくなった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、処理液
中の不純物濃度の増加をなくしてプロセスを長期にわた
って安定運転することができる。また、不純物除去後の
液を系内に戻すために廃液が発生しないので、廃液処理
などの付帯設備を設ける必要がなく、設備コストや運転
コストを低減できる。また、不純物濃度の安定化により
電気化学的再生工程における電解電圧を低くすることが
できる。このように、本発明の方法は、極めて効率の良
い硫化水素含有ガスからの硫化水素の除去方法および硫
黄及び水素の回収方法として、工業的に有効に利用され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全処理工程の概略図である。
【符号の説明】
1:気液接触工程 2:硫黄分離工程 3:電気化学的再生工程 3a:陽極部 3b:陰
極部 4:気液分離工程 5:硫黄化合物分離工程

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫化水素含有ガスを3価の鉄イオンを含
    む鉄塩溶液に接触,吸収させて酸化反応を行い2価の鉄
    イオンと硫黄を含む溶液を生成させ、次いで生成した硫
    黄を分離した後、この溶液を電解槽の陽極部に導入して
    該溶液を電解酸化すると同時に、電解槽の陰極部から水
    素を発生させて回収する方法において、前記陽極部及び
    /又は陰極部の電解液の一部又は全部を抜き出して、反
    応により副生する不純物の少なくとも一部を鉄塩として
    除去し、該不純物除去後の処理液を再び前記電解液とし
    て使用するとともに、鉄塩として除去された鉄分と同量
    の鉄を前記陽極部の電解液に加えることを特徴とする硫
    化水素から水素を回収する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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