JPH05138884A - インクジエツト記録ヘツド - Google Patents

インクジエツト記録ヘツド

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JPH05138884A
JPH05138884A JP6114792A JP6114792A JPH05138884A JP H05138884 A JPH05138884 A JP H05138884A JP 6114792 A JP6114792 A JP 6114792A JP 6114792 A JP6114792 A JP 6114792A JP H05138884 A JPH05138884 A JP H05138884A
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耕三 細貝
Yutaka Mori
豊 森
Naoki Morita
直己 森田
Yoshihiko Fujimura
義彦 藤村
Masahiko Fujii
雅彦 藤井
Shinji Tabata
伸司 田端
Masaki Kataoka
雅樹 片岡
Toru Mihara
徹 三原
Koichi Saito
孝一 斉藤
Hideharu Takei
英陽 竹井
Koichi Naito
浩一 内藤
Jun Isozaki
準 磯崎
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1ヘッド分の寸法を大幅に増加することなし
に、均一な噴射特性を有するインクジェットヘッドを実
現する。 【構成】 図は、本発明の一実施例のチャンネル基板の
平面図である。インク滴を吐出するノズル1が配列され
た両側に、ダミーノズル10が4個づつ設けられてい
る。インクリザーバ2のノズル配列方向の寸法はダミー
ノズル端までの寸法と等しくし、かつ、端部でのノズル
配列直交方向の寸法は中央部でのノズル配列直交方向の
寸法と同じであるようにした。したがって、ダミーノズ
ル10およびインクリザーバ2は、ヘッド内の吐出ノズ
ルに対するインクの供給性、特に、全ノズル噴射時の端
部のノズルへのインク供給性を改良することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インクジェット記録
装置のインクジェット記録ヘッド、特に、ダミーノズル
を設けたインクジェット記録ヘッドに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、高速記録が
可能であり、記録の際に発生する騒音がほとんどなく、
普通紙に直接印字でき、定着処理等を必要としないた
め、装置の小型化が図れるという点で注目を集めてい
る。
【0003】従来、公知のインクジェット装置として、
特開昭61−35966号公報、特開昭61−2309
54号公報、特開昭63−54250号公報、特開平1
−148560号公報に記載されたものなどが知られて
いる。
【0004】しかしながら、このようなインクジェット
装置においては、ノズル配列方向の中央に配置されたノ
ズルと端部に配置されたノズルの噴射特性が均一でな
く、端部に配置されたノズルでは、噴射速度の低下や、
ドロップ量の不足が生じ、高速の全ベタ印字時に、端部
近傍のノズルからの印字が、かすれるという問題があっ
た。
【0005】本発明においては、後述するように、ダミ
ーノズルを用いて、均一な印字特性を実現しようとする
ものであるが、従来技術において、ダミーノズルを用い
たインクジェット記録ヘッドについて調べた。
【0006】特開昭61−35966号公報に記載され
たインクジェット記録ヘッドは、ダミーノズルを設ける
という点だけからみれば本発明と同様ということもでき
る。しかしながら、これは噴射特性の改善のためのもの
ではなく、ダミーノズルを設けることにより、接着時の
融着不良を防止する目的で設けられたものである。
【0007】特開昭63−54250号公報に記載され
たインクジェット記録ヘッドは、ピエゾ素子を用いたも
のであり、インク中の気泡をダミーノズルから除去する
ことで画質の向上を図るものである。
【0008】特開昭61−230954号公報や、特開
平1−148560号公報に記載されたインクジェット
記録ヘッドは、その作製方法やヘッド構成では本発明と
同様ということができるが、ダミーノズルを設けること
には言及していない。
【0009】図7は、ダミーノズルを持たない従来のイ
ンクジェット記録ヘッドにおけるインクリザーバとノズ
ルとの流路構造を示す概略構成図である。図中、1はノ
ズル、2はインクリザーバ、3はヒーターである。図に
示すように、ダミーノズルをもたないヘッドでは、中央
部のノズルAではノズルの両側からインクが流れ込むの
に対して、端部のノズルBではノズルの片側からしかイ
ンクが流れ込まない。したがって、中央部のノズルAと
端部のノズルBとで、インクの供給性に差を生じ、特
に、端部のノズルBにおいて、吐出が不安定になり、高
い印字周波数に追従できないという問題がある。
【0010】図8は、インクリザーバの幅を広げること
によって中央部のノズルAと端部のノズルBでのインク
の供給性を等しくすることを試みたインクジェット記録
ヘッドの流路構造を示す概略構成図である。図中、図7
と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。こ
のような流路構造によれば、端部のノズルBにおいて
も、中央部のノズルAと同様に、ノズルの両側からイン
クが流れ込むようにすることができる。しかしながら、
網かけをして示したインクリザーバの隅の部分がインク
の流れに対してポケット状の部分となり、この部分でイ
ンクの滞留が生じる。インクの滞留は、インクの組成変
化や沈澱物の発生を招き、長期にわたって初期の印字特
性を持続させることはできない。
【0011】さらに、インクリザーバとノズルの作製上
の問題がある。特開昭61−230954号公報に記載
されたインクジェット記録ヘッドの作製技術は、Siウ
ェハの異方性エッチング(ODE:Orientati
onDepended Etching)により、イン
クを吐出するノズルと外部からインク供給を行なうイン
クリザーバが作られる。このウェハは、チャネルウェハ
と呼ばれているものであり、図12(A)に斜視図、
(B)に平面図、(C)に断面図を示す。異方性エッチ
ングでは、正方形や長方形のパターンは精度よく形成で
きるとしても、これを連結した形状では、連結部分の精
度が落ちる。したがって、ノズル1とインクリザーバ2
とは分離して形成され、その後、両者を連結する流路を
形成するために、ハッチングを施した部分14に連結溝
を形成して、ノズル1とインクリザーバ2とを連結す
る。この溝は、ダイシングにより形成されるから、ヘッ
ド端部まで貫通して形成される。したがって、ヘッド側
面にできる連結溝の部分は、埋めておかなければなら
ず、充填補修作業を必要とする。また、ダイシングによ
り形成された連結溝は、流体抵抗を持ち、インクの供給
時の液流れがノズルの中央部のノズルと端部のノズルで
は異なり、端部のノズルに対するインク供給性を悪くす
る要因となる。特に、全ノズル噴射によるベタ印字で
は、液流れの不均一性はより顕著となり、端部のノズル
のインク量が不足し、画像がかすれるという欠点があ
る。
【0012】また、特開平1−148560号公報に記
載されたインクジェット記録ヘッドは、ダイシングによ
る連結溝の充填補修作業は改善されているが、流体抵抗
の差によるノズル配列方向の中央部分のノズルと端部の
ノズルとの噴射特性の差についての考慮はなく、同様に
ノズル噴射特性の差を持つものである。
【0013】一方、チャネルウェハは、ウェハから個々
のヘッドを多数個同時に作製することから、1ヘッド分
の寸法を小さくしなければならないという制約もある。
【0014】そこで、本発明者らは、流体抵抗の差によ
る中央と端のノズル噴射特性について鋭意研究を重ねた
結果、均一な特性をもつインク流路構造を見出し、本発
明に到達した。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、1ヘッド分の寸法を大幅に
増加することなしに、均一な噴射特性を有するヘッドを
提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、2枚の基板の
接着によって構成され、インク吐出手段を備えた複数の
ノズルと、該ノズルに連通する共通のインクリザーバを
有するインクジェット記録ヘッドにおいて、請求項1の
発明は、前記ノズルの外側にインクを吐出しないダミー
ノズルを配置するとともに、前記インクリザーバのノズ
ル配列方向の寸法はダミーノズル端部間の寸法とほぼ同
じとし、かつ、端部でのノズル配列直交方向の寸法は中
央部でのノズル配列直交方向の寸法とほぼ同じとしたこ
とを特徴とするものであり、請求項2の発明は、前記ノ
ズルの外側にメンテナンス用の吐出信号によって駆動さ
れるインク吐出手段を備えたダミーノズルを配置すると
ともに、前記インクリザーバのノズル配列方向の寸法は
ダミーノズル端部間の寸法とほぼ同じとし、かつ、端部
でのノズル配列直交方向の寸法は中央部でのノズル配列
直交方向の寸法とほぼ同じとしたことを特徴とするもの
である。
【0017】ダミーノズルの数は、1〜4個とすること
ができる。上記2枚の基板は、Siウェハを用いること
ができる。上記インクリザーバおよびダミーノズルは、
異方性エッチングにより作製することができる。
【0018】
【作用】本発明によれば、ダミーノズルをインクを吐出
するノズルの外側に配置し、端部でのノズル配列直交方
向の寸法は中央部でのノズル配列直交方向の寸法とほぼ
同じとしたことにより、吐出ノズルには、インクがイン
ク供給口からほぼ直線的に供給され、ヘッド内の吐出ノ
ズルに対するインクの供給性、特に、全ノズル噴射時の
端部のノズルへのインク供給性を改良することができ
る。
【0019】しかし、ダミーノズルの数を多くすること
はヘッドの寸法を大きくし、また、インクリザーバの端
部においてインクの滞留を生じる。したがって、端部に
おけるダミーノズルの個数は1〜4個程度が適当であ
り、ダミーノズルの寸法とピッチは、吐出ノズルと同一
とするのがよい。インクリザーバは、ダミーノズルの個
数に応じて設計されるが、インクリザーバのノズル配列
方向の寸法をダミーノズル端部間の寸法とほぼ同じとし
たことにより、ヘッドの寸法を小さくすることができ
る。
【0020】また、請求項2の発明によれば、インクの
消耗の少ないメンテナンス時の吐出動作によって、常に
ダミーノズル内のインクの増粘が防止できる。そのこと
によりダミーノズルは、端部ノズルの液面回復を早める
働きをし、全ノズルについて安定した吐出動作を保証す
ることができる。
【0021】
【実施例】図2は、本発明の一実施例のウェハから個別
に分離されたプリントヘッドチップの一部を切断した斜
視図である。図中、1はノズル、2はインクリザーバ、
3はヒーター、4は電極、5は厚膜樹脂層、6は気泡、
7はヒーター基板、8はチャネル基板、9はインク滴で
ある。なお、この図では、ヒーター3や電極4の保護層
等の図示は省略した。ヒーター3は、ヒーター基板7に
複数個が形成され、チャネル基板8には、ヒーター3に
対応してノズル1が形成されている。インクリザーバ2
には開口部2aが設けられている。インクリザーバ2の
開口部2aには、インクタンクへの連結部をもった樹脂
製の図示しない第2のインクリザーバにつながってい
る。ヒーター基板には、気泡6を安定に成長させるため
にヒーター3を囲むように、厚膜樹脂層5が形成されて
いる。各ノズル1においてインクは保持され、ノズルご
とに分離されたインクオリフィス部を形成している。印
字信号が電極4を通してヒーター3に印加されると、ヒ
ーター3近傍のインクが加熱され、気化されて急激に膨
張して気泡6が形成され、その圧力により、インク滴9
が吐出される。ヒーター基板7,チャネル基板8は、S
iウェハで形成されるのが普通である。
【0022】図1は、本発明の一実施例のチャネル基板
の平面図である。図中、1はノズル、2はインクリザー
バ、10はダミーノズルである。インク滴を吐出するノ
ズル1が配列された両側に、ダミーノズル10が4個ず
つ設けられている。この実施例では、全てのダミーノズ
ル10は、ノズル1と同様にインクリザーバ2に連通さ
れている。なお、ヒーター基板7のダミーノズル10に
対応する部分にはヒーターを設けておかなくてもよい。
インクリザーバのノズル配列直交方向の寸法はすべて同
じ寸法にされており、また、インクリザーバのノズル配
列方向の寸法はダミーノズル端と一致させた。
【0023】図3は、Siウェハを用いてチャネル基板
を作製する工程図である。図中、1はノズル、2はイン
クリザーバ、11はシリコンウェハ、12はSiO
2 膜、13はSi3 4 膜である。
【0024】(100)結晶面を表面にもつシリコンウ
ェハ11上に、SiO2 膜12を5000Åの厚さに熱
酸化により形成し、ノズル1およびインクリザーバ2を
形成する部分を除くようレジストをフォトリソプロセス
でパターンを形成した後、SiO2 膜12をドライエッ
チング法によりパターニングする。次に、CVD法によ
りSi3 4 膜13を形成した後、インクリザーバ2を
形成する部分のみを開口するようなパターニングを行な
い、図3(A)に示す状態となる。基板の裏面はパター
ニングされないSiO2 膜、Si3 4 膜が残った状態
である。
【0025】以上のように、2つのパターンを別々のエ
ッチングマスクで形成した後、異方性エッチングの工程
に移る。まず、図3(B)に示すように、Si3 4
13をエッチングマスクとして、90℃に加熱した水酸
化カリウム水溶液でインクリザーバ2を形成するための
第1のエッチング処理を行なう。次に、180℃に加熱
したリン酸を用いて、図3(C)に示すように、Si3
4 膜13を除去し、今度は、SiO2 膜12をエッチ
ングマスクとして、90℃に加熱した水酸化カリウム水
溶液を用いて、図3(D)に示すように、ノズル1を形
成するための第2のエッチング処理を行なう。
【0026】最後に、フッ酸を用いて、SiO2 膜12
を除去して、図3(E)に示すように、ノズル部および
インクリザーバ部が形成されたチャネルウェハが完成す
る。
【0027】この構造のチャネル基板においては、ノズ
ル部とインクリザーバ部は非連結であるが、一実施例に
おいては、対となるヒーター基板の該当部に凹状部が形
成されているため、プリントヘッドとしては連結溝によ
る流路と等価である。
【0028】図4は、ヒーター基板の該当部に凹状部を
形成したプリントヘッドの断面図である。図中、1はノ
ズル、2はインクリザーバ、5は厚膜樹脂層、7はヒー
ター基板、8はチャネル基板である。この実施例では、
図3の工程で作製されたチャネル基板8において、ノズ
ル1とインクリザーバ2との境界部分のエッチングされ
ていない凸部はそのままとしておく。そして、ヒーター
基板7に形成した厚膜樹脂層5に開口部5aおよび開口
部5bをパターニングして形成する。開口部5aは、ピ
ットと呼ばれる凹部であり、その底部に図示しないヒー
ターが設けられる。開口部5bは、チャネル基板8の上
述した凸部に対向する位置に形成する。矢印で示すよう
に、厚膜樹脂層5の開口部5bを介してインク流路が形
成できる。開口部5bのパターニングは精度よくできる
から、インク流路の流路抵抗を正確にできる利点があ
る。
【0029】試作したインクジェット記録ヘッドについ
て説明する。図5は、チャネル基板の平面図である。図
中、1はノズル、2はインクリザーバ、10はダミーノ
ズルである。(A)〜(D)図に示す作製した4種のヘ
ッドは、いずれもダミーノズルが両側に1つずつであ
る。ダミーノズル10は、ノズルに対応したヒーターは
有しておらず、寸法と配列ピッチは、インクを吐出する
ノズル1と同様である。(A)図は、タイプであり、
ダミーノズル10およびノズル1の端部でインクリザー
バ2のノズル配列直交方向の寸法Yが中央部に比べて略
1/2の600μmである。(B)図に示すタイプ
は、インクリザーバ2のノズル配列直交方向の寸法Yが
中央部と等しいものである。(C)図に示すタイプ
は、インクリザーバ2のノズル配列直交方向の寸法Yは
タイプと同じであるが、インクリザーバ2のノズル配
列方向の寸法がダミーノズルの端部までの寸法よりそれ
ぞれXだけ大きいものであり、Xがノズルピッチ(8
4.5μm)の2倍である。(D)図に示すタイプ
は、タイプにおけるXがノズルピッチの4倍のもので
ある。
【0030】これら4種のインクジェット記録ヘッドを
用いた印字結果における端部のノズルのかすれ良好性を
比較すると、 ≒≒> の順であった。
【0031】この結果から、インクリザーバの端部での
ノズル配列直交方向の寸法Yは、中央部でのノズル配列
直交方向の寸法と等しく、かつ、インクリザーバのノズ
ル配列方向の寸法は、ダミーノズル端以上の寸法、すな
わち、吐出ノズルからみれば、吐出ノズル端からピッチ
として1つ分以上大きいことが必要であることがわかっ
た。
【0032】しかし、Xが大きいと、インクリザーバの
左右端近傍の部分のインクは、ノズルに供給されにく
い。すなわち、インクリザーバの端部はインクの流れに
対してポケット状の部分となり、この部分でのインクの
滞留が生じる。インクの滞留はインクの組成変化や沈澱
物の発生を招く。また、Xが大きいとヘッドの寸法を大
きくするからこの面からも問題となる。したがって、こ
れらの条件を考慮すると、X=0、すなわち、ダミーノ
ズルの端部と同じ位置にインクリザーバのノズル配列方
向の終端があることが望ましい。
【0033】次に、インクリザーバの端部でのノズル配
列直交方向の寸法Yが、中央部でのノズル配列直交方向
の寸法と等しいものにおいて、端部でのダミーノズルの
数が相違するインクジェット記録ヘッドを試作した。図
6は、チャネル基板の平面図であり、図中、図5と同様
な部分には同じ符号を付して説明を省略する。(A)図
は、端部でのダミーノズルの数が1つであるタイプ、
(B)図は2つであるタイプ、(C)図は4つである
タイプ、(D)図は8つであるタイプを示す。
【0034】これら4種のインクジェット記録ヘッドを
用いた印字結果における端部のノズルのかすれ良好性を
比較すると、 ≒≒≒> の順であった。
【0035】これらの結果より、ダミーノズルの数は、
インクリザーバの寸法が、図5(B)〜(D)で説明し
た条件のものであれば、最低1つ有ればよいことがわか
った。
【0036】これらの試作したインクジェット記録ヘッ
ドにおいて、インクの圧力変化に対するダミーノズルの
インク流出状態を比較すると、タイプでは、ダミーノ
ズルからのインク流出が発生することが観察された。ま
た、ダミーノズルの数を多くすることは、ヘッドの寸法
を大きくし、さらに、インクリザーバのダミーノズルに
対応する部分で上述したインクの滞留が起きる。
【0037】これらの結果から、インクリザーバの端部
でのノズル配列直交方向の寸法Yは、中央部でのノズル
配列直交方向の寸法と等しく、ダミーノズルの数は、1
〜4個程度で、かつ、同じ位置にインクリザーバのノズ
ル配列方向の終端がある構造、形状のチャネル基板を用
いたインクジェット記録ヘッドの場合が、印字品質が安
定していることがわかった。
【0038】図9は、上述した実施例のインクジェット
記録ヘッドにおけるインクリザーバとノズルとの流路構
造を示す概略構成図である。図に示すように、ダミーノ
ズルCが設けられた記録ヘッドでは、中央部のノズルA
でも端部のノズルBでも両側からインクが流れ込み、ダ
ミーノズルをもつことによって中央部と端部のノズルで
のインクの供給性が等しくなる。
【0039】このインクジェット記録ヘッドにおいて
は、ダミーノズルには、インク吐出手段が設けられてい
ないが、メンテナンスの際に、ダミーノズルからインク
を吸引することによって、図8で説明したようなインク
の滞留を解消することができる。
【0040】また、ダミーノズルは、吐出の安定性につ
いて大きな役割を果たす。すなわち、ノズルからインク
液滴が吐出されると一時的にインク面が後退し、インク
がノズル内に再供給されてインク面がもとに戻る。この
インク面の回復の速度が印字周波数を高くしたときの吐
出の安定性を左右する。インクの再供給に際しては、隣
接するノズル内のインクが上下することがインク面の回
復の速度を高めている。ダミーノズルがない場合は、両
端のノズルは、インク面の回復の速度を高める働きをす
る隣接ノズルが片側にしかないので、吐出が不安定にな
る。このため端部にダミーノズルを設けると端部ノズル
でも周波数の高い安定した吐出を実現することができ
る。
【0041】このように、ダミーノズルを設けたことに
よって、上述した実施例では、吐出特性が向上するが、
ここでダミーノズル内のインクについて考えてみる。印
字を行なうノズルでは、インクを吐出することによっ
て、ノズル内のインクは、常に新しいインクを入れ変わ
っているが、ダミーノズルでは、インクの入れ変わりが
なく、他のノズルに比べて増粘しやすいが、上述した実
施例では、ダミーノズル内のインク乾燥による増粘や析
出を問題としていない。
【0042】ここで、ノズル内のインクの増粘について
考える。インクの増粘は、流路が狭くまた大気と接触し
ているノズルの吐出口近傍で発生しやすい。増粘したイ
ンクの除去方法としては、2つの方法が考えられる。そ
の1は、キャップ部材によってノズルを覆い、ノズルか
らインクを吸引するインク吸引動作による方法と、その
2は、印字動作の開始前あるいは終了後にキャップ部材
に向かってインク液滴を吐出する予備吐出動作である。
インク吸引動作は、強い効果をもつが、多くのインクを
消耗するので頻度としてはあまり多くない方がよく、予
備吐出動作によって増粘したインクの除去を行なうのが
好ましい。
【0043】ダミーノズル内のインクが増粘すると、隣
接ノズルの液面の回復を早める働きがなくなり、吐出を
安定させる効果が薄れてしまう。さらに、大気をただよ
うごみが付着した場合、これが流れずにその場に固まっ
て隣接ノズルに悪影響を及ぼしたり、ダミーノズル内の
インクの組成変化が生じたり、析出物が発生して成長し
た析出物が隣接ノズルに悪影響を及ぼしたり、ヘッド内
部に入りこんでインクリザーバ側から他のノズルに侵入
することもあり得る。
【0044】しかし、上述した実施例では、ダミーノズ
ルにインク吐出手段が設けられていないから、予備吐出
動作によって増粘を解消することはできない。インク吸
引動作によらなければならないが、インク吸引動作の頻
度を増加させると、インクの消耗が大きくなり、コスト
増加につながり、インク交換、廃液処理等のメンテナン
ス作業の頻度も増えてしまう。
【0045】図10は、本発明の他の実施例のインクジ
ェット記録ヘッドの概略構成図である。図中、1はノズ
ル、2はインクリザーバ、3はヒーター、4は電極、1
0はダミーノズル、15は第1のドライバ群、16は第
2のドライバ、17はドライバ駆動回路、18は入力保
護回路、19はコネクタ、20は画像信号伝送用クロッ
ク、21は画像信号、22は印字用パルス、23は制御
用信号、24は予備吐出用パルスである。このインクジ
ェット記録ヘッドは、2枚のシリコン基板を接合して形
成されている。ヒーター基板には、ヒーター3、電極
4、ヒーター3を駆動する第1のドライバ群15、第1
のドライバ群15を画像信号に応じて駆動するドライバ
駆動回路17が形成されている。
【0046】チャネル基板は、図3で説明したように、
Siウエハの異方性エッチングにより、ノズル1、ダミ
ーノズル10と、インクリザーバ2が形成されている。
インクジェット記録ヘッドの概略は、図2で説明したも
のと同様である。
【0047】図10に戻って説明する。このインクジェ
ット記録ヘッドにインクを満たして、ドライバ駆動回路
17に入力される画像信号に応じて第1のドライバ群1
5を駆動することにより、ヒーター3にパルス状の電圧
が印加される。この駆動パルスによって、ヒーター3上
のインクが急激に加熱され、バブルが発生し、それが成
長して、その圧力によってノズル1よりインクが液滴と
なって吐出される。ダミーノズル10についても、入力
される予備吐出用パルスによって、第2のドライバ16
が駆動されてヒーター3にパルス状の電圧が印加され、
同様にインク液滴が吐出される。
【0048】このような構成のインクジェットヘッドに
おけるインクの流れを図11で説明する。図に示すよう
に、端部のノズルBとその他のノズルAとの間でインク
の供給性についての差はない。このように、各ノズルへ
のインクの供給性が均一にできる理由は、ダミーノズル
Cの存在だけでなく、インクリザーバ2におけるノズル
配列直交方向の寸法が、両端のダミーノズル間の寸法と
ほぼ同じであり、かつ、端部でのノズル配列直交方向の
寸法が、中央部でのノズル配列直交方向の寸法とほぼ同
じであることによるところが大きい。さらに、ダミーノ
ズルCの存在により端部のノズルBについても、両側に
隣接ノズルをもつことになり、隣接ノズルのインク面の
上下動によるインク面の回復速度の向上がすべてのノズ
ルにおいて期待できる。また、インクリザーバのノズル
配列直交方向の寸法は、両端のダミーノズル間の寸法と
ほぼ同じとし、かつ、端部でのノズル配列直交方向の寸
法は中央部でのノズル配列直交方向の寸法とほぼ同じで
あることにより、インクリザーバ端部のインク滞留も少
なく、長期間の放置によりインクの滞留によるインクリ
ザーバの隅部のインク増粘が起こっても、ダミーノズル
を含む全てのノズルからインク吸引動作を行なうことに
より速やかに解消できる。
【0049】そして、ここで問題になるダミーノズル内
のインクの増粘は、インク吸引動作によるだけでなく、
以下に示すような手順で予備吐出動作させることによっ
ても解消することができる。
【0050】通常の印字中は、インクの増粘を防止する
ため、内蔵するタイマーで一定の時間が経過するごとに
メンテナンス動作を行ない、予備吐出動作を行なう。ま
ず、ドライバ駆動回路17に、画像信号転送用クロック
20に同期させて、全ての印字用ノズルを吐出状態にす
る画像信号21を転送し、あらかじめ予備吐出用に決め
られた数の印字用パルス22と制御用信号23を入力す
ることによって全ての印字用ノズルに対応する第1のド
ライバ群15を駆動する。同時に、あらかじめ予備吐出
用に決められた数の予備吐出用のパルスを、ダミーノズ
ルに対応する第2のドライバ16に入力する。これらの
入力信号により、あらかじめ予備吐出用に決められた数
の液滴が全ノズルから吐出され、ノズル内の増粘したイ
ンクは除去されて正常な印字が開始される。
【0051】本発明者が試作したプリンタで実験したと
ころ、予備吐出を行なう時間間隔が20分の場合、最低
50発分の予備吐出を行なえば正常な印字が保証される
ことがわかった。しかし、同様の予備吐出をダミーノズ
ル以外のノズルでのみ行なった場合には、4時間以上経
過したとき、端部のノズルによって印字されるドットの
印字位置精度が悪化し、同じノズルで印字したドット径
のばらつきも、端部で大きくなることがわかった。な
お、図10,図11で説明した実施例では、ダミーノズ
ルが1の場合についての説明であったが、ダミーノズル
の数が1以上の場合も同様のことがいえる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば配列方向の端部のノズルの噴射特性を中央部の
ノズルと同一にすることができ、ヘッド端部での画質不
良を改善することができるという効果がある。
【0053】また、ダミーノズル内にインク吐出手段を
設けた場合には、インクの消耗量の少ない予備吐出動作
によって、常に全ノズルについて安定した吐出動作を保
証することができ、ダミーノズル内のインクが増粘して
大気をただようごみが付着し流れずにその場に固まって
隣接ノズルに悪影響をおよぼすとか、ダミーノズル内の
インクそのものが組成変化したり、析出物が発生して成
長した析出物が隣接ノズルに悪影響をおよぼすとか、ヘ
ッド内部に入っていってインクリザーバ側から他のノズ
ルに侵入するなどの不測の事態を防止することができ
る。
【0054】そして、全ノズルにわたってドット径が均
一で方向性が良好な高印字品質なプリントを高速に印字
でき、その画質はインク消耗量の少ない低コストなメン
テナンスによって長期にわたって安定に保たれる信頼性
の高いプリンタを実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のチャネル基板の平面図で
ある。
【図2】 本発明の一実施例のウェハから個別に分離さ
れたプリントヘッドチップの一部を切断した斜視図であ
る。
【図3】 本発明の一実施例のチャネル基板を作製する
工程図である。
【図4】 本発明の一実施例のプリントヘッドの断面図
である。
【図5】 試作した4種のインクジェット記録ヘッドの
チャネル基板の平面図である。
【図6】 試作した他の4種のインクジェット記録ヘッ
ドのチャネル基板の平面図である。
【図7】 従来のインクジェット記録ヘッドにおけるイ
ンクの流路構造を示す概略構成図である。
【図8】 インクリザーバの幅を広げたインクジェット
記録ヘッドにおけるインクの流路構造を示す概略構成図
である。
【図9】 本発明の一実施例のインクジェット記録ヘッ
ドにおけるインクの流路構造を示す概略構成図である。
【図10】 本発明の他の実施例のインクジェット記録
ヘッドの概略構成図である。
【図11】 本発明の他の実施例のインクジェット記録
ヘッドにおけるインクの流路構造を示す概略構成図であ
る。
【図12】 従来のインクジェット記録ヘッドの説明図
である。
【符号の説明】
1 ノズル、2 インクリザーバ、3 ヒーター、4
電極、5 厚膜樹脂層、6 気泡、7 ヒーター基板、
8 チャネル基板、9 インク滴、10 ダミーノズ
ル、15 第1のドライバ群、16 第2のドライバ、
17 ドライバ駆動回路、18 入力保護回路、19
コネクタ、20 画像信号伝送用クロック、21 画像
信号、22 印字用パルス、23 制御用信号、24
予備吐出用パルス。
フロントページの続き (72)発明者 藤村 義彦 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ツクス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 藤井 雅彦 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ツクス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 田端 伸司 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ツクス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 片岡 雅樹 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ツクス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 三原 徹 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ツクス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 斉藤 孝一 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ツクス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 竹井 英陽 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ツクス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 内藤 浩一 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ツクス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 磯崎 準 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ツクス株式会社海老名事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の基板の接着によって構成され、イ
    ンク吐出手段を備えた複数のノズルと、該ノズルに連通
    する共通のインクリザーバを有するインクジェット記録
    ヘッドにおいて、前記ノズルの外側にインクを吐出しな
    いダミーノズルを配置するとともに、前記インクリザー
    バのノズル配列方向の寸法はダミーノズル端部間の寸法
    とほぼ同じとし、かつ、端部でのノズル配列直交方向の
    寸法は中央部でのノズル配列直交方向の寸法とほぼ同じ
    としたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 2枚の基板の接着によって構成され、イ
    ンク吐出手段を備えた複数のノズルと、該ノズルに連通
    する共通のインクリザーバを有するインクジェット記録
    ヘッドにおいて、前記ノズルの外側にメンテナンス用の
    吐出信号によって駆動されるインク吐出手段を備えたダ
    ミーノズルを配置するとともに、前記インクリザーバの
    ノズル配列方向の寸法はダミーノズル端部間の寸法とほ
    ぼ同じとし、かつ、端部でのノズル配列直交方向の寸法
    は中央部でのノズル配列直交方向の寸法とほぼ同じとし
    たことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5774145A (en) * 1995-04-27 1998-06-30 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink jet print head and image recording apparatus
US5975681A (en) * 1996-02-22 1999-11-02 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink jet printer and ink jet print head
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