JPH05157656A - 構造物の振動試験装置及び振動試験方法並びに振動応答解析方法 - Google Patents

構造物の振動試験装置及び振動試験方法並びに振動応答解析方法

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JPH05157656A
JPH05157656A JP3321919A JP32191991A JPH05157656A JP H05157656 A JPH05157656 A JP H05157656A JP 3321919 A JP3321919 A JP 3321919A JP 32191991 A JP32191991 A JP 32191991A JP H05157656 A JPH05157656 A JP H05157656A
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actuator
impulse
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Toshihiko Horiuchi
敏彦 堀内
Masanori Nakagawa
正紀 中川
Masatsugu Kametani
雅嗣 亀谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実物の加振試験と数値計算の組合せによる振
動試験装置において、数値計算の時間刻みよりも変化の
早い反力が加振対象構造内で生じる場合についても、正
確な振動応答評価が可能である構造物の振動試験装置を
提供する 【構成】 加振対象構造物1にアクチュエータ2が取り
付けられ、アクチュエータ2は制御装置3によって制御
される。デジタル計算機4は、荷重変換器6の信号を利
用して力積測定手段7により測定された力積測定値を通
信手段8を介して入力し、この力積測定値を用いて一定
時間後の境界点の振動応答値を計算する。この振動応答
値を加振信号として、加振信号の通信手段5を経由して
アクチュエータ2の制御装置3に入力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物の振動試験に係
り、大規模かつ内部に発生する荷重が短時間で大きく変
動する構造物に好適な構造物の振動試験装置、および振
動試験方法に関する。また、内部に発生する荷重が短時
間で大きく変動する部材を含む構造物の振動応答解析方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の構造物の振動試験装置において
は、構造物が地震等により加振される場合の振動応答の
評価が、その構造物全体を振動台に搭載して加振するこ
とにより行われていた。しかし、構造物が非常に大型の
場合は、実物全体を振動台に載せることは、振動台の許
容荷重の制限等から困難な場合がある。このような場
合、搭載可能な規模の縮尺モデルの加振対象構造物によ
り加振試験を行うか、構造物の一部分のみを加振試験を
行うか、または、その両方を適用して、振動応答の評価
を行っていた。しかし、前者には縮尺モデル化に際して
相似則を完全に満たすことが困難であることなどの問題
があり、後者には、加振振動そのものが試験される構造
物の応答と連成するため、正確な評価が困難であること
等の問題があった。そこで、構造物の一部分のみを加振
し、他の部分は数値モデル化し、境界での振動応答をデ
ジタル計算機で計算し、これで実物モデルを加振しその
反力を用いてさらに数値モデル化構造の応答評価を行う
振動試験方法が考えられている。
【0003】構造物の一部分は実物または模型を用いて
加振し、他の部分は数値モデル化しデジタル計算機によ
り応答計算を行う振動試験方法については、特開昭61
−34438号公報、特開昭61−132835号公報
などがある。また、据付機器または構造物一般に適用可
能な構造物に関し、実時間で試験を行う、または一定時
間ごとに反力を測定するなどの振動試験装置および振動
試験方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の振動試験装置お
よび振動試験方法にあっては、特開昭61-34438号公報お
よび特開昭61-132835号公報に記載のように、時間軸を
実際よりも拡大してアクチュエータにより変位を与えて
いる。そのため、変位のみに依存する反力は正確に評価
できるが、粘性減衰力など、速度に依存する反力は評価
できなかった。また、後者では、慣性力を模擬するため
の荷重を加えるアクチュエータを設けているため、加速
度に依存する反力は評価しているが、このアクチュエー
タによる荷重は一点に加わるため、集中質量系にモデル
化ができない構造については不正確になるという問題点
があった。このような点を解決するため、加振対象構造
物と数値モデル化構造との境界点の加振を実時間で行う
方法が提案されたが、この方法では一定時間刻みで反力
を測定しているため、この時間刻みよりも変化の早い反
力、例えば、すべり、衝突などが据付け機器内で生じる
場合などは、振動応答評価が不正確になるという問題点
があった。時間変化が早い反力がある場合にこれら従来
技術を用いて正確に振動応答評価を行うためには、振動
応答の計算の時間刻みを反力の時間変化に対して十分小
さくすればよい。しかし、それには限界があり、数値モ
デル化構造の振動応答評価にかかる計算時間よりも時間
刻みを小さくすることができない。
【0005】本発明の目的は、大型構造物で、しかも、
構造内部に反力の非常に早い時間変化があるものについ
ても、正確な振動応答評価が可能である構造物の振動試
験装置及び振動試験方法並びに振動応答解析方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る構造物の振動試験装置は、構造物の一
部分を実物または模型を用いてモデル化した加振対象構
造物と、構造物の他の部分を数値モデル化した数値モデ
ル化構造との加振対象構造物の境界点を加振する少なく
とも一個のアクチュエータと、それぞれのアクチュエー
タを制御する制御装置と、数値モデル化構造の境界点の
振動応答を計算しかつ制御装置に振動応答の計算値から
算出された加振信号を出力するデジタル計算機とよりな
る構造物の振動試験装置において、それぞれのアクチュ
エータに発生する反力の力積測定手段と、その力積測定
値をデジタル計算機へ入力する通信手段とを備え、デジ
タル計算機は、一定時間ごとの力積を用いて一定時間先
の境界点の振動応答を計算し、一定時間後にそれぞれの
アクチュエータによりその振動応答を実現させる加振信
号を出力する手段を具備している構成とする。
【0007】そして構造物の一部分を実物または模型を
用いてモデル化した加振対象構造物と、構造物の他の部
分を数値モデル化した数値モデル化構造との加振対象構
造物の境界点を加振する少なくとも一個のアクチュエー
タと、それぞれのアクチュエータを制御する制御装置
と、数値モデル化構造の前記境界点の振動応答を計算し
かつ制御装置に振動応答の計算値から算出された加振信
号を出力するデジタル計算機とよりなる構造物の振動試
験装置において、それぞれのアクチュエータに発生する
反力を測定する荷重変換器とデジタル計算機により時間
管理されたアナログ−デジタル変換器を有する第二のデ
ジタル計算機とよりなる力積測定手段と、その力積測定
値をデジタル計算機へ入力する通信手段とを備え、デジ
タル計算機は、一定時間ごとの力積を用いて一定時間先
の境界点の振動応答を計算し、一定時間後にそれぞれの
アクチュエータによりその振動応答を実現させる加振信
号を出力する手段を具備し、第二のデジタル計算機は、
振動応答計算の時間刻みよりも小さい時間刻みでアナロ
グ−デジタル変換器を介して入力された荷重値を積算す
る手段を具備している構成でもよい。
【0008】またデジタル計算機は、アナログーデジタ
ル変換器を備え、第二のデジタル計算機は、デジタルー
アナログ変換器を備え、デジタル計算機への力積測定値
の入力は、該第二のデジタル計算機のデジタルーアナロ
グ変換器により出力された電圧信号をデジタル計算機の
アナログーデジタル変換器へ入力する構成でもよい。
【0009】さらに力積測定値をデジタル計算機へ入力
する通信手段は、二つのデジタル計算機が同時にアクセ
スが可能なメモリに第二のデジタル計算機が力積測定値
を書き込み、この力積測定値をデジタル計算機が読み取
る構成でもよい。
【0010】そしてデジタル計算機および第二のデジタ
ル計算機のそれぞれは並列処理可能とし、それぞれのデ
ジタル計算機の処理を一つの計算機で行う構成でもよ
い。
【0011】また構造物の振動試験方法においては、構
造物の一部分を実物または模型を用いて加振対象構造物
にモデル化し、構造物の他の部分を数値モデル化構造に
数値モデル化し、加振対象構造物の数値モデル化構造と
の境界点を少なくとも一個のアクチュエータにより、デ
ジタル計算機で計算した数値モデル化構一個のアクチュ
エータにより、デジタル計算機で計算した数値モデル化
構造の境界点の振動応答に基づいて加振する構造物の振
動試験方法において、それぞれのアクチュエータに発生
する反力の力積を測定し、その力積測定値をデジタル計
算機へ入力し、デジタル計算機は、一定時間ごとの力積
を用いて一定時間先の境界点の振動応答を計算し、その
振動応答を一定時間後にそれせぞれのアクチュエータに
実現させる加振信号を算出し出力する構成とする。
【0012】さらに構造物の振動応答解析方法において
は、構造物の一部分を実物または模型を用いて加振対象
構造物にモデル化し、構造物の他の部分を数値モデル化
構造に数値モデル化し、数値モデル化構造の振動応答を
デジタル計算機により計算し、その振動応答に基づいて
加振対象構造物の数値モデル化構造との境界点を少なく
とも一個のアクチュエータで加振して境界点の振動応答
を解析し、その結果を用いて一定時間後の前記数値モデ
ル化構造の振動応答を解析する構造物の振動応答解析方
法において、それぞれのアクチュエータに発生する反力
を積分して力積測定値とし、その力積測定値をデジタル
計算機へ入力し、デジタル計算機は、一定時間ごとの力
積を用いて一定時間先の数値モデル化構造の振動応答を
解析する構成とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、反力の力積は、振動応答計算
の一定時間刻みごとの間に生じた反力を積分したもので
あるため、反力の力積を用いた数値モデル化構造の振動
応答は、その時間内の反力の影響がすべて含まれること
になる。従って、振動応答計算の時間刻みが反力の時間
変化に比べ大きくても十分な精度で振動応答の評価が可
能となる。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を図1および図2を参照し
ながら説明する。
【0015】図1および図2に示すように、構造物の一
部分の実物または模型を用いてモデル化した加振対象構
造物1と、加振対象構造物1と構造物の他の部分の数値
モデル化構造9との境界点10に取り付けられた少なく
とも一個のアクチュエータ2と、それぞれのアクチュエ
ータ2を制御する制御装置3と、境界点10の振動応答
を計算しかつ制御装置3に境界点10の振動応答の計算
値から算出された加振信号を出力するデジタル計算機4
とよりなる構造物の振動試験装置は、加振対象構造物1
にアクチュエータ2が取り付けられている。アクチュエ
ータ2は制御装置3によって制御されている。デジタル
計算機4は、荷重変換器6の信号を利用して力積測定手
段7により測定された力積測定値を通信手段8を介して
入力し、この力積測定値を用いて一定時間後の境界点の
振動応答値を計算する。この振動応答値を加振信号とし
て、加振信号の通信手段5を経由してアクチュエータ2
の制御装置3に入力する。構造物は図2に示すように、
実機、もしくは、実物と振動特性が等価であるようにモ
デル化された模型である加振対象構造物1と数値モデル
化構造9とに分けられる。そして、境界点10の振動応
答をアクチュエータ2により実現し、加振対象構造物1
を加振する。
【0016】本発明に適用できる、力積による振動応答
解析方法の一方法について説明する。 図2に示した数
値モデル化構造の運動方程式は次の通りである。
【0017】
【数1】
【0018】ここで、[M];数値モデル化構造の質量マ
トリックス、 [C];数値モデル化構造の減衰マトリックス、 [K];数値モデル化構造の剛性マトリックス、 {X};数値モデル化構造の変位ベクトル、 {f};数値モデル化構造に加わる外力ベクトル、 {q};加振対象構造物から数値モデル化構造に加わる反
力ベクトル、 であり、’は時間微分を示す。{f}は、構造物の基礎
に生じた地震等による既知の外力ベクトルである。
【0019】構造物の振動応答を一定時間刻みΔtごと
に計算するとし、i-1ステップめ、iステップめ、i+1ス
テップめの変位ベクトルをそれぞれ{X}i-1、{X}i、
{X}i+1とする。i-1ステップからi+1ステップの間の変
位応答を時間の二次関数で補間すると、iステップめの
時刻をt=0として、次式のように表現できる。
【0020】
【数2】
【0021】従って、速度・加速度は次式で表現でき
る。
【0022】
【数3】
【0023】
【数4】
【0024】数1を区間−Δt/2〜Δt/2で積分す
ると次式の通りである。
【0025】
【数5】
【0026】数2〜数4を用いると、
【0027】
【数6】
【0028】
【数7】
【0029】
【数8】
【0030】となるため、これを数5に代入して整理す
ると、
【0031】
【数9】
【0032】となる。
【0033】このアルゴリズムにより、境界点の反力ベ
クトル{q}の力積ベクトル{Q}を用いて、構造物の変位
ベクトル{X}を定めることができ、したがって、境界点
の変位が求められる。ディジタル計算機4は上記のアル
ゴリズムをもとに、加振対象構造物1から数値モデル化
構造9の境界点10に加わる反力の力積を用いて、数値
モデル化構造9の振動応答(変位そして/または加速度)
を計算する機能を有している。本アルゴリズムを実行し
てアクチュエータの制御装置に加振信号を与えるタイム
テーブルの概念図を図3に示す。本アルゴリズムでは、
時刻t+Δtの変位ベクトル{X}i+1を求めるのにt−
Δt/2〜t+Δt/2の間の力積が必要である。その
ため振動応答計算に必要な時間をTとすると時刻t+Δ
t/2+T後に初めて変位ベクトル{X}i+1が求まる。
そこで加振信号は、図3に示したように、例えば、直線
で補間して出力する(出力する手段)。
【0034】本実施例によれば、振動台に搭載不可能な
構造物であっても、一部分の加振試験をすることによっ
て全体の振動応答が評価できる。また、加振対象構造物
からの反力に時間的変化の非常に速い成分が含まれてい
ても、正確な振動応答評価が可能である。
【0035】なお、本実施例では実物モデルで加振試験
を行う部分は1か所だけであるが、2つ以上あっても同
様の試験装置を構成できる。また、図1のアクチュエー
タ2、および、荷重変換器6は、一方向のみの構成であ
るが、対象構造に即して最大6自由度のアクチュエータ
および荷重変換器とすることができる。6自由度のアク
チュエータおよび荷重変換器は、例えば、図4に示すよ
うに、6つの一軸アクチュエータ21、回転が可能な軸
受22、アクチュエータにそれぞれ備えられた荷重変換
器(図示せず)、それぞれの荷重変換器からの出力F1
〜F6を数値モデルの計算に使われている座標Fx〜Mθ
xに変換する、および、数値モデルの計算に使われてい
る座標ににおける変位X〜θxをアクチュエータの変位
1〜d6に変換する装置23によって構成できる。ま
た、一つの加振対象構造物に取り付けられるアクチュエ
ータの数は図1に示されたように2つに限られるわけで
はなく、試験対象のモデル化に応じて、1つ、あるい
は、3つ以上であっても構わない。さらに、境界点の振
動応答としては、変位に限らず、速度、加速度等であっ
てもよく、振動応答計算手段も前記のアルゴリズムだけ
でなく、他の適当な計算アルゴリズムを用いてもかまわ
ない。すなわち、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、様
々な構成とすることができる。
【0036】アクチュエータの制御装置に加振信号を送
る通信手段は、様々な方法が考えられる。制御装置がデ
ジタル制御装置であれば、図5に示すようにデータバス
11により、直接デジタル信号をデジタル計算機4から
制御装置3に送ることができる。この方法によれば、デ
ータ形式の変換による精度の低下の恐れがない。
【0037】また、制御装置がアナログ信号の入力部を
持っているときは、図6に示すように、デジタル計算機
4にデジタルーアナログ変換器12を設け、加振信号を
電圧信号に変換し、制御装置3に入力する。この方法で
あれば、専用のデータバス等を設ける必要がないため、
既存のアクチュエータが容易に装置の中に組み込めるた
め汎用性が高い。
【0038】次に、力積測定手段の一実施例を図7を参
照しながら説明する。力積測定手段は、荷重変換器6
と、その荷重変換器6からの電圧信号13をデジタル値
に変換するアナログーデジタル変換器14を備えた第二
のデジタル計算機15とからなり、第一のデジタル計算
機(デジタル計算機)の振動応答計算と同期を取るため
に、クロックパルス16は第一のデジタル計算機4より
供給されている。第二のデジタル計算機15は、振動応
答の時間刻みΔtよりも小さい時間刻みδtで荷重値を
取り込み、これを積算することで必要期間の力積を算出
する。本構成によれば第二のデジタル計算機15は、複
雑な振動応答を担当しないため、かなり小さい時間刻み
でも荷重値の取り込みができるため、時間変化の速い反
力であっても正確な力積が測定できる。
【0039】また、力積測定方法は、荷重変換器からの
出力をアナログ計算機の積分回路を利用し、力積評価期
間の最初と最後の時刻の出力値の差をとってもかまわな
い。
【0040】力積測定手段で測定された測定値をデジタ
ル計算機に入力する手段は、様々な方法が考えられる。
図8にその一実施例を示す。第二のデジタル計算機15
で積算し得られた力積をデジタルーアナログ変換器で電
圧信号17に変換し、これを第一のデジタル計算機4に
備えられたアナログーデジタル変換器で入力する。
【0041】また他の実施例を図9に示す。第一および
第二のデジタル計算機の他に、二つのデジタル計算機が
アクセス可能なメモリ18を備え、第二のデジタル計算
機が積算し得られた力積測定値を書き込み、第一のデジ
タル計算機が読み取ることで入力が行われる。
【0042】さらに、図10に示したように、第一のデ
ジタル計算機を並列処理可能な計算機40とし、同じ計
算機内の2つのCPUによって上記2つの計算機の処理
を並列して行うことも可能である。すなわち、第一のデ
ジタル計算機が担当していたプロセスを行うCPU41
と第二のデジタル計算機が担当していたプロセスを行う
CPU151により並列処理し、計算機内のデータバス
を用いて力積測定値を転送する。また、図11に示すよ
うに、計算機40内に二つのデジタル計算機がアクセス
可能なメモリ18を設けてもよい。
【0043】以上に述べた実施例や本発明の他の構成に
より、本発明に必要な振動応答計算とアクチュエータの
制御を高速で行うことができ、また、構造物の振動試験
を高い精度で行うことができる。
【0044】また、デジタル計算機で境界点のみなら
ず、数値モデルの他の部分の計算も同時に行い、デジタ
ル計算機の内部メモリまたは外部メモリに保存しておく
ことにより、構造物全体の振動応答計算を行うことがで
きる。また、測定された反力の力積をメモリに保存して
おき、一連の加振実験を終了してからその力積記録を用
いて、必要な部分の振動応答を評価することも可能であ
る。
【0045】さらに、本発明の他の実施例を図12を参
照しながら説明する。これは、高速増殖炉炉心構造の耐
震性評価に適用した実施例である。高速増殖炉は図12
に示すように、主容器50と呼ばれるタンクがルーフス
ラブ52に固定され、ルーフスラブ52は基礎53に支
えられている。炉心構造51は主容器50内に設置され
ている。炉心構造51の耐震性評価のために、振動台試
験を行う必要があるが、炉心構造51の支持部の入力は
地震波が基礎53からルーフスラブ52、主容器50と
いう経路を経て伝達されてきたものである。また、基礎
53の地震波形は建屋という経路を経てきたものである
場合もある。その伝達の過程で炉心構造と他の構造の振
動連成が生じるため、炉心構造51の応答抜きにして地
震入力から一意的に炉心構造支持部の加速度を決定する
ことはできない。
【0046】さらに、炉心構造51は、図13の断面図
に示したように多数の六角形断面の炉心構成要素54が
炉心槽55の中に納められている。炉心構成要素54
は、炉心支持板58に差し込まれており片持ち梁状の構
造となっている。また、パッド57と呼ばれる突起を持
ち、地震等により振動が生じた場合はここで衝突力を伝
達する。炉心槽55には、炉心構成要素54の変位が過
大にならないように拘束枠56と呼ばれるサポートが設
けられている。炉心構造と他の構造は、炉心支持板58
に発生する反力と、拘束枠56に生じる衝突力により連
成する。図15に外力(加速度)により炉心構成要素5
4に発生する衝突力の一例を示す。図の衝突部番号1お
よび12が拘束枠58部に発生する衝突力で、パルス状
となっている。したがって、通常、振動応答の計算に用
いられている時間刻み、例えば、10msなどではこの衝突
力は十分な精度で測定できない。そこで、図16のよう
な振動試験装置の構成とすればよい。この実施例では、
アクチュエータとして、アクチュエータ2a〜2cによ
って駆動される振動台59が用いられている。炉心構造
51内で発生する衝突力なども力積を測定することによ
り評価されている。したがって、炉心構造51の振動に
よる周辺の構造の振動応答が精度よく評価でき、その振
動を振動台59で実現できるため、炉心構造および炉心
構造を含んだ構造全体の振動応答の評価・計算が十分な
精度で実施できる。
【0047】さらに、他の実施例を図17を参照しなが
ら説明する。これは、免震支持された建屋構造物の振動
評価に適用した例である。図17に免震支持された建屋
構造物60の説明図を示す。建屋構造物60は免震要素
61を介して基礎62に支持されている。免震要素61
は、図18に一例を示したように、例えば、積層ゴム6
3と摩擦ダンパ64により構成されている。また、摩擦
ダンパ64は2つの摩擦材65、65の間に発生する摩
擦力で建屋構造60の変位を低減するものである。ここ
に、静摩擦力が発生するため、建屋構造60に働く地震
による慣性力が摩擦ダンパ64の静摩擦力を越えるまで
は、建屋構造60と基礎62の間には相対変形が生じな
い。ところが、一旦変位が生じると摩擦力は動摩擦力に
変わるため、摩擦力や摩擦ダンパによる効果がやや低減
する。したがって、建屋構造60の動きおよび反力の変
化は非常に高速なものとなる。そこで、図19に示した
ような試験装置の構成とする。すなわち、横方向の振動
を模擬するアクチュエータ2aと摩擦力に関係する縦方
向の振動を模擬するアクチュエータ2bを用い、両者の
反力測定値を力積測定装置7を介してデジタル計算機に
入力する。本実施例により、高速な反力の変化も解析上
評価できるので精度のよい免震要素61振動試験および
構造全体の振動応答解析が可能となる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、構造物の一部分の実物
もしくは模型を加振して振動応答の評価ができるため、
大規模な構造物でも、正確な振動応答の評価が可能とな
る。また、構造の内部に時間変化の早い反力を発生させ
る部分があっても、その時間変化に比べ大きい実現可能
な時間刻みで、正確な振動応答の評価が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す振動試験装置の構成図
である。
【図2】構造物のモデル化を説明する図である。
【図3】本発明の一実施例の計算アルゴリズム実行のタ
イムテーブルを示す図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す6自由度アクチュエ
ータおよび荷重変換器の構成図である。
【図5】本発明の加振信号の通信手段の一実施例を示す
図である。
【図6】本発明の加振信号の通信手段の他の実施例を示
す図である。
【図7】本発明の力積測定手段の一実施例を示す図であ
る。
【図8】本発明の力積測定値の通信手段の一実施例を示
す図である。
【図9】本発明の力積測定値の通信手段の他の実施例を
示す図である。
【図10】本発明のデジタル計算機の一実施例を示す図
である。
【図11】本発明のデジタル計算機の他の実施例を示す
図である。
【図12】高速増殖炉の側面図である。
【図13】高速増殖炉の断面図である。
【図14】高速増殖炉炉心構成要素を示す図である。
【図15】炉心構成要素に生じる衝突力の一例を示す図
である。
【図16】高速増殖炉炉心の振動試験装置の一実施例を
示す図である。
【図17】免震支持された建屋構造物を説明する図であ
る。
【図18】免震要素の構造を説明する図である。
【図19】免震要素の振動試験装置の一実施例を示す図
である。
【符号の説明】
1 加振対象構造物、 2 アクチュエータ、3 制御
装置、 4 デジタル計算機、 5 加振信号の通信手
段、6 荷重変換器、 7 力積測定手段、 8力積測
定値の通信手段、9 数値モデル化構造、 10 境界
点、 11 データバス、12 デジタルーアナログ変
換器、 13 電圧信号、14 アナログーデジタル変
換器、 15 第二のデジタル計算機、16 同期信
号、 18 メモリ、 21 一軸のアクチュエータ、
22 回転可能な軸受、 40 並列処理可能なデジタ
ル計算機、41 第一のデジタル計算機の担当するプロ
セス、50 主容器、 51 炉心構造、 52 ルー
フスラブ、 53 基礎、54炉心構成要素、 55
炉心槽、 56 拘束枠、 57 パッド、58 炉心
支持板、 59 振動台、 60 建屋構造物、 61
免震要素、 62 基礎、 63 積層ゴム、 64
摩擦ダンパ、 65、66 摩擦材、

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の一部分を実物または模型を用い
    てモデル化した加振対象構造物と、前記構造物の他の部
    分を数値モデル化した数値モデル化構造との前記加振対
    象構造物の境界点を加振する少なくとも一個のアクチュ
    エータと、それぞれのアクチュエータを制御する制御装
    置と、前記数値モデル化構造の前記境界点の振動応答を
    計算しかつ前記制御装置に該振動応答の計算値から算出
    された加振信号を出力するデジタル計算機とよりなる構
    造物の振動試験装置において、それぞれのアクチュエー
    タに発生する反力の力積測定手段と、その力積測定値を
    前記デジタル計算機へ入力する通信手段とを備え、該デ
    ジタル計算機は、一定時間ごとの力積を用いて一定時間
    先の前記境界点の前記振動応答を計算し、一定時間後に
    それぞれのアクチュエータによりその振動応答を実現さ
    せる前記加振信号を出力する手段を具備していることを
    特徴とする構造物の振動試験装置。
  2. 【請求項2】 構造物の一部分を実物または模型を用い
    てモデル化した加振対象構造物と、前記構造物の他の部
    分を数値モデル化した数値モデル化構造との前記加振対
    象構造物の境界点を加振する少なくとも一個のアクチュ
    エータと、それぞれのアクチュエータを制御する制御装
    置と、前記数値モデル化構造の前記境界点の振動応答を
    計算しかつ前記制御装置に該振動応答の計算値から算出
    された加振信号を出力するデジタル計算機とよりなる構
    造物の振動試験装置において、それぞれのアクチュエー
    タに発生する反力を測定する荷重変換器と前記デジタル
    計算機により時間管理されたアナログ−デジタル変換器
    を有する第二のデジタル計算機とよりなる力積測定手段
    と、その力積測定値を前記デジタル計算機へ入力する通
    信手段とを備え、該デジタル計算機は、一定時間ごとの
    力積を用いて一定時間先の前記境界点の振動応答を計算
    し、一定時間後にそれぞれのアクチュエータによりその
    振動応答を実現させる前記加振信号を出力する手段を具
    備し、前記第二のデジタル計算機は、振動応答計算の時
    間刻みよりも小さい時間刻みで前記アナログ−デジタル
    変換器を介して入力された荷重値を積算する手段を具備
    していることを特徴とする構造物の振動試験装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の構造物の振動試験装置に
    おいて、デジタル計算機は、アナログーデジタル変換器
    を備え、第二のデジタル計算機は、デジタルーアナログ
    変換器を備え、前記デジタル計算機への力積測定値の入
    力は、該第二のデジタル計算機のデジタルーアナログ変
    換器により出力された電圧信号を前記デジタル計算機の
    アナログーデジタル変換器へ入力することを特徴とする
    構造物の振動試験装置。
  4. 【請求項4】 請求項2の構造物の振動試験装置におい
    て、力積測定値をデジタル計算機へ入力する通信手段
    は、二つのデジタル計算機が同時にアクセスが可能なメ
    モリに第二のデジタル計算機が力積測定値を書き込み、
    この力積測定値を前記デジタル計算機が読み取ることを
    特徴とする構造物の振動試験装置。
  5. 【請求項5】 請求項2の構造物の振動試験装置におい
    て、デジタル計算機および第二のデジタル計算機のそれ
    ぞれは並列処理可能とし、それぞれのデジタル計算機の
    処理を一つの計算機で行うことを特徴とする構造物の振
    動試験装置。
  6. 【請求項6】 構造物の一部分を実物または模型を用い
    て加振対象構造物にモデル化し、前記構造物の他の部分
    を数値モデル化構造に数値モデル化し、前記加振対象構
    造物の前記数値モデル化構造との境界点を少なくとも一
    個のアクチュエータにより、デジタル計算機で計算した
    前記数値モデル化構造の前記境界点の振動応答に基づい
    て加振する構造物の振動試験方法において、それぞれの
    アクチュエータに発生する反力の力積を測定し、その力
    積測定値を前記デジタル計算機へ入力し、該デジタル計
    算機は、一定時間ごとの力積を用いて一定時間先の前記
    境界点の振動応答を計算し、その振動応答を一定時間後
    にそれせぞれのアクチュエータに実現させる加振信号を
    算出し出力することを特徴とする構造物の振動試験方
    法。
  7. 【請求項7】 構造物の一部分を実物または模型を用い
    て加振対象構造物にモデル化し、前記構造物の他の部分
    を数値モデル化構造に数値モデル化し、前記数値モデル
    化構造の振動応答をデジタル計算機により計算し、その
    振動応答に基づいて前記加振対象構造物の前記数値モデ
    ル化構造との境界点を少なくとも一個のアクチュエータ
    で加振し、該境界点の振動応答を計算しその結果を用い
    て一定時間後の前記数値モデル化構造の振動応答を解析
    する構造物の振動応答解析方法において、それぞれのア
    クチュエータに発生する反力を積分して力積測定値と
    し、その力積測定値を前記デジタル計算機へ入力し、該
    デジタル計算機は、一定時間ごとの力積を用いて一定時
    間先の前記数値モデル化構造の振動応答を解析すること
    を特徴とする構造物の振動応答解析方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09113403A (ja) * 1995-10-20 1997-05-02 Bando Chem Ind Ltd 免震構造物の地震応答解析方法及び解析装置
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CN105387981A (zh) * 2015-10-27 2016-03-09 上海航天精密机械研究所 试件振动试验坐标转换方法
US10354048B2 (en) 2011-11-12 2019-07-16 Kokusai Keisokuki Kabushiki Kaisha Control program, control method, and control device for driving a mechanical testing device
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