JPH0517121A - 改質粉体及び改質粉体の製造方法 - Google Patents

改質粉体及び改質粉体の製造方法

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JPH0517121A
JPH0517121A JP3122771A JP12277191A JPH0517121A JP H0517121 A JPH0517121 A JP H0517121A JP 3122771 A JP3122771 A JP 3122771A JP 12277191 A JP12277191 A JP 12277191A JP H0517121 A JPH0517121 A JP H0517121A
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JP
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powder
compound
polysilane
silicon
group
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JP3122771A
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Tadao Onaka
忠生 大中
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KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シロキサン結合を有しない含ケイ素化合物を
粉体表面に形成させることにより、耐酸性、耐アルカリ
性、耐薬品性などにおいて優れた特性を持つ改質粉体を
得る。 【構成】 一般式(R12Si)n、(R12Si)n
(R34SiO)m又は下記の式(式中、R1、R2、R
3、R4:水素原子又は炭化水素基;n、m:整数) で表わされるポリシラン化合物を原料とし、そのポリシ
ラン化合物の反応生成物である炭化ケイ素、ポリカルボ
シラン又は窒化ケイ素を粉体の表面に被着形成して粉体
表面を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般に平均粒径10
mm以下の有機、無機の各種粉体の性質を改善して得られ
る、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性などにおいて優れ
た特性を持つ改質粉体、並びにその製造方法に関し、こ
の発明は、例えば液体クロマトグラフィー用充填剤、化
粧品、樹脂組成物、塗料、磁性材料などの分野で利用さ
れるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体の改質には、シリコーン油が
しばしば使用されてきた。例えば、特公昭41−989
0号公報には、動物性、植物性又は鉱物性の粉末の表面
をシリコーン樹脂塗布料で被覆し、乾燥焼付けすること
により、粉末類に潤滑性を付与することが開示されてい
る。特公昭45−2915号公報には、タルク等の鉱物
性粉末と分子鎖中にケイ素原子と直接結合する水素原子
を有するシリコーン化合物とをブレンダー混合等によっ
て粉末にシリコーン化合物を単純付着させた後、加熱焼
付けすることにより、粉末類に撥水性を付与する技術が
開示されている。また、特公昭45−18999号公報
では、タルクに、ジメチルポリシロキサン又はメチルハ
イドロジェンポリシロキサンを有機溶媒に溶解した後そ
れを接触付着させ、その後に、必要に応じメチルハイド
ロジェンポリシロキサンの架橋重合触媒として亜鉛オク
トエートのような物質を添加し、焼付けすることによ
り、粉末に自動流動性等を付与する技術が開示されてい
る。さらに、特公昭49−1769号公報には、二酸化
チタンに各種アルキルポリシロキサンを直接被覆、乳化
被覆又は溶剤溶液被覆させ、必要に応じて総炭素数6以
上のエステル化合物を併用し、乾燥焼付けすることによ
り、粉末の粉塵性・分散性等の改質を行なう技術が開示
されている。また、特開昭56−16404号公報、特
開昭55−136213号公報及び特開昭56−295
12号公報には、粉体にシリコーン油及び油剤を添加
し、撹拌混合し或いは粉砕等のメカノケミカル反応を施
して混合した後、焼付け処理して粉体の改質を行なう方
法が記載されている。
【0003】また、熱処理を伴わない改質方法として、
特開昭57−200306号公報には、粉体を特定構造
の(A)シラン化合物、(B)環状ポリオルガノシロキ
サン又は(C)線状ポリオルガノシロキサンで処理する
ことにより、粉体に撥水性、流動性を付与する方法が開
示されている。この方法は、対象とする粉体の1〜10
重量%の上記有機ケイ素化合物を溶媒に希釈し、散布、
直接散布又はガス状噴霧し或いは直接混合撹拌して粉体
に吸着させ、次いで水、水蒸気処理を行なう方法であ
る。
【0004】さらに、特開昭63−113082号公報
には、シリコーン化合物を蒸気状態で粉体と接触させ、
シリコーン化合物のSi−Hを粉体表面上で架橋重合さ
せて、粉体表面にシリコーン皮膜を形成させる方法が記
載されている。但し、上記した架橋重合は、立体障害の
ために完全には進行しない。従って、未反応のSi−H
部分が残留し、そのためにアルカリ性又は酸性条件下で
は、シリコーン皮膜が不安定になることがある。
【0005】ところで、上記したメチルハイドロジェン
ポリシロキサンによる処理は、比較的低温で実施するこ
とができる点で有利であるが、粉体表面上に形成される
シリコーンポリマー皮膜中にSi−H部分が残留して存
在するため、水又はアルコールが共存すると水素が発生
することがあり、必ずしも充分な安定性を示すものでは
ない。また、メチルハイドロジェンポリシロキサンで処
理すると粉体に疎水性を付与することができるが、ある
特定の油や樹脂中での最適の分散性を持つ粉体を得るた
めには、その特定の油や樹脂に応じて選んだ特定のアル
キル(又はアリール)ハイドロジェンポリシロキサンで
粉体を処理する必要がある。このような場合に、長鎖炭
化水素基を持つポリシロキサンを使用することが必要で
あり、それが可能な場合もある。しかしながら、そのよ
うなポリシロキサンの沸点又は融点は非常に高くなるの
で、ポリシロキサンの好ましい形(すなわち蒸気状態)
で処理することが困難になる。また、種々の官能基(−
NH2、−COOH、−CN等)を持つシリコーンポリ
マーの皮膜で被覆された粉体を得ることも困難である。
それら官能基とSi−H部分とを持つ処理剤を得ること
が容易ではないからである。
【0006】この改良法として、特開昭63−1130
81号公報には、低級アルキルハイドロジェンポリシロ
キサンで粉体を処理し、SiH基と反応することのでき
る化合物を付加させることにより対処する技術が開示さ
れている。
【0007】また、粉体に官能基を導入する場合には、
一般にシランカップリング剤が使用される。例えばシリ
カについては、シランカップリング剤で簡単に処理する
ことができる。しかし、亜鉛華や二酸化チタンのように
シランカップリング剤で処理しにくいものもある。さら
に、シランカップリング剤を、例えば金属酸化物に導入
する場合には、金属酸化物の表面上に存在するOH基と
シランカップリング剤とを反応させる。従って、シラン
カップリング剤によって導入させる官能基は、金属酸化
物に強固に結合することができない。さらに、シランカ
ップリング剤で処理すると、金属酸化物の実質的に全表
面を被覆したシリコーンポリマーを得ることはできな
い。このため、金属酸化物の金属原子が表面に露出し、
表面活性を充分に封鎖することはできない。従って、シ
ランカップリング剤で処理した金属酸化物は、これを例
えば化粧料等に配合すると、変質や変臭等の問題を起こ
すことがある。さらに、疎水性は若干あるものの分散性
をコントロールすることはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来技術で
は、ほとんどの有機系粉体や熱処理に弱い無機系粉体に
対応できなかった。例えば、有機顔料の赤色202号
(リゾールルビンBCA)は80℃で脱水し、結晶がα
型からβ型へ変化するとともに色調が変化するため、処
理するひとができなかった。また、紺青は、熱を加える
と分解し、150℃以上では徐々にシアンガスを放出す
る。
【0009】また、従来の方法により得られるコーティ
ング膜は、主鎖がシロキサン結合(Si−O−Si)で
あり、さらに粉体との結合においても同様であるため、
アルカリ性や強酸性条件下での安定性に問題がある。例
えば、液体クロマトグラフィー用充填剤では、pH4〜
7程度の使用条件で制限されており、使用域を超えた条
件下での使用では、表面処理された部分の浸食は固よ
り、シリカ基材自体にも影響を及ぼし、分離能や耐久性
の低下を招く。
【0010】さらに、従来の方法では、金属は固より、
金属酸化物においても充分実用に耐え得るコーティング
膜を形成させることは非常に困難であった。
【0011】従って、この発明の目的は、従来技術にお
いては構造的な欠点であった耐アルカリ性、耐酸性の問
題を、ほとんどシロキサン結合を有しない含ケイ素化合
物を粉体表面に形成させることにより克服した改質粉体
を提供することにあり、また、温和な条件で均一な膜を
形成させる改質粉体の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨は、ポリ
シラン化合物の反応生成生物である含ケイ素化合物、例
えば炭化ケイ素によって粉体表面を被覆することによ
り、改質粉体を構成した点にある。この発明において、
ポリシラン化合物とは、その骨格内の1部或いは全体に
わたってポリシラン結合を有する化合物を意味する。
【0013】また、この発明では、1種類もしくは2種
類以上のポリシラン化合物を原料とし、ポリシラン化合
物単独で或いは金属アルコキシド、有機化合物などの添
加剤と併用して、粉体の表面においてポリシラン化合物
に転位反応、重合反応又は酸化反応を起こさせることに
より含ケイ素化合物を生成し、その含ケイ素化合物の膜
によって粉体表面を被覆するようにし、改質粉体を製造
するようにした。
【0014】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例について説明
する。
【0015】まず、ポリシラン化合物は原料の必須成分
であり、基本骨格として、例えば一般式(R12Si)
nで表わされる。式中、R1及びR2は、水素原子、又は
炭化水素基などの有機基である。また、nは2以上の整
数である。炭化水素基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、ブチル基、プロピル基、オクチル基、オクタデシ
ル基などのアルキル基、フェニル基、ベンジル基などの
芳香属基、ビニル基、アリル基、アクリルオキシプロピ
ル基、メタクリロキシ基などの感光性基などが挙げら
れ、その他、クロロメチル基、クロロエチル基などのハ
ロゲン化アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基などのアルコキシ基、グリシドキシプロピル基、
エポキシシクロヘキシルエチル基などのエポキシアルキ
ル基、アミノプロピル基、アミノブチル基などのアミノ
アルキル基や、アミノ基、カルボン酸基などが挙げられ
る。そして、原料とされるポリシラン化合物を具体的に
例示すれば、ジメチルポリシラン、メチルプロピルポリ
シラン、メチルヘキシルポリシラン、メチルオクチルポ
リシラン、メチルオクタデシルポリシラン、メチルフェ
ニルポリシラン、ジフェニルポリシラン、メチルビニル
ポリシラン、メチルポリシラン、フェニルポリシラン、
エトキシメチルポリシランなどである。
【0016】また、ポリシラン化合物は、そのポリシラ
ン主鎖骨格上に他の組成の骨格を有してもよく、例えば
(R12Si)n(R34SiO)mで表されるような
シロキサン骨格を一部有する化合物やチタロキサン骨格
を有する化合物などが好ましい。式中、R1、R2、R3
及びR4は、水素原子又は炭化水素基であり、n、mは
整数である。さらにまた、化1で示される一般式で表わ
されるような有機ポリマーを骨格内に有する化合物であ
ってもよい。尚、式中、R1及びR2は、水素原子又は炭
化水素基であり、n、mは整数である。
【0017】
【化1】
【0018】また、これらポリシラン化合物は、直鎖状
であっても環状化合物であってもよく、さらには、ホモ
ポリマー、コポリマーの何れであってもよい。
【0019】ポリシラン化合物は、一般に、例えばジャ
ーナル・オブ・アメリカン・ケミストリー・ソサイアテ
ィ(Journal of AmericanChemistry Society)、71、96
3(1914)などに開示されているように、ジクロロシラ
ン化合物を金属ナトリウム又は金属リチウムに接触させ
ることにより得られる。また、ジャーナル・オブ・アメ
リカン・ケミストリー・ソサイアティ、106、1859(198
4)、同、108、4059(1986)やエーシーエス・ポリマー
・プレプリント(ACS Polymer Preprints) 28(1)、4
63(1987)などに開示されているように、シランの触媒
的脱水素カップリング法により得ることが可能である。
さらにまた、アニオン重合法による開環重合がジャーナ
ル・オブ・アメリカン・ケミストリー・ソサイアティ、
111、7641(1989)や同、94、5837(1972)に開示され
ている。
【0020】これらの方法により、ポリシラン化合物は
種々のものを合成することが可能であり、また分子量に
ついても、ジシランのような数百程度のものから数十万
のポリシランまでが合成されている。この発明において
使用されるポリシラン化合物の分子量は特に制限は無い
が、滑らかな表面を有する粉体などに対しては、数千〜
数十万の分子量のポリシランが適当であり、また、取扱
い上では、溶液状又は溶媒可溶性のものが望ましい。一
方、微細構造を有する粉体、例えば液体クロマトグラフ
ィー用充填剤のような多孔質粉体などの表面処理につい
ては、数百〜数千の分子量を有するポリシラン化合物が
望ましい。これは、微細構造を有する表面においては、
高分子量のポリシラン化合物では微細構造内部まで十分
に被覆することができず、また余りに低分子物である
と、低沸点物であるなどの影響により、被覆に欠損を生
じ易いためである。
【0021】この発明の方法では、必ずしも添加剤が必
要ではないが、次のような場合には添加剤を使用するこ
とが好ましい。この発明の方法における添加剤とは、ポ
リシラン化合物の転位反応又は重合反応の際に反応の促
進或いは結合を強化させ得る化合物を意味し、例を挙げ
れば、エチルシリケート、メチルシリケート、ジルコニ
ウムブトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、チタ
ニウムイソプロポキシドなどの金属アルコキシドや、ジ
ビニルベンゼン、スチレン、メチルメタクリレート、エ
チレングリコールジメチルメタクリレート等の有機化合
物などがある。これらの化合物は、ポリシランの不溶化
温度を低下させたり、不溶化を促進させる効果を有し、
或いは光学活性を増感させる効果を有する。
【0022】また、この発明の方法が適用される粉体
は、一般に平均粒径10mm以下の任意の物質、例えばガ
ラス、シリカゲルなどの酸化ケイ素化合物や酸化ジルコ
ニウム化合物、酸化チタニウム化合物、酸化アルミニウ
ム化合物、窒化ケイ素、炭化ケイ素化合物などの無機物
質、ポリスチレン、ポリメタクリル酸などの有機ポリマ
ービーズ、塩、塩化カリウム、トリエチレンジアミン、
ピペラジンなどの無機又は有機結晶などの各種粉体であ
る。また、粉体に形状については特に制限は無く、凝集
体や造粒体であってもよい。さらに、粉体の表面は滑ら
かであっても粗くてもよく、さらに多孔質であってもよ
い。
【0023】この発明に係る粉体の改質方法は、1種類
もしくは2種類以上のポリシラン化合物を単独で或いは
金属アルコキシド、有機化合物などの添加剤及びトルエ
ン、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒と十
分混合し、均一な溶液状態にした後、粉体表面に均一に
添加して十分乾燥させるか、或いは蒸気を利用した蒸着
法により粉体表面に直接コーティングさせる。これをプ
ラズマ、紫外線、レーザーなどの照射による処理によっ
て転位反応や重合反応を起こさせるか、或いは、真空下
又は窒素、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下におい
て熱処理を行なって酸化反応や重合反応を起こさせ、粉
体の表面に含ケイ素化合物、例えば炭化ケイ素を被着形
成させることにより、改質粉体を得るものである。
【0024】この方法で使用する有機溶媒としては、薬
剤が溶解し得るものであれば差し支えないが、ポリシラ
ン化合物の塗布後に乾燥を行なうため、好ましくは乾燥
速度が速いものが良い。例えば、トルエン、キシレン、
ベンゼン、THF、シクロヘキサンなどが好ましい。乾
燥条件に特に制限は無いが、好ましくは30〜100℃
の温度で10〜60分程度である。
【0025】熱処理の条件は、使用する素材や原料によ
り最適化すべきであるが、一般には200〜300℃の
温度で1〜3時間程度の予備焼成を行ない、1〜10℃
/分程度の昇温スピードで最終温度に到達させるのが好
ましい。最終温度は600〜1,200℃、最適には8
00〜1,100℃が望ましい。また、熱による変性や
劣化が生じる粉体に対しては、紫外線照射、CVDやプ
ラズマ重合を行なうことにより、物質特性を維持した状
態で表面改質を行なうようにすればよい。
【0026】ポリシラン化合物は、アルゴンや窒素など
の不活性雰囲気下で熱処理を行なうか、或いは紫外線照
射を行なうことにより、ポリカルボシラン又は炭化ケイ
素を生成させ得る。ポリカルボシランは、一般式(Si
(R)l−C(H)m)nで表わされる。式中、Rは水
素又は炭化水素基であり、m及びlは0〜2の整数、n
は整数である。また、炭化珪素は、一般式SiCで表わ
される化合物である。これらポリシラン化合物からポリ
カルボシラン又は炭化ケイ素への転移及び重合反応の反
応機構については、ジャーナル・オブ・マテリアルズ・
サイエンス(Journal of Materials Science)、13(19
78)2569〜2576などに記載されている。すなわち、熱或
いは光などによるSi−Si結合由来のSiラジカルの
生成と分子内の炭化水素基へのラジカルの転位とにより
生成すると考えられている。また、生成するSi−C結
合量は、処理温度、処理光量、処理時間によって変化
し、総エネルギー量により決定される。処理条件が温和
な場合、例えば窒素雰囲気下、350℃、3時間の処理
ではポリカルボシランが形成され、800℃、3時間の
処理では炭化珪素が形成される。ポリカルボシラン又は
炭化ケイ素の生成は、赤外吸収光度計により確認するこ
とができ、また高分子化は、溶媒への不溶化を起こさせ
るため、還流下のトルエンへの溶解の有無を調べること
により確認することができる。
【0027】また、ポリシラン化合物は、アンモニアな
どの雰囲気下で熱処理を行なうか、或いは紫外線照射を
行なうことにより、窒化ケイ素を合成し得る。窒化ケイ
素は、一般式Si34で表わされる化合物である。
【0028】以上のようにして、表面にポリシラン化合
物を原料とする含ケイ素化合物の膜を有する、耐アルカ
リ性、耐酸性、耐薬品性などに優れた改質粉体を得るこ
とができる。
【0029】次に、具体的製法例及び比較例について説
明する。
【0030】〔ジメチルポリシランの合成例〕
【0031】ポリシランの合成方法としては、ジャーナ
ル・オブ・アメリカン・ケミストリー・ソサイアティ、
71、963(1914)などに開示されているように、ジクロ
ロシラン化合物を金属ナトリウム又は金属リチウムに接
触させることにより得る方法が最も一般的である。一例
としてジメチルポリシランの合成方法を例示する。ま
た、他のポリシランについても、同様の方法で合成し得
る。
【0032】500mlの三つ口フラスコに300mlの脱
水THF及び1モルの金属リチウムを入れ、それを窒素
雰囲気下で0℃に保ち、その三つ口フラスコ内にジクロ
ロジメチルシラン0.5モルを滴下ロートで徐々に滴下
し、18時間反応させることにより、ポリジメチルシラ
ン約20gを得た。ポリシランの分子量は、GPCによ
る分子量測定の結果、数平均分子量300(ポリスチレ
ン換算)であった。
【0033】〔メチルポリシランの合成例〕
【0034】ジクロロジメチルシランに代えてジクロロ
メチルシランを用いる以外は、上記のジメチルポリシラ
ンの合成例と同様の方法によって合成した。得られたポ
リメチルシランは、数平均分子量280(ポリスチレン
換算)であった。
【0035】〔ジメチルシラン−メチルフェニルシラン
コポリマーの合成例〕
【0036】ジクロロジメチルシランに代えてジクロロ
メチルシラン及びジクロロメチルフェニルシランの混合
物を用いる以外は、上記のジメチルポリシランの合成例
と同様の方法によって合成した。得られたポリメチルシ
ランは数平均分子量630(ポリスチレン換算)であっ
た。
【0037】〔多孔質シリカゲルの炭化ケイ素による表
面改質例1〕
【0038】多孔質シリカゲル粉末(粒子径10μm、
平均細孔径150Å)10gに対し、上記方法で合成さ
れたジメチルポリシラン2g及びトルエン5mlを十分に
溶解させた後に混合し、それを溶媒除去のため真空中で
乾燥させた。これを250℃の温度で3時間、窒素雰囲
気下で予備焼成し、その後、5℃/分の昇温スピードで
800℃まで昇温させ、10時間焼成した後、自然冷却
により室温まで温度降下するのを待って炉内より取り出
し、炭化ケイ素により改質された多孔質シリカゲル粉体
を得た。この粉体の炭素含有量は1.8%であった。ま
た、平均細孔径は120Åであった。
【0039】〔多孔質シリカゲルの炭化ケイ素による表
面改質例2〕
【0040】ジメチルポリシランに代えて上記方法で合
成されたメチルポリシランを用いる以外は、上記の多孔
質シリカゲルの炭化ケイ素による表面改質例1と同様の
方法によって改質を行なった。得られた炭化ケイ素改質
粉体は、炭素含有率が2.5%であった。また、平均細
孔径は112Åであった。
【0041】〔多孔質シリカゲルのポリカルボシランに
よる表面改質例〕
【0042】焼成温度800℃を350℃に変更する以
外は、上記の炭化ケイ素による表面改質例1と同様の方
法によって改質を行なった。得られた粉体のIRスペク
トルを測定した結果、1,355cm-1のSi−CH2
Siのピーク並びに2,100cm-1のSi−Hに帰属さ
れるピークがそれぞれ確認され、ポリカルボシランによ
る改質粉体が得られた。得られた改質粉体の炭素含有率
は8.2%であり、平均細孔径は105Åであった。
【0043】〔酸化チタニウムの炭化ケイ素による表面
改質例〕
【0044】多孔質シリカゲル粉末を酸化チタニウム粉
末に代える以外は、上記の多孔質シリカゲルの炭化ケイ
素による表面改質例2と同様の方法によって改質を行な
い、炭化ケイ素改質粉体を得た。得られた改質粉体の炭
素含有率は2.3%であった。
【0045】〔比較試験〕
【0046】上記した各方法で得られた、ジメチルポリ
シランを原料とした炭化ケイ素による多孔質シリカゲル
の改質粉体(改質粉体1)、メチルポリシランを原料と
した炭化ケイ素による多孔質シリカゲルの改質粉体(改
質粉体2)、ポリカルボシランによる多孔質シリカゲル
の改質粉体(改質粉体3)及び炭化ケイ素による酸化チ
タニウムの改質粉体(改質粉体4)、並びにそれぞれの
原料粉末について、耐酸性テスト及び耐アルカリ性テス
トを下記の要領で行なった。
【0047】a)耐酸性テスト
【0048】被試験粉体を1NHCl溶液中で24時間
混合撹拌し、撹拌終了後に粉体を濾別し、溶液中のSi
溶出成分量の測定並びに原料粉末の成分分析を行なっ
た。
【0049】b)耐アルカリ性テスト1
【0050】被試験粉体を0.1NNaOH溶液中で2
4時間混合撹拌し、撹拌終了後に粉体を濾別し、溶液中
のSi溶出成分量の測定並びに原料粉末の成分分析を行
なった。
【0051】c)耐アルカリ性テスト2
【0052】0.1NNaOH溶液に代えて1NNaO
H溶液を使用する以外は、上記耐アルカリ性テスト1と
同様の方法で行なった。
【0053】これらテストの結果を表1に示す。表中の
判定は次の基準に従った。すなわち、優良:Si溶出成
分が全量の0.01%以下、良:Si溶出成分が全量の
0.1%以下、不良:Si溶出成分が全量の0.1%以
上とした。
【0054】
【表1】
【0055】表1から明らかなように、何れの改質粉体
も、耐酸性及び耐アルカリ性が向上した。
【0056】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、この発明によれば、耐アルカリ性、耐酸
性、耐薬品性などに優れた含ケイ素化合物を表面に有す
る改質粉体を得ることができる。また、この発明の方法
によると、温和な条件で均一な含ケイ素化合物の膜を粉
体表面に形成させることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来技術で
は、ほとんどの有機系粉体や熱処理に弱い無機系粉体に
対応できなかった。例えば、有機顔料の赤色202号
(リゾールルビンBCA)は80℃で脱水し、結晶がα
型からβ型へ変化するとともに色調が変化するため、処
理するとができなかった。また、紺青は、熱を加える
と分解し、150℃以上では徐々にシアンガスを放出す
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨は、ポリ
シラン化合物の反応生成物である含ケイ素化合物、例え
ば炭化ケイ素によって粉体表面を被覆することにより、
改質粉体を構成した点にある。この発明において、ポリ
シラン化合物とは、その骨格内の1部或いは全体にわた
ってポリシラン結合を有する化合物を意味する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】被試験粉体を1NHCl溶液中で24時間
混合撹拌し、撹拌終了後に粉体を濾別し、溶液中のSi
(又はTi)溶出成分量の測定並びに原料粉末の成分分
析を行なった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】被試験粉体を0.1NNaOH溶液中で2
4時間混合撹拌し、撹拌終了後に粉体を濾別し、溶液中
のSi(又はTi)溶出成分量の測定並びに原料粉末の
成分分析を行なった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】これらテストの結果を表1に示す。表中の
判定は次の基準に従った。すなわち、優良:Si(又は
Ti)溶出成分が全量の0.01%以下、良:Si(又
はTi)溶出成分が全量の0.1%以下、不良:Si
(又はTi)溶出成分が全量の0.1%以上とした。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリシラン化合物の反応生成生物である
    含ケイ素化合物によって表面が被覆されてなる改質粉
    体。
  2. 【請求項2】 含ケイ素化合物が炭化ケイ素である請求
    項1記載の改質粉体。
  3. 【請求項3】 1種類もしくは2種類以上のポリシラン
    化合物を原料とし、そのポリシラン化合物を粉体の表面
    に被着した後、ポリシラン化合物に転位反応、重合反応
    又は酸化反応を起こさせることにより含ケイ素化合物を
    生成し、その含ケイ素化合物によって粉体表面を被覆す
    る改質粉体の製造方法。
JP3122771A 1991-04-24 1991-04-24 改質粉体及び改質粉体の製造方法 Pending JPH0517121A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008105937A (ja) * 2006-09-29 2008-05-08 Nippon Tungsten Co Ltd 炭化物粉末被覆酸化物粉末の製造方法
WO2011059041A1 (ja) * 2009-11-12 2011-05-19 信越化学工業株式会社 炭化ケイ素粉末組成物及びそれを用いる炭化ケイ素成形体の製造方法
JP2022096651A (ja) * 2020-12-17 2022-06-29 国立大学法人愛媛大学 炭化ケイ素多孔体及びその製造方法

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JP2022096651A (ja) * 2020-12-17 2022-06-29 国立大学法人愛媛大学 炭化ケイ素多孔体及びその製造方法

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