JPH05139052A - 乾式転写材製造用感熱転写インクリボン - Google Patents

乾式転写材製造用感熱転写インクリボン

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JPH05139052A
JPH05139052A JP4132366A JP13236692A JPH05139052A JP H05139052 A JPH05139052 A JP H05139052A JP 4132366 A JP4132366 A JP 4132366A JP 13236692 A JP13236692 A JP 13236692A JP H05139052 A JPH05139052 A JP H05139052A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ぬれ性の悪いフィルム等の基本シート面への
感熱転写性を向上せしめ、且つ高温環境下でも保存性の
良好な乾式転写材製造用インクリボンを提供すること。 【構成】 感熱転写リボンは、リボン基材(支持体)上
に形成され、着色剤とワックスを主成分とするバインダ
剤と感圧接着剤とを含むインク層と、その上に形成され
る転写性調整層とからなり、インク層のバインダ剤中の
ワックスのうち、80重量%以上は55℃での針入度が
50以下の組成のものであるため、熱軟化温度が上昇
し、やや高い温度環境(55℃位)でもリボンスプール
の巻き乱れが生じることはなく良好な保存性が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾式転写剤の製造に際
して用いられる感熱転写インクリボンに係り、特に感熱
転写方式のプリンタ、タイプライタ、ワードプロセッサ
等を用いて、ぬれ性の悪い、剥離性の強いフィルム等の
基本シート面へも転写、印字可能と為すと共に、その基
本シート面に感熱転写して得られる転写像が、圧力によ
り、目的とする被転写物上へ効果的に感圧再転写せしめ
られ得るようにした乾式転写材製造用インクリボンに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、感熱転写方式によるプリンタ、タ
イプライタ、ワードプロセッサ等の印字装置が開発され
て、小型のパーソナルユースからビジネス用途にまで広
く使用されるようになってきている。この感熱転写方式
による印字は、サーマルヘッドにより熱転写インクリボ
ンを所定の印字用紙に密着させ、そしてそのサーマルヘ
ッドが有する多数の発熱素子のうち、所要の発熱素子を
発熱せしめることにより、熱転写リボンの支持体を介し
て発熱素子に接している熱溶融性インク部分を溶かし
て、印字用紙に転写せしめることにより、行なわれるよ
うになっている。
【0003】ところで、本発明者らは、ぬれ性が悪く
て、離型性・剥離性の良いフィルム等の基本シート面へ
の転写、印字を可能とすることを目的とした感熱転写イ
ンクリボンに関して、先に、特願昭61−275538
号、特願昭61−275539号及び特願昭62−85
350号として報告しており、また、熱感度向上を目指
したインクリボンについても、特願昭62−80126
号として報告している。
【0004】しかして、インクリボンというものは、一
般に、直径が約15mm程度、幅が約8mm程度のリボ
ンスプールに、約100mの長さにおいて巻き取られ
て、取り扱われているところから、インク面とインクリ
ボン背面とは強い力で密着させられるようになっている
のである。そのため、例えば、かかるインクリボンを、
やや高温環境の55℃位の状態で24時間保存したりす
ると、インク背面へブロッキングしたり、ワックス等の
55℃の温度で軟らかくなる成分の影響で、強く密着さ
れている力を横に逃がそうとする力が働き、重なってい
るインクリボンが少しずつずれて、リボンスプールが巻
きから飛び出てしまい、巻きが乱れてしまう等の問題が
あったのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな保存性の問題を同時に解決するインクリボンに関し
ては、現在までのところ、何等の報告も為されていない
のが実情である。
【0006】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にしてなされてものであって、その第一の目的とする
ところは、ぬれ性の悪いフィルム等の基本シート面への
感熱転写性を向上せしめた乾式転写材製造用インクリボ
ンを提供することにあり、また本発明の第二の目的は、
感熱により基本シート上に転写せしめたインクの像(転
写像)を、基本シートの背後からの圧力により、簡単に
且つ完全に、目的とする被転写物へ感圧転写させること
の出来る感熱転写リボンを提供することにある。
【0007】そしてまた、本発明の第三の目的は、やや
高温環境下でもリボンスプールの巻き乱れの生じない保
存性の良好な乾式転写材製造用インクリボンを提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして、本発明は、かか
る目的を達成するために、次の如き特徴を有するように
乾式転写材製造用インクリボンを構成したのである。即
ち、所定のフィルム状リボン基材の表面にインク層が形
成されると共に、かかるインク層上に、感熱接着性の樹
脂及び粘着附与性の樹脂を含んで構成される転写性調整
層が形成されてなる感熱転写インクリボンであって、前
記インク層が、着色剤、ワックスを主成分とするバイン
ダ剤及び感圧接着剤を含んで構成され、且つ前記バイン
ダ剤中のワックスの80重量%以上が55℃での針入度
50以下のものとなるように乾式転写剤製造用感熱転写
インクリボンを形成するようにしたものである。
【0009】
【作用】ところで、かくの如き本発明に従う感熱転写イ
ンクリボンは、例えば、図1に示されるように、フィル
ム状のリボン基材(支持体)11の一方の表面上にイン
ク層12が形成され、更にその上に、転写性調整層13
が所定厚さで形成されているのである。尚、リボン基材
11の前記インク層12の塗工面とは反対側の面には、
シリコーン樹脂のような耐熱性樹脂からなるスティッキ
ング防止層14が設けられることとなる。
【0010】そして、このような乾式転写剤製造用熱転
写インクリボン10において、そのインク層12を支持
するフィルム状のリボン基材11としては、従来から感
熱転写インクリボンの基材として用いられている各種の
ものがいずれも使用可能であるが、特に感熱転写のため
にインクリボンにはサーマルヘッド(印字装置)が接触
せしめられるものであることから、耐熱温度が150℃
以上の、ポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネー
ド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフ
ェニレンサルファイド等からなる樹脂フィルム、または
コンデンサ紙、グラシン紙等の紙が好適な材料として用
いられ、またその厚さとしても、材料の種類により適宜
に決定されることとなるが、一般に3〜20μmの範囲
の厚さのものを用いることが望ましい。
【0011】また、インク層12は、着色剤、バインダ
剤及び感圧接着剤を含んで主として構成されている。そ
して、着色剤としては、主としてカーボンブラック等の
顔料が使用されることとなるが、また色調調節のため
に、必要に応じて、適当な染料が加えられる場合があ
る。
【0012】そして、このインク層12を構成するバイ
ンダ剤としては、主として、キャンデリラワックス、カ
ルナバワックス、ライスワックス、木ろう等の植物系ワ
ックス;蜜ろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワック
ス;モンタンワックス、セレシン等の鉱物系ワックス;
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等
の石油ワックスの1種或は2種以上からなるワックス類
と、石油樹脂、ロジン系樹脂、ケトン樹脂、ポリアミド
樹脂、フェノール樹脂等の粘着附与剤とからなるもの
が、用いられるのである。但し、上記ワックスは、その
少なくとも80重量%以上が、55℃での針入度が50
以下であるワックスにて構成されることとなる。キャン
デリラワックスやカルバナワックスやパラフィン系ワッ
クスの一部等はこれに該当する。
【0013】尚、上記のワックス類としては、α−オレ
フィン−無水マレイン酸共重合体等の樹脂系ワックスも
使用可能であり、また粘着附与剤は、インクの密着性、
硬度向上、凝集力附与、粘着力附与及び感圧接着剤の粘
着附与の働きを為すものである。また、このバインダ剤
を構成するワックスと粘着附与剤とは、一般に、重量基
準で15:1〜3:2程度の割合において配合せしめら
れることとなる。
【0014】さらに、インク層12を構成する感圧接着
剤としては、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルエ
ーテル、ポリビニルアセタール、ポリイソブチレン等の
ビニル系高分子;エチルセルロース、ニトロセルロー
ス、酢酸セルロース等の繊維系高分子;塩化ゴム、天然
ゴム等のゴム系高分子の1種或は2種以上が組み合わせ
て用いられるのである。
【0015】尚、インク層12を構成する上記の着色剤
とバインダ剤と感圧接着剤とは、一般に5〜30:40
〜93:2〜30程度の割合において配合せしめられ、
好ましくは95℃の温度下において、3000センチポ
イズ未満、特に200〜1000センチポイズ程度の粘
度を与えるインク組成物とされることとなる。また、そ
のようなインク組成物、適当な溶媒に溶解若しくは分散
せしめられてインク液とされ、或は加熱混合によりイン
クとなして、目的とするフィルム状のリボン基材11上
に、公知の手法に従って塗工或いはホットメルト塗工せ
しめられることとなる。
【0016】一方、かかるインク層12上に形成され
る、トップコート層としての転写性調整層13は、かか
るインク層12よりも、粘度が高く(熱転写条件下にお
いて)且つ感熱接着性、硬度及び凝集力の大きな層とし
て構成されているところから、かかる転写性調整層13
は、感熱転写時には、その接着力が強くされていること
によって、ぬれ性の悪い表面への感熱転写性が向上さ
れ、そして凝集力、粘度、硬度が大きくされているため
に、潰れ、広がり等の転写不良が効果的に改善され、ま
た印字装置のヘッドによるインクの掻き寄せも良好に防
止せしめる働きを有しているのである。また、乾式転写
剤の基本シートの背後から圧力を加えて、感熱転写によ
り作製したインクの像(転写像)を被転写物に転写せし
める感圧転写時には、かかる転写性調整層13は、凝集
力、硬度が大きくされているために、基本シートから、
残留インクなく、一体となって、所定のインク像を転写
させることを可能ならしめ、そして転写したインクも広
がり、潰れのない美麗な像を得ることを可能としている
のであり、また同時に転写像を保護して強固なものとし
ているのである。
【0017】ところで、かくの如き転写性調整走13
は、膜形成性が大きく、感熱接着性の大きな樹脂、例え
ばエチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ア
イオノマー、アクリル系重合体、エチレンーエチルアク
リレート共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、塩
化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポ
リアミド、エチルセルロース等の1種或いは2種以上
と、凝集力が大きく、粘着附与性の樹脂、例えば石油樹
脂、ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、ケトン樹
脂、フェノール樹脂等の1種或いは2種以上の混合物と
から、主として構成されるものである。そして、かくの
如き感熱接着性の樹脂と粘着附与性の樹脂とは、前者の
1重量部に対して後者の0.5〜10重量部、好ましく
は0.8〜7重量部の割合において配合せしめられるこ
ととなる。
【0018】なお、かかる転写性調整層13を構成する
前記膜形成性の大きい感熱接着性の樹脂は、インク総1
2と非相溶か、相溶しても混じり難いものであって、イ
ンク層12の上に感熱接着性の大きな膜を形成するもの
であり、また他方の粘着附与性の樹脂は、上記膜形成性
の大きな樹脂とインク層12との接着性を良好にして、
凝集力、硬度、粘着性を増し、感熱転写性を調整するた
めに加えられるものである。
【0019】そして、かかる膜形成性の大きな感熱接着
性の樹脂と粘着附与性の樹脂とからなる組成物は、水溶
液若しくは水分散液の形態において、或いはインク層1
2を侵さないような汎用の有機溶剤の溶液乃至は分散液
の形態において、通常の塗工手法に従って、インク層1
2の上に所定厚さで塗工せしめられるものであるが、そ
のようにして形成される転写性調整層13は、感熱転写
条件下においてインク層12よりも粘度が高くされ、一
般に、95℃の温度下において3000センチポイズ以
上、好ましくは10000センチポイズ以上の粘度を有
する層とされるのである。
【0020】また、このようにして形成される転写性調
整層13には、更に、その膜強度を調節し、切れの良い
シャープな印字像を得るために、また汚れやブロッキン
グ防止のために、カオリン、タルク、ベントナイト、酸
化チタン等の充填剤や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸アルミニウム等の金属石鹸の如き有機若しくは無機の
粉末を、20重量%を越えない割合において配合せし
め、転写性調整層13内に存在せしめることも可能であ
る。更にまた、かかる転写性調整層13には、リボン蛇
行、スリップ等の無い良好なリボン走行性を得ると共
に、55℃の温度で保存してもブロッキング、巻き乱れ
の無い良好な保存性を得るために、フッ素系ポリマー、
シリコン系ポリマー等の高分子表面改質剤や高級アルコ
ール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、脂肪
酸、多価アルコール、モノアマイド、ビスアマイド、油
脂系ワックス等の滑剤を、10重量%を越えない割合に
おいて配合せしめ、転写性調整層13内に存在せしめる
ことも可能である。
【0021】そして、このようにして得られたインクリ
ボン10を用いて、それを、ヘッド発熱体形状、ヘッド
発熱体位置、ヘッド取付け角度、ヘッド押え圧力、巻取
りトルク、ヘッド印加工エネルギー、印字スピード等を
調節した熱転写型プリンタ等の印字装置にセットして、
印字、感熱転写せしめることにより、目的とする乾式転
写材が有利に製造されることとなるのである。
【0022】すなわち、このようなインクリボン10を
用いることにより、ぬれ性の悪い表面を有するフィルム
(基本シート)上へ、所望の文字や図形等の転写像を感
熱印字しても、広がり、潰れ、濃淡、ヘッドによる掻き
寄せ、糸引き、柚子肌、転写不足等の問題を何等惹起す
ることなく、良好な印字像を実現することが出来るので
ある。
【0023】また、このようにして印字された像を、フ
ィルム(基本シート)の裏側から圧力を加えて、目的と
する紙、プラスチックス、金属等の被転写物上に感圧転
写せしめても、かかるフィルム上には残留インクはな
く、更に転写した後も、潰れ、広がり、脆さのない、強
固に接着した良好な像を為す事が出来るのである。
【0024】そしてまた、このようなインクリボン10
を、55℃の状態下で24時間保存した場合にあって
も、ブロッキング、リボンスプールの巻き乱れ等の問題
は全く起こらないことが認められたのであり、更にリボ
ン走行性に関しても、リボンの蛇行、スリッブ等の問題
は全く無く、リボンの最後まで印字、熱転写することが
出来るのである。これらの現像は、インク層中のバイン
ダ剤の主成分であるワックスのうち、55℃での針入度
が50以下である組成のものが80重量%以上含まれて
いることにより、インク層の熱軟化温度が上昇はたこと
に依るものと思われる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような記載によって何等の制約をも受けるもの
でないことは、言うまでもないところである。
【0026】また、本発明には、以下の実施例の他に
も、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々
なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、
理解されるべきである。
【0027】尚、実施例中の針入度の値は、JIS−K
−2235に従う測定値である。
【0028】実施例1 インク層(12)及び転写性調整層(13)を形成する
ために、下記の如き組成のインク及び転写性調整層形成
溶塗工液をそれぞれ調製した。尚、このインクによって
形成されるインク層(12)の粘度は250センチポイ
ズ(95℃)であり、またかかる塗工液にて形成される
転写性調整層(13)の粘度は5万〜7万センチポイズ
(95℃)であった。また、インク層(12)中のバイ
ンダ剤の主成分であるワックスにおいて、55℃での針
入度50以下のワックスの割合は100重量%であっ
た。
【0029】 インク層(12)組成 重量部 α−オレフィン−無水マレイン酸 ・・・・・2 共重合体 [三菱化成工業(株)のダイヤカルナ30] 針入度(55℃):10以下 キャンデリラワックス ・・・・・3 [中京油脂(株)製のキャンデリラロウ2698] 針入度(55℃):約10 パラフィン系ワックス ・・・・・9 [日本精ろう(株)製のHNP−10] 針入度(55℃):約20 ロジンエステル ・・・・・2 [荒川化学工業(株)製のスーパーエステルA−100] エチレン−酢酸ビニル共重合体 ・・・・・2 [三井デュポンポリケミカル(株)製のEVA210] カーボンブラック ・・・・・2 [三菱化成工業(株)製のMA−7] メチルイソブチルケトン(溶剤) ・・・・・100 転写性調整層(13)組成 重量部 エチレン−酢酸ビニル共重合体 ・・・・・1 [三井デュポンポリケミカル(株)製のEVA210] 石油樹脂 ・・・・・5 [東邦石油樹脂(株)製のハイレジン#90] メチルイソブチルケトン(溶剤) ・・・・・54 そして、リボン基材(11)として3.5μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)・フィルムを用い、か
かるフィルム上に、上記組成のインクを乾燥膜厚:6〜
7μmとなるように塗工し、乾燥することにより、イン
ク層(12)を形成せしめた後、更にその上に、上記組
成の転写性調整層形成用塗工液を乾燥膜厚:1〜2μm
となるように塗工し、乾燥せしめることにより、目的と
するインクリボン(10)を得た。
【0030】次いで、かくして得られたインクリボンを
用いて、それを、調節された感熱転写型のタイプライタ
(ブラザー工業株式会社製EP−43)にセットせし
め、シリコーン樹脂を塗工したポリエチレンフィルム
(厚さ:100μm)上に印字したところ、充分に美麗
な且つ良好な品質の印字像を得ることが出来た。また、
そのような印字されたポリエチレンフィルムを、その裏
側から擦り、圧力を加えることにより、かかる印字像を
紙、プラスチックス或いは金属の所望の表面上へ感圧転
写せしめたところ、充分良好な品質の像を完成すること
が出来た。また、55℃の状態下で24時間の保存試験
を行ったが、巻乱れ等の問題は全く無かった。
【0031】実施例2 下記の如きインク層(12)組成及び転写性調整層(1
3)組成を与えるインク及び塗工液を用いて、実施例1
と同様にして、インクリボン(10)を作り、感熱転写
の実験を行った結果、美麗で良好な品質の印字像を得る
ことが出来、またそのような印字像を感圧転写により、
所望の被転写物上に良好な品質の像として転写せしめる
ことが出来た。また、リボン走行試験を行った結果、リ
ボン蛇行、スリップ等の問題も全く無く、更に、実施例
1と同様に55℃の状態下で24時間保存する保存試験
も行ったが、巻き乱れ等の問題は全く無かった。
【0032】尚、下記の如き組成のインクにて形成され
るインク層(12)の粘度は、500センチポイズ(9
5℃)であり、また下記の塗工液にて形成される転写性
調整層(13)の粘度は5万〜7万センチポイズ(95
℃)であった。また、インク層(12)中のバインダ剤
の主成分であるワックスにおいて、55℃での針入度が
50以下のワックスの割合は、92重量%であった。
【0033】 インク層(12)組成 重量部 パラフィン系ワックス ・・・・・4 [日本精ろう(株)製のHNP−14] 針入度(55℃):約20〜25 α−オレフィン−無水マレイン酸 ・・・・・5 共重合体 [三菱化成工業(株)のダイヤカルナ30] 針入度(55℃):10以下 キャンデリラワックス ・・・・・3 [中京油脂(株)製のキャンデリラロウ2698] 針入度(55℃):約10 マイクロクリスタリンワックス ・・・・・1 [日本精ろう(株)製のHNP−10] 針入度(55℃):約150 ロジンエステル ・・・・・2 [荒川化学工業(株)製のスーパーエステルA−100] エチレン−酢酸ビニル共重合体 ・・・・・2 [三井デュポンポリケミカル(株)製のEVA210] カーボンブラック ・・・・・2 [三菱化成工業(株)製のMA−7] メチルイソブチルケトン(溶剤) ・・・・・100 転写性調整層(13)組成 重量部 エチルセルロース ・・・・・1 [関東化学(株)製の試薬、10cps] 水添ロジン ・・・・・5 [荒川化学工業(株)製のハイペール] オレイン酸アマイド ・・・・・0.18 [花王(株)製のアマイド0] イソプロピルアルコール(溶媒) ・・・・・54 実施例3 インク層(12)を形成するためのインクとして、実施
例1と同一組成のものを用いる一方、転写性調整層形成
溶塗工液としては、下記の如き組成のものを用いて、実
施例1と同様にしてインクリボンを作り、感熱転写試
験、リボン保存試験、リボン走行試験及び感圧転写試験
を行った結果、実施例1或いは2と同様に良好な結果を
得た。尚、下記組成の塗工液にて形成された転写性調整
層(13)は、5万〜7万センチポイズ(95℃)の粘
度を有するものであった。
【0034】 転写性調整層(13)組成 重量部 ポリアミド ・・・・・1 [三和化学工業(株)製のサンマイド615A] ケトン樹脂 ・・・・・1 [荒川化学工業(株)製のケトンレジンK−90] 高分子表面改質剤 ・・・・・0.06 [日本油脂(株)製のデモイパーF−100] トルエン ・・・・・38 比較例1〜3 実施例1のインクを用いる一方、転写性調整層(13)
を形成しなかったインクリボン(比較例1)、実施例2
のインクを用いる一方、転写性調整層(13)を形成し
なかったインクリボン(比較例2)及び市販のワックス
タイプの熱転写インクリボン[富士化学紙工業株式会社
製](比較例3)を用いて、実施例1と同様の転写試験
を行ったところ、感熱転写性も感圧転写性も不充分であ
った。具体的には、感圧転写性に関しては、接着力不足
による転写性不足、凝集力、粘度、硬度不足による転写
印字の広がり、潰れや、ヘッドによる印字の掻き寄せ、
そして印字の濃淡、柚子肌等の問題が発生することが認
められた。また、感圧転写性に関しては、感圧接着力不
足による転写不足、固着力不足、凝集力や粘度、更には
硬度不足による最終転写印字像の潰れ、広がり、強度不
足、一体転写不良で、フィルム基本シート上への残留イ
ンクが認められる等の問題を発生した。
【0035】比較例4 実施例1におけるインク総のパラフィン系ワックスを蜜
ロウ[(株)加藤洋行製](針入度は、40℃で45〜
50、55℃で50超)に変えたインクリボンを用い
て、実施例1と同様の保存試験を行った。その結果、ブ
ロッキングしたり、巻きが乱れたりして、インクリボン
は使用不可能となった。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明に
係る感熱転写インクリボンは、リボン基材(支持体)上
に、着色剤とワックスを主成分とするバインダ剤と感圧
転写剤とを含むインク層が形成され、更にその上に転写
性製調整層が形成されてなるものであって、前記インク
層のバインダ剤中のワックスのうち、55℃での針入度
が50以下の組成のものが、80重量%以上含まれてい
ることにより、熱軟化温度が上昇し、やや高い温度環境
(55℃位)でもリボンスプールの巻き乱れが生じるこ
とはなく、良好な保存性が得られるのである。
【0037】また、そのトップコート層として感熱接着
性、硬度、粘度、凝集力の大きな転写性調整層を設ける
と共に、かかるインク層に感圧接着性を持たせることに
より、ぬれ性の悪いフィルム等の基本シート面への感熱
転写性が著しく良好となり、感熱転写により設けた印字
像の圧力による他物質への感圧転写性も有利に向上せし
められ得たのであり、似て優れた特性を有する乾式転写
材を有利に製造し得ることとなったところに、本発明の
大きな工業的意義が存かるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う乾式転写材製造用感熱転写インク
リボンの一例を示す断面説明図である。
【符号の説明】
10 感熱転写インクリボン 11 リボン基材 12 インク層 13 転写性調整層 14 スティッキング防止層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感熱転写方式により基材シート上に熱転
    写されたインク像を、その基材シート上のインク像が熱
    転写された面とは反対側の面から加圧することにより、
    任意の受容体に該インク像を再転写するための乾式転写
    材を製造する際に用いられる乾式転写材製造用感熱転写
    インクリボンであって、 所定のフィルム状リボン基材の表面に形成され、着色
    剤、ワックスを主成分とするバインダ剤及び感圧接着剤
    を含んで構成され、且つ前記バインダ剤中のワックスの
    80重量%以上が55℃での針入度50以下であるイン
    ク層と、 そのインク層上に形成され、エチレン−酢酸ビニル共重
    合体、ポリ酢酸ビニルアイオノマー、アクリル系重合
    体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン
    −アクリル酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
    体、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポ
    リビニルアルコール、ポリアミド、エチルセルロースか
    ら選ばれた一種または二種以上の感熱接着性の樹脂と、
    石油樹脂、ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、ケト
    ン樹脂、フェノール樹脂から選ばれた一種または二種以
    上の粘着附与性の樹脂と、カオリン、タルク、ベントナ
    イト酸化チタンから選ばれた一種または二種以上のブロ
    ッキング防止のための充填剤とを含んで構成される転写
    性調整層とからなることを特徴とする乾式転写材製造用
    感熱転写インクリボン。
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