JPH0648557Y2 - 電子弦楽器 - Google Patents

電子弦楽器

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JPH0648557Y2
JPH0648557Y2 JP8065987U JP8065987U JPH0648557Y2 JP H0648557 Y2 JPH0648557 Y2 JP H0648557Y2 JP 8065987 U JP8065987 U JP 8065987U JP 8065987 U JP8065987 U JP 8065987U JP H0648557 Y2 JPH0648557 Y2 JP H0648557Y2
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【考案の詳細な説明】 [考案の技術分野] 本考案は電子弦楽器に関し、特に、トリガー型の電子弦
楽器に関する。
[従来の技術とその問題点] 最近、電子技術、デジタル技術の急速な発展に伴って、
これら技術を弦楽器に応用した、いわゆる電子弦楽器が
開発されている。この電子弦楽器は、大別して、エレキ
ギターやギターシンセサイザーに代表される電子撥弦楽
器と、電子バイオリンに代表される電子撥弦楽器に分類
可能であるが、この電子弦楽器の特徴は、一方の手でフ
ィンガリング操作をすることで発生楽音の音高を指定し
ながら、他方の手または弓を操作することで、指定され
ている音高をもつ楽音の発生を行うことにある。このた
め、電子弦楽器を開発するための努力は、フィンガリン
グ操作位置をいかに高精度にかつ高速度で検出すること
に払われてきた。
代表的なフィンガリング操作位置の検出方式としては、
(1)いわゆるフレットスイッチ方式(たとえば、実開
昭58−175596号、米国特許第4、570,521号)、(2)
いわゆる静電容量感知方式(たとえば、特開昭57−1155
96号、(3)いわゆるピッチ抽出方式(たとえば、特公
昭57−58672号)、(4)いわゆる抵抗フレット電圧印
加・導電弦検出方式(たとえば、特表昭63−500748
号)、(5)いわゆる超音波伝電播方式(たとえば、特
開昭62−99790号)、(6)いわゆる弦電流供給・導電
フレット片検出方式(たとえば、特表昭60−501276
号)、(7)いわゆる弦電気パルス印加・導電フレット
検出方式(たとえば、特開昭62−174795号)、(8)い
わゆる弦電流供給・フレット間電位差検出方式(たとえ
ば、特開昭59−176783号)、(9)いわゆる弦電流供給
・誘導電圧検出方式(たとえば、特開昭62−47698
号)、(10)いわゆる抵抗体埋設方式(たとえば、特開
昭55−70895号)、(11)いわゆる抵抗源の抵抗値検出
方式(たとえば、特開昭60−154297号)が知られ、また
は提案されている。
ところで、伝統的な自然弦楽器の場合、スタッカート奏
法あるいは左手ミュート奏法という演奏法がある。この
演奏法は、演奏者が弦をフィンガーボード上にしっかり
と押えた状態で当該弦を弾弦操作することにより所定の
楽音を発生し、その楽音が発生中に、フィンガボード上
から、弦と接触したまま、指を離すことにより、発生中
の楽音を急速に消音する奏法、あるいは楽音が発生中
に、フィンガボードおよび弦から指を一旦離した直後、
再度その指を弦に接触することにより、発生中の楽音を
急速に消音する奏法である。
しかしながら、従来の電子弦楽器にあっては、演奏者の
意図(フィンガボード上に対するフィンガリング操作)
に従って、弦振動の開始に応答して、発生中の楽音をス
タッカート的に消音させることはできなかった。
[考案の目的] この考案の目的は、伝統的な弦楽器(特に、ギター風の
弦楽器)における演奏形態(スタッカート奏法あるいは
左手ミューと奏法)と同様な演奏形態が可能な電子弦楽
器を提案すること、具体的には、演奏者の意図(フィン
ガボード上から指を離すタイミング)に従って、弦振動
の開始に応答して、発生中の楽音をスタッカート的に消
音させることが可能な電子弦楽器を提案することにあ
る。
[考案の要点] この考案は、このような目的を達成するために、指示手
段の指示に従って、位置検出手段により検出された少な
くとも一つのフィンガリング操作位置に対応する音高を
もつ楽音を発生している間に、開放弦操作検出手段によ
り、フィンガリング操作状態から開放弦操作状態に移行
したことが検出されると、これに応答して、現在発生し
ているすべての楽音を同時に消音するようにしたことを
要点とする。
[考案の作用] このような構成の本願考案によれば、弦振動検出手段に
より検出された弦の振動開始に応答して、指示手段の指
示に従って、位置検出手段により検出された少なくとも
一つのフィンガリング操作位置に対応する音高をもつ楽
音が発生されている間に、開放弦操作検出手段により、
少なくとも一つのフィンガリング操作位置に対するフィ
ンガリング操作状態から、フィンガリング操作領域のす
べてにおいて、いずれのフィンガリング操作位置もフィ
ンガリング操作されていない開放弦操作状態に移行した
ことが検出されると、これに応答して、現在発生してい
るすべての楽音を同時に消音することができる(第10図
参照)。
[実施例] 以下、図面を参照してこの考案の一実施例を説明する。
<楽器本体> 本実施例に係る電子弦楽器の本体を第1図に示す。図示
のように、弦楽器本体は胴部1とネック2とヘッド3と
から成るギターの形状を有し、その長さ方向には弦楽器
演奏用の複数の弦4が張られている。また、胴部1に
は、パネルスイッチ群PSWとして、符号5a、5b、5cで示
す各種パラメータスイッチ、電源スイッチPW、ミュート
予約スイッチMSWなどが配設されている。なお、SPは演
奏された楽音を放音するためのスピーカである。
詳細には、上記弦4はその一端がヘッド3に設けられた
ペッグ7に調節可能に支持され、フィンガーボード8上
を延び、胴体部1の右方部にある弦トリガースイッチ収
納ケース11内に他端が固定されている。上記フィンガー
ボード8には音高指定用のフレットスイッチ郡FSWがマ
トリクス状に設けられており、フレット12間の弦4の上
を押圧することにより、対応するフレットスイッチFSW
がオンするようになっている。フレットスイッチFSWの
詳細については後述する。
一方、ケース11内には弦トリガースイッチTSWが収納さ
れていて、この弦トリガースイッチTSWに連結されてい
る弦4をはじく、つまびく、といった操作を行うことに
より、弦トリガースイッチTSWがオンし、これにより、
楽音が発音開始されるようになっている。弦トリガース
イッチTSWの詳細については後述する。
<フレットスイッチ> フレットスイッチFSWの構成例を第2図に示す。図示の
ように、ネック2上面に形成された凹部2a内に、プリン
ト基板13とゴムシート14がはめ込まれて固定されてい
る。ゴムシート14はプリント基板13の上に積層接着さ
れ、ゴムシート14の両端はプリント基板13の両端を包み
込んでプリント基板13を固定するようにコ字状に折り曲
げられている。プリント基板13の上面と接合するゴムシ
ート14の下面の、各弦4と対応した位置には、ネック2
の長手方向に沿って6列の接点凹部15が形成されてい
る。そして、各接点凹部15の上底面には可動接点として
の電極16がパターン形成され、一方、各電極16と対向す
るプリント基板13上には固定接点としての電極17がパタ
ーン形成されている。この電極17と上記電極16とで、所
定の音高を指定するためのフレットスイッチFSWが構成
されている。したがって、弦4の上からフィンガーボー
ド8の表面であるゴムシート14を押さえると、電極16と
17が接触導電して、フレットスイッチFSWがオンするよ
うになっている。
<弦トリガースイッチ> 弦トリガースイッチTSWの構成例を第3図に示す。上述
したように、弦トリガースイッチTSWは胴部1上の弦4
によりスイッチングされるものである。図に示すよう
に、胴部1上にはスイッチ部取付台18が設けてあって、
このスイッチ部取付台18には一部が高く形成された部分
があり、この高く形成された部分の上部には支持部18a
が設けてある。この支持部18aには前記弦4の使用本数
に対応する数の溝部18bが形成されている。この溝部18b
を設けた支持部18aの後縁側には金属製の接点板19が取
り付けられており、この接点板19の各弦4と対応した位
置には、挿通孔19aが設けてある。この挿通孔19aには、
各弦4に一体的に連結された導電性部材20が取り付けら
れている。この導電性部材20は所定の長さを持った金属
の丸棒状の部材で、先端部には前記弦4を係止する係止
孔20aがあり、弦4はこの係止孔20aを介して係止されて
いる。この係止孔20aの後方には第1止め輪20bが、また
この第1止め輪20bから所定の長さを置いて第2止め輪2
0cが設けられている。この第1止め輪20bと第2止め輪2
0cは、上記導電性部材20上に、互いに所定の間隔を置い
て取り付けられた一対の絶縁性部材21、21が、導電性部
材20の長手方向に向って移動するのを防止するためのも
のである。この絶縁性部材21、21の内方向にはそれぞれ
段差部が設けてあって、この段差部には導電性可撓部材
としてのスプリングコイル22が架け渡されてある。この
導電性部材20の前記第2止め輪20cの後方は一段細く形
成された支持軸20dが設けてあり、この支持軸20dの後端
は前記支持部18aの溝部18b内及び前記接点板19の挿通孔
19a内を挿通し、さらに、その後端は、先端部が半球形
のストッパー23にて前記接点板19の挿通孔19aの周囲に
おいて摺動可能に係止されている。したがって、導電性
部材20の後端は、支持軸20dで揺動可能に係止され、他
方の自由端は弦4に引張られた状態で張設されるよう支
持されている。前記各挿通孔19aを対応する前記接点板1
9の上端に形成した突出片19bは、前記支持部18a上に設
けられたプリント基板24の所定個所に挿通固定され、プ
リント基板24上に設けられた配線パターンと半田19cを
介して接続されている。また、導電性部材20に対し、絶
縁性部材21を介して取り付けられたコイルスプリング22
の一端から引出されているリード線22aも、前記プリン
ト基板24の別の配線パターンに半田22bを介して接続さ
れている。
前述した図示のトリガースイッチTSWは、導電性部材20
を第1接点とし、コイルスプリング22を第2接点とする
スイッチである。定常状態では、上記コイルスプリング
22と導電性部材20との間には絶縁性部材20の厚みに相当
する空隙が保たれ、両者は絶縁関係にある。しかし、弦
4が操作されてある程度以上の振動が発生すると、この
振動に伴って、コイルスプリング22が振れ、この結果、
導電性部材20とコイルスプリング22との間の隔たりも時
間的に変化し、接触と非接触をくり返すことになる。つ
まり、トリガースイッチTSWがオンになったりオフにな
ったりするわけである。後述するように、本実施例で
は、このトリガースイッチTSWの最初のオン状態への変
化(弦4の振動開始)を確実に検出するようにしてい
る。
<全体回路構成> 第4図に本実施例に係る電子弦楽器の全体回路構成を示
す。楽器全体の制御はマイクロコンピュータ30によって
行われる。上述した弦トリガースイッチ群TSWからの出
力はラッチ回路40に入力され、マイクロコンピュータ30
はこのラッチ回路40を通して弦4のトリガーの検出を行
う。また、上述したフレットスイッチ群FSWの各スイッ
チの状態と、パネルスイッチ群PSW(第2図に示すミュ
ート予約スイッチMSWを含む)の各スイッチの状態はス
イッチステータス検出回路50を介してマイクロコンピュ
ータ30に伝えられる。楽音発生回路60はマイクロコンピ
ュータ30の制御のもとに、楽音信号を発生する。発生し
た楽音信号は増幅器70において増幅され、スピーカSPを
通して外部へ放音される。
<マイクロコンピュータのジェネラルフロー> 第5図にマイクロコンピュータ30(第4図)のジェネラ
ルフローを示す。電源が投入されると、マイクロコンピ
ュータ30はまず、イニシャライズ処理G1を行う。イニシ
ャライズ終了後、G2からG8の処理を繰り返す。弦トリガ
ー検出処理G2においては、第4図のラッチ回路40の出力
を取り込み、各弦4のトリガーの有無を判別し、トリガ
ー(弦振動の開始)を検出したときには、楽音発生回路
60を制御して楽音を発生させる。フレット状態検出処理
G3では、スイッチステータス検出回路50を介してフレッ
トスイッチ群FSWの各スイッチの状態を読み込む。そし
て、フレット状態変化判別処理G4でフレット状態の変化
(音高指定の変化)を判別し、変化があった場合は、フ
レット状態変化処理G5を実行する。この処理G5では、発
音中の弦に属するフレットの押弦位置が変化したときに
は、それに対応する音高に弦の音高を再設定する(その
弦を発音中の楽音発生回路60内の音源モジュールに対し
て行う)。発音中の弦に属するいずれのフレットスイッ
チFSWも離れた状態、いわゆる開放弦の状態に変化した
ときには消音を行う。また、現在、発音されていない弦
に属するフレット押弦状態の変化に対してはなにもしな
い。さらに、すべての弦が開放状態になったときは発音
中のすべての弦の楽音を一斉に消音する。次にパネルス
イッチ状態検出処理G6においては、パネルスイッチ群PS
Wの各スイッチの状態をスイッチステータス検出回路50
を介して読み込む。そして、パネルスイッチ状態変化処
理G7において、パネルスイッチの状態変化を判別し、変
化があった場合は、パネルスイッチ状態変化処理G8にお
いて、所要の処理、例えば、楽音発生回路60に対する音
色、イフェクト等の設定処理を行う。
図示のジェネラルフローには、割込ルーチンは示されて
いない。割込ルーチンとして、ラッチ回路40(第4図)
をリセットするためのルーチン、ミュート予約と関係す
るミュート処理のためルーチンなどがある。
<実施例の特徴> 個々の詳細な説明に入る前に、本実施例の特徴のいくつ
かを簡単に説明してみる。
特徴的な機能を例示すると、 (イ)弦の発音中においてその弦のフレット操作位置の
開放弦状態への変化に対する弦別消音機能 (ロ)任意の1ないし複数の弦のフレット操作位置が開
放状態に変化した結果、すべての弦が開放弦状態になっ
た場合、発音中のすべての弦に係る楽音を消音する全弦
消音機能 (ハ)ミュート予約スイッチによるミュート予約機能
(ミュートが予約されている場合、弦トリガーによる発
音開始後、所定時間が経過すると、これを合図にその弦
の楽音を高速消音する機能) などがある。
上記の諸特徴のうち、全弦消音機能は、左指のフィンガ
リングだけで、全ての弦の楽音を一斉に消音させること
を可能にする。例えば、コード演奏などにおいて、演奏
者が左手の指、例えば中指だけで特定の弦をあるフレッ
トのポジションに押さえていて、その状態ですべてまた
は複数の弦をピッキングすると、中指が押さえている弦
以外の弦は開放弦の音高で鳴り初め、押さえられている
弦はそのフレットのポジションに対応する音高で鳴り始
める。このような状態のもとで、中指もフレットから放
したような場合、このフレット開放に伴い、すべての弦
が開放状態になる(どの弦のどのフレットもオープンに
なった状態になる)。この全弦開放状態のときフレット
スイッチ群FSWはすべてオフ状態を示す。この全弦開放
状態が知らされると、マイクロコンピュータ30は、これ
を全弦消音要求として受け付け、発音中になっているす
べての楽音を消音制御する。この結果、弦のために用意
されているすべての音源(発音中の音源)は一斉にリリ
ースモードに入り、楽音信号を減衰していく。本例の場
合、演奏者の左指のフィンガリングによる全弦開放状態
への移行から、楽器内部における全弦の楽音の消音開始
までの時間は無視できる長さであり、極めて応答がよく
全楽音の同時消音が行われる。
このような機能は、スタッカートのような歯切れのよい
演奏を可能にする。さらに、フィンガーボードに対する
左指の容易なフィンガリングだけで、この機能が起動さ
れるので、演奏操作が非常に楽であり、初心者でも全く
といっていいくらい問題がない。また、アコースティッ
クギターなどにおける奏法に対するシミュレーションの
度合も高い。
上記全弦消音機能に対し、弦別消音機能は、弦ごとに消
音を行うものである。すなわち、ある弦を左指であるフ
レットポジションに押さえた状態でその弦をピッキング
すると、そのフレットポジションに対応する音高でその
弦のための楽音が鳴り始める。ここで、押さえていた指
を放すと、その弦に係るすべてのフレットポジションは
開放され、開放弦状態となる。これを合図にマイクロコ
ンピュータ30は、その弦の楽音を発生している音源を捜
し出し、その音源に対し、消音を指示する。この結果、
その音源はリリースモードに入り、発生する楽音信号を
減衰させていく。
上記(ヘ)に挙げたミュート予約機能は、あらかじめ、
楽器本体に設けてあるミュート予約スイッチMSWを操作
して、ミュートの予約をしておけば、その後は、弦のピ
ッキングによる楽音の発音開始後、ある決められた時間
が経過すると(カウンタやタイマー手段によりその時間
が計測される)、その弦の楽音を高速消音する、という
機能である。マイクロコンピュータ30は、弦トリガース
イッチTSWからの弦振動開始信号に対し、その弦ために
楽音を発音させるとともに、タイマー手段を起動し、所
定時間の経過を計測させる。ミュートの予約が入ってお
れば、タイマー手段のタイムアウトの時点で、その弦の
音源に対し高速消音を指示する。この結果、その音源は
高速リリースモードに入り、発生する楽音信号を高速に
減衰させる。このような構成により、アコースティック
ギター、ミューテング効果と同様の音響的演奏効果を非
常に容易に得ることができる。
トリガー検出処理(第6図) 第6図はトリガー検出処理G2(第5図)の詳細なフロー
チャートである。まず、処理P1でマイクロコンピュータ
30のアキュームレータACCにラッチ回路出力TRO1〜TRO6
が読み込まれる。ここに、TRO1〜TRO6は、それぞれ、第
1弦、第2弦、……第6弦に関する状態信号であり、各
TROiは第i弦のトリガースイッチTSWの最初のオン変化
(弦振動の開始を表わす信号)により論理“1"にセット
されるようになっている。この結果、アキュームレータ
ACCには、最下位ビットから、それぞれ、TRO1〜TRO6ま
でのサンプル値がセットされ、上位2ビットは不安であ
る。なお、ACC、B−RG、C−RGおよびA−RGの各レジ
スタはすべて8ビットである。次の処理P2では、図示の
処理を実行する。ここに、EXORは排他的論理和の演算を
示し、ANDは論理積の演算を示している。また、RIBITは
前回のラッチ出力の各サンプル値を最下位から第6ビッ
トまでの各位置に記憶しているレジスタである。この処
理P2の結果、レジスタA−RGには、今回のラッチ出力の
サンプル値がセーブされ、レジスタC−RGの第1から第
6の各ビットには、前回のラッチ出力のサンプル値が
“L"で今回のラッチ出力のサンプル値が“H"になったも
の、すなわち、初めてオン状態に変化した弦トリガース
イッチTSWに係るものだけが“H"すなわち“1"にセット
され、その他は“L"すなわち“0"にセットされる。ま
た、弦の番号として、第1弦を示す1がレジスタB−RG
にセットされる。
処理P3から処理P9までのループは、レジスタC−RGの各
ビットの値から、トリガーオン処理をするところであ
る。処理P3では、レジスタC−RGを右方向(上位から下
位ビットの方向)に1ビットだけシフトさせ、レジスタ
C−RGの最上位ビットMSBには“0"を、CARRYには最下位
ビットLSBをセットする。次の判別処理P4では、CARRYの
値を判別する。この判別でCARRY=1が得られたとす
る。これは、いずれかの弦がトリガーされたこと(細か
くいえば、ある弦の弦トリガースイッチTSWが初めてオ
ン状態に変化したことをラッチ回路40を通じて検知した
こと)を表わしており、それがどの弦であるかは弦番号
レジスタB−RGによって与えられている。そこで、CARR
Y=1の場合は、処理P5に進み、ここでレジスタB−RG
の値に対応するリセットカウンタRSTCTに所定の値(ラ
ッチリセットまでの時間データ)をセットする。そし
て、次の処理P6では、第5図のフレット状態検出処理G3
によりセーブされている各弦についてのフレット位置デ
ータのなかから、レジスタB−RGの値が示す弦番号のフ
レット位置データをレジスタP−RGにロードする。続い
て、処理P7において、楽音発生回路60(第4図)に対す
る音源のアサイン、発音処理を実行する。
処理P7の後、または判別処理P4でCARRY=0のときは処
理P8に進み、ここで、レジスタB−RGをプラス1して弦
番号を1つ進め、次の判別処理P9で、レジスタB−RGの
値が6以下かどうかをみ、6以下であれば処理P3からの
ループをくり返す。
すべての弦についてループ処理が完了したら、P10へ進
み、レジスタA−RGの内容である今回サンプルしたラッ
チ出力をレジスタRTBITにセーブする。
上述のトリガー検出フローの処理P5のところで、トリガ
ーのあった弦のリセットカウンタRSTCTにラッチがリセ
ットになるまでの時間情報をセットしている。これに関
連し、マイクロコンピュータ40は所定のインターバルタ
イムで割り込みがかかるルーチンにおいて、リセットカ
ウンタの内容を減算することにより、トリガーから所定
の時間後ラッチをリセットする処理を行っている。
アサイン・発音処理(第7図、第8図) 次に、第6図のフロー内のアサインおよび発音処理P7の
詳細について説明しよう。
マイクロコンピュータ30(第4図)はこのアサイン・発
音処理において、トリガーされた弦の楽音の発音開始を
行うが、それとともに、同じ弦が続けて弾かれた場合の
楽音の全韻機能もこの処理を介して実現している。
アサイン・発音処理の詳細なフロー(第8図)の説明に
進む前に、このフローで使用するレジスタのいくつかに
ついて説明する。
まず、楽音発生回路60(第4図)の各音源モジュール
(ここでは、楽音発生回路60は8つの音源モジュールか
ら構成されるものとする)の制御用レジスタは第7図に
示すようになっている。同図において、MODULE1からMOD
ULE8の8つのレジスタ群は、楽音発生回路60の各音源モ
ジュールのNo.1からNo.8にそれぞれ対応しており各々、
レジスタaとレジスタbとカウンタcで構成されてい
る。レジスタaには発音中の弦の番号に対応する値が書
き込まれる。ただし、値がゼロのときには特別に、対応
音源モジュールが発音されていないことを示す。レジス
タbには発音中の音高データが書き込まれる。カウンタ
cは本実施例におけるミュート予約機能と関係する要素
であり、ミュート(高速消音)の実行に移るまでの時間
を計測するのに使用され、音源が発音されるときに所定
の値がセットされる。LASTMDは音源モジュール割り当て
用レジスタであり、その動きについては後述する。
第8図に示すD−RGは音源モジュールの番号に対応する
値が入るレジスタであり、E−RGはループをカウントす
るためのレジスタである。
以下、アサイン・発音処理(第8図)のフローについて
説明する。
このフローの前半部(R1〜R7)は、楽音発生回路60の音
源モジュールのなかに、今回トリガーされた弦をすでに
発音しているモジュールがあるかどうかをサーチし、あ
った場合にはその音源モジュールの消音を行うところで
あり、このフローの後半部(R8〜R18)は、今回トリガ
ーされた弦の楽音を発音するための音源モジュール(空
きになっている音源モジュール)を捜し出して、その音
源モジュールに対し楽音の発音を開始させる部分であ
る。
まず、最初の処理R1で音源モジュール番号レジスタD−
RGに1を書き込む。つまり、音源モジュールNo.1を指定
しているわけである。処理R2ではD−RGの値に対応する
音源モジュール制御用レジスタのうち弦指定レジスタa
の内容をロードする。つまり、指定に係る音源モジュー
ルが発音している弦番号を読み込んでいるわけである。
そして、今回、トリガーされた弦の番号を示すレジスタ
B−RGの値と音源モジュールの弦番号とを判別処理R3で
比較する。比較して等しくなければ着目している音源モ
ジュールは今回トリガーされた弦を発音していない。す
なわち他の弦の楽音を発音しているか、あるいは空きの
いずれかである。このときには処理R4において、D−RG
の値に1だけ加算、つまり次の番号の音源モジュールを
指定し、判別R5でD−RGの値が9以上か否かを判別し、
8以下であれば処理R2からのループをくり返す。
判別R3において、B−RG=弦No.(レジスタaの値)と
なる場合がある。このことは、着目している音源モジュ
ールが、今回トリガーされた弦をすでに発音しているこ
とを示している。そこで、次の処理R6で、その音源モジ
ュールに対し消音処理を行うとともに、その音源モジュ
ールに対する制御用レジスタのレジスタaにゼロをいれ
て、その音源モジュールが空になったこと(発音中でな
いこと)を記憶している。そして次の処理R7でレジスタ
LASTMDにレジスタD−RGの値、つまり消音した音源モジ
ュールNo.を書き込む。レジスタLASTMDは音源モジュー
ルの発音の割り当てを制御するレジスタであり、LASTMD
の値(すなわち直前に発音割り当てをした音源モジュー
ルNo.(処理R16、R17参照)または直前に消音した音源
モジュールNo.)の次の音源モジュールから発音の割り
当てのためのサーチを開始するために用いられる。
フロー後半の最初の処理R8では、音源番号レジスタD−
RGにLASTMDの値を入れ、ループ回数レジスタE−RGに1
を書き込む。ループ(処理R9〜R15)の最初の処理R9、
判別R10、処理R11で、検査しようとする次の音源モジュ
ールの番号を計算し、音源番号レジスタD−RGに書き込
むR12でその音源モジュールの制御用レジスタのレジス
タaの内容をロードし、判別R13でaレジスタがゼロか
否か、すなわち検査に係る音源モジュールが発音中(使
用中)か否かを判別する。発音中ならば処理R14でルー
プ回数レジスタE−RGを1つ進め、判別R15でE−RGの
値が8以下かどうかをみ、8以下の間、処理R9からのル
ープをくり返す。なお、この判別R15でE−RGの値が9
以上のときは8つの音源モジュールが全て発音中である
ことを意味し、これは論理的には起こらないことであ
り、なんらかの外部要因でメモリが壊された状態である
から処理R18で適切なエラー処理を行う。
一方、ループ上の判別R13において、検査に係る音源モ
ジュールが発音中でないことが判明したときは、処理R1
6へ分岐し、その音源モジュール(D−RGの値に対応す
るモジュール)に対し、レジスタP−RGとB−RGとから
決まる今回トリガーされた弦の音高データに従って楽音
の発音の開始を指示するとともに、その音源モジュール
の制御用レジスタのレジスタaにB−RGの値、すなわち
今回トリガーされた弦番号を書き込み、レジスタbには
P−RGとB−RGより計算した音高データを書き込み、カ
ウンタcには所定の値(発音時間データ)を書き込む。
最後に処理R17でレジスタLASTMDにD−RGの値、つまり
オン処理した音源モジュールの番号を書き込む。
フレット状態変化処理(第9、10、11図) 第9図に示すレジスタf1〜f6は、フレット関係の処理の
ために使用されるレジスタであり、第1弦から第6弦ま
でのそれぞれの弦のために6個用意されている。各レジ
スタfiは8ビット構成であり、下位7ビットは対応する
弦のフレット位置情報(フレットナンバー)を示す。た
だし、全て“0"のときは開放弦状態を示す。最上位ビッ
ト(MSB)はフレット状態が変化したか否かを示し、論
理“1"のときが変化時である。
ジェネラルフロー(第5図)のG3でマイクロコンピュー
タ30はこれらのレジスタf1〜f6をセットし、G4のところ
で、各レジスタf1〜f6のMSBをチェックし、1つでも
“1"が立っておれば状態変化であるので、G5のフレット
状態変化処理に進む。
マイクロコンピュータ30はこのフレット状態変化処理を
通じて、上述した全弦消音機能、弦別消音機能を初めと
する機能を実現している。
フレット状態変化処理の詳細は第10図に示されている。
その最初のステップU1で、マイクロコンピュータ30は、
上記レジスタf1〜f6の下位7ビットを参照して、フレッ
トが全て離れているか否かを判別する。下位7ビットが
すべてのf1〜f6についてオールゼロの場合が、全弦開放
である。システム的にいえば、この判別U1で全弦開放と
するのは、次の場合である。すなわち、第1弦から第6
弦うち、1ないし5つの弦に対して任意のフレットポジ
ションにこれらの弦を押さえていて、次に離した場合で
ある。そのとき、いくつかの弦は(正確にはそれら弦の
ために割り当てられた内部音源は)鳴っているかも知れ
ないし、鳴っていないかも知れない。どの弦が鳴ってい
るかは、上述したアサイン・発音処理で述べたのと同様
にして調べられる。要するに、第7図に例示する各音源
モジュールの使用状態を示すレジスタaを参照すればよ
く、その値がゼロでなければ、その弦は「発音中」であ
る。全弦開放の場合に行われる全楽音消音処理U2は基本
的にいま説明いた仕方で行われる。「発音中」のすべて
の音源モジュールに対して消音指令を発行するわけであ
る。そして、レジスタaはすべて「空き」を示すゼロに
リセットされる(もっとも、レジスタaを参照するまで
もなく、全音源モジュールに対して消音指令を発行して
もよい。鳴っていないモジュールにとってはNOPになる
だけである)。いずれにしても、この全音源消音指令に
応答して発音中の音源はリリースモードに入り、発生す
る楽音信号を減衰させる。この結果、一斉消音として知
覚されることになる。
いずれかのフレットが押されている場合には、処理U3で
弦番号レジスタB−RGに1を書き込み、以下、U4〜U8の
ループ処理をくり返し実行する。
ループ処理の最初の判別U4でフレット変化有りかどうか
を判別する。これは、弦番号指定レジスタB−RGの示す
レジスタfB-RGをロードし、そのMSBを調べることで行え
る。変化有りの場合は、処理U5でロードしたfB-RGの下
位7ビットにあるフレットナンバーデータを音高指定レ
ジスタP−RGに書き込み、処理U6において、B−RGとP
−RGの値を使って周波数変更処理(第11図、詳細はすぐ
後で述べる)を行う。判別U4でフレット変化なしの場
合、または、周波数変更処理U6の後、処理U7で弦番号指
定レジスタB−RGをプラス1して弦番号を1つ進める。
そして判別U8でB−RGの値が6以下かどうかを判別し、
6以下の間は判別U4からのループをくり返す。
すべての弦についてのフレット変化の処理が完了すると
判別U8でB−RGの値が7となり、フレット状態変化処理
のフローを抜ける。
第11図は上述の周波数変更処理の詳細フローである。こ
のフローに入る時点で、音高指定レジスタP−RGには変
化したフレットの位置データが入っており、弦番号指定
レジスタB−RGには何弦目の弦のフレットが変化したか
を示す値(弦番号)が入っている。
まず処理V1で音源モジュール番号レジスタD−RGを1に
初期化する。処理V2でレジスタD−RGの示す音源モジュ
ール制御用レジスタ(第7図)のレジスタaをロード
し、判別V3で、ロードしたレジスタaの値とレジスタB
−RGの値とが等しいかどうか判別する。つまり、フレッ
ト位置が変化した弦が発音中か否かをみているのであ
る。ここで、不一致のときには、処理V9でD−RGの値を
プラス1して検査する音源モジュールの番号を1つ進
め、判別V10で、D−RGの値が8以下かどうかを判別
し、8以下のときは処理V2からのループを繰り返し、9
になったときは終了する。
判別V10でD−RGが9となって処理が完了するのは次の
場合である。すなわち、消音している弦のフレットに変
化があった場合である。このようなフレットの変化操作
の場合は無効とみて、なんの楽音処理も行わない。
一方、発音中の弦のフレットに変化のあった場合は、そ
の弦を発音している音源モジュールが存在しており、そ
のことが対応する音源モジュール制御用レジスタのレジ
スタaに記憶されている。したがって、D−RGがある音
源モジュール番号を示しているときに、判別V3のところ
で、aレジスタ=B−RGが成立する。
このようにして、判別V3で、フレット位置が変化した弦
が発音中であることが判明した場合は、続く判別V4で、
音高指定レジスタC−RG(フレット状態レジスタ)の値
を判別することにより、フレット変化が開放弦への変化
か否かを判別する。ここで、開放弦への変化でない場合
(フレットの押し替えの場合)は処理V5に進み、ここ
で、P−RGの下位7ビットのフレット位置を示すデータ
とB−RGの値である弦番号のデータとから周波数(音
高)データを計算し、bレジスタに書き込み、処理V6の
周波数変更実行処理において、D−RGの値に対応する音
源モジュールの楽音周波数をbレジスタの値に基づいて
変更する。この結果、アタックなしのなめらかさを保ち
ながら、楽音の周波数だけが変化することになる。
一方、判別V4でフレット状態が開放弦の状態に変化した
ことが判明したときは、(P−RGの下位7ビットがオー
ルゼロのときは)、処理V7に進み、ここでaレジスタを
ゼロにリセットし、処理8においてD−RGの値に対応す
る音源モジュールの楽音を消音する。この消音は、「弦
別」に行われる消音である。すなわち、特定の弦に対す
るフレット状態が開放弦に変化したときに、その弦の楽
音が発音中であることを条件として、すなわち、その弦
のための楽音を発音する音源がアサイン発音処理により
アサインされて発音を開始していることを条件として、
その音源(各弦とダイナミックに対応する音源)に対し
て行われる消音指令である。このようにして、弦別に楽
音が消音される。
ミュート予約機能(第12図) 上述したように、本例の電子弦楽器にはその胴部上にミ
ュート予約スイッチMSWが設けられている。演奏者は演
奏中、いつでも望むときに、このミュート予約スイッチ
MSWを操作してミュートの予約を行うことができる。ミ
ュート予約スイッチMSWの変化は、ジェネラルフロー
(第5図)のG7において検出され、G8のなかで、ミュー
トフラグが「ミューティング効果ON」を示す値にセット
される。
さらに、上述したように、弦がトリガーされるとそのこ
とがマイクロコンピュータ30(第4図)によって検知さ
れ、第8図のアサイン・発音処理のフローにおいて、そ
の弦のために楽音発生回路60(第4図)の音源モジュー
ルのなかから空きの音源モジュールが見つけ出され、そ
の音源モジュールに対するオン処理R16が行われる。そ
して、このオン処理R16において、その音源モジュール
の制御用レジスタのカウンタc(第7図)に発音時間デ
ータが書き込まれるのであった。
このようにしてカウンタcにセットされた発音時間デー
タに対して、マイクロコンピュータ30は所定のタイムイ
ンターバルごとに割り込みのかかる割り込みルーチン
(第12図に示すミューティング処理のフロー)におい
て、ルーチン実行のつど減算を行い、カウンタcがアン
ダーフローした時点で対応する音源モジュールを消音処
理している。
第12図に沿って述べると、まず、処理T1で通常の割込ル
ーチンと同様にレジスタ等の退避を行う。処理T2で音源
モジュール番号を示すレジスタE−RGを1に初期化し、
以下、ループT3〜T11を実行する。
ループの最初の処理T3では、検査しようとする音源モジ
ュールのレジスタaの内容(a=0のときには不使用
中、a≠0のときは第a弦が発音中であることを示す)
をロードする。そして判別T4でa≠0か否か、すなわち
その音源モジュールが発音中か否かを判別し、発音中で
あれば処理T5でその音源モジュール制御用のカウンタc
を減算し、判別T6でそのカウンタからボローがでたとき
には、判別T7でミューティング効果ONかどうか、すなわ
ち、ミュート予約スイッチMSWによるミュート予約が入
っているかどうかをチェックする。ミュートの予約の入
っているときは、処理T8でその音源モジュールを高速消
音するとともに、レジスタaをゼロにしてその音源モジ
ュールが発音中ではなくなったことを記憶する。処理T8
の後、あるいは上記の判別T4、T6、T7が不成立のときは
処理T9に進み、音源モジュール番号レジスタE−RGをプ
ラス1し、判別T10でE−RGの値が8以下かどうかを判
別し、8以下であれば処理T3からのループをくり返す。
ループ処理完了後は通常の割り込み処理の完了の場合と
同様に、レジスタ等を復帰させる(処理T11)。
したがって、ミュートを予約した場合には、弦4のピッ
キングによる楽音の発音開始後、発音時間カウンタが計
測する時間が経過すればその楽音は高速消音されるわけ
であり、音響効果上、アコーステイックギターなどにお
けるミューティング効果と同様の効果を得ることができ
る。
<変形例> この考案は上記実施例に限定されず、種々の変形、変
更、改良が可能である。
例えば、上記実施例では、全弦消音機能は、全弦開放の
イベントに応答して、「ただちに」、かつ「一斉に」、
発音中のすべての音源を「同様に」消音している。「同
様に」とは、消音時間(リリースタイム)が同一である
という意味である。
「同様に」の代りに「異なるリリースタイム」で消音さ
せるようにしてもよい。例えば、弦別に異なるリリース
タイムを与えるため、低音側の弦を高音側の弦より長い
時間で消音させる。これは、例えば、B−RGの示す弦番
号の変数でエンベロープのリリース部分を切換選択する
ことにより実現できる。
「一斉に」の代りに、「異なるタイミング」にしてもよ
い。
「ただち」の代りに、「遅れをもたせて」消音するよう
にしてもよい。すなわち、全弦開放のイベント発生後、
ある遅れ時間の後、全弦を消音させる。さらに、この遅
れ時間をユーザープログラマブルにすることもできる。
遅れ時間の計測はカウンタ手段またはタイマー手段によ
り実現できる。もっとも、「ただち」に応答する場合に
は、演奏者にとって操作にリアル感があり、スタッカー
ト奏法などが容易に行える利点がある。
また、特別の弦には全弦消音機能が作用しないようにし
てもよい。例えば、ある弦をペダルラインとして利用す
るようなアプリケーションにおいては、このペダルライ
ン用の弦は全弦消音機能の適用外となる。この場合であ
っても全弦消音の意味は成立する。すなわち、全弦消音
機能とは、複数の弦(電子弦楽器で使用されるすべての
弦でなくてもよい)のすべてに対して作用する機能であ
り、これらの弦のすべてがいわゆる開放弦の状態になっ
たとき、このイベントを必要条件として、これらの弦の
うちで鳴っている弦(のための音源)のすべてに対し、
消音を行う機能である。
[考案の効果] 以上の説明から明らかなように、この考案によれば、弦
振動検出手段(本実施例では、弦トリガースイッチ群TS
W、ラッチ回路40、マイクロコンピュータ30)により検
出された弦の振動開始に応答して、指示手段(本実施例
では、マイクロコンピュータ30)の指示に従って、位置
検出手段により検出された少なくとも一つのフィンガリ
ング操作位置に対応する音高をもつ楽音が発生されてい
る間に、開放弦操作検出手段(本実施例では、マイクロ
コンピュータ30)により、フィンガリング操作状態か
ら、フィンガリング操作領域のすべてにおいて、いずれ
のフィンガリング操作位置もフィンガリング操作されな
い開放弦操作状態に移行したことが検出されると、これ
に応答して、制御手段(本実施例では、マイクロコンピ
ュータ30)により、現在発生しているすべての楽音を同
時に消音するように構成している。
したがって、弦振動開始に応答して、少なくとも一つの
楽音が発生中に、フィンガリング操作状態から開放弦操
作状態に移行させるのみで、現在発生中のすべての楽音
を同時に消音することができる。この結果、楽音の発生
直後に、フィンガリング操作を、あるフィンガリング操
作位置から、すべて開放弦操作状態に移行するようにす
れば、伝統的な自然弦楽器の場合におけるスタッカート
奏法や左手ミュート奏法のような歯切れのよい楽音演奏
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例に係る電子弦楽器の全体斜
視図、第2図は第1図の線II−IIに沿う断面図、第3図
は第1図の線III−IIIに沿う断面図、第4図は実施例の
全体回路構成図、第5図はマイクロコンピュータのジェ
ネラルフローを示す図、第6図はトリガー検出処理のフ
ローチャート、第7図は音源関係のレジスタ類を示す
図、第8図はアサイン発音処理のフローチャート、第9
図はフレット関係のレジスタ類を示す図、第10図はフレ
ット状態変化処理のフローチャート、第11図は周波数変
更処理のフローチャート、第12図はミューティング処理
のフローチャートである。 1……胴部、4……弦、8……フィンガーボード、30…
…マイクロコンピュータ、TSW……弦トリガースイッ
チ、FSW……フレットスイッチ。

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィンガリング操作がなされるフィンガー
    ボードを有する弦楽器本体と、 この弦楽器本体上に張設された複数の弦と、 これら複数の弦の振動開始をそれぞれ検出する弦振動検
    出手段と、 前記複数の弦と対応する前記フィンガーボード上の複数
    列のフィンガリング操作領域ごとに、フィンガリング操
    作されるべき複数のフィンガリング操作位置のなかのい
    ずれのフィンガリング操作位置がフィンガリング操作さ
    れたかを検出する位置検出手段と、 この位置検出手段により前記フィンガリング操作位置が
    フィンガリング操作されていることが検出されているフ
    ィンガリング操作状態のもとで、前記弦振動検出手段に
    より前記弦の振動開始が検出されると、これに応答し
    て、前記位置検出手段により検出されている前記フィン
    ガリングの操作位置に対応する音高をもつ楽音を発生す
    るように指示する指示手段と、 前記少なくとも一つのフィンガリング操作位置に対する
    フィンガリング操作状態から、前記フィンガリング操作
    領域のすべてにおいて、前記いずれのフィンガリング操
    作位置もフィンガリング操作されていない開放弦操作状
    態に移行したことを検出する開放弦操作検出手段と、 前記指示手段の指示に従って、前記位置検出手段により
    検出された少なくとも一つのフィンガリング操作位置に
    対応する音高をもつ楽音を発生している間に、前記開放
    弦操作検出手段により、前記少なくとも一つのフィンガ
    リング操作位置に対するフィンガリング操作状態から前
    記開放弦操作状態に移行したことが検出されると、これ
    に応答して、現在発生しているすべての前記楽音を消音
    するように制御する制御手段と、 を有することを特徴とする電子弦楽器。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、現在発生しているすべて
    の前記楽音を同時に消音するように制御する実用新案登
    録請求の範囲第1項記載の電子弦楽器。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、現在発生しているすべて
    の前記楽音を、互に異なるタイミングで消音するように
    制御する実用新案登録請求の範囲第1項記載の電子弦楽
    器。
  4. 【請求項4】前記位置検出手段は、前記複数の弦と対応
    する前記フィンガーボード上の複数列のフィンガリング
    操作領域のなかのフィンガリング操作されるべき複数の
    フィンガリング操作位置ごとに埋設された複数のフレッ
    トスイッチからなる実用新案登録請求の範囲第1項記載
    の電子弦楽器。
  5. 【請求項5】前記弦振動検出手段は、前記弦の振動開始
    に応答して、該弦の振動開始を示す弦振動開始指示信号
    を前記指示手段に対し出力する弦トリガースイッチから
    なる実用新案登録請求の範囲第1項記載の電子弦楽器。
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DE19883887997 DE3887997T2 (de) 1987-03-24 1988-03-23 Elektronisches Saiteninstrument.
EP19880104659 EP0284047B1 (en) 1987-03-24 1988-03-23 Electronic stringed instrument
US07/464,430 US5094137A (en) 1987-03-24 1990-01-12 Electronic stringed instrument with control of musical tones in response to a string vibration
US07/668,968 US5113742A (en) 1987-03-24 1991-03-13 Electronic stringed instrument

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