JPH05161491A - 細胞培養基材及びその製造方法 - Google Patents

細胞培養基材及びその製造方法

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JPH05161491A
JPH05161491A JP33094091A JP33094091A JPH05161491A JP H05161491 A JPH05161491 A JP H05161491A JP 33094091 A JP33094091 A JP 33094091A JP 33094091 A JP33094091 A JP 33094091A JP H05161491 A JPH05161491 A JP H05161491A
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JP
Japan
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phospholipid
hydrophobic
cell culture
substrate
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Application number
JP33094091A
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English (en)
Inventor
Masayuki Onohara
正幸 斧原
Hideaki Asai
秀昭 浅井
Kanehisa Yokoyama
兼久 横山
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 浮遊培養用の細胞が全く接着せず、容易に回
収できて、しかも、細胞の増殖性や機能にマイナスの影
響を与えることのない細胞培養器具を提供する。 【構成】 表面の接触角が60度以上である疎水性基材
の表面に、リン脂質の疎水基が結合して、基材表面が親
水性の極性基でほヾ飽和しており、その親水性が長期に
わたって安定であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞培養器具及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シャーレ、フラスコ、マルチプレートな
どの細胞培養器具としては、主としてポリスチレン成形
品の表面に低温プラズマ処理、コロナ放電処理等を施
し、若干の親水性を付与したものが市販されている。こ
れらの細胞培養器具は、足場依存性の細胞では、株化細
胞、初代細胞を問わず、繊維芽細胞、平滑筋細胞、血管
内被細胞、角膜細胞などの培養に広く用いられている。
一方血液系細胞として、株化したリンパ球であるNS−
1、MOLT−4、HUT78、MT−4、Jurka
tなどのいわゆる足場非依存性の浮遊細胞等も、これら
と基本的には同様の培養器具で培養に供されている。
【0003】しかし、NS−1やMT−4のように、中
には培養器具に接着し、ピペッティングによる物理的剥
離が困難な細胞も少なからず存在している。このような
細胞は、酵素処理による剥離や物理的剥離では細胞に傷
害を生じて好ましくないため、一般的には行われておら
ず、極力接着しないような培養器具の開発が切望されて
いる。又、このとき細胞の増殖性や機能に悪影響を与え
るものであってはならないことは言うまでもない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、主として浮
遊培養用の細胞が全く接着せず、容易に回収が可能で、
しかもその増殖性や機能には全く悪影響を及ぼさないよ
うな細胞培養器具を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面の接触角
が60度以上である疎水性基材の表面に、リン脂質の疎
水基が疎水結合もしくは物理吸着し、基材表面が親水性
の極性基でほぼ飽和しており、その親水性が長期にわた
って安定であることを特徴とする細胞培養基材、及び、
リン脂質を臨界ミセル濃度以下の濃度でミセルを形成し
ない状態で溶媒に溶解し、この溶液を凝固温度より高く
50℃以下の温度範囲で疎水性基材の表面に接触させた
後、溶媒で洗浄し、50℃以下で乾燥する工程を含むこ
とを特徴とする細胞培養基材の製造方法である。
【0006】本発明者らは、基材表面にリン脂質を疎水
結合させると超親水性の表面が得られ、その表面には足
場非依存性細胞が全く接着しないことを見出し、鋭意研
究を進めて本発明を完成させるに至った。以下、本発明
につきさらに詳細に説明する。
【0007】本発明に於いて使用する細胞培養基材の種
類は特に限定しないが、その表面の接触角が60度以
上、好ましくは80度以上の疎水性材料が最適である。
一般的には、接触角60度以上のプラスチック材料の成
形品を用いるが、接触角の小さいプラスチック成形品に
表面処理を施して、接触角を60度以上にしたものであ
っても何ら差しつかえはなく、使用可能である。表面の
接触角が60度未満の基材を用いた場合、リン脂質との
疎水結合が不十分となるか、あるいはリン脂質の親水性
部分が基材と結合して逆に疎水性部分の方が表面に向い
たりするため、表面の親水性が不十分になるか、また親
水性のばらつきが異様に大きくなってしまうので好まし
くない。
【0008】本発明に於いて使用するリン脂質は、疎水
基と親水基の両方を有するもので、ホスファチジルコリ
ン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトー
ル、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエ
リン、レシチン、及びこれらの不飽和脂肪酸を水添した
もの、あるいはこれらの誘導体からなる群から選ばれた
少なくとも1種のリン脂質であれば使用することが可能
である。従って、単独で用いることも、複数のリン脂質
を混合して用いることも可能である。
【0009】しかし、リン脂質が水に不溶性もしくはほ
とんど溶解しない構造のものを用いることが好ましい。
何故なら、リン脂質と基材との結合は疎水結合または物
理吸着であるから、水溶性のリン脂質では経時的に培地
中に遊離して、基材表面の性質を変化させ、あるいは親
水性を低下させる可能性があるためである。また、細胞
培養性(増殖性)を低下させる恐れを生じないと言う点
からも好ましい。
【0010】リン脂質の溶解に用いる溶媒は特に限定し
ないが、リン脂質の溶解が容易で基材を溶解させたり膨
潤させたりし、あるいはミセルを形成し易いものでなけ
れば何でも使用することができる。具体的には、メタノ
ール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、
ヘキサン、デカンなどの直鎖及び環状脂肪族炭化水素系
溶媒、あるいはクロロホルムなど広範囲の溶媒が使用可
能である。
【0011】溶液調製時のリン脂質の濃度は臨界ミセル
濃度以下とするのが良い。臨界ミセル濃度はリン脂質に
よって異なり、一般的には0.1 〜0.001 mol/l 程度の
範囲にあるが、本発明の目的には0.5〜0.0005 mol/l
を上限とするのが好ましい。臨界ミセル濃度を越える
と、一般的にはリン脂質がミセルを形成するため、目的
とする疎水結合を得ることが困難となる。また、濃度の
下限は目的に応じて調製すべきで特に限定しないが、あ
まり希薄溶液になると基材表面を十分にリン脂質によっ
て飽和させることができなくなり、ばらつきの要因とな
るため適切ではない。リン脂質の分子量や構造によって
異なるが、具体的には0.1 %以上とするのが好ましい。
0.1 %未満では、時間を十分にかけても、リン脂質を基
材表面に飽和させることができず、基材表面に十分な親
水性を付与させることは不可能となり、ばらつきも大き
くなる。また、リン脂質溶液の濃度が約1%を越える
と、リン脂質が結合して親水化した表面に、さらに次の
リン脂質が結合して再び疎水化してしまう現象を生じ、
さらには、基材表面のリン脂質の膜が厚くなるため、後
で剥離を起こし易くなる問題がある。
【0012】リン脂質溶液と基材とを接触させる時間は
特に限定しないが、必要かつ十分なリン脂質の基材表面
への結合もしくは吸着を達成するためには、1分以上7
2時間以内が好ましい。また、その温度は、リン脂質の
分解や変性を避けるために50℃以下、好ましくは常温
以下とするのが適切であり、リン脂質溶液の凝固温度よ
り上であれば、0℃以下の低温であっても何ら差しつか
えはない。
【0013】また、リン脂質を基材表面に結合させた後
の洗浄は、リン脂質の溶解に用いたのと同一の溶媒を用
いることが基本であるが、必要に応じて異なる溶媒を用
いることも可能である。また、最後の乾燥工程は、50
℃以下で実施することがリン脂質の分解防止の点で好ま
しい。
【0014】
【発明の効果】このようにして得られた細胞培養基材
は、長期にわたって、超親水性を維持し、リンパ球など
の足場非依存性細胞が、培養中に基材表面に全く接着す
ることなく、完全に浮遊の状態で培養でき、かつ細胞に
何等傷害を与えずして、容易に100%回収可能な細胞
培養基材を提供することができる。
【0015】以下、実施例によって本発明の効果を説明
する。
【実施例】
(実施例1、比較例1〜2)卵黄レシチン(和光純製
薬)0.75%のメタノール溶液2mlを、直径35mmの疎水
性シャーレ(住友ベークライト(株)製 MS-1035 R 、
接触角=97度)に入れ、系をステンレス容器で密閉し
た後、24時間放置した。その後、溶液を捨て、メタノ
ールで2回洗浄した後、燐酸緩衝溶液(PBS(−))
で2回洗浄し、最後に純水で2回洗浄した。十分に水切
りをした後、クリーンベンチ内で1時間風乾した。
【0016】こうして得られたシャーレ(実施例1)、
コントロールとしての未処理MS-1035 R (比較例1)、
及び組織培養用シャーレ(住友ベークライト(株)製
MS-1035 F )(比較例2)の接触角を測定した結果を表
1に示す。また、本発明によるシャーレの接触角の経時
変化を測定した結果を表2に示す。
【0017】表1から、本発明による培養器具は、従来
になく接触角の低い、極めて親水性の高いシャーレであ
ることが判る。また、表2から、その超親水性が、長期
にわたって安定であることが明白である。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】(実施例2、比較例3〜5)実施例1で得
たシャーレ、及び比較として、CORNING 35N (岩城硝子
(株)製、組織培養用シャーレ)、MS-1035 F 、MS-103
5 R の合計4種類のシャーレを用いて、細胞培養性及び
シャーレへの細胞の接着性を試験した。用いた細胞はマ
ウス由来骨髄腫P3/NS1/1-Ag4-1(大日本製薬(株)製、
以下NS-1と略記)で、培地はRPMI-1640 (フローラボラ
トリー社製)500 mlにグルタミン0.15g(日水製薬
(株)製)及び牛胎児血清(フローラボラトリー社製)
50mlを添加したものを用いた。
【0021】細胞を1×104 個/mlの濃度で、2mlづ
つ各シャーレに播種し、3日後に細胞の接着状態を観察
すると共に、細胞数を血球計算盤にて計数した。尚、接
着が強く、細胞の回収が困難なものはセルスクレーパー
にて剥離し計数した。結果を表3に示す。
【0022】このように、本発明による細胞培養基材
は、細胞の接着を極力阻害し、培養後の回収が極めて容
易で、かつ市販シャーレと同等以上の細胞増殖性を示す
新規な細胞培養基材であることが明白である。
【0023】
【表3】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の接触角が60度以上である疎水性
    基材の表面に、リン脂質の疎水基が疎水結合もしくは物
    理吸着し、基材表面が親水性の極性基でほぼ飽和してお
    り、その親水性が長期にわたって安定であることを特徴
    とする細胞培養基材。
  2. 【請求項2】 リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホ
    スファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホ
    スファチジルエタノールアミン、スフインゴミエリン、
    レシチン、及びこれらの不飽和脂肪酸を水添したもの、
    あるいはこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なく
    とも1種のリン脂質から成ることを特徴とする、請求項
    1記載の細胞培養基材。
  3. 【請求項3】 リン脂質が水に不溶もしくは難溶性で、
    細胞培養性を低下させず、足場非依存性細胞が全く接着
    せずに細胞の回収が容易であることを特徴とする、請求
    項1記載の細胞培養基材。
  4. 【請求項4】 リン脂質を臨界ミセル濃度以下の濃度で
    ミセルを形成しない状態で溶媒に溶解し、この溶液を凝
    固温度より高く50℃以下の温度範囲で疎水性基材の表
    面に接触させた後、溶媒で洗浄し、50℃以下で乾燥す
    る工程を含むことを特徴とする細胞培養基材の製造方
    法。
JP33094091A 1991-12-13 1991-12-13 細胞培養基材及びその製造方法 Pending JPH05161491A (ja)

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Cited By (2)

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JP2009050201A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Dainippon Printing Co Ltd 初期胚等用培養器具
JP2011000264A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Gunze Ltd 生体吸収性組織インプラントの製造方法及び製造治具

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JPH01294701A (ja) * 1988-02-02 1989-11-28 Chiba Seifun Kk リン脂質集合体用修飾剤、リン脂質小胞体用凝集防止剤、リン脂質小胞体用融合防止剤およびリン脂質膜用表面固定化剤

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