JPH05156410A - 高温、高濃度硫酸用ステンレス鋼 - Google Patents

高温、高濃度硫酸用ステンレス鋼

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JPH05156410A
JPH05156410A JP31781091A JP31781091A JPH05156410A JP H05156410 A JPH05156410 A JP H05156410A JP 31781091 A JP31781091 A JP 31781091A JP 31781091 A JP31781091 A JP 31781091A JP H05156410 A JPH05156410 A JP H05156410A
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JP
Japan
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sulfuric acid
corrosion resistance
stainless steel
steel
workability
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JP31781091A
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Ryuichiro Ebara
隆一郎 江原
Hideo Nakamoto
英雄 中本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 90〜100%の高濃度かつ240℃までの
硫酸中において優れた耐食性を有するステンレス鋼に関
する。 【構成】 重量%で、C:0.04%以下、Si:5〜
7%、Mn:2%以下、Cr:15〜25%、Ni:4
〜24%、W:0.5〜3%、残部Feおよび不可避的
不純物からなる高温、高濃度硫酸用ステンレス鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温、高濃度硫酸用ステ
ンレス鋼に関し、例えば硫酸プラントにおいて高温、高
濃度硫酸環境下で稼動する吸収塔、冷却塔、ポンプ、タ
ンク等に適用される耐食性及び加工性に優れたステンレ
ス鋼に関し、特に90〜100%の高濃度かつ240℃
までの硫酸中において優れた耐食性を有するオーテスナ
イトステンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に硫酸は金属材料に対して厳しい腐
食性を有する。特に、10〜80%程度の中濃度域にお
いて金属材料の腐食は著しい。これは主に硫酸が非酸化
性の酸であることに起因する。このような環境で耐食性
を有する材料としては、100℃以下の温度で使用され
るNi基合金(例:ハステロイB、C−276・・・商
品名)の一部や、鉛筆に限られている。
【0003】一方、硫酸濃度が90%以上の高濃度とな
ると、硫酸はその性質が非酸化性の酸から酸化性の酸に
なることが知られている。この濃度域では中濃度域にお
いて耐食性に乏しい金属材料が使用できることもある。
例えば軟鋼は低温度の98%硫酸中では表層にFeSO
4 皮膜を生成するために耐食性が良好となる。したがっ
て常温(20℃付近)では耐食材料として使用される例
もある。しかしながら、ここで問題とする温度が240
℃までの高温度域では腐食性が非常に厳しくなる。この
高温度域においては、軟鋼は表層のFeSO4 皮膜が溶
解し耐食性は著しく悪化する。
【0004】また一般のオーテスナイト系ステンレス
鋼、フェライト系ステンレス鋼及びNi基合金も耐食性
に乏しく、特に中濃度域で比較的耐食性に優れるNi基
合金(例:ハステロイB、C−276・・・商品名)や
鉛は高濃度、高温域では耐食性が劣悪となる。
【0005】現在までのところ、このような環境で十分
な耐食性を有し、実際に硫酸プラント等の機器に適用さ
れている材料はみあたらないが、ここで対象とする温度
より比較的低い温度域(〜120℃)においては、従来
から高Si鋳鉄(Si:14%以上含有)が比較的よい
耐食性を有することが知られている。これは成分である
Siが耐食性に有効に寄与するものと考えられている。
【0006】また最近では高Cr含有のフェライト系ス
テンレス鋼も比較的よい耐食性を示すことが報告されて
いる。これはCrが耐食性に有効に寄与していること及
び耐食性に悪影響を与えていると思われるNiの含有量
が少ないことに起因しているものと思われる。
【0007】しかしながら、両鋼種とも加工性に問題が
あり、特に高Si鋳鉄は加工、溶接がほとんどできない
ことから大型の機器には利用されていない。したがって
現在まで、120℃までの温度域で90%以上の高濃度
硫酸環境を有する硫酸プラント吸収塔のような大型機器
には耐酸レンガを内部ライニング材として使用している
のが実情である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来材については現在
次のような問題がある。耐酸レンガの場合には使用する
際、レンガの合せ目にバインダが必要であるが、このバ
インダが硫酸により劣化して硫酸の洩漏が生じ、数年に
一度の全面補修を要する。またここで対象とする環境下
(硫酸濃度90%以上、温度〜240℃)で使用する場
合にはバインダの劣化はさらに著しく促進され、レンガ
の耐食性も著しく悪化する。
【0009】また、この環境下では、他の材料に比較し
て耐食性が良好な高Crフェライト系ステンレス鋼の腐
食速度は実用性の目安となる0.1g/m2 ・hを大き
く上まわり耐食性に乏しい。これは加工性を確保するた
めに、この環境下で必要とされる耐食性を満たす量(3
5%以上)までCrを添加することができないことによ
る。Crを多く添加すると材料は脆くなり圧延などの加
圧が困難となる。さらに溶接については溶接部が硬化し
やすいことから溶接の際、予熱、後熱等の熱処理が必要
となるため、オーテスナイト系ステンレス鋼に比べプラ
ント機器等の建設時及び補修時に大巾なコスト高ともな
る。
【0010】また高Si鋳鉄では材質がもろいために加
工、溶接がほとんどできないという問題が依然として残
る。
【0011】本発明は上述した技術水準に鑑み、高温、
高濃度硫酸環境下において従来材において問題となって
いる耐食性の乏しさを解決すると同時に溶接加工性にも
問題のないオーテスナイト系ステンレス鋼を提供しよう
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は重量%で、C:
0.04%以下、Si:5〜7%、Mn:2%以下、C
r:15〜25%、Ni:4〜24%、W:0.5〜3
%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金で、Wを
添加することにより高温、高濃度硫酸環境での耐食性を
著しく向上させたステンレス鋼である。
【0013】本発明鋼の基本的特徴は、高温、高濃度硫
酸環境下での耐食性を著しく向上させるため、Cr、N
i、Siの3成分の複合添加を基本に、適量のWを添加
してなる点である。以下これらの合金元素の添加効果に
ついて説明する。
【0014】高温(100〜120℃)、高濃度(90
〜100%)硫酸中において、高Si含有(5〜7%)
オーステナイト系ステンレス鋼が比較的よい耐食性を有
することが明らかになっている(特願平2〜13125
8号)。Siは7%より多く添加していくと材料の硬度
が非常に上昇し、圧延が困難となるため添加量は7%程
度が限界と思われる。Siを含有するオーステナイト系
ステンレス鋼はよい耐食性を有するようになるが、圧延
等の加工性を重要視すると、Si量はなるべく少ない方
がよい。そこでSi量を5〜6%にした場合にさらに耐
食性を向上せしめるため適量のWを添加すると、耐食性
が向上していくことを本発明者らは実験的に確認した。
【0015】その結果を図1に示す。図1において縦軸
は腐食速度(g/m2 ・h)を横軸は試験温度℃を示
す。図1には比較鋼として従来の鋼種のデータも併せて
示してある。図1に示すように、重量%で5.5%Si
を含有するオーステナイト系ステンレス鋼に1%のWを
添加することにより、高温、高濃度硫酸環境下で耐食性
が大幅に向上していることが判る。
【0016】さらに、図2に示すように重量%で5.5
%Si含有鋼において、W量は0.5〜3%の範囲で良
好な効果を示すことを明らかにした。図2において、縦
軸は腐食速度(g/m2 ・h)を横軸はW量(wt%)
を示す。
【0017】以下、成分の限定理由をのべる。以下、%
は重量%を意味する。 C:Cはステンレス鋼の耐食性に有害であるが、強度の
観点からはある程度の含有量は必要である。また0.0
4%を超えると耐食性を大幅に劣化させるため、0.0
4%以下とした。
【0018】Si:Siは本発明鋼の準基本成分であ
る。ステンレス鋼の耐硫酸性及び耐酸化性にも有効な元
素である。高濃度硫酸中においては5%以上の添加によ
り耐食性を著しく向上させる。添加量が多いほど耐食性
を向上させるが、7%を超えると加工性を劣化させるた
め5〜7%とする。
【0019】Mn:脱酸剤として2%以下含有させる。
【0020】Cr:Crは本発明鋼の基本成分である。
一般の耐食性及び高温、高濃度硫酸環境に対する耐食性
を確保するためには15%以上は必要である。Cr量は
多いほど耐食性は向上するが、オーステナイト組織にす
るために、Ni量の増加も必要とし、Niによる耐食性
の劣化が生じる。また、25%を超えると作り込みが難
しくなることから15〜25%とする。
【0021】Ni:Niはオーステナイト組織にするた
めに必要な量として、4〜24%とする。
【0022】W:Wは少量添加であるが本発明鋼の基本
成分である。高温、高濃度硫酸環境下において著しく耐
食性を向上させる。耐食性を向上させるためには0.5
%以上の添加が必要であるが、3%を超えると飽和し、
また硬度を高める。したがって本発明にあってのWの含
有量は0.5〜3%とする。
【0023】P:Pは耐食性及び熱間加工性の観点から
少ないことが望ましい。0.03%を超えると熱間加工
性を劣化させるので、これ以下にするのが好ましい。
【0024】このようにして従来鋼と同等の加工性を確
保し、同時に高い耐食性を有するステンレス鋼として求
めた材料の例を表1に示した。
【0025】また、図3に、従来鋼との比較で、本発明
の範囲の発明鋼(表1)の位置を白丸印で示した。図3
において加工性の指標としては、−R=−(Cr当量−
Ni当量)を用いた。ここでCr当量=Cr+Mo+
1.5Si、Ni当量=Ni+0.5Mnとする。R値
(Cr当量−Ni当量)は加工性の難易度を表わす指標
であり、一般にCr量の多い難加工性の材料(例えば、
図3におけるSUS447J1 、EB26−1)につい
てはR値が大きく、大量に生産され、加工性が比較的容
易である材料(例えば、図3におけるSUS316L
等)については、R値の範囲は7〜20である。なお、
従来鋼種としては、比較のため多くの生産実績のある材
料も加えた。図3中のインコネル625、C276に付
されたR値は大きすぎて図中に入らないので、その値を
付記したものである。
【表1】
【表2】
【0026】
【実施例】表1は本発明鋼ならびに比較鋼の化学組成と
加工性及び耐食性を比較したものである。本発明鋼につ
いては、真空アーク溶解炉にて溶解し表面手入れ後、ス
テンレス鋼用条件で熱間圧延した。さらに、本発明鋼を
溶体化処理後、試験に供した。耐食試験は98%硫酸溶
液を用い、主に100〜220℃の温度で24時間浸漬
した後、重量減から腐食速度を求めた。加工性について
は便宜的に、加工性の指標として、R=(Cr当量−N
i当量)を求めることにより鋼種間の比較を行なった。
ここでCr当量=Cr+Mo+1.5Si、Ni当量=
Ni+0.5Mnとする。
【0027】表1から本発明鋼において、1%W添加鋼
(1,2及び3)は同組成の比較鋼(7)に比べ耐食性
が優れていることが明らかである。また、本発明鋼の加
工性は比較鋼の中で、特に一般に多く生産されている耐
硫酸用鋼(1)に比べても略同等であることがわかる。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
はSi添加を基本に適量のWを添加することにより、高
温、高濃度硫酸環境下において、優れた耐食性及び良好
な加工性を有するオーステナイト系ステンレス鋼を提供
するものである。
【0029】本発明による耐食材料は従来材に比較し、
十分な耐食性と同時に加工性を確保したため、高温、高
濃度硫酸環境下における適用範囲の広さにも優れたもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明鋼及び従来鋼の腐食速度に及ぼす温度の
影響を示す図表。
【図2】本発明鋼における腐食速度とW添加量の関係を
示す図表。
【図3】本発明鋼と従来鋼の耐食性及び加工性の比較を
示す図表。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.04%以下、Si:
    5〜7%、Mn:2%以下、Cr:15〜25%、N
    i:4〜24%、W:0.5〜3%、残部Feおよび不
    可避的不純物からなることを特徴とする高温、高濃度硫
    酸用ステンレス鋼。
JP31781091A 1991-12-02 1991-12-02 高温、高濃度硫酸用ステンレス鋼 Pending JPH05156410A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999009231A1 (fr) * 1997-08-13 1999-02-25 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Acier inoxydable austenitique presentant une excellente resistance a la corrosion par l'acide sulfurique et une excellente aptitude au faconnage
KR100658253B1 (ko) * 1998-12-17 2006-12-14 에이티아이 프로퍼티즈, 인코퍼레이티드 내식성 오스테나이트계 스테인레스강

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Effective date: 20000106