JPH05166183A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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- JPH05166183A JPH05166183A JP3334686A JP33468691A JPH05166183A JP H05166183 A JPH05166183 A JP H05166183A JP 3334686 A JP3334686 A JP 3334686A JP 33468691 A JP33468691 A JP 33468691A JP H05166183 A JPH05166183 A JP H05166183A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 リング型磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装
置に適する磁気記録媒体の製造方法において、再生出力
の高いものが得られる製造方法を提供する。 【構成】 円筒状キャン3の円周面上を走行する非磁性
基板1上にCo−O膜を連続蒸着法で形成する際、酸素
導入管9より酸素を蒸発原子7の入射方向と平行に導入
し、窒素導入管10より窒素を円筒状キャン3の円周方
向と平行な方向に導入することにより、非磁性基板1の
垂直方向から傾斜した方向に磁化容易軸方向を有するC
o−O膜が得られ、リング型磁気ヘッドを用いたとき高
い再生出力が得られる。
置に適する磁気記録媒体の製造方法において、再生出力
の高いものが得られる製造方法を提供する。 【構成】 円筒状キャン3の円周面上を走行する非磁性
基板1上にCo−O膜を連続蒸着法で形成する際、酸素
導入管9より酸素を蒸発原子7の入射方向と平行に導入
し、窒素導入管10より窒素を円筒状キャン3の円周方
向と平行な方向に導入することにより、非磁性基板1の
垂直方向から傾斜した方向に磁化容易軸方向を有するC
o−O膜が得られ、リング型磁気ヘッドを用いたとき高
い再生出力が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リング型磁気ヘッド
(以下リングヘッドと記す)を用いた磁気記録再生装置
に使用する磁気記録媒体の製造方法に関する。
(以下リングヘッドと記す)を用いた磁気記録再生装置
に使用する磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Co−OおよびCo−Ni−O蒸着テー
プは、磁気記録媒体として研究されている。すでにCo
−Ni−O蒸着テープはハイバンド8ミリ用テープとし
て実用化されるに至っている。Co−O蒸着テープは、
蒸発原子の基板への入射角を基板面に対して垂直になる
ようにして作製すると、強い垂直磁気異方性を示すCo
−O膜の作製が可能となる。真空蒸着法でCo−O膜を
作製する際、酸素だけでなく窒素を導入すると、大きな
垂直磁気異方性磁界(Hk)を有し、かつ垂直方向の保
磁力(Hc⊥)の大きなCo−O膜が得られる。
プは、磁気記録媒体として研究されている。すでにCo
−Ni−O蒸着テープはハイバンド8ミリ用テープとし
て実用化されるに至っている。Co−O蒸着テープは、
蒸発原子の基板への入射角を基板面に対して垂直になる
ようにして作製すると、強い垂直磁気異方性を示すCo
−O膜の作製が可能となる。真空蒸着法でCo−O膜を
作製する際、酸素だけでなく窒素を導入すると、大きな
垂直磁気異方性磁界(Hk)を有し、かつ垂直方向の保
磁力(Hc⊥)の大きなCo−O膜が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来C
o−Oを作製する際、窒素を導入すると、HkおよびH
c⊥の大きなCo−O膜が得られたが、リングヘッドを
用いて記録再生した場合、十分高い再生出力を示す磁気
記録媒体が得られなかった。
o−Oを作製する際、窒素を導入すると、HkおよびH
c⊥の大きなCo−O膜が得られたが、リングヘッドを
用いて記録再生した場合、十分高い再生出力を示す磁気
記録媒体が得られなかった。
【0004】本発明はリングヘッドの使用時に高い再生
出力が得られる磁気記録媒体の製造方法を提供すること
を目的とする。
出力が得られる磁気記録媒体の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、非磁性基板上またはその非磁性基板上に形
成された磁性層上にCoおよび酸素を主成分とする磁性
膜を連続蒸着法により形成する際、酸素ガスを蒸発原子
の終期入射側近傍から蒸発原子の入射方向とほぼ平行な
方向に導入し、窒素、Arのうち少なくとも一種類のガ
スを終期入社側近傍から円筒状キャンの円周方向とほぼ
平行な方向に導入することを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法とする。
に本発明は、非磁性基板上またはその非磁性基板上に形
成された磁性層上にCoおよび酸素を主成分とする磁性
膜を連続蒸着法により形成する際、酸素ガスを蒸発原子
の終期入射側近傍から蒸発原子の入射方向とほぼ平行な
方向に導入し、窒素、Arのうち少なくとも一種類のガ
スを終期入社側近傍から円筒状キャンの円周方向とほぼ
平行な方向に導入することを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法とする。
【0006】
【作用】この構成により、Coおよび酸素を主成分とす
る磁性膜、例えばCo−O膜を作製する際、ほぼ蒸気流
の方向に酸素を導入すると、酸素は蒸発してきたCo原
子の運動を妨げず、Co原子は高いエネルギーのまま酸
素原子と結合し、非磁性基板に到達することができる。
また、できたCo−O膜の深さ方向に比較的均一に酸素
が分布し、磁気異方性の強いCo−O膜を作製すること
ができる。
る磁性膜、例えばCo−O膜を作製する際、ほぼ蒸気流
の方向に酸素を導入すると、酸素は蒸発してきたCo原
子の運動を妨げず、Co原子は高いエネルギーのまま酸
素原子と結合し、非磁性基板に到達することができる。
また、できたCo−O膜の深さ方向に比較的均一に酸素
が分布し、磁気異方性の強いCo−O膜を作製すること
ができる。
【0007】Co−O膜を真空蒸着法で作製する際、窒
素を導入すると、形成されたCo−O膜の柱状結晶粒間
の空間的な分離が促進される。このためにCo−O膜は
大きなHkを示すとともにHc⊥も大きくなる。しか
し、従来の方法のように、非磁性基板に対して垂直に近
い角度で窒素を導入すると、柱状結晶粒が非磁性基板に
対して垂直に近い角度で成長するために磁化容易軸方向
が非磁性基板に対して垂直に近い方向を向いてしまう。
このような磁気記録媒体にリングヘッドを用いて記録再
生する場合には、高出力は得られない。この原因はリン
グヘッドから漏れる磁束は垂直成分が弱いためである。
また窒素を酸素の4倍以上導入したり、蒸着部近傍の真
空度が、3.0×10-4Torrを超えて悪くなると、
窒素とCo粒子とが衝突する機会が増えるために、柱状
結晶粒が非磁性基板に対して垂直の方向に成長し、高出
力のCo−O膜ができない。
素を導入すると、形成されたCo−O膜の柱状結晶粒間
の空間的な分離が促進される。このためにCo−O膜は
大きなHkを示すとともにHc⊥も大きくなる。しか
し、従来の方法のように、非磁性基板に対して垂直に近
い角度で窒素を導入すると、柱状結晶粒が非磁性基板に
対して垂直に近い角度で成長するために磁化容易軸方向
が非磁性基板に対して垂直に近い方向を向いてしまう。
このような磁気記録媒体にリングヘッドを用いて記録再
生する場合には、高出力は得られない。この原因はリン
グヘッドから漏れる磁束は垂直成分が弱いためである。
また窒素を酸素の4倍以上導入したり、蒸着部近傍の真
空度が、3.0×10-4Torrを超えて悪くなると、
窒素とCo粒子とが衝突する機会が増えるために、柱状
結晶粒が非磁性基板に対して垂直の方向に成長し、高出
力のCo−O膜ができない。
【0008】リングヘッドで高出力を示すCo−O膜を
作製するためには、磁化容易軸方向が垂直方向から傾斜
し、かつ磁気異方性の大きなCo−O膜を作製する必要
がある。そのため本発明においては、窒素を非磁性基板
の表面に対してほぼ平行に導入するので、柱状結晶粒が
垂直方向から傾斜した状態で成長するのを妨げない。ま
た、この導入方法だと窒素の導入量が最小限ですむの
で、残留ガス分子によるCo原子の散乱を最小限にする
ことができる。このためにCo−O膜の磁化容易軸方向
が垂直方向から傾斜する。さらに柱状結晶粒の成長方向
を非磁性基板の垂直方向から傾斜させるために、蒸発原
子の非磁性基板への初期入射角は60°以上、終期入射
角は40°以上とするのがよい。ただし、初期入射角と
はCo−O膜の初期形成時における蒸発原子の入射方向
と非磁性基板に対する垂直方向とのなす角度であり、終
期入射角とはCo−O膜の終期形成時における同様の角
度のことである。以上のようにしてCo−O膜を作製す
ると、Co−O膜の磁化容易軸方向が垂直方向から傾斜
しており、かつ磁気異方性エネルギーの大きなCo−O
膜が得られる。このため、リングヘッドを用いて記録再
生した際、高い再生出力が得られる。
作製するためには、磁化容易軸方向が垂直方向から傾斜
し、かつ磁気異方性の大きなCo−O膜を作製する必要
がある。そのため本発明においては、窒素を非磁性基板
の表面に対してほぼ平行に導入するので、柱状結晶粒が
垂直方向から傾斜した状態で成長するのを妨げない。ま
た、この導入方法だと窒素の導入量が最小限ですむの
で、残留ガス分子によるCo原子の散乱を最小限にする
ことができる。このためにCo−O膜の磁化容易軸方向
が垂直方向から傾斜する。さらに柱状結晶粒の成長方向
を非磁性基板の垂直方向から傾斜させるために、蒸発原
子の非磁性基板への初期入射角は60°以上、終期入射
角は40°以上とするのがよい。ただし、初期入射角と
はCo−O膜の初期形成時における蒸発原子の入射方向
と非磁性基板に対する垂直方向とのなす角度であり、終
期入射角とはCo−O膜の終期形成時における同様の角
度のことである。以上のようにしてCo−O膜を作製す
ると、Co−O膜の磁化容易軸方向が垂直方向から傾斜
しており、かつ磁気異方性エネルギーの大きなCo−O
膜が得られる。このため、リングヘッドを用いて記録再
生した際、高い再生出力が得られる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の一実施例における磁気記録
媒体の製造方法を図面に基づいて説明する。
媒体の製造方法を図面に基づいて説明する。
【0010】図1は本発明の磁気記録媒体の製造装置の
一例を示す図である。図1において、非磁性基板として
の高分子基板1は、巻出しロール2から巻出されて矢印
Aの向きに円筒状キャン3の周面上に沿って走行し、巻
取りロール4に巻取られる。この間、円筒状キャン3の
周面上で、坩堝5に入った蒸発源6より飛来した蒸発原
子7が高分子基板1の表面に付着してCo−O膜が形成
される。そして蒸発原子7の高分子基板1への入射角
は、仕切り板8により、初期入射角φiから終期入射角
φfまで連続的に変化する。
一例を示す図である。図1において、非磁性基板として
の高分子基板1は、巻出しロール2から巻出されて矢印
Aの向きに円筒状キャン3の周面上に沿って走行し、巻
取りロール4に巻取られる。この間、円筒状キャン3の
周面上で、坩堝5に入った蒸発源6より飛来した蒸発原
子7が高分子基板1の表面に付着してCo−O膜が形成
される。そして蒸発原子7の高分子基板1への入射角
は、仕切り板8により、初期入射角φiから終期入射角
φfまで連続的に変化する。
【0011】9は酸素導入管であり、Bは酸素の導入さ
れる方向を示している。酸素の導入方向Bとしては、蒸
発原子7の運動方向を阻害しないように、ほぼ蒸気流の
方向と一致しているのが望ましい。しかし実際には、蒸
発原子7と反応させるためには、30°を超えない範囲
で、平均の蒸気流の方向に対して図1の導入方向Bに示
すように傾斜させてやる必要がある。また、10は窒素
導入管であり、Cは窒素の導入方向を示している。窒素
は円筒状キャン3の周面の方向に吹き出される。これら
の各導入管9,10のガス吹き出し口は、レーザー加工
により開けられた0.1mmφの穴となっており、酸素お
よび窒素は、吹き出し口からそれぞれ図1のBおよびC
の方向へ勢い良く吹き出される。吹き出し口の径はガス
の吹き出される方向を制御するためになるべく小さいも
のが望ましく、1mm以下のものが良い。また、11は排
気管である。
れる方向を示している。酸素の導入方向Bとしては、蒸
発原子7の運動方向を阻害しないように、ほぼ蒸気流の
方向と一致しているのが望ましい。しかし実際には、蒸
発原子7と反応させるためには、30°を超えない範囲
で、平均の蒸気流の方向に対して図1の導入方向Bに示
すように傾斜させてやる必要がある。また、10は窒素
導入管であり、Cは窒素の導入方向を示している。窒素
は円筒状キャン3の周面の方向に吹き出される。これら
の各導入管9,10のガス吹き出し口は、レーザー加工
により開けられた0.1mmφの穴となっており、酸素お
よび窒素は、吹き出し口からそれぞれ図1のBおよびC
の方向へ勢い良く吹き出される。吹き出し口の径はガス
の吹き出される方向を制御するためになるべく小さいも
のが望ましく、1mm以下のものが良い。また、11は排
気管である。
【0012】窒素を導入管10により導入するとき、窒
素量は多い方がCo−O膜の柱状結晶粒間に多くの間隙
を形成し、より磁気異方性の大きなCo−O膜を形成可
能にする。しかし窒素量が多いと、蒸着部近傍の真空度
が低下し、そのためCo原子の衝突が増加し、柱状結晶
粒が垂直方向に成長してしまう。柱状結晶粒を垂直方向
から傾斜させつつ成長させるには、蒸着開始部近傍を図
1に示すように排気管11により排気してやるのが有効
である。
素量は多い方がCo−O膜の柱状結晶粒間に多くの間隙
を形成し、より磁気異方性の大きなCo−O膜を形成可
能にする。しかし窒素量が多いと、蒸着部近傍の真空度
が低下し、そのためCo原子の衝突が増加し、柱状結晶
粒が垂直方向に成長してしまう。柱状結晶粒を垂直方向
から傾斜させつつ成長させるには、蒸着開始部近傍を図
1に示すように排気管11により排気してやるのが有効
である。
【0013】(実施例I)次に、図1に示す製造装置を
用いたCo−O膜の製造方法の具体例について説明す
る。まず、本実施例1のCo−O膜を次のようにして作
製した。円筒状キャン3の直径が50cmのものを用い、
円筒状キャン3の温度は100℃とした。円筒状キャン
3の温度を100℃とするのは、室温とするより保磁力
のより大きいCo−O膜が得られるためである。高分子
基板1としては厚さ10μm、幅500mmのポリエチレ
ンナフタレート(PEN)基板を用いた。蒸発源6とし
てはCoを用い、初期入射角φiは80°、終期入射角
φfは40°とした。真空装置内部全体を3.0×10
-5Torr以下に排気した後、酸素を0.61/mi
n、窒素を0.31/min導入したところ、真空度は
2.0×10-4Torr程度であった。高分子基板1の
搬送速度を20m/minとし、蒸着速度は1μm/s
ecで膜厚約0.2μmのCo−O膜を作製した。
用いたCo−O膜の製造方法の具体例について説明す
る。まず、本実施例1のCo−O膜を次のようにして作
製した。円筒状キャン3の直径が50cmのものを用い、
円筒状キャン3の温度は100℃とした。円筒状キャン
3の温度を100℃とするのは、室温とするより保磁力
のより大きいCo−O膜が得られるためである。高分子
基板1としては厚さ10μm、幅500mmのポリエチレ
ンナフタレート(PEN)基板を用いた。蒸発源6とし
てはCoを用い、初期入射角φiは80°、終期入射角
φfは40°とした。真空装置内部全体を3.0×10
-5Torr以下に排気した後、酸素を0.61/mi
n、窒素を0.31/min導入したところ、真空度は
2.0×10-4Torr程度であった。高分子基板1の
搬送速度を20m/minとし、蒸着速度は1μm/s
ecで膜厚約0.2μmのCo−O膜を作製した。
【0014】次に、上記本実施例1と同様の方法で本実
施例1とは酸素および窒素の導入量を変えて本実施例2
〜4および比較例1〜3のCo−O膜を作製した。ただ
し、比較例2は窒素を導入しないもの、比較例3は酸素
導入管から酸素と窒素とを導入したものである。
施例1とは酸素および窒素の導入量を変えて本実施例2
〜4および比較例1〜3のCo−O膜を作製した。ただ
し、比較例2は窒素を導入しないもの、比較例3は酸素
導入管から酸素と窒素とを導入したものである。
【0015】以上のようにして作製したCo−O膜の磁
気特性を振動試料型磁力計(VSM)を用いて測定し
た。VSMにより求めたHc⊥、Hc‖(膜面内の磁化
容易軸方向の保磁力)およびMr‖/Ms(膜面内の磁
化容易軸方向における磁化曲線の残留磁化と飽和磁化と
の比)を(表1)に示す。
気特性を振動試料型磁力計(VSM)を用いて測定し
た。VSMにより求めたHc⊥、Hc‖(膜面内の磁化
容易軸方向の保磁力)およびMr‖/Ms(膜面内の磁
化容易軸方向における磁化曲線の残留磁化と飽和磁化と
の比)を(表1)に示す。
【0016】
【表1】
【0017】本実施例1の飽和磁化は500emu/cc
であった。本実施例1のCo−O膜はHc⊥、Hc‖が
ともに大きく、かつMr‖/Msの値が大きい。これは
磁化用軸方向が垂直方向から傾斜しており、かつ傾斜し
た方向の磁気異方性が大きいことを示している。したが
ってリングヘッドを用いて記録再生する場合には大きな
再生出力が得られる。
であった。本実施例1のCo−O膜はHc⊥、Hc‖が
ともに大きく、かつMr‖/Msの値が大きい。これは
磁化用軸方向が垂直方向から傾斜しており、かつ傾斜し
た方向の磁気異方性が大きいことを示している。したが
ってリングヘッドを用いて記録再生する場合には大きな
再生出力が得られる。
【0018】また、本実施例2〜4のように、導入する
窒素量を次第に増加させても、本実施例1とほぼ同様の
磁気特性が得られる。しかし、比較例1のように窒素量
を酸素の4倍まで増やすとHc‖およびMr‖/Msが
小さくなり、磁化容易軸方向が垂直的となる。このよう
なCo−O膜はリングヘッドでは高い再生出力が得られ
ない。リングヘッドで高い再生出力を得るためには、窒
素の導入量を酸素の約3倍以下にするのが望ましい。ま
た本実施例1〜4において酸素導入管9より導入した酸
素を窒素導入管10より導入した場合にはHc⊥、Hc
‖ともに低下したが、窒素導入管10から導入した酸素
が酸素導入管9から導入した酸素の20%以下であれ
ば、Hc⊥およびHc‖の低下はほとんどなかった。
窒素量を次第に増加させても、本実施例1とほぼ同様の
磁気特性が得られる。しかし、比較例1のように窒素量
を酸素の4倍まで増やすとHc‖およびMr‖/Msが
小さくなり、磁化容易軸方向が垂直的となる。このよう
なCo−O膜はリングヘッドでは高い再生出力が得られ
ない。リングヘッドで高い再生出力を得るためには、窒
素の導入量を酸素の約3倍以下にするのが望ましい。ま
た本実施例1〜4において酸素導入管9より導入した酸
素を窒素導入管10より導入した場合にはHc⊥、Hc
‖ともに低下したが、窒素導入管10から導入した酸素
が酸素導入管9から導入した酸素の20%以下であれ
ば、Hc⊥およびHc‖の低下はほとんどなかった。
【0019】比較例2は窒素導入しない場合であるが、
この場合は窒素による柱状結晶粒間の分離がないので、
Hc⊥およびHc‖は小さい。したがって、磁化容易軸
方向の磁気異方性は弱いと考えられ、優れた磁気記録媒
体とはならない。比較例3は、酸素導入管9から酸素お
よび窒素を導入した場合であるが、この場合には、Hc
⊥は大きいが、Hc‖およびMr‖/Msは低下する。
すなわち強い垂直磁気異方性を有するCo−O膜が形成
されるため、リングヘッドを用いた記録に適さない。な
お比較例1および比較例3の場合の成膜中の蒸着部近傍
の真空度は、5.0×10-4Torr程度であった。
この場合は窒素による柱状結晶粒間の分離がないので、
Hc⊥およびHc‖は小さい。したがって、磁化容易軸
方向の磁気異方性は弱いと考えられ、優れた磁気記録媒
体とはならない。比較例3は、酸素導入管9から酸素お
よび窒素を導入した場合であるが、この場合には、Hc
⊥は大きいが、Hc‖およびMr‖/Msは低下する。
すなわち強い垂直磁気異方性を有するCo−O膜が形成
されるため、リングヘッドを用いた記録に適さない。な
お比較例1および比較例3の場合の成膜中の蒸着部近傍
の真空度は、5.0×10-4Torr程度であった。
【0020】なお、ここで従来例との比較のため、従来
法によるCo−O膜について述べる。図2は従来のCo
−O膜の製造装置の一例を示す。ただし図2において図
1と同様のものは図1と同一符号を付してある。図2は
図1とほぼ同様であるが、蒸発原子の高分子基板1への
入射角はほぼ高分子基板1の法線方向であり、また酸素
と窒素はともにガス導入口12よりDの方向へ導入され
る。図2の製造装置で本実施例1と同様にしてCo−O
膜を作製すると、Hc⊥は2000Oe、Hc‖は60
0Oe、Mr‖/Msは0.2のCo−O膜が作製され
た。このCo−O膜は垂直磁気異方性が強くリングヘッ
ドを用いた記録再生には適さない。
法によるCo−O膜について述べる。図2は従来のCo
−O膜の製造装置の一例を示す。ただし図2において図
1と同様のものは図1と同一符号を付してある。図2は
図1とほぼ同様であるが、蒸発原子の高分子基板1への
入射角はほぼ高分子基板1の法線方向であり、また酸素
と窒素はともにガス導入口12よりDの方向へ導入され
る。図2の製造装置で本実施例1と同様にしてCo−O
膜を作製すると、Hc⊥は2000Oe、Hc‖は60
0Oe、Mr‖/Msは0.2のCo−O膜が作製され
た。このCo−O膜は垂直磁気異方性が強くリングヘッ
ドを用いた記録再生には適さない。
【0021】次に本実施例1のCo−O膜による磁気記
録媒体を8mm幅にスリットして、市販のハイバンド8ミ
リデッキを用い輝度信号S/Nの評価を行った。その結
果、本実施例1のCo−O膜を用いた磁気記録媒体は、
市販の金属蒸着テープ(MEテープ)に比べて5dB高
いS/Nを有することがわかった。これは本実施例1の
Co−O膜が市販の金属蒸着テープに比べて斜め方向に
高い磁気異方性を有しているためと考えられる。
録媒体を8mm幅にスリットして、市販のハイバンド8ミ
リデッキを用い輝度信号S/Nの評価を行った。その結
果、本実施例1のCo−O膜を用いた磁気記録媒体は、
市販の金属蒸着テープ(MEテープ)に比べて5dB高
いS/Nを有することがわかった。これは本実施例1の
Co−O膜が市販の金属蒸着テープに比べて斜め方向に
高い磁気異方性を有しているためと考えられる。
【0022】(実施例II)次に、排気管11よりターボ
分子ポンプを用いて排気する他は、比較例1と全く同じ
条件で本実施例5のCo−O膜を作製した。(表2)に
その磁気特性を示す。
分子ポンプを用いて排気する他は、比較例1と全く同じ
条件で本実施例5のCo−O膜を作製した。(表2)に
その磁気特性を示す。
【0023】
【表2】
【0024】この場合は真空度が2.0×10-4Tor
rまで改善されたために、Mr‖/Msは大幅に改善さ
れている。本実施例5のCo−O膜はHc⊥、Hc‖が
ともに大きく、リングヘッドで記録再生するのに適した
Co−O膜である。
rまで改善されたために、Mr‖/Msは大幅に改善さ
れている。本実施例5のCo−O膜はHc⊥、Hc‖が
ともに大きく、リングヘッドで記録再生するのに適した
Co−O膜である。
【0025】(実施例III)高分子基板1として厚さ1
0μm、幅500mmのポリイミド基板を用いて、第1の
磁性層としてCo−Cr膜、第2の磁性層としてCo−
O膜を積層した磁気テープを作製した。Co−Cr膜の
上にCo−O膜を形成するのは、Co−Cr膜の耐久
性、走行性を向上させ、かつ異った2種類の材料の持つ
優れた記録再生特性を利用するためである。実施例Iで
使用したのと同じ真空蒸着装置を用い、まず、蒸発源6
としてCo−Cr合金を使用して0.1μmの膜厚でC
o−Cr膜を作製した。この時円筒状キャン3の温度は
250℃とした。この後、巻取りロール4に巻取られた
Co−Cr膜を矢印Aと反対の方向に走行させて、巻出
しロール2に巻直した。そして今度は蒸発源6にCoを
用い、酸素および窒素を実施例1と全く同様の方法で導
入して、0.1μmの膜厚のCo−O膜を作製した。
0μm、幅500mmのポリイミド基板を用いて、第1の
磁性層としてCo−Cr膜、第2の磁性層としてCo−
O膜を積層した磁気テープを作製した。Co−Cr膜の
上にCo−O膜を形成するのは、Co−Cr膜の耐久
性、走行性を向上させ、かつ異った2種類の材料の持つ
優れた記録再生特性を利用するためである。実施例Iで
使用したのと同じ真空蒸着装置を用い、まず、蒸発源6
としてCo−Cr合金を使用して0.1μmの膜厚でC
o−Cr膜を作製した。この時円筒状キャン3の温度は
250℃とした。この後、巻取りロール4に巻取られた
Co−Cr膜を矢印Aと反対の方向に走行させて、巻出
しロール2に巻直した。そして今度は蒸発源6にCoを
用い、酸素および窒素を実施例1と全く同様の方法で導
入して、0.1μmの膜厚のCo−O膜を作製した。
【0026】以上のようにして作製した磁気記録媒体の
輝度信号のS/N比を実施例1と同じ方法で評価したと
ころ、市販の金属蒸着テープに比べて約6dB高いS/
N比が得られた。一方比較例2と同様の方法でCo−C
r膜の上にCo−O膜を上記と同じ方法で作製しても、
金属蒸着テープに比べて+3dBの再生出力しか得られ
なかった。本実施例IIIの方法で第2の磁性層としてC
o−O膜を作製した場合は、(表1)に示すような高い
保磁力を有するため、2層の磁性層からなる磁気記録媒
体の再生出力を増加させる効果があると考えられる。
輝度信号のS/N比を実施例1と同じ方法で評価したと
ころ、市販の金属蒸着テープに比べて約6dB高いS/
N比が得られた。一方比較例2と同様の方法でCo−C
r膜の上にCo−O膜を上記と同じ方法で作製しても、
金属蒸着テープに比べて+3dBの再生出力しか得られ
なかった。本実施例IIIの方法で第2の磁性層としてC
o−O膜を作製した場合は、(表1)に示すような高い
保磁力を有するため、2層の磁性層からなる磁気記録媒
体の再生出力を増加させる効果があると考えられる。
【0027】以上の実施例I〜IIIでは窒素を用いる場
合について述べたが、窒素の代りに窒素導入管10から
Arなどの不活性ガスを用いても実施例I〜IIIと同様
の効果がある。また実施例I〜IIIでは、Co−O膜を
作製する場合について説明したが、Co−O膜の代りに
Co−Ni−O膜としてもCo−O膜の場合とほぼ同様
に有効である。高分子基板1としてはポリエチレンナフ
タレート基板を用いる場合について説明したが、ポリエ
チレンテレフタレート基板、ポリアミド基板またはポリ
イミド基板を用いても有効である。
合について述べたが、窒素の代りに窒素導入管10から
Arなどの不活性ガスを用いても実施例I〜IIIと同様
の効果がある。また実施例I〜IIIでは、Co−O膜を
作製する場合について説明したが、Co−O膜の代りに
Co−Ni−O膜としてもCo−O膜の場合とほぼ同様
に有効である。高分子基板1としてはポリエチレンナフ
タレート基板を用いる場合について説明したが、ポリエ
チレンテレフタレート基板、ポリアミド基板またはポリ
イミド基板を用いても有効である。
【0028】また、実施例I,IIにおいては、Co−O
膜を1層だけ形成する場合について説明したが、実施例
IIIに示したように磁性層を2層以上積層する場合、1
層以上に本発明の製造方法を適用すれば、Co−O膜ま
たはCo−Ni−O膜の特性を改善する効果がある。
膜を1層だけ形成する場合について説明したが、実施例
IIIに示したように磁性層を2層以上積層する場合、1
層以上に本発明の製造方法を適用すれば、Co−O膜ま
たはCo−Ni−O膜の特性を改善する効果がある。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の磁気記録媒体の製造方法は、蒸発原子の終期入射側近
傍から特定の方向に酸素と窒素またはArガスを導入す
るもので、これにより磁性膜の垂直方向から傾斜した方
向に大きな磁気異方性を有する磁性膜を作製することが
できる。このため、本発明の製造方法により作製した磁
気記録媒体はリングヘッドを用いて記録再生する際に高
い再生出力および優れたS/N比が得られる。
の磁気記録媒体の製造方法は、蒸発原子の終期入射側近
傍から特定の方向に酸素と窒素またはArガスを導入す
るもので、これにより磁性膜の垂直方向から傾斜した方
向に大きな磁気異方性を有する磁性膜を作製することが
できる。このため、本発明の製造方法により作製した磁
気記録媒体はリングヘッドを用いて記録再生する際に高
い再生出力および優れたS/N比が得られる。
【図1】本発明の一実施例における磁気記録媒体の製造
方法を実施する製造装置の概略図
方法を実施する製造装置の概略図
【図2】従来の磁気記録媒体の製造装置の概略図
1 高分子基板(非磁性基板) 3 円筒状キャン 7 蒸発原子 9 酸素導入管 10 窒素導入管 11 排気管 φi 初期入射角 φf 終期入射角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 達朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】円筒状キャンの円周面上を走行する非磁性
基板上またはその非磁性基板上に形成された磁性層上に
Coおよび酸素を主成分とする磁性膜を連続蒸着法によ
り形成する際、蒸着部における蒸発原子の終期入射側近
傍からその蒸発原子の入射方向とほぼ平行な方向に酸素
ガスを導入し、窒素、Arのうち少なくとも一種類のガ
スを終期入射側近傍から前記円筒状キャンの円周方向と
ほぼ平行な方向に導入することを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法。 - 【請求項2】蒸着部近傍の真空度が3.0×10-4To
rr以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気記
録媒体の製造方法。 - 【請求項3】磁性膜の初期形成時における蒸発原子の入
射方向が非磁性基板の垂直方向から60°以上傾斜し、
終期形成時における入射方向が垂直方向から40°以上
傾斜していることを特徴とする請求項1または2記載の
磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項4】蒸着部における蒸発原子の初期入射側近傍
に排気口を設けてガスを排気することを特徴とする請求
項1,2または3記載の磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3334686A JPH05166183A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3334686A JPH05166183A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05166183A true JPH05166183A (ja) | 1993-07-02 |
Family
ID=18280100
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3334686A Pending JPH05166183A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05166183A (ja) |
-
1991
- 1991-12-18 JP JP3334686A patent/JPH05166183A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |