JPH05163308A - 共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

共重合体ラテックスの製造方法

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JPH05163308A
JPH05163308A JP32867291A JP32867291A JPH05163308A JP H05163308 A JPH05163308 A JP H05163308A JP 32867291 A JP32867291 A JP 32867291A JP 32867291 A JP32867291 A JP 32867291A JP H05163308 A JPH05163308 A JP H05163308A
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latex
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俊正 室井
Michio Tsurumi
道夫 鶴見
Takashi Kaneko
貴 金子
Toru Takei
徹 武井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バインダーとして高性能な共役ジエン系共重
合体ラテックスを提供する。 【構成】 共役ジエン(イ)、エチレン性不飽和カルボ
ン酸(ロ)およびその他の単量体(ハ)の乳化共重合に
あたって、ジフェニルエチレンおよびその核置換体を使
用することを特徴とする共重合体ラテックスの製造方
法。 【効果】 顔料塗工紙用のバインダーとして使用した際
に該塗工紙の耐ブリスター性とべた付き性とのバランス
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット輪転印刷、
オフセット枚葉印刷、グラビア印刷および板紙その他の
塗工紙の塗工用、カーペットバッキング用、繊維結合用
あるいはその他一般の粘接着剤用に供される新規共重合
体ラテックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成共重合体ラテックスは、例え
ば紙塗工用バインダー、カーペットバックサイシング用
バインダー、不織布や人工皮革などの繊維結合用バイン
ダー、あるいは各種材料の粘接着剤などとして広く用い
られている。そして、共重合体ラテックスがこのような
用途に用いられる場合、該共重合体ラテックスは接着強
度が高く、かつ耐水性、乾燥加熱による耐ブリスター性
などに優れていることが要求される。
【0003】たとえば、塗工紙は、紙の印刷適性の向上
および光沢などの光学的特性の向上を目的として、抄造
された原紙表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、
サチンホワイト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それ
らのバインダーとしての共重合体ラテックスおよび保水
剤あるいは補助バインダーとしてのスターチ、ポリビニ
ルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶
性高分子を主構成成分とする塗料が塗工されたものであ
って、従来からスチレンとブタジエンを主要単量体成分
とし、これらを乳化重合して得られたスチレン-ブタジ
エン系共重合体ラテックス、いわゆるSB系ラテックス
が汎用的に用いられている。
【0004】ところで、近年、カラー印刷された雑誌類
やパンフレット、広告類の需要の拡大に伴って塗工紙の
生産が著しく増大している。特に、オフセット輪転印刷
の高速印刷化傾向に伴い、塗工紙および顔料バインダー
の品質に対する要求水準もますます高度化しており、中
でも特に塗工紙の表面強度すなわちドライピックとウェ
ットピック、印刷時の耐ブリスター性および平滑性など
の向上が要求されている。また一方塗工紙そのものの製
造も高速化しており、その主な障害であるロール汚れ性
の改良即ち、べたつき性の減少もまた要求されている。
これらの物性は互いに負の相関関係にあるものが多く、
高水準にバランス化させる改良が一段と要求されてい
る。
【0005】塗工紙のこれらの性質は、顔料バインダー
として用いられるSB系ラテックスの設計に特に強く依
存することから、これまで該SBラテックスの性能につ
いて種々の検討が加えられてきた。たとえば、共重合体
ラテックス皮膜のベンゼン、トルエン、テトラヒドロフ
ランなどの溶剤に対する不溶解部分の割合がピック強度
と耐ブリスター性の支配因子であることが確認されてい
ることから、この面より種々の検討がなされており、具
体的にはラテックス中の共重合体の組成およびゲル分率
を特定の範囲に調整することにより、優れた性能を発揮
させることが提案されている(特公昭59−3598号
公報、特公昭60−17879号公報、特開昭58−4
894号公報)。このラテックスのゲル分率は単量体組
成、重合温度をはじめとした様々な重合因子によって変
化するが、これを所望の水準に調整する方法は連鎖移動
剤の添加が一般的かつ簡便である。連鎖移動剤として、
従来から四塩化炭素に代表されるハロゲン化炭化水素、
t−あるいはn−ドデシルメルカプタンに代表されるア
ルキルメルカプタン、スルフィドなどが使用されてき
た。また特定の連鎖移動剤としてターピノーレン、α−
メチルスチレンダイマーなどを使用することも提案され
ている(米国特許2922781、特開平3−1094
51)。
【0006】しかしながら、一般的には塗工紙のドライ
ピックやべた付き性はSB系ラテックスにおいてそのゲ
ル分率が高い物ほど良好になるのに対して、耐ブリスタ
ー性はゲル分率の低いものほど良好となることが認めら
れており、またウェットピックに最適なゲル分率も別に
存在する。ピック強度、べたつき性、耐ブリスター性お
よび平滑性などを同時に高い水準にまで向上させるに
は、前記技術はいずれも十分に満足しうるものではなか
った。
【0007】一方、カーペットバックサイジング用接着
剤は、一般に共重合体ラテックスに炭酸カルシウムまた
は水酸化アルミニウム等の充填剤および増粘剤などの他
の添加剤を配合した組成物である。この接着剤組成物
は、タフテッドカーペット、ニードルパンチカーペット
などの製造において、主にパイル(ふさ糸)の脱落防止
ならびにジュートなどの二次基布との接着のために用い
られる。したがって、この場合カーペットの最重要物性
である接着強度の向上が当業界での最大の技術課題の一
つであり、そのため、共重合体ラテックスおよび組成物
の配合面からの改良検討がなされているが、これまで満
足できる水準のものが得られていないのが実状である。
【0008】他方、粘着剤は従来天然ゴムや合成ゴムな
どを有機溶剤に溶解し、基材に塗工して該有機溶剤を蒸
発させることにより、製造されていたが、近年、火災の
危険性や労働衛生上の問題から、水を分散媒とするポリ
マー水分散液(ラテックス)を利用する機運が高まり、
ゴム−粘着付与樹脂の組合せの水分散液が開発されつつ
ある(特公昭57−28545号公報、特開昭55−4
8270号公報、特開昭58−160378号公報、特
開昭58−183771号公報)。この合成ゴムラテッ
クスと粘着付与樹脂とを含有する水分散液は、ラテック
スの固形分100重量部に対し、粘着付与樹脂50〜1
00重量部を加えた組成が一般的であって、20〜23
℃の測定温度においては良好な粘着物性を示すが、0℃
の温度における粘着力については満足できる値が得られ
ていない。また、粘着付与樹脂が存在しなくともゴムラ
テックスのポリマーのみで粘着物性を得ることができる
ものも提案されている(特開昭56−145909号公
報、特開昭57−57707号公報)。しかしながら、
このものはポリエチレンに対する接着力が極めて低いと
いう欠点を有している。
【0009】また、ラジカル重合において重合抑制剤な
いし禁止剤は重合収率の低下及び、又は重合操業性の低
下を招くためこれまで意図的に使用される例はなかっ
た。あるいはまた、単量体の添加速度を制御することに
よって反応器内の単量体の反応率を一定の範囲内におさ
めることも従来提案されてきたが(特開昭63−243
115)、この方法によれば生成共重合体ラテックスの
安定性が損なわれる欠点がある。
【0010】また別に、ジフェニルエチレンおよびまた
はその核置換化合物の存在下に重合体を製造することも
提案されている(特開昭53−2579)。しかしこれ
は単量体に対する使用量が5%以上でありまた生成重合
体の分子量が50000以下という低分子量重合体を塊
状重合によって製造する方法であり、本発明のようにジ
エン系単量体を主成分とする高分子量重合体を乳化重合
によって製造する目的で検討されたものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
では塗工紙の印刷のより一層の高速化に対応することが
できず、高品質の塗工紙の製造を可能にするバインダー
としての共重合体ラテックスの出現が強く求められてい
るのが現状である。また、カーペットならびに粘接着剤
においても同様に高接着力を有する共重合体ラテックス
の出現が望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような事
情のもとで、印刷用塗工紙におけるピック強度、耐ブリ
スター性とべた付き性とのバランスをより向上させるた
めの高性能の共重合体ラテックスを提供することを目的
として種々検討を行った結果、共役ジエン、エチレン性
不飽和カルボン酸およびこれらと共重合可能なその他の
単量体の乳化重合にあたって、ジフェニルエチレンおよ
びまたはその核置換化合物を用いることにより、得られ
た共重合体ラテックスが、意外にも前記の目的が達せら
れたものであることを見出してなされたものである。
【0013】即ち、本発明の請求項1は、共役ジエン、
エチレン性不飽和カルボン酸およびこれらと共重合可能
なその他の単量体の乳化共重合にあたって、下記化学式
に示すジフェニルエチレンおよびその核置換体を使用す
ることを特徴とする共重合体ラテックスの製造方法であ
り、請求項2は、単量体の少なくとも50%を連続添加
する方式であって、該単量体添加中の重合反応器内の重
合体/単量体重量比が0/100ないし90/10とな
るようにジフェニルエチレンの使用量を調節する請求項
1の共重合体ラテックスの製造方法であり、また請求項
3はこれらのラテックスと無機顔料を主成分とする紙塗
工用またはカーペットバッキング用組成物である。
【0014】
【化2】
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
いうジフェニルエチレンおよびその核置換体とは上記化
学式に示すものである。ジフェニルエチレンの配合重量
は、全単量体100重量部に対し0.1ないし5重量部
であることが必須である。この範囲において本発明の効
果である強度の発現が良好に発揮される。さらに好まし
い配合量は0.3ないし4重量部である。またその使用
量の決定にあたっては、単量体混合液を重合反応開始時
刻から一定の流量で連続的に添加する方式であるなら
ば、単量体添加中における重合反応器内の重合体/単量
体の重量比が0/100ないし90/10となるよう調
整できる量であることが好ましく、重合の初期10分間
を除いては20/80ないし80/20となるよう調整
できる量であることがさらに好ましく、同じく重合の初
期30分間および単量体添加時期の内後期30分を除い
ては40/60ないし70/30となるよう調整できる
量であることがさらに好ましい。この具体的な例を示す
ならば、目標粒子径0.15μm・単量体添加時間4時
間・重合温度80℃・ブタジエン/スチレン比33/6
7の場合にはジフェニルエチレンを1.5部、また目標
粒子径0.2μm・単量体添加時間5時間・重合温度7
5℃・ブタジエン/スチレン比50/50の場合にはジ
フェニルエチレンを1部、それぞれ単量体混合液に配合
することなどがあげられる。
【0016】共重合体ラテックスは共役ジエン、エチレ
ン性不飽和カルボン酸、およびこれらと共重合可能なそ
の他の単量体を乳化共重合させて得られる。共役ジエン
(イ)としては、ブタジエン、イソプレン、2−クロル
−1,3−ブタジエンなどがある。その使用量は全単量
体基準で20〜90重量%の範囲であることが望まし
い。さらに塗工紙用共重合体ラテックスの場合、この共
役ジエンの一層好ましい量の範囲は20〜70重量%で
ある。
【0017】エチレン性不飽和カルボン酸(ロ)は0.
5〜10重量%の範囲であることが好ましい。0.5重
量%未満ではラテックスの分散安定性を高い水準で保つ
ことができず、塗料調製や塗工時に種々問題を発生して
しまう。また、ピック強度も劣る。10重量%を越えて
含ませるとラテックスや塗料の粘度が高くなり過ぎ、ま
た耐水性も損なわれることになる。エチレン性不飽和カ
ルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸などの一塩基性カルボン酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマール酸などの二塩基性カルボン酸およびそ
のモノエステルなどを挙げることができる。この中でも
二塩基性カルボン酸が、重合体ラテックスに高い安定性
を与えることができ、また本発明の効果を良好に発揮で
きて好ましい。その他の単量体(ハ)の例のなかでもっ
とも代表的かつ有効にもちいられるのは芳香族(ジ)ビ
ニル化合物であり、ついで(メタ)アクリル酸エステ
ル、シアン化ビニル化合物、エチレン性アミドモノマー
などである。
【0018】芳香族(ジ)ビニル化合物としては、スチ
レン、α‐メチルスチレン、クロロスチレン、アルキル
スチレン、ジビニルベンゼンなどがあげられる。(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2ー
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートさらには、グリシジル(メタ)
アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ートなどがあげられる。
【0019】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられる。エチ
レン性アミドモノマーとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、Nーメチロール(メタ)アクリルアミドなどがあげ
られる。そのほかに、酢酸ビニルのごときビニルエステ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデンのごときハロゲン化ビ
ニル、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなどのエチレン性アミンモノマ
ー、スチレンスルホン酸ソーダなどを例示することがで
きる。
【0020】また本発明では既知の連鎖移動剤を用いる
ことができる。例をあげれば、硫黄元素を含む連鎖移動
剤として、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタンなどのアルカンチオール:メルカプトエタノ
ール、メルカプトプロパノールなどのチオアルキルアル
コール:チオグリコール酸、チオプロピオン酸などのチ
オアルキルカルボン酸:チオグリコール酸オクチルエス
テル、チオプロピオン酸オクチルエステルなどのチオカ
ルボン酸アルキルエステル:ジメチルスルフィド、ジエ
チルスルフィドなどのスルフィドなどがあげられる。上
記の硫黄元素を含む連鎖移動剤の好ましい例としてはチ
オアルキルカルボン酸アルキルエステルがあげられる。
その他に、連鎖移動剤の例としては、α−アルキルスチ
レンの二量体、ターピノーレン、ジペンテン、t-テルピ
ネンおよび四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素を挙げ
ることができる。
【0021】これら連鎖移動剤の使用量は、ジフェニル
エチレンおよびまたはその核置換化合物の使用量にもよ
るが、充分な接着強度を発揮できるような分子量の共重
合体ができるように調節しなければならない。また、こ
れら連鎖移動剤の使用方法については周知のいずれの方
法も用いることができる。すなわち一括前添加方法、連
続追加添加方法、断続追加添加方法あるいは添加速度を
順次変化させた濃度勾配型添加方法などである。これら
の添加方法のうち、連鎖移動剤の一部を単量体の添加終
了後も連続的に添加する方式が、本発明の効果を最も良
好に発揮し、好ましく用いられる。
【0022】次に製造法について述べる。本発明の製造
法は、水、界面活性剤、単量体、ラジカル重合開始剤、
および必要ならばその他の原料を基本構成成分とする分
散系において、これらの原料をラジカル乳化重合によっ
て共重合体粒子の水分散液とする製造法である。一般的
に共重合体濃度は40〜60重量%の範囲である。共重
合体ラテックスの粒子径は界面活性剤およびまたはシー
ドラテックスの使用割合によって調整することができ、
概ねその使用割合を高くするほど生成共重合体ラテック
スの粒子径は小さくなる。ここで、粒子径の好ましい範
囲は0.05〜1μmでありさらに好ましくは0.07
〜0.5μmである。
【0023】界面活性剤としては、脂肪酸せっけん、ロ
ジン酸せっけん、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルア
リールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤、カ
チオン性界面活性剤がある。これら界面活性剤の他の例
としては、「界面活性剤ハンドブック(高橋、難波、小
池、小林:工学図書、1972)」に記載されているも
のなどがあげられる。界面活性剤は通常、アニオン性界
面活性剤単独またはアニオン性/ノニオン性の混合系で
用いられ、単量体に対する使用割合としては0.05〜
2重量%の範囲が好ましく用いられる。
【0024】重合開始剤としては、熱または還元性物質
の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始さ
せるもので、水溶性または油溶性のペルオキソ二硫酸
塩、過酸化物、アゾビス化合物などが一般的に用いられ
る。その例としてはペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニトリ
ル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、また他
に、「POLYMER HANDOOOK 3rd E
d.(J.Brandrup,E.H.Immergu
t:John Willy & Sons,198
9)」に記載されている化合物があげられる。この中で
も特にペルオキソ二硫酸塩が本発明の効果を良好に発揮
し、最も好ましくもちいられる。重合開始剤の使用割合
は単量体に対して通常0.2〜2.0重量%である。な
お、重合温度は通常60〜90℃の範囲が一般的である
が、重合速度の促進あるいはより低温での重合を望むと
きには重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸あるいはそ
の塩、エリソルビン酸あるいはその塩、ロンガリットな
どの還元剤を重合開始剤に組み合わせてもちいる、いわ
ゆるレドックス重合法を用いることができる。
【0025】また、所望によって種々の重合調整剤を添
加することもしばしばおこなわれる。たとえば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナト
リウムなどのpH調節剤やエチレンジアミン四酢酸ナトリ
ウムなどの各種キレート剤などである。本発明の共重合
体ラテックスを紙塗工用塗料のバインダーとして用いる
においては通常の実施態様でおこなうことができる。す
なわち、分散剤を溶解させた水中に無機顔料およびある
いは有機顔料、水溶性高分子、各種添加剤とともに共重
合体ラテックスを混合し、均一分散液とする態様であ
る。そして、この塗料は各種ブレードコーター、ロール
コーターなど通常の方法によって原紙に塗工することが
できる。
【0026】
【実施例】次に、実施例および応用例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってな
んら限定されるものではない。
【0027】
【実施例および比較例】直径0.035μm のシード
粒子の水性分散体(シード固形分濃度30重量%)3重
量部を、かくはん装置と温度調節用ジャケットを取り付
けた耐圧反応容器に入れ、さらに水70重量部、ラウリ
ル硫酸ナトリウム0.2重量部、イタコン酸2.5重量
部を仕込み、内温を80℃に昇温し、ついでモノマー、
重合反応抑制剤および連鎖移動剤からなる油性混合液
と、水15重量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1重量
部、水酸化ナトリウム0.2重量部、ラウリル硫酸ナト
リウム0.1重量部からなる水溶液とをそれぞれ4時間
および5時間をかけて一定の流速で添加した。そして8
0℃の温度をそのまま1時間保ったのち冷却し、次いで
生成した共重合体ラテックスのpHが8となるように表
1,2,3に示す量の水酸化カリウムと適量の水酸化ナ
トリウムを添加した。これをスチームストリッピング法
により未反応の単量体等を除去し、網目75μmのろ布
でろ過した。なお、すべての共重合体ラテックスは最終
的に固形分濃度が50重量%になるように調整した。原
料の詳細および重合中の安定性(微細凝固物の発生程
度)を表1、2および3に示す。
【0028】
【応用例1】実施例および比較例で調製した共重合体ラ
テックスについて、紙塗工用バインダーとしての性能評
価をおこなった。その結果を表6に示す。なお、塗工塗
料は表4に示す配合で、不揮発分濃度が64重量%にな
る水量で高速かくはん機で調製した。塗料のpHはアン
モニア水で9.0に調整した。この塗料を用いての塗工
紙の調製条件を表5に示す。また、ラテックスおよび塗
工紙の性能評価は、以下の方法により行った。
【0029】(イ)べたつき性 ラテックスをPETフィルム上にNo.15ロッドによ
り塗布し、50℃・1時間加熱して皮膜を作成する。こ
の皮膜と黒ラシャ紙を合わせベンチスーパーカレンダー
により200kg/m・70℃条件下で圧着させる。こ
れをひきはがして黒ラシャ紙のラテックス皮膜への転写
の程度を目視判定し五段階に評価する(点数高が良)。
【0030】(ロ)耐ブリスター性 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて塗工紙の両面を
印刷インク(WebbZett黄、大日本インク社製)
0.3ccをべた刷りする。この印刷された塗工紙を適
当な大きさに裁断し、その試験片を所定の温度に調整し
たシリコンオイル恒温槽に浸してブリスターが発生する
か否かを観察する。恒温槽の温度を変化させてこの試験
をおこない、ブリスターの発生が認められる最低温度を
求める。この温度が高いものほど耐ブリスター性に優れ
る。
【0031】(ハ)ドライピック強度 RI印刷試験機を用いて、印刷インク(SDスーパーデ
ラックス50紅B;タック値18、東華色素社製)0.
4cc5回重ね刷りをおこない、ゴムロールに現れたピ
ッキング状態を別の台紙に裏取りし、その程度を観察す
る。評価は10点評価法でおこない、ピッキング現象の
少ないものほど高得点とした。
【0032】(ニ)湿潤ピック強度 RI印刷試験機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿
してから、印刷インク(SDスーパーデラックス50紅
B;タック値18、東華色素社製)0.4cc1回刷り
をおこない、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の
台紙に裏取りし、その程度を観察する。評価は10点評
価法でおこない、ピッキング現象の少ないものほど高得
点とした。
【0033】表6から、本発明の共重合体ラテックスを
バインダーとして用いた塗工紙は耐ブリスター性とべた
付き性とが高度にバランスされたものであることが理解
される。
【0034】
【応用例2】実施例および参考例で調製した共重合体ラ
テックスについて、カーペットバックサイジング用バイ
ンダーとしての性能評価をおこなった。その結果を表9
に示す。なお、接着塗料は表7に示す配合で、不揮発分
濃度が70重量%になる水量で高速かくはん機で調製し
た。この塗料を用いてのカーペットの調製条件を表8に
示した。また、カーペットバックサイジング性能である
剥離強度および抜糸強度の測定は、JIS L−102
1に準拠した。平均値の高いものほど優れる。
【0035】表9から、本発明の共重合体ラテックスを
バインダーとして用いたカーペットは剥離強度と抜糸強
度が高度に向上したものであることがわかる。
【0036】
【応用例3】実施例および比較例で調製した共重合体ラ
テックスについて、粘着剤としての性能を評価した。そ
の結果を表10に示す。粘着試料は、以下に示す方法に
より作成した。得られた共重合体ラテックスに、ポリア
クリル酸ナトリウム約0.5重量部を添加して粘度を約
10,000cpsに調整し、剥離紙上に約45ドライ
g/m2 の塗工量で均一に塗工後、120℃の熱風で
2.5分乾燥した。得られた剥離紙上の乾燥塗膜を延伸
したポリプロピレンフィルム(厚さ約80μm)のコロ
ナ放電処理面に圧着させ、乾燥塗膜を該ポリプロピレン
フィルムに転写したものを粘着試料とした。粘着試料は
温度23℃、相対温度65%の条件下で1週間養生後、
粘着物性について測定した。また、粘着剤性能は以下の
方法により測定した。
【0037】(ホ)高温凝集力 ステンレス板に、粘着試料を25mm×25mmの大き
さで2kgのローラーを1往復させて貼りつけ、接着面
を引張試験機の引張方向と平行にセットし、40℃の雰
囲気下、2mm/分の速度でセン断力を測定した。 (ヘ)低温粘着力 幅25mm、長さ250mmの粘着試料の粘着層を表に
して輪(ループ)をつくり、0℃の雰囲気下、500m
m/minの速度で段ボール表面にほとんど圧力無しの
状態で接触させる。接触してから3秒後、同じく500
mm/minの速度で引きはがす時の剥離接着強度を測
定した。
【0038】(ト)PE接着力 23℃の雰囲気下において、添加剤を含有していない低
密度PE板に幅25mmの粘着試料を2kgのローラー
で1往復して貼り合わせ、貼り付けてから20分経過
後、500mm/minの速度で180°ピール強度を
測定した。表10から、本発明の共重合体ラテックスを
用いた粘着剤試料は高温凝集力、低温粘着力とPE接着
力が高度に向上したものであることがわかる。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】
【表9】
【0048】
【表10】
【0049】
【発明の効果】本発明によると、印刷塗工紙におけるピ
ック強度と他の性能とのバランスを向上させ、或いは、
又カーペットバックサイジング及び粘接着剤における接
着力をより向上させうる高性能の共重合体ラテックスを
容易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武井 徹 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号 旭化成工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン、エチレン性不飽和カルボン
    酸およびこれらと共重合可能なその他の単量体の乳化共
    重合にあたって、全単量体100重量部に対して0.1
    ないし5重量部の下記化学式に示すジフェニルエチレン
    およびまたはその核置換体を使用することを特徴とする
    共重合体ラテックスの製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 単量体の少なくとも50%を連続添加す
    る方式であって、該単量体添加中の重合反応器内の重合
    体/単量体重量比が0/100ないし90/10となる
    ようにジフェニルエチレンの使用量を調節する請求項1
    の共重合体ラテックスの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1および2に示す共重合体ラテッ
    クスおよび無機顔料を主成分とする紙塗工用またはカー
    ペットバックサイジング用組成物
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