JPH051397A - 溶融亜鉛系めつき鋼板上に鉄系電気めつき層を有する二層めつき鋼板の製造方法 - Google Patents
溶融亜鉛系めつき鋼板上に鉄系電気めつき層を有する二層めつき鋼板の製造方法Info
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- JPH051397A JPH051397A JP15182291A JP15182291A JPH051397A JP H051397 A JPH051397 A JP H051397A JP 15182291 A JP15182291 A JP 15182291A JP 15182291 A JP15182291 A JP 15182291A JP H051397 A JPH051397 A JP H051397A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 合金化溶融亜鉛めっき鋼板などの溶融亜鉛系
めっき鋼板の上層に鉄系電気めっきを施す際の電析効率
の向上およびFe3+濃度増大によるめっ液劣化の低減を
図った二層めっき鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 溶融亜鉛系めっき鋼板上に鉄系電気めっきを
施すにあたり、電導度助剤無添加、めっき浴温30〜6
0℃、電流密度100A/dm2 以上、液流速1m/s以下
の条件にすることにより、15〜25%の電析効率の向
上を達成する。 【効果】 溶融亜鉛めっき鋼板上の鉄系電気めっき層が
高電析効率で得られるという効果を奏する。そのため、
量産化においてラインスピードの向上が可能となり、さ
らに電力消費量が低減しコストを削減できる。また、浴
温を低下させ、液流速を遅くしたのでFe3+濃度増加が
軽減されて操業性が良くなるという効果を奏する。
めっき鋼板の上層に鉄系電気めっきを施す際の電析効率
の向上およびFe3+濃度増大によるめっ液劣化の低減を
図った二層めっき鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 溶融亜鉛系めっき鋼板上に鉄系電気めっきを
施すにあたり、電導度助剤無添加、めっき浴温30〜6
0℃、電流密度100A/dm2 以上、液流速1m/s以下
の条件にすることにより、15〜25%の電析効率の向
上を達成する。 【効果】 溶融亜鉛めっき鋼板上の鉄系電気めっき層が
高電析効率で得られるという効果を奏する。そのため、
量産化においてラインスピードの向上が可能となり、さ
らに電力消費量が低減しコストを削減できる。また、浴
温を低下させ、液流速を遅くしたのでFe3+濃度増加が
軽減されて操業性が良くなるという効果を奏する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融亜鉛系めっき鋼板
上に鉄系電気めっき層を有する二層めっき鋼板の製造方
法に関する。
上に鉄系電気めっき層を有する二層めっき鋼板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用鋼板は防錆性、防食
性、加工性、化成処理性、塗装性に優れためっき鋼板が
必要とされている。従来の表面処理鋼板としては、亜鉛
めっき鋼板に熱処理を施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板
がある。これは防錆性、防食性には優れているが、自動
車用鋼板として必要である化成処理層との密着性や、塗
装性、プレス成形時の加工性に劣る。そのため、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板上に、電気めっき法による薄くて均
一な鉄含有率の高い鉄−亜鉛合金めっき層を形成させる
方法が知られている(特公昭58−15554号参
照)。このめっき条件としては、特開昭58−5249
2号、特開昭60−149794号などがある。
性、加工性、化成処理性、塗装性に優れためっき鋼板が
必要とされている。従来の表面処理鋼板としては、亜鉛
めっき鋼板に熱処理を施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板
がある。これは防錆性、防食性には優れているが、自動
車用鋼板として必要である化成処理層との密着性や、塗
装性、プレス成形時の加工性に劣る。そのため、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板上に、電気めっき法による薄くて均
一な鉄含有率の高い鉄−亜鉛合金めっき層を形成させる
方法が知られている(特公昭58−15554号参
照)。このめっき条件としては、特開昭58−5249
2号、特開昭60−149794号などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術において、電
気亜鉛−鉄めっき、電気亜鉛−ニッケルめっきなどの電
気めっきによる亜鉛系めっき鋼板の上層に鉄系めっきを
施す場合においては、効率よくめっき層が得られること
が知られている。ところが、溶融亜鉛系めっき、とりわ
け合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に鉄系めっきを行った場
合には、他の鋼板上に比べ電析効率が大幅に低下するこ
とを知見した。そのため、連続めっきラインで鉄系めっ
きが律速となり生産性が低下した。さらに電析効率が低
いため多大な投入電流量が必要となり、鉄系電気めっき
の電力コストが高くなっていた。そこで、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板上の鉄系めっきにおける電析効率の向上が
必要となっている。
気亜鉛−鉄めっき、電気亜鉛−ニッケルめっきなどの電
気めっきによる亜鉛系めっき鋼板の上層に鉄系めっきを
施す場合においては、効率よくめっき層が得られること
が知られている。ところが、溶融亜鉛系めっき、とりわ
け合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に鉄系めっきを行った場
合には、他の鋼板上に比べ電析効率が大幅に低下するこ
とを知見した。そのため、連続めっきラインで鉄系めっ
きが律速となり生産性が低下した。さらに電析効率が低
いため多大な投入電流量が必要となり、鉄系電気めっき
の電力コストが高くなっていた。そこで、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板上の鉄系めっきにおける電析効率の向上が
必要となっている。
【0004】また、鉄系めっきではFe2+が空気による
酸化およびアノードでの酸化でFe 3+になるため、Fe
3+濃度が過大になりめっき液の劣化がおきやすい。従来
技術では、Fe3+の増加量が多いためスラッジの発生に
よるフィルターの目づまり、めっき外観への悪影響、め
っき密着性不良などの問題が生じていた。そのため、F
e2+からFe3+への酸化速度を低減し、めっき液の劣化
を抑制することが必要である。
酸化およびアノードでの酸化でFe 3+になるため、Fe
3+濃度が過大になりめっき液の劣化がおきやすい。従来
技術では、Fe3+の増加量が多いためスラッジの発生に
よるフィルターの目づまり、めっき外観への悪影響、め
っき密着性不良などの問題が生じていた。そのため、F
e2+からFe3+への酸化速度を低減し、めっき液の劣化
を抑制することが必要である。
【0005】本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板など
の溶融亜鉛系めっき鋼板の上層に鉄系電気めっきを施す
際の電析効率の向上およびFe3+濃度増大によるめっ液
劣化の低減を図った二層めっき鋼板の製造方法を提供す
ることを目的とする。
の溶融亜鉛系めっき鋼板の上層に鉄系電気めっきを施す
際の電析効率の向上およびFe3+濃度増大によるめっ液
劣化の低減を図った二層めっき鋼板の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】従来の鋼板の連続電気め
っきラインにおいては、アルカリ金属やアルカリ土類金
属などの電導度助剤を添加しためっき浴が使用されてい
る。電導度助剤はめっき浴の電気電導度を上昇させるこ
とにより、通電時の電気抵抗を低下させる効果がある。
そのため、電圧は低くなり電力コストも安くなる。通常
の電気Znめっきや電気Zn−Niめっきでは、Na2
SO4 や(NH4 )2 SO4 などの電導度助剤が添加さ
れているが電析効率にほとんど影響は見られない。とこ
ろが、溶融亜鉛系めっき鋼板、とりわけ合金化溶融亜鉛
めっき鋼板上への鉄系電気めっきの場合には、電導度助
剤を添加すると電導度は上昇するが、電析効率が著しく
低下することを新たに見いだした。
っきラインにおいては、アルカリ金属やアルカリ土類金
属などの電導度助剤を添加しためっき浴が使用されてい
る。電導度助剤はめっき浴の電気電導度を上昇させるこ
とにより、通電時の電気抵抗を低下させる効果がある。
そのため、電圧は低くなり電力コストも安くなる。通常
の電気Znめっきや電気Zn−Niめっきでは、Na2
SO4 や(NH4 )2 SO4 などの電導度助剤が添加さ
れているが電析効率にほとんど影響は見られない。とこ
ろが、溶融亜鉛系めっき鋼板、とりわけ合金化溶融亜鉛
めっき鋼板上への鉄系電気めっきの場合には、電導度助
剤を添加すると電導度は上昇するが、電析効率が著しく
低下することを新たに見いだした。
【0007】また、従来の電気めっきにおいては、浴温
は、高い方が電析効率は高くなる傾向にあることが知ら
れている。これは、浴温の高いほうがイオンの拡散が速
くなるため、金属イオンの拡散律速の影響が小さくなる
ためと考えられる。ところが、溶融亜鉛系めっき鋼板上
の鉄系めっきの場合には浴温を高くすると電析効率は低
下し、反対に浴温が低い方が電析効率が向上することを
新たに見いだした。この理由は明らかではないが、鉄の
電析は金属イオンの拡散律速をうけるのではなく、陰極
界面pHの上昇により鉄の水酸化物が生成吸着し、鉄水
酸化物から鉄が電析すると考えられるためである。
は、高い方が電析効率は高くなる傾向にあることが知ら
れている。これは、浴温の高いほうがイオンの拡散が速
くなるため、金属イオンの拡散律速の影響が小さくなる
ためと考えられる。ところが、溶融亜鉛系めっき鋼板上
の鉄系めっきの場合には浴温を高くすると電析効率は低
下し、反対に浴温が低い方が電析効率が向上することを
新たに見いだした。この理由は明らかではないが、鉄の
電析は金属イオンの拡散律速をうけるのではなく、陰極
界面pHの上昇により鉄の水酸化物が生成吸着し、鉄水
酸化物から鉄が電析すると考えられるためである。
【0008】すなわち、上記目的を達成するために本発
明によれば、溶融亜鉛系めっき鋼板上に鉄系電気めっき
を施すに際し、鉄系電気めっき浴中に、電導度助剤を添
加することなくめっき浴温30〜60℃、電流密度10
0A/dm2 以上、液流速1m/sec 以下の条件下で不溶性陽
極を用い、前記溶融亜鉛系めっき鋼板上に電気めっきす
ることを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板上に鉄系電気
めっき層を有する二層めっき鋼板の製造方法が提供され
る。
明によれば、溶融亜鉛系めっき鋼板上に鉄系電気めっき
を施すに際し、鉄系電気めっき浴中に、電導度助剤を添
加することなくめっき浴温30〜60℃、電流密度10
0A/dm2 以上、液流速1m/sec 以下の条件下で不溶性陽
極を用い、前記溶融亜鉛系めっき鋼板上に電気めっきす
ることを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板上に鉄系電気
めっき層を有する二層めっき鋼板の製造方法が提供され
る。
【0009】ここで前記鉄系電気めっき浴は、硫酸塩浴
であって、Fe2+イオン濃度70g/l以上溶解限界以
下、めっき金属イオン重量比Zn2+/Fe2+0.1以
下、Fe3+濃度7g/l未満、pH1.8〜2.2であ
るのが好ましい。
であって、Fe2+イオン濃度70g/l以上溶解限界以
下、めっき金属イオン重量比Zn2+/Fe2+0.1以
下、Fe3+濃度7g/l未満、pH1.8〜2.2であ
るのが好ましい。
【0010】また、前記鉄系電気めっき浴は、硫酸塩浴
であって、Fe2+イオン濃度70g/l以上溶解限界以
下、全りん濃度0.5g/l以下、Fe3+濃度7g/l
未満、pH1.8〜2.2である請求項のが好ましい。
であって、Fe2+イオン濃度70g/l以上溶解限界以
下、全りん濃度0.5g/l以下、Fe3+濃度7g/l
未満、pH1.8〜2.2である請求項のが好ましい。
【0011】また、前記鉄系電気めっき浴は、硫酸塩浴
であって、金属イオン濃度70g/l以上溶解限界以
下、めっき金属イオン重量比Zn2+/Fe2+0.1以
下、全りん濃度0.5g/l以下、Fe3+濃度7g/l
未満、pH1.8〜2.2であるのが好ましい。
であって、金属イオン濃度70g/l以上溶解限界以
下、めっき金属イオン重量比Zn2+/Fe2+0.1以
下、全りん濃度0.5g/l以下、Fe3+濃度7g/l
未満、pH1.8〜2.2であるのが好ましい。
【0012】また、前記溶融亜鉛系めっき鋼板上の鉄系
電気めっきの付着量は、1〜5g/m2であるのが好まし
い。
電気めっきの付着量は、1〜5g/m2であるのが好まし
い。
【0013】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】本発明において溶融亜鉛系めっき鋼板は、
溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、5%アルミ亜
鉛めっき、55%アルミ亜鉛めっきを代表的に挙げるこ
とができ、特に合金化溶融亜鉛めっき鋼板において著し
い効果が得られ、これを含む。本発明において溶融亜鉛
系めっき鋼板上に施す鉄系電気めっき層の種類としては
Fe−Zn、Fe−P、Fe−Zn−Pめっき等を挙げ
ることができる。これらのめっき層の組成は、それぞれ
Fe−Znめっきの場合Fe含有率70wt%以上100
wt%未満、Fe−Pの場合P含有率0.01〜1wt%の
範囲が好ましく、上記範囲より少ない、あるいは超える
とりん酸塩化成処理性やカチオン電着塗装性が劣化す
る。本発明において溶融亜鉛系めっき鋼板上に施す鉄系
電気めっきの付着量は1〜5g/m2が好ましく、上記範囲
より少ない場合はりん酸化成処理性やカチオン電着塗装
性は劣化し、上記範囲を超えると、さらに耐ブリスター
性も劣化する。本発明では、前記鉄系電気めっき浴中
に、従来の電気めっきでは当然添加されていたアルカリ
金属塩などの電導度助剤を敢えて添加しないことが重要
である。本発明においてめっき浴温は、30〜60℃と
する。めっき浴温を30℃未満で定温制御するのは困難
であり、かつめっき密着性や外観などに悪影響が生じる
ので好ましくない。また、60℃以上では電析効率は低
くなるので適さない。また、高浴温であるとFe2+の空
気酸化速度も加速され、めっき密着性や操業性に悪影響
を与えるFe3+が急速に増加する。そこで、電析効率と
Fe2+空気酸化速度の観点から、30〜60℃でめっき
を行うことが重要となる。40〜55℃がより好まし
い。
溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、5%アルミ亜
鉛めっき、55%アルミ亜鉛めっきを代表的に挙げるこ
とができ、特に合金化溶融亜鉛めっき鋼板において著し
い効果が得られ、これを含む。本発明において溶融亜鉛
系めっき鋼板上に施す鉄系電気めっき層の種類としては
Fe−Zn、Fe−P、Fe−Zn−Pめっき等を挙げ
ることができる。これらのめっき層の組成は、それぞれ
Fe−Znめっきの場合Fe含有率70wt%以上100
wt%未満、Fe−Pの場合P含有率0.01〜1wt%の
範囲が好ましく、上記範囲より少ない、あるいは超える
とりん酸塩化成処理性やカチオン電着塗装性が劣化す
る。本発明において溶融亜鉛系めっき鋼板上に施す鉄系
電気めっきの付着量は1〜5g/m2が好ましく、上記範囲
より少ない場合はりん酸化成処理性やカチオン電着塗装
性は劣化し、上記範囲を超えると、さらに耐ブリスター
性も劣化する。本発明では、前記鉄系電気めっき浴中
に、従来の電気めっきでは当然添加されていたアルカリ
金属塩などの電導度助剤を敢えて添加しないことが重要
である。本発明においてめっき浴温は、30〜60℃と
する。めっき浴温を30℃未満で定温制御するのは困難
であり、かつめっき密着性や外観などに悪影響が生じる
ので好ましくない。また、60℃以上では電析効率は低
くなるので適さない。また、高浴温であるとFe2+の空
気酸化速度も加速され、めっき密着性や操業性に悪影響
を与えるFe3+が急速に増加する。そこで、電析効率と
Fe2+空気酸化速度の観点から、30〜60℃でめっき
を行うことが重要となる。40〜55℃がより好まし
い。
【0015】電気めっきは、一般に電流密度の低い方が
高電析効率となることが知られている。これは、電流密
度が高くなると金属イオンの供給が不足し、限界電流密
度に近づき、水素が発生しやすくなるためと考えられ
る。ところが、溶融亜鉛系めっき鋼板、とりわけ合金化
溶融亜鉛めっき鋼板上の鉄系めっきの場合、電流密度を
低くするとかえって電析効率は低下し、むしろ高電流密
度化することにより著しく電析効率が向上することを見
いだした。本発明では、特に電流密度を100A/dm2 以
上に高くすることにより高電析効率でめっき層が得られ
ることがわかった。電流密度100A/dm2 未満では、他
の鋼板と異なり溶融亜鉛系めっき鋼板、とりわけ合金化
溶融亜鉛めっき鋼板上の鉄系電気めっきの電析効率は低
く、かつ変動が大きく、安定しない。よって、電流密度
は100A/dm2 以上が必要である。さらに好ましくは1
25A/dm2 以上がよい。通常、連続めっきラインでの電
気めっきは高いめっき液流速のもとで行っている。これ
は、金属イオンの供給を活発にすることにより、拡散限
界の影響を少なくし電析効率を向上させる効果がある。
ところが、溶融亜鉛めっき鋼板上の鉄系めっきでは、流
速を速くすれば電析効率は低下し、流速を遅くすること
により電析効率が向上することを新たに見いだした。こ
れは、浴温の場合と同様に、陰極界面pHの上昇によっ
てFeの水酸化物が生成吸着し、それによりFeが電析
しているためと思われる。液流速は1m/sec 以上になる
と電析効率は低い。また、液流速に比例して空気酸化速
度も速くなりFe3+濃度が急速に増大するため、液流速
は1m/sec 以下とする。
高電析効率となることが知られている。これは、電流密
度が高くなると金属イオンの供給が不足し、限界電流密
度に近づき、水素が発生しやすくなるためと考えられ
る。ところが、溶融亜鉛系めっき鋼板、とりわけ合金化
溶融亜鉛めっき鋼板上の鉄系めっきの場合、電流密度を
低くするとかえって電析効率は低下し、むしろ高電流密
度化することにより著しく電析効率が向上することを見
いだした。本発明では、特に電流密度を100A/dm2 以
上に高くすることにより高電析効率でめっき層が得られ
ることがわかった。電流密度100A/dm2 未満では、他
の鋼板と異なり溶融亜鉛系めっき鋼板、とりわけ合金化
溶融亜鉛めっき鋼板上の鉄系電気めっきの電析効率は低
く、かつ変動が大きく、安定しない。よって、電流密度
は100A/dm2 以上が必要である。さらに好ましくは1
25A/dm2 以上がよい。通常、連続めっきラインでの電
気めっきは高いめっき液流速のもとで行っている。これ
は、金属イオンの供給を活発にすることにより、拡散限
界の影響を少なくし電析効率を向上させる効果がある。
ところが、溶融亜鉛めっき鋼板上の鉄系めっきでは、流
速を速くすれば電析効率は低下し、流速を遅くすること
により電析効率が向上することを新たに見いだした。こ
れは、浴温の場合と同様に、陰極界面pHの上昇によっ
てFeの水酸化物が生成吸着し、それによりFeが電析
しているためと思われる。液流速は1m/sec 以上になる
と電析効率は低い。また、液流速に比例して空気酸化速
度も速くなりFe3+濃度が急速に増大するため、液流速
は1m/sec 以下とする。
【0016】水溶液中からの金属の電析は、常に水素発
生との競争反応であるため、金属イオンの絶対量が少な
ければ、電析効率も低いと考えられる。実験の結果、め
っき液中の金属イオン濃度を高くすることにより電析効
率は向上することがわかった。Fe2+イオン70g/l
未満では電析効率は低いため、Fe2+イオン濃度は70
g/l以上溶解限界以下、好ましくは80g/l以上溶
解限界以下とするのがよい。ただし、めっき鋼板の加工
性、化成処理性、塗装性などの品質を確保するためZn
含有率、P含有率を保つ必要がある。上述したようにF
e−ZnめっきにおけるFe含有率は70wt%以上10
0wt%未満とし、Fe−PめっきにおいてはP含有率を
0.01〜1wt%とするのが好ましい。よって、Fe−
Znめっきでは金属イオン重量比として、Zn2+/Fe
2+は0.1以下とし、Fe−Pめっきでは全P濃度は
0.5g/l以下とするのが好ましい。同様の理由によ
りFe−Zn−Pめっきでは金属イオン重量比として、
Zn2+/Fe2+は0.1以下、全P濃度は0.5g/l
以下とするのが好ましい。
生との競争反応であるため、金属イオンの絶対量が少な
ければ、電析効率も低いと考えられる。実験の結果、め
っき液中の金属イオン濃度を高くすることにより電析効
率は向上することがわかった。Fe2+イオン70g/l
未満では電析効率は低いため、Fe2+イオン濃度は70
g/l以上溶解限界以下、好ましくは80g/l以上溶
解限界以下とするのがよい。ただし、めっき鋼板の加工
性、化成処理性、塗装性などの品質を確保するためZn
含有率、P含有率を保つ必要がある。上述したようにF
e−ZnめっきにおけるFe含有率は70wt%以上10
0wt%未満とし、Fe−PめっきにおいてはP含有率を
0.01〜1wt%とするのが好ましい。よって、Fe−
Znめっきでは金属イオン重量比として、Zn2+/Fe
2+は0.1以下とし、Fe−Pめっきでは全P濃度は
0.5g/l以下とするのが好ましい。同様の理由によ
りFe−Zn−Pめっきでは金属イオン重量比として、
Zn2+/Fe2+は0.1以下、全P濃度は0.5g/l
以下とするのが好ましい。
【0017】Fe3+は、空気酸化やアノード酸化により
生成すため、若干の発生は防げない。従来は、Fe2+濃
度が高くなるとめっき液にスラッジが生成し操業の妨げ
となることが知られていた。しかし、今回スラッジの生
成に加え、Fe3+濃度の増大により電析効率は低下する
ことを見いだした。また、Fe3+濃度が7g/lを超え
ると、めっき密着性とめっき外観に悪影響を与え、スラ
ッジも発生しやすくなるため操業上好ましくない。その
ため、7g/l以下に制御するのが好ましい。通常のめ
っきでは、元来電析効率が高いため、pHの電析効率に
及ぼす影響は小さい。しかし、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板上の鉄系めっきでは、いままで見られなかったpH依
存性があることがわかった。そのため、pHを高くする
ことにより大きく電析効率は向上することを見いだし
た。pH1.8未満では電析効率は70%程度に留まっ
ている。pH2.2を超える場合には、スラッジが生じ
やすいため好ましくない。従って、pH1.8〜2.2
に保つことが好ましい。
生成すため、若干の発生は防げない。従来は、Fe2+濃
度が高くなるとめっき液にスラッジが生成し操業の妨げ
となることが知られていた。しかし、今回スラッジの生
成に加え、Fe3+濃度の増大により電析効率は低下する
ことを見いだした。また、Fe3+濃度が7g/lを超え
ると、めっき密着性とめっき外観に悪影響を与え、スラ
ッジも発生しやすくなるため操業上好ましくない。その
ため、7g/l以下に制御するのが好ましい。通常のめ
っきでは、元来電析効率が高いため、pHの電析効率に
及ぼす影響は小さい。しかし、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板上の鉄系めっきでは、いままで見られなかったpH依
存性があることがわかった。そのため、pHを高くする
ことにより大きく電析効率は向上することを見いだし
た。pH1.8未満では電析効率は70%程度に留まっ
ている。pH2.2を超える場合には、スラッジが生じ
やすいため好ましくない。従って、pH1.8〜2.2
に保つことが好ましい。
【0018】以上の条件に基づき、溶融亜鉛系めっき鋼
板上に鉄系電気めっきを行うことにより、電析効率は従
来方法に比べ15〜25%の向上が達成される。また、
浴温を下げることと液流速を遅くすることにより、Fe
3+の増加量は従来に比べ減少し操業は安定する。また、
上記のめっき方法を用いれば、Fe−Zn、Fe−P、
Fe−Zn−P等のめっき組成は安定し品質も確保され
る。
板上に鉄系電気めっきを行うことにより、電析効率は従
来方法に比べ15〜25%の向上が達成される。また、
浴温を下げることと液流速を遅くすることにより、Fe
3+の増加量は従来に比べ減少し操業は安定する。また、
上記のめっき方法を用いれば、Fe−Zn、Fe−P、
Fe−Zn−P等のめっき組成は安定し品質も確保され
る。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
する。
【0020】(実施例1〜13)100×175mmの
合金化溶融亜鉛めっき鋼板(めっき厚60g/m2、合金化
度9%)上にFe−Znめっきを施した。めっき浴組成
は下記比較例1の組成のものを調整した。なお、金属イ
オン濃度は、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄および硫酸亜鉛を
用いて調整した。Fe2+イオン重量比はZn2+/Fe2+
0.07とした。比較例1、3、4、7、8、12、1
3、16および17には電導度助剤として硫酸ナトリウ
ムを用いた。実施例1〜13および比較例1〜18の各
条件と結果を表1に示す。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板(めっき厚60g/m2、合金化
度9%)上にFe−Znめっきを施した。めっき浴組成
は下記比較例1の組成のものを調整した。なお、金属イ
オン濃度は、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄および硫酸亜鉛を
用いて調整した。Fe2+イオン重量比はZn2+/Fe2+
0.07とした。比較例1、3、4、7、8、12、1
3、16および17には電導度助剤として硫酸ナトリウ
ムを用いた。実施例1〜13および比較例1〜18の各
条件と結果を表1に示す。
【0021】めっき浴組成(比較例1)
FeSO4 ・7H2 O 350g/l
ZnSO4 ・7H2 O 23g/l
Fe2 (SO4 )3 ・xH2 O 15g/l
Na2 SO4 15g/l
【0022】(実施例14〜22)100×175mm
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(めっき厚60g/m2、合金
化度9%)上にFe−Pめっきを施した。めっき浴組成
は下記比較例19の組成のものを調整した。なお、金属
イオン濃度は、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、次亜りん酸を
用いて調整した。全P濃度は0.1〜0.15g/lと
した。比較例19、21、22、25、26、29、3
2および33には電導度助剤として硫酸ナトリウムを用
いた。実施例14〜22および比較例19〜34の各条
件と結果を表2に示す。
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(めっき厚60g/m2、合金
化度9%)上にFe−Pめっきを施した。めっき浴組成
は下記比較例19の組成のものを調整した。なお、金属
イオン濃度は、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、次亜りん酸を
用いて調整した。全P濃度は0.1〜0.15g/lと
した。比較例19、21、22、25、26、29、3
2および33には電導度助剤として硫酸ナトリウムを用
いた。実施例14〜22および比較例19〜34の各条
件と結果を表2に示す。
【0023】めっき浴組成(比較例19)
FeSO4 ・7H2 O 350g/l
NaH2 PO2 ・H2 O 0.4g/l
Fe2 (SO4 )3 ・xH2 O 15g/l
Na2 SO4 15g/l
【0024】(実施例23〜33)100×175mm
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(めっき厚60g/m2、合金
化度9%)上にFe−Zn−Pめっきを施した。めっき
浴組成は下記比較例35の組成のものを調整した。な
お、金属イオン濃度は、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硫酸
亜鉛および次亜りん酸を用いて調整した。Fe2+イオン
重量比はZn2+/Fe 2+0.07とし、全P濃度は0.
1〜0.15g/lとした。比較例35、37、38、
41、42、45、48には電導度助剤として硫酸ナト
リウムを用いた。実施例23〜33および比較例35〜
49の各条件と結果を表3に示す。
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(めっき厚60g/m2、合金
化度9%)上にFe−Zn−Pめっきを施した。めっき
浴組成は下記比較例35の組成のものを調整した。な
お、金属イオン濃度は、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硫酸
亜鉛および次亜りん酸を用いて調整した。Fe2+イオン
重量比はZn2+/Fe 2+0.07とし、全P濃度は0.
1〜0.15g/lとした。比較例35、37、38、
41、42、45、48には電導度助剤として硫酸ナト
リウムを用いた。実施例23〜33および比較例35〜
49の各条件と結果を表3に示す。
【0025】めっき浴組成(比較例35)
FeSO4 ・7H2 O 350g/l
ZnSO4 ・7H2 O 23g/l
NaH2 PO2 ・H2 O 0.4g/l
Fe2 (SO4 )3 ・xH2 O 15g/l
Na2 SO4 15g/l
【0026】表1〜3より電導度助剤無添加、低浴温、
高電流密度、低流速で電析効率が良好な結果となってい
ることがわかる。なお、そのときのFe2+イオン濃度は
70g/l以上、Fe3+濃度7g/l以下、pH1.8
〜2.2とした。
高電流密度、低流速で電析効率が良好な結果となってい
ることがわかる。なお、そのときのFe2+イオン濃度は
70g/l以上、Fe3+濃度7g/l以下、pH1.8
〜2.2とした。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、電導度助剤無添加、低浴温、高電流密度、低
流速でめっきするようにしたので、溶融亜鉛めっき鋼板
上の鉄系電気めっき層が高電析効率で得られるという効
果を奏する。そのため、量産化においてラインスピード
の向上が可能となり、さらに電力消費量が低減しコスト
を削減できる。また、浴温を低下させ、液流速を遅くし
たのでFe3+濃度増加が軽減されて操業性が良くなると
いう効果を奏する。
いるので、電導度助剤無添加、低浴温、高電流密度、低
流速でめっきするようにしたので、溶融亜鉛めっき鋼板
上の鉄系電気めっき層が高電析効率で得られるという効
果を奏する。そのため、量産化においてラインスピード
の向上が可能となり、さらに電力消費量が低減しコスト
を削減できる。また、浴温を低下させ、液流速を遅くし
たのでFe3+濃度増加が軽減されて操業性が良くなると
いう効果を奏する。
フロントページの続き
(72)発明者 安 田 顕
千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式
会社技術研究本部内
(72)発明者 大 和 康 二
千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式
会社技術研究本部内
Claims (5)
- 【請求項1】 溶融亜鉛系めっき鋼板上に鉄系電気めっ
きを施すに際し、鉄系電気めっき浴中に、電導度助剤を
添加することなくめっき浴温30〜60℃、電流密度1
00A/dm2 以上、液流速1m/sec 以下の条件下で不溶性
陽極を用い、前記溶融亜鉛系めっき鋼板上に電気めっき
することを特徴とする溶融亜鉛系めっき鋼板上に鉄系電
気めっき層を有する二層めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 前記鉄系電気めっき浴は、硫酸塩浴であ
って、Fe2+イオン濃度70g/l以上溶解限界以下、
めっき金属イオン重量比Zn2+/Fe2+0.1以下、F
e3+濃度7g/l未満、pH1.8〜2.2である請求
項1に記載の溶融亜鉛系めっき鋼板上に鉄系電気めっき
層を有する二層めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 前記鉄系電気めっき浴は、硫酸塩浴であ
って、Fe2+イオン濃度70g/l以上溶解限界以下、
全りん濃度0.5g/l以下、Fe3+濃度7g/l未
満、pH1.8〜2.2である請求項1に記載の溶融亜
鉛系めっき鋼板上に鉄系電気めっき層を有する二層めっ
き鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 前記鉄系電気めっき浴は、硫酸塩浴であ
って、Fe2+イオン濃度70g/l以上溶解限界以下、
めっき金属イオン重量比Zn2+/Fe2+0.1以下、全
りん濃度0.5g/l以下、Fe3+濃度7g/l未満、
pH1.8〜2.2である請求項1に記載の溶融亜鉛系
めっき鋼板上に鉄系電気めっき層を有する二層めっき鋼
板の製造方法。 - 【請求項5】 前記溶融亜鉛系めっき鋼板上の鉄系電気
めっきの付着量は、1〜5g/m2である請求項1〜4のい
ずれかに記載の溶融亜鉛系めっき鋼板上に鉄系電気めっ
き層を有する二層めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15182291A JPH051397A (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 溶融亜鉛系めつき鋼板上に鉄系電気めつき層を有する二層めつき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15182291A JPH051397A (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 溶融亜鉛系めつき鋼板上に鉄系電気めつき層を有する二層めつき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH051397A true JPH051397A (ja) | 1993-01-08 |
Family
ID=15527076
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15182291A Withdrawn JPH051397A (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 溶融亜鉛系めつき鋼板上に鉄系電気めつき層を有する二層めつき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH051397A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7384251B2 (en) | 2003-07-17 | 2008-06-10 | Yamada Manufacturing Co., Ltd. | Trochoidal oil pump |
-
1991
- 1991-06-24 JP JP15182291A patent/JPH051397A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7384251B2 (en) | 2003-07-17 | 2008-06-10 | Yamada Manufacturing Co., Ltd. | Trochoidal oil pump |
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|---|---|---|---|
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