JPH05150777A - 電子弦楽器 - Google Patents

電子弦楽器

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JPH05150777A
JPH05150777A JP4121097A JP12109792A JPH05150777A JP H05150777 A JPH05150777 A JP H05150777A JP 4121097 A JP4121097 A JP 4121097A JP 12109792 A JP12109792 A JP 12109792A JP H05150777 A JPH05150777 A JP H05150777A
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musical
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mute
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JP4121097A
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Yoshiyuki Murata
嘉行 村田
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 演奏者の意図したタイミングで、伝統的な弦
楽器における消音操作と同様な操作(弦を弾弦操作した
直後に、弦の基端側を指で抑えることにより、発生中の
楽音を急速に消音させる操作)を用いて、発生中の楽音
を急速に消音させることができることを目的とする。 【構成】 張設されている弦4の振動が弦トリガーピッ
クアップTPUにより検出されると、これに応答して、
楽音の発生開始がCPUにより指示されるが、このCP
Uの指示に従って楽音が発生している途中において、前
記弦4の一部に設けられたタッチ操作検出用の導電性コ
イルスプリング23により演奏者によるタッチ操作があ
ったことが検出されると、これに応答して、現在発生中
の楽音をCPUにより消音させるように制御する構成と
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は電子弦楽器(例えばギター
シンセサイザ)に関する。
【0002】
【発明の背景】全体がギター形状を成し、その胴部に複
数の弦を張設し、各弦に関連して、弦のトリガー(弦操
作の開始)を感知する弦トリガースイッチを設け、ネッ
クのフィンガーボード上に上記各弦に対するフレット操
作位置を感知するフレット状態感知手段(例えば、フィ
ンガーボード上にマトリクス状に配設された多数のオン
オフタイプのフレットスイッチ、あるいは、タブレット
による座標検出タイプまたは各弦ごとの抵抗値検出タイ
プのフレットスイッチ、あるいはフィンガーボード上に
導電性の弦を張って、弦に電流を流し、各弦押下位置に
フレット接点を設けたタイプのフレットスイッチなど)
を配設した構造を有する電子弦楽器は知られ、あるいは
提案されている(例えば米国特許第4,336,734号、本件
出願人の提案に係る実開昭63−118096号、また
は特公表昭60−501276号)。しかし、この種の
電子弦楽器にあっては、楽器本体からの操作入力等に対
して、音源をどのように制御するかについては、ほとん
ど配慮されておらず、わずかに弦トリガー検出スイッチ
からの弾弦もしくはピッキング検出信号に応答して、音
源からそのときのフレット操作位置信号に対応する音高
で楽音が、決められた通り発生するのに留まっている。
したがって、この種の電子弦楽器における新しい技術課
題として新規な楽音制御技術の確立がまたれている。目
下のところ、この種の電子弦楽器の場合、ある限界を越
えて自然弦楽器における演奏形態(奏法及び演奏効果)
をシミュレートすることは非常に困難であり、その1つ
として、異なる態様で楽音を消音する問題が挙げられ
る。すなわち、ア コースティックギター等の自然弦楽
器においては、右手の指や左手の指による弦への操作の
しかた(例えば指の腹で振動している弦に触れる、手の
平を使って振動している弦に触れるなど)によって、弦
の振動の減衰の程度や、一つの弦だけ振動を止めるかす
べての弦の振動を一度に止めるかなどを区別して演奏す
ることができる。しかし、これを、電子的に完全にシミ
ュレートすることは至難であり、仮に、弦振動を比較的
忠実に電子的信号に変換するセンサーが得られるにして
も、さらにそのセンサー出力を解析する装置の能力とし
て、弦振動自身(信号源自体)に含まれるもろもろのス
プリアス成分による影響を排除しつつ、最終的に楽音に
反映されるべき弦振動の挙動をリアルタイムで正確に追
跡でき、弦振動の減衰の態様を区別(例えば減衰のパタ
ーンマッチングなどにより)できる能力を要する。した
がって、実現可能になるにしても非常に高価になると予
想される。
【0003】
【発明の目的】以上の点からして、伝統的な弦楽音(特
にギター風の弦楽器)における様々な消音態様をもたら
す演奏形態の完全な電子的シミュレーションについては
妥協しつつも、比較的簡単な構成で、発音中の楽音を、
演奏者の意図に合わた消音態様で楽音の消音ができるよ
うにすることである。
【0004】
【発明の要点】この発明は上記の目的を達成するため、
張設された弦の一部にもうけられたタッチ操作検出手段
に対するタッチ操作に応答して、発音中のすべての楽音
またはタッチ操作に係る弦に対応した楽音を消音するよ
うに制御する制御手段を有することを要点とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成を備えているこ
とを要点とする。まず、請求項1記載の発明は、張設さ
れている弦の振動を検出する弦振動検出手段と、この弦
振動検出手段により弦振動が検出されると、これに応答
して、楽音の発生開始を指示する発生開始指示手段と、
前記弦の一部に設けられたタッチ操作検出手段と、前記
発生開始指示手段の指示に従って楽音が発生している途
中において、前記タッチ操作検出手段により演奏者によ
るタッチ操作があったことが検出されると、これに応答
して、現在発生中の楽音を消音させるように制御する制
御手段とを具備している。また、請求項2記載の発明
は、張設されている複数の弦ごとに、当該各弦の振動を
検出する弦振動検出手段と、この弦振動検出手段により
各弦ごとの弦振動が検出されると、これにそれぞれ応答
して、各楽音の発生開始をそれぞれ指示する発生開始指
示手段と、前記複数の弦の少なくとも一つの弦の一部に
設けられたタッチ操作検出手段と、前記発生開始指示手
段の指示に従って複数の楽音が発生している途中におい
て、前記タッチ操作検出手段により演奏者によるタッチ
操作があったことが検出されると、これに応答して、現
在発生中の複数の楽音を同時に消音させるように制御す
る制御手段とを具備している。
【0006】
【実施例】以下、この発明の実施例について、図面に従
って説明する。すなわち、この発明の実施例では、個々
の弦についての通常消音条件の成立によって起動される
通常消音制御手段以外に、通常消音制御手段とは異なる
消音条件、すなわち楽器本体に設けた弦に対するタッチ
操作されるという条件の成立に応答して、前記通常の消
音の態様とは異なる態様で楽音を消音制御するミュート
消音制御手段を有することを特徴にしている。
【0007】上記の通常消音条件としては、例えば、 (イ)音源が弦振動に応答して、その弦に係る楽音を発音
開始してから所定の時間が経過したこと(後述する実施
例の場合はこの方式である)。 (ロ)音源が弦振動に応答して、その弦に係る楽音を発音
中に、現在フレット操作状態にある指先をフレット位置
から離して、開放弦操作状態に移行したこと。 あるいは、 (ハ)弦振動の完了が電子的に検出されたこと(これを実
現する場合には、例えば、弦振動センサーと弦振動セン
サーからの出力のパワーレベルなどがオフレベル以下に
なったことを判別する処理装置などが必要となる)。 などが挙げられる。
【0008】上記ミュート消音制御手段に関する「異な
る態様で」の意味は「通常消音制御手段による消音態様
とは異なる消音態様で」ということである。
【0009】例えば、第1の構成例の場合、ミュート消
音制御手段は、弦に対するタッチ操作があれば、個々の
弦についてではなく、発音中の全音源に対して一括して
消音指示を行う。
【0010】第2の構成例の場合、ミュート消音制御手
段は、「個々」の弦に係る楽音についての消音条件の成
立に応答するものであり、消音はその条件が成立した弦
に係る音源に対して個別に消音指示を行う。
【0011】第3の構成例の場合は、ミュート消音制御
手段は、楽音を発生している音源に対し、通常消音制御
手段にて楽音の消音を行う場合よりも高速の消音指示を
行う。
【0012】いずれの構成の場合も、演奏者は意図する
任意のタイミングで、弦に対するタッチ操作を行うこと
ができ、それにより、通常の消音態様とは異なる態様
で、関係する弦に係る楽音を消音することができる。こ
のようなミュート機能は、代表的にはアコースティック
ギター等において右手によるカッティング奏法を行った
場合と似た効果を出すのに役立つ。
【0013】以下、上記第1および第3の構成例を採用
した場合の実施例の作用例について図1を参照して説明
する。
【0014】いま、図1において、いずれかの弦がピッ
キングされ、同図(a)に示すように、弦トリガー検出
手段が弦の弦振動開始を検出したとする。この弦トリガ
ー検出手段による弦振動開始を合図に楽音の発音が開始
されるわけであるが、どの音高で発音させるかを決める
ために、フレット操作状態検出手段(図示せず)が感知
しているフレット操作位置情報が使用される。この結
果、このフレット操作位置情報に対応する音高で、楽音
の生成が音源(図示せず)において開始され、同図
(c)に例示するような楽音波形(エンベロープで示し
てある)がつくられていく。
【0015】図1の場合、通常の消音条件が成立する前
に、同図(b)に示すようにタッチ操作が開始されてい
る。これに対し、ミュート消音制御手段は、楽音信号を
発生している音源に対し、高速消音を指示し、これを受
けて、その音源は発生している楽音信号を急速に減衰さ
せて消音する(同図(c)参照)。
【0016】以下、この発明のさらに具体的な一実施例
を説明する。まず、この実施例の構成について述べる。
【0017】<楽器本体>本実施例に係る電子弦楽器の
外観平面図を図2に示す。図示のように、弦楽器本体は
胴部1とネック2とヘッド3とから成るギターの形状を
有し、その長さ方向には弦楽器演奏用の複数の弦4が張
られている。また、胴部1には、各種のパラメータを設
定するためのパラメータ設定スイッチ5として、音色を
選択するための音色セレクトスイッチ群5a、リズムの
マニュアル演奏の操作子として、トレモロ用アームTM
A、商用交流電源の供給をオン・オフするパワースイッ
チPSW等が配設されている。なお、SPは演奏された
楽音を放音するためのスピーカである。詳細には、上記
弦4はその一端がヘッド3に設けられたペッグ6に調節
可能に支持され、フィンガーボード7上を延び、その他
端は、胴体部1の右方部にある弦支持部8で固定されて
いる。上記フィンガーボード7には音高指定用のフレッ
トスイッチ群FSWがマトリクス状に設けられており、
フレット9間の弦4の上を押圧することにより、対応す
るフレットスイッチFSWがオンするようになってい
る。フレットスイッチFSWの詳細については後述す
る。一方、弦4をはじく、つまびく、といった操作を行
うことにより、弦トリガーピックアップTPUが電気信
号を出力し、これをトリガー信号として、楽音が発音開
始されるようになっている。弦トリガーピックアップT
PUを含む弦トリガー検出機構については後述する。
【0018】<フレットスイッチ>フレットスイッチF
SWの構成例を図3に示す。図示のように、ネック2上
面に形成された凹部2a内に、プリント基板13とゴム
シート14がはめ込まれて固定されている。ゴムシート
14はプリント基板13の上に積層接着され、ゴムシー
ト14の両端はプリント基板13の両端を包み込んでプ
リント基板13を固定するようにコ字状に折り曲げられ
ている。プリント基板13の上面と接合するゴムシート
14の下面の、各弦4と対応した位置には、ネック2の
長手方向に沿って6列の接点凹部15が形成されてい
る。そして、各接点凹部15の上底面には可動接点とし
ての電極16がパターン形成され、一方、各電極16と
対向するプリント基板13上には固定接点としての電極
17がパターン形成されている。この電極17と上記電
極16とで、所定の音高を指定するためのフレットスイ
ッチFSWが構成されている。したがって、弦4の上か
らフィンガーボード7の表面であるゴムシート14を押
さえると、電極16と17が接触導通して、フレットス
イッチFSWがオンするようになっている。
【0019】<弦トリガー及び弦タッチ検出機構>図4
は弦トリガー及び弦タッチ検出機構の構成例を示すもの
である。電磁石から成る弦トリガーピックアップTPU
は弦4がピッキング操作によって振動するとその振動を
ピックアップして電気信号に変換する。図示のように、
胴部1上には弦トリガーピックアップTPUを取付ける
取付台18が設けてあり、この取付台18の高く形成さ
れた部分は弦4を支持固定するブリッジ19となってい
る。弦トリガーピックアップTPUによって電気信号に
変換された弦4の振動は、アンプ20を経てコンパレー
タ21により所定の基準電圧+Vと比較されて、弦トリ
ガー信号として後述するラッチ回路40へ送出される。
なお、このアンプ20とコンパレータ21とは弦トリガ
ー検出回路22を構成する。また、ナイロン製等絶縁性
の弦4の1部分、例えば胴部1上の部分の外周には、導
電性のコイルスプリング23が被着されて導電性弦部分
を形成している。この導電性弦部分であるコイルスプリ
ング23に指先等人体Aの一部が直接に、または導電性
のピック等を介して間接的に触れて弦タッチがなされる
と、人体Aを通して通常の100ボルトの商用交流電流
による誘導ノイズを主成分とする微小信号が入力され
る。このコイルスプリング23から入力された微小信号
は、弦タッチ信号としてリード線24により後述する弦
タッチ信号入力端25を経て弦タッチ状態検出回路26
に加えられる。
【0020】<全体回路構成>図5に本実施例に係る電
子弦楽器の全体回路構成を示す。楽器全体の制御はマイ
クロコンピュータ30によって行われる。上述した弦ト
リガー検出回路22からの出力はラッチ回路40に入力
され、マイクロコンピュータ30はこのラッチ回路40
へラッチされた弦トリガー出力レベルが設定値以上にな
ったとき、弦4のトリガーの検出を行う。また、上述し
たフレットスイッチ群FSWの各スイッチの状態と、パ
ネルスイッチ群PSW(第2図に示すパラメータ設定ス
イッチ群5など胴部1上に設けられた各種スイッチ)の
各スイッチの状態はスイッチステータス検出回路50を
介してマイクロコンピュータ30に伝えられる。楽音発
生回路60はマイクロコンピュータ30の制御のもと
に、楽音信号を発生する。発生した楽音信号は増幅器7
0において増幅され、スピーカSPを通して外部へ放音
される。また、図4に示した弦タッチ検出用の導電性の
コイルスプリング23に対し、演奏者の指先等人体Aが
直接にまたはピックその他の導電性材料を介して間接に
触れると、前述したように商用交流電源の誘導ノイズに
伴う微小信号が発生し、この微小信号が発生し、この微
小信号が弦タッチ信号としてリード線24及び弦タッチ
信号入力端25を経て弦タッチ状態検出回路26に加え
られる。この弦タッチ状態検出回路26からの弦タッチ
検出出力はA/D変換器27でデジタル値に変換されC
PU30に加えられる。このデジタル値が設定値以上に
なると、CPU30より楽音発生回路60へ発音中の楽
音の高速消音処理を指示し、発音中の楽音を急速に消音
するよう構成されている。なお、ここで弦タッチ状態検
出回路26は弦に対するタッチ操作の有無を検出するタ
ッチ操作検出手段として機能し、CPU30はその検出
されたタッチ操作に応答して、発音中の楽音を前記通常
態様とは異なる消音態様、すなわち高速消音をするよう
に楽音発生回路60を制御するミュート消音制御手段と
して機能するものである。続いてこの実施例の動作につ
いて述べる。
【0021】<マイクロコンピュータのジェネラルフロ
ー>図6にマイクロコンピュータ30(図5)のジェネ
ラルフローを示す。電源が投入されると、マイクロコン
ピュータ30はまず、イニシャライズ処理G1を行う。
イニシャライズ終了後、G2からG10の処理を繰り返
す。弦トリガー検出処理G2においては、図5のラッチ
回路40の出力を取り込み、各弦4のトリガーの有無を
判別し、弦振動の開始を検出したときには、楽音発生回
路60を制御して楽音を発生させる。フレット状態検出
処理G3では、スイッチステータス検出回路50により
フレットスイッチ群FSWの各スイッチの状態を読み込
む。そして、フレット操作状態変化判別処理G4でフレ
ット操作状態の変化(音高指定の変化)を判別し、変化
があった場合は、フレット操作状態変化処理G5を実行
する。この処理G5では、発音中の弦に属するフレット
の押弦位置が変化したときには、その変化先のフレット
位置に対応する音高を再設定する(その音高の再設定の
指示を楽音発生回路60内の音源モジュールに対して行
う)。楽音発生回路60にて、所定の楽音が発音中にそ
の弦に属するいずれのフレットスイッチFSWも離れた
状態、いわゆる開放弦の操作状態に変化したときには発
音中の楽音の消音を行う。また、現在、発音されていな
い弦に属するフレット押弦状態の変化に対してはなにも
しない。次にパネルスイッチ状態検出処理G6において
は、パネルスイッチ群PSWの各スイッチの状態をスイ
ッチステータス検出回路50を介して読み込む。そし
て、パネルスイッチ状態変化判別処理G7において、パ
ネルスイッチの状態変化を判別し、変化があった場合
は、パネルスイッチ状態変化処理G8において、所要の
処理、例えば、楽音発生回路60に対する音色、イフェ
クト等の設定処理を行う。この設定処理後、あるいは先
の判断G7にてNOのときは、次の判断G9にていずれ
かの弦4がタッチされたか否かをチェックし、YESの
ときは、高速消音処理G10において、発音中のすべて
の楽音について図1に示すような急速な消音をするため
の高速消音処理を行う。
【0022】<実施例の特徴>個々の詳細な説明に入る
前に、本実施例の特徴のいくつかを簡単に説明する。第
1の特徴は通常の消音条件である発音時間経過による通
常の消音機能にある。すなわち、マイクロコンピュータ
30は楽音が発音開始してから所定の時間を計測し、そ
の経過後に、消音処理を行う。この原理を図7を参照し
て説明する。図7(a)に示すように弦4がトリガーさ
れ、それが検出されると、これを合図にマイクロコンピ
ュータ30は音源(楽音発生回路60内の音源モジュー
ルの1つ)に対し、発音の開始を指示する(これは既に
述べた通りである)。その一方で、その音源の発音時間
の計時を開始する。この結果、同図(c)に示すように
指示された音源にて楽音が生成していく。図7の場合、
(b)に示す発音時間の計測が完了した時点でも、音源
からは楽音が発生され続けている。そこで、マイクロコ
ンピュータ30は発音時間の終了を合図に、その音源に
対し消音を指示する。この結果、音源は減衰モード(リ
リースモード)に移り楽音を減衰させて消音する。第2
の特徴は、同じく通常の消音条件としてフレットの状態
が開放弦の状態(トリガーされた弦4に属するいずれの
フレットスイッチFSWも離れた状態、すなわち、オー
プンフレット状態)に変化したときにトリガーされた弦
の楽音を消音する通常の消音機能にある。この機能は、
アコースティックギターなどでしばしば行われる演奏形
態、すなわち発音中(振動中)のフレット弦を左手の指
等で軽く押すことで弦振動を止めて弦の楽音を消音する
演奏形態に似た効果をもたらす。この機能の原理につい
て図8を参照して説明する。いま、同図(a)に示すよ
うに、弦トリガー検出回路22を介して対応する弦4の
トリガーが検出されたとすると、これを合図にマイクロ
コンピュータ30は楽音発生回路60内の音源モジュー
ルを選択し、そのモジュールに対し、現在選択されてい
るフレット位置に対応する音高で楽音の発音を指示する
(ここまでは既に述べた通り)。図8の場合、弦トリガ
ー時点(弦トリガー検出回路22の最初のトリガー検出
時点)では、対応する弦4に属するいずれかのフレット
スイッチFSWはオン状態となっている。つまり、非開
放弦状態である。したがって、オンしているフレットス
イッチFSWに対応する音高で図8(c)に示すような
楽音波形が音源モジュールにおいて発生する。次に図8
(b)に示すように、この弦4の楽音の発音中に、オン
していたフレットスイッチFSWが離されてオフとな
り、開放弦状態に変化している。ここにおいて、マイク
ロコンピュータ30は弦4の楽音信号を発生している音
源モジュールに対し、消音を指示する。この結果、音源
モジュールはリリースモードに移り、楽音を減衰させて
消音する。第3の特徴は上記通常の消音条件における通
常消音以外に、高速で楽音を消音できる機能(高速消音
機能)にある。この高音消音機能ないしミュート機能に
ついては、すでに「発明の展開、作用」のところで図1
に関連して説明してあるのでここでは省略する。以上説
明した特徴的な機能が、具体的にどのようにして実現さ
れているかについて、以下の詳細な説明を通して明らか
にしていく。
【0023】<弦トリガーの検出機能>まず、弦トリガ
ー検出機能について説明する。すなわち、各弦4(図
2)が振動を開始すると、対応する弦トリガー検出回路
22(図4)がトリガーオフからトリガーオン状態に転
じ、これにより対応するラッチ回路40がセットされ
る。このセット後の次のラッチデータサンプリング時
に、マイクロコンピュータ40(図5)はトリガー検出
処理を実行し、前回のラッチサンプルとのラッチデータ
の比較を通じてどの弦がトリガーされたかを検出し、そ
の検出に基づいて楽音の発音開始等の処理を行うととも
に、トリガーされた弦に対応するリセットカウンタRS
TCT(図示せず)をプリセットする。このセットされ
たリセットカウンタRSTCTはラッチリセット処理
(タイムインターラプトルーチン)において、割込がか
かるたびに減算される。この結果、弦がトリガーされて
から所定時間が経過した時点で、そのリセットカウンタ
RSTCTはアンダーフローし、その際、トリガーされ
た弦のラッチ回路40がリセットされる。したがって、
まさしく図6中のステップG2について述べた弦トリガ
ーの検出機能が実現されているわけである。
【0024】アサイン・発音処理(図10) 次に、弦トリガーによる音源のアサインおよび発音処理
P7の詳細について説明する。マイクロコンピュータ3
0(図5)はこのアサイン・発音処理において、トリガ
ーされた弦4の楽音の発音開始を行う。アサイン・発音
処理の詳細なフロー(図10)の説明に進む前に、この
フローで使用するレジスタのいくつかについて説明す
る。まず、楽音発生回路60(図5)の各音源モジュー
ル(ここでは、楽音発生回路60は8つの音源モジュー
ルから構成されるものとする)の制御用レジスタは図9
に示すようになっている。同図において、MODULE
1からMODULE8の8つのレジスタ群は、楽音発生
回路60の各音源モジュールのNo.1からNo.8にそれぞ
れ対応しており各々、弦番号指定レジスタaと音高指定
レジスタbと発音時間制御用カウンタcで構成されてい
る。弦番号指定レジスタaには発音中の弦の番号に対応
する値が書き込まれる。ただし、値がゼロのときには特
別に、対応音源モジュールが発音されていないことを示
す。音高指定レジスタbには発音中の音高データが書き
込まれる。発音時間制御用カウンタcは発音時間をカウ
ントするためのカウンタであり音源が発音されるときに
所定の値がセットされる。LASTMDは音源モジュー
ル割り当て用レジスタであり、その動きについては後で
追加説明する。
【0025】図10に示すD−RGは音源モジュールの
番号に対応する値が入るレジスタであり、E−RGはル
ープをカウントするためのレジスタである。以下、アサ
イン・発音処理(図10)のフローについて説明する。
【0026】このフローの前半部(R1〜R7)は、楽
音発生回路60の音源モジュールのなかに、今回トリガ
ーされた弦をすでに発音しているモジュールがあるかど
うかをサーチし、あった場合にはその音源モジュールの
消音を行うところであり、このフローの後半部(R8〜
R18)は、今回トリガーされた弦の楽音を発音するた
めの音源モジュール(空きになっている音源モジュー
ル)を捜し出して、その音源モジュールに対し楽音の発
音を開始させる部分である。
【0027】まず、最初の処理R1で音源モジュール番
号レジスタD−RGに1を書き込む。つまり、音源モジ
ュールNo.1を指定しているわけである。処理R2では
D−RGの値に対応する音源モジュール制御用レジスタ
のうち弦番号指定レジスタaの内容をロードする。つま
り、指定に係る音源モジュールが発音している弦番号を
読み込んでいるわけである。そして、今回、トリガーさ
れた弦の番号を示すレジスタB−RGの値と音源モジュ
ールの弦番号とを判別処理R3で比較する。比較して等
しくなければ着目している音源モジュールは今回トリガ
ーされた弦を発音していない。すなわち他の弦の楽音を
発音しているか、あるいは空きのいずれかである。この
ときには処理R4において、D−RGの値に1だけ加
算、つまり次の番号の音源モジュールを指定し、判別R
5でD−RGの値が9以上か否かを判別し、8以下であ
れば処理R2からのループをくり返す。
【0028】判別R3において、B−RG=弦No.
(a)となる場合がある。このことは、着目している音
源モジュールが、今回トリガーされた弦をすでに発音し
ていることを示している。そこで、次の処理R6で、そ
の音源モジュールに対し消音処理を行うとともに、その
音源モジュールに対する制御用レジスタの弦番号指定レ
ジスタaにゼロをいれて、その音源モジュールが空にな
ったこと(発音中でないこと)を記憶している。そして
次の処理R7でレジスタLASTMDにレジスタD−R
Gの値、つまり消音した音源モジュールNo.を書き込
む。レジスタLASTMDは音源モジュールの発音の割
り当てを制御するレジスタであり、LASTMDの値
(すなわち直前に発音割り当てをした音源モジュールN
o.(処理R16、R17参照)または直前に消音した音
源モジュールNo.)の次の音源モジュールから発音の割
り当てのためのサーチを開始するために用いられる。
【0029】フロー後半の最初の処理R8では、音源番
号レジスタD−RGにLASTMDの値を入れ、ループ
回数レジスタE−RGに1を書き込む。ループ(処理R
9〜R15)の最初の処理R9、判別R10、処理R1
1で、検査しようとする次の音源モジュールの番号を計
算し、音源番号レジスタD−RGに書き込むR12でそ
の音源モジュールの制御用レジスタの弦番号指定レジス
タaの内容をロードし、判別R13で弦番号指定レジス
タaがゼロか否か、すなわち検査に係る音源モジュール
が発音中(使用中)か否かを判別する。発音中ならば処
理R14でループ回数レジスタE−RGを1つ進め、判
別R15でE−RGの値が8以下かどうかをみ、8以下
の間、処理R9からのループをくり返す。なお、この判
別R15でE−RGの値が9以上のときは8つの音源モ
ジュールが全て発音中であることを意味し、これは論理
的には起こらないことであり、なんらかの外部要因でメ
モリが壊された状態であるから処理R18で適切なエラ
ー処理を行う。
【0030】一方、ループ上の判別R13において、検
査に係る音源モジュールが発音中でないことが判明した
ときは、処理R16へ分岐し、その音源モジュール(D
−RGの値に対応するモジュール)に対し、レジスタP
−RGの内容である今回トリガーされた弦の音高データ
に従って楽音の発音の開始を指示するとともに、その音
源モジュールの制御用レジスタの弦番号指定レジスタa
にB−RGの値、すなわち今回トリガーされた弦番号を
書き込み、音高指定レジスタbにはC−RGの値すなわ
ち音高データを書き込み、発音時間制御用カウンタcに
は所定の値(発音時間データ)を書き込む。最後に処理
17でレジスタLASTMDにD−RGの値、つまりオ
ン処理した音源モジュールの番号を書き込む。
【0031】発音時間制御 上述したように、弦4がトリガーされるとそのことがマ
イクロコンピュータ30(図5)によって検知され、図
10のアサイン・発音処理のフローにおいて、その弦の
ために楽音発生回路60(図5)の音源モジュールのな
かから空きの音源モジュールが見つけ出され、その音源
モジュールに対するオン処理R16が行われる。そし
て、このオン処理R16において、その音源モジュール
の制御用レジスタの発音時間制御用カウンタc(図9)
に発音時間データが書き込まれるのであった。
【0032】本例ではこの発音時間データは音色ごとに
決められていて、音色セレクトスイッチ5a(図2)に
よる音色指定がなされると、指定された音色に対応する
長さの発音時間データがONTIMEレジスタに設定さ
れるようになっている(図11参照、詳細は後述す
る)。つまり、上述した図15のフロー中のオン処理R
16で発音時間制御用カウンタcにセットされるのは、
正に、現在選択されている音色によって決められている
発音時間データである。そして、このようにして発音時
間制御用カウンタcにセットされた発音時間データに対
して、マイクロコンピュータ30は所定のタイムインタ
ーバルごとに割り込みのかかる割り込みルーチン(図1
2に示す時間経過消音処理のフロー)において、ルーチ
ン実行のつど減算を行い、発音時間制御用カウンタcが
アンダーフローした時点で対応する音源モジュールを消
音処理している。
【0033】以下、詳細に説明する。図11は図6に示
すパネルスイッチ状態変化処理G8の一部として行われ
る音色指定変更処理の詳細フローである。まず判別S1
において音色セレクトスイッチ群5a(図2)にて、新
しい音色指定がなされたかどうかを判別し、なされてい
なければその他の処理S2を行うが、新しい音色指定が
なされたときには処理S3に進み、指定に係る音色デー
タを設定する。さらに、次の処理S4において、指定音
色に対応する発音時間データをONTIMEレジスタに
セーブする。
【0034】図12は前述したこの実施例の第2の特徴
に係る時間経過消音処理の詳細なフローであり、マイク
ロコンピュータ30は所定のタイムインターバルごとに
図示の割込ルーチンを実行する。まず、処理T1で通常
の割込ルーチンと同様にレジスタ等の退避を行う。処理
T2で音源モジュール番号を示すレジスタD−RGを1
に初期化し、以下、ループT3〜T9を実行する。
【0035】ループの最初の処理T3では、検査しよう
とする音源モジュールの弦番号指定レジスタaの内容
(a=0のときには不使用中、a≠0のときは第a弦が
発音中であることを示す)をロードする。そして判別T
4でa≠0か否か、すなわちその音源モジュールが発音
中か否かを判別し、発音中であれば処理T5でその音源
モジュール制御用の発音時間制御用カウンタcを減算
し、判別T6でそのカウンタからボローがでたときには
処理T7でその音源モジュールを消音するとともに、弦
番号指定レジスタaをゼロにしてその音源モジュールが
発音中ではなくなったことを記憶する。処理T7の後、
あるいは判別T4で発音中でないとき、あるいは判別T
6でボローが出なかったときは処理T8に進み、音源モ
ジュール番号レジスタD−RGをプラス1し、判別T9
でD−RGの値が8以下かどうかを判別し、8以下であ
れば処理T3からのループをくり返す。
【0036】ループ処理完了後は通常の割り込み処理の
完了の場合と同様に、レジスタ等を復帰させる(処理T
10)。
【0037】ここまでの説明で本実施例が発音時間の経
過後、音源モジュールを自動的に消音する機能をもって
いることは明らかになった。上記発音時間データは音色
データに含まれるエンベロープデータとは別に用意され
たデータであり、楽音エンベロープの発生中、つまり音
源モジュールが発音中であっても、発音時間データの定
める時間が経過したときにはその音源モジュールに対し
消音が指示される。
【0038】なお、変形例として、発音時間データをユ
ーザーが自由にプログラム(変更)できるようにしても
よく、これにより、違った感じの音色を得ることができ
る。
【0039】フレット状態変化処理(図13、図14) 次に、マイクロコンピュータ30(図5)がジェネラル
フロー(図6)のステップG5で実行するフレット状態
変化処理について説明する。図13はフレット状態変化
処理の詳細フローであり、その最初の処理U1でマイク
ロコンピュータ30は弦番号レジスタB−RGを1に初
期化し、以下、U2〜U6のループ処理をくり返し実行
する。
【0040】ループ処理の最初の判別U2でフレット変
化有りかどうかを判別する。これは、弦番号指定レジス
タB−RGの示す弦に属するフレットスイッチ群の前回
のサンプル値と今回のサンプル値を比較することで行え
る。このフレット変化のなかには、いわゆる開放弦(オ
ープンフレット)への変化も含まれる。変化有りの場合
は、処理U3で変化先のフレット位置に係る音高データ
を音高指定レジスタC−RGに書き込み、処理U4にお
いて、B−RGとC−RGの値を使って周波数変更処理
(図14に基づき詳細はすぐ後で述べる)を行う。判別
U2でフレット変化なしの場合、または、周波数変更処
理U5の後、処理U5で弦番号指定レジスタB−RGを
プラス1して弦番号を1つ進める。そして判別U6でB
−RGの値が6以下かどうかを判別し、6以下の間は判
別U2からのループをくり返す。
【0041】すべての弦についてのフレット変化の処理
が完了すると判別U6でB−RGの値が7となり、フレ
ット状態変化処理のフローを抜ける。
【0042】図14は上述の周波数変更処理の詳細フロ
ーである。このフローに入る時点で、音高指定レジスタ
C−RGには変化したフレットの音高データが入ってお
り、弦番号指定レジスタB−RGには何弦目の弦のフレ
ットが変化したかを示す値(弦番号)が入っている。
【0043】まず処理V1で音源モジュール番号レジス
タD−RGを1に初期化する。処理2でレジスタD−R
Gの示す音源モジュール制御用レジスタ(図4)の弦番
号指定レジスタaをロードし、判別V3で、ロードした
弦番号指定レジスタaの値とレジスタB−RGの値とが
等しいかどうか判別する。つまり、フレット位置が変化
した弦が発音中か否かをみているのである。ここで、不
一致のときには、処理V10でD−RGの値をプラス1
して検査する音源モジュールの番号を1つ進め、判別V
11で、D−RGの値が8以下かどうかを判別し、8以
下のときは処理V2からのループを繰り返し、9になっ
たときは終了する。
【0044】判別V11でD−RGが9となって処理が
完了するのは次の場合である。すなわち、消音している
弦のフレットに変化があった場合である。このようなフ
レットの変化操作の場合は無効とみて、なんの楽音処理
も行わない。
【0045】一方、発音中の弦のフレットに変化のあっ
た場合は、その弦を発音している音源モジュールが存在
しており、そのことが対応する音源モジュール制御用レ
ジスタの弦番号指定レジスタaに記憶されている(図
9、図10参照)。したがって、D−RGがある音源モ
ジュール番号を示しているときに、判別V3のところ
で、弦番号指定レジスタa=B−RGが成立する。
【0046】このようにして、判別V3で、フレット位
置が変化した弦が発音中であることが判明した場合は、
続く判別V4で、レジスタC−RGの値を判別すること
により、フレット変化が開放弦への変化か否かを判別す
る。ここで、開放弦への変化でない場合(フレットの押
し替えの場合)は処理V9へ進み、ここで、その弦を発
音している音源モジュール(D−RGの値から決まる)
に対し、音高指定レジスタC−RGの示す音高データに
対応する周波数への変更処理を実行するとともに、音高
指定レジスタC−RGの値を音高指定レジスタbに書き
込む。この処理V9では、楽音処理としては周波数だけ
が変更されるだけであり、消音や新たな発音の処理など
は一切行われない。この結果、アタックなしのなめらか
を保ちながら、楽音の周波数が変化することになる。
【0047】一方、判別V4でフレット状態が開放弦の
状態に変化したことが判明したときには、処理V5で音
高指定レジスタbをロードする。音高指定レジスタbの
値は先のフレット状態の音高に対応している値である。
判別V6で、この音高指定レジスタbの値により、先の
音高データが第1フレットまたは第2フレットに対応し
ているか否かを判別し、YESならば処理V7で周波数
実行処理を行って、終了する。また、NOならば処理V
8で、その弦を発音中の音源モジュールを消音するとと
もに、その音源モジュールの制御用レジスタ内の弦番号
指定レジスタaに不使用中を示すゼロを書き込むという
オフ処理を行う。なお、判別V6を付加しているのは、
本例では主として同一弦のスライディング奏法を配慮し
ており、したがって第3フレット以降で開放弦に変化し
たときは、複弦を使ってのメロディ演奏等のために演奏
者は弦を押さえていた指を離して、別の弦の押弦に移っ
たと想定したことによる。
【0048】<開放弦消音、周波数変更機能のレビュー
>ここまでの説明で、本実施例がスムースな周波数変更
機能、及びこの実施例の第3の特徴である開放弦変化に
よる消音機能(図8参照)をもっていることは明らかに
なっている。
【0049】まず、スムースな周波数変更機能に関し、
マイクロコンピュータ30は、弦トリガーによる発音・
割り当て処理(図10)のところで、音源モジュールを
割り当て、発音し、その音源モジュールがどの弦を発音
しているか等の音源制御情報を音源制御用レジスタ(図
9)に記入する。そして、このような弦の発音中に、そ
の弦のフレット位置が変化したときは、マイクロコンピ
ユータ30はそのこと(どの弦がどのフレット位置に変
更したかということ)を図13の処理を通じて検出し、
図14の処理において、その弦に係る楽音を発音してい
る音源モジュールをサーチし、見つかった音源モジュー
ルに対してその周波数のみ変更する処理を行っている。
【0050】本例の周波数変更機能は、発音中にある同
一弦についてのフレット位置の変更に対する機能であ
る。つまり、一つの弦に対してフィンガリングを行う場
合になされる機能である。例えば、アコースティックギ
ターなどで見られるスライディング奏法や同一弦につい
ての速いフレーズのフィンガリング奏法(ともにピッキ
ングは初めの1回だけの奏法)と似た奏法によって、同
様の演奏効果を得ることができる。
【0051】また、開放弦変化による消音機能実現のた
め、マイクロコンピュータ30は、発音中の弦のフレッ
ト位置が開放弦状態に変化したことを図13の処理を通
じて、音高指定レジスタC−RG、弦番号指定レジスタ
B−RGに確保し、図14の処理を通じて、弦を発音し
ている音源モジュールを見つけだし、音高指定レジスタ
C−RGの値をみることで開放弦への変化であることを
確認している。
【0052】したがって、図8で述べた開放弦消音機能
は実現されている。本例の開放弦消音機能は、弦トリガ
ー検出回路22(図4)のような弦トリガー検出機構か
らは容易にノートオフの条件を得ることができないよう
な状況のもとで、特に有利であり、演奏者は弦から指を
所望のタイミングで離すことにより、弦の発音時間を自
由に制御することができる。さらに、この消音機能は、
複数弦を順次使用して、メロディを演奏する場合などの
奏法にも適合したものである。ノートオフのために余分
なスイッチが不要であることも利点である。
【0053】弦タッチ操作による高速消音処理(図1
5) 次に、マイクロコンピュータ30(図5)がジェネラル
フロー(図6)の高速消音処理G10として実行する高
速消音つまりミュート処理について説明する。
【0054】この高速消音機能は、弾弦操作によりいず
れかの弦4に対してタッチ操作がなされたときに、その
応答として、その時点で楽音を発生しているすべて音源
モジュールに対し、一括して高速消音の指示を行う機能
である。
【0055】この全弦一括の高速消音処理の詳細は図1
5に示す通りであり、このフローに入る時点で、弦タッ
チ操作有りとの判別がなされている。この最初の処理Y
1で音源モジュール番号レジスタD−RGに1の値を入
れて音源モジュール番号を初期化し、以下、D−RGの
値で示される音源モジュールに対し、Y2〜Y7のルー
プ処理を行う。
【0056】すなわちループ処理の最初のステップY2
において、D−RGが指定する音源モジュールを制御す
るためのレジスタ(図9に示す音源制御レジスタ)のう
ち弦番号指定レジスタaをロードする。上述したよう
に、弦番号指定レジスタaは、値がゼロのときには、対
応する音源モジュールが使用されていないこと(発音中
でないこと)を示し、ゼロ以外の値のときには、その値
が示す弦の楽音を対応音源モジュールが発音しているこ
とを意味するようになっている。そこで次の判別Y3に
おいて、弦番号指定レジスタaの値がゼロか否かを判別
することにより、着目している音源モジュールが発音中
か否かをチェックする。そして、発音中であれば、処理
Y4において、その音源モジュール(D−RGの値によ
り示される音源モジュール)に対し、高速消音処理を実
行し、次の処理Y5で弦番号指定レジスタaにゼロを書
き込んで、その音源モジュールが空になったことを記憶
する。この処理Y5に続いて、あるいは、判別Y3で音
源モジュールが発音中でないときは、処理Y6におい
て、D−RGの値をプラス1して、着目する音源モジュ
ールを次の音源モジュールに進める。そして、判別Y7
において、D−RGが8以下か否かを判別することによ
り、楽音発生回路60(図5)に含まれる合計8個の音
源モジュールのすべてに対して処理が完了したか否かを
判別する。D−RGが8以下のときにはまだ検査してい
ない音源モジュールが残っているので処理Y2からのル
ープをくり返し、D−RGが9になったら、すべての音
源モジュールを検査したことになるので終了する。
【0057】ここまでの説明で、本実施例が図1で述べ
た高速消音機能(ミュート機能)を実現していることは
明らかである。高速消音処理は通常の消音処理と異な
り、楽音はより急速に減衰される。
【0058】<実施例の効果>このようにこの実施例で
は、楽器本体に張設された弦4の導電性部分であるコイ
ルスプリング20に対するタッチ操作に応答して、発音
中のすべての楽音を急速で消音するようにしたので、ア
コースティックギターにおけるカッティング奏法を行う
場合と類似した演奏が容易に行えるものである。
【0059】また、この実施例では、上記のような高速
消音処理の他に、通常の態様で消音する処理、すなわち
音源がピッキングされた弦に係る楽音を発音開始してか
ら、弦タッチ操作がなされることなく、所定の時間が経
過した場合は、その所定時間が経過したことを条件とし
て、発音中の全楽音は消音される。あるいは音源が当該
弦に係る楽音を発音中に現在フレット操作状態にある指
先をフレット位置から離して開放弦操作状態に移行した
場合は、そのことを条件とし発音中の全楽音が消音され
る。
【0060】したがって、この実施例では、アコーステ
ィックギター等における様々な消音態様と同様に、異な
る態様で楽音の消音が行えるのである。
【0061】<他の実施例>なお、上述した実施例で
は、いずれかの弦4に対してなされたタッチ操作に対
し、その応答として、発音中のすべての弦を高速消音し
ている。これに対し、この実施例では、実際に弦タッチ
操作がなされた1ないし複数の弦(正確には、それらの
弦を発音している音源)に対してのみ行うようにしてい
る。この場合の消音処理については図16のフローチャ
ート図に示す。このフローの処理は、図6のジエネラル
フローの判別G9にて弦タッチありと判別された場合の
ある特定の弦に対する高速消音処理のフローである。
【0062】まず処理Z1にて、第1弦〜第6弦のうち
のある特定の弦、例えば第1弦に対応する音源モジュー
ルが制御する弦番号指定レジスタa(図14に示す音源
制御レジスタ)をロードする。この弦番号指定レジスタ
aは、値が0のときは、対応する音源モジュールが使用
されていないこと、つまり発音中でないことを示し、ゼ
ロ以外の値のときは発音中であることを意味している。
そこで判別Z2にて、発音中であるか否かを判断し、N
Oのときは消音処理をする必要はないのでのままこのフ
ローを終了する。YESのときは、次の処理Z3にて、
その音源モジュールに対し、つまりこの場合は第1弦に
対応して発音中の音源モジュールに対してのみ、高速消
音処理を実行し、他の弦についてはたとえ発音中であっ
ても対応する音源モジュールに対しては高速消音処理を
実行しない。そして処理Z4において、弦番号指定レジ
スタaに0を書き込んで、その弦タッチされた弦に対応
して発音していた音源モジュールが空になったことをメ
モリして、次の消音処理の機械に備えてこのフローを終
了する。このようなフローの処理動作が第1弦から第6
弦までの全ての弦4に対してそれぞれなされて各弦ごと
に個別に高速消音処理される。
【0063】したがって、この実施例の場合は、弦4が
タッチ操作されても、全ての発音中の楽音が高速消音さ
れるのではなく、タッチ操作に係る弦に対応した楽音の
みが高速消音されるので、実際に弦振動されている弦に
対しタッチ操作すると、そのタッチ操作に係る楽音のみ
が高速消音されるという、アコーステックギターなどと
同様な消音態様で演奏を行うことができる。なお、この
場合、切換スイッチ等を設けて、全弦一括の高速消音処
理と各弦ごとの高速処理とを切換選択して演奏に幅を持
たせることもできる。
【0064】<変形例>また、上記実施例では、弦タッ
チレベルが所定値以上の場合は、一律の速度で高速消音
処理を行っているが、弦タッチした場合の弦タッチレベ
ルの大きさ(弦4に対する人体Aの接触面積の大きさ)
に応じて楽音の消音速度(減衰速度)を変えるようにし
てもよい。
【0065】更に、上記実施例では、弦の振動開始を感
知する弦振動開始手段として、電磁石より成る電磁式の
弦トリガーピックアップTPUを用いて、弦4の振動を
マルチレベルでアナログ信号の電気信号に変換して、振
動の大きさ、変化その他のパラ メータも抽出できるよ
うにしたが、単に振動の開始のみを検出するためには、
オン/オフのスイッチ動作のみを行う弦トリガースイッ
チを用いるようにしてもよく、その他、光ピックアッ
プ、弦振動(弦張力)ピックアップ等を用いることもで
きる。
【0066】さらに、上述した実施例では、フレット操
作位置を、マトリクス状に設けた多数のフレットスイッ
チFSWを用いて検出しているが、これに限定されず、
たとえば、弦に超音波を伝播させ弦と接触するフレット
位置で反射されて生ずるエコーを受信することにより、
エコー受信時間を計測して、フレット位置を検出する超
音波方式(たとえば、特開昭62−99790号公報記
載のもの)、弦に微少電流を供給し、その弦が接触する
導電弦フレットでフレット位置を検出する弦電流供給方
式(たとえば、特開昭60−501276号公報記載の
もの)等を用いて検出してもよい。
【0067】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、次のような効果を奏することができる。す
なわち、まず、請求項1記載の発明によれば、張設され
ている弦の振動が弦振動検出手段により検出されると、
これに応答して、各楽音の発生開始が発生開始指示手段
により指示されるが、この発生開始指示手段の指示に従
って楽音が発生している途中において、前記弦の一部に
設けられたタッチ操作検出手段により演奏者によるタッ
チ操作があったことが検出されると、これに応答して、
現在発生中の楽音を、制御手段により消音させるように
制御する構成となっている。このため、伝統的な弦楽器
における消音操作(弦を弾弦操作した直後に、弾弦操作
された当該弦の基端側を指で抑えることにより、当該弦
に係る楽音のみを急速に消音させる操作)と同様な消音
操作で、これに応答して、現在発生中の楽音を消音させ
ることができる。また、請求項2記載の発明によれば、
弦振動検出手段により各弦ごとの弦振動が検出される
と、これにそれぞれ応答して、各楽音の発生開始が発生
開始指示手段によりそれぞれ指示されることとなるが、
この発生開始指示手段の指示に従って複数の楽音が発生
している途中において、前記複数の弦の少なくとも一つ
の弦の一部に設けられたタッチ操作検出手段により演奏
者によるタッチ操作があったことが検出されると、これ
に応答して、現在発生中の複数の楽音を制御手段により
同時に消音させるように制御する構成としている。この
ため、伝統的な弦楽器における消音操作(弦を弾弦操作
した直後に、弾弦操作された当該弦の基端側を指で抑え
ることにより、当該弦に係る楽音のみを急速に消音させ
る操作)と同様な消音操作で、伝統的な弦楽器における
消音態様とは異なり、当該弦に係る楽音のみでなく、発
生中の複数の楽音の全部を同時に消音させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の理解に適した高速消音機能を示す図
【図2】この発明の一実施例に係る電子弦楽器の全体外
観平面図
【図3】フレットスイッチの構成図
【図4】弦トリガー検出機構の構成図
【図5】全体回路構成図
【図6】マイクロコンピュータのジェネラルフローを示
す図
【図7】発音時間の経過による消音機能を示す図
【図8】開放弦消音機能を示す図
【図9】音源制御用レジスタを示す図
【図10】アサイン・発音処理の詳細なフローチャート
【図11】発音時間設定のフローチャート図
【図12】発音時間制御と関係する割込ルーチンのフロ
ーチャート図
【図13】フレット状態検出処理の詳細なフローチャー
ト図
【図14】図13における周波数変更処理の詳細なフロ
ーチャート
【図15】全弦一括の高速消音処理の詳細なフローチャ
ート
【図16】他の実施例における各弦ごとの高速消音処理
のフローチャート図
【符号の説明】
1 胴部 4 弦 7 フィンガーボード 22 弦トリガー検出回路 23 コイルスプリング 26 弦タッチ状態検出回路 30 マイクロコンピュータ 60 楽音発生回路 TPU 弦トリガーピックアップ FSW フレットスイッチ 5b ミュートスイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】張設されている弦の振動を検出する弦振動
    検出手段と、 この弦振動検出手段により弦振動が検出されると、これ
    に応答して、楽音の発生開始を指示する発生開始指示手
    段と、 前記弦の一部に設けられたタッチ操作検出手段と、 前記発生開始指示手段の指示に従って楽音が発生してい
    る途中において、前記タッチ操作検出手段により演奏者
    によるタッチ操作があったことが検出されると、これに
    応答して、現在発生中の楽音を消音させるように制御す
    る制御手段と、 を具備したことを特徴とする電子弦楽器。
  2. 【請求項2】張設されている複数の弦ごとに、当該各弦
    の振動を検出する弦振動検出手段と、 この弦振動検出
    手段により各弦ごとの弦振動が検出されると、これにそ
    れぞれ応答して、各楽音の発生開始をそれぞれ指示する
    発生開始指示手段と、 前記複数の弦の少なくとも一つの弦の一部に設けられた
    タッチ操作検出手段と、 前記発生開始指示手段の指示に従って複数の楽音が発生
    している途中において、前記タッチ操作検出手段により
    演奏者によるタッチ操作があったことが検出されると、
    これに応答して、現在発生中の複数の楽音を同時に消音
    させるように制御する制御手段と、 を具備したことを特徴とする電子弦楽器。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、前記タッチ操作検出手段
    により演奏者によるタッチ操作があったことが検出され
    ると、これに応答して、発生中の楽音を高速に消音させ
    るように制御するものである請求項1または2に記載の
    電子弦楽器。
  4. 【請求項4】前記弦は、非導電性の弦であり、前記タッ
    チ操作検出手段は、前記非導電性の弦の一端側に設けら
    れた導電性部材である請求項1または3に記載の電子弦
    楽器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7238875B2 (en) 2003-01-07 2007-07-03 Yamaha Corporation Electronic musical instrument

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